JP2004225557A - ピストン式圧縮機 - Google Patents
ピストン式圧縮機 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004225557A JP2004225557A JP2003011130A JP2003011130A JP2004225557A JP 2004225557 A JP2004225557 A JP 2004225557A JP 2003011130 A JP2003011130 A JP 2003011130A JP 2003011130 A JP2003011130 A JP 2003011130A JP 2004225557 A JP2004225557 A JP 2004225557A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- suction
- valve
- passage
- pressure
- compression chamber
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Compressor (AREA)
- Compressors, Vaccum Pumps And Other Relevant Systems (AREA)
Abstract
【課題】ロータリバルブを用いたピストン式圧縮機におけるロータリバルブに関係する異音発生を抑制する。
【解決手段】回転軸18と一体的に回転するロータリバルブ26には導入通路31が形成されている。導入通路31は、吸入室131に連通している。圧縮室112に連通する吸入通路32と導入通路31とは、ロータリバルブ26の回転に伴って間欠的に連通する。吸入室131と圧縮室112とを隔てるバルブプレート14には吸入ポート141が設けられている。吸入ポート141は、吸入弁151によって開閉される。吸入室131の冷媒ガスは、吸入ポート141から吸入弁151を押し退けて圧縮室112へ流入可能である。
【選択図】 図1
【解決手段】回転軸18と一体的に回転するロータリバルブ26には導入通路31が形成されている。導入通路31は、吸入室131に連通している。圧縮室112に連通する吸入通路32と導入通路31とは、ロータリバルブ26の回転に伴って間欠的に連通する。吸入室131と圧縮室112とを隔てるバルブプレート14には吸入ポート141が設けられている。吸入ポート141は、吸入弁151によって開閉される。吸入室131の冷媒ガスは、吸入ポート141から吸入弁151を押し退けて圧縮室112へ流入可能である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピストンによってシリンダボア内に区画される圧縮室に吸入圧領域から冷媒を導入するための導入通路を有するロータリバルブを備えたピストン式圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ピストン式圧縮機においては、リード弁型の吸入弁が一般的に用いられる。ピストンが上死点位置側から下死点位置側へ移行する吸入行程において、圧縮室の圧力が吸入圧領域の圧力よりも小さくなると、吸入圧領域の冷媒が吸入弁を押し退けて圧縮室へ流入する。このようなリード弁型の吸入弁は、吸入圧領域から圧縮室への冷媒吸入において常に最適な吸入開始タイミングを保障する。しかし、リード弁型の吸入弁は、自励振動に起因した異音を発生させやすい。そこで、自励振動が生じることのないロータリバルブを吸入弁として用いるピストン式圧縮機が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
【0003】
特許文献3に開示のピストン式圧縮機では、ロータリバルブとリード弁型の吸入弁との両方が併用されている。しかし、特許文献3に開示のピストン式圧縮機で用いられるロータリバルブは、気液分離器で分離された比較的高圧(蒸発器から圧縮機に至る冷媒通路内の吸入圧領域の圧力よりも高圧)の冷媒ガスを圧縮室に注入するためのものである。この注入のタイミングは、ピストンが下死点位置側から上死点位置側へ移動する吐出行程の途中のタイミングに設定されている。つまり、特許文献3に開示のピストン式圧縮機で用いられるロータリバルブは、リード弁型の吸入弁の代用となるものではない。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−312146号公報
【特許文献2】
特開平7−63165号公報
【特許文献3】
特開平5−66066号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1及び特許文献2に開示されるようなピストン式圧縮機では、吸入圧領域の冷媒が圧縮室へ吸入開始されるタイミングは、ロータリバルブの外周面における導入通路の開口位置で決まる。しかし、最適の吸入開始タイミングは、運転条件によって異なる。つまり、最適の吸入開始タイミングは、圧縮機の回転数の変化に伴う吸入圧の変化や、可変容量型圧縮機では吐出容量の変化に伴う吸入圧の変化等によって異なる。そのため、実際の吸入開始タイミングと最適の吸入開始タイミングとを常に一致させることは難しい。
【0006】
実際の吸入開始タイミングが最適の吸入開始タイミングよりも早すぎる場合には、圧縮室に残留する冷媒ガスの圧力は、吸入室に通じている導入通路の圧力よりも高い。そのため、圧縮室の冷媒がロータリバルブにおける導入通路側に逆流し、大きな吸入脈動が発生する。吸入脈動は、異音発生の原因となる。
【0007】
実際の吸入開始タイミングが最適の吸入開始タイミングよりも遅すぎる場合には、圧縮室内の圧力が吸入圧領域の圧力よりも低くなりすぎる。この圧力差が大きな吸入脈動を発生させる。
【0008】
本発明は、ロータリバルブを用いたピストン式圧縮機におけるロータリバルブに関係する異音発生を抑制することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明は、回転軸の周囲に配列された複数のシリンダボア内にピストンを収容し、前記ピストンによって前記シリンダボア内に区画される圧縮室に吸入圧領域から冷媒を導入するための導入通路を有するロータリバルブを備え、前記圧縮室に通じる吸入通路と前記導入通路との連通によって吸入圧領域から前記導入通路及び吸入通路を介して前記圧縮室へ冷媒を導入するピストン式圧縮機を対象とし、請求項1の発明では、前記圧縮室と前記吸入圧領域とを隔てるバルブプレートと、前記バルブプレートに設けられた吸入ポートと、前記吸入ポートを閉じる着座位置から弾性力に抗して離間する吸入弁とを備えたピストン式圧縮機を構成した。
【0010】
吸入ポートを開閉する吸入弁が存在するため、圧縮室の圧力が十分に低くなれば吸入弁が吸入ポートを開く。導入通路と圧縮室との連通開始のタイミングを吸入弁が吸入ポートを開く時以降にすれば、着座位置から弾性力に抗して離間する吸入弁の存在は、吸入圧領域から圧縮室への冷媒吸入において常に最適な吸入開始タイミングを保障する。
【0011】
ピストンが上死点位置から下死点位置に向けて移動開始する時以後における導入通路と圧縮室との連通開始のタイミングを前記移動開始の時から遅らせてやると、導入通路と圧縮室とが連通する前に圧縮室の圧力が低下する。導入通路と圧縮室との連通開始のタイミングを前記移動開始の時から遅らせてやれば、圧縮室の容積が増大して圧縮室の圧力が低下するため、導入通路と圧縮室とが連通したときにおける圧縮室から導入通路への冷媒ガスの逆流が低減する。冷媒ガスの逆流の低減は、吸入脈動を弱くする。
【0012】
吸入ポート及び吸入弁の役目は、吸入行程の初期の段階での冷媒吸入に利用すれば十分であるので、着座位置からの吸入弁の最大離間量は、僅かでよく、吸入弁の自励振動の問題も回避することができる。
【0013】
請求項2の発明では、請求項1において、前記ピストンが上死点位置から下死点位置へ向かう吸入行程における前記導入通路と前記吸入通路との連通の開始は、前記圧縮室の圧力と前記吸入圧領域の圧力との前記吸入弁を介した差圧に基づいて前記吸入弁が前記着座位置から離間開始する時以降とした。
【0014】
吸入弁が着座位置から離間開始する時には、圧縮室の圧力が吸入圧領域の圧力以下となっている。ロータリバルブにおける導入通路と吸入通路とが連通開始するときには、圧縮室の圧力が吸入圧領域の圧力以下となっているので、圧縮室の冷媒ガスがロータリバルブにおける導入通路側へ逆流することはない。
【0015】
請求項3の発明では、請求項1及び請求項2のいずれか1項において、前記吸入弁は、着座位置から弾性的に撓み変形して離間可能なリード弁とした。
弾性的に撓み変形するリード弁は、吸入弁として好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を可変容量型ピストン式圧縮機に具体化した第1の実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。
【0017】
図1に示すように、シリンダブロック11の前端にはフロントハウジング12が接合されている。シリンダブロック11の後端にはリヤハウジング13がバルブプレート14、弁形成プレート15,16及びリテーナ形成プレート17を介して接合固定されている。シリンダブロック11、フロントハウジング12及びリヤハウジング13は、圧縮機の全体ハウジングを構成する。
【0018】
制御圧室121を形成するフロントハウジング12には回転軸18がラジアルベアリング10を介して回転可能に支持されている。制御圧室121から外部へ突出する回転軸18は、プーリ(図示略)及びベルト(図示略)を介して外部駆動源である車両エンジンEから駆動力を得る。フロントハウジング12と回転軸18との間にはリップシール型の軸封装置25が介在されている。
【0019】
回転軸18には回転支持体19が止着されていると共に、斜板20が回転軸18の軸線181の方向へスライド可能かつ傾動可能に支持されている。図2に示すように、斜板20には連結片21,22が止着されており、各連結片21,22にはガイドピン23,24が止着されている。回転支持体19には一対のガイド孔191,192が形成されている。ガイドピン23,24の頭部は、ガイド孔191,192にスライド可能に嵌入されている。斜板20は、ガイド孔191,192と一対のガイドピン23,24との連係により回転軸18の軸線181の方向へ傾動可能かつ回転軸18と一体的に回転可能である。斜板20の傾動は、ガイド孔191,192とガイドピン23,24とのスライドガイド関係、及び回転軸18のスライド支持作用により案内される。
【0020】
斜板20の中心部が回転支持体19側へ移動すると、斜板20の傾角が増大する。斜板20の最大傾角は回転支持体19と斜板20との当接によって規制される。図1における斜板20の実線位置は、斜板20の傾角が最大となる位置を示す。斜板20の中心部がシリンダブロック11側へ移動すると、斜板20の傾角が減少する。図1における斜板20の鎖線位置は、斜板20の傾角が最小となる位置を示す。
【0021】
シリンダブロック11に貫設された複数のシリンダボア111内にはピストン28が収容されている。斜板20の回転運動は、シュー29を介してピストン28の前後往復運動に変換され、ピストン28がシリンダボア111内を往復動する。ピストン28は、シリンダボア111内に圧縮室112を区画する。
【0022】
図1及び図3に示すように、リヤハウジング13内には吸入室131及び吐出室132が区画形成されている。図1に示すように、吸入圧領域である吸入室131と吐出圧領域である吐出室132とは、外部冷媒回路37で接続されている。外部冷媒回路37上には、冷媒から熱を奪うための熱交換器38、膨張弁39、及び周囲の熱を冷媒に移すための熱交換器40が介在されている。膨張弁39は、熱交換器40の出口側のガス温度の変動に応じて冷媒流量を制御する温度式自動膨張弁である。
【0023】
バルブプレート14、弁形成プレート16及びリテーナ形成プレート17には吸入ポート141が形成されており、弁形成プレート15及びバルブプレート14には吐出ポート142が形成されている。弁形成プレート15には吸入弁151が形成されており、弁形成プレート16には吐出弁161が形成されている。吸入弁151は、吸入ポート141を開閉し、吐出弁161は、吐出ポート142を開閉する。吸入弁151は、シリンダボア111の周縁部に形成された位置規制凹部113の底に当接して開度規制される。吐出弁161は、リテーナ形成プレート17上のリテーナ171に当接して開度規制される。
【0024】
シリンダブロック11にはロータリバルブ26が回転可能に支持されている。ロータリバルブ26は、シリンダブロック11に貫設された支持孔27に挿通されている。ロータリバルブ26は、回転軸18に結合されている。即ち、ロータリバルブ26は、回転軸18と一体的に回転する。回転軸18と一体的に回転するロータリバルブ26は、支持孔27を介してシリンダブロック11によって直接支持されている。
【0025】
図1に示すように、回転支持体19とフロントハウジング12との間にはスラストベアリング33が介在されている。スラストベアリング33は、圧縮室112からピストン28、シュー29、斜板20、連結片21,22及びガイドピン23,24を介して回転支持体19に作用する吐出反力を受け止める。回転支持体19とフロントハウジング12との間には空隙部122が存在する。
【0026】
回転軸18内には軸内通路36が軸線181に沿って形成されている。回転軸18の外周面には軸内通路36の入口361が形成されている。入口361は、空隙部122に臨む位置にある。
【0027】
ロータリバルブ26内には供給通路30が回転軸18の軸線181の方向に沿って形成されている。供給通路30は、吸入圧領域である吸入室131に連通している。ロータリバルブ26には導入通路31が供給通路30に連通するように形成されている。
【0028】
ロータリバルブ26には小径の連結部261が形成されている。連結部261は、軸内通路36内に圧入によって嵌入されている。連結部261には絞り通路262がロータリバルブ26の軸線263に沿って形成されている。軸内通路36と供給通路30とは、絞り通路262を介して連通している。絞り通路262における通過断面積は、軸内通路36における通過断面積よりもかなり小さくしてある。
【0029】
図4(a)に示すように、シリンダブロック11には吸入通路32がシリンダボア111と支持孔27とを連通するように形成されている。吸入通路32は、支持孔27の周面上に開口している。回転軸18及びロータリバルブ26の回転に伴い、導入通路31と吸入通路32とが間欠的に重なり、導入通路31と吸入通路32とが間欠的に連通する。
【0030】
図5(a),(b)の状態では、ピストン28がバルブプレート14に最接近した上死点位置にある。ピストン28が上死点位置にある状態では、吸入弁151は、バルブプレート14に接して吸入ポート141を閉じる着座位置にあり、かつ導入通路31と吸入通路32とは連通していない。従って、吸入室131の冷媒ガスが圧縮室112へ流入することはない。
【0031】
図6(a),(b)の状態では、ピストン28が上死点位置から鎖線で示す下死点位置に向けて離間した位置にある。なお、鎖線で示すピストン28の下死点位置は、斜板20の傾角が最大傾角の状態にあるときのバルブプレート14から最も離間した位置である。ピストン28が図6(a)の実線位置にある状態では、圧縮室112の圧力が吸入室131の圧力よりも低くなっており、吸入弁151は、着座位置から離間して吸入ポート141を開いている。つまり、吸入弁151は、吸入室131の圧力と圧縮室112の圧力との吸入弁151を介した差圧によって、吸入弁151の弾性力に抗して着座位置から離間して位置規制凹部113の底に接するように撓む。しかし、導入通路31と吸入通路32とは連通していない。従って、吸入室131の冷媒ガスが吸入ポート141を経由して圧縮室112へ流入する。
【0032】
図7(a),(b)の状態では、ピストン28が図6(a)に示す実線位置から鎖線で示す下死点位置に向けてさらに移動した位置にある。ピストン28が図7(a)にある状態では、圧縮室112の圧力が吸入室131の圧力以下になっており、吸入弁151は、着座位置から離間して吸入ポート141を開いている。又、導入通路31と吸入通路32とは連通している。従って、吸入室131の冷媒ガスは、吸入ポート141を経由して圧縮室112へ流入すると共に、供給通路30、導入通路31及び吸入通路32を経由して圧縮室112へ流入する。
【0033】
図4(b)のグラフにおける曲線Sは、斜板20の傾角が最大の状態における圧縮室112における容積変化を示す。図4(b),(c),(d)のグラフにおける横軸θは、回転軸18の回転角度を表す。ピストン28が上死点位置にあるときの回転軸18の回転角度を0°(360°)としており、ピストン28が下死点位置にあるときの回転軸18の回転角度を180°としている。回転角度0°〜180°の間は、ピストン28が上死点位置から下死点位置へ移行する吸入行程(即ち、ピストン28が図1の右側から左側へ移動する行程)である。回転角度180°〜360°の間は、ピストン28が下死点位置から上死点位置へ移行する吐出行程(即ち、ピストン28が図1の左側から右側へ移動する行程)である。
【0034】
図4(c)のグラフにおける曲線D1は、導入通路31と吸入通路32との間における通過断面積の変化を示す。図4(c)のグラフにおける曲線E1は、斜板20の傾角が最大の状態における圧縮室112の圧力変化を示す。曲線D1は、導入通路31と吸入通路32との間における通過断面積の変化を示す。圧力Psは、吸入圧領域における圧力として設定される吸入圧を表し、圧力Pdは、吐出圧領域における最大の圧力として設定される吐出圧を表す。回転角度θsは、圧縮室112における圧力が吸入圧Psに低下したタイミングを示す。曲線D1で示すように、導入通路31と吸入通路32とは、吸入行程において圧縮室112の圧力が吸入圧Ps以下に低下した後に連通を開始する。導入通路31と吸入通路32とが連通したときには、吸入弁151は吸入ポート141を開いている。
【0035】
図4(b)に示す容積Voは、ピストン28が上死点位置にあるときの圧縮室112の容積を示す。つまり、ピストン28が上死点位置にあるときの圧縮室112には吐出圧Pdの圧力の冷媒ガスが閉じ込められており、この閉じ込め容積が容積Vdである。図4(b)に示す容積Vsは、圧縮室112における圧力が吸入圧Psに低下したタイミング(回転角度θs)における圧縮室112の容積を示す。つまり、圧縮室112における圧力が吸入圧Psに低下したときの圧縮室112には吸入圧Psの圧力の冷媒ガスが閉じ込められている。従って、容積Vsは、(容積Vo)×(吐出圧Pd÷吸入圧Ps)で表される。換言すると、容積Vsを圧縮室112の最小容積である容積Voで割った値は、吐出圧Pdを吸入圧Psで割った値で表される。
【0036】
図4(c)の場合には、導入通路31と吸入通路32との連通開始時における圧縮室112の容積を圧縮室112の最小容積(Vo)で割った値は、吐出圧Pdを吸入圧Psで割った値よりも大きい。
【0037】
図4(d)のグラフにおける曲線D2は、従来のロータリバルブにおける導入通路と吸入通路との間における通過断面積の変化の一例を示し、曲線E2は、斜板の傾角が最大の状態における圧縮室の圧力変化を示す。図4(d)の従来例では、従来のロータリバルブにおける導入通路と吸入通路とは、吸入行程において圧縮室の圧力が吐出圧Pd相当の時に連通を開始する。
【0038】
ピストン28が吐出行程(ピストン28が図1の左側から右側へ移動する行程)の状態にあるときには、導入通路31と吸入通路32との連通が遮断されると共に、吸入室131が着座位置にあって吸入ポート141を閉じる。シリンダボア111が吐出行程の状態にあるときには、圧縮室112内の冷媒ガスが吐出ポート142から吐出弁161を押し退けて吐出室132へ吐出される。吐出圧領域である吐出室132へ吐出された冷媒は、圧縮機外の外部冷媒回路37へ流出する。外部冷媒回路37へ流出した冷媒は、吸入室131へ還流する。
【0039】
吐出室132と制御圧室121とは、送り込み通路34で接続されている。送り込み通路34上には電磁開閉弁型の容量制御弁35が介在されている。容量制御弁35は、励消磁制御される。容量制御弁35が消磁されると、弁体351が弁孔352を開き(弁開状態)、吐出室132内の冷媒ガスが送り込み通路34を経由して制御圧室121へ供給される。容量制御弁35が励磁されると、弁体351が弁孔352を閉じ(弁開状態)、吐出室132から送り込み通路34への冷媒供給が停止する。
【0040】
容量制御弁35が弁閉状態になると、吐出室132から制御圧室121への冷媒供給が停止する。制御圧室121内の冷媒ガスは、空隙部122、入口361、軸内通路36及び絞り通路262を介して供給通路30へ流出している。ラジアルベアリング10及びスラストベアリング33は、空隙部122を流れる冷媒ガスと共に流動する潤滑油によって潤滑される。制御圧室121内の冷媒ガスが軸内通路36及び絞り通路262を介して供給通路30へ流出しているため、制御圧室121内の圧力が下がる。従って、斜板20の傾角が増大して吐出容量が増える。容量制御弁35が弁開状態になると、吐出室132内の冷媒ガスが制御圧室121へ供給される。従って、制御圧室121内の圧力が上がり、斜板20の傾角が減少して吐出容量が減る。
【0041】
入口361、軸内通路36及び絞り通路262は、制御圧室121内の冷媒を吸入圧領域の一部である供給通路30へ放出するための放出通路を構成する。
第1の実施の形態では以下の効果が得られる。
【0042】
(1−1)圧縮室112と吸入圧領域である吸入室131とを隔てるバルブプレート14には吸入ポート141があり、吸入ポート141を開閉する吸入弁151が存在する。そのため、ピストン28が上死点位置から下死点位置に向けて移動開始する時以後における導入通路31と吸入通路32との連通開始のタイミングを前記移動開始の時から遅らせても、圧縮室112の圧力が吸入圧Psよりも低くなれば吸入弁151が吸入ポート141を開く。導入通路31と吸入通路32との連通開始は、導入通路31と圧縮室112との連通開始のことである。
【0043】
導入通路31と圧縮室112との連通開始のタイミングを前記移動開始の時から遅らせると、圧縮室112の容積が増大して圧縮室112の圧力が低下する。その結果、圧縮室112から導入通路31への冷媒ガスの逆流が図4(d)の従来例の場合に比べて低減する。圧縮室112から導入通路31への冷媒ガスの逆流の低減は、異音発生の原因となる吸入脈動を弱くし、吸入脈動に起因する異音発生が抑制される。
【0044】
本実施の形態では、導入通路31と吸入通路32とは、吸入行程において圧縮室112の圧力が吸入圧Ps以下に低下した後に連通を開始し、吸入弁151は、導入通路31と吸入通路32とが連通する前に吸入ポート141を開く。従って、着座位置から弾性力に抗して離間する吸入弁151は、吸入室131から圧縮室112への冷媒吸入において常に最適な吸入開始タイミングを保障する。
【0045】
(1−2)吸入ポート141及び吸入弁151の役目は、吸入行程の初期の段階での冷媒吸入に利用すれば十分であり、吸入行程における圧縮室112への冷媒吸入の多くは、ロータリバルブ26に受け持たせればよい。従って、吸入ポート141における冷媒吸入流量は、少なくてよく、着座位置からの吸入弁151の最大離間量は、僅かでよい。つまり、吸入弁151の開度を規制する位置規制凹部113における深さh〔図6(a)に図示〕は、小さくて済む。その結果、吸入弁151は、着座位置から僅かに離間しただけで位置規制凹部113の底に当接するので、吸入弁151の自励振動に起因した異音の発生の問題も回避することができる。
【0046】
(1−3)ロータリバルブを用いない可変容量型ピストン式圧縮機では、斜板の傾角が大きいときにおける吸入ポートでの冷媒吸入流量を多くするために、吸入弁の開度を大きくする必要がある。つまり、吸入弁が着座位置から最大に離間できる量(吸入弁が着座位置からストッパに当接するまで移動する量)を大きくしておく必要がある。そうすると、斜板の傾角が小さいときには吸入ポートでの冷媒吸入流量が少ないために、吸入弁が前記のストッパに当接せずに自励振動を起こしやすい。
【0047】
本実施の形態では、吸入弁151が着座位置からストッパである位置規制凹部113の底に当接するまでに移動する量が少ない。そのため、斜板20の傾角が小さいときにおいても、吸入室131の冷媒ガスが吸入ポート141を通って圧縮室112へ流入するときには、吸入弁151が位置規制凹部113の底に当接し、吸入弁151が自励振動を起こすことはない。
【0048】
(1−4)本実施の形態では、導入通路31と吸入通路32との連通の開始は、吸入弁151が着座位置から離間した後となっている。吸入弁151が着座位置から離間した後には、圧縮室112の圧力が吸入室131の圧力以下となっている。ロータリバルブ26における導入通路31と吸入通路32とが連通開始するときには、圧縮室112の圧力が吸入室131の圧力以下となっているので、圧縮室112の冷媒ガスが導入通路31側へ逆流することはない。圧縮室112から導入通路31への冷媒ガスの逆流がないため、冷媒ガスの逆流による吸入脈動の発生もなく、吸入脈動に起因する異音発生が抑制される。
【0049】
(1−5)弾性的に撓み変形するリード弁は、その前後の差圧が非常に小さい場合にも着座位置から離間可能である。僅かな差圧で弾性的に撓み変形するリード弁は、吸入弁151として好適である。
【0050】
次に、固定容量型ピストン式圧縮機に本発明を具体化した第2の実施の形態を図8〜図10に基づいて説明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
【0051】
図8(a)に示すように、接合された一対のシリンダブロック41,42にはフロントハウジング43及びリヤハウジング44が接合されている。フロントハウジング43には吐出室431及び吸入室432が形成されている。リヤハウジング44には吐出室441及び吸入室442が形成されている。吐出室431,441と吸入室442とは、外部冷媒回路37を介して接続されている。
【0052】
シリンダブロック41とフロントハウジング43との間にはバルブプレート45、弁形成プレート46,67及びリテーナ形成プレート47が介在されている。シリンダブロック42とリヤハウジング44との間にはバルブプレート48、弁形成プレート49,68及びリテーナ形成プレート50が介在されている。バルブプレート45,48及び弁形成プレート67,68には吐出ポート451,481が形成されている。リテーナ形成プレート47,50、弁形成プレート46,49及びバルブプレート45,48には吸入ポート452,482が形成されている。
【0053】
弁形成プレート46,49には吐出弁461,491が形成されており、弁形成プレート67,68には吸入弁671,681が形成されている。吐出弁461,491は、吐出ポート451,481を開閉し、吸入弁671,681は、吸入ポート452,482を開閉する。リテーナ形成プレート47,50にはリテーナ471,501が形成されている。リテーナ471,501は、吐出弁461,491の開度を規制する。吸入弁671は、シリンダボア57の周縁部に形成された位置規制凹部572の底に当接して開度規制される。吸入弁681は、シリンダボア58の周縁部に形成された位置規制凹部582の底に当接して開度規制される。
【0054】
シリンダブロック41,42には回転軸51が回転可能に支持されている。回転軸51は、シリンダブロック41,42に貫設された軸孔411,421に挿通されている。回転軸51は、軸孔411,421を介してシリンダブロック41,42によって直接支持されている。
【0055】
フロントハウジング43と回転軸51との間にはリップシール型の軸封装置52が介在されている。軸封装置52は、吸入室432に臨んでいる。
回転軸51には斜板53が固着されている。カム体である斜板53は、斜板室54に収容されている。シリンダブロック41,42の端面と斜板53の円環状の基部531との間にはスラストベアリング55,56が介在されている。スラストベアリング55,56は、斜板53を挟んで回転軸51の軸方向の位置を規制する。
【0056】
図9に示すように、シリンダブロック41には複数のシリンダボア57が回転軸51の周囲に配列されるように形成されている。図10に示すように、シリンダブロック42には複数のシリンダボア58が回転軸51の周囲に配列されるように形成されている。前後(フロントハウジング43側を前側、リヤハウジング44を後側としている)で対となるシリンダボア57,58には両頭ピストン59が収容されている。シリンダブロック41,42は、両頭ピストン59用のシリンダを構成する。
【0057】
図8(a)に示すように、回転軸51と一体的に回転する斜板53の回転運動は、シュー60を介して両頭ピストン59に伝えられ、両頭ピストン59がシリンダボア57,58内を前後に往復動する。両頭ピストン59は、シリンダボア57,58内に圧縮室571,581を区画する。
【0058】
回転軸51を通す軸孔411,421の内周面にはシール周面412,422が形成されている。シール周面412,422の径は、軸孔411,421の他の内周面の径よりも小さくしてあり、回転軸51は、シール周面412,422を介してシリンダブロック41,42によって直接支持される。
【0059】
回転軸51内には供給通路511が形成されている。供給通路511の始端は、回転軸51の内端面にあってリヤハウジング44内の吸入圧領域である吸入室442に開口している。
【0060】
図9に示すように、シリンダブロック41には吸入通路63がシリンダボア57と軸孔411とを連通するように形成されている。吸入通路63は、シール周面412上に開口している。図10に示すように、シリンダブロック42には吸入通路64がシリンダボア58と軸孔421とを連通するように形成されている。吸入通路64は、シール周面422上に開口している。回転軸51の回転に伴い、導入通路61,62は、吸入通路63,64に間欠的に連通する。シール周面412,422によって包囲される回転軸51の部分は、回転軸51に一体形成されたロータリバルブ65,66となる。導入通路61,62と吸入通路63,64との連通及び遮断のタイミングは、第1の実施の形態の場合〔図4(c)に曲線D1で示すタイミング〕と同じにしてある。
【0061】
図8(a),(b)に示すように、回転軸51には連通口69が供給通路511と吸入室432とを連通するように形成されており、供給通路511内の冷媒ガスが連通口69を介して吸入室432へ流入可能である。
【0062】
シリンダボア57が吸入行程の状態〔即ち、両頭ピストン59が図8(a)の左側から右側へ移動する行程〕にあるときには、導入通路61と吸入通路63とは、圧縮室571の圧力が吸入圧領域である供給通路511内の圧力(吸入圧Ps)以下に低下した後に連通を開始する。導入通路61と吸入通路63とが連通したときには、吸入弁671は吸入ポート452を開いており、吸入室432の冷媒ガスが吸入ポート452を経由して圧縮室571へ流入している。導入通路61と吸入通路63とが連通すると、供給通路511内の冷媒ガスが導入通路61及び吸入通路63を経由して圧縮室571へ流入し、かつ吸入室432の冷媒ガスが吸入ポート452を経由して圧縮室571へ流入する。
【0063】
シリンダボア57が吐出行程の状態〔即ち、両頭ピストン59が図8(a)の右側から左側へ移動する行程〕にあるときには、導入通路61と吸入通路63との連通が遮断される。シリンダボア57が吐出行程の状態にあるときには、圧縮室571内の冷媒が吐出ポート451から吐出弁461を押し退けて吐出室431へ吐出される。吐出室431へ吐出された冷媒は、外部冷媒回路37へ流出する。
【0064】
シリンダボア58が吸入行程の状態〔即ち、両頭ピストン59が図8(a)の右側から左側へ移動する行程〕にあるときには、導入通路62と吸入通路64とは、圧縮室581の圧力が吸入圧領域である供給通路511内の圧力(吸入圧Ps)以下に低下した後に連通を開始する。導入通路62と吸入通路64とが連通したときには、吸入弁681は吸入ポート482を開いており、吸入室442の冷媒ガスが吸入ポート482を経由して圧縮室581へ流入している。導入通路62と吸入通路64とが連通すると、供給通路511内の冷媒ガスが導入通路62及び吸入通路64を経由して圧縮室581へ流入し、かつ吸入室442の冷媒ガスが吸入ポート482を経由して圧縮室581へ流入する。
【0065】
シリンダボア58が吸入行程の状態〔即ち、両頭ピストン59が図8(a)の右側から左側へ移動する行程〕にあるときには、導入通路62と吸入通路64とが連通する。シリンダボア58が吸入行程の状態にあるときには、回転軸51の供給通路511内の冷媒が導入通路62及び吸入通路64を経由してシリンダボア58の圧縮室581に吸入される。
【0066】
シリンダボア58が吐出行程の状態〔即ち、両頭ピストン59が図8(a)の左側から右側へ移動する行程〕にあるときには、導入通路62と吸入通路64との連通が遮断される。シリンダボア58が吐出行程の状態にあるときには、圧縮室581内の冷媒が吐出ポート481から吐出弁491を押し退けて吐出室441へ吐出される。吐出室441へ吐出された冷媒は、外部冷媒回路37へ流出する。外部冷媒回路37へ流出した冷媒は、吸入室442へ還流する。
【0067】
第2の実施の形態では、第1の実施の形態における(1−1)項及び(1−2)項と同様の効果が得られる上に、以下のような効果が得られる。
(2−1)吸入室432には定常的な冷媒流が生じているため、冷媒と共に流動する潤滑油が吸入室432を流れてゆく。吸入室432を流れる潤滑油の一部は、吸入室432に臨む軸封装置52の潤滑に寄与する。
【0068】
本発明では以下のような実施の形態も可能である。
(1)第1の実施の形態では、圧縮室112における圧力が吸入圧Psに低下した時よりも少し遅れて導入通路31と吸入通路32とを連通させたが、圧縮室112における圧力が吸入圧Psに低下した時に導入通路31と吸入通路32とを連通させてもよい。この場合には、導入通路31と吸入通路32との連通開始時における圧縮室112の容積を圧縮室112の最小容積(Vo)で割った値は、吐出圧Pdを吸入圧Psで割った値に等しい。
【0069】
この場合にも、圧縮室112の冷媒ガスが導入通路31へ逆流することはない。
(2)斜板以外の形状のカム体によってピストンを往復道させるピストン式圧縮機に本発明を適用すること。
【0070】
前記した実施の形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
〔1〕請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記吸入通路と前記導入通路との連通開始時における前記圧縮室の容積を前記圧縮室の最小容積で割った値は、吐出圧を吸入圧で割った値以上であるピストン式圧縮機。
【0071】
〔2〕請求項1乃至請求項3、及び前記〔1〕項のいずれか1項において、圧縮機は、前記ピストンとして両頭ピストンを用いた固定容量型ピストン式圧縮機であり、前後一対の吸入室を設け、前記回転軸内には前記一対の吸入室に連通するように供給通路を設け、フロント側の吸入室からフロント側の圧縮室へフロント側の吸入ポートを介して冷媒を導入できるようにし、リア側の吸入室からリア側の圧縮室へリア側の吸入ポートを介して冷媒を導入できるようにしたピストン式圧縮機。
【0072】
〔3〕請求項1乃至請求項3、及び前記〔1〕項のいずれか1項において、圧縮機は、斜板を制御圧室に収容し、送り込み通路を介して吐出圧領域の冷媒を前記制御圧室に供給すると共に、放出通路を介して前記制御圧室の冷媒を吸入圧領域に放出して前記制御圧室内の調圧を行い、前記制御圧室内の調圧によって容量を制御する可変容量型ピストン式圧縮機としたピストン式圧縮機。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、ロータリバルブを用いたピストン式圧縮機におけるロータリバルブに関係する異音発生を抑制できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す圧縮機全体の側断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】(a)は図1のC−C線断面図。(b)は、圧縮室112における容積変化を示すグラフ。(c)は、第1の実施の形態の導入通路31と吸入通路32との間における通過断面積の変化を示すグラフ。(d)は、従来の導入通路と吸入通路との間における通過断面積の変化を示すグラフ。
【図5】(a)は、ピストン28が上死点位置にある状態を示す要部拡大側断面図。(b)は、(a)のD−D線断面図。
【図6】(a)は、吸入弁151が吸入ポート141を開いたときの状態を示す要部拡大側断面図。(b)は、(a)のE−E線断面図。
【図7】(a)は、導入通路31と吸入通路32とが連通したときの状態を示す要部拡大側断面図。(b)は、(a)のF−F線断面図。
【図8】第2の実施の形態を示し、(a)は圧縮機全体の側断面図。(b)は、(a)のG−G線断面図。
【図9】図8(a)のH−H線断面図。
【図10】図8(a)のJ−J線断面図。
【符号の説明】
111…シリンダボア。112…圧縮室。131…吸入圧領域である吸入室。14…バルブプレート。141…吸入ポート。151…リード弁型の吸入弁。18…回転軸。20…斜板。26…ロータリバルブ。28…ピストン。31…導入通路。32…吸入通路。432,442…吸入室。45,48…バルブプレート。452,482…吸入ポート。51…回転軸。53…斜板。57,58…シリンダボア。571,581…圧縮室。59…両頭ピストン。61,62…導入通路。63,64…吸入通路。65,66…ロータリバルブ。671,681…吸入弁。Ps,Pd…圧力。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ピストンによってシリンダボア内に区画される圧縮室に吸入圧領域から冷媒を導入するための導入通路を有するロータリバルブを備えたピストン式圧縮機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ピストン式圧縮機においては、リード弁型の吸入弁が一般的に用いられる。ピストンが上死点位置側から下死点位置側へ移行する吸入行程において、圧縮室の圧力が吸入圧領域の圧力よりも小さくなると、吸入圧領域の冷媒が吸入弁を押し退けて圧縮室へ流入する。このようなリード弁型の吸入弁は、吸入圧領域から圧縮室への冷媒吸入において常に最適な吸入開始タイミングを保障する。しかし、リード弁型の吸入弁は、自励振動に起因した異音を発生させやすい。そこで、自励振動が生じることのないロータリバルブを吸入弁として用いるピストン式圧縮機が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。
【0003】
特許文献3に開示のピストン式圧縮機では、ロータリバルブとリード弁型の吸入弁との両方が併用されている。しかし、特許文献3に開示のピストン式圧縮機で用いられるロータリバルブは、気液分離器で分離された比較的高圧(蒸発器から圧縮機に至る冷媒通路内の吸入圧領域の圧力よりも高圧)の冷媒ガスを圧縮室に注入するためのものである。この注入のタイミングは、ピストンが下死点位置側から上死点位置側へ移動する吐出行程の途中のタイミングに設定されている。つまり、特許文献3に開示のピストン式圧縮機で用いられるロータリバルブは、リード弁型の吸入弁の代用となるものではない。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−312146号公報
【特許文献2】
特開平7−63165号公報
【特許文献3】
特開平5−66066号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1及び特許文献2に開示されるようなピストン式圧縮機では、吸入圧領域の冷媒が圧縮室へ吸入開始されるタイミングは、ロータリバルブの外周面における導入通路の開口位置で決まる。しかし、最適の吸入開始タイミングは、運転条件によって異なる。つまり、最適の吸入開始タイミングは、圧縮機の回転数の変化に伴う吸入圧の変化や、可変容量型圧縮機では吐出容量の変化に伴う吸入圧の変化等によって異なる。そのため、実際の吸入開始タイミングと最適の吸入開始タイミングとを常に一致させることは難しい。
【0006】
実際の吸入開始タイミングが最適の吸入開始タイミングよりも早すぎる場合には、圧縮室に残留する冷媒ガスの圧力は、吸入室に通じている導入通路の圧力よりも高い。そのため、圧縮室の冷媒がロータリバルブにおける導入通路側に逆流し、大きな吸入脈動が発生する。吸入脈動は、異音発生の原因となる。
【0007】
実際の吸入開始タイミングが最適の吸入開始タイミングよりも遅すぎる場合には、圧縮室内の圧力が吸入圧領域の圧力よりも低くなりすぎる。この圧力差が大きな吸入脈動を発生させる。
【0008】
本発明は、ロータリバルブを用いたピストン式圧縮機におけるロータリバルブに関係する異音発生を抑制することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明は、回転軸の周囲に配列された複数のシリンダボア内にピストンを収容し、前記ピストンによって前記シリンダボア内に区画される圧縮室に吸入圧領域から冷媒を導入するための導入通路を有するロータリバルブを備え、前記圧縮室に通じる吸入通路と前記導入通路との連通によって吸入圧領域から前記導入通路及び吸入通路を介して前記圧縮室へ冷媒を導入するピストン式圧縮機を対象とし、請求項1の発明では、前記圧縮室と前記吸入圧領域とを隔てるバルブプレートと、前記バルブプレートに設けられた吸入ポートと、前記吸入ポートを閉じる着座位置から弾性力に抗して離間する吸入弁とを備えたピストン式圧縮機を構成した。
【0010】
吸入ポートを開閉する吸入弁が存在するため、圧縮室の圧力が十分に低くなれば吸入弁が吸入ポートを開く。導入通路と圧縮室との連通開始のタイミングを吸入弁が吸入ポートを開く時以降にすれば、着座位置から弾性力に抗して離間する吸入弁の存在は、吸入圧領域から圧縮室への冷媒吸入において常に最適な吸入開始タイミングを保障する。
【0011】
ピストンが上死点位置から下死点位置に向けて移動開始する時以後における導入通路と圧縮室との連通開始のタイミングを前記移動開始の時から遅らせてやると、導入通路と圧縮室とが連通する前に圧縮室の圧力が低下する。導入通路と圧縮室との連通開始のタイミングを前記移動開始の時から遅らせてやれば、圧縮室の容積が増大して圧縮室の圧力が低下するため、導入通路と圧縮室とが連通したときにおける圧縮室から導入通路への冷媒ガスの逆流が低減する。冷媒ガスの逆流の低減は、吸入脈動を弱くする。
【0012】
吸入ポート及び吸入弁の役目は、吸入行程の初期の段階での冷媒吸入に利用すれば十分であるので、着座位置からの吸入弁の最大離間量は、僅かでよく、吸入弁の自励振動の問題も回避することができる。
【0013】
請求項2の発明では、請求項1において、前記ピストンが上死点位置から下死点位置へ向かう吸入行程における前記導入通路と前記吸入通路との連通の開始は、前記圧縮室の圧力と前記吸入圧領域の圧力との前記吸入弁を介した差圧に基づいて前記吸入弁が前記着座位置から離間開始する時以降とした。
【0014】
吸入弁が着座位置から離間開始する時には、圧縮室の圧力が吸入圧領域の圧力以下となっている。ロータリバルブにおける導入通路と吸入通路とが連通開始するときには、圧縮室の圧力が吸入圧領域の圧力以下となっているので、圧縮室の冷媒ガスがロータリバルブにおける導入通路側へ逆流することはない。
【0015】
請求項3の発明では、請求項1及び請求項2のいずれか1項において、前記吸入弁は、着座位置から弾性的に撓み変形して離間可能なリード弁とした。
弾性的に撓み変形するリード弁は、吸入弁として好適である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を可変容量型ピストン式圧縮機に具体化した第1の実施の形態を図1〜図7に基づいて説明する。
【0017】
図1に示すように、シリンダブロック11の前端にはフロントハウジング12が接合されている。シリンダブロック11の後端にはリヤハウジング13がバルブプレート14、弁形成プレート15,16及びリテーナ形成プレート17を介して接合固定されている。シリンダブロック11、フロントハウジング12及びリヤハウジング13は、圧縮機の全体ハウジングを構成する。
【0018】
制御圧室121を形成するフロントハウジング12には回転軸18がラジアルベアリング10を介して回転可能に支持されている。制御圧室121から外部へ突出する回転軸18は、プーリ(図示略)及びベルト(図示略)を介して外部駆動源である車両エンジンEから駆動力を得る。フロントハウジング12と回転軸18との間にはリップシール型の軸封装置25が介在されている。
【0019】
回転軸18には回転支持体19が止着されていると共に、斜板20が回転軸18の軸線181の方向へスライド可能かつ傾動可能に支持されている。図2に示すように、斜板20には連結片21,22が止着されており、各連結片21,22にはガイドピン23,24が止着されている。回転支持体19には一対のガイド孔191,192が形成されている。ガイドピン23,24の頭部は、ガイド孔191,192にスライド可能に嵌入されている。斜板20は、ガイド孔191,192と一対のガイドピン23,24との連係により回転軸18の軸線181の方向へ傾動可能かつ回転軸18と一体的に回転可能である。斜板20の傾動は、ガイド孔191,192とガイドピン23,24とのスライドガイド関係、及び回転軸18のスライド支持作用により案内される。
【0020】
斜板20の中心部が回転支持体19側へ移動すると、斜板20の傾角が増大する。斜板20の最大傾角は回転支持体19と斜板20との当接によって規制される。図1における斜板20の実線位置は、斜板20の傾角が最大となる位置を示す。斜板20の中心部がシリンダブロック11側へ移動すると、斜板20の傾角が減少する。図1における斜板20の鎖線位置は、斜板20の傾角が最小となる位置を示す。
【0021】
シリンダブロック11に貫設された複数のシリンダボア111内にはピストン28が収容されている。斜板20の回転運動は、シュー29を介してピストン28の前後往復運動に変換され、ピストン28がシリンダボア111内を往復動する。ピストン28は、シリンダボア111内に圧縮室112を区画する。
【0022】
図1及び図3に示すように、リヤハウジング13内には吸入室131及び吐出室132が区画形成されている。図1に示すように、吸入圧領域である吸入室131と吐出圧領域である吐出室132とは、外部冷媒回路37で接続されている。外部冷媒回路37上には、冷媒から熱を奪うための熱交換器38、膨張弁39、及び周囲の熱を冷媒に移すための熱交換器40が介在されている。膨張弁39は、熱交換器40の出口側のガス温度の変動に応じて冷媒流量を制御する温度式自動膨張弁である。
【0023】
バルブプレート14、弁形成プレート16及びリテーナ形成プレート17には吸入ポート141が形成されており、弁形成プレート15及びバルブプレート14には吐出ポート142が形成されている。弁形成プレート15には吸入弁151が形成されており、弁形成プレート16には吐出弁161が形成されている。吸入弁151は、吸入ポート141を開閉し、吐出弁161は、吐出ポート142を開閉する。吸入弁151は、シリンダボア111の周縁部に形成された位置規制凹部113の底に当接して開度規制される。吐出弁161は、リテーナ形成プレート17上のリテーナ171に当接して開度規制される。
【0024】
シリンダブロック11にはロータリバルブ26が回転可能に支持されている。ロータリバルブ26は、シリンダブロック11に貫設された支持孔27に挿通されている。ロータリバルブ26は、回転軸18に結合されている。即ち、ロータリバルブ26は、回転軸18と一体的に回転する。回転軸18と一体的に回転するロータリバルブ26は、支持孔27を介してシリンダブロック11によって直接支持されている。
【0025】
図1に示すように、回転支持体19とフロントハウジング12との間にはスラストベアリング33が介在されている。スラストベアリング33は、圧縮室112からピストン28、シュー29、斜板20、連結片21,22及びガイドピン23,24を介して回転支持体19に作用する吐出反力を受け止める。回転支持体19とフロントハウジング12との間には空隙部122が存在する。
【0026】
回転軸18内には軸内通路36が軸線181に沿って形成されている。回転軸18の外周面には軸内通路36の入口361が形成されている。入口361は、空隙部122に臨む位置にある。
【0027】
ロータリバルブ26内には供給通路30が回転軸18の軸線181の方向に沿って形成されている。供給通路30は、吸入圧領域である吸入室131に連通している。ロータリバルブ26には導入通路31が供給通路30に連通するように形成されている。
【0028】
ロータリバルブ26には小径の連結部261が形成されている。連結部261は、軸内通路36内に圧入によって嵌入されている。連結部261には絞り通路262がロータリバルブ26の軸線263に沿って形成されている。軸内通路36と供給通路30とは、絞り通路262を介して連通している。絞り通路262における通過断面積は、軸内通路36における通過断面積よりもかなり小さくしてある。
【0029】
図4(a)に示すように、シリンダブロック11には吸入通路32がシリンダボア111と支持孔27とを連通するように形成されている。吸入通路32は、支持孔27の周面上に開口している。回転軸18及びロータリバルブ26の回転に伴い、導入通路31と吸入通路32とが間欠的に重なり、導入通路31と吸入通路32とが間欠的に連通する。
【0030】
図5(a),(b)の状態では、ピストン28がバルブプレート14に最接近した上死点位置にある。ピストン28が上死点位置にある状態では、吸入弁151は、バルブプレート14に接して吸入ポート141を閉じる着座位置にあり、かつ導入通路31と吸入通路32とは連通していない。従って、吸入室131の冷媒ガスが圧縮室112へ流入することはない。
【0031】
図6(a),(b)の状態では、ピストン28が上死点位置から鎖線で示す下死点位置に向けて離間した位置にある。なお、鎖線で示すピストン28の下死点位置は、斜板20の傾角が最大傾角の状態にあるときのバルブプレート14から最も離間した位置である。ピストン28が図6(a)の実線位置にある状態では、圧縮室112の圧力が吸入室131の圧力よりも低くなっており、吸入弁151は、着座位置から離間して吸入ポート141を開いている。つまり、吸入弁151は、吸入室131の圧力と圧縮室112の圧力との吸入弁151を介した差圧によって、吸入弁151の弾性力に抗して着座位置から離間して位置規制凹部113の底に接するように撓む。しかし、導入通路31と吸入通路32とは連通していない。従って、吸入室131の冷媒ガスが吸入ポート141を経由して圧縮室112へ流入する。
【0032】
図7(a),(b)の状態では、ピストン28が図6(a)に示す実線位置から鎖線で示す下死点位置に向けてさらに移動した位置にある。ピストン28が図7(a)にある状態では、圧縮室112の圧力が吸入室131の圧力以下になっており、吸入弁151は、着座位置から離間して吸入ポート141を開いている。又、導入通路31と吸入通路32とは連通している。従って、吸入室131の冷媒ガスは、吸入ポート141を経由して圧縮室112へ流入すると共に、供給通路30、導入通路31及び吸入通路32を経由して圧縮室112へ流入する。
【0033】
図4(b)のグラフにおける曲線Sは、斜板20の傾角が最大の状態における圧縮室112における容積変化を示す。図4(b),(c),(d)のグラフにおける横軸θは、回転軸18の回転角度を表す。ピストン28が上死点位置にあるときの回転軸18の回転角度を0°(360°)としており、ピストン28が下死点位置にあるときの回転軸18の回転角度を180°としている。回転角度0°〜180°の間は、ピストン28が上死点位置から下死点位置へ移行する吸入行程(即ち、ピストン28が図1の右側から左側へ移動する行程)である。回転角度180°〜360°の間は、ピストン28が下死点位置から上死点位置へ移行する吐出行程(即ち、ピストン28が図1の左側から右側へ移動する行程)である。
【0034】
図4(c)のグラフにおける曲線D1は、導入通路31と吸入通路32との間における通過断面積の変化を示す。図4(c)のグラフにおける曲線E1は、斜板20の傾角が最大の状態における圧縮室112の圧力変化を示す。曲線D1は、導入通路31と吸入通路32との間における通過断面積の変化を示す。圧力Psは、吸入圧領域における圧力として設定される吸入圧を表し、圧力Pdは、吐出圧領域における最大の圧力として設定される吐出圧を表す。回転角度θsは、圧縮室112における圧力が吸入圧Psに低下したタイミングを示す。曲線D1で示すように、導入通路31と吸入通路32とは、吸入行程において圧縮室112の圧力が吸入圧Ps以下に低下した後に連通を開始する。導入通路31と吸入通路32とが連通したときには、吸入弁151は吸入ポート141を開いている。
【0035】
図4(b)に示す容積Voは、ピストン28が上死点位置にあるときの圧縮室112の容積を示す。つまり、ピストン28が上死点位置にあるときの圧縮室112には吐出圧Pdの圧力の冷媒ガスが閉じ込められており、この閉じ込め容積が容積Vdである。図4(b)に示す容積Vsは、圧縮室112における圧力が吸入圧Psに低下したタイミング(回転角度θs)における圧縮室112の容積を示す。つまり、圧縮室112における圧力が吸入圧Psに低下したときの圧縮室112には吸入圧Psの圧力の冷媒ガスが閉じ込められている。従って、容積Vsは、(容積Vo)×(吐出圧Pd÷吸入圧Ps)で表される。換言すると、容積Vsを圧縮室112の最小容積である容積Voで割った値は、吐出圧Pdを吸入圧Psで割った値で表される。
【0036】
図4(c)の場合には、導入通路31と吸入通路32との連通開始時における圧縮室112の容積を圧縮室112の最小容積(Vo)で割った値は、吐出圧Pdを吸入圧Psで割った値よりも大きい。
【0037】
図4(d)のグラフにおける曲線D2は、従来のロータリバルブにおける導入通路と吸入通路との間における通過断面積の変化の一例を示し、曲線E2は、斜板の傾角が最大の状態における圧縮室の圧力変化を示す。図4(d)の従来例では、従来のロータリバルブにおける導入通路と吸入通路とは、吸入行程において圧縮室の圧力が吐出圧Pd相当の時に連通を開始する。
【0038】
ピストン28が吐出行程(ピストン28が図1の左側から右側へ移動する行程)の状態にあるときには、導入通路31と吸入通路32との連通が遮断されると共に、吸入室131が着座位置にあって吸入ポート141を閉じる。シリンダボア111が吐出行程の状態にあるときには、圧縮室112内の冷媒ガスが吐出ポート142から吐出弁161を押し退けて吐出室132へ吐出される。吐出圧領域である吐出室132へ吐出された冷媒は、圧縮機外の外部冷媒回路37へ流出する。外部冷媒回路37へ流出した冷媒は、吸入室131へ還流する。
【0039】
吐出室132と制御圧室121とは、送り込み通路34で接続されている。送り込み通路34上には電磁開閉弁型の容量制御弁35が介在されている。容量制御弁35は、励消磁制御される。容量制御弁35が消磁されると、弁体351が弁孔352を開き(弁開状態)、吐出室132内の冷媒ガスが送り込み通路34を経由して制御圧室121へ供給される。容量制御弁35が励磁されると、弁体351が弁孔352を閉じ(弁開状態)、吐出室132から送り込み通路34への冷媒供給が停止する。
【0040】
容量制御弁35が弁閉状態になると、吐出室132から制御圧室121への冷媒供給が停止する。制御圧室121内の冷媒ガスは、空隙部122、入口361、軸内通路36及び絞り通路262を介して供給通路30へ流出している。ラジアルベアリング10及びスラストベアリング33は、空隙部122を流れる冷媒ガスと共に流動する潤滑油によって潤滑される。制御圧室121内の冷媒ガスが軸内通路36及び絞り通路262を介して供給通路30へ流出しているため、制御圧室121内の圧力が下がる。従って、斜板20の傾角が増大して吐出容量が増える。容量制御弁35が弁開状態になると、吐出室132内の冷媒ガスが制御圧室121へ供給される。従って、制御圧室121内の圧力が上がり、斜板20の傾角が減少して吐出容量が減る。
【0041】
入口361、軸内通路36及び絞り通路262は、制御圧室121内の冷媒を吸入圧領域の一部である供給通路30へ放出するための放出通路を構成する。
第1の実施の形態では以下の効果が得られる。
【0042】
(1−1)圧縮室112と吸入圧領域である吸入室131とを隔てるバルブプレート14には吸入ポート141があり、吸入ポート141を開閉する吸入弁151が存在する。そのため、ピストン28が上死点位置から下死点位置に向けて移動開始する時以後における導入通路31と吸入通路32との連通開始のタイミングを前記移動開始の時から遅らせても、圧縮室112の圧力が吸入圧Psよりも低くなれば吸入弁151が吸入ポート141を開く。導入通路31と吸入通路32との連通開始は、導入通路31と圧縮室112との連通開始のことである。
【0043】
導入通路31と圧縮室112との連通開始のタイミングを前記移動開始の時から遅らせると、圧縮室112の容積が増大して圧縮室112の圧力が低下する。その結果、圧縮室112から導入通路31への冷媒ガスの逆流が図4(d)の従来例の場合に比べて低減する。圧縮室112から導入通路31への冷媒ガスの逆流の低減は、異音発生の原因となる吸入脈動を弱くし、吸入脈動に起因する異音発生が抑制される。
【0044】
本実施の形態では、導入通路31と吸入通路32とは、吸入行程において圧縮室112の圧力が吸入圧Ps以下に低下した後に連通を開始し、吸入弁151は、導入通路31と吸入通路32とが連通する前に吸入ポート141を開く。従って、着座位置から弾性力に抗して離間する吸入弁151は、吸入室131から圧縮室112への冷媒吸入において常に最適な吸入開始タイミングを保障する。
【0045】
(1−2)吸入ポート141及び吸入弁151の役目は、吸入行程の初期の段階での冷媒吸入に利用すれば十分であり、吸入行程における圧縮室112への冷媒吸入の多くは、ロータリバルブ26に受け持たせればよい。従って、吸入ポート141における冷媒吸入流量は、少なくてよく、着座位置からの吸入弁151の最大離間量は、僅かでよい。つまり、吸入弁151の開度を規制する位置規制凹部113における深さh〔図6(a)に図示〕は、小さくて済む。その結果、吸入弁151は、着座位置から僅かに離間しただけで位置規制凹部113の底に当接するので、吸入弁151の自励振動に起因した異音の発生の問題も回避することができる。
【0046】
(1−3)ロータリバルブを用いない可変容量型ピストン式圧縮機では、斜板の傾角が大きいときにおける吸入ポートでの冷媒吸入流量を多くするために、吸入弁の開度を大きくする必要がある。つまり、吸入弁が着座位置から最大に離間できる量(吸入弁が着座位置からストッパに当接するまで移動する量)を大きくしておく必要がある。そうすると、斜板の傾角が小さいときには吸入ポートでの冷媒吸入流量が少ないために、吸入弁が前記のストッパに当接せずに自励振動を起こしやすい。
【0047】
本実施の形態では、吸入弁151が着座位置からストッパである位置規制凹部113の底に当接するまでに移動する量が少ない。そのため、斜板20の傾角が小さいときにおいても、吸入室131の冷媒ガスが吸入ポート141を通って圧縮室112へ流入するときには、吸入弁151が位置規制凹部113の底に当接し、吸入弁151が自励振動を起こすことはない。
【0048】
(1−4)本実施の形態では、導入通路31と吸入通路32との連通の開始は、吸入弁151が着座位置から離間した後となっている。吸入弁151が着座位置から離間した後には、圧縮室112の圧力が吸入室131の圧力以下となっている。ロータリバルブ26における導入通路31と吸入通路32とが連通開始するときには、圧縮室112の圧力が吸入室131の圧力以下となっているので、圧縮室112の冷媒ガスが導入通路31側へ逆流することはない。圧縮室112から導入通路31への冷媒ガスの逆流がないため、冷媒ガスの逆流による吸入脈動の発生もなく、吸入脈動に起因する異音発生が抑制される。
【0049】
(1−5)弾性的に撓み変形するリード弁は、その前後の差圧が非常に小さい場合にも着座位置から離間可能である。僅かな差圧で弾性的に撓み変形するリード弁は、吸入弁151として好適である。
【0050】
次に、固定容量型ピストン式圧縮機に本発明を具体化した第2の実施の形態を図8〜図10に基づいて説明する。第1の実施の形態と同じ構成部には同じ符号が用いてある。
【0051】
図8(a)に示すように、接合された一対のシリンダブロック41,42にはフロントハウジング43及びリヤハウジング44が接合されている。フロントハウジング43には吐出室431及び吸入室432が形成されている。リヤハウジング44には吐出室441及び吸入室442が形成されている。吐出室431,441と吸入室442とは、外部冷媒回路37を介して接続されている。
【0052】
シリンダブロック41とフロントハウジング43との間にはバルブプレート45、弁形成プレート46,67及びリテーナ形成プレート47が介在されている。シリンダブロック42とリヤハウジング44との間にはバルブプレート48、弁形成プレート49,68及びリテーナ形成プレート50が介在されている。バルブプレート45,48及び弁形成プレート67,68には吐出ポート451,481が形成されている。リテーナ形成プレート47,50、弁形成プレート46,49及びバルブプレート45,48には吸入ポート452,482が形成されている。
【0053】
弁形成プレート46,49には吐出弁461,491が形成されており、弁形成プレート67,68には吸入弁671,681が形成されている。吐出弁461,491は、吐出ポート451,481を開閉し、吸入弁671,681は、吸入ポート452,482を開閉する。リテーナ形成プレート47,50にはリテーナ471,501が形成されている。リテーナ471,501は、吐出弁461,491の開度を規制する。吸入弁671は、シリンダボア57の周縁部に形成された位置規制凹部572の底に当接して開度規制される。吸入弁681は、シリンダボア58の周縁部に形成された位置規制凹部582の底に当接して開度規制される。
【0054】
シリンダブロック41,42には回転軸51が回転可能に支持されている。回転軸51は、シリンダブロック41,42に貫設された軸孔411,421に挿通されている。回転軸51は、軸孔411,421を介してシリンダブロック41,42によって直接支持されている。
【0055】
フロントハウジング43と回転軸51との間にはリップシール型の軸封装置52が介在されている。軸封装置52は、吸入室432に臨んでいる。
回転軸51には斜板53が固着されている。カム体である斜板53は、斜板室54に収容されている。シリンダブロック41,42の端面と斜板53の円環状の基部531との間にはスラストベアリング55,56が介在されている。スラストベアリング55,56は、斜板53を挟んで回転軸51の軸方向の位置を規制する。
【0056】
図9に示すように、シリンダブロック41には複数のシリンダボア57が回転軸51の周囲に配列されるように形成されている。図10に示すように、シリンダブロック42には複数のシリンダボア58が回転軸51の周囲に配列されるように形成されている。前後(フロントハウジング43側を前側、リヤハウジング44を後側としている)で対となるシリンダボア57,58には両頭ピストン59が収容されている。シリンダブロック41,42は、両頭ピストン59用のシリンダを構成する。
【0057】
図8(a)に示すように、回転軸51と一体的に回転する斜板53の回転運動は、シュー60を介して両頭ピストン59に伝えられ、両頭ピストン59がシリンダボア57,58内を前後に往復動する。両頭ピストン59は、シリンダボア57,58内に圧縮室571,581を区画する。
【0058】
回転軸51を通す軸孔411,421の内周面にはシール周面412,422が形成されている。シール周面412,422の径は、軸孔411,421の他の内周面の径よりも小さくしてあり、回転軸51は、シール周面412,422を介してシリンダブロック41,42によって直接支持される。
【0059】
回転軸51内には供給通路511が形成されている。供給通路511の始端は、回転軸51の内端面にあってリヤハウジング44内の吸入圧領域である吸入室442に開口している。
【0060】
図9に示すように、シリンダブロック41には吸入通路63がシリンダボア57と軸孔411とを連通するように形成されている。吸入通路63は、シール周面412上に開口している。図10に示すように、シリンダブロック42には吸入通路64がシリンダボア58と軸孔421とを連通するように形成されている。吸入通路64は、シール周面422上に開口している。回転軸51の回転に伴い、導入通路61,62は、吸入通路63,64に間欠的に連通する。シール周面412,422によって包囲される回転軸51の部分は、回転軸51に一体形成されたロータリバルブ65,66となる。導入通路61,62と吸入通路63,64との連通及び遮断のタイミングは、第1の実施の形態の場合〔図4(c)に曲線D1で示すタイミング〕と同じにしてある。
【0061】
図8(a),(b)に示すように、回転軸51には連通口69が供給通路511と吸入室432とを連通するように形成されており、供給通路511内の冷媒ガスが連通口69を介して吸入室432へ流入可能である。
【0062】
シリンダボア57が吸入行程の状態〔即ち、両頭ピストン59が図8(a)の左側から右側へ移動する行程〕にあるときには、導入通路61と吸入通路63とは、圧縮室571の圧力が吸入圧領域である供給通路511内の圧力(吸入圧Ps)以下に低下した後に連通を開始する。導入通路61と吸入通路63とが連通したときには、吸入弁671は吸入ポート452を開いており、吸入室432の冷媒ガスが吸入ポート452を経由して圧縮室571へ流入している。導入通路61と吸入通路63とが連通すると、供給通路511内の冷媒ガスが導入通路61及び吸入通路63を経由して圧縮室571へ流入し、かつ吸入室432の冷媒ガスが吸入ポート452を経由して圧縮室571へ流入する。
【0063】
シリンダボア57が吐出行程の状態〔即ち、両頭ピストン59が図8(a)の右側から左側へ移動する行程〕にあるときには、導入通路61と吸入通路63との連通が遮断される。シリンダボア57が吐出行程の状態にあるときには、圧縮室571内の冷媒が吐出ポート451から吐出弁461を押し退けて吐出室431へ吐出される。吐出室431へ吐出された冷媒は、外部冷媒回路37へ流出する。
【0064】
シリンダボア58が吸入行程の状態〔即ち、両頭ピストン59が図8(a)の右側から左側へ移動する行程〕にあるときには、導入通路62と吸入通路64とは、圧縮室581の圧力が吸入圧領域である供給通路511内の圧力(吸入圧Ps)以下に低下した後に連通を開始する。導入通路62と吸入通路64とが連通したときには、吸入弁681は吸入ポート482を開いており、吸入室442の冷媒ガスが吸入ポート482を経由して圧縮室581へ流入している。導入通路62と吸入通路64とが連通すると、供給通路511内の冷媒ガスが導入通路62及び吸入通路64を経由して圧縮室581へ流入し、かつ吸入室442の冷媒ガスが吸入ポート482を経由して圧縮室581へ流入する。
【0065】
シリンダボア58が吸入行程の状態〔即ち、両頭ピストン59が図8(a)の右側から左側へ移動する行程〕にあるときには、導入通路62と吸入通路64とが連通する。シリンダボア58が吸入行程の状態にあるときには、回転軸51の供給通路511内の冷媒が導入通路62及び吸入通路64を経由してシリンダボア58の圧縮室581に吸入される。
【0066】
シリンダボア58が吐出行程の状態〔即ち、両頭ピストン59が図8(a)の左側から右側へ移動する行程〕にあるときには、導入通路62と吸入通路64との連通が遮断される。シリンダボア58が吐出行程の状態にあるときには、圧縮室581内の冷媒が吐出ポート481から吐出弁491を押し退けて吐出室441へ吐出される。吐出室441へ吐出された冷媒は、外部冷媒回路37へ流出する。外部冷媒回路37へ流出した冷媒は、吸入室442へ還流する。
【0067】
第2の実施の形態では、第1の実施の形態における(1−1)項及び(1−2)項と同様の効果が得られる上に、以下のような効果が得られる。
(2−1)吸入室432には定常的な冷媒流が生じているため、冷媒と共に流動する潤滑油が吸入室432を流れてゆく。吸入室432を流れる潤滑油の一部は、吸入室432に臨む軸封装置52の潤滑に寄与する。
【0068】
本発明では以下のような実施の形態も可能である。
(1)第1の実施の形態では、圧縮室112における圧力が吸入圧Psに低下した時よりも少し遅れて導入通路31と吸入通路32とを連通させたが、圧縮室112における圧力が吸入圧Psに低下した時に導入通路31と吸入通路32とを連通させてもよい。この場合には、導入通路31と吸入通路32との連通開始時における圧縮室112の容積を圧縮室112の最小容積(Vo)で割った値は、吐出圧Pdを吸入圧Psで割った値に等しい。
【0069】
この場合にも、圧縮室112の冷媒ガスが導入通路31へ逆流することはない。
(2)斜板以外の形状のカム体によってピストンを往復道させるピストン式圧縮機に本発明を適用すること。
【0070】
前記した実施の形態から把握できる技術的思想について以下に記載する。
〔1〕請求項1乃至請求項3のいずれか1項において、前記吸入通路と前記導入通路との連通開始時における前記圧縮室の容積を前記圧縮室の最小容積で割った値は、吐出圧を吸入圧で割った値以上であるピストン式圧縮機。
【0071】
〔2〕請求項1乃至請求項3、及び前記〔1〕項のいずれか1項において、圧縮機は、前記ピストンとして両頭ピストンを用いた固定容量型ピストン式圧縮機であり、前後一対の吸入室を設け、前記回転軸内には前記一対の吸入室に連通するように供給通路を設け、フロント側の吸入室からフロント側の圧縮室へフロント側の吸入ポートを介して冷媒を導入できるようにし、リア側の吸入室からリア側の圧縮室へリア側の吸入ポートを介して冷媒を導入できるようにしたピストン式圧縮機。
【0072】
〔3〕請求項1乃至請求項3、及び前記〔1〕項のいずれか1項において、圧縮機は、斜板を制御圧室に収容し、送り込み通路を介して吐出圧領域の冷媒を前記制御圧室に供給すると共に、放出通路を介して前記制御圧室の冷媒を吸入圧領域に放出して前記制御圧室内の調圧を行い、前記制御圧室内の調圧によって容量を制御する可変容量型ピストン式圧縮機としたピストン式圧縮機。
【0073】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明では、ロータリバルブを用いたピストン式圧縮機におけるロータリバルブに関係する異音発生を抑制できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示す圧縮機全体の側断面図。
【図2】図1のA−A線断面図。
【図3】図1のB−B線断面図。
【図4】(a)は図1のC−C線断面図。(b)は、圧縮室112における容積変化を示すグラフ。(c)は、第1の実施の形態の導入通路31と吸入通路32との間における通過断面積の変化を示すグラフ。(d)は、従来の導入通路と吸入通路との間における通過断面積の変化を示すグラフ。
【図5】(a)は、ピストン28が上死点位置にある状態を示す要部拡大側断面図。(b)は、(a)のD−D線断面図。
【図6】(a)は、吸入弁151が吸入ポート141を開いたときの状態を示す要部拡大側断面図。(b)は、(a)のE−E線断面図。
【図7】(a)は、導入通路31と吸入通路32とが連通したときの状態を示す要部拡大側断面図。(b)は、(a)のF−F線断面図。
【図8】第2の実施の形態を示し、(a)は圧縮機全体の側断面図。(b)は、(a)のG−G線断面図。
【図9】図8(a)のH−H線断面図。
【図10】図8(a)のJ−J線断面図。
【符号の説明】
111…シリンダボア。112…圧縮室。131…吸入圧領域である吸入室。14…バルブプレート。141…吸入ポート。151…リード弁型の吸入弁。18…回転軸。20…斜板。26…ロータリバルブ。28…ピストン。31…導入通路。32…吸入通路。432,442…吸入室。45,48…バルブプレート。452,482…吸入ポート。51…回転軸。53…斜板。57,58…シリンダボア。571,581…圧縮室。59…両頭ピストン。61,62…導入通路。63,64…吸入通路。65,66…ロータリバルブ。671,681…吸入弁。Ps,Pd…圧力。
Claims (3)
- 回転軸の周囲に配列された複数のシリンダボア内にピストンを収容し、前記ピストンによって前記シリンダボア内に区画される圧縮室に吸入圧領域から冷媒を導入するための導入通路を有するロータリバルブを備え、前記圧縮室に通じる吸入通路と前記導入通路との連通によって吸入圧領域から前記導入通路及び吸入通路を介して前記圧縮室へ冷媒を導入するピストン式圧縮機において、
前記圧縮室と前記吸入圧領域とを隔てるバルブプレートと、
前記バルブプレートに設けられた吸入ポートと、
前記吸入ポートを閉じる着座位置から弾性力に抗して離間する吸入弁とを備えたピストン式圧縮機。 - 前記ピストンが上死点位置から下死点位置へ向かう吸入行程における前記導入通路と前記吸入通路との連通の開始は、前記圧縮室の圧力と前記吸入圧領域の圧力との前記吸入弁を介した差圧に基づいて前記吸入弁が前記着座位置から離間開始する時以降とした請求項1に記載のピストン式圧縮機。
- 前記吸入弁は、着座位置から弾性的に撓み変形して離間可能なリード弁である請求項1及び請求項2のいずれか1項に記載のピストン式圧縮機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003011130A JP2004225557A (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | ピストン式圧縮機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003011130A JP2004225557A (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | ピストン式圧縮機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004225557A true JP2004225557A (ja) | 2004-08-12 |
Family
ID=32900121
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003011130A Pending JP2004225557A (ja) | 2003-01-20 | 2003-01-20 | ピストン式圧縮機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004225557A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007138925A (ja) * | 2005-10-17 | 2007-06-07 | Toyota Industries Corp | 両頭ピストン式圧縮機 |
JP2008190386A (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Toyota Industries Corp | 両頭ピストン式圧縮機 |
KR100917020B1 (ko) * | 2007-06-07 | 2009-09-11 | 한라공조주식회사 | 압축기 |
JP2017096128A (ja) * | 2015-11-20 | 2017-06-01 | 株式会社豊田自動織機 | 可変容量型斜板式圧縮機 |
CN110318970A (zh) * | 2018-03-30 | 2019-10-11 | 株式会社丰田自动织机 | 活塞式压缩机 |
-
2003
- 2003-01-20 JP JP2003011130A patent/JP2004225557A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007138925A (ja) * | 2005-10-17 | 2007-06-07 | Toyota Industries Corp | 両頭ピストン式圧縮機 |
US7841840B2 (en) | 2005-10-17 | 2010-11-30 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Double-headed piston type compressor |
JP2008190386A (ja) * | 2007-02-02 | 2008-08-21 | Toyota Industries Corp | 両頭ピストン式圧縮機 |
US8047810B2 (en) | 2007-02-02 | 2011-11-01 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Double-headed piston type compressor |
KR100917020B1 (ko) * | 2007-06-07 | 2009-09-11 | 한라공조주식회사 | 압축기 |
JP2017096128A (ja) * | 2015-11-20 | 2017-06-01 | 株式会社豊田自動織機 | 可変容量型斜板式圧縮機 |
CN110318970A (zh) * | 2018-03-30 | 2019-10-11 | 株式会社丰田自动织机 | 活塞式压缩机 |
DE102019108074B4 (de) | 2018-03-30 | 2021-12-30 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Kolbenkompressor |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7204098B2 (en) | Oil separation structure for refrigerant compressor | |
JP3855940B2 (ja) | 圧縮機における潤滑構造 | |
JP2006291751A (ja) | ピストン式圧縮機 | |
JPH05231309A (ja) | ピストン型圧縮機における潤滑構造 | |
JP2004225557A (ja) | ピストン式圧縮機 | |
JP3608299B2 (ja) | 両頭ピストン式圧縮機 | |
JP4820269B2 (ja) | 往復動圧縮機 | |
JP2004245197A (ja) | ピストン式圧縮機 | |
JP4934921B2 (ja) | ピストン式容量可変型流体機械 | |
JPH09105380A (ja) | 容量可変型斜板式圧縮機 | |
JP2003028057A (ja) | 可変容量型圧縮機における絞り構造 | |
JP2007205165A (ja) | 可変容量型クラッチレス圧縮機 | |
JP6618343B2 (ja) | 圧縮機 | |
CN110318969B (zh) | 活塞式压缩机 | |
JP7160001B2 (ja) | ピストン式圧縮機 | |
JP2004278361A (ja) | ピストン式圧縮機 | |
JP4304544B2 (ja) | ピストン式圧縮機における冷媒吸入構造 | |
JP2016166532A (ja) | 容量可変型両頭斜板式圧縮機 | |
JP2007192154A (ja) | 往復動型流体機械 | |
JP2004332709A (ja) | ピストン式圧縮機 | |
JPH11257218A (ja) | 容量可変型斜板式圧縮機 | |
JPH01232180A (ja) | 可変容量式斜板型圧縮機 | |
CN115997073A (zh) | 可变容量斜盘式压缩机 | |
JP2000297745A (ja) | 圧縮機 | |
JP2019183836A (ja) | ピストン式圧縮機 |