JP2005105859A - 船外機 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却水の供給遅れがなく、冷却水をエンジンにエンジン始動時から供給することができるようにする。
【解決手段】プロペラ3が取付けられるプロペラ軸34か、エンジン2の動力を前記プロペラ軸34に伝達するドライブシャフト20の内少なくとも一方の、前記プロペラ軸34を含んで前記プロペラ軸下方位置に冷却水ポンプ21を配設した。
【選択図】 図5
【解決手段】プロペラ3が取付けられるプロペラ軸34か、エンジン2の動力を前記プロペラ軸34に伝達するドライブシャフト20の内少なくとも一方の、前記プロペラ軸34を含んで前記プロペラ軸下方位置に冷却水ポンプ21を配設した。
【選択図】 図5
Description
本発明は、冷却水ポンプがドライブシャフトに軸装された船外機に関するものである。
従来、水冷式エンジンを搭載した船外機は、例えば特許文献1に開示されているように、エンジンの動力をプロペラに伝達するドライブシャフトによって冷却水ポンプを駆動する構成が採られている。前記ドライブシャフトは、エンジンが上端部に搭載されたアッパーケーシングと、このアッパーケーシングの下端部に取付けられたロアケーシングの内部に上下方向に延びる状態で設けられ、水面上方の所定の高さ部位に冷却水ポンプが軸装されている。
前記冷却水ポンプは、前記ドライブシャフトが貫通する状態でこのドライブシャフトに固着したインペラ付きロータと、このロータを回転自在に収容するハウジングとから構成されている。この冷却水ポンプの吸込口は、船外機外の海水などを吸込むために、ロアケーシングの側面に形成された冷却水入口に冷却水吸込用通路を介して接続され、吐出口は、前記アッパーケーシング内を貫通してエンジンの冷却水通路に連通する冷却水パイプが接続されている。
一方、前記従来の船外機は、航走時にアッパーケーシング前縁が水面近傍の水と衝突して発生する水飛沫がアッパーケーシングの壁面を伝って上昇することを防ぐために、アッパーケーシングにスプラッシュプレートが設けられている。また、前記アッパーケーシングにおける水面下の外表面には、空気がプロペラに巻き込まれることを防ぐためにキャビテーションプレートが設けられている。
なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見付け出すことはできなかった。
実公平7−32386号公報(第2−3頁、第2図)
上述した従来の船外機は、エンジン始動時に冷却水の供給が遅れることがあった。これは、エンジンが停止しているときに前記冷却水吸込用通路から水が抜けることが原因である。すなわち、エンジン始動時に冷却水吸込用通路内の水が冷却水ポンプの吸込口まで上昇するまでの間は冷却水ポンプが実質的に空転状態になるから、この空転期間の分だけ冷却水のエンジンへの供給が遅れてしまう。このようにエンジン始動時に冷却水の供給が遅れることにより、エンジンのシリンダ部分の温度が始動直後に急速に上昇し、前記温度が過度に上昇することが繰り返されるとピストンの損傷のおそれがある。また、ゴム製のインペラを使用する冷却水ポンプではインペラが溶損して揚水能力を失うから、ピストンが焼き付いたり溶損するおそれがある。
また、従来の船外機は、スプラッシュが上がり易く船体内にスプラッシュが浸入し易い問題があった。
また、従来の船外機は、スプラッシュが上がり易く船体内にスプラッシュが浸入し易い問題があった。
本発明はこのような問題を解消するためになされたもので、冷却水の供給遅れがなく、冷却水をエンジンにエンジン始動時から供給することができる船外機を提供することを第1の目的とし、スプラッシュが上がり難くすることで、船体内にスプラッシュが浸入し難い船外機を提供することを第2の目的とする。
この目的を達成するため、本発明に係る船外機は、エンジンの動力でプロペラを駆動するとともに冷却水ポンプを駆動するようにした船外機において、前記プロペラが取付けられるプロペラ軸か、前記エンジンの動力を前記プロペラ軸に伝達するドライブシャフトの内少なくとも一方の、前記プロペラ軸を含んで前記プロペラ軸下方位置に前記冷却水ポンプを配設したものである。
請求項2に記載した発明に係る船外機は、請求項1に記載した発明に係る船外機において、ドライブシャフトの途中においてプロペラ軸を接続し、このドライブシャフトの下端部に冷却水ポンプを接続したものである。
請求項3に記載した発明に係る船外機は、請求項1または請求項2に記載した発明に係る船外機において、ドライブシャフトを収容するハウジングを、ドライブシャフトと直交する各平面上での外形形状が中央部で幅が大きく、中央部より前後に離れる程幅が小さくなるよう形成し、ハウジングの中央部の幅とハウジングを側方から見た前縁形状が、前進航走時の水面近傍における水面上方から水面下方にかけて、ハウジングの中央部の幅が上下方向に略同一か下方において小さくなるようにし、ハウジングを側方から見た前縁形状が略鉛直か下方において後退するよう形成したものである。
請求項4に記載した発明に係る船外機は、請求項1ないし請求項3のうち何れか一つに記載した発明に係る船外機において、プロペラ軸をドライブシャフトが鉛直下方に延びる状態で後下がりに傾斜するようにドライブシャフトに接続し、前進航走時にプロペラ軸が略水平になるようドライブシャフトを下方が後退する傾斜状態で船体に支持させた場合に、ドライブシャフトを収容するハウジングを、各水平面上での外形形状が中央部で幅が大きく、中央部より前後に離れる程幅が小さくなるよう形成し、ハウジングの中央部の幅とハウジングを側方から見た前縁形状が、水面近傍における水面上方から水面下方にかけて、ハウジングの中央部の幅が上下方向で略同一か下方において小さくなるようにし、ハウジングを側方から見た前縁形状が、鉛直か下方において後退するよう形成したものである。
本発明によれば、プロペラ軸に冷却水ポンプを配置する場合においても、水面下でプロペラが回転するようにされるから、少なくともプロペラ外径の半分の深さ冷却水ポンプは水没し、冷却水ポンプが水面より確実に下方に位置するから、このポンプの吸入系にはポンプ停止時でも水が流入する。したがって、いわゆる呼び水が不要になり、エンジン始動時などで冷却水ポンプの回転開始と同時に冷却水がエンジンに供給される。このため、冷却の信頼性が高い船外機を提供することができる。
また、本発明に係る船外機は、冷却水ポンプが水面の近傍に位置していないことから、アッパーケーシングにおける水面近傍の部位を相対的に細く形成することができる。したがって、水飛沫が上がり難くしかも空気が水中に入り難い船外機を提供することができる。
また、本発明に係る船外機は、冷却水ポンプが水面の近傍に位置していないことから、アッパーケーシングにおける水面近傍の部位を相対的に細く形成することができる。したがって、水飛沫が上がり難くしかも空気が水中に入り難い船外機を提供することができる。
請求項2記載の発明によれば、冷却水ポンプは確実にプロペラ軸より下方位置となる。したがって、冷却水ポンプを有するロアケーシングと、このロアケーシングが取付けられるアッパーケーシングの下端部の左右方向の厚みを可及的薄くなるように形成することができるから、水飛沫がより一層上がり難くできる。
請求項3記載の発明によれば、航走時にアッパーケーシングの前縁が水面を切るようになるから、水飛沫がより一層上がり難くすることができる。なお、従来の船外機では、アッパーケーシングの前部において前方から左右にかけて水平方向に外方に板状に突出させ、スプラッシュの上昇を防ぐスプラッシュプレートを複数設けることが行われているが、スプラッシュプレートの枚数を減らしたり、形状を小さくしたり、さらには廃止することができる。これらの場合には、アッパーケーシングの軽量化を図ることもできる。
また、従来の船外機では、アッパーケーシングの後部プロペラ上方かつ水面下の水面近傍となる位置において、後方から左右にかけて水平方向に外方に板状に突出させ、水面から空気がプロペラ前方に巻き込まれるのを防ぐキャビテーションプレートを設けることが行われているが、アッパーケーシングの前縁で左右に分かれアッパーケーシングの両側側方を流れる水が、アッパーケーシングの後縁後方において後縁に近い位置で合流するようになるので、空気が水面からプロペラ方向に入り難くなるから、キャビテーションプレートの形状を小さくしたり、さらには廃止することができる。これらの場合には、アッパーケーシングの軽量化を図ることもできる。
請求項4記載の発明によれば、航走時にアッパーケーシングの前縁がより確実に水面を切るようになるから、水飛沫がより一層確実に上がり難くすることができる。これにより、スプラッシュプレートの枚数を減らしたり、形状を小さくしたり、さらには廃止することができる。これらの場合には、アッパーケーシングの軽量化を図ることもできる。さらに、アッパーケーシングの前縁で左右に分かれアッパーケーシングの両側側方を流れる水が、アッパーケーシングの後縁後方において後縁に近い位置で合流するようになるので、空気がプロペラ方向に入り難くなるから、キャビテーションプレートの形状を小さくしたり、さらには廃止することもできる。これらの場合には、アッパーケーシングの軽量化を図ることもできる。
以下、本発明に係る船外機の一実施の形態を図1ないし図22によって詳細に説明する。
図1は本発明に係る船外機の側面図、図2は同じく平面図、図3はアッパーケーシング上部の断面図、図4は図3におけるアッパーケーシング上部のIV−IV線断面図、図5はアッパーケーシング下部とロアケーシングの断面図、図6は図5におけるVI−VI線断面図、図7は図5におけるVII−VII線断面図、図8は図5におけるVIII−VIII線断面図である。
図9はスイベルブラケットの断面図、図10は図9におけるX−X線断面図、図11は図9におけるXI−XI線断面図、図12は取付部材を船体左側の側部に取付けた状態を示す断面図、図13はスイベルブラケットをクランプブラケットに対して回動させた状態を示す断面図、図14は図9におけるXIV−XIV線断面図、図15は図9におけるXV−XV線断面図である。図16〜図18はスラストブラケットの動作を説明するための断面図、図19は航走中に推進装置に衝撃が加えられたときの状態を示す断面図である。図20は本発明に係る船外機を取付ける位置を説明するための平面図、図21はスイベルブラケットの別の実施の形態を示すためのXI−XI線断面相当の断面図、図22は船尾板に船外機を取付けた形態を示す平面図である。
図1は本発明に係る船外機の側面図、図2は同じく平面図、図3はアッパーケーシング上部の断面図、図4は図3におけるアッパーケーシング上部のIV−IV線断面図、図5はアッパーケーシング下部とロアケーシングの断面図、図6は図5におけるVI−VI線断面図、図7は図5におけるVII−VII線断面図、図8は図5におけるVIII−VIII線断面図である。
図9はスイベルブラケットの断面図、図10は図9におけるX−X線断面図、図11は図9におけるXI−XI線断面図、図12は取付部材を船体左側の側部に取付けた状態を示す断面図、図13はスイベルブラケットをクランプブラケットに対して回動させた状態を示す断面図、図14は図9におけるXIV−XIV線断面図、図15は図9におけるXV−XV線断面図である。図16〜図18はスラストブラケットの動作を説明するための断面図、図19は航走中に推進装置に衝撃が加えられたときの状態を示す断面図である。図20は本発明に係る船外機を取付ける位置を説明するための平面図、図21はスイベルブラケットの別の実施の形態を示すためのXI−XI線断面相当の断面図、図22は船尾板に船外機を取付けた形態を示す平面図である。
これらの図において、符号1で示すものは本発明に係る船外機である。この船外機1は、エンジン2によってプロペラ3を駆動する構成の推進装置4と、この推進装置4を船体5に取付けるための取付部材6とから構成されている。
前記推進装置4は、後述する取付部材6に支持されたアッパーケーシング11と、このアッパーケーシング11の上に搭載された前記エンジン2と、このエンジン2を覆うカウリング12と、前記アッパーケーシング11の下端部に取付けられたロアケーシング13と、このロアケーシング13に回転自在に支持された前記プロペラ3などによって構成されている。
前記推進装置4は、後述する取付部材6に支持されたアッパーケーシング11と、このアッパーケーシング11の上に搭載された前記エンジン2と、このエンジン2を覆うカウリング12と、前記アッパーケーシング11の下端部に取付けられたロアケーシング13と、このロアケーシング13に回転自在に支持された前記プロペラ3などによって構成されている。
前記アッパーケーシング11は、アルミニウム合金を材料として鋳造によって形成されており、図3〜図5に示すように、エンジン2を支持する上端部14と、この上端部14から下方に延びる円筒状を呈する軸部15と、この軸部15の下端から下方に延びる平坦部16とが一体に形成されている。前記平坦部16は、図7および図8に示すように、前後方向の中央部の幅が両端部より広くなるとともに、前端部と後端部は、それぞれ先端側に向かうにしたがって幅が漸次狭くなるように形成されている。
すなわち、前後で対称となる形状のものや、中央部が前寄りとなる流線型形状のもの、あるいは中央部が後寄りとなるものが採用できる。この実施の形態においては、後記するドライブシャフト20の部分が幅広の中央部となるとともに、ドライブシャフト20が後寄りに配置されている。これにより、アッパーケーシング11内部に十分な断面積の中空部17を形成できるとともに、航走時水没される部分の水抵抗を小さくできる。この平坦部16における水面近傍の部位は、水面上方から水面下方にわたって横断面形状が略等しくなるように形成されている。水面の位置を図1中に二点鎖線Wで示す。すなわち、この平坦部16には、従来の船外機に設けられているような、水飛沫の上昇を防ぐスプラッシュプレートや、アッパーケーシングから後方プロペラ上方まで延びてプロペラ3に水面から空気が巻き込まれるのを防ぐ、いわゆるキャビテーションプレートは形成されていない。
また、この中空部17はマフラーとして機能する。詳述すると、前記中空部17は、アッパーケーシング11の上端部に取付けられたエンジン2によって上端部の開口が閉塞され、下端部にロアケーシング13が接続されることによってロアケーシング13の排気通路18に連通されている。前記エンジン2は、排気口2a(図3,9参照)が前記中空部17内に向かって開口するように形成されている。ロアケーシング13の排気通路18は、プロペラ3の下方に突設されたプロテクタ19の内部に船外機前側を通過した後曲がり後側へ延びるように形成され、このプロテクタ19の後端部に後方へ向けて開口している。
また、前記中空部17内には、エンジン2の動力を前記プロペラ3に伝達するためのドライブシャフト20と、ロアケーシング13内の冷却水ポンプ21(図5および図6参照)から冷却水をエンジン2に導くための冷却水用パイプ22とが上下方向に貫通するように設けられている。前記ドライブシャフト20は、上端部がエンジン2のクランク軸(図示せず)に接続され、下端部が軸受23,24(図5参照)によってアッパーケーシング11とロアケーシング13とに回転自在に支持されている。前記軸受23は、アッパーケーシング11とロアケーシング13との間に介装された隔壁25に取付けられている。この隔壁25は、下記するベベルギヤ37が収容されるオイル室13b(図5参照)を水密に形成するためのものである。
前記エンジン2は、水冷式4サイクル単気筒エンジンで、図示していないクランク軸の軸線が上下方向を指向する状態で前記アッパーケーシング11の上端部14に搭載されている。この実施の形態によるエンジン2は、図3および図4に示すように、下端部に設けられたオイルパン2bが前記上端部14に載置されるとともに、この時クランク軸の下端部が前記ドライブシャフト20に接続される。なお、オイルパン2bに前記排気口2aが形成されている。冷却水ポンプ21からの冷却水は、冷却水用パイプ22からエンジン2のオイルパン2bや排気口2回りの不図示の冷却水ジャケット、シリンダやシリンダヘッドの冷却水ジャケットへ送られ、これらの冷却水ジャケットで各部を冷却した後、不図示の冷却水排出口から外部に放出される。
また、このエンジン2は、図1に示すように、アッパーケーシング11に搭載された状態でカウリング12によって覆われている。このカウリング12は、従来からよく知られているように、前記上端部14に固定されたボトムカウル12aと、このボトムカウル12aの上端部に着脱可能に取付けられたアッパーカウル12bとによって構成されている。
前記ボトムカウル12aは、後端部にキャリングハンドル26が設けられるとともに、前端部にステアリングハンドル27が設けられている。このステアリングハンドル27は、図2に示すように、船外機11の左右方向の中央部に位置付けられている。また、このステアリングハンドル27は、図1に示すように、ボトムカウル12a側のブラケット12cに支軸28を介して上下方向に揺動可能に取付けられており、図1に示す航走状態(推進装置4が鉛直方向に対して傾斜する状態)で略水平に前方へ延ばすことができるように構成されている。このステアリングハンドル27の先端部には、スロットルグリップ27aが設けられている。
また、前記ブラケット12cの下面にはクッションゴム29が取付けられている。このクッションゴム29は、前記航走状態から推進装置4の傾斜する角度がさらに増大したときに後述する取付部材6に当接し、推進装置4の傾斜角度が必要以上に増大することを規制するとともに、ロアケーシング13が流木に衝突した場合の衝撃を緩和するためのものである。
前記アッパーカウル12bは、図1および図2に示すように、前端部にスタータハンドル30とチョークノブ31とが設けられている。図1および図2において、アッパーカウル12bの上端部に位置する符号32で示すものは燃料タンク用キャップである。
前記アッパーカウル12bは、図1および図2に示すように、前端部にスタータハンドル30とチョークノブ31とが設けられている。図1および図2において、アッパーカウル12bの上端部に位置する符号32で示すものは燃料タンク用キャップである。
前記ロアケーシング13は、前記アッパーケーシング11と同様にアルミニウム合金を材料として鋳造によって形成されている。この実施の形態によるロアケーシング13は、アッパーケーシング11の前記平坦部16を下方へ延長したような形状、すなわち流線型形状あるいはそれに近い抵抗の少ない形状に形成されており、下端部に板状を呈するプロテクタ19が下方へ突出するように設けられている。
また、このロアケーシング13は、図5に示すように、上端部であって船外機後側(図において左側)の端部にプロペラ3が回転自在に設けられ、このプロペラ3の前方であって上下方向の中央部に冷却水ポンプ21が設けられている。すなわち、この冷却水ポンプ21は、図1中に二点鎖線Wで示す水面より下方に配設されている。
また、このロアケーシング13は、図5に示すように、上端部であって船外機後側(図において左側)の端部にプロペラ3が回転自在に設けられ、このプロペラ3の前方であって上下方向の中央部に冷却水ポンプ21が設けられている。すなわち、この冷却水ポンプ21は、図1中に二点鎖線Wで示す水面より下方に配設されている。
前記プロペラ3は、プロペラ軸34に脱着可能に取付けられる。前記プロペラ軸34は、ロアケーシング13のボス13aに固定された筒状軸受部材35に軸受36によって回転自在に支持され、内端部がベベルギヤ37を介して前記ドライブシャフト20に接続されている。すなわち、このプロペラ軸34は、図5に示すように、ドライブシャフト20が鉛直方向に延びる状態で後方に向かうにしたがって漸次低くなるように傾斜している。
前記冷却水ポンプ21は、遠心ポンプからなり、図5および図6に示すように、前記ドライブシャフト20の下端部に接続されている。詳述すると、この冷却水ポンプ21のロータ21aは、ドライブシャフト20の下端面にドライブシャフト20と同一軸線上に位置するように固定されている。この実施の形態によるロータ21aは、このロータ21aによってロアケーシング13の左右方向の厚みが厚くなることがないように、前記ベベルギヤ37の二つのギヤや、ロアケーシング13内に設けられた各軸受24,36より外径が小さくなるように形成されている。
前記ロータ21aを収容するハウジング21bは、図6に示すように、左右方向の両端部がロアケーシング13の側方表面に沿うように形成され、ロアケーシング13に固定されている。このハウジング21bは、ロアケーシング13側方表面となる部分に冷却水取入口38(図1参照)が形成され、船外機後側の上端部に冷却水吐出口39(図5参照)が形成されている。この冷却水吐出口39は、ロアケーシング13に穿設された冷却水通路40を介して前記冷却水用パイプ22に接続されている。なお、図5において、23a,24aはドライブシャフト20の外周を、36aはプロペラ軸34の外周をそれぞれ軸方向に水密にするオイルシールであり、25aはロアケーシング13と隔壁25との間を水密にするガスケットであり、オイル室13b内の潤滑オイルに外水が浸入しないようにしている。ロアケーシング13には不図示の潤滑オイル注入口と排出口が設けられ、脱着可能な密栓が取付けられている。なお、ロアケーシング13の一部、ハウジング21b配置部において冷却水取入口38の前方部を、上下のロアーケーシング13外形表面より凹ませ、前方からの動圧が冷却水取入口38に作用するようにしてもよい。
この実施の形態による冷却水ポンプ21は、エンジン始動時にドライブシャフト20が回転すると同時にロータ21aが回転し、前記冷却水取入口38から外水を吸込んで冷却水吐出口39から吐出する。このため、ドライブシャフト20の回転開始と略同期して冷却水が冷却水ポンプ21から冷却水用パイプ22に吐出され、エンジン2に供給される。なお、冷却水取入口38は冷却水ポンプ21のハウジング21bに設けられており、ロアケーシング13内に吸い込み通路を形成する必要はなくコスト低減を図れる。さらに、藻による詰まり対策をするため複数の冷却水取入口38を設け、冷却水ポンプ21の下方あるいは上方で水面下となる位置のロアケーシング13表面に冷却水取入口38を配置し、内部の吸い込み通路で冷却水ポンプ21に導くようにしてもよい。
前記取付部材6は、図1に示すように、船体5の舷板5aに取付けられるクランプブラケット41と、このクランプブラケット41の船体外側の端部に前記推進装置4を取付けるためのスイベルブラケット42とから構成されている。この実施の形態による船外機1を搭載する船体5は、船首と船尾の両方が尖り、中・低速走航時の船体抵抗が少なく且つ引き波を起こし難い、いわゆるダブル・エンダー型のものである。
前記クランプブラケット41は、図9〜図11および図16に示すように、船体5の右舷側の舷板5aを挟むことによって舷板5aに固定される前側のクランプ43および後側のクランプ44と、これらの前後のクランプ43,44が船体5の前後方向に互いに離間する状態で両クランプ43,44どうしを互いに接続する上側ロッド45(図10参照)および下側ロッド46(図1参照)と、前記両クランプ43,44の上端部どうしの間に介装されて両クランプ43,44に上側取付用ボルト47と下側取付用ボルト48とによって取付けられた取付用プレート49とから構成されている。前記クランプ43およびクランプ44にはそれぞれ、舷板5aを挟むための押圧用のパッド41a、クランプ43,44にネジ嵌合する押圧スクリュウ41b、押圧スクリュウ41bを回動させる押圧用のハンドル41cが設けられている。なお、クランプ43,44は、図12に示すようにクランプブラケット41が左舷側の舷板5bに固定される場合は、後ろ前となる。
前記クランプブラケット41は、図9〜図11および図16に示すように、船体5の右舷側の舷板5aを挟むことによって舷板5aに固定される前側のクランプ43および後側のクランプ44と、これらの前後のクランプ43,44が船体5の前後方向に互いに離間する状態で両クランプ43,44どうしを互いに接続する上側ロッド45(図10参照)および下側ロッド46(図1参照)と、前記両クランプ43,44の上端部どうしの間に介装されて両クランプ43,44に上側取付用ボルト47と下側取付用ボルト48とによって取付けられた取付用プレート49とから構成されている。前記クランプ43およびクランプ44にはそれぞれ、舷板5aを挟むための押圧用のパッド41a、クランプ43,44にネジ嵌合する押圧スクリュウ41b、押圧スクリュウ41bを回動させる押圧用のハンドル41cが設けられている。なお、クランプ43,44は、図12に示すようにクランプブラケット41が左舷側の舷板5bに固定される場合は、後ろ前となる。
前記取付用プレート49は、図10に示すように、前後方向(図10おいては左右方向)の中央部が平面視において船体内側に向けて凸になる円弧状を呈するように形成され、この湾曲部分における船体から遠ざかる外方側に後述するスイベルブラケット42が2本の固定用ボルト50によって固定されている。
前側の前記クランプ43に取付用プレート49を固定する2本の取付用ボルト47,48は、互いに上下方向に離間する状態でそれぞれ船体前側から略水平にクランプ43を貫通して取付用プレート49に螺着し、後側のクランプ44に取付用プレート49を固定する2本の取付用ボルト47,48は、互いに上下方向に離間する状態でそれぞれ船体後側から略水平にクランプ44を貫通して取付用プレート49に螺着している。
前側の前記クランプ43に取付用プレート49を固定する2本の取付用ボルト47,48は、互いに上下方向に離間する状態でそれぞれ船体前側から略水平にクランプ43を貫通して取付用プレート49に螺着し、後側のクランプ44に取付用プレート49を固定する2本の取付用ボルト47,48は、互いに上下方向に離間する状態でそれぞれ船体後側から略水平にクランプ44を貫通して取付用プレート49に螺着している。
図11〜図13に示すように、前後の取付用ボルト47,47がネジ嵌合する前後のネジ孔47a,47aは、取付用プレート49に互いに同軸に形成され、前後の取付用ボルト48,48がネジ嵌合する前後のネジ孔48a,48aも同様に、取付用プレート49に互いに同軸に形成される。上側取付用ボルト47が貫通する両クランプ43,44のネジ貫通孔47b,47bはそれぞれ真円に形成され、下側取付用ボルト48を挿通する前後両クランプ43,44のネジ貫通穴48b,48bは、図16に示すように、上側取付用ボルト47を中心とする仮想円弧に沿うような長穴によって形成されている。このため、取付用プレート49は、前記4本の取付用ボルト47,48を緩めた状態では上側取付用ボルト47を中心にして下端部を船体5の左右方向へ揺動させることができ、舷板5aに対する角度を前記長穴48aの長さに相当する角度だけ調整することができる。
前記スイベルブラケット42は、図11に示すように、前記取付用プレート49に2本の固定用ボルト50によって取付けられたスイベルブラケット本体51と、このスイベルブラケット本体51に水平なチルト軸52(図10参照)を介して上下方向に回動自在に支持されたピボットブラケット53の複数部品によって構成されている。なお、チルト軸52は、水平面に対して角度が、0°(水平面と平行)から30°程度までの間の、推進装置4が船体5と干渉することなく、チルト軸回りに上下方向に回動できるような任意の角度(例えば、5°、10°、15°、20°、25°等あるいはこれらの中間角度)となるように傾斜させてブラケット本体51に取付けてもよい。これにより、跳ね上がり時の軌跡を船体から遠ざけて流木衝突時などでピボットブラケットが破損しても推進装置4が確実に船外外側に飛散するようにできる(図10でチルト軸52の船外外方側の端部を水面方向に下げる場合)か、跳ね上がり時の軌跡を船体に近付けて、船体内からプロペラの交換等の作業をし易くできる(図10でチルト軸52の船内側の端部を水面方向に下げる場合)。
前記スイベルブラケット本体51は、横断面C字状を呈するように形成された支持用ブロック54と、この支持用ブロック54の上端部であって左右方向の両端部から上方へ突出するチルト軸支持用のボス55(図1および図10参照)と、前記支持用ブロック54の下端部であって左右方向の両端部から下方へ延びるストッパー56(図15および図16参照)とから形成されている。この実施の形態においては、スイベルブラケット本体51は、アルミニウム合金を材料として鋳造によって前記支持用ブロック54、チルト軸支持用ボス55およびストッパー56が一体に形成されている。
前記チルト軸支持用のボス55には、図10に示すように、前記チルト軸52が横架され固着されている。この実施の形態では、両方のボス55にチルト軸52が嵌合する大径孔55aと、一方のボス55にチルト軸52を抜き出すための工具穴となる小径孔55bと、他方のボス55の大径孔55a口元のめねじが形成され、チルト軸52の抜け止めをする埋栓55cが装着されている。
前記チルト軸支持用のボス55には、図10に示すように、前記チルト軸52が横架され固着されている。この実施の形態では、両方のボス55にチルト軸52が嵌合する大径孔55aと、一方のボス55にチルト軸52を抜き出すための工具穴となる小径孔55bと、他方のボス55の大径孔55a口元のめねじが形成され、チルト軸52の抜け止めをする埋栓55cが装着されている。
前記支持用ブロック54は、図11に示すように、外周部が前記取付用プレート49の外側部に嵌合する曲率となるように形成され、外周部に前記2本の固定用ボルト50が螺着するねじ孔57が周方向に間隔をおいて複数形成されている。
この支持用ブロック54と前記取付用プレート49との嵌合部は、図16に示すように、支持用ブロック54の上下方向の中央部に形成された凸部54aが取付用プレート49の凹部49aに嵌合することによって、これら両部材の一方の他方に対する上下方向への移動が規制されるように形成されている。
この支持用ブロック54と前記取付用プレート49との嵌合部は、図16に示すように、支持用ブロック54の上下方向の中央部に形成された凸部54aが取付用プレート49の凹部49aに嵌合することによって、これら両部材の一方の他方に対する上下方向への移動が規制されるように形成されている。
前記支持用ブロック54に形成された前記複数のねじ孔57は、前記取付用プレート49に対して支持用ブロック54を水平方向に回動させてその取付角度を変えることができるように、支持用ブロック54の周方向に所定間隔おいて並ぶ状態で形成されている。前記支持用ブロック54は、前記チルト軸52と後述するピボットブラケット53とを介して推進装置4を支持する部材であるから、上述したように支持用ブロック54の取付用プレート49への取付角度を変えることによって、推進装置4のクランプブラケット41に対する角度(位置)を変えることができる。
例えば、図20中に実線で示すように、クランプブラケット41が船体右側の舷板5aの前後方向の中央部に取付けられる場合には、図10および図11に示すように、支持用ブロック54は、後述するストッパー56の下端部の後方延在部56bが船体後方に向けて延びる状態で、ストッパー56側から見て左側側面が取付用プレート49に固定される。この支持用ブロック54の取付位置を以下においては右側取付位置という。この右側取付位置では、図10に示す平面視において、舷板5aに沿って前後方向に延びる仮想線Lとチルト軸52の軸線とが略直交するようになる。
また、図20中に(A)で示すように、クランプブラケット41を船体左側の舷板5bの前後方向の中央部に取付ける場合には、図12に示すように、支持用ブロック54は、ストッパー56の下端部の後方延在部56bが船体後方に向けて延びる状態で、船体後方から見て右側側面が取付用プレート49に固定される。この支持用ブロック54の取付位置を以下においては左側取付位置という。この左側取付位置では、前記右側取付位置に左右方向の反対側が取付用プレート49に固定されるこになり、この状態では、舷板5bに沿って前後方向に延びる仮想線Lとチルト軸52の軸線とが略直交するようになる。
さらに、図20中に(B)で示すように、クランプブラケット41を船体右側の舷板5aの後側に取付ける場合には、図13に示すように、支持用ブロック54は、前記右側取付位置に対して反時計方向に回動した状態で左側端部が取付用プレート49に固定される。この取付位置を以下においては中間位置という。この中間位置では、船体5の前後方向に対して平面視において傾斜するような部位に取付けられた場合であっても、舷板5aに沿って前後方向に延びる仮想線Lに対してチルト軸52の軸線が交差するようになる。
この実施の形態おいては、図20中(C)で示すように、船体左側の舷板5bの後部にクランプブラケット41を取付けたり、同図中に(B)に示すように、船体右側の舷板5aの後部などにもクランプブラケット41を取付けることができるように、支持用ブロック54に複数のねじ孔57が形成されている。これらのねじ孔57は、支持用ブロック54を前記右側取付位置と前記左側取付位置との間の7箇所の中間位置に位置付けることができるように配設されている。なお、図11において舷板5aと直角方向且つ船体外方に向けてストッパー56が延びる状態で取付用プレート49に支持用ブロック54を固定することもできる。この状態では、図22に示すように、従来の船外機と同様に、船尾において船体の左右方向配置とされる船尾板5cにクランプブラケット41を取付けることができる。本実施の形態では、船外機1の船体5への取付位置の自由度を増加できる。
なおまた、図21に示す実施の形態においては、取付用プレート49の固定用ボルト50の貫通孔49aを、円筒状の支持用ブロック54外周面の円筒中心線に垂直な方向(=水平方向)の長穴としている。固定用ボルト50が貫通する符号50aで示すものはワッシャである。図21に図示された状態から、固定用ボルト50を緩めて支持用ブロック54を上面視右方向に所定角旋回させた位置で固定用ボルト50を締め上げて、取付用プレート49に支持用ブロック54を固定した状態で、船体右側の舷板5aの前部にクランプブラケット41を取付けることができる。これが図20中(D)として図示されている。同様に、固定用ボルト50を長穴の貫通孔49aを貫通させて図21で下側となるネジ孔57に取付けるようにし、かつ固定用ボルト50を貫通孔49aの長穴中央より左回りさせた側に位置させるようにして、取付用プレート49に支持用ブロック54を固定した状態で、船体右側の舷板5aの前部にクランプブラケット41を取付けることができる。これが図20中(E)として図示されている。
この図21に示す実施の形態においては、貫通孔49aを長穴にすることで、旋回方向両端のネジ孔50のなす角以上に、取付用プレート49に対する支持用ブロック54の取り付け可能角度範囲を増加することができる。また、取付用プレート49に対する支持用ブロック54の取付角度の調整性を増すことができる。さらに、隣り合うネジ孔50のなす角より、長穴内で固定用ボルト50の取り得る角度範囲の方が大きくすることで、180°以上の取り付け可能角度範囲の任意の相対角度で取付用プレート49に支持用ブロック54を固定することができ、船外機1の船体5への取付位置の自由度をより一層増加できる。
なお、アッパーケーシング11の回動中心P1とスイベルブラケット42の回動中心P2との位置関係についての別の実施例として、アッパーケーシング11の回動中心P1をスイベルブラケット42の回動中心P2に一致させるか、プロペラ3の前進前方方向に変位させるようにしてもよい。これによりアッパーケーシング11と干渉しないよう回動中心P1より前方に位置するチルト軸52は図9および図10より分かる通り、より一層前方に位置させることになるので、スイベルブラケット42を回動させて、チルト軸52を舷板5aと交差するようにした状態で、推進装置4をチルトアップさせると、エンジン2の部分が船体5の方に近づき、エンジン2の保守点検性が向上する。なお、このエンジン2の保守点検性を向上させるためには、チルト軸52を上下方向において舷板5a上端より上方の位置とするとよい。これにより、チルトアップ時推進装置4の舷板5a上側への干渉を避けることができる。
前記ストッパー56は、後述するスラストストッパー58の一部を構成するもので、図1に示すように、前記支持用ブロック54の左右方向の両端部からそれぞれ下方に延びる上下方向延在部56aと、この上下方向延在部56aの下端から後方に延びる後方延在部56bとによって形成されている。
前記後方延在部56bは、前記チルト軸52を中心とする円弧状を呈するように形成され、図15に示すように、船外機内側で互いに向き合う側部に後述するスラストストッパー58の係合用ピン59が係入する係合溝60が形成されている。この係合溝60は、図16に示すように、チルト軸52を中心とする円弧に沿って延びる連通部60aと、この連通部60aから前記円弧の径方向の外側へ延びる係合部60bとによって構成されている。この係合部60bは、前記円弧に沿う方向に間隔をおいて複数形成されている。
前記後方延在部56bは、前記チルト軸52を中心とする円弧状を呈するように形成され、図15に示すように、船外機内側で互いに向き合う側部に後述するスラストストッパー58の係合用ピン59が係入する係合溝60が形成されている。この係合溝60は、図16に示すように、チルト軸52を中心とする円弧に沿って延びる連通部60aと、この連通部60aから前記円弧の径方向の外側へ延びる係合部60bとによって構成されている。この係合部60bは、前記円弧に沿う方向に間隔をおいて複数形成されている。
前記ピボットブラケット53は、図10に示すように、前記二つのチルト軸支持用のボス55どうしの間に挿入されて前記チルト軸52に上下方向に回動自在に支持された第1のピボットブラケット53aと、この第1のピボットブラケット53aの回動端部(後側端部)に固定用ボルト61によって固定された第2のピボットブラケット53bとから構成されている。これらの第1および第2のピボットブラケット53a,53bは、前記アッパーケーシング11の前記軸部15を回動自在に支持している。すなわち、このピボットブラケット53は、前記チルト軸52に上下方向に回動自在に支持されるとともに、前記アッパーケーシング11を水平方向に回動自在に支持している。
このようにピボットブラケット53に回動自在に支持されるアッパーケーシング11の回動中心P1は、図10中にドライブシャフト20が位置する部位であり、ピボットブラケット53を有するスイベルブラケット42の回動中心P2とは離間する位置に位置付けられている。図10および図11に示すように、支持用ブロック54が前記右側取付位置に位置している場合は、スイベルブラケット42の回動中心P2より船体後側にアッパーケーシング11の回動中心P1が位置し、図13に示すような中間位置に支持用ブロック54が位置している場合には、アッパーケーシング11の回動中心P1はスイベルブラケット42の回動中心P2より船体外側に位置するようになる。
前記ピボットブラケット53におけるアッパーケーシング11を回動自在に支持する部分には、図10に示すように、ベルト状のフリクションプレート62が介装されている。このフリクションプレート62は、同図中に符号63で示す蝶ねじを締めたり緩めたりすることによって、アッパーケーシング11がピボットブラケット53に対して回動するときの摺動抵抗を増減させることができるように形成されている。
前記第1のピボットブラケット53aにおけるチルト軸52が貫通する部位の左右方向(チルト軸52の軸線方向)の中央部分には、図9および図15に示すように、後述するスラストストッパー58の上端部を収容するための凹陥部53cが下方に向けて開口するように形成されている。
前記第1のピボットブラケット53aにおけるチルト軸52が貫通する部位の左右方向(チルト軸52の軸線方向)の中央部分には、図9および図15に示すように、後述するスラストストッパー58の上端部を収容するための凹陥部53cが下方に向けて開口するように形成されている。
前記スラストストッパー58は、前記推進装置4のチルト角度を規制するとともに推進装置4の推力を受けるためのもので、推力は一部が前記ストッパー56となるスイベルブラケット本体51、取付用プレート49およびクランプブラケット41を介して船体5に伝えられる。このスラストストッパー58は、図9、図14〜図18に示すように、前記チルト軸52に回動自在に支持されたスラストブラケット64と、このスラストブラケット64に上下方向に移動自在に支持された前記ピン59によって構成されている。
前記スラストブラケット64は、前記チルト軸52から下方に延びる支持用ステー65と、この支持用ステー65の下端部に固定された受圧ブロック66とから構成されている。前記支持用ステー65は、パイプからなり、図15〜図18に示すように、下端において後述する係合用ピン59がネジ結合される駆動用ロッド67が上下方向に移動自在に嵌挿されている。
前記スラストブラケット64は、前記チルト軸52から下方に延びる支持用ステー65と、この支持用ステー65の下端部に固定された受圧ブロック66とから構成されている。前記支持用ステー65は、パイプからなり、図15〜図18に示すように、下端において後述する係合用ピン59がネジ結合される駆動用ロッド67が上下方向に移動自在に嵌挿されている。
前記受圧ブロック66は、図14に示すように、前記アッパーケーシング11の軸部15が円周方向に摺動可能に嵌合する半割りの筒状内周面を有するプレート状の受圧部66aが推力受けとして船外機後側に形成されるとともに、係合用ピン59が嵌合する凹溝66b(図15参照)が形成されている。この凹溝66bは、図15および図17に示すように、受圧ブロック66を左右方向に貫通するように形成され、下方に向けて開放している。
前記係合用ピン59は、図14および図15に示すように、チルト軸52と平行とされるとともに前記受圧ブロック66の左右方向(図14においては上下方向)の長さより長くなるように形成され前記凹溝66b内に収容されており、この受圧ブロック66から突出した両端部が前記ストッパー56の係合溝60に係入されている。この係合用ピン59は、前記係合溝60の連通部60a内に位置する状態で受圧ブロック66がチルト軸回りに回動することによって前記回動方向の位置が変えられ、複数の係合部60bの中から選択された一つの係合部60bに係合される。
前記係合用ピン59は、図14および図15に示すように、チルト軸52と平行とされるとともに前記受圧ブロック66の左右方向(図14においては上下方向)の長さより長くなるように形成され前記凹溝66b内に収容されており、この受圧ブロック66から突出した両端部が前記ストッパー56の係合溝60に係入されている。この係合用ピン59は、前記係合溝60の連通部60a内に位置する状態で受圧ブロック66がチルト軸回りに回動することによって前記回動方向の位置が変えられ、複数の係合部60bの中から選択された一つの係合部60bに係合される。
前記係合用ピン59の長手方向の中央部には、このピンを前記凹溝内で上下方向に移動させるための駆動用ロッド67が立設されている。この駆動用ロッド67は、前記受圧ブロック66を貫通して上方に突出し、前記支持用ステー65に下方から挿入されている。また、この駆動用ロッド67における前記係合用ピン59と受圧ブロック66の上壁との間には、係合用ピン59を下方に付勢するための圧縮コイルばね68が弾装されている。さらに、前記駆動用ロッド67における前記支持用ステー65に嵌挿される部位には、操作用ワイヤ69が接続されている。パイプ状の支持用ステー65に開口する上下方向の長穴を貫通して操作用ワイヤ69のインナーケーブル用の支持ブラケット1,100が駆動用ロッド67にねじ込まれ、前記支持ブラケット1,100の上方で、操作用ワイヤ69のアウターケーブル用の支持ブラケット2,101が支持用ステー65に固定されている。この操作用ワイヤ69の他端部は、図1に示すように、クランプブラケット41に取付けられた操作用レバー70に接続されている。なお、この操作用レバー70としては、図15に示すように、ステアリングハンドル27に取付けることもできる。
この実施の形態による前記係合用ピン59は、前記操作用レバー70が操作されていない状態では、前記圧縮コイルばね68の弾発力によって下方に付勢され、両端部が前記係合溝60の係合部60bに係入する。このように係合用ピン59が係合部60bに係合することによって、受圧ブロック66の位置(航走時のアッパーケーシング11の位置)が決められ、スラストブラケット64のチルト軸回りの回動が規制される。例えば、図16に示すように、ストッパー56に複数形成された係合部60bのうち、最も船外機前側(図16においては右側)に位置する係合部60bに係合用ピン59が係合することによって、受圧ブロック66が最も船外機前側に位置する状態でスラストブラケット64の前記回動が規制される。この状態では、図1中に二点鎖線で示すように、推進装置4のアッパーケーシング11の軸線C(ドライブシャフト20の軸線と平行な軸線)が鉛直方向を指向するようになる。
推進装置4のチルト角度を変えるためには、先ず、前記操作用レバー70を操作して前記ワイヤ69を引き、前記駆動用ロッド67と係合用ピン59とを上側へ移動させる。この操作により、係合用ピン59の両端部が前記係合部60bから連通部60aに入り、スラストブラケット64をチルト軸回りに回動させることができるようになる。次に、図17に示すように、操作用レバー70を継続して操作しながら推進装置4とスラストブラケット64とをチルト軸回りに同図において時計方向に所望のチルト角度に達するまで回動させ(チルトアップさせ)、操作用レバー70を放す。このようにチルトアップさせた状態で操作用レバー70を放すことにより、前記圧縮コイルばね68の弾発力によって係合用ピン59が押され、その両端部が係合部60bに係入する。このとき、例えばチルト角度が最大となる位置まで推進装置4とスラストブラケット64とをチルトアップさせた場合には、図18に示すように、複数形成された係合部60bのうち最も船外機後側に位置する係合部60bに係合用ピン59が係合する。
この実施の形態による船外機1は、このようにチルト角度が最大となるように推進装置4をチルトアップさせることによって、図1に示すように、プロペラ3の軸線が略水平となるように構成されている。なお、チルトダウンさせるときは、チルトアップ時と同様に操作用レバー70を操作して係合用ピン59とストッパー56との係合を解除し、この状態で推進装置4とスラストブラケット64とを回動させることによって行う。なお、一端がボルト102で支持用ブロック54に固定され、コイル部を介した他端が受圧ブロック66に当接するトーショナルスプリング103が配設されている。これにより、スラストブラケット64はチルトアップ方向に付勢されており、チルトアップ操作時推進装置4のみをチルトアップさせるだけでよい。また、チルトダウン時は推進装置4の自重でトーショナルスプリング103が変位するので、スラストブラケット64に手を掛ける必要はない。この構成を採ることにより、チルトアップまたはチルトダウン時にスラストブラケット64が推進装置4に追従して回動するようになり、スラストブラケット64を支える必要がなくなって操作性が向上する。
上述したように構成された船外機1は、図1に示すように、プロペラ3の軸線が略水平になるような最大トリムアップ位置と、同図中に二点鎖線で示すように推進装置4が起立するチルトダウン位置との間で前記係合部60bの位置に対応するようにチルト角度(なお、最大トリムアップ位置とチルトダウン位置の間においては、トリム角ともいう)を変えることができ、いずれのチルト位置(同じく、最大トリムアップ位置とチルトダウン位置の間においては、トリム位置ともいう)でもプロペラ3がエンジン2の動力により回転することによって前進する。前進時の推力は、アッパーケーシング11からクランプブラケット41とチルト軸52とを介してスイベルブラケット本体51に伝達されるとともに、アッパーケーシング11から受圧ブロック66と係合用ピン59とを介して前記スイベルブラケット本体51に伝達され、このスイベルブラケット本体51から取付用プレート49およびクランプブラケット41を介して船体5に伝達される。航走時の操舵は、ステアリングハンドル27を水平方向に操舵させ、推進装置4をピボットブラケット53に対して水平方向に回動させることによって行う。
一方、この船外機1を搭載した船体5を後退させる場合は、先ず、推進装置4を図1中に二点鎖線で示すチルトダウン位置までチルトダウンさせる。そして、この状態でステアリングハンドル27が後方を指向するように推進装置4をピボットブラケット53に対して水平方向に回動させ、推力で進む方向を後方に向けることによって行う。回動させることで、アッパーケーシング11に円弧状に突設したフック15aを受圧ブロック66の下端部に一体に形成した円弧状の係合部66cに係合させて行う。後退させる場合も、スラストストッパー58により推進装置4の推力を受け、後進推力はスイベルブラケット42、取付用プレート49およびクランプブラケット41を介して船体5に伝達される。なお、上述した実施の形態では示していないが、この船外機1は、従来からよく知られているような爪付きの回動式レバーと、このレバーが係合するピンとを有するリバースロック装置を装備することもできる。
上述した船外機1は、エンジン2の動力でプロペラ3を駆動するとともに冷却水ポンプ21を駆動するようにし、前記プロペラ3が取付けられるプロペラ軸34か、前記エンジン2の動力を前記プロペラ軸34に伝達するドライブシャフト20の内少なくとも一方の、前記プロペラ軸34を含んで前記プロペラ軸34下方位置に前記冷却水ポンプ21を配設したため、冷却水ポンプ21が水面Wより確実に下方に位置するから、このポンプ21の吸入系にはポンプ停止時に冷却水ポンプ21から水が流出することはない。また、プロペラ3を含めロアケーシング13を水面上に出す最大チルトアップ状態で船体5を岸に係留放置する場合には、船外機1内の冷却水は冷却水取入口38や、場合によっては不図示の冷却水排出口から外部に流出し、冷却水ポンプ21回りには冷却水がなくなってしまう。この場合でも航走のためチルトダウンしてロアケーシング13を水没させると、冷却水取入口38が冷却水ポンプ21より上にあろうと下にあろうと冷却水取入口38から冷却水が吸入系から冷却水ポンプ21へ流入する。この時冷却系の空気の一部(流入する水と同容積の空気)が不図示の冷却水排出口から押し出される。
したがって、いわゆる呼び水が不要になり、エンジン始動時などで冷却水ポンプ21の回転開始と同時に冷却水がエンジン2に供給される。このため、冷却水を確実にエンジン2に供給することができるから、エンジンの温度が過度に上昇することはなく、ピストン溶損などが起こることはない。冷却水ポンプ21に遠心ポンプ型ではないゴム製のインペラを使用するインペラ型を採用する場合であっても、インペラが溶損して揚水能力を失うようなことはない。
したがって、いわゆる呼び水が不要になり、エンジン始動時などで冷却水ポンプ21の回転開始と同時に冷却水がエンジン2に供給される。このため、冷却水を確実にエンジン2に供給することができるから、エンジンの温度が過度に上昇することはなく、ピストン溶損などが起こることはない。冷却水ポンプ21に遠心ポンプ型ではないゴム製のインペラを使用するインペラ型を採用する場合であっても、インペラが溶損して揚水能力を失うようなことはない。
また、この船外機1は、冷却水ポンプ21が水面Wの下方にあり、水面Wの近傍に位置していないことから、アッパーケーシング11における水面近傍の部位を相対的に細く形成することができる。したがって、水飛沫が上がり難くしかも空気が水中に入り難い船外機を提供することができる。このため、この実施の形態で示したように、スプラッシュプレートとキャビテーションプレートをなくすことができ、アッパーケーシングのより一層の軽量化を図ることができた。
さらに、この船外機1は、ドライブシャフト20の途中においてプロペラ軸34を接続し、このドライブシャフト20の下端部に冷却水ポンプ21を接続したため、冷却水ポンプ21を確実にプロペラ軸34より下方に位置付けることができる。したがって、冷却水ポンプ21を有するロアケーシング13と、このロアケーシング13が取付けられるアッパーケーシング11の下端部の左右方向の厚みを可及的薄くなるように形成することができるから、水飛沫がより一層上がり難くできる。
この実施の形態による船外機1は、ドライブシャフト20を収容するアッパーケーシング11を、ドライブシャフト20と直交する各平面上での外形形状が中央部で幅が大きく、中央部より前後に離れる程幅が小さくなるよう形成し、アッパーケーシング11の中央部の幅とアッパーケーシング11を側方から見た前縁形状が、前進航走時の水面近傍における水面上方から水面下方にかけて、アッパーケーシング11の中央部の幅が上下方向に略同一か下方において小さくなるようにし、アッパーケーシング11を側方から見た前縁形状が略鉛直か下方において後退するよう形成したため、航走時にアッパーケーシング11の前縁が水面を切るようになるから、水飛沫がより一層上がり難くすることができる。
また、従来の船外機では、アッパーケーシングの後部プロペラ上方かつ水面下の水面近傍となる位置において、後方から左右にかけて水平方向に外方に板状に突出させ、水面から空気がプロペラ前方に巻き込まれるのを防ぐキャビテーションプレートを設けることが行われているが、この実施の形態による船外機1においては、アッパーケーシング11の前縁で左右に分かれアッパーケーシング11の両側側方を流れる水が、アッパーケーシング11の後縁後方において後縁に近い位置で合流するようになるので、空気が水面からプロペラ3方向に入り難くなる。このため、キャビテーションプレートの形状を小さくしたり、さらにはこの実施の形態で示したように廃止することができる。これらの場合には、アッパーケーシング11の軽量化を図ることができる。
この実施の形態による船外機1は、プロペラ軸34をドライブシャフト20が鉛直下方に延びる状態で後下がりに傾斜するようにドライブシャフト20に接続し、前進航走時にプロペラ軸34が略水平になるようドライブシャフト20を下方が後退する傾斜状態で船体5に支持させた場合に、ドライブシャフト20を収容するアッパーケーシング11を、各水平面上での外形形状が中央部で幅が大きく、中央部より前後に離れる程幅が小さくなるよう形成し、アッパーケーシング11の中央部の幅とアッパーケーシング11を側方から見た前縁形状が、水面近傍における水面上方から水面下方にかけて、アッパーケーシング11の中央部の幅が上下方向で略同一か下方において小さくなるようにし、アッパーケーシング11を側方から見た前縁形状が、鉛直か下方において後退するよう形成したから、航走時にアッパーケーシング11の前縁がより確実に水面を切るようになるから、水飛沫がより一層確実に上がり難くすることができる。
これにより、スプラッシュプレートの枚数を減らしたり、形状を小さくしたり、さらにはこの実施の形態で示したように廃止することができる。これらの場合には、アッパーケーシング11の軽量化を図ることもできる。さらに、アッパーケーシング11の前縁で左右に分かれアッパーケーシング11の両側側方を流れる水が、アッパーケーシング11の後縁後方において後縁に近い位置で合流するようになるので、空気がプロペラ3方向に入り難くなるから、キャビテーションプレートの形状を小さくしたり、さらにはこの実施の形態で示したように廃止することもできる。これらの場合には、アッパーケーシング11の軽量化を図ることもできる。
アッパーケーシング11やロアケーシング13にスプラッシュプレートやキャビテーションプレートを設けていないので、従来の船外機のように、特定のトリム角以外においてスプラッシュプレートやキャビテーションプレートが水平面に対して傾斜し、航走抵抗となってしまうことがない。なお、より確実にスプラッシュやキャビテーションを防止するため、スプラッシュプレートやキャビテーションプレートの形状を小さくすることが可能となるので、特定のトリム角以外のスプラッシュプレートやキャビテーションプレートが水平面に対して傾斜する状態で航走しても、航走抵抗を小さくできる。
この実施の形態による船外機1は、図2や図10に示すように、船体5の側部に取付部材6によって取付けられた状態でチルト軸52の軸線が船体5の左右方向を指向するから、ダブル・エンダー型の船体5の舷板5a,5bに何ら改造することなく容易に取付けることができる。また、この船外機1は、上述したように船体5の側部に取付けられた状態で前進し、例えば下端部のプロテクタ19に川底、海底や杭、流木などの異物が当たった場合には、図19に示すように、推進装置4がチルト軸52を中心にして最大トリム角度位置より大きくチルトアップする。このチルトアップ動作により、前記衝突により船体5側に伝達される衝撃力が緩和される。したがって、この船外機1は、船体5の側部に搭載されるにもかかわらず、異物が当たったとしても破損し難いものとなる。なお、推進装置4が跳ね上がるように大きくチルトアップした場合には、前記ボトムカウル12aの前記ブラケット12cに設けられたクッションゴム29がスイベルブラケット本体51の支持用ブロック54に当接することによって、衝撃が緩和される。
さらに、この実施の形態による船外機1は、ステアリングハンドル27により推進装置4を回動させることによって推力の作用する方向を変えることができるから、船体5の舷板5a,5bに取付けた状態でも操船を容易に行うことができる。特に、この船外機1は、推進装置4の回動位置を変えることによって進行方向を360°何れの方向へも変えることができるから、舷板5a,5bに取付けた状態で操船をより一層容易に行うことができるようになる。
さらにまた、この実施の形態による船外機1は、平面視において船体5の前後方向に対して大きく傾斜するような舷板5a,5bにクランプブラケット41を取付けた場合でも支持用ブロック54を取付用プレート49に対して回動させることによってチルト軸52を前記前後方向に対して交差するように位置付けることができるから、船体5の形状によって取付ける位置に制約を受けることがない。しかも、この船外機1は、船体右側の舷板5aと船体左側の舷板5bのいずれにも取付けることができるから、取付ける位置の自由度がより一層高くなる。
加えて、この実施の形態による船外機1は、船体5が後退するように推進装置4を180°回した状態でも左右方向に操舵することができるから、舷板5a,5bに取付けた状態で後退操作を含めて操船をより一層容易に行うことができる。
加えて、この実施の形態による船外機1は、船体5が後退するように推進装置4を180°回した状態でも左右方向に操舵することができるから、舷板5a,5bに取付けた状態で後退操作を含めて操船をより一層容易に行うことができる。
また、この実施の形態による船外機1は、スラストブラケット64のチルト軸回りの回動位置を変えることによって推進装置4のチルト角(ここではトリム角ともいう)を変えることができるから、例えば浅瀬を航走するときにチルトアップ(ここではトリムアップともいう)させて推進装置4のプロペラ3の位置を川底、海底あるいは異物との接触を避けるために上側に変えることができる。しかも、この船外機1は、チルト角度を変えることによって、プロペラ3の推力を上方または下方にも作用させて船体5の前後方向の傾斜を修正することができる。
この実施の形態による船外機1は、アッパーケーシング11およびロアケーシング13が後下がりとなるように傾斜する状態で航走することができるから、水中に浮遊しているポリエチレン袋や浮遊藻などがアッパーケーシング11やロアケーシング13の前縁に付着するようなことがなく、これらの異物を円滑に後方へ流すことができる。このため、冷却水ポンプ21の冷却水取入口38が前記異物によって閉塞されることもない。
この実施の形態による船外機1は、スラストストッパー58の係合状態を解除するに当たって操作用レバー70を操作するだけでよいから、チルト角度を変える操作を容易に行うことができる。
この実施の形態による船外機1は、ロアケーシング13の下端部から排ガスを水中に排出する構成が採られており、従来の船外機に較べて排ガスが浮上するまでの時間が長くなり、排ガスが浮上するまでに船体が前進する距離が長くなるから、船上で聞こえる排気音を低減することができる。
この実施の形態による船外機1は、スラストストッパー58の係合状態を解除するに当たって操作用レバー70を操作するだけでよいから、チルト角度を変える操作を容易に行うことができる。
この実施の形態による船外機1は、ロアケーシング13の下端部から排ガスを水中に排出する構成が採られており、従来の船外機に較べて排ガスが浮上するまでの時間が長くなり、排ガスが浮上するまでに船体が前進する距離が長くなるから、船上で聞こえる排気音を低減することができる。
上述した実施の形態ではエンジン2によって動力ユニットが構成された船外機1を示したが、本発明は、エンジン2の代わりに電動モータを動力ユニットとして装備した船外機1にも適用することができる。また、上述した実施の形態ではアッパーケーシング11の回動中心P1がスイベルブラケット42の回動中心P2とは離間する位置に位置付けられているが、本発明に係る船外機は、前記回動中心P1と回動中心P2とが同一軸線上に位置するように構成することもできる。この構成を採ることにより、船体5に取付ける位置が変化しても推進装置4と船体5との距離は略一定になるから、船体5に取付ける位置が何れであっても略同じ姿勢で操作することができるようになり、より一層操作が容易になる。
なお本願においては、プロペラ3が水中にある状態における角度をトリム角、プロペラが水面より出た状態における角度をチルト角と使い分けているが、支持角度、トリム角およびチルト角は実質的に同じものである。同様にトリムアップはプロペラ3が水中にある状態における推進装置4の上方への回動であり、チルトアップはプロペラ3が水中にある状態における推進装置4の上方への回動、あるいはプロペラ3を水中にある状態から水面上に変化させる推進装置4の上方への回動のことをいう。
1…船外機、2…エンジン、3…プロペラ、4…推進装置、5…船体、5a,5b…舷板、5c…船尾板、6…取付部材、11…アッパーケーシング、13…ロアケーシング、21…冷却水ポンプ、21a…ロータ、21b…ハウジング、27…ステアリングハンドル、34…回転軸、37…ベベルギヤ、38…冷却水取入口、39…冷却水吐出口、W…水面。
Claims (4)
- エンジンの動力でプロペラを駆動するとともに冷却水ポンプを駆動するようにした船外機において、前記プロペラが取付けられるプロペラ軸か、前記エンジンの動力を前記プロペラ軸に伝達するドライブシャフトの内少なくとも一方の、前記プロペラ軸を含んで前記プロペラ軸下方位置に前記冷却水ポンプを配設したことを特徴とする船外機。
- 請求項1記載の船外機において、ドライブシャフトの途中においてプロペラ軸を接続し、このドライブシャフトの下端部に冷却水ポンプを接続したことを特徴とする船外機。
- 請求項1または請求項2記載の船外機において、ドライブシャフトを収容するハウジングを、ドライブシャフトと直交する各平面上での外形形状が中央部で幅が大きく、中央部より前後に離れる程幅が小さくなるよう形成し、ハウジングの中央部の幅とハウジングを側方から見た前縁形状が、前進航走時の水面近傍における水面上方から水面下方にかけて、ハウジングの中央部の幅が上下方向に略同一か下方において小さくなるようにし、ハウジングを側方から見た前縁形状が略鉛直か下方において後退するよう形成してなる船外機。
- 請求項1ないし請求項3のうち何れか一つに記載の船外機において、プロペラ軸をドライブシャフトが鉛直下方に延びる状態で後下がりに傾斜するようにドライブシャフトに接続し、前進航走時にプロペラ軸が略水平になるようドライブシャフトを下方が後退する傾斜状態で船体に支持させた場合に、ドライブシャフトを収容するハウジングを、各水平面上での外形形状が中央部で幅が大きく、中央部より前後に離れる程幅が小さくなるよう形成し、ハウジングの中央部の幅とハウジングを側方から見た前縁形状が、水面近傍における水面上方から水面下方にかけて、ハウジングの中央部の幅が上下方向で略同一か下方において小さくなるようにし、ハウジングを側方から見た前縁形状が、鉛直か下方において後退するよう形成してなる船外機。
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2003
- 2003-09-29 JP JP2003337031A patent/JP2005105859A/ja active Pending
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