JP4279635B2 - 船外機 - Google Patents
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Description
なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見付け出すことはできなかった。
前記第1の原因による不具合は、船外機を船体に可及的接近させることにより低減することができ、前記第2の原因による不具合は、船外機を船体から離間させることにより低減することができる。このように相反する条件を同時に満たすことができるように船外機を構成しなければ、船体の側部に船外機を搭載した状態では十分な性能を得ることはできない。
請求項3に記載した発明に係る船外機は、請求項1または請求項2に記載した船外機において、前記クランプブラケットにおける前記スイベルブラケット本体が取付けられる部分は、平面視において中央部が船体内側に向けて凸になる円弧状の湾曲部分を有する取付用プレートによって形成され、前記スイベルブラケット本体は、前記湾曲部分における船体から遠ざかる外方側にボルトによって取付けられ、前記ボルトは、スイベルブラケット本体のクランプブラケットに対する回動を許容するために水平方向の長穴からなる貫通孔に挿通されているものである。
請求項4に記載した発明に係る船外機は、請求項1または請求項2に記載した船外機において、前記クランプブラケットにおける前記スイベルブラケット本体が取付けられる部分は、平面視において中央部が船体内側に向けて凸になる円弧状の湾曲部分を有する取付用プレートによって形成され、前記スイベルブラケット本体は、前記クランプブラケットへの取付角度を変えるために横断面C字状に形成された支持用ブロックを備え、この支持用ブロックの外周部は、前記湾曲部分に嵌合する曲率となるように形成され、前記外周部には、ねじ孔が周方向に間隔をおいて複数形成され、前記スイベルブラケット本体は、前記ねじ孔に螺着したボルトによって前記クランプブラケットに取付けられているものである。
請求項5に記載した発明に係る船外機は、請求項3または請求項4に記載した船外機において、前記スイベルブラケット本体における前記湾曲部分に取付けられる部分の上下方向の中央部には凸部が形成され、前記湾曲部分には前記凸部が嵌合する凹部が形成され、前記スイベルブラケット本体の凸部が前記湾曲部分の凹部に嵌合することによって、これら両部材の一方の他方に対する上下方向への移動が規制されるものである。
請求項6に記載した発明に係る船外機は、請求項1ないし請求項5のうちいずれか一つに記載した船外機において、前記クランプブラケットの前記クランプは、前記スイベルブラケットが着脱可能に取付けられる取付用プレートを挟持する船体前側のクランプと船体後側のクランプとからなり、前記取付用プレートは、前記両クランプの上側ネジ貫通孔と下側ネジ貫通孔とにそれぞれ貫通させたボルトによって前記両クランプに固定され、
前記下側ネジ貫通孔は、前記上側ネジ貫通孔に通したボルトを中心とする仮想円弧に沿うような長穴によって形成されているものである。
船体の側部に装着した船外機によって航走する場合は、船外機が直進する状態であっても、船外機とは左右方向の反対側へ船体を旋回させる方向への分力が船体に作用する。この方向への分力は、船体と船外機との距離に対応するように大きくなる。一方、船体の側部に装着した船外機のプロペラには、船体によって側方に押し流された水が当たるようになるから、船外機を船体の側部に取付ける場合は、推力が不安定になり易い。
したがって、本発明によれば、船外機と船体との距離を変えることによって、上述した旋回方向へ作用する分力の低減と推力の安定とが両立するような位置に船外機を配設することができるから、十分な航走性能が得られる船外機を提供することができる。
したがって、この発明によれば、船体の側部に搭載した状態で下端部に異物が当たったとしても破損し難い船外機を提供することができる。
図1は本発明に係る船外機の側面図、図2は同じく平面図、図3はアッパーケーシング上部の断面図、図4は図3におけるアッパーケーシング上部のIV−IV線断面図、図5はアッパーケーシング下部とロアケーシングの断面図、図6は図5におけるVI−VI線断面図、図7は図5におけるVII−VII線断面図、図8は図5におけるVIII−VIII線断面図である。
図9はスイベルブラケットの断面図、図10は図9におけるX−X線断面図、図11は図9におけるXI−XI線断面図、図12は取付部材を船体左側の側部に取付けた状態を示す断面図、図13はスイベルブラケットをクランプブラケットに対して回動させた状態を示す断面図、図14は図9におけるXIV−XIV線断面図、図15は図9におけるXV−XV線断面図である。図16〜図18はスラストブラケットの動作を説明するための断面図、図19は航走中に推進装置に衝撃が加えられたときの状態を示す断面図である。図20は本発明に係る船外機を取付ける位置を説明するための平面図、図21はスイベルブラケットの別の実施の形態を示すためのXI−XI線断面相当の断面図である。
前記推進装置4は、後述する取付部材6に支持されたアッパーケーシング11と、このアッパーケーシング11の上に搭載された前記エンジン2と、このエンジン2を覆うカウリング12と、前記アッパーケーシング11の下端部に取付けられたロアケーシング13と、このロアケーシング13に回転自在に支持された前記プロペラ3などによって構成されている。
前記アッパーカウル12bは、図1および図2に示すように、前端部にスタータハンドル30とチョークノブ31とが設けられている。図1および図2において、アッパーカウル12bの上端部に位置する符号32で示すものは燃料タンク用キャップである。
また、このロアケーシング13は、図5に示すように、上端部であって船外機後側(図において左側)の端部にプロペラ3が回転自在に設けられ、このプロペラ3の前方であって上下方向の中央部に冷却水ポンプ21が設けられている。
前記クランプブラケット41は、図9〜図11および図16に示すように、船体5の右舷側の舷板5aを挟むことによって舷板5aに固定される前側のクランプ43および後側のクランプ44と、これらの前後のクランプ43,44が船体5の前後方向に互いに離間する状態で両クランプ43,44どうしを互いに接続する上側ロッド45(図10参照)および下側ロッド46(図1参照)と、前記両クランプ43,44の上端部どうしの間に介装されて両クランプ43,44に上側取付用ボルト47と下側取付用ボルト48とによって取付けられた取付用プレート49とから構成されている。前記クランプ43およびクランプ44にはそれぞれ、舷板5aを挟むための押圧用のパッド41a、クランプ43,44にネジ嵌合する押圧スクリュウ41b、押圧スクリュウ41bを回動させる押圧用のハンドル41cが設けられている。なお、クランプ43,44は、図12に示すようにクランプブラケット41が左舷側の舷板5bに固定される場合は、後ろ前となる。
前側の前記クランプ43に取付用プレート49を固定する2本の取付用ボルト47,48は、互いに上下方向に離間する状態でそれぞれ船体前側から略水平にクランプ43を貫通して取付用プレート49に螺着し、後側のクランプ44に取付用プレート49を固定する2本の取付用ボルト47,48は、互いに上下方向に離間する状態でそれぞれ船体後側から略水平にクランプ44を貫通して取付用プレート49に螺着している。
前記チルト軸支持用のボス55には、図10に示すように、前記チルト軸52が横架され固着されている。この実施の形態では、両方のボス55にチルト軸52が嵌合する大径孔55aと、一方のボス55にチルト軸52を抜き出すための工具穴となる小径孔55bと、他方のボス55の大径孔55a口元のめねじが形成され、チルト軸52の抜け止めをする埋栓55cが装着されている。
この支持用ブロック54と前記取付用プレート49との嵌合部は、図16に示すように、支持用ブロック54の上下方向の中央部に形成された凸部54aが取付用プレート49の凹部49aに嵌合することによって、これら両部材の一方の他方に対する上下方向への移動が規制されるように形成されている。
前記後方延在部56bは、前記チルト軸52を中心とする円弧状を呈するように形成され、図15に示すように、船外機内側で互いに向き合う側部に後述するスラストストッパー58の係合用ピン59が係入する係合溝60が形成されている。この係合溝60は、図16に示すように、チルト軸52を中心とする円弧に沿って延びる連通部60aと、この連通部60aから前記円弧の径方向の外側へ延びる係合部60bとによって構成されている。この係合部60bは、前記円弧に沿う方向に間隔をおいて複数形成されている。
前記第1のピボットブラケット53aにおけるチルト軸52が貫通する部位の左右方向(チルト軸52の軸線方向)の中央部分には、図9および図15に示すように、後述するスラストストッパー58の上端部を収容するための凹陥部53cが下方に向けて開口するように形成されている。
前記スラストブラケット64は、前記チルト軸52から下方に延びる支持用ステー65と、この支持用ステー65の下端部に固定された受圧ブロック66とから構成されている。前記支持用ステー65は、パイプからなり、図15〜図18に示すように、下端において後述する係合用ピン59がネジ結合される駆動用ロッド67が上下方向に移動自在に嵌挿されている。
前記係合用ピン59は、図14および図15に示すように、チルト軸52と平行とされるとともに前記受圧ブロック66の左右方向(図14においては上下方向)の長さより長くなるように形成され前記凹溝66b内に収容されており、この受圧ブロック66から突出した両端部が前記ストッパー56の係合溝60に係入されている。この係合用ピン59によって、本発明でいう係合部材が構成されている。この係合用ピン59は、前記係合溝60の連通部60a内に位置する状態で受圧ブロック66がチルト軸回りに回動することによって前記回動方向の位置が変えられ、複数の係合部60bの中から選択された一つの係合部60bに係合される。
加えて、この実施の形態による船外機1は、船体5が後退するように推進装置4を180°回した状態でも左右方向に操舵することができるから、舷板5a,5bに取付けた状態で後退操作を含めて操船をより一層容易に行うことができる。
この実施の形態による船外機1は、スラストストッパー58の係合状態を解除するに当たって操作用レバー70を操作するだけでよいから、チルト角度を変える操作を容易に行うことができる。
この実施の形態による船外機1は、アッパーケーシング11にキャビテーションプレートが形成されていないから、従来の船外機に較べてアッパーケーシング11の軽量化を図ることができる。
この実施の形態による船外機1は、冷却水ポンプ21と冷却水取入口38がプロペラ3の上縁より下に位置付けられていて、エンジン停止中でも冷却水ポンプ21内に常に水が流入するから、エンジン始動時にドライブシャフト20が回転すると同時に冷却水ポンプ21から冷却水がエンジン2に供給されるようになる。このため、エンジン2を確実に冷却することができる。
この実施の形態による船外機1は、図1に示すように、アッパーケーシング11の平坦部16が断面翼状を呈するように形成され、このアッパーケーシング11が後ろ下がりに傾斜する状態で航走するから、アッパーケーシング11が水を切るようになり、このアッパーケーシング11に当たった水が上方に飛散し難くなる。
本発明の特許請求の範囲に記載した推進装置4は、実施の形態においてはアッパーケーシング11と、エンジン2と、カウリング12と、ロアケーシング13と、プロペラ3などによって構成されている。また、特許請求の範囲に記載したステアリングユニットは、この実施の形態ではステアリングハンドル27によって構成されている。
Claims (6)
- 船体の舷板を挟持するクランプを有し前記舷板に着脱可能なクランプブラケットと、
このクランプブラケットに着脱可能に取付けられたスイベルブラケットと、
このスイベルブラケットに水平方向に回動自在に支持された推進装置と、
この推進装置を前記スイベルブラケットに対して回動させるステアリングユニットとを備えた船外機であって、
前記スイベルブラケットは、前記クランプブラケットに対して水平方向に回動させてクランプブラケットへの取付角度を変えることができるスイベルブラケット本体と、このスイベルブラケット本体にチルト軸を介して上下方向に回動自在に支持されるとともに前記推進装置を回動自在に支持するピボットブラケットとを備え、
前記推進装置が前記ピボットブラケットに対して回動するときの回動中心は、前記スイベルブラケット本体が前記クランプブラケットに対して回動するときの回動中心とは離間する位置に位置付けられていることを特徴とする船外機。 - 請求項1記載の船外機において、前記チルト軸は、平面視において舷板に沿って前後方向へ延びる仮想線とは交差する方向を軸線方向として構成されている船外機。
- 請求項1または請求項2記載の船外機において、前記クランプブラケットにおける前記スイベルブラケット本体が取付けられる部分は、平面視において中央部が船体内側に向けて凸になる円弧状の湾曲部分を有する取付用プレートによって形成され、
前記スイベルブラケット本体は、前記湾曲部分における船体から遠ざかる外方側にボルトによって取付けられ、
前記ボルトは、スイベルブラケット本体のクランプブラケットに対する回動を許容するために水平方向の長穴からなる貫通孔に挿通されていることを特徴とする船外機。 - 請求項1または請求項2記載の船外機において、前記クランプブラケットにおける前記スイベルブラケット本体が取付けられる部分は、平面視において中央部が船体内側に向けて凸になる円弧状の湾曲部分を有する取付用プレートによって形成され、
前記スイベルブラケット本体は、前記クランプブラケットへの取付角度を変えるために横断面C字状に形成された支持用ブロックを備え、
この支持用ブロックの外周部は、前記湾曲部分に嵌合する曲率となるように形成され、
前記外周部には、ねじ孔が周方向に間隔をおいて複数形成され、
前記スイベルブラケット本体は、前記ねじ孔に螺着したボルトによって前記クランプブラケットに取付けられていることを特徴とする船外機。 - 請求項3または請求項4記載の船外機において、前記スイベルブラケット本体における前記湾曲部分に取付けられる部分の上下方向の中央部には凸部が形成され、
前記湾曲部分には前記凸部が嵌合する凹部が形成され、
前記スイベルブラケット本体の凸部が前記湾曲部分の凹部に嵌合することによって、これら両部材の一方の他方に対する上下方向への移動が規制されることを特徴とする船外機。 - 請求項1ないし請求項5のうちいずれか一つに記載の船外機において、前記クランプブラケットの前記クランプは、前記スイベルブラケットが着脱可能に取付けられる取付用プレートを挟持する船体前側のクランプと船体後側のクランプとからなり、
前記取付用プレートは、前記両クランプの上側ネジ貫通孔と下側ネジ貫通孔とにそれぞれ貫通させたボルトによって前記両クランプに固定され、
前記下側ネジ貫通孔は、前記上側ネジ貫通孔に通したボルトを中心とする仮想円弧に沿うような長穴によって形成されていることを特徴とする船外機。
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