JP4596266B2 - フィルタ - Google Patents
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Description
なお、不平衡信号を伝送する線路では、グランド電位に対する1本の信号線の電位により信号が伝送される。平衡信号を伝送する線路では、一対の信号線間の電位差により信号が伝送される。平衡信号は、一対の信号線間を伝送する各信号の位相が互いに180°異なり、かつ振幅がほぼ等しければ、一般にバランス特性に優れた状態といえる。
また、広帯域の周波数を使用するUWB(Ultra Wide Band)などに対応するためには、広帯域なバランス信号が必要になるが、従来の構造では入力側の共振器と出力側の共振器との結合が強く取れないため、広帯域化が困難である。
なお、本発明によるフィルタにおいて、「インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器」とは、一方の1/4波長共振器の開放端と他方の1/4波長共振器の短絡端とが対向すると共に、一方の1/4波長共振器の短絡端と他方の1/4波長共振器の開放端とが対向するように配置されることで、互いに電磁結合された共振器のことをいう。
また、一対の1/4波長共振器が、第2の共振モードで互いに逆相に励振されると共に、他の一対の1/4波長共振器が、第2の共振モードで互いに逆相に励振されるものである。
ここで、一対の1/4波長共振器をインターディジタル型で、かつ強く結合させると、物理的な1/4波長の長さで決まる共振周波数f0(インターディジタル結合させていないときの各1/4波長共振器単体での共振周波数)に対し周波数が高い第1の共振周波数f1で共振する第1の共振モードと、第1の共振周波数f1よりも低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードとの2つのモードが現れ、共振周波数が2つに分離する。この場合において、物理的な長さに対応する共振周波数f0よりも周波数の低い第2の共振周波数f2を、フィルタとしての通過周波数(動作周波数)に設定することで、フィルタとしての通過周波数を共振周波数f0に設定した場合よりも小型化が図られる。例えば2.4GHz帯を通過周波数としたフィルタを設計する場合、物理的な長さを例えば8GHzに対応させた1/4波長共振器を用いることができる。これは、物理的な長さを2.4GHz帯に対応させた1/4波長共振器とした場合よりも小型のものとなる。また、周波数の低い第2の共振周波数f2で共振する第2の共振モードは、一対の1/4波長共振器で互いに逆相となる励振モードなので、バランス特性に優れたものとなる。
または、互いに隣接する1/4波長共振器同士が、互いの一部を共有し、その共有した部分で互いに導通されていると共に、その共有した部分の一端が短絡端とされていても良い。
この構成の場合には、バランス特性がより優れた状態で平衡信号が伝送される。
この構成の場合には、各一対の1/4波長共振器間の結合の相互容量を大きくし、外部Qを小さくすることができ、フィルタの周波数特性やバランス特性がより優れた状態で平衡信号が伝送される。
この構成の場合には、線路の長さや、線路と1/4波長共振器との間隔を調整することで、一対の平衡端子と一対の1/4波長共振器との結合調整が容易となる。
この構成の場合には、コンデンサ容量を調整することで、一対の平衡端子と一対の1/4波長共振器との結合調整が容易となる。
この構成の場合には、一対の1/4波長共振器にコンデンサ容量が並列に加わることで、動作周波数としての第2の共振周波数f2がさらに下がり、より小型化しやすくなる。また、コンデンサ電極の物理的な大きさを変えることでコンデンサ容量の調整ができるので、共振周波数の微調整を行いやすい。
この場合には、全体として不平衡−平衡型のフィルタが構成される。
この場合には、全体として平衡−平衡型のフィルタが構成される。
[第1の実施の形態]
従ってこのフィルタは、コムライン結合した第1層目の1/4波長共振器11,21と第2層目の1/4波長共振器12,22とを上下方向にインターディジタル結合させた構造と考えることもできる。この場合において、第1層目の1/4波長共振器11,21と第2層目の1/4波長共振器12,22とが、接続用導体10A,10Bも含めて上下に対称的な構造とされていることが、バランス特性を良くする点で好ましい。
このフィルタでは、不平衡入力端子3から入力された不平衡信号が、入力端と出力端との間の各共振器の作用により、第2の共振周波数f2を通過帯域としてフィルタリングされ、平衡信号として一対の平衡出力端子4A,4Bから出力される。ここで、このフィルタでは、一対の1/4波長共振器11,12と他の一対の1/4波長共振器21,22とが互いに隣接して並列配置され、それら互いに隣接する1/4波長共振器同士の一部が互いに導通されていることで、入力用共振器1と出力用共振器2との間で結合調整が容易となり、広帯域での平衡信号の伝送が可能となる。
k≒2|fe−fo|/(fe+fo)
となり、各モードの共振周波数の差に比例する。
また、各1/4波長共振器の物理長をLとすると、
k≒2X/(2L−X)
と表せる。
Z=√(L/C) ……(2)
なお、√は、(L/C)全体の平方根を取ることを示す。
この場合において、周波数の低い第2の共振周波数f2を、フィルタとしての通過周波数(動作周波数)に設定することで、第1の利点としてまず、フィルタとしての通過周波数を共振周波数f0に設定した場合よりも小型化することができる。例えば2.4GHz帯を通過周波数としたフィルタを設計する場合、物理的な長さを例えば8GHzに対応させた1/4波長共振器を用いることができる。これは、物理的な長さを2.4GHz帯に対応させた1/4波長共振器とした場合よりも小型のものとなる。
f1>3f2
の条件を満たすことが好ましい。
周波数の低い第2の共振周波数f2をフィルタとしての通過周波数に設定する場合、入力信号の周波数帯域が第1の共振周波数f1に重なると周波数特性が悪化する。第1の共振周波数f1を入力信号の周波数帯域よりも高く設定することで、これが防止される。
[第1の実施の形態の変形例]
<第1の変形例>
<第2の変形例>
<第3の変形例>
<第4の変形例>
この構成の場合における結合調整は、図19(A),図19(B)の構成例と同様である。
<第5の変形例>
εr1>εr2,εr3
を満たす。なお、誘電体基板61の上面および底面にグランド層が形成されているものとする。
<第6の変形例>
[第2の実施の形態]
k=2|fe−fo|/(fe+fo)
となり、各モードの共振周波数の差に比例する。
[第3の実施の形態]
[その他の実施の形態]
なお、複数段の構成とした場合、回転対称軸を有し、全体として回転対称な構造とされていることが好ましい。そして、一対の平衡入力端子3A,3B(または平衡出力端子4A,4B)は、その回転対称軸に対して互いに回転対称な位置に接続されていることが好ましい。これにより、バランス特性に優れた状態にすることができる。
Claims (10)
- インターディジタル結合された一対の1/4波長共振器を少なくとも1組有する第1の共振器と、
インターディジタル結合された他の一対の1/4波長共振器を前記第1の共振器と同数組有する第2の共振器と、
前記第1の共振器または前記第2の共振器の少なくとも一方に設けられ、前記一対の1/4波長共振器の一方または前記他の一対の1/4波長共振器の一方に一方の端子が接続されると共に、前記一対の1/4波長共振器の他方または前記他の一対の1/4波長共振器の他方に他方の端子が接続された一対の平衡端子と
を備え、
前記第1の共振器における前記一対の1/4波長共振器と前記第2の共振器における前記他の一対の1/4波長共振器とが互いに隣接して並列配置されると共に、前記第1の共振器と前記第2の共振器との間で、互いに隣接する1/4波長共振器同士の一部が互いに導通され、
前記一対の1/4波長共振器および前記他の一対の1/4波長共振器はそれぞれ、インターディジタル結合していないときの前記各1/4波長共振器の単体での共振周波数をf 0 としたとき、前記単体での共振周波数f 0 よりも高い第1の共振周波数f 1 で共振する第1の共振モードと前記単体での共振周波数f 0 よりも低い第2の共振周波数f 2 で共振する第2の共振モードとを有するように互いに隣接して配置され、かつ、前記第1の共振器と前記第2の共振器とが前記第2の共振周波数f 2 で電磁結合され、
前記一対の1/4波長共振器が、前記第2の共振モードで互いに逆相に励振されると共に、前記他の一対の1/4波長共振器が、前記第2の共振モードで互いに逆相に励振されるものである
ことを特徴とするフィルタ。 - 前記互いに隣接する1/4波長共振器同士の一部を互いに接続する接続用導体をさらに備えている
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。 - 前記互いに隣接する1/4波長共振器同士が、互いの一部を共有し、その共有した部分で互いに導通されていると共に、その共有した部分の一端が短絡端とされている
ことを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。 - 前記第1の共振器および前記第2の共振器はそれぞれ、回転対称軸を有し全体として回転対称な構造とされ、
前記一対の平衡端子が、前記回転対称軸に対して互いに回転対称となる位置において前記第1の共振器または前記第2の共振器に接続されている
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載のフィルタ。 - 前記一対の1/4波長共振器および前記他の一対の1/4波長共振器はそれぞれ、誘電体多層基板内において誘電体層を挟んで互いに対向して積層された構造とされ、
前記各一対の1/4波長共振器に挟まれた領域にある前記誘電体層の比誘電率が、他の領域にある誘電体層の比誘電率よりも大きい構成とされている
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載のフィルタ。 - 前記一対の平衡端子のそれぞれが、一端が短絡された線路で構成され、前記一対の1/4波長共振器または前記他の一対の1/4波長共振器と前記一対の平衡端子とが磁界結合により接続されている
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のフィルタ。 - 前記一対の平衡端子のそれぞれの一端部がコンデンサ電極で構成され、前記一対の平衡端子が前記コンデンサ電極による容量結合により、前記一対の1/4波長共振器または前記他の一対の1/4波長共振器に接続されている
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のフィルタ。 - 前記一対の1/4波長共振器および前記他の一対の1/4波長共振器のそれぞれの開放端側に対向するように、一端が短絡されたコンデンサ電極が設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項に記載のフィルタ。 - 前記一対の平衡端子が前記第1の共振器および前記第2の共振器の一方の共振器にのみ設けられており、前記一対の平衡端子が設けられていない他方の共振器における一対の1/4波長共振器の一方には不平衡端子が設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のフィルタ。 - 前記第1の共振器および前記第2の共振器のそれぞれに、前記一対の平衡端子が設けられている
ことを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載のフィルタ。
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