JP2005088829A - 船外機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】前進時の推力は推力受け(受圧ブロツク66)から係合部材(係合用ピン59)を介して取付部材に伝達され推進装置4の下端部が後方へ大きな荷重で押圧されたときには推進装置4が前記推力受けから離間してチルト軸52を中心として後方へ回動可能とされるように構成される。一方、チルト軸52を中心とする円弧に沿った少なくとも二つの所定位置で取付部材(クランプブラケツト41,スイベルブラケツト本体51)とスラストブラケット64が互いに係合可能とするとともに、前記取付部材と前記スラストブラケット64の一方に可動の係合部材を、他方に係合部材が係合する係合部60bを設ける。前記係合部材に作用し、この係合部材が係合部60bに係合する係合状態と、前記係合部材の係合部60bへの係合が解除される係合解除状態とを切り替える操作機構を設けた。
【選択図】図18
Description
この特許文献1に示された船外機は、航走時のプロペラの軸線の水平方向に対する角度を調整することができるように、前記推進装置を前記チルト軸回りに回動させ、所定のトリム角度に保持するトリム角度調整装置が装備されている。
なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見付け出すことはできなかった。
さらにまた、特許文献1に示された従来の船外機においては、チルト角度を変更するときにその都度ストッパーロッドを取付孔に対して着脱させなければならないから、この操作が煩雑で、簡単にチルト角度を変更することができないという問題があった。
ここで、略水平とは、水平面とチルト軸とがなす角度が0°(水平面と平行)から30°程度までの間の任意の角度でよく、推進装置が船体と干渉することなく、チルト軸回りに上下方向に回動できるような角度であることを意味している。
請求項5に記載した発明に係る船外機は、請求項2ないし請求項4のうちいずれか一つに記載した発明に係る船外機において、推進装置をピボットブラケットに対して360°回動可能に構成したものである。
また、本発明に係る船外機においては、船体の側部に取付けられた状態で前進し、杭や流木などの異物が当たった場合には、推進装置がチルト軸を中心にしてチルトアップすることによって衝撃力が緩和される。このため、本発明によれば、船体の側部に容易に搭載することができるとともに、異物が当たったとしても破損し難い船外機を提供することができる。
請求項5記載の発明によれば、推進装置の回動位置を変えることによって前進後進を含め進行方向を360°何れの方向へも変えることができるから、船体側部に取付けた状態で操船をより一層容易に行うことができる船外機を提供することができる。
請求項8記載の発明によれば、船体に固定される取付部材側に係合部材を設けており、チルトアップ動作またはチルトダウン操作によっても操作機構に影響が及ばないようにできる。
図1は本発明に係る船外機の側面図、図2は同じく平面図、図3はアッパーケーシング上部の断面図、図4は図3におけるアッパーケーシング上部のIV−IV線断面図、図5はアッパーケーシング下部とロアケーシングの断面図、図6は図5におけるVI−VI線断面図、図7は図5におけるVII−VII線断面図、図8は図5におけるVIII−VIII線断面図である。
図9はスイベルブラケットの断面図、図10は図9におけるX−X線断面図、図11は図9におけるXI−XI線断面図、図12は取付部材を船体左側の側部に取付けた状態を示す断面図、図13はスイベルブラケットをクランプブラケットに対して回動させた状態を示す断面図、図14は図9におけるXIV−XIV線断面図、図15は図9におけるXV−XV線断面図である。図16〜図18はスラストブラケットの動作を説明するための断面図、図19は航走中に推進装置に衝撃が加えられたときの状態を示す断面図である。図20は本発明に係る船外機を取付ける位置を説明するための平面図、図21はスイベルブラケットの別の実施の形態を示すためのXI−XI線断面相当の断面図、図22は船尾板に船外機を取付けた形態を示す平面図である。
前記アッパーカウル12bは、図1および図2に示すように、前端部にスタータハンドル30とチョークノブ31とが設けられている。図1および図2において、アッパーカウル12bの上端部に位置する符号32で示すものは燃料タンク用キャップである。
また、このロアケーシング13は、図5に示すように、上端部であって船外機後側(図において左側)の端部にプロペラ3が回転自在に設けられ、このプロペラ3の前方であって上下方向の中央部に冷却水ポンプ21が設けられている。
前記クランプブラケット41は、図9〜図11および図16に示すように、船体5の右舷側の舷板5aを挟むことによって舷板5aに固定される前側のクランプ43および後側のクランプ44と、これらの前後のクランプ43,44が船体5の前後方向に互いに離間する状態で両クランプ43,44どうしを互いに接続する上側ロッド45(図10参照)および下側ロッド46(図1参照)と、前記両クランプ43,44の上端部どうしの間に介装されて両クランプ43,44に上側取付用ボルト47と下側取付用ボルト48とによって取付けられた取付用プレート49とから構成されている。前記クランプ43およびクランプ44にはそれぞれ、舷板5aを挟むための押圧用のパッド41a、クランプ43,44にネジ嵌合する押圧スクリュウ41b、押圧スクリュウ41bを回動させる押圧用のハンドル41cが設けられている。なお、クランプ43,44は、図12に示すようにクランプブラケット41が左舷側の舷板5bに固定される場合は、後ろ前となる。
前側の前記クランプ43に取付用プレート49を固定する2本の取付用ボルト47,48は、互いに上下方向に離間する状態でそれぞれ船体前側から略水平にクランプ43を貫通して取付用プレート49に螺着し、後側のクランプ44に取付用プレート49を固定する2本の取付用ボルト47,48は、互いに上下方向に離間する状態でそれぞれ船体後側から略水平にクランプ44を貫通して取付用プレート49に螺着している。
前記チルト軸支持用のボス55には、図10に示すように、前記チルト軸52が横架され固着されている。この実施の形態では、両方のボス55にチルト軸52が嵌合する大径孔55aと、一方のボス55にチルト軸52を抜き出すための工具穴となる小径孔55bと、他方のボス55の大径孔55a口元のめねじが形成され、チルト軸52の抜け止めをする埋栓55cが装着されている。
この支持用ブロック54と前記取付用プレート49との嵌合部は、図16に示すように、支持用ブロック54の上下方向の中央部に形成された凸部54aが取付用プレート49の凹部49aに嵌合することによって、これら両部材の一方の他方に対する上下方向への移動が規制されるように形成されている。
前記後方延在部56bは、前記チルト軸52を中心とする円弧状を呈するように形成され、図15に示すように、船外機内側で互いに向き合う側部に後述するスラストストッパー58の係合用ピン59が係入する係合溝60が形成されている。この係合溝60は、図16に示すように、チルト軸52を中心とする円弧に沿って延びる連通部60aと、この連通部60aから前記円弧の径方向の外側へ延びる係合部60bとによって構成されている。この係合部60bは、前記円弧に沿う方向に間隔をおいて複数形成されている。
前記第1のピボットブラケット53aにおけるチルト軸52が貫通する部位の左右方向(チルト軸52の軸線方向)の中央部分には、図9および図15に示すように、後述するスラストストッパー58の上端部を収容するための凹陥部53cが下方に向けて開口するように形成されている。
前記スラストブラケット64は、前記チルト軸52から下方に延びる支持用ステー65と、この支持用ステー65の下端部に固定された受圧ブロック66とから構成されている。前記支持用ステー65は、パイプからなり、図15〜図18に示すように、下端において後述する係合用ピン59がネジ結合される駆動用ロッド67が上下方向に移動自在に嵌挿されている。前記受圧ブロック66によって、本発明でいう推力受けが構成されている。
前記係合用ピン59は、図14および図15に示すように、チルト軸52と平行とされるとともに前記受圧ブロック66の左右方向(図14においては上下方向)の長さより長くなるように形成され前記凹溝66b内に収容されており、この受圧ブロック66から突出した両端部が前記ストッパー56の係合溝60に係入されている。この係合用ピン59によって、本発明でいう係合部材が構成されている。この係合用ピン59は、前記係合溝60の連通部60a内に位置する状態で受圧ブロック66がチルト軸回りに回動することによって前記回動方向の位置が変えられ、複数の係合部60bの中から選択された一つの係合部60bに係合される。
この実施の形態による船外機1は、スラストストッパー58の係合状態を解除するに当たって操作用レバー70を操作するだけでよいから、チルト角度を変える操作を容易に行うことができる。
この実施の形態による船外機1は、アッパーケーシング11にキャビテーションプレートが形成されていないから、従来の船外機に較べてアッパーケーシング11の軽量化を図ることができる。
この実施の形態による船外機1は、冷却水ポンプ21と冷却水取入口38がプロペラ3の上縁より下に位置付けられていて、エンジン停止中でも冷却水ポンプ21内に常に水が流入するから、エンジン始動時にドライブシャフト20が回転すると同時に冷却水ポンプ21から冷却水がエンジン2に供給されるようになる。このため、エンジン2を確実に冷却することができる。
この実施の形態による船外機1は、図1に示すように、アッパーケーシング11の平坦部16が断面翼状を呈するように形成され、このアッパーケーシング11が後ろ下がりに傾斜する状態で航走するから、アッパーケーシング11が水を切るようになり、このアッパーケーシング11に当たった水が上方に飛散し難くなる。
本発明の特許請求の範囲に記載した取付部材は、クランプブラケット41と取付プレート49とスイベルブラケット本体51とによって構成され、スイベル部材はスイベルブラケット本体51によって構成されている。また、特許請求の範囲に記載した推進装置4は、アッパーケーシング11と、エンジン2と、カウリング12と、ロアケーシング13と、プロペラ3などによって構成されている。特許請求の範囲に記載した動力ユニットはエンジン2によって構成され、推力受けは受圧ブロック66によって構成され、操作機構は、操作用ワイヤ69、操作用レバー70などによって構成されている。
Claims (8)
- 船体に着脱可能な取付部材と、この取付部材に、平面視において船体の左右方向を軸線方向とする略水平なチルト軸を介して上下方向に回動可能にそれぞれ支持されたスラストブラケットと推進装置とを備え、この推進装置は、下端部に設けられたプロペラを動力ユニットによって駆動する構成とされ、前記スラストブラケットは、取付部材と推進装置との間に介装されるとともに、前進時に推進装置が当接する推力受けが設けられ、前進時の推力は前記推力受けから係合部材を介して前記取付部材に伝達され、前記推進装置の下端部が後方へ大きな荷重で押圧されたときには前記推進装置が前記推力受けから離間して前記チルト軸を中心として後方へ回動可能とされるように構成される一方、チルト軸を中心とする円弧に沿った少なくとも二つの所定位置で前記取付部材と前記スラストブラケットが互いに係合可能とするとともに、前記取付部材と前記スラストブラケットの一方に可動の係合部材を、他方に係合部材が係合する係合部を設け、前記係合部材に作用し、この係合部材が係合部に係合する係合状態と、前記係合部材の係合部への係合が解除される係合解除状態とを切り替える操作機構を設けたことを特徴とする船外機。
- 請求項1記載の船外機において、取付部材と推進装置との間にピボットブラケットをチルト軸回りに回動自在となるように介装し、このピボットブラケットに前記推進装置を水平方向に回動自在に支持させ、この推進装置を前記ピボットブラケットに対して回動させるステアリングユニットを備え、前記推力受けに、前記ピボットブラケットまたは前記ピボットブラケットより下方の推進装置を当接させたことを特徴とする船外機。
- 請求項2に記載の船外機において、取付部材を、船体に着脱されるクランプを有するクランプブラケットと、このクランプブラケットに水平方向に回動可能に支持されるとともに、所定角度において固定されるスイベル部材とによって構成し、このスイベル部材にチルト軸と、前記係合部材と前記係合部の内一方とを設けてなる船外機。
- 請求項3記載の船外機において、スイベル部材のクランプブラケットに対する回動中心と、推進装置のピボットブラケットに対する回動中心とを同一軸線上に位置付けてなる船外機。
- 請求項2ないし請求項4のうちいずれか一つの船外機において、推進装置をピボットブラケットに対して360°回動可能に構成してなる船外機。
- 請求項2ないし請求項4のうちいずれか一つの船外機において、推進装置を上面視においてプロペラの推力方向がチルト軸と直交する位置から左方向の左所定角度位置と、右方向の右所定角度位置の間でピボットブラケットに対して回動できるように構成してなる船外機。
- 請求項1ないし請求項6のうちいずれか一つの船外機において、取付部材側に左右方向に離間するとともに前後方向に延びる二つのストッパーと、この両ストッパーにそれぞれチルト軸を中心とする円弧に沿った少なくとも二つの所定位置に係合部を設け、この左右の係合部に係合可能とされる係合部材をスイベル部材に設けたことを特徴とする船外機。
- 請求項1ないし請求項6のうちいずれか一つの船外機において、スラストブラケット側に前後方向に延びるストッパーと、この両ストッパーにそれぞれチルト軸を中心とする円弧に沿った少なくとも二つの所定位置に係合部を設け、この係合部に係合可能とされる係合部材を取付部材側に形成した前後方向に延びるステー部の後端部に設けたことを特徴とする船外機。
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