JP2001044704A - 分布定数回路素子とその製造方法およびプリント配線板 - Google Patents

分布定数回路素子とその製造方法およびプリント配線板

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JP2001044704A
JP2001044704A JP21539999A JP21539999A JP2001044704A JP 2001044704 A JP2001044704 A JP 2001044704A JP 21539999 A JP21539999 A JP 21539999A JP 21539999 A JP21539999 A JP 21539999A JP 2001044704 A JP2001044704 A JP 2001044704A
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pattern
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Takayuki Hirabayashi
崇之 平林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】小型化・薄型化を図りながらコストアップを招
くことなく分布定数回路素子の周波数特性を所望の特性
とする。 【解決手段】接地導体12a,12b間には帯域フィル
タを構成するための2つの共振器パターン13a,13
bを並設する。共振器パターン13a,13b間に誘電
体基板11よりも誘電率の高い材料を用いた誘電体層1
4を形成する。誘電体層14を設けない場合に比べて奇
励振モードの電界が強められる。奇モードインピーダン
スZoが小さくなると共に偶励振モードの電界は略同一
とされて結合度βが大きくなる。通過帯域の広帯域化を
図ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は分布定数回路素子
とその製造方法およびプリント配線板に関する。詳しく
は、分布定数回路素子において、誘電体基板よりも誘電
率が高い材料を用いた誘電体層を導体パターンの位置に
対応して形成することにより、所望の周波数特性の分布
定数回路素子を得るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報通信技術の進展に伴い、移動
体通信機器やISDNあるいはコンピュータ装置等の様
々な機器に、無線あるいは有線で高速にデータ等を伝送
するための回路ブロックが搭載されるようになってい
る。
【0003】このような回路ブロックを機器に搭載する
際には、高速にデータ等を伝送できるだけでなくノイズ
等を考慮した構成が望まれる。さらに、携行可能な機器
に搭載する場合にあっては、部品の小型化や複合化およ
び多機能化等が図られている。例えば、高周波回路に於
ける機能ブロックでは、コンデンサやコイル等のチップ
部品を使用して集中定数回路としてフィルタ等を実現す
ることは波長が短くなると困難となり、分布定数回路を
用いて小型化や集積化を図ることなどが研究されてい
る。
【0004】ここで、高性能な帯域フィルタとしては、
λ/4(λは波長)程度の共振器パターンを結合させた
結合器が用いられている。例えば図10は誘電体基板2
00に略λ/4の長さの共振器パターン201を並べる
ことで結合器を構成したものである。図11は共振器パ
ターン202をカスケード状に隣接して並べてパターン
側面で結合させると共に、隣接した共振器パターンが略
λ/4の長さの重なり部分を有するように設けることで
結合器を構成したものである。さらに、図12は、ステ
ップインピーダンス共振構造をとることにより、共振器
パターン203を短縮させてコンパクトな帯域フィルタ
を形成するものである。なお、図示せずも誘電体基板2
00のパターンが形成された面とは逆側の面は接地導体
とされる。
【0005】このような帯域フィルタでは、式(1)で
示される共振器パターンの結合度βを大きくすることに
より、通過帯域の広帯域化を図ることができることが知
られている。なお、式(1)において「Ze」は結合線
路の偶モードインピーダンス、「Zo」は奇モードイン
ピーダンスを示しており、偶モードインピーダンスZe
と奇モードインピーダンスZoの比(Ze/Zo)が大き
くなるほど結合度βは上昇する。 β=(Ze−Zo)/(Ze+Zo) ・・・(1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、データ等の
伝送の高速化・高容量化に伴い、上述のような素子の通
過帯域を広帯域化するためには、比(Ze/Zo)を大き
くする必要がある。ここで、図13Aに示すように共振
器パターン(ストリップライン)301が誘電体基板3
00内に形成されると共に、2つの接地導体302,3
03で挟まれたトリプレート構造の結合器において、比
(Ze/Zo)を大きくするために、図13Bに示す偶モ
ード励振の電界を弱くして偶モードインピーダンスZe
が大きくなるように接地導体間の距離K、すなわち誘電
体の厚さ方向の距離を大きくすると基板が厚くなり、小
型化・薄型化に反してしまう。また、図13Cに示す奇
モード励振の電界を強めて奇モードインピーダンスZo
が小さくなるように共振器パターンの間隔dを狭めるも
のとすると、微細加工が可能な装置、例えばドライエッ
チング装置等が必要となりコストアップとなってしま
う。
【0007】また、帯域フィルタに限らず、低域フィル
タや高域フィルタ等を構成する場合にも、所望の特性を
得るためには小型化・薄型化に反してしまう場合が生ず
る。そこで、この発明では、小型化・薄型化を図りなが
らコストアップを招くことなく所望の周波数特性を得る
ことができる分布定数回路素子とその製造方法およびプ
リント配線板を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明に係る分布定数
回路素子は、接地導体と導体パターンとの間に誘電体基
板が挟み込まれ、導体パターンのパターン形状に応じて
動作が設定される分布定数回路素子であって、誘電体基
板よりも誘電率が高い材料を用い、導体パターンの位置
に対応して形成された誘電体層を有するものである。
【0009】また、分布定数回路素子の製造方法は、接
地導体と導体パターンとの間に誘電体基板が挟み込ま
れ、前記導体パターンのパターン形状に応じて動作が設
定される分布定数回路素子の製造方法であって、前記誘
電体基板としてセラミック材を用いるものとし、前記セ
ラミック材よりも誘電率の高い材料を前記導体パターン
の位置に対応して積層したのち焼成するものである。
【0010】また、誘電体基板として有機材料を用いる
ものとし、有機材料よりも誘電率の高いプリプレグ材を
導体パターンの位置に対応して塗布したのち硬化させる
ものである。
【0011】さらに、プリント配線板は、プリント配線
板の絶縁基板を接地導体と導体パターンとで挟み込み、
所望の動作の分布定数回路素子となるよう導体パターン
の形状を設定し、誘電体基板よりも誘電率の高い材料を
用いた誘電体層を導体パターンの位置に対応して形成し
たものである。
【0012】この発明においては、接地導体と導体パタ
ーンとの間に誘電体基板が挟み込まれ、導体パターンの
パターン形状に応じて動作が設定される分布定数回路素
子において、例えば誘電体基板としてセラミック材や有
機材が用いられると共に、導体パターンとして共振器を
構成する1対の導体パターンが設けられて帯域フィルタ
が形成される。ここで、1対の導体パターンのパターン
間には誘電体基板よりも誘電率の高い誘電体層が形成さ
れる。また、分布定数回路素子が低域フィルタや高域フ
ィルタ等となるように導体パターンのパターン形状が設
定されたときには、この導体パターンと接地導体との間
に誘電率の高い誘電体層が設けられる。さらに、この分
布定数回路素子はプリント配線板に設けられる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態に
ついて図を参照しながら詳細に説明する。図1は分布定
数回路素子、例えば帯域フィルタとして動作するトリプ
レート構造の結合器(以下「帯域フィルタ」という)1
0の構成を示しており、図1Aは分解斜視図、図1Bは
平面図、図1Cは図1Bに示すa−a’線での断面概略
図である。図1に示すように帯域フィルタ10は誘電体
基板(絶縁基板)11の両面に接地導体12a,12b
が形成されており、接地導体12a,12b間には帯域
フィルタを構成するための2つの共振器パターン13
a,13bが並設される。この共振器パターン13a,
13bの一端は、接地導体12bと短絡される。また、
接地導体12aと接地導体12bが接続されることによ
り、共振器パターン13a,13bがシールドされる。
ここで、共振器パターン13a,13b間には誘電体基
板11よりも誘電率の高い材料を用いた誘電体層14が
形成される。
【0014】このように構成された帯域フィルタ10で
は、共振器パターン13a,13b間に誘電体基板11
よりも誘電率の高い誘電体層14が形成されていること
から、誘電率の高い誘電体層14を形成していない場合
に比べて、奇励振モードの電界が強められて奇モードイ
ンピーダンスZoが小さくなると共に偶励振モードの電
界は略同一とされて偶モードインピーダンスZeは略同
じ値となる。このため、比(Ze/Zo)が大きくなって
結合度βを大きくすることができるので、通過帯域の広
帯域化を図ることができる。
【0015】次に、上述の帯域フィルタ10の製造方法
について説明する。図2はガラスセラミック等の焼成基
板に帯域フィルタを構成する場合を示している。
【0016】まず、図2Aのようにグリーンシート(バ
インダに基板の構成材料を混合してスラリー状とし、更
にシート状に成形したもの)20の一方の面には、銅や
金などの金属材料を用いて図1の共振器パターン13
a,13bと同様な共振器パターン21a,21bを印
刷あるいはメッキ法等によって形成し、他方の面には同
様にして接地導体22を形成する。
【0017】次に、図2Bのように共振器パターン21
aと共振器パターン21bの間にグリーンシート20よ
りも誘電率の高いグリーンシート23を積層する。ここ
で、例えばガラス繊維をセラミック材料に混合したガラ
スセラミック(誘電率は5.5程度)をグリーンシート
20として用いるときには、誘電率の高いアルミナ(誘
電率は10程度)をセラミック材料と混合してシート状
とされたグリーンシートが、グリーンシート20よりも
誘電率の高いグリーンシート23として用いられる。
【0018】さらに、図2Cのように、グリーンシート
20と同じ材質であると共に、一方の面に銅や金などの
金属材料を用いて接地導体26を印刷あるいはメッキ法
等によって形成したグリーンシート25を生成する。
【0019】このように生成したグリーンシート20,
25を図2Dのように積層する。ここで、グリーンシー
ト23が積層されたグリーンシート20とグリーンシー
ト25を積層する際には、グリーンシート20の共振器
パターン21a,21bを形成した面側(グリーンシー
ト23の積層側)と、グリーンシート25の接地導体2
6が形成されていない面側が対向するように積層され
る。
【0020】その後、積層されたグリーンシート20,
23,25を同時焼成すると共に接地導体22,26を
接続することで、図2Eのように図1に示す構造の帯域
フィルタを生成することができる。なお、接地導体でシ
ールドを行う場合、グリーンシートの側面にも接地導体
を設けるものとして、この側面の接地導体を接続するこ
とでシールドを行うものとしたり、バイアホールを複数
設けて接地導体22と接地導体26の接続およびシール
ドを行うものとしても良く、以下に示す場合も同様であ
る。
【0021】次に、有機系誘電体基板を用いて帯域フィ
ルタを構成する場合を図3に示す。図3Aに示すよう
に、有機系誘電体基板30、例えばガラス布基材にエポ
キシ樹脂を含浸させた有機系誘電体基板(誘電率は5程
度)や、ガラス布基材にテフロン樹脂を含浸させた有機
系誘電体基板(誘電率は2程度)などの一方の面には、
銅や金などの金属材料を用いて図1の共振器パターン1
3a,13bと同様な共振器パターン31a,31bを
メッキ法等によって形成する。また、他方の面には同様
にして接地導体32を形成する。なお、有機系誘電体基
板30の両面に銅や金などの金属材料を用いた導体層を
形成して、一方の面の導体層を接地導体32として用い
ると共に、他方の導体層に対してエッチング処理等を行
うことで共振器パターン31a,31bを形成するもの
としても良い。
【0022】その後、図3Bのように有機系誘電体基板
30よりも誘電率の高い誘電体33を共振器パターン3
1a,31b間に設けたのち熱を加えて硬化させる。こ
の誘電体33としては、例えばガラス布基材にテフロン
樹脂を含浸させた有機系誘電体基板を用いている場合、
テフロン(誘電率は2程度)とセラミック粉末材料を混
合させて誘電率を6程度に高めたプリプレグ材が誘電体
33として用いられる。なお、ガラス布基材にエポキシ
樹脂を含浸させた有機系誘電体基板を用いている場合、
誘電率を高めたエポキシ系材料が用いられる。
【0023】また、図3Cのように有機系誘電体基板3
0と同じ材質であると共に、一方の面に銅や金などの金
属材料を用いて接地導体36を形成した有機系誘電体基
板35を形成する。
【0024】次に、図3Dのように有機系誘電体基板3
0の共振器パターン31a,31b側に有機系誘電体基
板30と同じ材質のプリプレグ材37を塗布したのち、
有機系誘電体基板30,35を積層する。ここで、有機
系誘電体基板30と有機系誘電体基板35を積層する際
には、有機系誘電体基板30の共振器パターン31a,
31bを形成した面側と、有機系誘電体基板35の接地
導体36が形成されていない面側が対向するように積層
される。
【0025】その後、図3Eのように有機系誘電体基板
30と有機系誘電体基板35を貼り合わせた状態で熱を
加えてプリプレグ材37を硬化させることで、図3Eの
ように図1に示す構造の帯域フィルタを生成することが
できる。
【0026】また、上述の実施の形態では共振器パター
ン間に誘電率の高い層を形成するものとしたが、共振器
パターン間だけでなく図4に示すように共振器パターン
の端部側上面および下面側にも誘電率の高い層を形成す
るものとしてもよい。この場合には、共振器パターン5
1a,51bが形成される位置の間に、他の部分よりも
誘電率の高い誘電体層52が形成されている誘電体基板
50を用いるものとし、誘電体層52が形成された誘電
体基板50に共振器パターン51a,51bが形成され
る。ここで、共振器パターン51a,51bを形成する
際には、共振器パターン51a,51bの間に誘電体層
52が位置するように形成される。
【0027】その後、上述の実施の形態と同様な処理を
行うと共に、共振器パターン51a,51b間の誘電体
層53を共振器パターン51a,51bの端部側上面に
かかるように形成することで図4に示す構造の帯域フィ
ルタを構成することができる。
【0028】なお、帯域フィルタは、トリプレート構造
のものに限られるものではなく、図2Bあるいは図3B
の段階で得られるマイクロストリップライン構造として
も良い。また、ステップインピーダンス共振構造のもの
であっても良いことは勿論である。
【0029】このように、共振器パターン間に誘電率の
高い材料を用いた誘電体層を設けることで、奇モードイ
ンピーダンスZoを小さくして結合度βを大きくするこ
とができるので通過帯域の広帯域化を図ることができ
る。例えば、ステップインピーダンス共振構造の共振器
パターンを誘電率3.3の誘電体基板に形成したときに
は、図5の破線で示す周波数特性となり、共振器パター
ン間に誘電率6.0の誘電体層を設けることで、実線で
示すように広帯域化された周波数特性を得ることができ
る。
【0030】また、上述の実施の形態では、分布定数回
路素子として帯域フィルタを構成する場合について説明
したが、低域フィルタや高域フィルタあるいは結合器等
に対しても同様なアプローチを行うことができる。
【0031】図6は低域フィルタ60の構成を示してお
り、図6Aは低域フィルタ60の分解斜視図、図6Bは
低域フィルタ60の等価回路を示している。誘電体基板
61の一方の面には、直列のインダクタンスを作るパタ
ーン62aと並列容量を作るパターン62bが直列に繰
り返し並べて形成される。また、他方の面は接地導体6
3が形成される。このパターン62a,62bが形成さ
れた誘電体基板61に接地導体66が形成された誘電体
基板65が貼り合わされると共に、接地導体63と接地
導体66が接続されて、トリプレート構造の低域フィル
タ60とされる。
【0032】ここで、図6Cのように並列容量を作るパ
ターン62bの位置に誘電率の高い誘電体層67を設け
るものとすると、並列容量が大きくなり低域フィルタの
特性を可変することができる。なお、図示せずも、直列
インダクタンスを作るパターン62aの位置に誘電率の
高い誘電体層を設けることで、この部分の寄生容量が大
きくなるために、直列インダクタンスが小さくなり低域
フィルタの特性を可変することもできる。
【0033】また、図7は高域フィルタ70の構成を示
しており、図7Aは高域フィルタ70の分解斜視図、図
7Bは高域フィルタ70の等価回路を示している。誘電
体基板71の一方の面には、並列のインダクタンスを作
るパターン72a,72bが形成されると共に、他方の
面には接地導体73が形成される。なお、パターン72
a,72bの端部は接地導体73と短絡される。誘電体
基板75の一方の面には、パターン72a,72bと対
向して直列容量を作ると共に接地導体と接続されること
により並列のインダクタンスを作るパターン76a,7
6b,76cが形成される。また、信号の入出力側とさ
れていない側面には接地導体77が形成される。さらに
誘電体基板78の一方の面には接地導体79が形成され
る。
【0034】誘電体基板71のパターン72a,72b
面上には、誘電体基板75が貼り合わされると共に、誘
電体基板75のパターン76面上には、誘電体基板78
が貼り合わされる。誘電体基板71と誘電体基板75の
貼り合わせでは、パターン72a,72bとパターン7
6a,76bが誘電体基板75を介在させて対向するよ
うに貼り合わされる。また、誘電体基板75と誘電体基
板78の貼り合わせでは、パターン76と接地導体79
が誘電体基板78を介在させて対向するように貼り合わ
される。このように、誘電体基板71,75,78が貼
り合わされると共に、接地導体73,77,79が接続
されて、トリプレート構造の高域フィルタ70とされ
る。
【0035】ここで、図7Cに示すように直列容量を作
るパターン72a,72bの位置に誘電率の高い誘電体
層80を設けるものとすると、直列容量が大きくなり高
域フィルタの特性を可変することができる。なお、図示
せずも並列インダクタンスを作るパターン76cの位置
に誘電率の高い誘電体層を設けるものとすると、この部
分の寄生容量が大きくなるために、並列インダクタンス
が小さくなり高域フィルタの特性を可変することもでき
る。
【0036】また図8Aは結合器100の分解斜視図を
示しており、誘電体基板101の一方の面には、共振器
パターン102a,102bが形成される。また、他方
の面は接地導体103が形成される。この共振器パター
ン102a,102bが形成された誘電体基板101に
接地導体106が形成された誘電体基板105が貼り合
わされると共に、接地導体103と接地導体106が接
続されて、トリプレート構造の結合器100とされる。
【0037】ここで、図8Bのように共振器パターン1
02a,102b間に誘電率の高い誘電体層107を設
けるものとすると、上述の帯域フィルタと同様に奇励振
モードの電界が強められて奇モードインピーダンスZo
が小さくなると共に偶励振モードの電界は略同一とされ
て偶モードインピーダンスZeは略同じ値となる。この
ため、結合器100の周波数特性を可変することができ
る。
【0038】さらに、分布定数回路素子は、1つの部品
単体として構成されるものに限られるものではなく、分
布定数回路素子がアクティブ素子例えば高周波用のディ
スクリート素子やMMIC(Monolithic Microwave Int
egrated Circuit)などの集積回路と接続して用いられ
る場合には、これらのアクティブ素子が搭載されるプリ
ント配線板に予め分布定数回路素子を組み込んで形成す
るものとしても良い。
【0039】図9Aは分布定数回路素子を予め組み込ん
だプリント配線板の構成を示しており、図9Bは図9A
のa−a’線での断面図である。誘電体基板111の一
方の面には、分布定数回路素子を構成するパターン11
2a,112bおよび誘電率の高い誘電体層113が形
成される。また、他方の面は接地導体114が形成され
る。また、誘電体基板115の一方の面には接地導体1
16が形成されると共に、アクティブ素子120と接続
される接続パッド117が形成される。さらに接続パッ
ド117と接続されたバイアホール118が設けられて
おり、誘電体基板111と誘電体基板115が貼り合わ
されたときには、パターン112bとバイアホール11
8が接続される。
【0040】このように、アクティブ素子等が搭載され
るプリント配線板に予め分布定数回路素子を組み込んで
形成することにより、種々の素子等が搭載された回路基
板を効率良く簡単に組み立てることができる。
【0041】なお、上述の実施の形態で示した誘電体基
板や誘電率の高い誘電体層の材料、および分布定数回路
素子構造や製造方法は、例示的なものであって限定的に
解釈されるものでない。また、誘電体層の誘電率を自由
に選択することで所望の特性を得ることができることは
勿論である。
【0042】
【発明の効果】この発明によれば、誘電体基板よりも誘
電率の高い材料を用い、導体パターンの位置に対応して
誘電体層が形成される。このため、分布定数回路素子で
帯域フィルタを構成したときには、共振器を構成する1
対の導体パターンのパターン面と接地導体間に誘電率の
低い誘電体層を設けることで、帯域フィルタの周波数特
性を広帯域化することができる。また、導体パターンと
対応する位置に誘電率の高い誘電体層を設けることで、
低域フィルタや高域フィルタの周波数特性を可変させる
ことができる。
【0043】さらに、誘電率の高い誘電体層を設けた分
布定数回路素子を、プリント配線板に設けることで、種
々の素子等が搭載された回路基板を簡単に製造すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】帯域フィルタの構成を示す図である。
【図2】帯域フィルタの製造方法を示す図である。
【図3】帯域フィルタの他の製造方法を示す図である。
【図4】帯域フィルタの他の構成を示す図である。
【図5】帯域フィルタの周波数特性を示す図である。
【図6】低域フィルタの構成を示す図である。
【図7】高域フィルタの構成を示す図である。
【図8】他の結合器の構成を示す図である。
【図9】プリント配線板の構成を示す図である。
【図10】従来の帯域フィルタの構成を示す図である。
【図11】従来の帯域フィルタの他の構成を示す図であ
る。
【図12】従来の帯域フィルタの他の構成を示す図であ
る。
【図13】結合器の動作を説明するための図である。
【符号の説明】
10・・・帯域フィルタ、11,50,61,65,7
1,75,78,101,105,111,115,2
00,300・・・誘電体基板、12a,12b,2
2,26,32,36,63,66,73,77,7
9,103,106,114,116,302,303
・・・接地導体、13a,13b,21a,21b,3
1a,31b,51a,51b,102a,102b,
201,202,203・・・共振器パターン、14,
52,53,67,80,107,113・・・誘電体
層、20,23,25・・・グリーンシート、30,3
5・・・有機系誘電体基板、33・・・誘電体、37・
・・プリプレグ材、60・・・低域フィルタ、62a,
62b,72a,72b,76a,76b,76c,1
12a,112b・・・パターン、70・・・高域フィ
ルタ、100・・・結合器、117・・・接続パッド、
118・・・バイアホール、120・・・アクティブ素
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/02 H05K 1/02 J

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 接地導体と導体パターンとの間に誘電体
    基板が挟み込まれ、前記導体パターンのパターン形状に
    応じて動作が設定される分布定数回路素子において、 前記誘電体基板よりも誘電率の高い材料を用い、前記導
    体パターンの位置に対応して形成された誘電体層を有す
    ることを特徴とする分布定数回路素子。
  2. 【請求項2】 前記導体パターンは、共振器を構成する
    1対の導体パターンであって、 前記1対の導体パターン間に前記誘電体層を有すること
    を特徴とする請求項1記載の分布定数回路素子。
  3. 【請求項3】 前記接地導体と導体パターンとの間に前
    記誘電体層を有することを特徴とする請求項1記載の分
    布定数回路素子。
  4. 【請求項4】 接地導体と導体パターンとの間に誘電体
    基板が挟み込まれ、前記導体パターンのパターン形状に
    応じて動作が設定される分布定数回路素子の製造方法に
    おいて、 前記誘電体基板としてセラミック材を用いるものとし、 前記セラミック材よりも誘電率の高い材料を前記導体パ
    ターンの位置に対応して積層したのち焼成することを特
    徴とする分布定数回路素子の製造方法。
  5. 【請求項5】 共振器を構成する1対の導体パターンを
    前記導体パターンとして形成し、 前記セラミック材料よりも誘電率の高い材料を前記1対
    の導体パターンのパターン間に積層したのち焼成するこ
    とを特徴とする請求項4記載の分布定数回路素子の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記セラミック材料よりも誘電率の高い
    材料を前記接地導体と導体パターンとの間に積層したの
    ち焼成することを特徴とする請求項4記載の分布定数回
    路素子の製造方法。
  7. 【請求項7】 接地導体と導体パターンとの間に誘電体
    基板が挟み込まれ、前記導体パターンのパターン形状に
    応じて動作が設定される分布定数回路素子の製造方法に
    おいて、 前記誘電体基板として有機材料を用いるものとし、 前記有機材料よりも誘電率の高いプリプレグ材を前記導
    体パターンの位置に対応して塗布したのち硬化させるこ
    とを特徴とする分布定数回路素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 共振器を構成する1対の導体パターンを
    前記導体パターンとして形成し、 前記有機材料よりも誘電率の高いプリプレグ材を前記1
    対の導体パターンのパターン間に塗布したのち硬化させ
    ることを特徴とする請求項7記載の分布定数回路素子の
    製造方法。
  9. 【請求項9】 前記有機材料よりも誘電率の高いプリプ
    レグ材を前記接地導体と導体パターンとの間に設けたの
    ち硬化させることを特徴とする請求項7記載の分布定数
    回路素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 部品が搭載されるプリント配線板にお
    いて、 前記プリント配線板の絶縁基板を接地導体と導体パター
    ンとで挟み込み、所望の動作の分布定数回路素子となる
    よう前記導体パターンの形状を設定し、 前記誘電体基板よりも誘電率の高い材料を用いた誘電体
    層を前記導体パターンの位置に対応して形成したことを
    特徴とするプリント配線板。
  11. 【請求項11】 前記導体パターンは共振器を構成する
    1対の導体パターンであって、 前記1対の導体パターン間に前記誘電体層を形成したこ
    とを特徴とする請求項10記載のプリント配線板。
  12. 【請求項12】 前記接地導体と前記導体パターンとの
    間に前記誘電体層を形成したことを特徴とする請求項1
    0記載のプリント配線板。
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