JP2005231407A - ウォータージェット推進型の小型滑走艇 - Google Patents

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Abstract

【課題】 比較的低速で走行している際の滑走艇の旋回応答性の向上を図りつつ、比較的高速で走行している際の旋回応答性が過剰になるのを防止することができるウォータージェット推進型の小型滑走艇の提供。
【解決手段】 本発明に係る小型滑走艇は、ハル2及びデッキ3から成る船体1と、艇の旋回方向を定めるハンドルバー23と、艇の旋回を補助する旋回補助装置30とを備え、該旋回補助装置30は、前記船体1の前部から取り込んだ水を、前記ハンドルバー23の前方位置から、前記船体1に対して該ハンドルバー23の操作方向とは逆の側方へ放出すべく成してある。
【選択図】 図3

Description

本発明はウォータージェット推進型の小型滑走艇に関し、特に、比較的低速走行時での旋回を補助する旋回補助装置を備えた小型滑走艇に関する。
ウォータージェット推進型の小型滑走艇は、レジャー用、スポーツ用、あるいはレスキュー用として近年多用されている。該小型滑走艇は、ハル及び該ハルを上部から覆うデッキが互いの周縁部を接着されて構成された船体の内部空間にエンジンを備えている。そして、ハル後部の底面に設けられた吸水口から吸い込んだ水を、前記エンジンにより駆動されるウォータージェットポンプで加圧及び加速し、後方へ噴射することによって船体の推進力を得ている。
また、デッキの上部にはステアリングハンドルが設けられ、このステアリングハンドルは、ウォータージェットポンプの後方に設けられたステアリングノズルとの間でケーブルを介して接続されている。そして、ステアリングハンドルを左右に操作することにより、ステアリングノズルは反対向きに揺動される。従って、ウォータージェットポンプから噴射される水は、ステアリングハンドルの操作によってその方向が変えられ、滑走艇は左又は右へと旋回する。
ところで、例えば滑走艇を桟橋に着岸させる場合、エンジンをアイドリング状態又はこれに近い低速回転状態にし、低速走行しつつ向きを変えるように船体をコントロールする必要がある。しかしながら、エンジンが比較的低速で回転している場合は、ウォータージェットポンプにより発生される推力が比較的小さいため、スロットルを若干開いてエンジン回転数を高めないと、操縦者が望むような旋回応答性が得にくい場合がある。
これに対して従来、旋回時の応答性をより向上させた滑走艇が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この滑走艇は、ウォータージェットポンプで加圧した水の一部を、船体の右側方又は左側方へ噴射することにより、旋回を補助するように構成されている。
特開2001−328593号公報(図2,図5)
しかしながら、上記特許文献1に開示された構成の場合、滑走艇を旋回させるべく、エンジンの回転数又は船速のいかんにかかわらず、加圧された水が側方へ噴射される。その結果、中速で走行しているとき、又は比較的高速で走行しているときの旋回応答性が過剰になる場合がある。
そこで本発明は、比較的低速で走行している際の滑走艇の旋回応答性の向上を図りつつ、比較的高速で走行している際の旋回応答性が過剰になるのを防止することができるウォータージェット推進型の小型滑走艇を提供することを目的とする。
本発明は上述したような事情に鑑みてなされたものであり、本発明に係るウォータージェット推進型の小型滑走艇は、ハル及びデッキから成る船体と、艇の旋回方向を定めるステアリングハンドルと、艇の旋回を補助する旋回補助装置とを備え、該旋回補助装置は、前記船体の前部から取り込んだ水を、前記ステアリングハンドルの前方位置から、前記船体に対して前記ステアリングハンドルの操作方向とは逆の側方へ放出すべく成してある。
この場合、船体の前部から取り込まれた水は、操縦者によるステアリングハンドルの操作に応じ、艇の旋回方向とは逆の方向へ放出されるため、放出される水の反作用により艇の旋回が促進されて旋回応答性が向上する。
また、前記ハルは、外部の水を取り込むべくその前部に形成された取水口と、該取水口から取り込まれた水を放出すべく前記ステアリングハンドルより前方の左右の側部に形成された放水口とを有し、前記旋回補助装置は、前記取水口と左右の前記放水口とを連通する左側ダクト及び右側ダクト、並びに、該左側ダクト及び右側ダクトのうち前記ステアリングハンドルの操作方向側のダクト内の流路を閉鎖すると共に逆側のダクト内の流路を開放する通水切換手段を有していてもよい。
この場合、取水口から取り込んだ水を、左側ダクト及び右側ダクトのうち通水切換手段によって決められた一方のダクト内へ通し、旋回方向とは逆側の放水口を通じて放出することができ、従って、旋回応答性の向上を図ることができる。
また、一般に小型滑走艇は、低速で走行している間は、船体が略水平になっていてハルの前部が着水状態にあり、一方、高速で走行している間は、船体が前上がりに傾斜してハルの前部は水面上に露出する。従って、上述したようにハルの前部に取水口を設けた構成とすることにより、低速走行時には、取水口が水面下にあるのでここから水を取り込んで船体の側方へ放出し、旋回応答性の向上を図ることができる。その一方で、高速走行時には、取水口は水面上に位置することとなり、ここから水が取り込まれることはなく上述した旋回補助装置は実質的に機能しないため、旋回応答性が過剰になるのを防止することができる。
また、前記船体は、前記ハル及びデッキの接合部分にガンネルを有し、前記取水口及び左右の前記放水口は、前記ハルの最下部よりも前記ガンネルに近接する位置に設けられていてもよい。このような取水口及び放水口の位置は、低速走行時には水面下にある一方で、高速走行時には水面上に露出しやすい。従って、低速走行時での旋回応答性の向上を図りつつ、高速走行時に旋回応答性が過剰になるのを防止することができる。
また、前記取水口及び左右の前記放水口は、少なくとも一人が搭乗した状態であって艇の推進機構を駆動するエンジンの回転数が2000rpm以下の場合に水面下にある位置に設けられていてもよい。ウォータージェットポンプが発生する滑走艇の推進力は、特にエンジンの回転数がおよそ2000rpm以下の低速旋回時に不足しがちである。従って、上述した構成とすることにより、低速走行時での旋回応答性をより好適に向上させつつ、高速走行時に旋回応答性が過剰になるのを防止することができる。
また、前記通水切換手段は、前記ステアリングハンドルに連動して前記左側ダクト又は右側ダクトの何れか一方の流路を閉鎖すると共に他方の流路を開放する切替えバルブを有していてもよい。
この場合、例えば、左方向へ旋回すべくステアリングハンドルを左にきった場合、左側ダクトが切替えバルブにより閉鎖され、取水口から取り込まれた水は右側の放水口からのみ放出される。逆に右方向へ旋回すべくステアリングハンドルを右にきった場合は、右側ダクトが切替えバルブにより閉鎖され、取水口から取り込まれた水は左側の放水口からのみ放出される。このように、取水口から取り込んだ水を、滑走艇が旋回する方向とは逆の方向へ放出し、旋回を補助することができる。
なお、ここで「ダクトが閉鎖されている」とは、該ダクト内の流路が完全な水密状態に遮断されていることは必要なく、少なくとも、左右のダクト内の流路を比較した場合に、一方のダクトに比べて他方のダクトの通流断面積が小さいときの該他方のダクトの状態であればよい。
本発明に係るウォータージェット推進型の小型滑走艇によれば、比較的低速で走行している際の滑走艇の旋回応答性の向上を図りつつ、比較的高速で走行している際の旋回応答性が過剰になるのを防止することができる。具体的には、上記小型滑走艇は、ハル及びデッキから成る船体と、艇の旋回方向を定めるステアリングハンドルと、艇の旋回を補助する旋回補助装置とを備え、該旋回補助装置は、前記船体の前部から取り込んだ水を、前記船体に対して前記ステアリングハンドルの操作方向とは逆の側方へ放出すべく成してある。
以下、本発明の実施の形態にかかる小型滑走艇について、図面を参照しながら具体的に説明する。図1に示す滑走艇は、操縦者がシート7上に跨って乗る騎乗型の滑走艇であり、その船体1は、ハル2と該ハル2の上部を覆うデッキ3とから構成されている。これらハル2とデッキ3とはガンネル4にて接続され、このガンネル4は、滑走艇が停泊しているときには喫水線5と略平行を成し、且つ喫水線5よりも上方に位置している。なお、以下の説明で用いる方向の概念は、シート7上に騎乗した操縦者から見た方向の概念と一致するものとする。
図2に示すように、船体1の上部におけるデッキ3の長手方向の略中央位置であって左右方向の中央には、平面視にて略長方形状のデッキ開口部6が、船体1の前後方向にその長辺を沿うようにして設けられている。該デッキ開口部6の上方には、操縦者が跨って座る騎乗用のシート7が着脱可能にして取り付けられている。デッキ開口部6の下方にて前記ハル2及びデッキ3により囲まれた空間はエンジンルーム8を成しており、該エンジンルーム8内には、滑走艇を駆動させるエンジンEが搭載されている。また、エンジンルーム8は、横断面が凸状を成しており、下部に比して上部が狭くなるような形状を成している。
本実施の形態において、エンジンEは直列4気筒の4サイクルエンジンであり、図1に示すように、クランクシャフト9が船体1の前後方向に沿うようにして配置されている。このクランクシャフト9の出力端部(後端部)は、カップリング手段10によりドライブシャフト11に接続され、更に、該ドライブシャフト11は船体1の後部に配置されたウォータージェットポンプPのポンプシャフト12に接続されている。従って、クランクシャフト9の回転に連動してポンプシャフト12は回転する。ポンプシャフト12にはインペラ13が取り付けられており、インペラ13の後方には静翼14が配置されている。インペラ13の周囲外側には、該インペラ13を覆うようにポンプケーシング15が設けられている。
船体1の底部には吸水口17が設けられており、該吸水口17と前記ポンプケーシング15との間は吸水通路18によって接続されている。ポンプケーシング15は更に、船体1の後部に設けられたポンプノズル19に接続されている。ポンプノズル19は、後方へいくに従ってノズル径が小さくなるように構成されており、後端には噴射口20が配置されている。また、上述したドライブシャフト11は、吸水通路18の壁面を貫通して設けられており、エンジンEと吸水通路18との間においてドライブシャフト11は船体1内に露出している。
このようなウォータージェットポンプPを備える上記滑走艇は、船底の吸水口17から吸入した水を該ウォータージェットポンプPにて加圧及び加速し、また、静翼14にて整流して、ポンプノズル19を通じて噴射口20から後方へ吐出する。そして、滑走艇は、噴射口20から吐き出された水の反動により推進力を得る。
図1及び図2に示すように、デッキ3の上部前寄りの位置には操舵用のハンドルバー(ステアリングハンドル)23が設けられ、該ハンドルバー23は、図1に示すようにポンプノズル19の後方に配置されたステアリングノズル24との間にてケーブル24A(後述する図3参照)を介して接続されている。ハンドルバー23を左又は右に操作することにより、ステアリングノズル24は右又は左に揺動される。従って、ウォータージェットポンプPが推力を発生させている間にハンドルバー23を操作することにより、ポンプノズル19を通じて外部へ吐き出される水の方向を変えることができ、滑走艇の進行方向を右方向又は左方向へ旋回させることができる。
図1に示すように、船体1の後部であってステアリングノズル24の上部には、ボウル状のリバースバケット25が配置されている。該リバースバケット25は、軸が滑走艇の左右方向に向けられた揺動軸26によって支持され、該揺動軸26を中心として上下方向へ揺動可能となっている。リバースバケット25を揺動軸26を中心に下方へ揺動させステアリングノズル24の後方に位置させた場合、ステアリングノズル24から後方へ吐き出される水の吐出方向は、略前方へ変更されるようになっている。従ってこのとき、滑走艇を後進させることができる。
図3は、図1に示す滑走艇において、デッキ3を取り除いたハル2内の構成を示す平面図である。但し、デッキ3の上部に設けられているハンドルバー23を二点鎖線で示しており、図3は、このハンドルバー23が左へきられた状態を示している。また、図4は、図3と同様にデッキ3を取り除いたハル2内の構成を示す平面図であり、ハンドルバー23が右へきられた状態を示している。
図3に示すように、ハル2内の前寄りの位置には、滑走艇の旋回を補助するための旋回補助装置30が設けられている。即ち、ハル2の前部には、船外の水を取り込むための1つの取水口31が設けられ、ハル2の左右の側部には、取水口31から取り込まれた水を船外へ放出するための左側放水口32及び右側放水口33がそれぞれ設けられている。この左側放水口32及び右側放水口33は、少なくとも滑走艇の重心位置(船体1の略中央位置)より船体1の前側に位置する必要があり、本実施の形態では、取水口31よりも後方であって且つハンドルバー23よりも前方の位置にて、左右対称の位置に設けられている。この場合、旋回時に船首を旋回方向へ向け易くなる。
また、図1に示すように、取水口31、左側放水口32、及び右側放水口33は、ハル2の最下部2Aとガンネル4とで比較した場合に、ガンネル4に近接した位置に設けられている。この位置は、後述する図5及び図6にも示すように、シート7上に操縦者が騎乗した状態で、エンジンEの回転数が2000rpm以下の場合に水面下にあり、2000rpmより高い場合は船体1が前上がりになって水面上に露出する位置でもある。
図3に示すように、上記取水口31と左側放水口32及び右側放水口33との間は、通水ダクト40によって連通されている。即ち、取水口31からは、取水ダクト41が後方へ向かって延設されており、該取水ダクト41の後端部は、左側放水ダクト42及び右側放水ダクト43の前端部に接続している。そして、左側放水ダクト42の後端部は左側放水口32に接続され、右側放水ダクト43の後端部は右側放水口33に接続されている。そして、取水ダクト41、左側放水ダクト42、及び右側放水ダクト43から成る通水ダクト40はガンネル4に対して略平行に延設されている。
このような通水ダクト40内を流れる水は、取水口31から流入して取水ダクト41内を後方へ向かい、途中で分岐して左側放水ダクト42を通って左側放水口32から放水される左側ルート35と、分岐後に右側放水ダクト43を通って右側放水口33から放水される右側ルート36とを通流可能である。
通水ダクト40の流路の途中であって、左側ルート35と右側ルート36との分岐箇所には、切替えバルブ(通水切換手段)45が設けられている。この切替えバルブ45は、左側放水ダクト42内の流路を閉鎖する左側バルブ46と、右側放水ダクト43内の流路を閉鎖する右側バルブ47とを備えている。そして、左側バルブ46及び右側バルブ47は、リンク機構48を介し、ハンドルバー23に連結されている。
このリンク機構48は、操縦者によるハンドルバー23の操作に応じ、切替えバルブ45を駆動させるものである。即ち、図3に示すように、ハンドルバー23が左へきられた場合、リンク機構48を介して切替えバルブ45が駆動され、左側バルブ46は左側放水ダクト42内の流路を閉鎖すると共に、右側バルブ47は右側放水ダクト43内の流路を開放する。
一方、図4に示すように、ハンドルバー23が右へきられた場合は、リンク機構48を介して切替えバルブ45が駆動され、左側バルブ46は左側放水ダクト42内の流路を開放すると共に、右側バルブ47は右側放水ダクト43内の流路を閉鎖する。従って、ハンドルバー23の操作方向に応じて、左側ルート35及び右側ルート36のうちの何れか一方が閉鎖され、且つ、他方が開放される。
図5に示すように、上記構成を成す小型滑走艇が、操縦者を乗せて低速(例えば、エンジンEの回転数が200rpm以下での速度)で走行している場合、船体1は、該船体1の前後方向へ延びるガンネル4が喫水線5と略平行を成す程度に水平姿勢を保っている。また、喫水線5はガンネル4の直下にあり、取水口31、左側放水口32、及び右側放水口33は水面下に位置している。
この状況下において滑走艇を左方向へ旋回させる場合、図3に示すように、ハンドルバー23を左へきると同時に、該ハンドルバー23との間でケーブル24Aを介して接続されたステアリングノズル24は、その後部開口端24Bが左側へ揺動される。その結果、ウォータージェットポンプPにて加圧及び加速された水は、左側後方へ噴射され、その反作用として滑走艇の船尾を右方向へ向かわせるスラスト力が発生する。
一方、ハンドルバー23の操作に連動して切替えバルブ45が駆動し、左側バルブ46が左側放水ダクト42内の流路を閉鎖すると共に、右側バルブ47は右側放水ダクト43内の流路を開放する。その結果、取水口31を通じて船体1の前方から水が取り込まれ、取り込まれた水は、取水ダクト41及び右側放水ダクト43から成る右側ルート36を通り、右側放水口33から船体1の右側方へ放出される。そして、右側方へ放出される水の反作用により、滑走艇の船首を左方向へ向かわせることができる。
このように、本実施の形態に係る小型滑走艇の場合、ハンドルバー23を左へきると、ステアリングノズル24から噴射される水の作用によって船尾には右方向へのスラスト力が生じ、これに加え、旋回補助装置30の作用によって船首は左方向へ向けられる。従って、ステアリングノズル24から噴射される水の作用のみによって旋回する場合に比べ、本実施の形態に係る滑走艇は旋回応答性に優れている。なお、図4に示すように、滑走艇を右方向へ旋回させる場合についても、図3に示したのと同様の作用によって、船尾には左方向へのスラスト力が生じると共に船首は右方向へ向けられ、良好な旋回応答性が得られる。
図6に示すように、操縦者を乗せた滑走艇が、比較的高速(例えば、エンジンEの回転数が2000rpmより高い速度)で走行している場合、船体1は、船首が上方に位置するように前上がりの姿勢になる。この場合、取水口31は喫水線5よりも上方に位置するため、通水ダクト40内に水は取り込まれない。従って、左側放水口32及び右側放水口33の何れからも水は放出されず、旋回補助装置30はその機能を発揮しない。その結果、滑走艇が比較的高速で走行している場合は、ステアリングノズル24から噴射される水の作用によってのみ旋回することとなり、旋回応答性が過剰になることがない。
ところで、旋回補助装置は上述した構成に限られない。例えば、ハル2の前部に2つの取水口を並設する。そして、左側の取水口と左側放水口32とを連通する左側通水ダクト、右側の取水口と右側放水口33とを連通する右側通水ダクトをそれぞれ設けて、左右の通水ルートを互いに独立させた構成としてもよい。
また、取水口31を開閉するバルブを設け、エンジンEの回転数又は船速に応じてこのバルブを開閉させてもよい。例えば、バルブを開閉する電動モータを設け、スロットルポジションセンサ、クランクポジションセンサなどにて検出された信号に基づいて電動モータを駆動する。そして、所定の回転数又は船速以下ではバルブを開き、その値より大きい回転数又は船速のときはバルブを閉じるようにする。このような構成とした場合には、取水口31の設置箇所と、電動モータを駆動させるエンジンEの回転数又は船速とによって、旋回補助装置を機能させるか否かの境界条件を設定することができるため、より適切かつ柔軟な設定が可能である。
本実施の形態では、シート7を備える騎乗型の小型滑走艇について説明しているが、操縦者がデッキ上に立って操縦する立乗り型の小型滑走艇においても、本発明を適用することができる。
本発明は、ウォータージェット推進型の小型滑走艇に適用することができ、他に、低速時での旋回応答性の向上が求められる小型船舶にも適用することができる。
本発明の実施の形態に係る小型滑走艇の側面図である。 図1に示す小型滑走艇の平面図である。 図1に示す滑走艇において、デッキを取り除いたハル内の構成を示す平面図であり、ハンドルバーが左へきられた状態を示している。 図1に示す滑走艇において、デッキを取り除いたハル内の構成を示す平面図であり、ハンドルバーが右へきられた状態を示している。 図1に示す滑走艇が比較的低速で走行している状況を示す側面図である。 図1に示す滑走艇が比較的高速で走行している状況を示す側面図である。
符号の説明
1 船体
2 ハル
3 デッキ
4 ガンネル
5 喫水線
6 開口部
7 シート
8 エンジンルーム
9 クランクシャフト
11 ドライブシャフト
12 ポンプシャフト
23 ハンドルバー(ステアリングハンドル)
24 ステアリングノズル
24 ケーブル
30 旋回補助装置
31 取水口
32 左側放水口
33 右側放水口
35 左側ルート
36 右側ルート
40 通水ダクト
41 取水ダクト
42 左側放水ダクト
43 右側放水ダクト
45 切替えバルブ(通水切換手段)
46 左側バルブ
47 右側バルブ
48 リンク機構
E エンジン
P ウォータージェットポンプ

Claims (5)

  1. ハル及びデッキから成る船体と、艇の旋回方向を定めるステアリングハンドルと、艇の旋回を補助する旋回補助装置とを備え、
    該旋回補助装置は、前記船体の前部から取り込んだ水を、前記ステアリングハンドルの前方位置から、前記船体に対して該ステアリングハンドルの操作方向とは逆の側方へ放出すべく成してあることを特徴とするウォータージェット推進型の小型滑走艇。
  2. 前記ハルは、外部の水を取り込むべくその前部に形成された取水口と、該取水口から取り込まれた水を放出すべく前記ステアリングハンドルより前方の左右の側部に形成された放水口とを有し、
    前記旋回補助装置は、前記取水口と左右の前記放水口とを連通する左側ダクト及び右側ダクト、並びに、該左側ダクト及び右側ダクトのうち前記ステアリングハンドルの操作方向側のダクト内の流路を閉鎖すると共に逆側のダクト内の流路を開放する通水切換手段を有することを特徴とする請求項1に記載のウォータージェット推進型の小型滑走艇。
  3. 前記船体は、前記ハル及びデッキの接合部分にガンネルを有し、前記取水口及び左右の前記放水口は、前記ハルの最下部よりも前記ガンネルに近接する位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のウォータージェット推進型の小型滑走艇。
  4. 前記取水口及び左右の前記放水口は、少なくとも一人が搭乗した状態であって艇の推進機構を駆動するエンジンの回転数が2000rpm以下の場合に水面下にある位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のウォータージェット推進型の小型滑走艇。
  5. 前記通水切換手段は、前記ステアリングハンドルに連動して前記左側ダクト又は右側ダクトの何れか一方の流路を閉鎖すると共に他方の流路を開放する切替えバルブを有することを特徴とする請求項2乃至4の何れかに記載のウォータージェット推進型の小型滑走艇。

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