JP2010032357A - 回転センサ装置 - Google Patents

Abstract

【課題】例えばエンジンブロックのボルト孔の位置が変更した場合でも、フランジ板のみを変更で対応することができる回転センサ装置を得る。
【解決手段】この発明に係る回転センサ装置は、クランクシャフトに接続された回転体の回転速度を検出する、磁気抵抗素子１０，１１及び永久磁石１２がナイロン６６の樹脂により埋設された装置本体１と、この装置本体１の周側面に熱溶着部１５を用いて固定されているとともに、エンジンブロックにボルトにより締結されるフランジ板２とを備えている。
【選択図】図２

Description

この発明は、例えば車輌用エンジンの回転速度や車輪の回転速度等を検出するために用いられる回転センサ装置に関するものである。

従来の回転センサ装置として、円柱形状の本体部と、エンジンブロックに固定されるフランジ部と、コネクタソケットに接続されるコネクタ部とが樹脂により一体成形されたものが知られている（例えば、特許文献参照）。
この本体部の先端部には、磁電変換素子であるホール素子が搭載された集積回路と永久磁石とが埋設されている。また、フランジ部には、ボルトが挿着する固定孔が形成されている。

上記のように構成された回転センサ装置は、エンジンブロックに形成されたブロック孔に本体部の先端部を貫通し、フランジをエンジンブロックに密着した状態で取付ボルトをボルト孔に挿通してエンジンブロックに締着することで、エンジンブロックに固定される。
このとき、本体部の先端面は、周側面が凹凸形状の磁性体の回転体と対向している。
この回転センサ装置では、回転体の回転に伴い、永久磁石から回転体に至る磁束の様子が変化し、この磁束の変化をホール素子が検出することで、回転体の位置を検出する。

特開平３−１０８６６７号公報

上記構成の回転センサ装置では、例えばエンジンブロックのボルト孔の位置が変更になると、それに適用できる回転センサ装置全体を新たに製造しなければならず、コストがそれだけ嵩むという問題点があった。

この発明は、かかる問題点を解決することを課題とするものであって、被固定体の固定孔の位置が変更した場合でも、フランジ板のみを変更で対応することができ、それだけ製造コストが安価になるという回転センサ装置を得ることを目的とする。

この発明に係る回転センサ装置は、回転体を検出する検出体が樹脂に埋設された装置本体と、この装置本体の周側面に位置固定部を用いて固定されているとともに、被固定体に締結手段により締結されるフランジ板とを備えている。

この発明による回転センサ装置によれば、装置本体と、この装置本体と別体のフランジ板とが位置固定部により固定されており、多様な被固定体に対しては、装置本体は共通でフランジ板の変更のみで対応することができる。

以下、この発明の各実施の形態について図に基づいて説明するが、各図において、同一または相当部材、部位については、同一符号を付して説明する。
実施の形態１．
図１はこの発明に係る回転センサ装置が被固定体であるエンジンブロックに取り付けられたときの側面図、図２は図１の回転センサ装置の側断面図、図３は図１の回転センサ装置をコネクタ部８側から視たときに図である。
上記回転センサ装置は、装置本体１と、この装置本体１に取り付けられたプレス金型で製作された金属製のフランジ板２とを備えている。
装置本体１は、先端部に磁電変換素子である、第１の磁気抵抗素子１０及び第２の磁気抵抗素子１１、並びに永久磁石１２が熱可塑性系の樹脂、例えばナイロン６６またはＰＰＳ系の合成樹脂材を用いて埋設された本体部６と、この本体部６と一体に成形され本体部６から径方向に突出した受部７と、受部７と一体に成形され、第１の磁気抵抗素子１０及び第２の磁気抵抗素子１１と電気的に接続されたコネクタ端子９が埋設されたコネクタ部８とを備えている。受部７の表面には、コネクタ部８側に突出した位置固定部である熱溶着部１５が形成されている。

フランジ板２は、上部に円弧状に切り欠かれた切欠部２１が形成されており、下部に締結手段であるボルト１８が挿入されるボルト挿入孔１３が形成されている。ボルト挿入孔１３と切欠部２１との間には半円形状の位置決め孔１４が形成されている。切欠部２１、ボルト挿入孔１３及び位置決め孔１４は、プレス成型により同時に形成されている。
フランジ板２は、円柱形状の本体部６の中心軸上に位置した、切欠部２１の中心点Ｃを中心に、位置決め孔１４に突起部を係合した状態で所定の位置まで回動し、突起部を熱溶着して熱溶着部１５を形成することで、装置本体１に対して固定される。
図３において、点線で示したフランジ板２は、装置本体１に対する固定位置が実線で示したフランジ板２と異なる例を示しており、熱溶着部１５が位置決め孔１４に固定される位置を可変させることで、装置本体１に対してフランジ板２を多様な角度に設定することができる。

また、図３では、位置決め孔１４は、中心点Ｃでの角度が１８０°の半円形状であるが、図４に示すように、位置決め孔１４Ａは、中心点Ｃでの角度θが４５°であってもよいし、図５に示すように、位置決め孔１４Ｂは、中心点Ｃでの角度θが９０°であってもよく、これらの角度θは任意である。
また、図６に示すように、位置決め孔１４Ｃは、内周壁面が波形状にするようにしてもよい。この位置決め孔１４Ｃは、内周壁面が平面である位置決め孔１４，１４Ａ，１４Ｂと比較して、装置本体１に対するフランジ板２の位置決め作業が容易である。

上記回転センサ装置は、被固定部であるエンジンブロック１６に形成された本体部挿入孔２２に本体部６を挿入し、受部７の表面にフランジ板２の裏面を密着させる。
この後、エンジンブロック１６に形成されたボルト孔１７と、フランジ板２のボルト挿入孔１３とを略合わせ、ボルト挿入孔１３及びボルト孔１７にボルト１８を挿入し、締結することで回転センサ装置は、エンジンブロック１６に固定される。
このときには、周側面に凹部４及び凸部５が交互に形成された磁性体からなる回転体３と装置本体１との配置関係は、装置本体１の中心軸線が、回転体３の中心点を通過する配置関係にあり、回転体３の回転に伴い、回転体３の凹部４及び凸部５の外周面が第１の磁気抵抗素子１０及び第２の磁気抵抗素子１１に順次対面するようになっている。

上記構成の回転センサ装置では、永久磁石１２から回転体３の凹部４及び凸部５に至る磁束が異なるが、クランクシャフトと接続された回転体３の回転に伴い変化する磁束を第１の磁気抵抗素子１０及び第２の磁気抵抗素子１１が順次検出することで、回転体３の回転速度を検知することができる。

この実施の形態の回転センサ装置によれば、装置本体１と、この装置本体１と別体のフランジ板２とが熱溶着部１５により固定されているので、例えばエンジンブロック１６のボルト孔１７の位置が変更された場合、装置本体１はそのままでフランジ板２の変更のみで対応することができ、多様なエンジンブロック１６に対応することができる。

また、装置本体１の外装を構成する樹脂の突起部をそのまま熱溶融することで、装置本体１とフランジ板２とを簡単に一体化することができる。

また、フランジ板２は、装置本体１の中心軸線上を中心点とした円弧状の位置決め孔１４が形成されているとともに、この位置決め孔１４に挿着した熱溶着部１５により前記中心点を中心とした任意の角度で装置本体１に対して固定されるので、回転体３の周側面に形成された凹部４及び凸部５に対して、一対の磁気抵抗素子１０，１１を真正面に簡単に対向させることができ、検出精度が高い回転センサ装置を得ることができる。

実施の形態２．
図７はこの発明の実施の形態２の回転センサ装置を示す側断面図、図８は図７の回転センサ装置をコネクタ部８側から視たときの図である。
この実施の形態では、位置決め孔１４で位置固定部であるボルト２０を用いてフランジ板２を装置本体１に締結している。
この他の構成は、実施の形態１と同じである。
このものの場合、位置固定部としてボルト２０を用いており、熱溶着部１５を用いた場合と比較して、フランジ板２は装置本体１により強固に固定される。

実施の形態３．
図９はこの発明の実施の形態３の回転センサ装置を示す側断面図である。
この実施の形態の回転センサ装置は、コネクタ部８は本体部６に対して垂直方向に曲げられた回転センサ装置である。
他の構成は、実施の形態１と同様である。
このように、コネクタ部８が本体部６に対して垂直方向に曲げられた回転センサ装置でも、実施の形態１と同様の効果を得ることができる。

なお、上記各実施の形態では、回転体３の回転速度を検出する検出体は、永久磁石１２と、磁電変換素子である磁気抵抗素子１０，１１とから構成されているが、勿論このものに限定されるものではない。
例えば、磁電変換素子として、巨大磁気抵抗素子を用いてもよいし、ホール素子を用いてもよい。また、検出体としてピックアップ式センサを用いてもよい。
また、この発明は、例えば、光センサを用いて回転体の位置を検出する回転センサ装置にも適用できる。
また、上記各実施の形態では、回転センサ装置は何れも被固定体としてエンジンブロック１６に固定された例を示したが、被固定体として例えばオートマティックトランスミッションのブロック、無段変速機のブロックであってもよい。
また、位置固定部として、リベットを用いてもよい。

この発明に係る回転センサ装置がエンジンブロックに取り付けられたときの側面図である。 図１の回転センサ装置の側断面図である。 図１の回転センサ装置をコネクタ部側から視たときに図である。 図１のフランジ板の変形例を示す正面図である。 図１のフランジ板の他の変形例を示す正面図である。 図１のフランジ板のさらに他の変形例を示す正面図である。 この発明の実施の形態２の回転センサ装置を示す側断面図である。 図７の回転センサ装置をコネクタ部側から視たときの図である。 この発明の実施の形態３の回転センサ装置を示す側断面図である。

符号の説明

１ 装置本体、２ フランジ板、３ 回転体、１０ 第１の磁気抵抗素子（磁電変換素子）、１１ 第２の磁気抵抗素子（磁電変換素子）、１２ 永久磁石、１３ ボルト挿入孔、１４，１４Ａ，１４Ｂ，１４Ｃ 位置決め孔、１５ 熱溶着部（位置固定部）、１６ エンジンブロック（被固定体）、１７ ボルト孔（固定孔）、１８ ボルト（締結手段）、２０ ボルト（位置固定部）、２１ 切欠き部、２２ 本端部挿入孔。

Claims (8)

1. 回転体を検出する検出体が樹脂に埋設された装置本体と、
   この装置本体の周側面に位置固定部を用いて固定されているとともに、被固定体に締結手段により締結されるフランジ板とを備えたことを特徴とする回転センサ装置。
2. 前記フランジ板は、前記装置本体の中心軸線上を中心点とした円弧状の位置決め孔が形成されているとともに、この位置決め孔に挿着した前記位置固定部により前記中心点を中心とした任意の角度で前記装置本体に対して固定されていることを特徴とする請求項１に記載の回転センサ装置。
3. 前記位置決め孔の内壁面は、前記位置固定部の前記フランジ板に対する位置を定めるために波形状に形成されていることを特徴とする請求項２に記載の回転センサ装置。
4. 前記位置固定部は、前記装置本体の突起部が熱溶着された熱溶着部であることを特徴とする請求項１〜３の何れか１項に記載の回転センサ装置。
5. 前記位置固定部は、ボルトであることを特徴とする請求項１〜３の何れか１項に記載の回転センサ装置。
6. 前記検出体は、永久磁石と、この永久磁石からの磁束の変化を検出する磁電変換素子とから構成されていることを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載の回転センサ装置。
7. 前記検出体は、ピックアップセンサであることを特徴とする請求項１〜５の何れか１項に記載の回転センサ装置。
8. 被固定体は、エンジンブロックであることを特徴とする請求項１〜７の何れか１項に記載の回転センサ装置。

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