JP2005080248A - 積層型バンドパスフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】平衡信号を出力でき、小型で、調整の容易な積層型バンドパスフィルタを実現する。
【解決手段】積層型バンドパスフィルタ1は、不平衡入力端2と、平衡出力端3A,3Bと、不平衡入力端2と平衡出力端3A,3Bとの間に設けられたバンドパスフィルタ部4を備えている。バンドパスフィルタ部4は、それぞれTEM線路よりなる複数の共振器40を有している。積層型バンドパスフィルタ1は、更に、複数の共振器40を集積するための多層基板を備えている。バンドパスフィルタ部4は、共振器40として、入力共振器40Iと、両端開放の1/2波長共振器よりなる平衡出力用1/2波長共振器41Aを含んでいる。不平衡入力端2はキャパシタ44を介して共振器40Iに接続され、平衡出力端3A,3Bはキャパシタ45A,45Bを介して共振器41Aに接続されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、平衡出力端を有する積層型バンドパスフィルタに関する。
携帯電話機等の無線通信機器では、小型化、薄型化の要求が強いことから、高密度の部品実装技術が要求されている。そこで、多層基板を用いて部品を集積することも提案されている。
ところで、無線通信機器における部品の一つには、受信信号を濾波するバンドパスフィルタがある。このバンドパスフィルタとしては、例えば特許文献1に記載されているように、積層型のバンドパスフィルタが知られている。この積層型のバンドパスフィルタは、多層基板における導体層を用いて構成された共振器を備えている。
ところで、従来の積層型のバンドパスフィルタは、接地電位を基準電位とした不平衡信号を入出力するようになっていた。そのため、このバンドパスフィルタの出力信号を、平衡入力型の増幅器に与えるためには、不平衡信号を、互いに位相がほぼ180°異なり、振幅がほぼ等しい2つの信号からなる平衡信号に変換するバラン(不平衡−平衡変換器)が必要であった。このバランも、多層基板における導体層を用いて構成することができる。
従来、上記バンドパスフィルタとバランは、互いに別個の回路として構成されていた。なお、特許文献1には、多層基板を用いてフィルタとバランとを一体化してなる積層型誘電体フィルタが記載されている。
また、特許文献2には、バランを用いることなく平衡信号の入出力を行うことができるようにした誘電体フィルタが記載されている。この誘電体フィルタは、両端が開放または短絡された1/2波長共振器と、一端が短絡され、他端が開放された1/4波長共振器と、1/4波長共振器に結合する不平衡端子と、1/2波長共振器の2つの開放端付近にそれぞれ結合する2つの平衡端子とを備えている。
特開2003−87008号公報 特開2000−349505号公報
バンドパスフィルタとバランとが互いに別個の回路として構成されている場合には、部品点数が多くなるため、バンドパスフィルタおよびバランを含む回路の損失および大きさが大きくなるという問題点がある。特許文献1に記載されている積層型誘電体フィルタでは、フィルタとバランとが多層基板を用いて一体化されているものの、フィルタとバランは別個の回路となっているため、上述の問題点は解決されない。
特許文献2に記載されている誘電体フィルタでは、2つの平衡端子は、1/2波長共振器から離れた位置に配置され、それぞれ1/2波長共振器と平衡端子との間に生じるキャパシタンスを介して、1/2波長共振器に結合されている。
ところで、フィルタの特性を決定する上で重要なパラメータの一つに外部Qがある。外部Qとは、共振器に接続される外部回路の抵抗によるQ値である。外部Qは、共振器の共振特性の鋭さに影響を与える。また、外部Qの大きさは、共振器と外部回路との結合の強さに依存し、結合が大きくなるほど外部Qは小さくなる。
ここで、図42を参照して、共振器にキャパシタを介して信号源が接続される場合におけるキャパシタのキャパシタンスと外部Qとの関係について説明する。ここでは、一例として、共振器が1/4波長共振器である場合について説明する。図42に示した回路は、一端が短絡され、他端が開放された1/4波長共振器501を備えている。1/4波長共振器501の開放端には、キャパシタ502を介して、信号源503の一端が接続されている。信号源503の他端は、抵抗器504を介して接地されている。なお、抵抗器504は、信号源503の内部抵抗等、キャパシタ502を介して1/4波長共振器501に接続される外部回路の抵抗を代表して表している。
いま、1/4波長共振器501の特性インピーダンスをZとし、キャパシタ502のキャパシタンスをCとし、信号源503が出力する信号の角周波数をωとし、抵抗器504の抵抗値をRとし、共振器501の外部QをQとする。Qは次の式で表される。ただし、Q=ωCRである。
=(Rπ/4Z)(1+1/Q )+1/Q
この式から分かるように、キャパシタ502のキャパシタンスCが大きくなるほど、Qが小さく、すなわち共振器501と信号源503との結合が大きくなる。
フィルタの特性、すなわち中心周波数、帯域幅、段数、リップルの大きさ等を決定すると、それに必要な外部Qは決定される。ここで、抵抗値Rが小さいときには、キャパシタンスCは大きくなくてもよいため、Qの調整は比較的容易である。しかしながら、抵抗値Rが大きくなると、所望のQを得るために大きなキャパシタンスCが必要になる。また、フィルタの帯域幅を大きくする場合には、Qを小さくする必要があり、この場合にも、大きなキャパシタンスCが必要になる。
特許文献2に記載されている誘電体フィルタでは、誘電体ブロックの外面に端子電極を設け、この端子電極と内導体との間にキャパシタンスを発生させている。このような構成では、以下の理由から、大きなキャパシタンスを得ることは難しい。すなわち、端子電極と内導体との間に発生されるキャパシタンスは、端子電極の面積に比例し、端子電極と内導体との間隔に反比例する。しかし、誘電体フィルタのサイズから考えて端子電極の面積を大きくすることは難しい。また、端子電極と内導体との間における誘電体ブロックの厚みを小さくすると、誘電体ブロックを構成するセラミックが焼成時に割れてしまうため、端子電極と内導体との間隔を小さくすることも難しい。
また、特許文献2に記載されている誘電体フィルタでは、端子電極の面積や、端子電極と内導体との間隔を大幅に変えることは難しい。そのため、この誘電体フィルタでは、端子電極と内導体との間に発生されるキャパシタンスを調整することが難しい。
これらのことから、特許文献2に記載されている誘電体フィルタでは、フィルタの特性の調整が難しいという問題点がある。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、平衡信号を出力でき、小型で、特性の調整の容易な積層型バンドパスフィルタを提供することにある。
本発明の第1および第2の積層型バンドパスフィルタは、
不平衡信号を入力する不平衡入力端と、
平衡信号を出力する2つの平衡出力端と、
それぞれTEM線路よりなる複数の共振器を有し、不平衡入力端と平衡出力端との間に設けられたバンドパスフィルタ部と、
複数の共振器を集積するための多層基板とを備えている。
本発明の第1の積層型バンドパスフィルタでは、バンドパスフィルタ部は、共振器として、不平衡入力端が接続される入力共振器と、両端開放の1/2波長共振器よりなり平衡出力端が接続される平衡出力用1/2波長共振器とを含んでいる。この積層型バンドパスフィルタは、更に、多層基板の一部によって構成され、不平衡入力端と入力共振器との間と、各平衡出力端と平衡出力用1/2波長共振器との間の少なくとも一方に設けられたキャパシタを備えている。
本発明の第1の積層型バンドパスフィルタでは、両端開放の1/2波長共振器よりなる平衡出力用1/2波長共振器に、2つの平衡出力端が接続されている。これにより、第1の積層型バンドパスフィルタによれば、バランを設けることなく、2つの平衡出力端より平衡信号を出力することができる。また、この積層型バンドパスフィルタでは、不平衡入力端と入力共振器との間と、各平衡出力端と平衡出力用1/2波長共振器との間の少なくとも一方には、多層基板の一部によって構成されたキャパシタが設けられている。この積層型バンドパスフィルタでは、キャパシタのキャパシタンスの調整が容易であり、これによりフィルタの特性の調整も容易である。
本発明の第1の積層型バンドパスフィルタは、キャパシタとして、各平衡出力端と平衡出力用1/2波長共振器との間に設けられた第1および第2の出力用キャパシタを備えていてもよい。この場合、一方の平衡出力端は、平衡出力用1/2波長共振器の長手方向についての一方の端部に第1の出力用キャパシタを介して接続され、他方の平衡出力端は、平衡出力用1/2波長共振器の長手方向についての他方の端部に第2の出力用キャパシタを介して接続されていてもよい。また、この場合、第1の出力用キャパシタのキャパシタンスと第2の出力用キャパシタのキャパシタンスは異なっていてもよい。
また、本発明の第1の積層型バンドパスフィルタにおいて、複数の共振器のうちの少なくとも1つは、その形状が矩形である場合に比べて、キャパシタンスまたはインダクタンスが大きくなる形状をなしていてもよい。
また、本発明の第1の積層型バンドパスフィルタにおいて、バンドパスフィルタ部に含まれる少なくとも1つの両端開放の1/2波長共振器の両端がキャパシタを介して接続されていてもよい。
本発明の第2の積層型バンドパスフィルタでは、バンドパスフィルタ部は、共振器として、両端開放の1/2波長共振器よりなる平衡出力用1/2波長共振器と、それぞれ1/4波長共振器よりなり、平衡出力用1/2波長共振器と平衡出力端との間に、一対の1/4波長共振器を1段として、1段以上設けられた平衡出力用1/4波長共振器とを含んでいる。各平衡出力端は、最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器の各々に接続されている。この積層型バンドパスフィルタは、更に、多層基板の一部によって構成され、不平衡入力端とこれに接続される共振器との間と、各平衡出力端と最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器との間の少なくとも一方に設けられたキャパシタを備えている。
本発明の第2の積層型バンドパスフィルタは、両端開放の1/2波長共振器よりなる平衡出力用1/2波長共振器と、この平衡出力用1/2波長共振器と平衡出力端との間に設けられた1段以上の平衡出力用1/4波長共振器とを備え、2つの平衡出力端が最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器の各々に接続されている。これにより、第2の積層型バンドパスフィルタによれば、バランを設けることなく、2つの平衡出力端より平衡信号を出力することができる。また、この積層型バンドパスフィルタでは、不平衡入力端とこれに接続される共振器との間と、各平衡出力端と最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器との間の少なくとも一方には、多層基板の一部によって構成されたキャパシタが設けられている。この積層型バンドパスフィルタでは、キャパシタのキャパシタンスの調整が容易であり、これによりフィルタの特性の調整も容易である。
本発明の第2の積層型バンドパスフィルタにおいて、平衡出力用1/4波長共振器としては、最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器のみ設けられていてもよい。そして、この最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの一方は平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての一方の半分の部分に結合され、最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの他方は平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての他方の半分の部分に結合されていてもよい。
最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器は、平衡出力用1/2波長共振器に対して同じ結合方法で結合されていてもよい。また、最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの一方は平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての一方の半分の部分にのみ結合され、一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの他方は平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての他方の半分の部分にのみ結合されていてもよい。
また、本発明の第2の積層型バンドパスフィルタにおいて、平衡出力用1/4波長共振器は、複数段設けられ、最も平衡出力用1/2波長共振器に近い1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの一方は平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての一方の半分の部分に結合され、1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの他方は平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての他方の半分の部分に結合されていてもよい。
1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器は、平衡出力用1/2波長共振器に対して同じ結合方法で結合されていてもよい。また、1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの一方は平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての一方の半分の部分にのみ結合され、1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの他方は平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての他方の半分の部分にのみ結合されていてもよい。また、各段の一対の平衡出力用1/4波長共振器は、その前段または後段の一対の平衡出力用1/4波長共振器に対して同じ結合方法で結合されていてもよい。
また、本発明の第2の積層型バンドパスフィルタにおいて、複数の共振器のうちの少なくとも1つは、その形状が矩形である場合に比べて、キャパシタンスまたはインダクタンスが大きくなる形状をなしていてもよい。
また、本発明の第2の積層型バンドパスフィルタにおいて、バンドパスフィルタ部に含まれる少なくとも1つの両端開放の1/2波長共振器の両端がキャパシタを介して接続されていてもよい。
本発明の第1の積層型バンドパスフィルタでは、複数の共振器を有するバンドパスフィルタ部は、共振器として、不平衡入力端が接続される入力共振器と、両端開放の1/2波長共振器よりなり平衡出力端が接続される平衡出力用1/2波長共振器とを含んでいる。また、本発明の積層型バンドパスフィルタは、複数の共振器を集積するための多層基板を備えている。また、本発明の積層型バンドパスフィルタでは、不平衡入力端と入力共振器との間と、各平衡出力端と平衡出力用1/2波長共振器との間の少なくとも一方に、多層基板の一部によって構成されたキャパシタが設けられている。以上のことから、本発明によれば、平衡信号を出力でき、小型で、特性の調整の容易な積層型バンドパスフィルタを実現することができる。
また、本発明の第2の積層型バンドパスフィルタでは、複数の共振器を有するバンドパスフィルタ部は、共振器として、両端開放の1/2波長共振器よりなる平衡出力用1/2波長共振器と、それぞれ1/4波長共振器よりなり、平衡出力用1/2波長共振器と平衡出力端との間に、一対の1/4波長共振器を1段として、1段以上設けられた平衡出力用1/4波長共振器とを含み、各平衡出力端は、最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器の各々に接続されている。また、本発明の積層型バンドパスフィルタは、複数の共振器を集積するための多層基板を備えている。また、本発明の積層型バンドパスフィルタでは、不平衡入力端とこれに接続される共振器との間と、各平衡出力端と最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器との間の少なくとも一方には、多層基板の一部によって構成されたキャパシタが設けられている。以上のことから、本発明によれば、平衡信号を出力でき、小型で、特性の調整の容易な積層型バンドパスフィルタを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
[第1の実施の形態]
始めに、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタの基本構成について説明する。図1に示したように、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ1は、不平衡信号を入力する1つの不平衡入力端2と、平衡信号を出力する2つの平衡出力端3A,3Bと、不平衡入力端2と平衡出力端3A,3Bとの間に設けられたバンドパスフィルタ部4とを備えている。バンドパスフィルタ部4は、それぞれTEM線路よりなる複数の共振器40を有している。積層型バンドパスフィルタ1は、更に、複数の共振器40を集積するための多層基板を備えている。
バンドパスフィルタ部4は、共振器40として、不平衡入力端2が接続される入力共振器40Iと、両端開放の1/2波長共振器よりなり平衡出力端3A,3Bが接続される平衡出力用1/2波長共振器41Aとを含んでいる。
積層型バンドパスフィルタ1は、更に、多層基板の一部によって構成され、不平衡入力端2と入力共振器40Iとの間と、各平衡出力端3A,3Bと平衡出力用1/2波長共振器41Aとの間の少なくとも一方に設けられたキャパシタを備えている。なお、図1には、積層型バンドパスフィルタ1が、不平衡入力端2と入力共振器40Iとの間に設けられた入力用キャパシタ44と、平衡出力端3Aと平衡出力用1/2波長共振器41Aとの間に設けられた第1の出力用キャパシタ45Aと、平衡出力端3Bと平衡出力用1/2波長共振器41Aとの間に設けられた第2の出力用キャパシタ45Bとを備えている場合を示している。しかし、本実施の形態では、キャパシタ44,45A,45Bのうち、キャパシタ44のみが設けられ、平衡出力端3A,3Bが平衡出力用1/2波長共振器41Aに直接接続されていてもよい。また、本実施の形態では、キャパシタ44,45A,45Bのうち、キャパシタ45A,45Bのみが設けられ、不平衡入力端2が入力共振器40Iに直接接続されていてもよい。
TEM線路とは、電界および磁界が共に電磁波の進行方向に垂直な断面内にのみ存在する電磁波であるTEM波(Transverse Electromagnetic Wave)を伝送する伝送線路である。
後で詳しく説明するが、多層基板は、誘電体層と、パターン化された導体層とが交互に積層された構造になっている。各共振器40およびキャパシタ44,45A,45Bは、この多層基板の導体層を用いて構成されている。また、各共振器40は、分布定数線路になっている。
バンドパスフィルタ部4を構成する複数の共振器40の共振周波数は等しい。また、複数の共振器40は、隣り合うもの同士が電磁結合するように配列されている。これにより、複数の共振器40は、所定の周波数帯域内の周波数の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタとしての機能を発揮する。
各共振器40としては、両端開放の1/2波長共振器と、両端短絡の1/2波長共振器と、1/4波長共振器のうちのいずれかを用いることができる。
図2は、両端開放の1/2波長共振器41と、この共振器41における電界分布とを示している。図2に示したように、この共振器41では、長手方向の中央において電界がゼロとなり、両端部において電界は最大となる。共振器41における長手方向についての一方の半分の部分では、全ての点において電界の位相は等しい。同様に、共振器41における長手方向についての他方の半分の部分でも、全ての点において電界の位相は等しい。一方の半分の部分と他方の半分の部分では、電界の位相は180°異なり、電界の正負の符号は互いに逆になる。
図3は、両端短絡の1/2波長共振器42と、この共振器42における電界分布とを示している。図3に示したように、この共振器42では、長手方向の中央において電界が最大となり、両端部において電界はゼロとなる。
図4は、1/4波長共振器43と、この共振器43における電界分布とを示している。図4に示したように、この共振器43では、一端が短絡され、他端が開放されている。この共振器43では、短絡された端部において電界がゼロとなり、開放された端部において電界が最大となる。
図1には、入力共振器40Iとして、図2に示した両端開放の1/2波長共振器41を用いた例を示している。この例では、不平衡入力端2は、入力共振器40Iの長手方向についての一方の端部に入力用キャパシタ44を介して接続されている。また、この例では、平衡出力端3Aは、平衡出力用1/2波長共振器41Aの長手方向についての一方の端部に第1の出力用キャパシタ45Aを介して接続され、平衡出力端3Bは、平衡出力用1/2波長共振器41Aの長手方向についての他方の端部に第2の出力用キャパシタ45Bを介して接続されている。
なお、入力共振器40Iとして、図3に示した両端短絡の1/2波長共振器42を用いた場合には、不平衡入力端2は、共振器42の長手方向についての中央部分に接続される。また、入力共振器40Iとして、図4に示した1/4波長共振器43を用いた場合には、不平衡入力端2は、共振器43の開放端に接続される。
次に、図5を参照して、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ1の作用について説明する。積層型バンドパスフィルタ1の不平衡入力端2には、不平衡の信号が入力される。この信号のうち、所定の周波数帯域内の周波数の信号が選択的にバンドパスフィルタ部4を通過する。バンドパスフィルタ部4の最終段の共振器40は、両端開放の1/2波長共振器41よりなる平衡出力用1/2波長共振器41Aになっている。この共振器41Aでは、図2を参照して説明したように、長手方向についての一方の半分の部分と他方の半分の部分では、電界の位相は180°異なる。平衡出力端3Aは共振器41Aの一方の半分の部分に接続され、平衡出力端3Bは共振器41Aの他方の半分の部分に接続されている。そのため、平衡出力端3A,3Bから出力される各電圧は、必ず位相が互いに180°異なっている。従って、平衡出力端3A,3Bから出力される2つの電圧の振幅が等しくなるようにすれば、平衡出力端3A,3Bから平衡信号を出力させることができる。
ここで、平衡出力端3A,3Bから出力される2つの電圧の振幅を等しくする方法について説明する。図5に示したように、キャパシタ45A,45BのキャパシタンスをそれぞれCa,Cbとする。共振器41Aの一方の半分の部分と他方の半分の部分とで電界の分布が対称である場合には、平衡出力端3A,3Bから出力される2つの電圧の振幅を等しくするには、キャパシタンスCa,Cbを等しくすればよい。しかし、入力共振器40Iに不平衡入力端2が接続されること等の理由から、共振器41Aの一方の半分の部分と他方の半分の部分とで電界の分布が対称ではない場合もある。この場合には、キャパシタ45A,45BのキャパシタンスCa,Cbを、互いに異ならせることによって、平衡出力端3A,3Bから出力される2つの電圧の振幅を等しくすることが可能である。なぜならば、既に行なった外部Qに関する説明からも分かるように、キャパシタンスCa,Cbの値によって、平衡出力端3A,3Bと共振器41Aとの結合の強さが変わるからである。
キャパシタ44,45A,45Bのキャパシタンスの値は、フィルタの特性、すなわち中心周波数、帯域幅、段数、リップルの大きさ等に応じて、適宜設定される。
次に、図6および図7を参照して、キャパシタ44,45A,45Bの形成方法について説明する。キャパシタ44,45A,45Bは、多層基板の導体層を用いて形成される。図6は、多層基板の導体層によって形成されるキャパシタの構造の一例を示している。図6に示した多層基板20は、誘電体層21と、パターン化された導体層とが交互に積層された構造になっている。多層基板20の上面、下面および側面には、複数の端子電極22が形成されている。図6に示した多層基板20は、導体層によって形成された1つの共振器23と、この共振器23に対向するように配置されたキャパシタ用導体層24とを有している。導体層24は端子電極22に接続されている。この多層基板20では、対向する共振器23とキャパシタ用導体層24とによって、共振器23に接続されたキャパシタが形成されている。
図7は、多層基板の導体層によって形成されるキャパシタの構造の他の例を示している。図6に示した多層基板20と同様に、図7に示した多層基板20も、誘電体層21と導体層とが交互に積層された構造になっている。また、多層基板20の上面、下面および側面には、複数の端子電極22が形成されている。図7に示した多層基板20は、導体層によって形成された1つの共振器23と、この共振器23を間に挟む位置に配置された2つのキャパシタ用導体層24,25と、導体層25を挟んで共振器23とは反対側に配置されたキャパシタ用導体層26とを有している。導体層26は、スルーホール27を介して共振器23に接続されている。導体層24,25は端子電極22に接続されている。この多層基板20では、共振器23およびキャパシタ用導体層26と、これらに対向するキャパシタ用導体層24,25とによって、共振器23に接続されたキャパシタが形成されている。
このように多層基板の導体層によってキャパシタを形成する場合には、対向する導体層の間隔を小さくすることができるので、大きなキャパシタンスを有するキャパシタを容易に形成することができる。また、多層基板の導体層によってキャパシタを形成する場合には、キャパシタを構成する導体層の面積を変更することにより、キャパシタンスを容易に変更することができる。更に、図7に示したように、3層以上の導体層を用いてキャパシタを構成することにより、2層の導体層を用いてキャパシタを構成する場合よりも大きなキャパシタンスを有するキャパシタを容易に形成することができる。
以下、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ1の具体的な構成の第1ないし第4の例について説明する。
[第1の構成例]
図8は、第1の構成例の積層型バンドパスフィルタ1の回路図である。この積層型バンドパスフィルタ1は、不平衡入力端2と、平衡出力端3A,3Bと、不平衡入力端2と平衡出力端3A,3Bとの間に設けられたバンドパスフィルタ部4とを備えている。バンドパスフィルタ部4は、いずれも両端開放の1/2波長共振器41よりなり、並べて配置された3つの共振器40を有している。3つの共振器40のうち、最も不平衡入力端2に近い位置に配置された共振器40は入力共振器40Iである。入力共振器40Iには、キャパシタ44を介して不平衡入力端2が接続されている。また、最も平衡出力端3A,3Bに近い位置に配置された共振器40は平衡出力用1/2波長共振器41Aである。平衡出力用1/2波長共振器41Aには、それぞれキャパシタ45A,45Bを介して平衡出力端3A,3Bが接続されている。以下、共振器40Iと共振器41Aとの間に配置された共振器40を、中間の共振器40Mと呼ぶ。入力共振器40Iと中間の共振器40Mは電磁結合され、中間の共振器40Mと平衡出力用1/2波長共振器41Aも電磁結合されている。また、3つの共振器40の各開放端とグランドとの間にはキャパシタCが設けられている。
図9は、図8に示した積層型バンドパスフィルタ1を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。この例では、多層基板30は、下から順に積層された7つの誘電体層31a〜31gを有している。誘電体層31bの上面には、シールドを兼ねたグランド用導体層32が形成されている。誘電体層31cの上面には、入力共振器40I、中間の共振器40Mおよび平衡出力用1/2波長共振器41Aが形成されている。
誘電体層31dの上面には、キャパシタ用導体層81,82A,82Bと、それぞれ導体層81,82A,82Bに接続された端子用導体層33,34A,34Bとが形成されている。端子用導体層33における導体層81とは反対側の端部は不平衡入力端2となっている。端子用導体層34A,34Bにおける導体層82A,82Bとは反対側の端部は平衡出力端3A,3Bとなっている。誘電体層31dの上面には、更に、共振器40I,40M,41Aの両端部に対応する位置において、6つのスルーホール35が形成されている。
誘電体層31eの上面には、6つのスルーホール35に対応する位置において、6つのキャパシタ用導体層36およびこれらに接続された6つのスルーホール37が形成されている。各キャパシタ用導体層36は、それぞれスルーホール35,37を介して、共振器40I,40M,41Aの各端部に接続されている。誘電体層31dの上面に形成されたキャパシタ用導体層81は、共振器40Iの一方の端部に接続されたキャパシタ用導体層36に対向している。この対向する導体層81,36によって、図8におけるキャパシタ44が形成されている。誘電体層31dの上面に形成されたキャパシタ用導体層82Aは、共振器41Aの一方の端部に接続されたキャパシタ用導体層36に対向している。この対向する導体層82A,36によって、図8におけるキャパシタ45Aが形成されている。誘電体層31dの上面に形成されたキャパシタ用導体層82Bは、共振器41Aの他方の端部に接続されたキャパシタ用導体層36に対向している。この対向する導体層82B,36によって、図8におけるキャパシタ45Bが形成されている。
誘電体層31fの上面には、シールドを兼ねたグランド用導体層38が形成されている。図8におけるキャパシタCは、キャパシタ用導体層36とグランド用導体層38とによって形成されている。
図10は、図9に示した多層基板30の外観の一例を示す斜視図である。この例では、多層基板30の上面、下面および側面には、複数の端子電極39が形成されている。この端子電極39は、多層基板30の内部の導体層に接続され、導体層と外部装置との接続に用いられる。
多層基板30は、例えば低温焼成セラミック多層基板になっている。この場合、多層基板30は、例えば以下のようにして製造される。すなわち、まず、予めスルーホール用の孔が形成されたセラミックグリーンシート上に、例えば銀を主成分とする導電性ペーストを用いて、所定のパターンの導体層を形成する。次に、このように導体層が形成された複数のセラミックグリーンシートを積層し、これらを同時に焼成する。これにより、スルーホールも同時に形成される。次に、端子電極39を形成して、多層基板30を完成させる。
第1の構成例の積層型バンドパスフィルタ1では、いずれも両端開放の1/2波長共振器41よりなる3つの共振器40を並べてバンドパスフィルタ部4を構成しているので、平衡信号のバランスがよい。また、この積層型バンドパスフィルタ1では、共振器40の各開放端とグランドとの間にキャパシタCを設けているので、キャパシタCを設けない場合に比べて、所望の共振周波数を有する共振器40の物理的な長さを小さくすることができる。
[第2の構成例]
図11は、第2の構成例の積層型バンドパスフィルタ1の回路図である。この積層型バンドパスフィルタ1では、図8に示した第1の構成例の積層型バンドパスフィルタ1に、直流電圧印加用端子5が加えられている。直流電圧印加用端子5は、平衡出力用1/2波長共振器41Aの長手方向の中央の近傍において平衡出力用1/2波長共振器41Aに直接接続されている。また、第2の例では、平衡出力端3Aは、平衡出力用1/2波長共振器41Aの長手方向についての一方の半分の部分に直接接続され、平衡出力端3Bは、平衡出力用1/2波長共振器41Aの長手方向についての他方の半分の部分に直接接続されている。直流電圧印加用端子5は、平衡出力用1/2波長共振器41Aに直流電圧を印加するために用いられる。この直流電圧は、例えば、平衡出力端3A,3Bに接続される集積回路を駆動するために用いられる。
図12は、図11に示した積層型バンドパスフィルタ1を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。この例では、多層基板30では、図9に示した多層基板30における誘電体層31cの上面に、平衡出力用1/2波長共振器41Aに接続された端子用導体層50が形成されている。端子用導体層50における共振器41Aとは反対側の端部は直流電圧印加用端子5となっている。また、この例では、図9に示した多層基板30における誘電体層31dの上面に、キャパシタ用導体層82A,82Bおよび端子用導体層34A,34Bの代わりに、端子用導体層91A,91Bが形成されている。端子用導体層91A,91Bの各一端部は、平衡出力用1/2波長共振器41Aの各端部に接続されるスルーホール35に接続されている。端子用導体層91A,91Bにおける各他端部は平衡出力端3A,3Bとなっている。
第2の構成例の積層型バンドパスフィルタ1のその他の構成は、第1の構成例の積層型バンドパスフィルタ1と同様である。
[第3の構成例]
図13は、第3の構成例の積層型バンドパスフィルタ1の回路図である。この積層型バンドパスフィルタ1は、不平衡入力端2と、平衡出力端3A,3Bと、不平衡入力端2と平衡出力端3A,3Bとの間に設けられたバンドパスフィルタ部4とを備えている。バンドパスフィルタ部4は、並べて配置された3つの共振器40を有している。3つの共振器40のうち、最も不平衡入力端2に近い位置に配置された共振器40は入力共振器40Iである。入力共振器40Iには、キャパシタ44を介して不平衡入力端2が接続されている。また、最も平衡出力端3A,3Bに近い位置に配置された共振器40は平衡出力用1/2波長共振器41Aである。平衡出力用1/2波長共振器41Aには、それぞれキャパシタ45A,45Bを介して平衡出力端3A,3Bが接続されている。入力共振器40Iおよび中間の共振器40Mには、1/4波長共振器43が用いられている。入力共振器40Iと中間の共振器40Mは電磁結合され、中間の共振器40Mと平衡出力用1/2波長共振器41Aも電磁結合されている。
図14は、図13に示した積層型バンドパスフィルタ1を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。この例では、多層基板30は、下から順に積層された6つの誘電体層51a〜51fを有している。誘電体層51bの上面には、シールドを兼ねたグランド用導体層52が形成されている。誘電体層51cの上面には、入力共振器40I、中間の共振器40Mおよび平衡出力用1/2波長共振器41Aが形成されている。誘電体層51dの上面には、キャパシタ用導体層83,84A,84Bと、それぞれ導体層83,84A,84Bに接続された端子用導体層53,54A,54Bとが形成されている。端子用導体層53における導体層83とは反対側の端部は不平衡入力端2となっている。端子用導体層54A,54Bにおける導体層84A,84Bとは反対側の端部は平衡出力端3A,3Bとなっている。キャパシタ用導体層83は入力共振器40Iの一端部の近傍に対向している。これらによって、図13におけるキャパシタ44が形成されている。キャパシタ用導体層84Aは、平衡出力用1/2波長共振器41Aの一方の端部近傍に対向している。これらによって、図13におけるキャパシタ45Aが形成されている。キャパシタ用導体層84Bは、平衡出力用1/2波長共振器41Aの他方の端部近傍に対向している。これらによって、図13におけるキャパシタ45Bが形成されている。誘電体層51eの上面には、シールドを兼ねたグランド用導体層55が形成されている。
第3の構成例における多層基板30の外観は、例えば、第1の構成例における多層基板30と同様である。第3の構成例では、入力共振器40Iおよび中間の共振器40Mとして1/4波長共振器43を用いているので、第1の構成例に比べて積層型バンドパスフィルタ1を小型化することができる。
[第4の構成例]
図15は、第4の構成例の積層型バンドパスフィルタ1の回路図である。この積層型バンドパスフィルタ1は、不平衡入力端2と、平衡出力端3A,3Bと、不平衡入力端2と平衡出力端3A,3Bとの間に設けられたバンドパスフィルタ部4とを備えている。バンドパスフィルタ部4は、いずれも両端開放の1/2波長共振器41よりなり、並べて配置された2つの共振器40を有している。不平衡入力端2に近い位置に配置された共振器40は入力共振器40Iである。入力共振器40Iには、不平衡入力端2が直接接続されている。また、平衡出力端3A,3Bに近い位置に配置された共振器40は平衡出力用1/2波長共振器41Aである。平衡出力用1/2波長共振器41Aには、それぞれキャパシタ45A,45Bを介して平衡出力端3A,3Bが接続されている。入力共振器40Iと平衡出力用1/2波長共振器41Aは電磁結合されている。また、2つの共振器40の各開放端とグランドとの間にはキャパシタCが設けられている。
図16は、図15に示した積層型バンドパスフィルタ1を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。この例では、多層基板30は、下から順に積層された7つの誘電体層61a〜61gを有している。誘電体層61bの上面には、シールドを兼ねたグランド用導体層62が形成されている。誘電体層61cの上面には、キャパシタ用導体層85A,85Bと、それぞれ導体層85A,85Bに接続された端子用導体層64A,64Bとが形成されている。端子用導体層64A,64Bにおける導体層85A,85Bとは反対側の端部は平衡出力端3A,3Bとなっている。
誘電体層61dの上面には、入力共振器40Iと平衡出力用1/2波長共振器41Aが形成されている。誘電体層61dの上面には、更に、共振器40I,41Aの各一方の端部に接続された2つのキャパシタ用導体層65Aと、共振器40I,41Aの各他方の端部に接続された2つのキャパシタ用導体層65Bとが形成されている。共振器41Aの一方の端部に接続されたキャパシタ用導体層65Aは、キャパシタ用導体層85Aに対向している。共振器41Aの他方の端部に接続されたキャパシタ用導体層65Bは、キャパシタ用導体層85Bに対向している。誘電体層61dの上面には、更に、入力共振器40Iの一方の端部に接続されたキャパシタ用導体層65Aに接続された端子用導体層67が形成されている。端子用導体層67におけるキャパシタ用導体層65Aとは反対側の端部は不平衡入力端2となっている。
誘電体層61eの上面には、2つのグランド用導体層68Aと、2つのグランド用導体層68Bとが形成されている。2つのグランド用導体層68Aは、2つのキャパシタ用導体層65Aに対向する位置に配置されている。同様に、2つのグランド用導体層68Bは、2つのキャパシタ用導体層65Bに対向する位置に配置されている。誘電体層61fの上面には、シールドを兼ねたグランド用導体層69が形成されている。
図15におけるキャパシタCは、キャパシタ用導体層65A,65Bとグランド用導体層68A,68Bとによって形成されている。図15におけるキャパシタ45Aは、キャパシタ用導体層85Aと、これに対向するキャパシタ用導体層65Aとによって形成されている。図15におけるキャパシタ45Bは、キャパシタ用導体層85Bと、これに対向するキャパシタ用導体層65Bとによって形成されている。
第4の構成例における多層基板30の外観は、例えば、第1の構成例における多層基板30と同様である。第4の構成例では、共振器40の各開放端とグランドとの間にキャパシタCを設けているので、キャパシタCを設けない場合に比べて、所望の共振周波数を有する共振器40の物理的な長さを小さくすることができる。また、第4の構成例では、2つの共振器40によってバンドパスフィルタ部4を構成しているので、3つの共振器40によってバンドパスフィルタ部4を構成する場合に比べて、挿入損失が小さくなる。
ここで、図17ないし図20に、第1の構成例の積層型バンドパスフィルタ1の特性の一例を示す。図17は、積層型バンドパスフィルタ1の減衰・挿入損失特性を示している。図18は、積層型バンドパスフィルタ1の反射損失特性を示している。図17および図18から、この積層型バンドパスフィルタ1は、所定の周波数帯域内の周波数の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタとして機能していることが分かる。図19は、積層型バンドパスフィルタ1の平衡出力端3A,3Bの出力信号の振幅差の周波数特性を示している。図20は、積層型バンドパスフィルタ1の平衡出力端3A,3Bの出力信号の位相差の周波数特性を示している。図19および図20から、この積層型バンドパスフィルタ1では、平衡出力端3A,3Bより平衡信号が出力されることが分かる。
以上説明したように、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ1によれば、互いに位相がほぼ180°異なり、振幅がほぼ等しい2つの信号からなる平衡信号を出力することができる。
また、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ1によれば、バランを用いることなく、平衡信号を出力することができる。また、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ1では、多層基板30によって複数の共振器40が集積されている。これらのことから、本実施の形態によれば、積層型バンドパスフィルタ1の小型化が可能になる。
また、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ1は、不平衡入力端2と入力共振器40Iとの間と、各平衡出力端3A,3Bと平衡出力用1/2波長共振器41Aとの間の少なくとも一方に設けられたキャパシタを備えている。このキャパシタは多層基板の一部によって構成されるため、本実施の形態によれば、大きなキャパシタンスを有するキャパシタを容易に形成することができると共に、キャパシタのキャパシタンスを容易に変更することができる。従って、本実施の形態によれば、積層型バンドパスフィルタ1の特性の調整が容易になる。
また、本実施の形態において、不平衡入力端2と入力共振器40Iとの間にキャパシタ44を設けた場合には、不平衡入力端2と入力共振器40Iとの間における直流の通過を阻止することができる。同様に、平衡出力端3A,3Bと平衡出力用1/2波長共振器41Aとの間にキャパシタ45A,45Bを設けた場合には、平衡出力端3A,3Bと平衡出力用1/2波長共振器41Aとの間における直流の通過を阻止することができる。従って、本実施の形態によれば、キャパシタ44,45A,45Bによって、積層型バンドパスフィルタ1に接続されるIC(集積回路)等の他の素子に不要な直流が流れることを防止でき、これにより、他の素子を保護することができる。ところで、このような素子の保護のための外付けのキャパシタを、バンドパスフィルタと素子との間に設ける場合には、外付けのキャパシタを考慮して、バンドパスフィルタと素子との整合を取る必要が生じる。これに対し、本実施の形態では、キャパシタ44,45A,45Bが積層型バンドパスフィルタ1に含まれている。そのため、本実施の形態では、キャパシタ44,45A,45Bを考慮した上で、積層型バンドパスフィルタ1と外部回路との整合が取れるように積層型バンドパスフィルタ1を設計することができる。そのため、本実施の形態によれば、容易に積層型バンドパスフィルタ1と外部回路との整合を取ることができる。
[第2の実施の形態]
次に、図21を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタの基本構成について説明する。図21に示したように、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ71は、不平衡信号を入力する1つの不平衡入力端2と、平衡信号を出力する2つの平衡出力端3A,3Bと、不平衡入力端2と平衡出力端3A,3Bとの間に設けられたバンドパスフィルタ部4とを備えている。バンドパスフィルタ部4は、それぞれTEM線路よりなる複数の共振器を有している。積層型バンドパスフィルタ71は、更に、複数の共振器を集積するための多層基板を備えている。バンドパスフィルタ部4を構成する複数の共振器の共振周波数は等しい。また、複数の共振器は、隣り合うもの同士が電磁結合するように配列されている。これにより、複数の共振器は、所定の周波数帯域内の周波数の信号を選択的に通過させるバンドパスフィルタとしての機能を発揮する。
バンドパスフィルタ部4は、共振器として、両端開放の1/2波長共振器41よりなる平衡出力用1/2波長共振器41Aと、平衡出力用1/2波長共振器41Aと平衡出力端3A,3Bとの間に設けられた平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bとを含んでいる。平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bは、それぞれ1/4波長共振器43よりなる。平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bは、一対の共振器72A,72Bを1段として、複数段設けられている。各平衡出力端3A,3Bは、それぞれ出力用キャパシタ45A,45Bを介して、最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bの各々に接続されている。不平衡入力端2は、入力用キャパシタ44を介して入力共振器40Iに接続されている。なお、第1の実施の形態と同様に、本実施の形態では、キャパシタ44,45A,45Bのうち、キャパシタ44のみが設けられ、平衡出力端3A,3Bが平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bに直接接続されていてもよい。また、キャパシタ44,45A,45Bのうち、キャパシタ45A,45Bのみが設けられ、不平衡入力端2が入力共振器40Iに直接接続されていてもよい。
バンドパスフィルタ部4は、更に、不平衡入力端2と平衡出力用1/2波長共振器41Aとの間に設けられた1以上の共振器を含んでいてもよい。この共振器としては、両端開放の1/2波長共振器と、両端短絡の1/2波長共振器と、1/4波長共振器のうちのいずれかを用いることができる。図21には、不平衡入力端2と平衡出力用1/2波長共振器41Aとの間に、少なくとも入力共振器40Iが設けられている例を示している。しかし、不平衡入力端2と平衡出力用1/2波長共振器41Aとの間に他の共振器を設けずに、平衡出力用1/2波長共振器41Aに不平衡入力端2を接続し、平衡出力用1/2波長共振器41Aが入力共振器40Iを兼ねるようにしてもよい。
次に、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ71の作用について説明する。まず、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bとして、最終段の平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bのみが設けられている場合における積層型バンドパスフィルタ71の作用について説明する。この場合、一方の共振器72Aは、平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての一方の半分の部分に結合され、他方の共振器72Bは平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての他方の半分の部分に結合される。
第1の実施の形態で説明した通り、平衡出力用1/2波長共振器41Aでは、長手方向についての一方の半分の部分と他方の半分の部分では、電界の位相は180°異なる。そのため、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bにおける電界の位相も180°異なる。従って、平衡出力端3A,3Bから平衡信号を出力させることができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ71によれば、第1の実施の形態と同様に、バランを用いることなく、平衡信号を出力することができる。また、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ71では、多層基板30によって複数の共振器40が集積されている。これらのことから、本実施の形態によれば、積層型バンドパスフィルタ71の小型化が可能になる。
また、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタ71は、不平衡入力端2と入力共振器40Iとの間と、各平衡出力端3A,3Bと平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bとの間の少なくとも一方に設けられたキャパシタを備えている。従って、本実施の形態によれば、積層型バンドパスフィルタ71の特性の調整が容易になる。
ここで、図22ないし図28を参照して、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bと平衡出力用1/2波長共振器41Aとの結合方法について説明する。2つの共振器の結合方法としては、インターデジタル結合とコムライン結合とがある。インターデジタル結合とは、図22に示したように、一方の共振器301の開放端301aと他方の共振器302の短絡端302bとが対向し、一方の共振器301の短絡端301bと他方の共振器302の開放端302aとが対向するように、共振器301,302が配置された構造となる結合方法である。コムライン結合とは、図23に示したように、一方の共振器301の開放端301aと他方の共振器302の開放端302aとが対向し、一方の共振器301の短絡端301bと他方の共振器302の短絡端302bとが対向するように、共振器301,302が配置された構造となる結合方法である。インターデジタル結合は、コムライン結合に比べて結合が強い。
平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bと平衡出力用1/2波長共振器41Aとの結合方法には、図24ないし図26に示した3通りの結合方法が考えられる。図24に示した結合方法は、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bの両方が、平衡出力用1/2波長共振器41Aに対してインターデジタル結合されるものである。図25に示した結合方法は、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bの両方が、平衡出力用1/2波長共振器41Aに対してコムライン結合されるものである。図26に示した結合方法は、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bのうちの一方(図26では共振器72B)が平衡出力用1/2波長共振器41Aに対してインターデジタル結合され、他方(図26では共振器72A)が平衡出力用1/2波長共振器41Aに対してコムライン結合されるものである。
図26に示した結合方法では、平衡信号の振幅のバランスが悪くなる。従って、図24または図25に示したように、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bは、平衡出力用1/2波長共振器41Aに対して同じ結合方法で結合されることが好ましい。
また、図27に示したように、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bの一方(図27では共振器72B)が、平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての一方の半分の部分41Aaと他方の半分の部分41Abの両方に結合されていると、平衡信号のバランスが悪くなる。従って、図28に示したように、平衡出力用1/4波長共振器72Aは平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての一方の半分の部分41Aaにのみ結合され、平衡出力用1/4波長共振器72Bは平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての他方の半分の部分41Abにのみ結合されることが好ましい。
次に、平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bとして、複数段の平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bが設けられている場合における積層型バンドパスフィルタ1の作用について説明する。この場合、最も平衡出力用1/2波長共振器71Aに近い1段目の一対の共振器72A,72Bのうちの一方の共振器72Aは、平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての一方の半分の部分に結合され、他方の共振器72Bは平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての他方の半分の部分に結合される。後段の共振器72Aは前段の共振器72Aに結合され、後段の共振器72Bは前段の共振器72Bに結合される。
前述のように、平衡出力用1/2波長共振器41Aでは、長手方向についての一方の半分の部分と他方の半分の部分では、電界の位相は180°異なる。そのため、各段における平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bにおける電界の位相も180°異なる。従って、平衡出力端3A,3Bから平衡信号を出力させることができる。
図24ないし図26を参照した説明と同じ理由から、1段目の平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bは、平衡出力用1/2波長共振器41Aに対して同じ結合方法で結合されることが好ましい。更に、同様の理由から、図29または図30に示したように、各段の一対の平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bは、その前段または後段の一対の平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bに対して同じ結合方法で結合されることが好ましい。図29は、隣り合う2つの段の共振器72A同士および共振器72B同士が、いずれもコムライン結合によって結合されている場合を示している。また、図30は、隣り合う2つの段の共振器72A同士および共振器72B同士が、いずれもインターデジタル結合によって結合されている場合を示している。
また、図27および図28を参照した説明と同じ理由から、1段目の平衡出力用1/4波長共振器72Aは平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての一方の半分の部分41Aaにのみ結合され、1段目の平衡出力用1/4波長共振器72Bは平衡出力用1/2波長共振器41Aにおける長手方向についての他方の半分の部分41Abにのみ結合されることが好ましい。
本実施の形態における多層基板30の構成は、例えば、第1の実施の形態における平衡出力用1/2波長共振器41Aと平衡出力端3A,3B用の導体層との間に1段以上の平衡出力用1/4波長共振器72A,72Bを配置したものとなる。また、本実施の形態における多層基板30の外観は、例えば、図10に示した多層基板30と同様である。本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1の実施の形態と同様である。
[第3の実施の形態]
次に、図31ないし図38を参照して、本発明の第3の実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタについて説明する。本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタは、第1または第2の実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタにおいて、バンドパスフィルタ部4を構成する複数の共振器のうちの少なくとも1つが、その形状が矩形である場合に比べて、キャパシタンスまたはインダクタンスが大きくなる形状をなしているものである。
以下、本実施の形態における共振器の具体的な形状の4つの例について説明する。
[共振器の形状の第1の例]
図31は、第1の例の共振器101と、この共振器101と比較するための矩形の共振器102とを示す説明図である。共振器101,102は、いずれも両端開放の1/2波長共振器である。共振器101,102の共振周波数は等しくなっている。共振器101では、開放端近傍の2つの部分101a,101bの幅が、部分101a,101bの間の部分101cの幅よりも大きくなっている。部分101cの幅は、共振器102の幅と等しくなっている。共振器101では、共振器102に比べて、開放端近傍におけるキャパシタンスが大きくなる。その結果、共振器101の物理的な長さは、共振器102の物理的な長さよりも小さくなる。
図32は、図31に示した共振器101を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。なお、図32は、多層基板30のうち、共振器101の近傍の部分のみを示している。図32に示した多層基板30は、下から順に積層された9つの誘電体層111a〜111iを有している。誘電体層111bの上面には、グランド用導体層112が形成されている。誘電体層111cの上面には、一方向に長い導体層113が形成されている。誘電体層111dの上面には、グランド用導体層114と、2つのスルーホール115とが形成されている。なお、スルーホール115は、グランド用導体層114には接触していない。誘電体層111eの上面には、2つのキャパシタ用導体層116a,116bと、それぞれ各キャパシタ用導体層116a,116bに接続された2つのスルーホール117とが形成されている。誘電体層111fの上面には、グランド用導体層118と、2つのスルーホール119とが形成されている。なお、スルーホール119は、グランド用導体層118には接触していない。誘電体層111gの上面には、2つのキャパシタ用導体層120a,120bと、それぞれ各キャパシタ用導体層120a,120bに接続された2つのスルーホール121とが形成されている。誘電体層111hの上面には、グランド用導体層122が形成されている。
キャパシタ用導体層116a,116b,120a,120bの幅は、導体層113の幅よりも大きくなっている。キャパシタ用導体層116a,120aは、スルーホール115,117,119,121を介して、導体層113の一方の端部近傍に接続されている。キャパシタ用導体層116b,120bは、スルーホール115,117,119,121を介して、導体層113の他方の端部近傍に接続されている。導体層113およびキャパシタ用導体層116a,116b,120a,120bは、図31に示した共振器101を構成する。キャパシタ用導体層116a,120aは、図31における部分101aに対応する。キャパシタ用導体層116b,120bは、図31における部分101bに対応する。
[共振器の形状の第2の例]
図33は、第2の例の共振器131と、この共振器131と比較するための矩形の共振器132とを示す説明図である。共振器131,132は、いずれも両端短絡の1/2波長共振器である。共振器131,132の共振周波数は等しくなっている。共振器131では、長手方向の中央近傍の部分131cの幅が、短絡端近傍の2つの部分131a,131bの幅よりも大きくなっている。部分131a,131bの幅は、共振器132の幅と等しくなっている。共振器131では、共振器132に比べて、長手方向の中央近傍におけるキャパシタンスが大きくなる。その結果、共振器131の物理的な長さは、共振器132の物理的な長さよりも小さくなる。
図34は、図33に示した共振器131を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。なお、図34は、多層基板30のうち、共振器131の近傍の部分のみを示している。図34に示した多層基板30は、下から順に積層された8つの誘電体層141a〜141hを有している。誘電体層141bの上面には、グランド用導体層142が形成されている。誘電体層141cの上面には、一方向に長い導体層143が形成されている。誘電体層141dの上面には、キャパシタ用導体層144と、このキャパシタ用導体層144に接続されたスルーホール145とが形成されている。誘電体層141eの上面には、グランド用導体層146と、スルーホール147とが形成されている。なお、スルーホール147は、グランド用導体層146には接触していない。誘電体層141fの上面には、キャパシタ用導体層148と、このキャパシタ用導体層148に接続されたスルーホール149とが形成されている。誘電体層141gの上面には、グランド用導体層150が形成されている。
キャパシタ用導体層144,148の幅は、導体層143の幅よりも大きくなっている。キャパシタ用導体層144,148は、スルーホール145,147,149を介して、導体層143の長手方向の中央部分に接続されている。導体層143およびキャパシタ用導体層144,148は、図33に示した共振器131を構成する。
[共振器の形状の第3の例]
図35は、第3の例の共振器151と、この共振器151と比較するための矩形の共振器152とを示す説明図である。共振器151,152は、いずれも、一端が短絡され、他端が開放された1/4波長共振器である。共振器151,152の共振周波数は等しくなっている。共振器151では、開放端側の部分151aの幅が、短絡端側の部分151bの幅よりも大きくなっている。部分151bの幅は、共振器152の幅と等しくなっている。共振器151では、共振器152に比べて、開放端側の部分151aにおけるキャパシタンスが大きくなる。その結果、共振器151の物理的な長さは、共振器152の物理的な長さよりも小さくなる。
図36は、図35に示した共振器151を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。なお、図36は、多層基板30のうち、共振器151の近傍の部分のみを示している。図36に示した多層基板30は、下から順に積層された8つの誘電体層161a〜161hを有している。誘電体層161bの上面には、グランド用導体層162が形成されている。誘電体層161cの上面には、一方向に長い導体層163が形成されている。誘電体層161dの上面には、キャパシタ用導体層164と、このキャパシタ用導体層164に接続されたスルーホール165とが形成されている。誘電体層161eの上面には、グランド用導体層166と、スルーホール167とが形成されている。なお、スルーホール167は、グランド用導体層166には接触していない。誘電体層161fの上面には、キャパシタ用導体層168と、このキャパシタ用導体層168に接続されたスルーホール169とが形成されている。誘電体層161gの上面には、グランド用導体層170が形成されている。
キャパシタ用導体層164,168の幅は、導体層163の幅よりも大きくなっている。キャパシタ用導体層164,168は、スルーホール165,167,169を介して、導体層163の開放端の近傍に接続されている。導体層163およびキャパシタ用導体層164,168は、図35に示した共振器151を構成する。
ここで、第1ないし第3の例の共振器によれば、矩形の共振器に比べて物理的な長さを小さくすることができる理由について説明する。第1ないし第3の例の共振器では、いずれも、共振器において電界が最大となる部分の近傍部分の幅を、他の部分の幅に比べて大きくしている。このような形状の共振器の等価回路を図37に示す。図37に示した回路は、並列に接続されたインダクタ171、キャパシタ172およびキャパシタ173を有している。インダクタ171、キャパシタ172およびキャパシタ173の各一端は接地されている。インダクタ171およびキャパシタ172は、矩形の共振器におけるインダクタンス成分およびキャパシタンス成分に対応する。キャパシタ173は、この矩形の共振器の一部の幅を大きくすることによって生じたキャパシタンス成分に対応する。
ここで、インダクタ171のインダクタンスをLとし、キャパシタ172のキャパシタンスをCとし、キャパシタ173のキャパシタンスをCaddとする。また、図37に示した回路からキャパシタ173を除いた回路の共振周波数をfとし、図37に示した回路の共振周波数をfとする。共振周波数f,fは、それぞれ以下の式で表される。
=1/{2π√(L)}
=1/[2π√{L(C+Cadd)}]
上記の2つの式から分かるように、矩形の共振器の一部の幅を大きくしてキャパシタンスCaddを発生させた共振器では、矩形の共振器に比べて共振周波数が低くなる。従って、共振周波数を変えないとすれば、矩形の共振器の一部の幅を大きくすることによって、共振器の物理的な長さを小さくすることができる。
[共振器の形状の第4の例]
第4の例の共振器は、矩形の共振器に比べて、共振器において電界がゼロとなる部分の近傍部分におけるインダクタンス成分が大きくなる形状としたものである。具体的には、第4の例の共振器では、共振器において電界がゼロとなる部分の近傍部分に、スパイラル形状のインダクタを形成している。このような形状の共振器によれば、この共振器の占有領域の物理的な長さを、矩形の共振器の物理的な長さに比べて小さくすることができる。
図38は、第4の例の共振器を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。なお、図38は、多層基板30のうち、第4の例の共振器の近傍の部分のみを示している。図38に示した多層基板30は、下から順に積層された8つの誘電体層181a〜181hを有している。誘電体層181bの上面には、グランド用導体層182が形成されている。誘電体層181cの上面には、約3/4ターンの形状のインダクタ用導体層183が形成されている。誘電体層181dの上面には、約3/4ターンの形状のインダクタ用導体層184と、このインダクタ用導体層184の一端部に接続されたスルーホール185とが形成されている。誘電体層181eの上面には、グランド用導体層186と、スルーホール187とが形成されている。なお、スルーホール187は、グランド用導体層186には接触していない。誘電体層181fの上面には、キャパシタ用導体層188と、このキャパシタ用導体層188に接続されたスルーホール189とが形成されている。誘電体層181gの上面には、グランド用導体層190が形成されている。
キャパシタ用導体層188の幅は、導体層183,184の幅よりも大きくなっている。導体層183の一端部は、図示しない端子電極を介してグランド用導体層182,186,190に接続されている。導体層183の一端部は、スルーホール185を介して、導体層184の一端部に接続されている。導体層184の他端部は、スルーホール187,189を介して、キャパシタ用導体層188に接続されている。導体層183,184,188は共振器を構成する。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1または第2の実施の形態と同様である。
[第4の実施の形態]
次に、図39ないし図41を参照して、本発明の第4の実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタについて説明する。図39に示したように、本実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタは、第1ないし第3の実施の形態におけるバンドパスフィルタ部4に含まれる少なくとも1つの両端開放の1/2波長共振器191の両端がキャパシタ192を介して接続されているものである。1/2波長共振器191は、平衡出力用1/2波長共振器41Aでもよいし、その他の両端開放の1/2波長共振器でもよい。
図39において、符号193で示した破線は、1/2波長共振器191の長手方向の中央位置およびキャパシタ192を構成する2枚の導体間の中央位置を示している。図39に示した回路では、符号193で示した位置で電位がゼロになる。図39に示した回路は、図40に示した回路と等価である。図40に示した回路は、1/4波長共振器191aとキャパシタ192aとを有している。1/4波長共振器191aの短絡端は接地されている。1/4波長共振器191aの開放端はキャパシタ192aの一端に接続されている。キャパシタ192aの他端は接地されている。キャパシタ192aのキャパシタンスは、図39に示したキャパシタ192のキャパシタンスの2倍である。
従って、図39に示した構成によれば、1/2波長共振器191の両端をそれぞれ別個のキャパシタを介して接地する場合に比べて、少ないキャパシタを用いて1/2波長共振器191の物理的な長さを小さくすることができる。
図41は、図39に示した共振器191およびキャパシタ192を実現する多層基板30の構成の一例を示す分解斜視図である。なお、図41は、多層基板30のうち、共振器191およびキャパシタ192の近傍の部分のみを示している。図41に示した多層基板30は、下から順に積層された9つの誘電体層201a〜201iを有している。誘電体層201bの上面には、グランド用導体層202が形成されている。誘電体層201cの上面には、一方向に長い導体層203が形成されている。誘電体層201dの上面には、キャパシタ用導体層204と、このキャパシタ用導体層204に接続されたスルーホール205とが形成されている。誘電体層201eの上面には、キャパシタ用導体層206と、このキャパシタ用導体層206に接続されたスルーホール207とが形成されている。誘電体層201fの上面には、キャパシタ用導体層208と、このキャパシタ用導体層208に接続されたスルーホール209とが形成されている。誘電体層201gの上面には、キャパシタ用導体層210と、このキャパシタ用導体層210に接続されたスルーホール211とが形成されている。誘電体層201hの上面には、グランド用導体層212が形成されている。
キャパシタ用導体層204,206,208,210の幅は、導体層203の幅よりも大きくなっている。キャパシタ用導体層204,208は、スルーホール205,209を介して、導体層203の一方の端部の近傍に接続されている。また、キャパシタ用導体層206,210は、スルーホール207,211を介して、導体層203の他方の端部の近傍に接続されている。導体層203は、図39における共振器191を構成し、キャパシタ用導体層204,206,208,210は、図39におけるキャパシタ192を構成する。
本実施の形態におけるその他の構成、作用および効果は、第1ないし第3の実施の形態と同様である。
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、種々の変更が可能である。例えば、バンドパスフィルタ部4を構成する共振器40としては、実施の形態で挙げたもの以外にも種々の組み合わせが可能である。
本発明の第1の実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタの基本構成を示す説明図である。 両端開放の1/2波長共振器を示す説明図である。 両端短絡の1/2波長共振器を示す説明図である。 1/4波長共振器を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタの作用を説明するための説明図である。 本発明の第1の実施の形態における多層基板の導体層によって形成されるキャパシタの構造の一例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態における多層基板の導体層によって形成されるキャパシタの構造の一例を示す説明図である。 本発明の第1の実施の形態における第1の構成例の積層型バンドパスフィルタの回路図である。 図8に示した積層型バンドパスフィルタを実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。 図9に示した多層基板の外観の一例を示す斜視図である。 本発明の第1の実施の形態における第2の構成例の積層型バンドパスフィルタの回路図である。 図11に示した積層型バンドパスフィルタを実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態における第3の構成例の積層型バンドパスフィルタの回路図である。 図13に示した積層型バンドパスフィルタを実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施の形態における第4の構成例の積層型バンドパスフィルタの回路図である。 図15に示した積層型バンドパスフィルタを実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。 図8に示した積層型バンドパスフィルタの減衰・挿入損失特性を示す特性図である。 図8に示した積層型バンドパスフィルタの反射損失特性を示す特性図である。 図8に示した積層型バンドパスフィルタの平衡出力端の出力信号の振幅差の周波数特性を示す特性図である。 図8に示した積層型バンドパスフィルタの平衡出力端の出力信号の位相差の周波数特性を示す特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係る積層型バンドパスフィルタの基本構成を示す説明図である。 共振器の結合方法としてのインターデジタル結合を説明するための説明図である。 共振器の結合方法としてのコムライン結合を説明するための説明図である。 平衡出力用1/4波長共振器と平衡出力用1/2波長共振器との結合方法を説明するための説明図である。 平衡出力用1/4波長共振器と平衡出力用1/2波長共振器との結合方法を説明するための説明図である。 平衡出力用1/4波長共振器と平衡出力用1/2波長共振器との結合方法を説明するための説明図である。 平衡出力用1/4波長共振器と平衡出力用1/2波長共振器との結合方法を説明するための説明図である。 平衡出力用1/4波長共振器と平衡出力用1/2波長共振器との結合方法を説明するための説明図である。 隣り合う2つの段の平衡出力用1/4波長共振器の結合方法を説明するための説明図である。 隣り合う2つの段の平衡出力用1/4波長共振器の結合方法を説明するための説明図である。 本発明の第3の実施の形態における共振器の形状の第1の例を示す説明図である。 図31に示した共振器を実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。 本発明の第3の実施の形態における共振器の形状の第2の例を示す説明図である。 図33に示した共振器を実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。 本発明の第3の実施の形態における共振器の形状の第3の例を示す説明図である。 図35に示した共振器を実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。 第1ないし第3の例の共振器の等価回路を示す回路図である。 本発明の第3の実施の形態における第4の例の共振器を実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。 本発明の第4の実施の形態における両端開放の1/2波長共振器およびキャパシタからなる回路を示す回路図である。 図39に示した回路と等価な回路を示す回路図である。 図39に示した共振器およびキャパシタからなる回路を実現する多層基板の構成の一例を示す分解斜視図である。 共振器にキャパシタを介して信号源が接続される場合におけるキャパシタのキャパシタンスと外部Qとの関係を説明するための回路図である。
符号の説明
1…積層型バンドパスフィルタ、2…不平衡入力端、3A,3B…平衡出力端、4…バンドパスフィルタ部、40…共振器、41A…平衡出力用1/2波長共振器、44…入力用キャパシタ、45A,45B…出力用キャパシタ。

Claims (15)

  1. 不平衡信号を入力する不平衡入力端と、
    平衡信号を出力する2つの平衡出力端と、
    それぞれTEM線路よりなる複数の共振器を有し、前記不平衡入力端と前記平衡出力端との間に設けられたバンドパスフィルタ部と、
    前記複数の共振器を集積するための多層基板とを備えた積層型バンドパスフィルタであって、
    前記バンドパスフィルタ部は、前記共振器として、前記不平衡入力端が接続される入力共振器と、両端開放の1/2波長共振器よりなり前記平衡出力端が接続される平衡出力用1/2波長共振器とを含み、
    積層型バンドパスフィルタは、更に、前記多層基板の一部によって構成され、不平衡入力端と入力共振器との間と、各平衡出力端と平衡出力用1/2波長共振器との間の少なくとも一方に設けられたキャパシタを備えたことを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  2. 前記キャパシタとして、各平衡出力端と平衡出力用1/2波長共振器との間に設けられた第1および第2の出力用キャパシタを備え、
    一方の平衡出力端は、前記平衡出力用1/2波長共振器の長手方向についての一方の端部に前記第1の出力用キャパシタを介して接続され、他方の平衡出力端は、前記平衡出力用1/2波長共振器の長手方向についての他方の端部に前記第2の出力用キャパシタを介して接続されていることを特徴とする請求項1記載の積層型バンドパスフィルタ。
  3. 前記第1の出力用キャパシタのキャパシタンスと前記第2の出力用キャパシタのキャパシタンスは異なっていることを特徴とする請求項2記載の積層型バンドパスフィルタ。
  4. 前記複数の共振器のうちの少なくとも1つは、その形状が矩形である場合に比べて、キャパシタンスまたはインダクタンスが大きくなる形状をなしていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタ。
  5. 前記バンドパスフィルタ部に含まれる少なくとも1つの両端開放の1/2波長共振器の両端がキャパシタを介して接続されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタ。
  6. 不平衡信号を入力する不平衡入力端と、
    平衡信号を出力する2つの平衡出力端と、
    それぞれTEM線路よりなる複数の共振器を有し、前記不平衡入力端と前記平衡出力端との間に設けられたバンドパスフィルタ部と、
    前記複数の共振器を集積するための多層基板とを備えた積層型バンドパスフィルタであって、
    前記バンドパスフィルタ部は、前記共振器として、両端開放の1/2波長共振器よりなる平衡出力用1/2波長共振器と、それぞれ1/4波長共振器よりなり、前記平衡出力用1/2波長共振器と前記平衡出力端との間に、一対の1/4波長共振器を1段として、1段以上設けられた平衡出力用1/4波長共振器とを含み、
    各平衡出力端は、最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器の各々に接続され、
    積層型バンドパスフィルタは、更に、前記多層基板の一部によって構成され、不平衡入力端とこれに接続される共振器との間と、各平衡出力端と最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器との間の少なくとも一方に設けられたキャパシタを備えたことを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  7. 前記平衡出力用1/4波長共振器としては、最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器のみ設けられ、この最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの一方は前記平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての一方の半分の部分に結合され、前記最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの他方は前記平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての他方の半分の部分に結合されていることを特徴とする請求項6記載の積層型バンドパスフィルタ。
  8. 前記最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器は、前記平衡出力用1/2波長共振器に対して同じ結合方法で結合されていることを特徴とする請求項7記載の積層型バンドパスフィルタ。
  9. 前記最終段の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの一方は前記平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての一方の半分の部分にのみ結合され、前記一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの他方は前記平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての他方の半分の部分にのみ結合されていることを特徴とする請求項7または8記載の積層型バンドパスフィルタ。
  10. 前記平衡出力用1/4波長共振器は、複数段設けられ、最も前記平衡出力用1/2波長共振器に近い1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの一方は前記平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての一方の半分の部分に結合され、前記1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの他方は前記平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての他方の半分の部分に結合されていることを特徴とする請求項6記載の積層型バンドパスフィルタ。
  11. 前記1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器は、前記平衡出力用1/2波長共振器に対して同じ結合方法で結合されていることを特徴とする請求項10記載の積層型バンドパスフィルタ。
  12. 前記1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの一方は前記平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての一方の半分の部分にのみ結合され、前記1段目の一対の平衡出力用1/4波長共振器のうちの他方は前記平衡出力用1/2波長共振器における長手方向についての他方の半分の部分にのみ結合されていることを特徴とする請求項10または11記載の積層型バンドパスフィルタ。
  13. 各段の一対の平衡出力用1/4波長共振器は、その前段または後段の一対の平衡出力用1/4波長共振器に対して同じ結合方法で結合されていることを特徴とする請求項10ないし12のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタ。
  14. 前記複数の共振器のうちの少なくとも1つは、その形状が矩形である場合に比べて、キャパシタンスまたはインダクタンスが大きくなる形状をなしていることを特徴とする請求項6ないし13のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタ。
  15. 前記バンドパスフィルタ部に含まれる少なくとも1つの両端開放の1/2波長共振器の両端がキャパシタを介して接続されていることを特徴とする請求項6ないし14のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタ。
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