JP5044654B2 - バンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器 - Google Patents

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Description

本発明は、バンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器に関するものであり、特にUWB(Ultra Wide Band)に好適に使用可能な非常に広い2つの通過帯域を有するバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器に関するものである。
近年、新しい通信手段としてUWBが着目されている。UWBは10m程度の短い距離において広い周波数帯域を使用して大容量のデータ転送を実現するものであり、例えば米国FCC(Federal Communication Commission)の規定によると3.1〜10.6GHzの周波数帯域を使用する計画となっている。このようにUWBの特徴は非常に広い周波数帯域を用いることである。
このようなUWBに使用可能な超広帯域のフィルタに関する研究は近年盛んに行なわれており、例えば、方向性結合器の原理を応用したバンドパスフィルタによって、通過帯域幅が比帯域(帯域幅/中心周波数)で100%を超える広帯域な特性が得られたとの報告がある(例えば、非特許文献「マイクロストリップ−CPWブロードサイド結合構造を用いた超広帯域バンドパスフィルタ」2005年3月電子情報通信学会総合大会講演論文集 C−2−114 p.147を参照。)。
一方、従来よく使用されるフィルタとして、複数の1/4波長ストリップライン共振器を併設して相互に結合させて構成したバンドパスフィルタが知られている(例えば、特開2004−180032号公報を参照。)。
しかしながら、前記非特許文献および特開2004−180032号公報にて提案されたバンドパスフィルタはそれぞれ問題点を有しており、UWB用のバンドパスフィルタには適さないものであった。
例えば、前記非特許文献にて提案されたバンドパスフィルタは通過帯域幅が広すぎるという問題があった。すなわち、UWBは基本的には3.1GHz〜10.6GHzの周波数帯域を使用するが、国際電気通信連合無線通信部門では、IEEE802.11.aで使用する5.3GHzを避ける形で3.1〜4.7GHz程度の帯域を使用するLow Band(ローバンド)と6GHz〜10.6GHz程度の帯域を使用するHigh Band(ハイバンド)とに分割した企画が立案されている。よって、UWBのLow BandおよびHigh Bandに使用されるフィルタには、それぞれ比帯域で40%〜50%程度の通過帯域幅と5.3GHzにおける減衰が同時に要求されるため、通過帯域幅が比帯域で100%を超えるような特性を有する非特許文献1にて提案されたバンドパスフィルタは通過帯域幅が広すぎて使えないものであった。
また、従来の1/4波長共振器を使用したバンドパスフィルタの通過帯域幅は狭すぎ、広帯域化を図った特開2004−180032号公報に記載のバンドパスフィルタの通過帯域幅であっても比帯域で10%にも満たないものであった。よって、比帯域で40%〜50%に相当する広い通過帯域幅を要求されるUWB用のバンドパスフィルタとして使えるものではなかった。
本発明はこのような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、UWBのLow Band用フィルタおよびHigh Band用フィルタを1つのフィルタでまかなうことが可能な、超広帯域かつ適度な広さの2つの通過帯域を有するバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器を提供することにある。
本発明の他の目的は、UWBのLow Band用フィルタおよびHigh Band用フィルタを1つのフィルタでまかなうことが可能な、非常に広い2つの通過帯域の全体に渡って入力インピーダンスが良好に整合されて挿入損失が小さいバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、UWBのLow Band用フィルタおよびHigh Band用フィルタを1つのフィルタでまかなうことが可能な、非常に広い2つの通過帯域を有するとともに、通過帯域近傍に減衰極が形成されたバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器を提供することにある。
本発明のバンドパスフィルタは、積層体と、第1の接地電極と、第2の接地電極と、帯状の複数の第1の共振電極と、帯状の複数の第2の共振電極と、帯状の入力結合電極と、帯状の出力結合電極とを備える。積層体は、複数の誘電体層が積層されてなる。第1の接地電極は、該積層体の下面に配置され、接地電位に接続される。第2の接地電極は、前記積層体の上面に配置され、接地電位に接続される。複数の第1の共振電極は、前記積層体の第1の層間に相互に電磁界結合するように横並びに配置され、それぞれ一方端が接地電位に接続されて1/4波長共振器として機能する。複数の第2の共振電極は、前記積層体の前記第1の層間とは異なる第2の層間に相互に電磁界結合するように横並びに配置され、それぞれ一方端が接地電位に接続されて、前記第1の共振電極よりも高い周波数で共振する1/4波長共振器として機能する。入力結合電極は、前記積層体の前記第1の層間と前記第2の層間との間に位置する第3の層間に配置され、前記複数の第1の共振電極のうち入力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ前記複数の第2の共振電極のうち入力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点を有する。出力結合電極は、前記積層体の前記第3の層間に配置され、前記複数の第1の共振電極のうち出力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ前記複数の第2の共振電極のうち出力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路へ向けて電気信号が出力される電気信号出力点を有する。前記入力段の第1の共振電極の前記一方端と前記入力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置している。前記出力段の第1の共振電極の前記一方端と前記出力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置している。前記電気信号入力点は、前記入力結合電極の長さ方向において、前記入力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第1の共振電極の他方端に近い側で、かつ前記入力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第2の共振電極の他方端に近い側に位置している。前記電気信号出力点は、前記出力結合電極の長さ方向において、前記出力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第1の共振電極の他方端に近い側で、かつ前記出力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第2の共振電極の他方端に近い側に位置している。
本発明のバンドパスフィルタは、積層体と、第1の接地電極と、第2の接地電極と、帯状の複数の第1の共振電極と、帯状の複数の第2の共振電極と、複合入力結合電極と、複合出力結合電極とを備える。積層体は、複数の誘電体層が積層されてなる。第1の接地電極は、該積層体の下面に配置される。第2の接地電極は、前記積層体の上面に配置される。複数の第1の共振電極は、前記積層体の第1の層間に相互に電磁界結合するように横並びに配置され、それぞれ一方端が接地されて1/4波長共振器として機能する。複数の第2の共振電極は、前記積層体の前記第1の層間とは異なる第2の層間に相互に電磁界結合するように横並びに配置され、それぞれ一方端が接地されて、前記第1の共振電極よりも高い周波数で共振する1/4波長共振器として機能する。複合入力結合電極は、前記積層体の前記第1の層間と前記第2の層間との間に位置する第3の層間に配置されて前記複数の第1の共振電極のうち入力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向する帯状の第1の入力結合電極および前記積層体の前記第2の層間と前記第3の層間との間に位置する第4の層間に配置されて前記複数の第2の共振電極のうち入力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向する帯状の第2の入力結合電極ならびに前記第1の入力結合電極および前記第2の入力結合電極を接続する入力側接続導体からなり、前記入力段の第1の共振電極および前記入力段の第2の共振電極と電磁界結合するとともに外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点を有する。複合出力結合電極は、前記積層体の前記第3の層間に配置されて前記複数の第1の共振電極のうち出力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向する帯状の第1の出力結合電極および前記積層体の前記第4の層間に配置されて前記複数の第2の共振電極のうち出力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向する帯状の第2の出力結合電極ならびに前記第1の出力結合電極および前記第2の出力結合電極を接続する出力側接続導体からなり、前記出力段の第1の共振電極および前記出力段の第2の共振電極と電磁界結合するとともに外部回路からの電気信号が出力される電気信号出力点を有する。前記入力段の第1の共振電極の前記一方端と前記入力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置している。前記出力段の第1の共振電極の前記一方端と前記出力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置している。前記電気信号入力点および前記入力側接続導体は、前記複合入力結合電極の長さ方向において、前記入力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第1の共振電極の他方端に近い側で、かつ前記入力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第2の共振電極の他方端に近い側に位置している。前記電気信号出力点および前記出力側接続導体は、前記複合出力結合電極の長さ方向において、前記出力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第1の共振電極の他方端に近い側で、かつ前記出力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第2の共振電極の他方端に近い側に位置している。
本発明のバンドパスフィルタは、積層体と、第1の接地電極と、第2の接地電極と、帯状の4個以上の第1の共振電極と、帯状の4個以上の第2の共振電極と、帯状の入力結合電極と、帯状の出力結合電極と、第1の共振電極結合導体とを備える。積層体は、複数の誘電体層が積層されてなる。第1の接地電極は、該積層体の下面に配置される。第2の接地電極は、前記積層体の上面に配置される。第1の共振電極は、前記積層体の第1の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置され、それぞれ前記一方端が接地されて1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する。第2の共振電極は、前記積層体の前記第1の層間とは異なる第2の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置され、それぞれ前記一方端が接地されて、前記第1の共振電極よりも高い周波数で共振する1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する。入力結合電極は、前記積層体の前記第1の層間と前記第2の層間との間に位置する第3の層間に配置され、前記4個以上の第1の共振電極のうち入力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ前記4個以上の第2の共振電極のうち入力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点を有する。出力結合電極は、前記積層体の前記第3の層間に配置され、前記4個以上の第1の共振電極のうち出力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ前記4個以上の第2の共振電極のうち出力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路へ向けて電気信号が出力される電気信号出力点を有する。第1の共振電極結合導体は、前記積層体の前記第1の層間を間に挟んで前記第3の層間と反対側に位置する第4の層間に配置され、隣り合う4以上の偶数個の前記第1の共振電極からなる第1の共振電極群を構成する最前段の第1の共振電極の前記一方端の近傍で一方端が接地され、前記第1の共振電極群を構成する最後段の第1の共振電極の前記一方端の近傍で他方端が接地されており、前記最前段の第1の共振電極および前記最後段の第1の共振電極の前記一方端側にそれぞれ対向して電磁界結合する領域を有する。前記入力段の第1の共振電極の前記一方端と前記入力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置している。前記出力段の第1の共振電極の前記一方端と前記出力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置している。前記電気信号入力点は、前記入力結合電極の長さ方向において、前記入力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第1の共振電極の前記他方端に近い側で、かつ前記入力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第2の共振電極の前記他方端に近い側に位置している。前記電気信号出力点は、前記出力結合電極の長さ方向において、前記出力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第1の共振電極の前記他方端に近い側で、かつ前記出力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第2の共振電極の前記他方端に近い側に位置している。
本発明のバンドパスフィルタは、積層体と、第1の接地電極と、第2の接地電極と、帯状の4個以上の第1の共振電極と、帯状の4個以上の第2の共振電極と、帯状の入力結合電極と、帯状の出力結合電極と、第2の共振電極結合導体とを備える。積層体は、複数の誘電体層が積層されてなる。第1の接地電極は、該積層体の下面に配置される。第2の接地電極は、前記積層体の上面に配置される。第1の共振電極は、前記積層体の第1の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置され、それぞれ前記一方端が接地されて1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する。第2の共振電極は、前記積層体の前記第1の層間とは異なる第2の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置され、それぞれ前記一方端が接地されて、前記第1の共振電極よりも高い周波数で共振する1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する。入力結合電極は、前記積層体の前記第1の層間と前記第2の層間との間に位置する第3の層間に配置され、前記4個以上の第1の共振電極のうち入力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ前記4個以上の第2の共振電極のうち入力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点を有する。出力結合電極は、前記積層体の前記第3の層間に配置され、前記4個以上の第1の共振電極のうち出力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ前記4個以上の第2の共振電極のうち出力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路へ向けて電気信号が出力される電気信号出力点を有する。第2の共振電極結合導体は、前記積層体の前記第2の層間を間に挟んで前記第3の層間と反対側に位置する第5の層間に配置され、隣り合う4以上の偶数個の前記第2の共振電極からなる第2の共振電極群を構成する最前段の第2の共振電極の前記一方端の近傍で一方端が接地され、前記第2の共振電極群を構成する最後段の第2の共振電極の前記一方端の近傍で他方端が接地されており、前記最前段の第2の共振電極および前記最後段の第2の共振電極の前記一方端側にそれぞれ対向して電磁界結合する領域を有する。前記入力段の第1の共振電極の前記一方端と前記入力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置している。前記出力段の第1の共振電極の前記一方端と前記出力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置している。前記電気信号入力点は、前記入力結合電極の長さ方向において、前記入力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第1の共振電極の前記他方端に近い側で、かつ前記入力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第2の共振電極の前記他方端に近い側に位置している。前記電気信号出力点は、前記出力結合電極の長さ方向において、前記出力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第1の共振電極の前記他方端に近い側で、かつ前記出力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第2の共振電極の前記他方端に近い側に位置している。
本発明のバンドパスフィルタは、積層体と、第1の接地電極と、第2の接地電極と、帯状の4個以上の第1の共振電極と、帯状の4個以上の第2の共振電極と、帯状の入力結合電極と、帯状の出力結合電極と、第1の共振電極結合導体と、第2の共振電極結合導体とを備える。積層体は、複数の誘電体層が積層されてなる。第1の接地電極は、該積層体の下面に配置される。第2の接地電極は、前記積層体の上面に配置される。第1の共振電極は、前記積層体の第1の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置され、それぞれ前記一方端が接地されて1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する。第2の共振電極は、前記積層体の前記第1の層間とは異なる第2の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置され、それぞれ前記一方端が接地されて、前記第1の共振電極よりも高い周波数で共振する1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する。入力結合電極は、前記積層体の前記第1の層間と前記第2の層間との間に位置する第3の層間に配置され、前記4個以上の第1の共振電極のうち入力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ前記4個以上の第2の共振電極のうち入力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点を有する。出力結合電極は、前記積層体の前記第3の層間に配置され、前記4個以上の第1の共振電極のうち出力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ前記4個以上の第2の共振電極のうち出力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路へ向けて電気信号が出力される電気信号出力点を有する。第1の共振電極結合導体は、前記積層体の前記第1の層間を間に挟んで前記第3の層間と反対側に位置する第4の層間に配置され、隣り合う4以上の偶数個の前記第1の共振電極からなる第1の共振電極群を構成する最前段の第1の共振電極の前記一方端の近傍で一方端が接地され、前記第1の共振電極群を構成する最後段の第1の共振電極の前記一方端の近傍で他方端が接地されており、前記最前段の第1の共振電極および前記最後段の第1の共振電極の前記一方端側にそれぞれ対向して電磁界結合する領域を有する。第2の共振電極結合導体は、前記積層体の前記第2の層間を間に挟んで前記第3の層間と反対側に位置する第5の層間に配置され、隣り合う4以上の偶数個の前記第2の共振電極からなる第2の共振電極群を構成する最前段の第2の共振電極の前記一方端の近傍で一方端が接地され、前記第2の共振電極群を構成する最後段の第2の共振電極の前記一方端の近傍で他方端が接地されており、前記最前段の第2の共振電極および前記最後段の第2の共振電極の前記一方端側にそれぞれ対向して電磁界結合する領域を有する。前記入力段の第1の共振電極の前記一方端と前記入力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置している。前記出力段の第1の共振電極の前記一方端と前記出力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置している。前記電気信号入力点は、前記入力結合電極の長さ方向において、前記入力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第1の共振電極の前記他方端に近い側で、かつ前記入力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第2の共振電極の前記他方端に近い側に位置している。前記電気信号出力点は、前記出力結合電極の長さ方向において、前記出力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第1の共振電極の前記他方端に近い側で、かつ前記出力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第2の共振電極の前記他方端に近い側に位置している。
本発明の無線通信モジュールは、上記各構成のいずれかの本発明のバンドパスフィルタを備える。
本発明の無線通信機器は、上記各構成のいずれかの本発明のバンドパスフィルタを含むRF部と、該RF部に接続されたベースバンド部と、前記RF部に接続されたアンテナとを備える。
本発明の目的、特色、および利点は、下記の詳細な説明と図面とからより明確になるであろう。
本発明の第1の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。 図1に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。 図1に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 図1のX−X’線断面図である。 本発明の第2の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。 図5に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。 図5に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 図5のY−Y’線断面図である。 本発明の第3の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す分解斜視図である。 本発明の第4の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す分解斜視図である。 図10に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 本発明の第5の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。 図12に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。 図12のZ−Z’線断面図である。 本発明の第6の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。 図15に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。 図15に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 図15のP−P’線断面図である。 本発明の第7の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。 図19に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。 図19に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 図19のQ−Q’線断面図である。 本発明の第8の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す分解斜視図である。 本発明の第9の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す分解斜視図である。 図24に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 本発明の第10の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。 図26に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。 図26のR−R’線断面図である。 本発明の第11の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。 図29に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。 図29に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 図29のS−S’線断面図である。 本発明の第12の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。 図33に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。 図33に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 図33のT−T’線断面図である。 本発明の第13の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。 図37に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。 図37に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 図37のU−U’線断面図である。 本発明の第14の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す分解斜視図である。 図41に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 本発明の第15の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す分解斜視図である。 本発明の第16の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す分解斜視図である。 本発明の第17の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す分解斜視図である。 図45に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 本発明の第18の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。 図47に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。 図47のV−V’線断面図である。 本発明の第19の実施形態の、バンドパスフィルタを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器の構成例を示すブロック図である。 本発明のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果を示す図である。 本発明のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果を示す図である。 本発明のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果を示す図である。
以下、本発明のバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は本発明の第1の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。図2は図1に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。図3は図1に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。図4は図1のX−X’線断面図である。
本実施形態のバンドパスフィルタは、図1〜図4に示すように、積層体10と、第1の接地電極21と、第2の接地電極22と、帯状の複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dと、帯状の複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dとを備えている。積層体10は、複数の誘電体層11が積層されてなる。第1の接地電極21は、積層体10の下面に配置され、接地電位に接続される。第2の接地電極22は、積層体10の上面に配置され、接地電位に接続される。複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dは、積層体10の第1の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置され、それぞれ一方端が接地電位に接続されて1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する。複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dは、積層体10の第1の層間よりも上側に位置する第2の層間に、一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置され、それぞれ一方端が接地電位に接続されて、第1の共振電極よりも高い周波数で共振する1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する。
また、本実施形態のバンドパスフィルタは、帯状の入力結合電極40aと、帯状の出力結合電極40bとを備えている。入力結合電極40aは、積層体10の第1の層間と第2の層間との間に位置する第3の層間に配置され、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dのうち入力段の第1の共振電極30aの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dのうち入力段の第2の共振電極31aの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点45aを有する。出力結合電極40bは、積層体10の第3の層間に配置され、複数の第1の共振電極のうち出力段の第1の共振電極30bの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dのうち出力段の第2の共振電極31bの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路へ向けて電気信号が出力される電気信号出力点45bを有する。
さらに、本実施形態のバンドパスフィルタは、第1の環状接地電極23と、第2の環状接地電極24とを備えている。第1の環状接地電極23は、積層体10の第1の層間に複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dの周囲を取り囲むように環状に形成され、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dの一方端が接続され、接地電位に接続される。第2の環状接地電極24は、第2の層間に複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dの周囲を取り囲むように環状に形成され、複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dの一方端が接続され、接地電位に接続される。
そして、本実施形態のバンドパスフィルタでは、入力段の第1の共振電極30aの一方端と入力段の第2の共振電極31aの一方端とが同じ側に位置している。出力段の第1の共振電極30bの一方端と出力段の第2の共振電極31bの一方端とが同じ側に位置している。電気信号入力点45aは、入力結合電極40aの長さ方向において、入力段の第1の共振電極30aとの対向部の中央よりも入力段の第1の共振電極30aの他方端に近い側で、かつ入力段の第2の共振電極31aとの対向部の中央よりも入力段の第2の共振電極31aの他方端に近い側に位置している。電気信号出力点45bは、出力結合電極40bの長さ方向において、出力段の第1の共振電極30bとの対向部の中央よりも出力段の第1の共振電極30bの他方端に近い側で、かつ出力段の第2の共振電極31bとの対向部の中央よりも出力段の第2の共振電極31bの他方端に近い側に位置している。
また、本実施形態のバンドパスフィルタは、入力結合電極40aが第6の貫通導体54aを介して積層体10の上面に配置された入力端子電極60aに接続されており、出力結合電極40bが第7の貫通導体54bを介して積層体10の上面に配置された出力端子電極60bに接続されている。よって、入力結合電極40aと第6の貫通導体54aとの接続点が入力結合電極40aにおける電気信号入力点45aとなっており、出力結合電極40bと第7の貫通導体54bとの接続点が出力結合電極40bにおける電気信号出力点45bになっている。
このような構成を備える本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、入力端子電極60aおよび第6の貫通導体54aを介して入力結合電極40aの電気信号入力点45aに外部回路からの電気信号が入力される。すると、入力結合電極40aと電磁界結合する入力段の第1の共振電極30aが励振され、相互に電磁界結合する複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dを介して、出力段の第1の共振電極30bと電磁界結合する出力結合電極40bに電気信号が出力される。このとき、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dが共振する周波数の信号が選択的に通過するため、これによって、第1の通過帯域が形成される。
また、本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、入力端子電極60aおよび第6の貫通導体54aを介して入力結合電極40aの電気信号入力点45aに外部回路からの電気信号が入力されると、入力結合電極40aと電磁界結合する入力段の第2の共振電極31aが励振され、相互に電磁界結合する複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dを介して、出力段の第2の共振電極31bと電磁界結合する出力結合電極40bに電気信号が出力される。このとき、複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dが共振する周波数の信号が選択的に通過するため、これによって、第2の通過帯域が形成される。
このため、本実施形態のバンドパスフィルタは、周波数の異なる2つの通過帯域を有するバンドパスフィルタとして機能する。
本実施形態のバンドパスフィルタにおいて、第1の接地電極21は積層体10の下面の全面に配置されており、第2の接地電極22は積層体10の上面の入力端子電極60aおよび出力端子電極60bの周囲を除いたほぼ全面に配置されており、どちらも接地電位に接続されて、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dと共にストリップライン共振器を構成している。
また、本実施形態のバンドパスフィルタにおいて、帯状の複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dは、第1の接地電極21および第2の接地電極22と共にストリップライン共振器を構成しており、それぞれ一方端が第1の環状接地電極23に接続されて接地電位に接続されることによって1/4波長共振器として機能する。そして、それぞれの電気長は複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dによって形成される通過帯域の中心周波数における波長の1/4程度に設定される。同様に、帯状の複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dは、第1の接地電極21および第2の接地電極22と共にストリップライン共振器を構成しており、それぞれ一方端が第2の環状接地電極24に接続されて接地電位に接続されることによって1/4波長共振器として機能する。そして、それぞれの電気長は複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dによって形成される通過帯域の中心周波数における波長の1/4程度に設定される。
また、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dは、積層体10の第1の層間に横並びに配置されて相互にエッジ結合しており、複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dは、積層体10の第2の層間に横並びに配置されて相互にエッジ結合している。横並びに配置されたそれぞれの共振電極同士の間隔は小さい方が強い結合が得られるが、間隔を小さくすると製造が困難になるので、例えば、0.05〜0.5mm程度に設定される。
さらに、横並びに配置された複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dは、それぞれの共振電極の一方端と他方端とが互い違いになるように配置されていることから、共振電極同士がインターデジタル型に結合するので、磁界による結合と電界による結合とが加算され、コムライン型の結合と比較してより強い結合が生じる。これにより、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dによって形成される通過帯域において、それぞれの共振モードにおける共振周波数の間の周波数間隔を、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた、UWB用のバンドパスフィルタとして好適な比帯域で40%〜50%程度という非常に広い通過帯域幅を得るのに適度なものにすることができる。
同様に、横並びに配置された複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dにおいても、それぞれの共振電極の一方端と他方端とが互い違いになるように配置されていることから、共振電極同士がインターデジタル型に結合するので、複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dによって形成される通過帯域において、それぞれの共振モードにおける共振周波数の間の周波数間隔を、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた、UWB用のバンドパスフィルタとして好適な比帯域で40%〜50%程度という非常に広い通過帯域幅を得るのに適度なものにすることができる。
なお、1つの通過帯域を構成する複数の共振電極の各々を相互にブロードサイド結合させ、かつインターデジタル型に結合させると、結合が強くなりすぎて、比帯域で40%〜50%程度の通過帯域幅を実現するためには好ましくないことが検討によって分かった。
また、本実施形態のバンドパスフィルタにおいて、入力結合電極40aは、積層体10の第1の層間と第2の層間との間に位置する第3の層間に配置され、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dのうち入力段の第1の共振電極30aの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点45aが、入力結合電極40aの長さ方向において、入力段の第1の共振電極30aとの対向部の中央よりも入力段の第1の共振電極30aの他方端に近い側に位置している。そして、出力結合電極40bは、積層体10の第3の層間に配置され、複数の第1の共振電極のうち出力段の第1の共振電極30bの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路へ向けて電気信号が出力される電気信号出力点45bが出力結合電極40bの長さ方向において、出力段の第1の共振電極30bとの対向部の中央よりも出力段の第1の共振電極30bの他方端に近い側に位置している。この構成により、入力結合電極40aと入力段の第1の共振電極30aとは、誘電体層11を介してブロードサイド結合により強く電磁界結合するとともに、インターデジタル型に結合するために、磁界による結合と電界による結合とが加算されてさらに強く電磁界結合する。そして、出力結合電極40bと出力段の第1の共振電極30bとは、誘電体層11を介してブロードサイド結合により強く電磁界結合するとともに、インターデジタル型に結合するために、磁界による結合と電界による結合とが加算されてさらに強く電磁界結合する。このように、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、入力結合電極40aと入力段の第1の共振電極30aとが、誘電体層11を介してブロードサイド結合によって強く電磁界結合するとともに、インターデジタル型の結合によってさらに強く電磁界結合し、出力結合電極40bと出力段の第1の共振電極30bとが、誘電体層11を介してブロードサイド結合によって強く電磁界結合するとともに、インターデジタル型の結合によってさらに強く電磁界結合する。これにより、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dによって形成される通過帯域において、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた広い通過帯域であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失が大きく増加することのない、広い通過帯域の全域に渡って平坦で低損失な通過特性を得ることができる。
また、本実施形態のバンドパスフィルタにおいて、入力結合電極40aは、積層体10の第1の層間と第2の層間との間に位置する第3の層間に配置され、複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dのうち入力段の第2の共振電極31aの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点45aが、入力結合電極40aの長さ方向において、入力段の第2の共振電極31aとの対向部の中央よりも入力段の第2の共振電極31aの他方端に近い側に位置している。そして、出力結合電極40bは、積層体10の第3の層間に配置され、複数の第2の共振電極のうち出力段の第2の共振電極31bの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路へ向けて電気信号が出力される電気信号出力点45bが出力結合電極40bの長さ方向において、出力段の第2の共振電極31bとの対向部の中央よりも出力段の第2の共振電極31bの他方端に近い側に位置している。この構成により、入力結合電極40aと入力段の第2の共振電極31aとは、誘電体層11を介してブロードサイド結合により強く電磁界結合するとともに、インターデジタル型に結合するために、磁界による結合と電界による結合とが加算されてさらに強く電磁界結合する。そして、出力結合電極40bと出力段の第2の共振電極31bとは、誘電体層11を介してブロードサイド結合により強く電磁界結合するとともに、インターデジタル型に結合するために、磁界による結合と電界による結合とが加算されてさらに強く電磁界結合する。このように、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、入力結合電極40aと入力段の第2の共振電極31aとが、誘電体層11を介してブロードサイド結合によって強く電磁界結合するとともに、インターデジタル型の結合によってさらに強く電磁界結合し、出力結合電極40bと出力段の第2の共振電極31bとが、誘電体層11を介してブロードサイド結合によって強く電磁界結合するとともに、インターデジタル型の結合によってさらに強く電磁界結合する。これにより、複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dによって形成される通過帯域において、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた広い通過帯域であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失が大きく増加することのない、広い通過帯域の全域に渡って平坦で低損失な通過特性を得ることができる。
このように、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、入力結合電極40aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとが、誘電体層11を介してブロードサイド結合によって強く電磁界結合するとともに、インターデジタル型の結合によってさらに強く電磁界結合し、出力結合電極40bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとが、誘電体層11を介してブロードサイド結合によって強く電磁界結合するとともに、インターデジタル型の結合によってさらに強く電磁界結合することから、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dによって形成される通過帯域および複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dによって形成される通過帯域の両方において、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた広い通過帯域であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失が大きく増加することのない、広い通過帯域の全域に渡って平坦で低損失な通過特性を得ることができる。
ここで、本実施形態のバンドパスフィルタは、入力段の第1の共振電極30aの一方端と入力段の第2の共振電極31aの一方端とが同じ側に位置しており、出力段の第1の共振電極30bの一方端と出力段の第2の共振電極31bの一方端とが同じ側に位置していることから、このように、入力結合電極40aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとをブロードサイド結合させるとともにインターデジタル型に結合させることができ、出力結合電極40bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとをブロードサイド結合させるとともにインターデジタル型に結合させることができる。
なお、入力結合電極40aおよび出力結合電極40bの形状寸法は入力段の第1の共振電極30aおよび出力段の第1の共振電極30bと同程度に設定されるのが好ましい。また、入力結合電極40aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとの間隔、ならびに出力結合電極40bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとの間隔については、小さくすると結合は強くなるが製造上は難しくなるので、例えば、0.01〜0.5mm程度に設定される。
また、本実施形態のバンドパスフィルタは、第1の層間に複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dの周囲を取り囲むように環状に形成され、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dの一方端が接続された、接地電位に接続される第1の環状接地電極23と、第2の層間に複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dの周囲を取り囲むように環状に形成され、複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dの一方端が接続された、接地電位に接続される第2の環状接地電極24とを備えている。この第1の環状接地電極23および第2の環状接地電極24が存在することにより、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dの両方において、共振電極の長さ方向の両側に接地電位に接続される電極が存在することになるため、モジュール基板の中の一部の領域にバンドパスフィルタが形成されるような場合においても、互い違いに配置された各々の共振電極の一方端を容易に接地電位に接続することができる。また、第1の環状接地電極23が複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dの周囲を環状に取り囲み、第2の環状接地電極23が複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dの周囲を環状に取り囲むことによって、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dから発生する電磁波の周囲への漏洩を低減することができる。この効果はモジュール基板の中の一部の領域にバンドパスフィルタが形成される場合に、モジュール基板の他の領域への悪影響を防止する上で特に有用である。
(第2の実施形態)
図5は本発明の第2の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。図6は図5に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。図7は図5に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。図8は図5のY−Y’線断面図である。なお、本実施形態においては前述した第1の実施形態と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、図5〜図8に示すように、積層体10の第1の層間よりも上側に位置する第3の層間に第1の環状接地電極23に対向する領域と第1の共振電極30a,30bに対向する領域とを有するように配置され、第1の共振電極30a,30bに対向する領域が第1の共振電極30a,30bとの間に位置する誘電体層11を貫通する第1の貫通導体51a,51bによって第1の共振電極30a,30bの他方端側にそれぞれ接続された補助共振電極32a,32bが、第1の共振電極30a,30bの各々に対応して配置されている。そして、積層体10の第1の層間よりも下側に位置する層間Aに第1の環状接地電極23に対向する領域と第1の共振電極30c,30dに対向する領域とを有するように配置され、第1の共振電極30c,30dに対向する領域が第1の共振電極30c,30dとの間に位置する誘電体層11を貫通する第1の貫通導体51c,51dによって第1の共振電極30c,30dの他方端側にそれぞれ接続された補助共振電極32c,32dが、第1の共振電極30c,30dの各々に対応して配置されている。
また、本実施形態のバンドパスフィルタは、積層体10の第3の層間よりも上側に位置する第2の層間に、入力段の第1の共振電極30aに接続された補助共振電極32aに対向する領域と入力結合電極40aに対向する領域とを有するように配置され、入力結合電極40aに対向する領域が入力結合電極40aとの間に位置する誘電体層11を貫通する第2の貫通導体52aによって入力結合電極40aに接続された補助入力結合電極41aを備えている。なお、第2の貫通導体52aは、入力結合電極40aの長さ方向において、入力段の第1の共振電極30aとの対向部の中央よりも入力段の第1の共振電極30aの他方端に近い側で、かつ入力段の第2の共振電極31aとの対向部の中央よりも入力段の第2の共振電極31aの他方端に近い側の端部に接続されている。
さらに、本実施形態のバンドパスフィルタは、積層体10の第2の層間に、出力段の第1の共振電極30bに接続された補助共振電極32bに対向する領域と出力結合電極40bに対向する領域とを有するように配置され、出力結合電極40bに対向する領域が出力結合電極40bとの間に位置する誘電体層11を貫通する第3の貫通導体52bによって出力結合電極40bに接続された補助出力結合電極41bを備えている。なお、第3の貫通導体52bは、出力結合電極40bの長さ方向において、出力段の第1の共振電極30bとの対向部の中央よりも出力段の第1の共振電極30bの他方端に近い側で、かつ出力段の第2の共振電極31bとの対向部の中央よりも出力段の第2の共振電極31bの他方端に近い側の端部に接続されている。
またさらに、本実施形態のバンドパスフィルタは、積層体10の第2の層間よりも上側に位置する層間Bに、入力段の第2の共振電極31aに対向する領域と補助入力結合電極41aに対向する領域とを有するように配置され、入力段の第2の共振電極31aに対向する領域が入力段の第2の共振電極31aとの間に位置する誘電体層11を貫通する第4の貫通導体53aによって、入力段の第2の共振電極31aの他方端側に接続された入力側補助結合共振電極33aを備えている。また、同じく積層体10の層間Bに、出力段の第2の共振電極31bに対向する領域と補助出力結合電極41bに対向する領域とを有するように配置され、出力段の第2の共振電極31bに対向する領域が出力段の第2の共振電極31bとの間に位置する誘電体層11を貫通する第5の貫通導体53bによって、出力段の第2の共振電極31bの他方端側に接続された出力側補助結合共振電極33bを備えている。
本実施形態のバンドパスフィルタによれば、積層体10の第1の層間とは異なる層間に第1の環状接地電極23に対向する領域と第1の共振電極に対向する領域とを有するように配置され、第1の共振電極に対向する領域が第1の共振電極との間に位置する誘電体層11を貫通する第1の貫通導体51a,51b,51c,51dによって第1の共振電極の他方端側に接続された補助共振電極32a,32b,32c,32dが、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dの各々に対応して配置されていることから、補助共振電極32a,32b,32c,32dと第1の環状接地電極23との対向部において両者の間に静電容量が生じるので、第1の共振電極30a,30b,30c,30dの長さをそれぞれ短縮することができ、小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
また、補助共振電極32a,32b,32c,32dはそれぞれ第1の共振電極30a,30b,30c,30dの他方端部分に接続されて、そこから第1の共振電極30a,30b,30c,30dの一方端と反対側に向かって延出されていることから、後に詳しく述べるように、入力段の第1の共振電極30aおよびそれに接続された補助共振電極32aの接合体と、入力結合電極40aおよびそれに接続された補助入力結合電極41aの接合体とが、全体的にブロードサイド結合し、且つインターデジタル型に結合することによって非常に強く結合し、同様に、出力段の第1の共振電極30bおよびそれに接続された補助共振電極32bの接合体と、出力結合電極40bおよびそれに接続された補助出力結合電極41bの接合体とが全体的にブロードサイド結合し、且つインターデジタル型に結合することによって非常に強く結合することを可能にしている。
補助共振電極32a,32b,32c,32dと第1の環状接地電極23との対向部の面積は、必要な大きさと得られる静電容量との兼ね合いから、例えば、0.01〜3mm程度に設定される。補助共振電極32a,32b,32c,32dと第1の環状接地電極23との対向部の間隔は小さい方が大きな静電容量を生じさせることができるが製造上は難しくなるので、例えば、0.01〜0.5mm程度に設定される。
また、本実施形態のバンドパスフィルタは、積層体10の第3の層間よりも上側に位置する第2の層間に、入力段の第1の共振電極30aに接続された補助共振電極32aに対向する領域と入力結合電極40aに対向する領域とを有するように配置され、入力結合電極40aに対向する領域が入力結合電極40aとの間に位置する誘電体層11を貫通する第2の貫通導体52aによって入力結合電極40aに接続された補助入力結合電極41aと、積層体10の第2の層間に、出力段の第1の共振電極30bに接続された補助共振電極32bに対向する領域と出力結合電極40bに対向する領域とを有するように配置され、出力結合電極40bに対向する領域が出力結合電極40bとの間に位置する誘電体層11を貫通する第3の貫通導体52bによって、出力結合電極40bに接続された補助出力結合電極41bとを備えている。これにより、入力段の第1の共振電極30aに接続された補助共振電極32aと補助入力結合電極41aとの間にブロードサイド結合による強い電磁界結合が生じて、入力段の第1の共振電極30aと入力結合電極40aとの間の電磁界結合に加算され、同様に、出力段の第1の共振電極30bに接続された補助共振電極32bと補助出力結合電極41bとの間にブロードサイド結合による強い電磁界結合が生じ、出力段の第1の共振電極30bと出力結合電極40bとの間の電磁界結合に加算される。これによって、入力結合電極40aと入力段の第1の共振電極30aとの間の電磁界結合、および出力結合電極40bと出力段の第1の共振電極30bとの間の電磁界結合がさらに強まるので、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dによって形成される通過帯域において、非常に広い通過帯域幅であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失の増加がさらに低減された、広い通過帯域の全域に渡ってより平坦でより低損失な通過特性を得ることができる。
さらに、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、補助入力結合電極41aが、第2の貫通導体52aによって、入力結合電極40aの長さ方向において、入力段の第1の共振電極30aとの対向部の中央よりも入力段の第1の共振電極30aの他方端に近い側で、かつ入力段の第2の共振電極31aとの対向部の中央よりも入力段の第2の共振電極31aの他方端に近い側に接続され、同様に、補助出力結合電極41bが、第3の貫通導体52bによって、出力結合電極40bの長さ方向において、出力段の第1の共振電極30bとの対向部の中央よりも出力段の第1の共振電極30bの他方端に近い側で、かつ出力段の第2の共振電極31bとの対向部の中央よりも出力段の第2の共振電極31bの他方端に近い側に接続されていることにより、外部回路からの電気信号が補助入力結合電極41aを介して入力結合電極40aに入力され、電気信号が出力結合電極40bから補助出力結合電極41bを介して外部回路へ出力される場合においても、入力結合電極40aと入力段の第1の共振電極30aおよび出力段の第2の共振電極31bとがインターデジタル型に結合され、出力結合電極40bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとがインターデジタル型に結合されることになり、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合を生じさせることができる。
なお、本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、外部回路からの電気信号は入力端子電極60a,第8の貫通導体55a,補助入力結合電極41aおよび第2の貫通導体52aを介して入力結合電極40aに入力されるため、入力結合電極40aと第2の貫通導体52aとの接続点が入力結合電極40aの電気信号入力点45aになっている。また、本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、出力結合電極40bから第3の貫通導体52b,補助出力結合電極41b,第9の貫通導体55bおよび出力端子電極60bを介して外部回路へ電気信号が出力されるので、出力結合電極40bと第3の貫通導体52bとの接続点が出力結合電極40bの電気信号出力点45bになっている。
またさらに、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、補助入力結合電極41aの長さ方向における第2の貫通導体52aに接続された側と反対側の端部が第8の貫通導体55aによって積層体10の上面に配置された入力端子電極60aに接続されていることから、入力段の第1の共振電極30aおよびそれに接続された補助共振電極31aの接合体と、入力結合電極40aおよびそれに接続された補助入力結合電極41aの接合体とが、全体的にインターデジタル型に結合することになるので、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合となる。よって、補助入力結合電極41aの長さ方向において、入力結合電極40aに接続される側と同じ側で入力端子電極60aに接続される場合と比較して、より強い結合を実現することができる。
同様に、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、補助出力結合電極41bの長さ方向における第3の貫通導体52bに接続された側と反対側の端部が第9の貫通導体55bによって積層体10の上面に配置された出力端子電極60bに接続されていることから、入力段の第1の共振電極30bおよびそれに接続された補助共振電極32bの接合体と、出力結合電極40bおよびそれに接続された補助出力結合電極41bの接合体とが、全体的にインターデジタル型に結合することになるので、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合となる。よって、補助出力結合電極41bの長さ方向において、出力結合電極40bに接続される側と同じ側で出力端子電極60bに接続される場合と比較して、より強い結合を実現することができる。
このように、入力段の第1の共振電極30aおよびそれに接続された補助共振電極32aの接合体と、入力結合電極40aおよびそれに接続された補助入力結合電極41aの接合体とが、全体的にブロードサイド結合し、且つインターデジタル型に結合することによって非常に強く結合し、同様に、入力段の第1の共振電極30bおよびそれに接続された補助共振電極32bの接合体と、出力結合電極40bおよびそれに接続された補助出力結合電極41bの接合体とが全体的にブロードサイド結合し、且つインターデジタル型に結合することによって非常に強く結合するので、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dで形成される通過帯域において、非常に広い通過帯域であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失の増加がさらに小さくなり、広い通過帯域の全域に渡ってより平坦でより低損失な通過特性を得ることができる。
なお、補助入力結合電極41aおよび補助出力結合電極41bの幅は、例えば、入力結合電極40aおよび出力結合電極40bと同程度に設定され、補助入力結合電極41aおよび補助出力結合電極41bの長さは、例えば、補助共振電極32a,32bの長さよりも若干長めに設定される。補助入力結合電極41aおよび補助出力結合電極41bと補助共振電極32a,32bとの間の間隔は、小さい方が強い結合を生じさせる点で望ましいが製造上は難しくなるので、例えば、0.01〜0.5mm程度に設定される。
さらにまた、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、積層体10の第2の層間よりも上側に位置する層間Bに、入力段の第2の共振電極31aに対向する領域と補助入力結合電極41aに対向する領域とを有するように配置され、入力段の第2の共振電極31aに対向する領域が入力段の第2の共振電極31aとの間に位置する誘電体層11を貫通する第4の貫通導体53aによって、入力段の第2の共振電極31aの他方端側に接続された入力側補助結合共振電極33aと、同じく積層体10の層間Bに、出力段の第2の共振電極31bに対向する領域と補助出力結合電極41bに対向する領域とを有するように配置され、出力段の第2の共振電極31bに対向する領域が出力段の第2の共振電極31bとの間に位置する誘電体層11を貫通する第5の貫通導体53bによって、出力段の第2の共振電極31bの他方端側に接続された出力側補助結合共振電極33bとを備えている。これにより、入力段の第2の共振電極31aに接続された入力側補助結合共振電極33aと補助入力結合電極41aとの間にブロードサイド結合による強い電磁界結合が生じて、入力段の第2の共振電極31aと入力結合電極40aとの間の電磁界結合に加算され、同様に、出力段の第2の共振電極31bに接続された出力側補助結合共振電極33bと補助出力結合電極41bとの間にブロードサイド結合による強い電磁界結合が生じて、出力段の第2の共振電極31bと出力結合電極40bとの間の電磁界結合に加算される。これによって、入力結合電極40aと入力段の第2の共振電極31aとの間の電磁界結合、および出力結合電極40bと出力段の第2の共振電極31bとの間の電磁界結合をさらに強めることができる。さらに、入力段の第2の共振電極31aおよびそれに接続された入力側補助結合共振電極33aの接合体と、入力結合電極40aおよびそれに接続された補助入力結合電極41aの接合体とが全体的にインターデジタル型に結合するので、磁界による結合と電界による結合とが加算されて、更に強く電磁界結合する。同様に、出力段の第2の共振電極31bおよびそれに接続された出力側補助結合共振電極33bの接合体と、出力結合電極40bおよびそれに接続された補助出力結合電極41bの接合体とが全体的にインターデジタル型に結合することから、磁界による結合と電界による結合とが加算されて、更に強く電磁界結合する。これによって、複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dによって形成される通過帯域において、非常に広い通過帯域幅であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失の増加がさらに低減された、広い通過帯域の全域に渡ってより平坦でより低損失な通過特性を得ることができる。
本実施形態のバンドパスフィルタによれば、前述した第1の実施形態のバンドパスフィルタと比較して、より小型でより広帯域化が可能なバンドパスフィルタを得ることができる。
(第3の実施形態)
図9は本発明の第3の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す分解斜視図である。なお、本実施形態においては前述した第2の実施形態と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本実施形態のバンドパスフィルタは、図9に示すように、第1の層間において、第1の共振電極30a,30cはそれぞれの一方端が同じ側に位置するように配置されており、第1の共振電極30c,30dはそれぞれの一方端が互い違いになるように配置されており、第1の共振電極30d,30bはそれぞれの一方端が同じ側に位置するように配置されている。また、第2の層間において、第1の共振電極31a,31cはそれぞれの一方端が同じ側に位置するように配置されており、第1の共振電極31c,31dはそれぞれの一方端が互い違いになるように配置されており、第1の共振電極31d,31bはそれぞれの一方端が同じ側に位置するように配置されている。
本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、第1の共振電極30a,30cはコムライン型に結合しており、第1の共振電極30c,30dはインターデジタル型に結合しており、第1の共振電極30d,30bはコムライン型に結合している。また、第2の共振電極31a,31cはコムライン型に結合しており、第2の共振電極31c,31dはインターデジタル型に結合しており、第2の共振電極31d,31bはコムライン型に結合している。
また、本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、補助共振電極32c,32dが補助共振電極32a,32bと同様に第3の層間に配置されており、補助入力結合電極41aおよび補助出力結合電極41bが第2の層間と第3の層間との間に位置する第4の層間に配置されている。
さらに、本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、、積層体10の第1の層間よりも下側に位置する層間Aに、第1の共振電極30a,30cの各他方端に対向するように、貫通導体71aを介して環状接地電極23に接続された第1の結合電極70aが配置されている。また、層間Aには、第1の共振電極30d,30bの各他方端に対向するように、貫通導体71bによって環状接地電極23に接続された第2の結合電極70bが配置されている。
またさらに、本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、、積層体10の第2の層間よりも上側に位置する層間Bに、第2の共振電極31a,31cの各他方端に対向するように、貫通導体73aを介して環状接地電極24に接続された第3の結合電極72aが配置されている。また、層間Bには、第2の共振電極31d,31bの各他方端に対向するように、貫通導体73bによって環状接地電極24に接続された第4の結合電極72bが配置されている。
本実施形態のパンドパスフィルタによれば、第1の結合電極70aが第1の共振電極30a,30cのそれぞれと接地電位との間の静電容量を増加させ、第2の結合電極70bが第1の共振電極30d,30bのそれぞれと接地電位との間の静電容量を増加させ、第3の結合電極72aが第2の共振電極31a,31cのそれぞれと接地電位との間の静電容量を増加させ、第4の結合電極72bが第2の共振電極31d,31bのそれぞれと接地電位との間の静電容量を増加させる。よって、第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび第1の共振電極31a,31b,31c,31dの長さを短縮することができるので、小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
また、本実施形態のパンドパスフィルタによれば、第1の結合電極70aにより、隣り合う第1の共振電極30a,30c間の電磁気的な結合を強めることができ、第2の結合電極70bにより、隣り合う第1の共振電極30d,30b間の電磁気的な結合を強めることができ、第3の結合電極72aにより、隣り合う第2の共振電極31a,31c間の電磁気的な結合を強めることができ、第4の結合電極72bにより、隣り合う第2の共振電極31d,31b間の電磁気的な結合を強めることができる。よって、第1の共振電極30a,30b,30c,30dの全てがインターデジタル型に電磁界結合するとともに第1の共振電極31a,31b,31c,31dの全てがインターデジタル型に電磁界結合する場合と同様に広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
(第4の実施形態)
図10は本発明の第4の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す分解斜視図である。図11は図10に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。なお、本実施形態においては前述した第2の実施形態と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本実施形態のバンドパスフィルタによれば、第1の環状接地電極23に対向する領域と第1の共振電極に対向する領域とを有するように配置され、第1の共振電極に対向する領域が第1の共振電極との間に位置する誘電体層11を貫通する第1の貫通導体51a,51b,51c,51dによって第1の共振電極の他方端側に接続された補助共振電極32a,32b,32c,32dが、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dの各々に対応して、積層体10の第1の層間よりも上側の第3の層間および第1の層間よりも下側の層間Aの両方に配置されている。これにより、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dのそれぞれが、2つの補助共振電極を備えることになるので、第1の共振電極30a,30b,30c,30dの長さをそれぞれさらに短縮することができ、さらに小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
(第5の実施形態)
図12は本発明の第5の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。図13は図12に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。図14は図12のZ−Z’線断面図である。なお、本実施形態においては前述した第1の実施形態と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本実施形態のバンドパスフィルタは、図12〜図14に示すように、積層体は第1の積層体10aおよびその上に配置された第2の積層体10bによって構成されている。第1の接地電極21は第1の積層体10aの下面に配置されている。第2の接地電極22は第2の積層体10bの上面に配置されている。第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび第1の環状接地電極23が配置された第1の層間は、第1の積層体10a中の層間である。第2の共振電極31a,31b,31c,31dおよび第2の環状接地電極24が配置された第2の層間は、第2の積層体10b中の層間である。入力結合電極40aおよび出力結合電極40bが配置された第3の層間は、第1の積層体10aと第2の積層体10bとの間の層間である。なお、第1の積層体10aは複数の誘電体層11aが積層されて構成されており、第2の積層体10bは複数の誘電体層11bが積層されて構成されている。
このような構成を備える本実施形態のバンドパスフィルタによれば、互いに共振周波数の異なる第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび第2の共振電極31a,31b,31c,31dのそれぞれが配置された領域が入力結合電極40aおよび出力結合電極40bが配置された第3の層間を境にして第1の積層体10aと第2の積層体10bとに分割されていることにより、第1の積層体10aおよび第2の積層体10bをそれぞれ構成する誘電体層の電気特性を異ならせることによって所望の電気特性を容易に得ることが可能となる。例えば、共振周波数が低いために第2の共振電極31a,31b,31c,31dよりも長い第1の共振電極30a,30b,30c,30dが配置された第1の積層体10aを構成する誘電体層11aの誘電率を第2の積層体10bを構成する誘電体層11bの誘電率よりも高くすることにより、第1の共振電極30a,30b,30c,30dの長さを短縮することができるので、バンドパスフィルタ中の無駄なスペースを無くしてバンドパスフィルタを小型化することができる。また、本実施形態のバンドパスフィルタは、入力結合電極40aおよび出力結合電極40bが配置された第3の層間を間に挟んで上下に分かれて配置された電極同士における電磁界結合を必要としない構造であるため、第3の層間を境にして第1の積層体10aと第2の積層体10bとに分割することによって、第1の積層体10aと第2の積層体10bとの間に位置ずれが生じた場合や第1の積層体10aと第2の積層体10bとの境界に空気層が介在する場合等の電気特性の悪化を最小限に抑えることができる。さらに、例えば、第1の積層体10aがバンドパスフィルタが構成される領域以外の領域の表面に他の電子部品等が搭載されるモジュール用基板である場合には、バンドパスフィルタの一部が第2の積層体10b中に配置されることによって、モジュール用基板の厚みを薄くすることができるので、モジュール全体の厚みを薄くすることが可能なバンドパスフィルタ付き基板を得ることができる。
(第6の実施形態)
図15は本発明の第6の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。図16は図15に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。図17は図15に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。図18は図15のP−P’線断面図である。
本実施形態のバンドパスフィルタは、図15〜図18に示すように、積層体10と、第1の接地電極21と、第2の接地電極22と、帯状の複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dと、帯状の複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dとを備えている。積層体10は、複数の誘電体層11が積層されてなる。、第1の接地電極21は、積層体10の下面に配置される。第2の接地電極22は、積層体10の上面に配置される。複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dは、積層体10の第1の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置され、それぞれ一方端が接地されて1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する。複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dは、積層体10の第1の層間とは異なる第2の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置され、それぞれ一方端が接地されて、第1の共振電極よりも高い周波数で共振する1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する。
また、本実施形態のバンドパスフィルタは、複合入力結合電極140aと、複合出力結合電極140bとを備えている。複合入力結合電極140aは、積層体10の第1の層間と第2の層間との間に位置する第3の層間に配置されて複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dのうち入力段の第1の共振電極30aの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向する帯状の第1の入力結合電極141aおよび積層体10の第2の層間と第3の層間との間に位置する第4の層間に配置されて複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dのうち入力段の第2の共振電極31aの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向する帯状の第2の入力結合電極142aならびに第1の入力結合電極141aおよび第2の入力結合電極142aを接続する入力側接続導体143aからなり、入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aと電磁界結合するとともに外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点45aを有する。複合出力結合電極140bは、積層体10の第3の層間に配置されて複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dのうち出力段の第1の共振電極30bの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向する帯状の第1の出力結合電極141bおよび積層体10の第4の層間に配置されて複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dのうち出力段の第2の共振電極31bの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向する帯状の第2の出力結合電極142bならびに第1の出力結合電極141bおよび第2の出力結合電極142bを接続する出力側接続導体143bからなり、出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bと電磁界結合するとともに外部回路からの電気信号が出力される電気信号出力点45bを有する。
さらに、本実施形態のバンドパスフィルタは、第1の環状接地電極23と、第2の環状接地電極24とを備えている。第1の環状接地電極23は、積層体10の第1の層間に複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dの周囲を取り囲むように環状に形成され、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dの一方端が接続される。第2の環状接地電極24は、第2の層間に複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dの周囲を取り囲むように環状に形成され、複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dの一方端が接続される。
そして、本実施形態のバンドパスフィルタは、入力段の第1の共振電極30aの一方端と入力段の第2の共振電極31aの一方端とが同じ側に位置している。出力段の第1の共振電極30bの一方端と出力段の第2の共振電極31bの一方端とが同じ側に位置している。電気信号入力点45aおよび入力側接続導体143aは、複合入力結合電極140aの長さ方向において、入力段の第1の共振電極30aとの対向部の中央よりも入力段の第1の共振電極30aの他方端に近い側で、かつ入力段の第2の共振電極31aとの対向部の中央よりも入力段の第2の共振電極31aの他方端に近い側に位置している。電気信号出力点45bおよび出力側接続導体143bは、複合出力結合電極140bの長さ方向において、出力段の第1の共振電極30bとの対向部の中央よりも出力段の第1の共振電極30bの他方端に近い側で、かつ出力段の第2の共振電極31bとの対向部の中央よりも出力段の第2の共振電極31bの他方端に近い側に位置している。
また、本実施形態のバンドパスフィルタは、複合入力結合電極140aが貫通導体50aを介して積層体10の上面に配置された入力端子電極60aに接続されており、複合出力結合電極140bが貫通導体50bを介して積層体10の上面に配置された出力端子電極60bに接続されている。よって、複合入力結合電極140aと貫通導体50aとの接続点が複合入力結合電極140aにおける電気信号入力点45aとなっており、複合出力結合電極140bと貫通導体50bとの接続点が複合出力結合電極140bにおける電気信号出力点45bになっている。
このような構成を備える本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、入力端子電極60aおよび貫通導体50aを介して複合入力結合電極140aの電気信号入力点45aに外部回路からの電気信号が入力されると、複合入力結合電極140aと電磁界結合する入力段の第1の共振電極30aが励振されることによって、相互に電磁界結合する複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dが共振し、出力段の第1の共振電極30bと電磁界結合する複合出力結合電極140bの電気信号出力点45bから貫通導体50bおよび出力端子電極60bを介して外部回路に電気信号が出力される。このとき、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dが共振する周波数を含む第1周波数帯域の信号が選択的に通過するため、これによって、第1の通過帯域が形成される。
また、本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、入力端子電極60aおよび貫通導体50aを介して複合入力結合電極140aの電気信号入力点45aに外部回路からの電気信号が入力されると、複合入力結合電極140aと電磁界結合する入力段の第2の共振電極31aが励振されることによって、相互に電磁界結合する複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dが共振し、出力段の第2の共振電極31bと電磁界結合する複合出力結合電極140bの電気信号出力点45bから貫通導体50bおよび出力端子電極60bを介して外部回路に電気信号が出力される。このとき、複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dが共振する周波数を含む第2周波数帯域の信号が選択的に通過するため、これによって、第2の通過帯域が形成される。
このようにして、本実施形態のバンドパスフィルタは、周波数の異なる2つの通過帯域を有するバンドパスフィルタとして機能する。
本実施形態のバンドパスフィルタにおいて、第1の接地電極21は積層体10の下面の全面に配置されており、第2の接地電極22は積層体10の上面の入力端子電極60aおよび出力端子電極60bの周囲を除いたほぼ全面に配置されており、どちらも接地されて、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dと共にストリップライン共振器を構成している。
また、本実施形態のバンドパスフィルタにおいて、帯状の複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dは、それぞれ一方端が第1の環状接地電極23に接続されて接地されることによって1/4波長共振器として機能する。そして、それぞれの電気長は複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dによって形成される通過帯域の中心周波数における波長の1/4程度に設定される。同様に、帯状の複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dは、それぞれ一方端が第2の環状接地電極24に接続されて接地されることによって1/4波長共振器として機能する。そして、それぞれの電気長は複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dによって形成される通過帯域の中心周波数における波長の1/4程度に設定される。
また、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dは、積層体10の第1の層間に横並びに配置されて相互にエッジ結合しており、複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dは、積層体10の第2の層間に横並びに配置されて相互にエッジ結合している。横並びに配置された複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30d同士の間隔および複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31d同士の間隔は、小さい方が強い結合が得られるが、間隔を小さくすると製造が困難になるので、例えば、0.05〜0.5mm程度に設定される。
さらに、横並びに配置された複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dは、それぞれの一方端と他方端とが互い違いになるように配置されていることから、共振電極同士がインターデジタル型に結合するので、磁界による結合と電界による結合とが加算され、コムライン型の結合と比較してより強い結合が生じる。これにより、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dによって形成される通過帯域において、それぞれの共振モードにおける共振周波数の間の周波数間隔を、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた、比帯域で40%〜50%程度という非常に広い通過帯域幅を得るのに適度なものにすることができる。
同様に、横並びに配置された複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dにおいても、それぞれの一方端と他方端とが互い違いになるように配置されていることから、共振電極同士がインターデジタル型に結合するので、複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dによって形成される通過帯域において、それぞれの共振モードにおける共振周波数の間の周波数間隔を、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた、比帯域で40%〜50%程度という非常に広い通過帯域幅を得るのに適度なものにすることができる。
なお、1つの通過帯域を構成する複数の共振電極の各々を相互にブロードサイド結合させ、かつインターデジタル型に結合させると、結合が強くなりすぎて、比帯域で40%〜50%程度の通過帯域幅を実現するためには好ましくないことが検討によって分かった。
また、本実施形態のバンドパスフィルタにおいて、複合入力結合電極140aは、積層体10の第1の層間と第2の層間との間に位置する第3の層間に配置されて入力段の第1の共振電極30aの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向する帯状の第1の入力結合電極141aおよび積層体10の第2の層間と第3の層間との間に位置する第4の層間に配置されて入力段の第2の共振電極31aの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向する帯状の第2の入力結合電極142aならびに第1の入力結合電極141aおよび第2の入力結合電極142aを接続する入力側接続導体143aからなり、入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aと電磁界結合する。外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点45aおよび入力側接続導体143aは、複合入力結合電極140aの長さ方向において、入力段の第1の共振電極30aとの対向部の中央よりも入力段の第1の共振電極30aの他方端に近い側で、かつ入力段の第2の共振電極31aとの対向部の中央よりも入力段の第2の共振電極31aの他方端に近い側に位置している。この構成により、複合入力結合電極140aは、入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとブロードサイド結合するとともにインターデジタル型に結合するため、ブロードサイド結合によって強く電磁界結合するとともに、インターデジタル型の結合によって電界による結合と磁界による結合とが加算されてより強く電磁界結合するので、複合入力結合電極140aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとを非常に強く結合させることができる。さらに、この構成により、複合入力結合電極140aが1層の電極である場合と比較すると、複合入力結合電極140aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとの間の間隔を維持したままで、入力段の第1の共振電極30aと入力段の第2の共振電極31aとの間の間隔を広げることが可能になるため、複合入力結合電極140aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとの間の電磁界結合を弱めることなく、入力段の第1の共振電極30aと入力段の第2の共振電極31aとの間の直接的な電磁界結合を弱めることができ、これによって、複合入力結合電極140aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとの間の電磁界結合をさらに強めることができる。
また、本実施形態のバンドパスフィルタにおいて、複合出力結合電極140bは、積層体10の第3の層間に配置されて出力段の第1の共振電極30bの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向する帯状の第1の出力結合電極141bおよび積層体10の第4の層間に配置されて出力段の第2の共振電極31bの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向する帯状の第2の出力結合電極142bならびに第1の出力結合電極141bおよび第2の出力結合電極142bを接続する出力側接続導体143bからなり、出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bと電磁界結合する。外部回路からの電気信号が出力される電気信号出力点45bおよび出力側接続導体143bは、複合出力結合電極140bの長さ方向において、出力段の第1の共振電極30bとの対向部の中央よりも出力段の第1の共振電極30bの他方端に近い側で、かつ出力段の第2の共振電極31bとの対向部の中央よりも出力段の第2の共振電極31bの他方端に近い側に位置している。この構成により、複合出力結合電極140bは、出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとブロードサイド結合するとともにインターデジタル型に結合するため、ブロードサイド結合によって強く電磁界結合するとともに、インターデジタル型の結合によって電界による結合と磁界による結合とが加算されてより強く電磁界結合するので、複合出力結合電極140bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとを非常に強く結合させることができる。さらに、この構成により、複合出力結合電極140bが2層構造ではなく1層の電極である場合と比較すると、複合出力結合電極140bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとの間の間隔を維持したままで、出力段の第1の共振電極30bと出力段の第2の共振電極31bとの間の間隔を広げることが可能になるため、複合出力結合電極140bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとの間の電磁界結合を弱めることなく、出力段の第1の共振電極30bと出力段の第2の共振電極31bとの間の直接的な電磁界結合を弱めることができ、これによって、複合出力結合電極140bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとの間の電磁界結合をさらに強めることができる。
さらに、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、第1の入力結合電極141aおよび第2の入力結合電極142aの対向領域の中央に対して第1の入力側接続導体143aと反対側に第1の入力結合電極141aと第2の入力結合電極142aとを接続する入力側接続補助導体144aが配置されることにより、複合入力結合電極140aの開放端付近において第1の入力結合電極141aと第2の入力結合電極142aとの間の電位差が小さくなるため、第1の入力結合電極141aと第2の入力結合電極142aとの間の電磁界結合が小さくなるので、第1の入力結合電極141aと入力段の第1の共振電極30aとの間の電磁界結合が強くなり、第2の入力結合電極142aと入力段の第2の共振電極31aとの間の電磁界結合が強くなると推定されるメカニズムによって、複合入力結合電極140aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとの間の電磁界結合をさらに強めることができる。
同様に、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、第1の出力結合電極141bおよび第2の出力結合電極142bの対向領域の中央に対して第1の出力側接続導体143bと反対側に第1の出力結合電極141bおよび第2の出力結合電極142bを接続する出力側接続補助導体144bが配置されていることから、複合出力結合電極140bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとの間の電磁界結合をさらに強めることができる。
さらに、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、入力側接続補助導体144aは第1の入力結合電極141aおよび第2の入力結合電極142aの対向領域における中央に対して電気信号入力点45aおよび第1の入力側接続導体143aが配置された側と反対側の端部に配置されており、出力側接続補助導体144bは第1の出力結合電極141bおよび第2の出力結合電極142bの対向領域における中央に対して電気信号出力点45bおよび第1の出力側接続導体143bが配置された側と反対側の端部に配置されていることから、複合入力結合電極140aおよび複合出力結合電極140bの開放端付近において、第1の入力結合電極141aと第2の入力結合電極142aとの間の電位差および第1の出力結合電極141bと第2の出力結合電極142bとの間の電位差を最も小さくできるので、複合入力結合電極140aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとの間の電磁界結合ならびに複合出力結合電極140bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとの間の電磁界結合をさらに強めることができる。
またさらに、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、入力側接続導体143aおよび入力側接続補助導体144aが第1の入力結合電極141aおよび第2の入力結合電極142aの対向領域の両端部に配置されており、出力側接続導体143bおよび出力側接続補助導体144bが第1の出力結合電極141bおよび第2の出力結合電極142bの対向領域の両端部に配置されていることから、第1の入力結合電極141aおよび第2の入力結合電極142の対向領域の全体に渡って互いの電位を近づけるとともに第1の出力結合電極141bおよび第2の出力結合電極142bの対向領域の全体に渡って互いの電位を近づけることができるので、複合入力結合電極140aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとの間の電磁界結合ならびに複合出力結合電極140bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとの間の電磁界結合をさらに強めることができる。
このように、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、複合入力結合電極140aと入力段の第1の共振電極30a及び入力段の第2の共振電極31aとが非常に強く電磁界結合し、複合出力結合電極140bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとが非常に強く電磁界結合するので、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dによって形成される非常に広い2つの通過帯域の全体に渡って、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数においても入出力インピーダンスの不整合による反射減衰量の減少や挿入損失の増加が少ない、平坦で低損失な通過特性を得ることができる。
ここで、本実施形態のバンドパスフィルタは、入力段の第1の共振電極30aの一方端と入力段の第2の共振電極31aの一方端とが同じ側に位置しており、出力段の第1の共振電極30bの一方端と出力段の第2の共振電極31bの一方端とが同じ側に位置していることから、このように、複合入力結合電極140aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとをブロードサイド結合させるとともにインターデジタル型に結合させることができ、複合出力結合電極140bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとをブロードサイド結合させるとともにインターデジタル型に結合させることができる。
なお、複合入力結合電極140aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとの間隔、ならびに複合出力結合電極140bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとの間隔については、小さくすると結合は強くなるが製造上は難しくなるので、例えば、0.01〜0.5mm程度に設定される。
また、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、第1の層間に複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dの周囲を取り囲むように環状に形成され、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dの一方端が接続された第1の環状接地電極23と、第2の層間に複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dの周囲を取り囲むように環状に形成され、複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dの一方端が接続された第2の環状接地電極24とを備えることから、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dの両方において、共振電極の長さ方向の両側に接地される電極が存在することになるため、互い違いに配置された各々の共振電極の一方端を容易に接地することができる。また、第1の環状接地電極23が複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dの周囲を環状に取り囲み、第2の環状接地電極24が複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dの周囲を環状に取り囲むことによって、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dから発生する電磁波の周囲への漏洩を低減することができる。これらの効果はモジュール基板の中の一部の領域にバンドパスフィルタが形成される場合に特に有用である。
(第7の実施形態)
図19は本発明の第7の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。図20は図19に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。図21は図19に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。図22は図19のQ−Q’線断面図である。なお、本実施形態においては前述した第6の実施形態と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、図19〜図22に示すように、積層体10の第1の層間よりも上側に位置する第3の層間に、第1の環状接地電極23に対向する領域を有するように配置されて貫通導体51aを介して入力段の第1の共振電極30aの開放端に接続された入力段の補助共振電極32aと、第1の環状接地電極23に対向する領域を有するように配置されて貫通導体51bを介して出力段の第1の共振電極30bの開放端に接続された出力段の補助共振電極32bとが配置されている。そして、積層体10の第1の層間よりも下側に位置する層間Aに第1の環状接地電極23に対向する領域を有するように配置され、貫通導体51c,51dによって第1の共振電極30c,30dの他方端にそれぞれ接続された補助共振電極32c,32dが配置されている。
また、本実施形態のバンドパスフィルタは、積層体10の第3の層間よりも上側に位置する第4の層間に、入力段の補助共振電極32aに対向する領域を有するように配置されて貫通導体52aを介して複合入力結合電極140aの電気信号入力点45aに接続された補助入力結合電極46aと、出力段の補助共振電極32bに対向する領域を有するように配置されて貫通導体52bを介して複合出力結合電極140bの電気信号出力点45bに接続された補助出力結合電極46bとを備えている。そして、複合入力結合電極140aが貫通導体52aを介して接続された補助入力結合電極46aは他の貫通導体50aを介して入力端子電極60aに接続されており、複合出力結合電極140bが貫通導体52bを介して接続された補助出力結合電極46bは他の貫通導体50bを介して出力端子電極60bに接続されている。
このような構成を有する本実施形態のバンドパスフィルタによれば、積層体10の第1の層間とは異なる第3の層間および層間Aに、貫通導体51a,51b,51c,51dによって第1の共振電極30a,30b,30c,30dの他方端側にそれぞれ接続された補助共振電極32a,32b,32c,32dが第1の環状接地電極23に対向する領域を有するように配置されていることから、補助共振電極32a,32b,32c,32dのそれぞれと第1の環状接地電極23との対向部において両者の間に静電容量が生じて、補助共振電極32a,32b,32c,32dがそれぞれ接続された第1の共振電極30a,30b,30c,30dと接地電位との間の静電容量に加算されるので、第1の共振電極30a,30b,30c,30dのそれぞれの長さを短縮することができ、小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
また、補助共振電極32a,32b,32c,32dはそれぞれ第1の共振電極30a,30b,30c,30dの他方端部分に接続されて、そこから第1の共振電極30a,30b,30c,30dの一方端と反対側に向かって延出されていることから、入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の補助共振電極32aの接合体と複合入力結合電極140aおよび補助入力結合電極46aの接合体とが全体的にブロードサイド結合し、出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の補助共振電極32bの接合体と複合出力結合電極140bおよび補助出力結合電極46bの接合体とが全体的にブロードサイド結合するので、それぞれを非常に強く結合させることができる。
ここで、補助共振電極32a,32b,32c,32dと第1の環状接地電極23との対向部の面積は、必要な大きさと得られる静電容量との兼ね合いから、例えば、0.01〜3mm程度に設定される。補助共振電極32a,32b,32c,32dと第1の環状接地電極23との対向部の間隔は小さい方が大きな静電容量を生じさせることができるが製造上は難しくなるので、例えば、0.01〜0.5mm程度に設定される。
また、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、積層体10の第4の層間に、入力段の補助共振電極32aに対向する領域を有するように配置されて貫通導体52aを介して複合入力結合電極140aの電気信号入力点45aに接続された補助入力結合電極46aと、出力段の補助共振電極32bに対向する領域を有するように配置されて貫通導体52bを介して複合出力結合電極140bの電気信号出力点45bに接続された補助出力結合電極46bとを備えていることから、入力段の補助共振電極32aと補助入力結合電極46aとの間にブロードサイド結合による強い電磁界結合が生じて入力段の第1の共振電極30aと複合入力結合電極140aとの間の電磁界結合に加算され、同様に、出力段の補助共振電極32bと補助出力結合電極46bとの間にブロードサイド結合による強い電磁界結合が生じて出力段の第1の共振電極30bと複合出力結合電極140bとの間の電磁界結合に加算される。そして、これによって、複合入力結合電極140aと入力段の第1の共振電極30aとの間の電磁界結合、および複合出力結合電極140bと出力段の第1の共振電極30bとの間の電磁界結合がさらに強まるので、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dによって形成される通過帯域において、非常に広い通過帯域幅であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失の増加がさらに低減された、広い通過帯域の全域に渡ってより平坦でより低損失な通過特性を得ることができる。
さらに、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、補助入力結合電極46aが接続される電気信号入力点45aは、複合入力結合電極140aの長さ方向において、入力段の第1の共振電極30aとの対向部の中央よりも入力段の第1の共振電極30aの他方端に近い側で、かつ入力段の第2の共振電極31aとの対向部の中央よりも入力段の第2の共振電極31aの他方端に近い側に位置しており、補助出力結合電極46bが接続される電気信号出力点45bは、複合出力結合電極140bの長さ方向において、出力段の第1の共振電極30bとの対向部の中央よりも出力段の第1の共振電極30bの他方端に近い側で、かつ出力段の第2の共振電極31bとの対向部の中央よりも出力段の第2の共振電極31bの他方端に近い側に位置していることから、外部回路からの電気信号が補助入力結合電極46aを介して複合入力結合電極140aに入力され、電気信号が複合出力結合電極140bから補助出力結合電極46bを介して外部回路へ出力される場合においても、複合入力結合電極140aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとがインターデジタル型に結合され、複合出力結合電極140bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとがインターデジタル型に結合されることになり、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合を生じさせることができる
またさらに、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、補助入力結合電極46aの長さ方向において、貫通導体52aを介して複合入力結合電極140aに接続された側と反対側の端部が他の貫通導体50aを介して入力端子電極60aに接続されていることから、入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の補助共振電極32aの接合体と複合入力結合電極140aおよび補助入力結合電極46aの接合体とが全体的にインターデジタル型に結合するので、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合となる。よって、補助入力結合電極46aの長さ方向において複合入力結合電極140aに接続される側と同じ側で入力端子電極60aに接続される場合と比較して、より強い結合を実現することができる。
同様に、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、補助出力結合電極46bの長さ方向において、貫通導体52bを介して複合出力結合電極140bに接続された側と反対側の端部が他の貫通導体50bを介して出力端子電極60bに接続されていることから、出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の補助共振電極32bの接合体と複合出力結合電極140bおよび補助出力結合電極46bの接合体とが全体的にインターデジタル型に結合することになるので、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合となる。よって、補助出力結合電極46bの長さ方向において複合出力結合電極140bに接続される側と同じ側で出力端子電極60bに接続される場合と比較して、より強い結合を実現することができる。
このように、入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の補助共振電極32aの接合体と、複合入力結合電極140aおよび補助入力結合電極46aの接合体とが、全体的にブロードサイド結合し、且つインターデジタル型に結合することによって非常に強く結合し、同様に、出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の補助共振電極32bの接合体と、複合出力結合電極140bおよび補助出力結合電極46bの接合体とが全体的にブロードサイド結合し、且つインターデジタル型に結合することによって非常に強く結合するので、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dで形成される通過帯域において、非常に広い通過帯域であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失の増加がさらに小さくなり、広い通過帯域の全域に渡ってより平坦でより低損失な通過特性を得ることができる。
なお、補助入力結合電極46aおよび補助出力結合電極46bの幅は、例えば、複合入力結合電極140aおよび複合出力結合電極140bと同程度に設定され、補助入力結合電極46aおよび補助出力結合電極46bの長さは、例えば、補助共振電極32a,32bの長さよりも若干長めに設定される。補助入力結合電極46aおよび補助出力結合電極46bと補助共振電極32a,32bとの間の間隔は、小さい方が強い結合を生じさせる点で望ましいが製造上は難しくなるので、例えば、0.01〜0.5mm程度に設定される。
(第8の実施形態)
図23は本発明の第8の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す分解斜視図である。なお、本実施形態においては前述した第7の実施形態と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本実施形態のバンドパスフィルタは、図23に示すように、第1の層間において、第1の共振電極30a,30cはそれぞれの一方端が同じ側に位置するように配置されており、第1の共振電極30c,30dはそれぞれの一方端が互い違いになるように配置されており、第1の共振電極30d,30bはそれぞれの一方端が同じ側に位置するように配置されている。また、第2の層間において、第1の共振電極31a,31cはそれぞれの一方端が同じ側に位置するように配置されており、第1の共振電極31c,31dはそれぞれの一方端が互い違いになるように配置されており、第1の共振電極31d,31bはそれぞれの一方端が同じ側に位置するように配置されている。さらに、補助共振電極32c,32dが補助共振電極32a,32bと同様に第3の層間に配置されている。
本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、第1の共振電極30a,30cはコムライン型に結合しており、第1の共振電極30c,30dはインターデジタル型に結合しており、第1の共振電極30d,30bはコムライン型に結合している。また、第2の共振電極31a,31cはコムライン型に結合しており、第2の共振電極31c,31dはインターデジタル型に結合しており、第2の共振電極31d,31bはコムライン型に結合している。
また、本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、積層体10の第1の層間よりも下側に位置する層間Aに、第1の共振電極30a,30cの各他方端に対向するように、貫通導体71aを介して環状接地電極23に接続された第1の結合電極70aが配置されている。また、層間Aには、第1の共振電極30d,30bの各他方端に対向するように、貫通導体71bによって環状接地電極23に接続された第2の結合電極70bが配置されている。
さらに、本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、積層体10の第2の層間よりも上側に位置する層間Bに、第2の共振電極31a,31cの各他方端に対向するように、貫通導体73aを介して環状接地電極24に接続された第3の結合電極72aが配置されている。また、層間Bには、第2の共振電極31d,31bの各他方端に対向するように、貫通導体73bによって環状接地電極24に接続された第4の結合電極72bが配置されている。
本実施形態のパンドパスフィルタによれば、第1の結合電極70aが第1の共振電極30a,30cのそれぞれと接地電位との間の静電容量を増加させ、第2の結合電極70bが第1の共振電極30d,30bのそれぞれと接地電位との間の静電容量を増加させ、第3の結合電極72aが第2の共振電極31a,31cのそれぞれと接地電位との間の静電容量を増加させ、第4の結合電極72bが第2の共振電極31d,31bのそれぞれと接地電位との間の静電容量を増加させる。よって、第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび第1の共振電極31a,31b,31c,31dの長さを短縮することができるので、小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
また、本実施形態のパンドパスフィルタによれば、第1の結合電極70aにより、隣り合う第1の共振電極30a,30c間の電磁気的な結合を強めることができ、第2の結合電極70bにより、隣り合う第1の共振電極30d,30b間の電磁気的な結合を強めることができ、第3の結合電極72aにより、隣り合う第2の共振電極31a,31c間の電磁気的な結合を強めることができ、第4の結合電極72bにより、隣り合う第2の共振電極31d,31b間の電磁気的な結合を強めることができる。よって、第1の共振電極30a,30b,30c,30dの全てがインターデジタル型に電磁界結合するとともに第1の共振電極31a,31b,31c,31dの全てがインターデジタル型に電磁界結合する場合と同様に広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
(第9の実施形態)
図24は本発明の第9の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す分解斜視図である。図25は図24に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。なお、本実施形態においては前述した第7の実施形態と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本実施形態のバンドパスフィルタによれば、補助共振電極32a,32b,32c,32dが全て積層体10の第3の層間に配置されており、第1の層間を間に挟んで第3の層間と反対側に位置する層間Aに、第1の環状接地電極23に対向する領域を有するように配置され、貫通導体51a,51b,51c,51dによって複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dの他方端にそれぞれ接続された第2補助共振電極33a,33b,33c,33dが配置されている。
このような構成を有する本実施形態のバンドパスフィルタによれば、第2補助共振電極33a,33b,33c,33dのそれぞれと第1の環状接地電極23との対向部において両者の間に静電容量が生じて、第2補助共振電極33a,33b,33c,33dがそれぞれ接続された第1の共振電極30a,30b,30c,30dと接地電位との間の静電容量に加算されるので、第1の共振電極30a,30b,30c,30dのそれぞれの長さをさらに短縮することができ、さらに小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
(第10の実施形態)
図26は本発明の第10の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。図27は図26に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。図28は図26のR−R’線断面図である。なお、本実施形態においては前述した第6の実施形態と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本実施形態のバンドパスフィルタは、図26〜図28に示すように、積層体は、第1の積層体10aおよびその上に配置された第2の積層体10bによって構成されている。第1の接地電極21は、第1の積層体10aの下面に配置されている。第2の接地電極22は、第2の積層体10bの上面に配置されている。第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび第1の環状接地電極23が配置された第1の層間は、第1の積層体10a中の層間である。第2の共振電極31a,31b,31c,31dおよび第2の環状接地電極24が配置された第2の層間ならびに第2の入力結合電極142aおよび第2の出力結合電極142bが配置された第4の層間は、第2の積層体10b中の層間である。第1の入力結合電極141aおよび第1の出力結合電極141bが配置された第3の層間は、第1の積層体10aと第2の積層体10bとの間の層間である。なお、第1の積層体10aは複数の誘電体層11aが積層されて構成されており、第2の積層体10bは複数の誘電体層11bが積層されて構成されている。
このような構成を備える本実施形態のバンドパスフィルタによれば、互いに共振周波数の異なる第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび第2の共振電極31a,31b,31c,31dのそれぞれが配置された領域が第3の層間を境にして第1の積層体10aと第2の積層体10bとに分割されていることにより、第1の積層体10aおよび第2の積層体10bをそれぞれ構成する誘電体層の物性を異ならせることによって所望の電気特性を容易に得ることが可能となる。例えば、共振周波数が低いために第2の共振電極31a,31b,31c,31dよりも長い第1の共振電極30a,30b,30c,30dが配置された第1の積層体10aを構成する誘電体層11aの誘電率を第2の積層体10bを構成する誘電体層11bの誘電率よりも高くすることにより、第1の共振電極30a,30b,30c,30dの長さを短縮することができるので、バンドパスフィルタ中の無駄なスペースを無くしてバンドパスフィルタを小型化することができる。また、本実施形態のバンドパスフィルタは、第3の層間および第4の層間を間に挟んで上下に分かれて配置された電極同士における電磁界結合を必要としない構造であるため、第3の層間を境にして第1の積層体10aと第2の積層体10bとに分割することによって、第1の積層体10aと第2の積層体10bとの間に位置ずれが生じた場合や第1の積層体10aと第2の積層体10bとの境界に空気層が介在する場合等の電気特性の悪化を最小限に抑えることができる。さらに、例えば、第1の積層体10aがバンドパスフィルタが構成される領域以外の領域の表面に他の電子部品等が搭載されるモジュール用基板である場合には、バンドパスフィルタの一部が第2の積層体10b中に配置されることによって、モジュール用基板の厚みを薄くすることができるので、モジュール全体の厚みを薄くすることが可能なバンドパスフィルタ付き基板を得ることができる。
(第11の実施形態)
図29は本発明の第11の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。図30は図29に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。図31は図29に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。図32は図29のS−S’線断面図である。
本実施形態のバンドパスフィルタは、図29〜図32に示すように、積層体10と、第1の接地電極21と、第2の接地電極22と、帯状の第1の共振電極30a,30b,30c,30dと、帯状の第2の共振電極31a,31b,31c,31dとを備えている。積層体10は、複数の誘電体層11が積層されてなる。第1の接地電極21は、積層体10の下面に配置される。第2の接地電極22は、積層体10の上面に配置される。第1の共振電極30a,30b,30c,30dは、積層体10の第1の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置され、それぞれ一方端が接地されて1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する。第2の共振電極31a,31b,31c,31dは、積層体10の第1の層間とは異なる第2の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置され、それぞれ一方端が接地されて、第1の共振電極よりも高い周波数で共振する1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する。
また、本実施形態のバンドパスフィルタは、帯状の入力結合電極40aと、帯状の出力結合電極40bとを備えている。入力結合電極40aは、積層体10の第1の層間と第2の層間との間に位置する第3の層間に配置され、第1の共振電極30a,30b,30c,30dのうち入力段の第1の共振電極30aの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ第2の共振電極31a,31b,31c,31dのうち入力段の第2の共振電極31aの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点45aを有する。出力結合電極40bは、積層体10の第3の層間に配置され、第1の共振電極30a,30b,30c,30dのうち出力段の第1の共振電極30bの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ第2の共振電極31a,31b,31c,31dのうち出力段の第2の共振電極31bの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路へ向けて電気信号が出力される電気信号出力点45bを有する。
さらに、本実施形態のバンドパスフィルタは、第1の共振電極結合導体71と、第2の共振電極結合導体72とを備えている。第1の共振電極結合導体71は、積層体10の第1の層間を間に挟んで第3の層間と反対側に位置する第4の層間に配置され、隣り合う4個の第1の共振電極30a,30b,30c,30dからなる第1の共振電極群を構成する最前段の第1の共振電極30aの一方端の近傍で一方端が接地され、第1の共振電極群を構成する最後段の第1の共振電極30bの一方端の近傍で他方端が接地されており、最前段の第1の共振電極30aおよび最後段の第1の共振電極30bの一方端側にそれぞれ対向して電磁界結合する領域を有する。第2の共振電極結合導体72は、積層体10の第2の層間を間に挟んで第3の層間と反対側に位置する第5の層間に配置され、隣り合う4個の第2の共振電極31a,31b,31c,31dからなる第2の共振電極群を構成する最前段の第2の共振電極31aの一方端の近傍で一方端が接地され、第2の共振電極群を構成する最後段の第2の共振電極31bの一方端の近傍で他方端が接地されており、最前段の第2の共振電極31aおよび最後段の第2の共振電極31bの一方端側にそれぞれ対向して電磁界結合する領域を有する。
またさらに、本実施形態のバンドパスフィルタは、第1の環状接地電極23と、第2の環状接地電極24とを備えている。第1の環状接地電極23は、積層体10の第1の層間に第1の共振電極30a,30b,30c,30dの周囲を取り囲むように環状に形成され、第1の共振電極30a,30b,30c,30dの一方端が接続される。第2の環状接地電極24は、第2の層間に第2の共振電極31a,31b,31c,31dの周囲を取り囲むように環状に形成され、第2の共振電極31a,31b,31c,31dの一方端が接続される。
そして、本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、第1の共振電極結合導体71は、最前段の第1の共振電極30aに対して平行に対向する帯状の第1の前段側結合領域71aと、最後段の第1の共振電極30bに対して平行に対向する帯状の第1の後段側結合領域71bと、第1の前段側結合領域71aおよび第1の後段側結合領域71bをこれらの領域に対してそれぞれ直交して接続する第1の接続領域71cとから構成されている。第2の共振電極結合導体72は、最前段の第2の共振電極31aに対して平行に対向する帯状の第2の前段側結合領域72aと、最後段の第2の共振電極31bに対して平行に対向する帯状の第2の後段側結合領域72bと、第2の前段側結合領域72aおよび第2の後段側結合領域72bをこれらの領域に対してそれぞれ直交して接続する第2の接続領域72cとから構成されている。なお、第1の共振電極結合導体71の両端部は貫通導体50c,50dを介して第1の環状接地電極23にそれぞれ接続されており、第2の共振電極結合導体72の両端部は貫通導体50e,50fを介して第2の環状接地電極24にそれぞれ接続されている。
また、本実施形態のバンドパスフィルタは、入力段の第1の共振電極30aの一方端と入力段の第2の共振電極31aの一方端とが同じ側に位置している。出力段の第1の共振電極30bの一方端と出力段の第2の共振電極31bの一方端とが同じ側に位置している。電気信号入力点45aは、入力結合電極40aの長さ方向において、入力段の第1の共振電極30aとの対向部の中央よりも入力段の第1の共振電極30aの他方端に近い側で、かつ入力段の第2の共振電極31aとの対向部の中央よりも入力段の第2の共振電極31aの他方端に近い側に位置している。電気信号出力点45bは、出力結合電極40bの長さ方向において、出力段の第1の共振電極30bとの対向部の中央よりも出力段の第1の共振電極30bの他方端に近い側で、かつ出力段の第2の共振電極31bとの対向部の中央よりも出力段の第2の共振電極31bの他方端に近い側に位置している。
さらに、本実施形態のバンドパスフィルタは、入力結合電極40aが貫通導体50aを介して積層体10の上面に配置された入力端子電極60aに接続されており、出力結合電極40bが貫通導体50bを介して積層体10の上面に配置された出力端子電極60bに接続されている。よって、入力結合電極40aと貫通導体50aとの接続点が入力結合電極40aにおける電気信号入力点45aであり、出力結合電極40bと貫通導体50bとの接続点が出力結合電極40bにおける電気信号出力点45bである。
このような構成を備える本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、入力端子電極60aおよび貫通導体50aを介して入力結合電極40aの電気信号入力点45aに外部回路からの電気信号が入力されると、入力結合電極40aと電磁界結合する入力段の第1の共振電極30aが励振されることによって、相互に電磁界結合する複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dが共振し、出力段の第1の共振電極30bと電磁界結合する出力結合電極40bの電気信号出力点45bから貫通導体50bおよび出力端子電極60bを介して外部回路に電気信号が出力される。このとき、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dが共振する周波数を含む第1周波数帯域の信号が選択的に通過するため、これによって、第1の通過帯域が形成される。
また、本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、入力端子電極60aおよび貫通導体50aを介して入力結合電極40aの電気信号入力点45aに外部回路からの電気信号が入力されると、入力結合電極40aと電磁界結合する入力段の第2の共振電極31aが励振されることによって、相互に電磁界結合する複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dが共振し、出力段の第2の共振電極31bと電磁界結合する出力結合電極40bの電気信号出力点45bから貫通導体50bおよび出力端子電極60bを介して外部回路に電気信号が出力される。このとき、複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dが共振する周波数を含む第2周波数帯域の信号が選択的に通過するため、これによって、第2の通過帯域が形成される。
このようにして、本実施形態のバンドパスフィルタは、周波数の異なる2つの通過帯域を有するバンドパスフィルタとして機能する。
本実施形態のバンドパスフィルタにおいて、第1の接地電極21は積層体10の下面の全面に配置されており、第2の接地電極22は積層体10の上面の入力端子電極60aおよび出力端子電極60bの周囲を除いたほぼ全面に配置されており、どちらも接地されて、第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび第2の共振電極31a,31b,31c,31dと共にストリップライン共振器を構成している。
また、本実施形態のバンドパスフィルタにおいて、帯状の第1の共振電極30a,30b,30c,30dは、それぞれ一方端が第1の環状接地電極23に接続されて接地されることによって1/4波長共振器として機能する。そして、それぞれの電気長は第1の共振電極30a,30b,30c,30dによって形成される通過帯域の中心周波数における波長の1/4程度に設定される。同様に、帯状の第2の共振電極31a,31b,31c,31dは、それぞれ一方端が第2の環状接地電極24に接続されて接地されることによって1/4波長共振器として機能する。そして、それぞれの電気長は第2の共振電極31a,31b,31c,31dによって形成される通過帯域の中心周波数における波長の1/4程度に設定される。
また、第1の共振電極30a,30b,30c,30dは、積層体10の第1の層間に横並びに配置されて相互にエッジ結合しており、第2の共振電極31a,31b,31c,31dは、積層体10の第2の層間に横並びに配置されて相互にエッジ結合している。横並びに配置された第1の共振電極30a,30b,30c,30d同士の間隔および第2の共振電極31a,31b,31c,31d同士の間隔は小さい方が強い結合が得られるが、間隔を小さくすると製造が困難になるので、例えば、0.05〜0.5mm程度に設定される。
さらに、横並びに配置された第1の共振電極30a,30b,30c,30dは、それぞれの共振電極の一方端と他方端とが互い違いになるように配置されていることから、共振電極同士がインターデジタル型に結合するので、磁界による結合と電界による結合とが加算され、コムライン型の結合と比較してより強い結合が生じる。これにより、第1の共振電極30a,30b,30c,30dによって形成される通過帯域において、それぞれの共振モードにおける共振周波数の間の周波数間隔を、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた、比帯域で40%〜50%程度という非常に広い通過帯域幅を得るのに適度なものにすることができる。
同様に、横並びに配置された第2の共振電極31a,31b,31c,31dにおいても、それぞれの共振電極の一方端と他方端とが互い違いになるように配置されていることから、共振電極同士がインターデジタル型に結合するので、第2の共振電極31a,31b,31c,31dによって形成される通過帯域において、それぞれの共振モードにおける共振周波数の間の周波数間隔を、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた、比帯域で40%〜50%程度という非常に広い通過帯域幅を得るのに適度なものにすることができる。
なお、1つの通過帯域を構成する共振電極の各々を相互にブロードサイド結合させ、かつインターデジタル型に結合させると、結合が強くなりすぎて、比帯域で40%〜50%程度の通過帯域幅を実現するためには好ましくないことが検討によって分かった。
また、本実施形態のバンドパスフィルタにおいて、入力結合電極40aは、積層体10の第1の層間と第2の層間との間に位置する第3の層間に配置された、第1の共振電極30a,30b,30c,30dのうち入力段の第1の共振電極30aの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ第2の共振電極31a,31b,31c,31dのうち入力段の第2の共振電極31aの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点45aが、入力結合電極40aの長さ方向において、入力段の第1の共振電極30aとの対向部の中央よりも入力段の第1の共振電極30aの他方端に近い側で、かつ入力段の第2の共振電極31aとの対向部の中央よりも入力段の第2の共振電極31aの他方端に近い側に位置している。この構成により、入力結合電極40aは、入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとブロードサイド結合するとともにインターデジタル型に結合するため、ブロードサイド結合によって強く電磁界結合するとともに、インターデジタル型の結合によって電界による結合と磁界による結合とが加算されてより強く電磁界結合するので、入力結合電極40aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとを非常に強く結合させることができる。
さらに、本実施形態のバンドパスフィルタにおいて、出力結合電極40bは、積層体10の第3の層間に配置されて、第1の共振電極30a,30b,30c,30dのうち出力段の第1の共振電極30bの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ第2の共振電極31a,31b,31c,31dのうち出力段の第2の共振電極31bの長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路へ向けて電気信号が出力される電気信号出力点45bが、出力結合電極40bの長さ方向において、出力段の第1の共振電極30bとの対向部の中央よりも出力段の第1の共振電極30bの他方端に近い側で、かつ出力段の第2の共振電極31bとの対向部の中央よりも出力段の第2の共振電極31bの他方端に近い側に位置している。この構成により、出力結合電極40bは、出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとブロードサイド結合するとともにインターデジタル型に結合するため、ブロードサイド結合によって強く電磁界結合するとともに、インターデジタル型の結合によって電界による結合と磁界による結合とが加算されてより強く電磁界結合するので、出力結合電極40bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとを非常に強く結合させることができる。
このように、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、入力結合電極40aと入力段の第1の共振電極30a及び入力段の第2の共振電極31aとが非常に強く電磁界結合し、出力結合電極40bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとが非常に強く電磁界結合するので、第1の共振電極および第2の共振電極によって形成される非常に広い2つの通過帯域の全体に渡って、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数においても挿入損失の増加が少ない、平坦で低損失な通過特性を得ることができる。
ここで、本実施形態のバンドパスフィルタでは、入力段の第1の共振電極30aの一方端と入力段の第2の共振電極31aの一方端とが同じ側に位置しており、出力段の第1の共振電極30bの一方端と出力段の第2の共振電極31bの一方端とが同じ側に位置していることから、このように、入力結合電極40aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとをブロードサイド結合させるとともにインターデジタル型に結合させることができ、出力結合電極40bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとをブロードサイド結合させるとともにインターデジタル型に結合させることができる。
なお、入力結合電極40aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとの間隔、ならびに出力結合電極40bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとの間隔については、小さくすると結合は強くなるが製造上は難しくなるので、例えば、0.01〜0.5mm程度に設定される。
また、本実施形態のバンドパスフィルタは、積層体10の第1の層間に第1の共振電極30a,30b,30c,30dの周囲を取り囲むように環状に形成され、第1の共振電極30a,30b,30c,30dの一方端が接続された第1の環状接地電極23と、第2の層間に第2の共振電極31a,31b,31c,31dの周囲を取り囲むように環状に形成され、第2の共振電極31a,31b,31c,31dの一方端が接続された第2の環状接地電極24とを備えることから、第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび第2の共振電極31a,31b,31c,31dの両方において、共振電極の長さ方向の両側に接地される電極が存在することになるため、互い違いに配置された各々の共振電極の一方端を容易に接地することができる。また、第1の環状接地電極23が第1の共振電極30a,30b,30c,30dの周囲を環状に取り囲み、第2の環状接地電極24が第2の共振電極31a,31b,31c,31dの周囲を環状に取り囲むことによって、第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび第2の共振電極31a,31b,31c,31dから発生する電磁波の周囲への漏洩を低減することができる。この効果はモジュール基板の中の一部の領域にバンドパスフィルタが形成される場合に、モジュール基板の他の領域への悪影響を防止する上で特に有用である。
さらに、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、積層体10の第1の層間を間に挟んで第3の層間と反対側に位置する第4の層間に配置された、隣り合う4個の第1の共振電極30a,30b,30c,30dからなる第1の共振電極群を構成する最前段の第1の共振電極30aの一方端の近傍で一方端が接地され、第1の共振電極群を構成する最後段の第1の共振電極30bの一方端の近傍で他方端が接地されており、最前段の第1の共振電極30aおよび最後段の第1の共振電極30bの一方端側にそれぞれ対向して電磁界結合する領域を有する第1の共振電極結合導体71と、積層体10の第2の層間を間に挟んで第3の層間と反対側に位置する第5の層間に配置された、隣り合う4個の第2の共振電極31a,31b,31c,31dからなる第2の共振電極群を構成する最前段の第2の共振電極31aの一方端の近傍で一方端が接地され、第2の共振電極群を構成する最後段の第2の共振電極31bの一方端の近傍で他方端が接地されており、最前段の第2の共振電極31aおよび最後段の第2の共振電極31bの一方端側にそれぞれ対向して電磁界結合する領域を有する第2の共振電極結合導体72とを備えることから、第1の共振電極群の最前段の第1の共振電極30aと最後段の第1の共振電極30bとの間で、第1の共振電極結合導体71を介した誘導性の結合により伝達された信号と、隣り合う第1の共振電極同士の容量性の結合により伝達された信号との間に180°の位相差が生じて互いに打ち消し合う現象を生じさせるとともに、第2の共振電極群の最前段の第2の共振電極31aと最後段の第2の共振電極31bとの間で、第2の共振電極結合導体72を介した誘導性の結合により伝達された信号と、隣り合う第2の共振電極同士の容量性の結合により伝達された信号との間に180°の位相差が生じて互いに打ち消し合う現象を生じさせることができるので、バンドパスフィルタの通過特性において、第1の共振電極および第2の共振電極によって形成される2つの通過帯域のそれぞれの両側近傍において信号が殆ど伝達されない減衰極を形成することができる。
またさらに、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、第1の共振電極結合導体71が、最前段の第1の共振電極30aに対して平行に対向する帯状の第1の前段側結合領域71aと、最後段の第1の共振電極30bに対して平行に対向する帯状の第1の後段側結合領域71bと、第1の前段側結合領域71aおよび第1の後段側結合領域71bをこれらの領域に対してそれぞれ直交して接続する第1の接続領域71cとから構成されており、第2の共振電極結合導体72が、最前段の第2の共振電極31aに対して平行に対向する帯状の第2の前段側結合領域72aと、最後段の第2の共振電極31bに対して平行に対向する帯状の第2の後段側結合領域72bと、第2の前段側結合領域72aおよび第2の後段側結合領域72bをこれらの領域に対してそれぞれ直交して接続する第2の接続領域72cとから構成されていることから、次の効果を得ることができる。まず、第1の前段側結合領域71aと最前段の第1の共振電極30aとの磁界による結合、第1の後段側結合領域71bと最後段の第1の共振電極30bとの磁界による結合、第2の前段側結合領域72aと最前段の第2の共振電極31aとの磁界による結合および第2の後段側結合領域72bと最後段の第2の共振電極31bとの磁界による結合をそれぞれ強めることができる。また、最前段の第1の共振電極30aおよび最後段の第1の共振電極30bならびにその間に位置する第1の共振電極と第1の接続領域71cとの磁界による結合を最小限に抑えることができるので、第1の接続領域71cを介した意図しない第1の共振電極同士の電磁界結合による電気特性の悪化を最小限に抑えることができる。同様に、最前段の第2の共振電極31aおよび最後段の第2の共振電極31bならびにその間に位置する第2の共振電極と第2の接続領域72cとの磁界による結合を最小限に抑えることができるので、第2の接続領域72cを介した意図しない第2の共振電極同士の電磁界結合による電気特性の悪化を最小限に抑えることができる。
さらにまた、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、第1の共振電極結合導体71は、第1の共振電極群を構成する最前段の第1の共振電極30aの一方端の近傍の第1の環状接地電極23に貫通導体50cを介して一方端が接続されており、第1の共振電極群を構成する最後段の第1の共振電極30bの一方端の近傍の第1の環状接地電極23に貫通導体50dを介して他方端が接続されていることから、第1の共振電極群を構成する最前段の第1の共振電極30aと第1の共振電極群を構成する最後段の第1の共振電極30bとの第1の共振電極結合導体71を介した電磁界結合をさらに強めることができるので、第1の共振電極30a,30b,30c,30dによって形成される通過帯域の両側に形成される減衰極を通過帯域の近傍にさらに近づけることができる。これにより通過帯域近傍の阻止域における減衰量をさらに増大させることができる。
同様に、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、第2の共振電極結合導体72は、第2の共振電極群を構成する最前段の第2の共振電極31aの一方端の近傍の第2の環状接地電極24に貫通導体50eを介して一方端が接続されており、第2の共振電極群を構成する最後段の第2の共振電極31bの一方端の近傍の第2の環状接地電極24に貫通導体50fを介して他方端が接続されていることから、第2の共振電極群を構成する最前段の第2の共振電極31aと第2の共振電極群を構成する最後段の第2の共振電極31bとの第2の共振電極結合導体72を介した電磁界結合をさらに強めることができるので、第2の共振電極31a,31b,31c,31dによって形成される通過帯域の両側に形成される減衰極を通過帯域の近傍にさらに近づけることができる。これにより通過帯域近傍の阻止域における減衰量をさらに増大させることができる。
(第12の実施形態)
図33は本発明の第12の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。図34は図33に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。図35は図33に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。図36は図33のT−T’線断面図である。なお、本実施形態においては前述した第11の実施形態と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、図33〜図36に示すように、積層体10の第3の層間に、第1の環状接地電極23に対向する領域を有するように配置されて貫通導体51aを介して入力段の第1の共振電極30aの開放端に接続された入力段の補助共振電極32aと、第1の環状接地電極23に対向する領域を有するように配置されて貫通導体51bを介して出力段の第1の共振電極30bの開放端に接続された出力段の補助共振電極32bとが配置されている。そして、積層体10の第1の層間と第4の層間との間に位置する層間Aに第1の環状接地電極23に対向する領域を有するように配置され、貫通導体51c,51dによって第1の共振電極30c,30dの他方端にそれぞれ接続された補助共振電極32c,32dが配置されている。
また、本実施形態のバンドパスフィルタは、積層体10の第2の層間に、入力段の補助共振電極32aに対向する領域を有するように配置されて貫通導体52aを介して入力結合電極40aの電気信号入力点45aに接続された補助入力結合電極46aと、出力段の補助共振電極32bに対向する領域を有するように配置されて貫通導体52bを介して出力結合電極40bの電気信号出力点45bに接続された補助出力結合電極46bとを備えている。また、入力結合電極40aが貫通導体52aを介して接続された補助入力結合電極46aは他の貫通導体50aを介して入力端子電極60aに接続されており、出力結合電極40bが貫通導体52bを介して接続された補助出力結合電極46は他の貫通導体50bを介して出力端子電極60bに接続されている。
このような構成を有する本実施形態のバンドパスフィルタによれば、積層体10の第1の層間とは異なる第3の層間および層間Aに、貫通導体51a,51b,51c,51dによって第1の共振電極30a,30b,30c,30dの他方端側にそれぞれ接続された補助共振電極32a,32b,32c,32dが第1の環状接地電極23に対向する領域を有するように配置されていることから、補助共振電極32a,32b,32c,32dのそれぞれと第1の環状接地電極23との対向部において両者の間に静電容量が生じて、補助共振電極32a,32b,32c,32dがそれぞれ接続された第1の共振電極30a,30b,30c,30dと接地電位との間の静電容量に加算されるので、第1の共振電極30a,30b,30c,30dのそれぞれの長さを短縮することができ、小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
また、補助共振電極32a,32b,32c,32dはそれぞれ第1の共振電極30a,30b,30c,30dの他方端部分に接続されて、そこから第1の共振電極30a,30b,30c,30dの一方端と反対側に向かって延出されていることから、入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の補助共振電極32aの接合体と入力結合電極40aおよび補助入力結合電極46aの接合体とが全体的にブロードサイド結合し、出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の補助共振電極32bの接合体と出力結合電極40bおよび補助出力結合電極46bの接合体とが全体的にブロードサイド結合するので、それぞれを非常に強く結合させることができる。
ここで、補助共振電極32a,32b,32c,32dと第1の環状接地電極23との対向部の面積は、必要な大きさと得られる静電容量との兼ね合いから、例えば、0.01〜3mm程度に設定される。補助共振電極32a,32b,32c,32dと第1の環状接地電極23との対向部の間隔は小さい方が大きな静電容量を生じさせることができるが製造上は難しくなるので、例えば、0.01〜0.5mm程度に設定される。
また、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、積層体10の第2の層間に、入力段の補助共振電極32aに対向する領域を有するように配置されて貫通導体52aを介して入力結合電極40aの電気信号入力点45aに接続された補助入力結合電極46aと、出力段の補助共振電極32bに対向する領域を有するように配置されて貫通導体52bを介して出力結合電極40bの電気信号出力点45bに接続された補助出力結合電極46bとを備えていることから、入力段の補助共振電極32aと補助入力結合電極46aとの間にブロードサイド結合による強い電磁界結合が生じて入力段の第1の共振電極30aと入力結合電極40aとの間の電磁界結合に加算され、同様に、出力段の補助共振電極32bと補助出力結合電極46bとの間にブロードサイド結合による強い電磁界結合が生じて出力段の第1の共振電極30bと出力結合電極40bとの間の電磁界結合に加算される。そして、これによって、入力結合電極40aと入力段の第1の共振電極30aとの間の電磁界結合、および出力結合電極40bと出力段の第1の共振電極30bとの間の電磁界結合がさらに強まるので、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dによって形成される通過帯域において、非常に広い通過帯域幅であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失の増加がさらに低減された、広い通過帯域の全域に渡ってより平坦でより低損失な通過特性を得ることができる。
さらに、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、補助入力結合電極46aが接続される電気信号入力点45aは、入力結合電極40aの長さ方向において、入力段の第1の共振電極30aとの対向部の中央よりも入力段の第1の共振電極30aの他方端に近い側で、かつ入力段の第2の共振電極31aとの対向部の中央よりも入力段の第2の共振電極31aの他方端に近い側に位置しており、補助出力結合電極46bが接続される電気信号出力点45bは、出力結合電極40bの長さ方向において、出力段の第1の共振電極30bとの対向部の中央よりも出力段の第1の共振電極30bの他方端に近い側で、かつ出力段の第2の共振電極31bとの対向部の中央よりも出力段の第2の共振電極31bの他方端に近い側に位置していることから、外部回路からの電気信号が補助入力結合電極46aを介して入力結合電極40aに入力され、電気信号が出力結合電極40bから補助出力結合電極46bを介して外部回路へ出力される場合においても、入力結合電極40aと入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の第2の共振電極31aとがインターデジタル型に結合され、出力結合電極40bと出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の第2の共振電極31bとがインターデジタル型に結合されることになり、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合を生じさせることができる。
またさらに、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、補助入力結合電極46aの長さ方向において、貫通導体52aを介して入力結合電極40aに接続された側と反対側の端部が他の貫通導体50aを介して入力端子電極60aに接続されていることから、入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の補助共振電極32aの接合体と入力結合電極40aおよび補助入力結合電極46aの接合体とが全体的にインターデジタル型に結合するので、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合となる。よって、補助入力結合電極46aの長さ方向において入力結合電極40aに接続される側と同じ側で入力端子電極60aに接続される場合と比較して、より強い結合を実現することができる。
同様に、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、補助出力結合電極46bの長さ方向において、貫通導体52bを介して出力結合電極40bに接続された側と反対側の端部が他の貫通導体50bを介して出力端子電極60bに接続されていることから、出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の補助共振電極32bの接合体と出力結合電極40bおよび補助出力結合電極46bの接合体とが全体的にインターデジタル型に結合することになるので、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合となる。よって、補助出力結合電極46bの長さ方向において出力結合電極40bに接続される側と同じ側で出力端子電極60bに接続される場合と比較して、より強い結合を実現することができる。
このように、入力段の第1の共振電極30aおよび入力段の補助共振電極32aの接合体と、入力結合電極40aおよび補助入力結合電極46aの接合体とが、全体的にブロードサイド結合し、且つインターデジタル型に結合することによって非常に強く結合し、同様に、出力段の第1の共振電極30bおよび出力段の補助共振電極32bの接合体と、出力結合電極40bおよび補助出力結合電極46bの接合体とが全体的にブロードサイド結合し、且つインターデジタル型に結合することによって非常に強く結合するので、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dで形成される通過帯域において、非常に広い通過帯域であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失の増加がさらに小さくなり、広い通過帯域の全域に渡ってより平坦でより低損失な通過特性を得ることができる。
なお、補助入力結合電極46aおよび補助出力結合電極46bの幅は、例えば、入力結合電極40aおよび出力結合電極40bと同程度に設定され、補助入力結合電極46aおよび補助出力結合電極46bの長さは、例えば、補助共振電極32a,32bの長さよりも若干長めに設定される。補助入力結合電極46aおよび補助出力結合電極46bと補助共振電極32a,32bとの間の間隔は、小さい方が強い結合を生じさせる点で望ましいが製造上は難しくなるので、例えば、0.01〜0.5mm程度に設定される。
(第13の実施形態)
図37は本発明の第13の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。図38は図37に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。図39は図37に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。図40は図37のU−U’線断面図である。なお、本実施形態においては前述した第12の実施形態と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本実施形態のバンドパスフィルタは、図37〜図40に示すように、積層体10の第2の層間と第5の層間との間に位置する層間Bに、補助入力結合電極46aに対向する領域を有するように配置されて貫通導体52cを介して入力段の第2の共振電極31aの他方端側に接続された帯状の第1の共振結合補助電極35aと、補助出力結合電極46bに対向する領域を有するように配置されて貫通導体52dを介して出力段の第2の共振電極31bの他方端側に接続された帯状の第2の共振結合補助電極35bとを備えている。
このような構成を有する本実施形態のバンドパスフィルタによれば、第1の共振結合補助電極35aと補助入力結合電極46aとの間にブロードサイド結合による強い電磁界結合が生じて、入力段の第2の共振電極31aと入力結合電極40aとの間の電磁界結合に加算され、同様に、第2の共振結合補助電極35bと補助出力結合電極46bとの間にブロードサイド結合による強い電磁界結合が生じて、出力段の第2の共振電極31bと出力結合電極40bとの間の電磁界結合に加算される。これによって、入力結合電極40aと入力段の第2の共振電極31aとの間の電磁界結合および出力結合電極40bと出力段の第2の共振電極31bとの間の電磁界結合をさらに強めることができる。
さらに、本実施形態のバンドパスフィルタによれば、第1の共振結合補助電極35aは入力段の第2の共振電極31aの他方端側に接続されて入力段の第2の共振電極31aの一方端と反対側に延長されており、第2の共振結合補助電極35bは出力段の第2の共振電極31bの他方端側に接続されて出力段の第2の共振電極31bの一方端と反対側に延長されていることから、入力段の第2の共振電極31aおよび第1の共振結合補助電極35aの接合体と、入力結合電極40aおよび補助入力結合電極46aの接合体とは全体的にインターデジタル型に結合し、出力段の第2の共振電極31bおよび第2の共振結合補助電極35bの接合体と、出力結合電極40bおよび補助出力結合電極46bの接合体とは全体的にインターデジタル型に結合するので、それぞれ磁界による結合と電界による結合とが加算されてさらに強く電磁界結合する。これによって、第2の共振電極31a,31b,31c,31dによって形成される通過帯域において、非常に広い通過帯域幅であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失の増加がさらに低減された、広い通過帯域の全域に渡ってより平坦でより低損失な通過特性を得ることができる。
(第14の実施形態)
図41は本発明の第14の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す分解斜視図である。図42は図41に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。なお、本実施形態においては前述した第13の実施形態と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本実施形態のバンドパスフィルタは、図41および図42に示すように、補助共振電極32a,32b,32c,32dが全て積層体10の第3の層間に配置されており、積層体10の第1の層間を間に挟んで第3の層間と反対側に位置する層間Aに、第1の環状接地電極23に対向する部分を有するように配置されて貫通導体51e,51f,51g,51hを介して第1の共振電極30a,30b,30c,30dの他方端側にそれぞれ接続された第2補助共振電極33a,33b,33c,33dを備えている。
このような構成を有する本実施形態のバンドパスフィルタによれば、第2補助共振電極33a,33b,33c,33dのそれぞれと第1の環状接地電極23との対向部において両者の間に静電容量が生じて、第2補助共振電極33a,33b,33c,33dがそれぞれ接続された第1の共振電極30a,30b,30c,30dと接地電位との間の静電容量に加算されるので、第1の共振電極30a,30b,30c,30dのそれぞれの長さをさらに短縮することができ、さらに小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
(第15の実施形態)
図43は本発明の第15の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す分解斜視図である。なお、本実施形態においては前述した第11の実施形態と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本実施形態のバンドパスフィルタにおいては、図43に示すように、積層体10の第1の層間に6個の第1の共振電極30a,30b,30c,30d,30e,30fが配置されており、第2の層間に6個の第2の共振電極31a,31b,31c,31d,31e,31fが配置されている。
また、本実施形態のバンドパスフィルタは、積層体10の第4の層間に配置された、隣り合う4個の第1の共振電極30a,30c,30d,30eからなる第1の共振電極群を構成する最前段の第1の共振電極30aの一方端の近傍で一方端が接地され、第1の共振電極群を構成する最後段の第1の共振電極30eの一方端の近傍で他方端が接地されており、最前段の第1の共振電極30aおよび最後段の第1の共振電極30eの一方端側にそれぞれ対向して電磁界結合する領域を有する第1の共振電極結合導体71と、積層体10の第5の層間に配置された、隣り合う4個の第2の共振電極31a,31c,31d,31eからなる第2の共振電極群を構成する最前段の第2の共振電極31aの一方端の近傍で一方端が接地され、第2の共振電極群を構成する最後段の第2の共振電極31eの一方端の近傍で他方端が接地されており、最前段の第2の共振電極31aおよび最後段の第2の共振電極31eの一方端側にそれぞれ対向して電磁界結合する領域を有する第2の共振電極結合導体72とを備えている。
このような構成を有する本実施形態のバンドパスフィルタによれば、前述した本発明の第11の実施形態のバンドパスフィルタと同様に、隣り合う4個の第1の共振電極30a,30c,30d,30eからなる第1の共振電極群の最前段の第1の共振電極30aと最後段の第1の共振電極30eとの間で、第1の共振電極結合導体71を介した誘導性の結合により伝達された信号と、隣り合う第1の共振電極同士の容量性の結合により伝達された信号との間に180°の位相差が生じて互いに打ち消し合う現象を生じさせるとともに、隣り合う4個の第2の共振電極31a,31c,31d,31eからなる第2の共振電極群の最前段の第2の共振電極31aと最後段の第2の共振電極31eとの間で、第2の共振電極結合導体72を介した誘導性の結合により伝達された信号と、隣り合う第2の共振電極同士の容量性の結合により伝達された信号との間に180°の位相差が生じて互いに打ち消し合う現象を生じさせることができるので、バンドパスフィルタの通過特性において、第1の共振電極および第2の共振電極によって形成される2つの通過帯域のそれぞれの両側近傍において信号が殆ど伝達されない減衰極を形成することができる。
(第16の実施形態)
図44は本発明の第16の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す分解斜視図である。なお、本実施形態においては前述した第15の実施形態と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本実施形態のバンドパスフィルタは、図44に示すように、積層体10の第4の層間に配置された、隣り合う6個の第1の共振電極30a,30b,30c,30d,30e,30fからなる第1の共振電極群を構成する最前段の第1の共振電極30aの一方端の近傍で一方端が接地され、第1の共振電極群を構成する最後段の第1の共振電極30bの一方端の近傍で他方端が接地されており、最前段の第1の共振電極30aおよび最後段の第1の共振電極30bの一方端側にそれぞれ対向して電磁界結合する領域を有する第1の共振電極結合導体71と、積層体10の第5の層間に配置された、隣り合う6個の第2の共振電極31a,31b,31c,31d,31e,31fからなる第2の共振電極群を構成する最前段の第2の共振電極31aの一方端の近傍で一方端が接地され、第2の共振電極群を構成する最後段の第2の共振電極31bの一方端の近傍で他方端が接地されており、最前段の第2の共振電極31aおよび最後段の第2の共振電極31bの一方端側にそれぞれ対向して電磁界結合する領域を有する第2の共振電極結合導体72とを備えている。
このような構成を有する本実施形態のバンドパスフィルタによれば、隣り合う6個の第1の共振電極30a,30b,30c,30d,30e,30fからなる第1の共振電極群の最前段の第1の共振電極30aと最後段の第1の共振電極30bとの間で、第1の共振電極結合導体71を介した誘導性の結合により伝達された信号と、隣り合う第1の共振電極同士の容量性の結合により伝達された信号との間に180°の位相差が生じて互いに打ち消し合う現象を生じさせるとともに、隣り合う6個の第2の共振電極31a,31b,31c,31d,31e,31fからなる第2の共振電極群の最前段の第2の共振電極31aと最後段の第2の共振電極31bとの間で、第2の共振電極結合導体72を介した誘導性の結合により伝達された信号と、隣り合う第2の共振電極同士の容量性の結合により伝達された信号との間に180°の位相差が生じて互いに打ち消し合う現象を生じさせることができるので、バンドパスフィルタの通過特性において、第1の共振電極および第2の共振電極によって形成される2つの通過帯域のそれぞれの両側近傍において信号が殆ど伝達されない減衰極を形成することができる。
このように、第1の共振電極群は第1の共振電極中の任意の隣り合う4個以上の第1の共振電極で構成することが可能であり、第2の共振電極群は第2の共振電極中の任意の隣り合う4個以上の第2の共振電極で構成することが可能である。
(第17の実施形態)
図45は本発明の第17の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す分解斜視図である。図46は図45に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。なお、本実施形態においては前述した第11の実施形態と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本実施形態のバンドパスフィルタは、図45および図46に示すように、積層体10の第3の層間に、平面視した際に入力結合電極40aを間に挟んで出力結合電極40bと反対側に、互いに電磁界結合するように入力結合電極40aに近接して略平行に配置され、一方端が貫通導体50gを介して接地されて1/4波長共振器として機能する帯状の第1の反作用共振電極75aと、平面視した際に出力結合電極40bを間に挟んで入力結合電極40aと反対側に、互いに電磁界結合するように出力結合電極40bに近接して略平行に配置され、一方端が貫通導体50hを介して接地されて1/4波長共振器として機能する帯状の第2の反作用共振電極75bとを備えている。
このような構成を有する本実施形態のバンドパスフィルタによれば、第1の反作用共振電極75aおよび第2の反作用共振電極75bが反作用共振器として機能するので、それぞれの共振周波数においてバンドパスフィルタの通過特性上に減衰極を形成して、その周波数における減衰量をさらに増加させることができる。
(第18の実施形態)
図47は本発明の第18の実施形態のバンドパスフィルタを模式的に示す外観斜視図である。図48は図47に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。図49は図47のV−V’線断面図である。なお、本実施形態においては前述した実施の形態の第11の実施形態と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本実施形態のバンドパスフィルタは、図47〜図49に示すように、積層体は、第1の積層体10aおよびその上に配置された第2の積層体10bによって構成されている。第1の接地電極21は、第1の積層体10aの下面に配置されている。第2の接地電極22は、第2の積層体10bの上面に配置されている。第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび第1の環状接地電極23が配置された第1の層間ならびに第1の共振電極結合導体71が配置された第4の層間は、第1の積層体10a中の層間である。第2の共振電極31a,31b,31c,31dおよび第2の環状接地電極24が配置された第2の層間ならびに第2の共振電極結合導体72が配置された第5の層間は、第2の積層体10b中の層間である。入力結合電極40aおよび出力結合電極40bが配置された第3の層間は、第1の積層体10aと第2の積層体10bとの間の層間である。なお、第1の積層体10aは複数の誘電体層11aが積層されて構成されており、第2の積層体10bは複数の誘電体層11bが積層されて構成されている。
このような構成を備える本実施形態のバンドパスフィルタによれば、互いに共振周波数の異なる第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび第2の共振電極31a,31b,31c,31dのそれぞれが配置された領域が入力結合電極40aおよび出力結合電極40bが配置された第3の層間を境にして第1の積層体10aと第2の積層体10bとに分割されていることにより、第1の積層体10aおよび第2の積層体10bをそれぞれ構成する誘電体層の電気特性を異ならせることによって所望の電気特性を容易に得ることが可能となる。例えば、共振周波数が低いために第2の共振電極31a,31b,31c,31dよりも長い第1の共振電極30a,30b,30c,30dが配置された第1の積層体10aを構成する誘電体層11aの誘電率を第2の積層体10bを構成する誘電体層11bの誘電率よりも高くすることにより、第1の共振電極30a,30b,30c,30dの長さを短縮することができるので、バンドパスフィルタ中の無駄なスペースを無くしてバンドパスフィルタを小型化することができる。また、本実施形態のバンドパスフィルタは、入力結合電極40aおよび出力結合電極40bが配置された第3の層間を間に挟んで上下に分かれて配置された電極同士における電磁界結合を必要としない構造であるため、第3の層間を境にして第1の積層体10aと第2の積層体10bとに分割することによって、第1の積層体10aと第2の積層体10bとの間に位置ずれが生じた場合や第1の積層体10aと第2の積層体10bとの境界に空気層が介在する場合等の電気特性の悪化を最小限に抑えることができる。さらに、例えば、第1の積層体10aがバンドパスフィルタが構成される領域以外の領域の表面に他の電子部品等が搭載されるモジュール用基板である場合には、バンドパスフィルタの一部が第2の積層体10b中に配置されることによって、モジュール用基板の厚みを薄くすることができるので、モジュール全体の厚みを薄くすることが可能なバンドパスフィルタ付き基板を得ることができる。
(第19の実施形態)
図50は本発明の第19の実施形態の、バンドパスフィルタを用いた無線通信モジュール80および無線通信機器85の構成例を示すブロック図である。
本実施形態の無線通信モジュール80は、例えば、ベースバンド信号が処理されるベースバンド部81と、ベースバンド部81に接続されベースバンド信号の変調後および復調前のRF信号が処理されるRF部82とを備えている。
RF部82には前述の第1〜第18の実施形態のいずれかのバンドパスフィルタ821が含まれており、ベースバンド信号が変調されてなるRF信号または受信したRF信号における通信帯域以外の信号をバンドパスフィルタ821によって減衰させている。
具体的な構成としては、ベースバンド部81にはベースバンドIC 811が配置され、RF部82にはバンドパスフィルタ821とベースバンド部81との間にRF IC 822が配置されている。なお、これらの回路間には別の回路が介在していてもよい。
そして、無線通信モジュール80のバンドパスフィルタ821にアンテナ84を接続することによってRF信号の送受信がなされる本実施形態の無線通信機器85が構成される。
第1〜第5の実施形態のいずれかのバンドパスフィルタを有する本実施形態の無線通信モジュール80および無線通信機器85によれば、通信帯域の全域に渡って通過する信号の損失が小さい本実施形態のバンドパスフィルタ821を用いて送信信号および受信信号の濾波を行なうことから、通信帯域の全体に渡ってバンドパスフィルタ821を通過する送信信号および受信信号の減衰を少なくすることができるため、受信感度が向上するとともに、送信信号および受信信号の増幅度を小さくすることができるので、増幅回路における消費電力が少なくなる。さらに、2つの周波数帯域の濾波を1つのフィルタによって行うことができるので、回路構成を簡略化できるとともに部品点数を削減することができる。よって、小型で受信感度が高く消費電力が少ない高性能な無線通信モジュール80および無線通信機器85を得ることができる。
第6〜第10の実施形態のいずれかのバンドパスフィルタを有する本実施形態の無線通信モジュール80および無線通信機器85によれば、非常に広い2つの通信帯域の全域に渡って入出力インピーダンスが良好に整合されて通過する信号の損失が小さい本実施形態のバンドパスフィルタ821を用いて送信信号および受信信号の濾波を行なうことから、バンドパスフィルタ821を通過する送信信号および受信信号の減衰を通信帯域の全体に渡って少なくすることができるため、受信感度が向上するとともに、送信信号および受信信号の増幅度を小さくすることができるので、増幅回路における消費電力が少なくなる。さらに、2つの通信帯域の濾波を1つのフィルタによって行うことができるので、回路構成を簡略化できるとともに部品点数を削減することができる。よって、小型で受信感度が高く消費電力が少ない高性能な無線通信モジュール80および無線通信機器85を得ることができる。
第11〜第18の実施形態のいずれかのバンドパスフィルタを有する本発明の無線通信モジュール80および無線通信機器85によれば、広い通過帯域の全域に渡って通過する信号の損失が小さく、かつ通過帯域近傍に形成された減衰極によって阻止域の減衰量が充分に確保された本実施形態のバンドパスフィルタ821を送信信号および受信信号の濾波に用いることにより、バンドパスフィルタ821を通過する受信信号および送信信号の減衰が少なくなるとともにノイズも減少する。このため、受信感度が向上するとともに送信信号および受信信号の増幅度を小さくできるため増幅回路における消費電力が少なくなる。よって受信感度が高く消費電力が少ない高性能な無線通信モジュール80および無線通信機器85を得ることができる。さらに、1つのフィルタで2つの通信帯域をカバーすることができるので、小型で製造コストが低い無線通信モジュール80および無線通信機器85を得ることができる。
本発明のバンドパスフィルタにおいて、誘電体層11,11a,11bの材質としては、例えばエポキシ樹脂等の樹脂や例えば誘電体セラミックス等のセラミックスを用いることができる。例えば、BaTiO,PbFeNb12,TiO等の誘電体セラミック材料と、B,SiO,Al,ZnO等のガラス材料とからなり、800〜1200℃程度の比較的低い温度で焼成が可能なガラス−セラミック材料が好適に用いられる。また、誘電体層11の厚みとしては、例えば0.01〜0.1mm程度に設定される。
本発明のバンドパスフィルタにおいて、前述した各種の電極および貫通導体の材質としては、例えば、Ag,Ag−Pd,Ag−Pt等のAg合金を主成分とする導電材料やCu系,W系,Mo系,Pd系導電材料等が好適に用いられる。各種の電極の厚みは、例えば0.001〜0.2mmに設定される。
本発明のバンドパスフィルタは、例えば次のようにして作製することができる。まず、セラミック原料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して泥漿を作製するとともに、ドクターブレード法によってセラミックグリーンシートを形成する。次に、得られたセラミックグリーンシートにパンチングマシーン等を用いて貫通導体を形成するための貫通孔を形成し、Ag,Ag−Pd,Au,Cu等の導体を含む導体ペーストを充填するとともにセラミックグリーンシートの表面に印刷法を用いて前述したのと同様の導体ペーストを塗布して導体ペースト付きセラミックグリーンシートを作製する。次に、これらの導体ペースト付きセラミックグリーンシートを積層し、ホットプレス装置を用いて圧着し、800℃〜1050℃程度のピーク温度で焼成することにより作製される。なお、第1の積層体10aと第2の積層体10bとを別々に作製した後に第2の積層体10bを第1の積層体10aの上面にはんだ等を用いて実装するようにしても構わない。
(変形例)
本発明は前述した第1〜第19の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更,改良が可能である。
また、前述した第2の実施形態では補助共振電極32a,32bが入力結合電極40a,出力結合電極40bと同じく積層体10の第3の層間に配置された例を示し、前述した第3の実施形態では補助共振電極32a,32b,32c,32dが入力結合電極40aおよび出力結合電極40bと同じく積層体10の第3の層間に配置された例を示したが、入力結合電極40aおよび出力結合電極40bと補助共振電極32a,32b,32c,32dとが積層体の異なる層間に配置されるようにしても構わない。
さらに、前述した第2の実施形態においては、補助共振電極32c,32dが補助共振電極32a,32bと異なる層間に配置された例を示したが、補助共振電極32c,32dが補助共振電極32a,32bと同じ層間に配置されるようにしても構わない。
またさらに、前述した第2および第4の実施形態においては、補助入力結合電極41a,補助出力結合電極41bおよび第2の共振電極31a,31b,31c,31dが積層体10の第2の層間に配置された例を示したが、補助入力結合電極41a,補助出力結合電極41bと第2の共振電極31a,31b,31c,31dとが積層体の異なる層間に配置されるようにしても構わない。
さらにまた、前述した第1〜第18の実施形態においては、積層体10の下面に第1の接地電極21を配置し、積層体10の上面に第2の接地電極22を配置した例を示したが、例えば、第1の接地電極21の下にさらに誘電体層を配置しても構わないし、第2の接地電極22の上にさらに誘電体層を配置しても構わない。
またさらに、前述した第1〜第10の実施形態においては、4つの第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび4つの第2の共振電極31a,31b,31c,31dを備えた例を示したが、必要とされる通過帯域幅および通過帯域外の減衰量に応じて、第1の共振電極および第2の共振電極の個数を変えてもよい。必要とされる通過帯域幅が狭い場合や必要とされる通過帯域外の減衰量が小さい場合等には、共振電極の数を減らしてもよく、逆に、必要とされる通過帯域幅が広い場合や必要とされる通過帯域外の減衰量が大きい場合等には、共振電極の数をさらに増やしてもよい。但し、共振電極の数が増えすぎると大型化や通過帯域内における損失の増加が生じるので、第1の共振電極および第2の共振電極の数については、それぞれ10個程度以下に設定されるのが望ましい。
さらにまた、前述した第1〜第18の実施形態においては、第1の共振電極の数と第2の共振電極の数とが等しい場合の例を示したが、第1の共振電極の数と第2の共振電極の数とが異なっていても構わない。第1の共振電極の数と第2の共振電極の数とが異なる場合には、共振電極の幅および共振電極同士の間隔が第1の共振電極と第2の共振電極とで異なるように設定すればよく、具体的には、数が少ない方の共振電極の幅や共振電極同士の間隔を広く設定すればよい。
またさらに、前述した第5および第18の実施形態においては、第3の層間を境にして第1の積層体10aと第2の積層体10bとに分割されたバンドパスフィルタの例を示したが、状況に応じて、第3の層間とは異なる層間で第1の積層体10aと第2の積層体10bとに分割されるようにしてもよく、さらに多数の積層体に分割されるようにしても構わない。
例えば、前述した第6〜第10の実施形態においては、入力端子電極60aおよび出力端子電極60bを備えた例を示したが、モジュール基板の中の一領域にバンドパスフィルタが形成される場合は入力端子電極60aおよび出力端子電極60bは必ずしも必要なく、モジュール基板内の外部回路からの配線導体が、複合入力結合電極140aおよび複合出力結合電極140bに直接接続するようにしても構わない。この場合は、複合入力結合電極140aおよび複合出力結合電極140bと配線導体との接続点が、複合入力結合電極140aの電気信号入力点45aおよび複合出力結合電極140bの電気信号出力点45bとなる。また、モジュール基板内の外部回路からの配線導体が補助入力結合電極46aおよび補助出力結合電極46bに直接接続するようにしても構わない。
また、前述した第7の実施形態では補助共振電極32a,32bが第1の入力結合電極141aおよび第1の出力結合電極141bと同じく積層体10の第3の層間に配置された例を示し、前述した第8および第9の実施形態では補助共振電極32a,32b,32c,32dが第1の入力結合電極141aおよび第1の出力結合電極141bと同じく積層体10の第3の層間に配置された例を示したが、第1の入力結合電極141aおよび第1の出力結合電極141bと補助共振電極32a,32b,32c,32dとが積層体の異なる層間に配置されるようにしても構わない。
さらに、前述した第7〜第9の実施形態においては、補助入力結合電極46aおよび補助出力結合電極46bが第2の入力結合電極142aおよび第2の出力結合電極142bと同じく第4の層間に配置された例を示したが、補助入力結合電極46aおよび補助出力結合電極46bと第2の入力結合電極142aおよび第2の出力結合電極142bとが積層体の異なる層間に配置されるようにしても構わない。
またさらに、前述した第7〜第9の実施形態においては、補助入力結合電極46aおよび補助出力結合電極46bが貫通導体52a,52bを介して第1の入力結合電極141aおよび第1の出力結合電極41bにそれぞれ接続された例を示したが、例えば、補助入力結合電極46aが第2の入力結合電極142aに直接接続され、補助出力結合電極46bが第2の出力結合電極142bに直接接続されるようにしても構わない。
またさらに、前述した第10の実施形態においては、第3の層間を境にして第1の積層体10aと第2の積層体10bとに分割されたバンドパスフィルタの例を示したが、第4の層間を境にして第1の積層体10aと第2の積層体10bとに分割されるようにしてもほぼ同様の効果を得ることができる。また、状況に応じて、さらに異なる層間で第1の積層体10aと第2の積層体10bとに分割されるようにしてもよく、さらに多数の積層体に分割されるようにしても構わない。
例えば、前述した第11〜第18の実施形態においては、第1の共振電極結合導体71および第2の共振電極結合導体72の両方を備えた例を示したが、第1の共振電極結合導体71または第2の共振電極結合導体72の片方のみを備えるようにしても構わない。第1の共振電極結合導体71のみを備える場合には第1の共振電極によって形成される通過帯域の両側近傍に減衰極を形成することができ、第2の共振電極結合導体72のみを備える場合には第2の共振電極によって形成される通過帯域の両側近傍に減衰極を形成することができる。
また、前述した第11〜第18の実施形態においては、第1の共振電極結合導体71の両端が第1の共振電極群を構成する最前段の第1の共振電極および最後段の第1の共振電極の一方端の近傍の第1の環状接地電極23に貫通導体50c,50dを介してそれぞれ接続され、第2の共振電極結合導体72の両端が第2の共振電極群を構成する最前段の第2の共振電極および最後段の第2の共振電極の一方端の近傍の第2の環状接地電極24に貫通導体50e,50fを介してそれぞれ接続される構成を示したが、例えば、第1の共振電極結合導体71の両端が貫通導体50c,50dを介して第1の接地電極21に接続され、第2の共振電極結合導体72の両端が貫通導体50e,50fを介して第2の接地電極22に接続されるようにしても構わない。また、例えば、第1の共振電極結合導体71および第2の共振電極結合導体72の周囲に環状接地導体を配置して、これらに第1の共振電極結合導体71および第2の共振電極結合導体72の両端を接続するようにしても構わない。但し、通過帯域の両側に発生する減衰極を通過帯域に近づけたい場合には、これらの方法はあまり好ましくない。
さらに、前述した第1〜第5および第11〜第18の実施形態においては、入力端子電極60aおよび出力端子電極60bを備えた例を示したが、モジュール基板の中の一領域にバンドパスフィルタが形成される場合は入力端子電極60aおよび出力端子電極60bは必ずしも必要なく、モジュール基板内の外部回路からの配線導体が、入力結合電極40aおよび出力結合電極40bに直接接続するようにしても構わない。この場合は、入力結合電極40aおよび出力結合電極40bと外部回路からの配線導体との接続点が、入力結合電極40aの電気信号入力点45aおよび出力結合電極40bの電気信号出力点45bとなる。また、モジュール基板内の外部回路からの配線導体が補助入力結合電極46aおよび補助出力結合電極46bに直接接続するようにしても構わない。
またさらに、前述した第12および第13の実施形態では補助共振電極32a,32bが入力結合電極40a,出力結合電極40bと同じく積層体10の第3の層間に配置された例を示し、前述した第14の実施形態では補助共振電極32a,32b,32c,32dが入力結合電極40aおよび出力結合電極40bと同じく積層体10の第3の層間に配置された例を示したが、入力結合電極40aおよび出力結合電極40bと補助共振電極32a,32b,32c,32dとが積層体の異なる層間に配置されるようにしても構わない。
さらにまた、前述した第12〜第14の実施形態においては、補助入力結合電極46a,補助出力結合電極46bおよび第2の共振電極31a,31b,31c,31dが積層体10の第2の層間に配置された例を示したが、補助入力結合電極46aおよび補助出力結合電極46bと第2の共振電極31a,31b,31c,31dとが積層体の異なる層間に配置されるようにしても構わない。
さらにまた、前述した第11〜第18の実施形態においては、第1の共振電極および第2の共振電極の数が4個または6個の場合を示したが、必要とされる通過帯域幅および通過帯域外の減衰量に応じて共振電極の数をさらに増やしてもよい。但し、共振電極の数が増えすぎると大型化や通過帯域内における損失の増加が生じるので、第1の共振電極および第2の共振電極の数については、それぞれ10個程度以下に設定されるのが望ましい。
またさらに、前述した第11〜第18の実施形態においては、共振電極群を構成する共振電極の数については、4以上の偶数個であることが必要である。例えば、共振電極群を構成する共振電極の数が奇数個の場合には、共振電極群における最前段の共振電極と最後段の共振電極との間に共振電極結合導体による誘導性の結合を生じさせたとしても、共振電極結合導体を介した誘導性の結合により伝達された信号と、隣り合う共振電極同士の容量性の結合により伝達された信号との間に180°の位相差が生じて互いに打ち消し合う現象が、バンドパスフィルタの通過帯域よりも高周波側でしか生じないため、バンドパスフィルタの通過特性において、通過帯域の両側近傍に減衰極を形成することはできない。また、共振電極群を構成する共振電極の数が2個の場合には、共振電極間を共振電極結合導体で接続したとしても、共振電極間に誘導性の結合と容量性の結合とによるLC並列共振回路が形成されるに過ぎないため、減衰極は一つしか形成されず、通過帯域の両側近傍に減衰極を形成することはできない。
さらにまた、前述した第1、第2、第4〜第7、第9および第10の実施形態においては、第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび第2の共振電極31a,31b,31c,31dが、それぞれ一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置されてインターデジタル型に結合している場合を示したが、これに限定されるものではない。すなわち、第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび第2の共振電極31a,31b,31c,31dのそれぞれにおいて、第3および第8の実施形態の場合のように、コムライン型の結合とインターデジタル型の結合とが混在するように各々の共振電極を配置しても構わない。また、第1の共振電極30a,30b,30c,30dおよび第2の共振電極31a,31b,31c,31dのそれぞれにおいて、全ての共振電極の一方端が同じ側に位置するように配置して、全ての共振電極がコムライン型に電磁界結合するようにしても構わない。但し、コムライン型に電磁界結合させる場合には、インターデジタル型に電磁界結合させる場合よりも共振器同士の間隔を狭くするなど、必要とする強さの電磁界結合が得られるように配慮するのが望ましい。
またさらに、UWBに用いられるバンドパスフィルタを例示してこれまで説明を行なってきたが、広帯域を要求される他の用途においても本発明のバンドパスフィルタが有効であることは言うまでもない。
次に、本発明のバンドパスフィルタの具体例について説明する。
(実施例1)
図5〜図8に示した第2の実施形態のバンドパスフィルタの電気特性を有限要素法を用いたシミュレーションによって算出した。
算出条件としては、第1の共振電極30a,30b,30c,30dは幅0.2mm,長さ3.5mmとし、第1の共振電極30aと第1の共振電極30cとの間隔および第1の共振電極30dと第1の共振電極30bとの間隔を0.27mmとし、第1の共振電極30cと第1の共振電極30dの間隔を0.23mmとした。第2の共振電極31a,31b,31c,31dは幅0.23mm,長さ2.9mmとし、第2の共振電極31aと第2の共振電極31cとの間隔および第2の共振電極31dと第2の共振電極31bとの間隔を0.1mmとし、第2の共振電極31cと第2の共振電極31dとの間隔を0.12mmとした。入力結合電極40a,補助入力結合電極41a,出力結合電極40bおよび補助出力結合電極41bは幅0.26mmとした。補助共振電極32a,32bは、第1の共振電極30a,30bの他方端から0.2mm離れた場所に配置した幅0.45mm,長さ0.34mmの矩形と、それから第1の共振電極30a,30bに向かう幅0.2mm,長さ0.5mmの矩形とを接合した形状とし、補助共振電極32c,32dは、第1の共振電極30c,30dの他方端から0.2mm離れた場所に配置した幅0.5mm,長さ0.35mmの矩形と、それから第1の共振電極30c,30dに向かう幅0.2mm,長さ0.5mmの矩形とを接合した形状とした。入力端子電極60aおよび出力端子電極60bは一辺が0.3mmの正方形とし、第2の接地電極22との間隔は0.2mmとした。第1の接地電極21,第2の接地電極22,第1の環状接地電極23および第2の環状接地電極24の外形は幅4mm,長さ5mmとし、第1の環状接地電極23の開口部は幅3.4mm,長さ3.65mmとし、第2の環状接地電極24の開口部は幅3.4mm,長さ3.05mmとした。バンドパスフィルタ全体の形状は幅4mm,長さ5mm,厚み0.975mmとし、厚み方向の中央に第3の層間が位置するようにした。第1〜第3の層間および層間Aにおいて、隣り合う層間の間隔(隣り合う層間に配置された各種電極同士の間隔)はそれぞれ0.065mmとした。各種電極の厚みは0.01mmとし、各種貫通導体の直径は0.1mmとした。誘電体層11の比誘電率は9.45とした。
図51はそのシミュレーション結果を示すグラフであり、横軸は周波数,縦軸は減衰量を表しており、バンドパスフィルタの通過特性(S21)および反射特性(S11)を示している。図51に示すグラフによれば、従来の1/4波長共振器を用いたフィルタで実現されていた領域よりも遙かに広い、比帯域で40%〜50%程度の非常に広い通過帯域の全体において低損失な特性が2つの通過帯域においてそれぞれ得られている。この結果により、本発明のバンドパスフィルタによれば、2つの通過帯域のそれぞれにおいて、広い通過帯域の全域に渡って平坦で低損失である優れた通過特性が得られることがわかり、本発明の有効性が確認できた。
(実施例2)
図19〜図22に示した第7の実施形態のバンドパスフィルタの電気特性を有限要素法を用いたシミュレーションによって算出した。
算出条件としては、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dは幅が0.15mmで長さが3.4mmの矩形状とし、第1の共振電極30aと第1の共振電極30cとの間隔および第1の共振電極30dと第1の共振電極30bとの間隔はそれぞれ0.20mmとし、第1の共振電極30cと第1の共振電極30dとの間隔は0.235mmとした。複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dは幅が0.18mmで長さが2.8mmの矩形状とし、第2の共振電極31aと第2の共振電極31cとの間隔および第2の共振電極31dと出力段の第2の共振電極31bとの間隔は0.16mmとし、第2の共振電極31cと第2の共振電極31dとの間隔は0.175mmとした。補助共振電極32a,32b,32c,32dは、ぞれぞれ第1の共振電極30a,30b,30c,30dの他方端から0.2mm離れた場所に配置した幅が0.4mmで長さが0.45mmの矩形と、それから第1の共振電極30a,30b,30cに向かう幅が0.2mmで長さが0.5mmの矩形とを接合した形状とした。第1の入力結合電極141aおよび第1の出力結合電極141bは、幅が0.15mmで長さが3.5mmの矩形状とし、第2の入力結合電極142aおよび第2の出力結合電極142bは、幅が0.15mmで長さが2.5mmの矩形状とした。入力側接続導体143aおよび入力側接続補助導体144aは、第1の入力結合電極141aおよび第2の入力結合電極142aの対向領域において両端からそれぞれ0.1mmの位置に配置し、出力側接続導体143bおよび出力側接続補助導体144bは、第1の出力結合電極141bおよび第2の出力結合電極142bの対向領域において両端からそれぞれ0.1mmの位置に配置した。補助入力結合電極46aおよび補助出力結合電極46bは幅が0.15mmで長さが1.2mmの矩形状とした。入力端子電極60aおよび出力端子電極60bはそれぞれ一辺が0.3mmの正方形とし、第2の接地電極22との間隔は0.2mmとした。第1の接地電極21,第2の接地電極22,第1の環状接地電極23および第2の環状接地電極24の外形は幅が3mmで長さが5mmの矩形状とし、第1の環状接地電極23の開口部は幅が2.4mmで長さが3.65mmの矩形状とし、第2の環状接地電極24の開口部は幅が2.4mmで長さが2.85mmの矩形状とした。バンドパスフィルタ全体の形状は、幅が3mmで長さが5mmで厚みが0.975mmとし、厚み方向の中央部に第3および第4の層間が位置するようにした。第1〜第4の層間および層間Aにおいて、隣り合う層間の間隔(隣り合う層間に配置された各種電極同士の間隔)はそれぞれ0.065mmとした。各種電極の厚みは0.01mmとし、各種貫通導体の直径は0.1mmとした。誘電体層11の比誘電率は9.45とした。
図52はそのシミュレーション結果を示すグラフであり、横軸は周波数,縦軸は減衰量を表しており、バンドパスフィルタの通過特性(S21)および反射特性(S11)を示している。
図19〜図22に示した第7の実施形態のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果である図51に示すグラフと比較すると、図52に示すグラフによれば、比帯域で40%〜50%程度に及ぶ非常に広い2つの通過帯域の全体においてS11が−20dB以上確保されており、入出力インピーダンスがさらに良好に整合されていることがわかる。そして、これによって通過特性においても、通過帯域中の各モードの共振周波数の間の周波数においても挿入損失が殆ど増加することのないさらに平坦で低損失な特性が得られている。この結果により、本発明のバンドパスフィルタによれば、2つの通過帯域のそれぞれにおいて、広い通過帯域の全域に渡って入出力インピーダンスが良好に整合されて平坦で低損失な優れた通過特性が得られることがわかり、本発明の有効性が確認できた。
(実施例3)
図33〜図36に示した第12の実施形態のバンドパスフィルタの電気特性を有限要素法を用いたシミュレーションによって算出した。
算出条件としては、複数の第1の共振電極30a,30b,30c,30dは幅が0.15mmで長さが3.5mmの矩形状とし、入力段の第1の共振電極30aと第1の共振電極30cとの間隔および第1の共振電極30dと出力段の第1の共振電極30bとの間隔を0.27mmとし、第1の共振電極30cと第1の共振電極30dとの間隔を0.18mmとした。複数の第2の共振電極31a,31b,31c,31dは幅が0.2mmで長さが2.5mmの矩形状とし、入力段の第2の共振電極31aと第2の共振電極31cとの間隔および第2の共振電極31dと出力段の第2の共振電極31bとの間隔を0.1mmとし、第2の共振電極31cと第2の共振電極31dとの間隔は0.1mmとした。入力段の補助共振電極32aおよび出力段の補助共振電極32bは、入力段の第1の共振電極30aおよび出力段の第1の共振電極30bの他方端から0.2mm離れた場所に配置した幅が0.45mmで長さが0.41mmの矩形と、それから入力段の第1の共振電極30aおよび出力段の第1の共振電極30bに向かう幅が0.2mmで長さが0.42mmの矩形とを接合した形状とした。補助共振電極32c,32dは、第1の共振電極30c,30dの他方端から0.2mm離れた場所に配置した幅が0.5mmで長さが0.42mmの矩形と、それから第1の共振電極30c,30dに向かう幅が0.2mmで長さが0.5mmの矩形とを接合した形状とした。共振結合補助電極35a,35bは幅が0.2mmで長さが0.42mmの矩形状とした。入力結合電極40a,出力結合電極40bは、幅が0.24mmで長さが3.1mmの矩形状とした。補助入力結合電極46aおよび補助出力結合電極46bは、幅が0.24mmで長さが1.1mmの矩形状とした。第1の前段側結合領域71aおよび第1の後段側結合領域71bは、幅が0.1mmで長さが2.08mmの矩形状とし、第1の接続領域71cは、幅が0.1mmで長さが1.02mmの矩形状とした。第2の前段側結合領域72aおよび第2の後段側結合領域72bは、幅が0.2mmで長さが1.78mmの矩形状とし、第2の接続領域72cは、幅が0.1mmで長さが0.7mmの矩形状とした。入力端子電極60aおよび出力端子電極60bは一辺が0.3mmの正方形とし、第2の接地電極22との間隔は0.2mmとした。第1の接地電極21,第2の接地電極22,第1の環状接地電極23および第2の環状接地電極24の外形は幅が3mmで長さが5mmの矩形状とし、第1の環状接地電極23の開口部は幅が2.4mmで長さが3.65mmの矩形状とし、第2の環状接地電極24の開口部は幅が2.4mmで長さが3.05mmの矩形状とした。バンドパスフィルタ全体の形状は幅が3mmで長さが5mmで厚みが0.975mmの直方体状とし、厚み方向の中央部に第3の層間が位置するようにした。第1〜第3の層間および層間Aにおいて、隣り合う層間の間隔(隣り合う層間に配置された各種電極同士の間隔)は0.065mmとした。各種電極の厚みは0.01mmとし、貫通導体の直径は0.1mmとした。誘電体層11の比誘電率は9.45とした。
図53はそのシミュレーション結果を示すグラフであり、横軸は周波数,縦軸は減衰量を表しており、バンドパスフィルタの通過特性(S21)および反射特性(S11)を示している。図53に示すグラフによれば、比帯域で40%〜50%程度の非常に広い通過帯域の全体において低損失であり、かつ通過帯域の両側近傍にそれぞれ減衰極が形成されて通過域から阻止域にかけて減衰量が急峻に変化する優れた特性が、2つの通過帯域においてそれぞれ得られている。この結果により、本発明のバンドパスフィルタによれば、2つの通過帯域のそれぞれにおいて、広い通過帯域の全域に渡って低損失であり通過域から阻止域にかけて減衰量が急峻に変化する優れた通過特性が得られることがわかり、本発明の有効性が確認できた。
本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形態で実施できる。したがって、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、本発明の範囲は特許請求の範囲に示すものであって、明細書本文には何ら拘束されない。さらに、特許請求の範囲に属する変形や変更は全て本発明の範囲内のものである。

Claims (26)

  1. 複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、
    該積層体の下面に配置された、接地電位に接続される第1の接地電極と、
    前記積層体の上面に配置された、接地電位に接続される第2の接地電極と、
    前記積層体の第1の層間に相互に電磁界結合するように横並びに配置された、それぞれ一方端が接地電位に接続されて1/4波長共振器として機能する帯状の複数の第1の共振電極と、
    前記積層体の前記第1の層間とは異なる第2の層間に相互に電磁界結合するように横並びに配置された、それぞれ一方端が接地電位に接続されて、前記第1の共振電極よりも高い周波数で共振する1/4波長共振器として機能する帯状の複数の第2の共振電極と、
    前記積層体の前記第1の層間と前記第2の層間との間に位置する第3の層間に配置された、前記複数の第1の共振電極のうち入力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ前記複数の第2の共振電極のうち入力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点を有する帯状の入力結合電極と、
    前記積層体の前記第3の層間に配置された、前記複数の第1の共振電極のうち出力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ前記複数の第2の共振電極のうち出力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路へ向けて電気信号が出力される電気信号出力点を有する帯状の出力結合電極とを備えるバンドパスフィルタであって、
    前記入力段の第1の共振電極の前記一方端と前記入力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置しており、
    前記出力段の第1の共振電極の前記一方端と前記出力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置しており、
    前記電気信号入力点は、前記入力結合電極の長さ方向において、前記入力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第1の共振電極の他方端に近い側で、かつ前記入力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第2の共振電極の他方端に近い側に位置しており、
    前記電気信号出力点は、前記出力結合電極の長さ方向において、前記出力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第1の共振電極の他方端に近い側で、かつ前記出力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第2の共振電極の他方端に近い側に位置していることを特徴とするバンドパスフィルタ。
  2. 前記複数の第1の共振電極は、前記一方端と前記他方端とが互い違いになるように横並びに配置されており、
    前記複数の第2の共振電極は、前記一方端と前記他方端とが互い違いになるように横並びに配置されていることを特徴とする請求項1に記載のバンドパスフィルタ。
  3. 前記第1の層間に前記複数の第1の共振電極の周囲を取り囲むように環状に形成され、前記複数の第1の共振電極の前記一方端が接続された、接地電位に接続される第1の環状接地電極と、前記第2の層間に前記複数の第2の共振電極の周囲を取り囲むように環状に形成され、前記複数の第2の共振電極の前記一方端が接続された、接地電位に接続される第2の環状接地電極とを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のバンドパスフィルタ。
  4. 前記積層体の前記第1の層間とは異なる層間に前記第1の環状接地電極に対向する領域と前記第1の共振電極に対向する領域とを有するように配置され、前記第1の共振電極に対向する領域が前記第1の共振電極との間に位置する前記誘電体層を貫通する第1の貫通導体によって前記第1の共振電極の前記他方端側に接続された補助共振電極が、前記複数の第1の共振電極の各々に対応して配置されていることを特徴とする請求項3に記載のバンドパスフィルタ。
  5. 前記入力段の第1の共振電極に接続された前記補助共振電極および前記出力段の第1の共振電極に接続された前記補助共振電極が、前記積層体の前記第1の層間に対して前記第3の層間と同じ側に位置する層間に配置されており、
    前記積層体の前記第1の層間、前記第3の層間および前記入力段の第1の共振電極に接続された前記補助共振電極が配置された層間とは異なる層間に前記入力段の第1の共振電極に接続された前記補助共振電極に対向する領域と前記入力結合電極に対向する領域とを有するように配置され、前記入力結合電極に対向する領域が前記入力結合電極との間に位置する前記誘電体層を貫通する第2の貫通導体によって、前記入力結合電極の長さ方向において、前記入力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第1の共振電極の前記他方端に近い側で、かつ前記入力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第2の共振電極の前記他方端に近い側に接続された補助入力結合電極と、
    前記積層体の前記第1の層間、前記第3の層間および前記出力段の第1の共振電極に接続された前記補助共振電極が配置された層間とは異なる層間に前記出力段の第1の共振電極に接続された前記補助共振電極に対向する領域と前記出力結合電極に対向する領域とを有するように配置され、前記出力結合電極に対向する領域が前記出力結合電極との間に位置する前記誘電体層を貫通する第3の貫通導体によって、前記出力結合電極の長さ方向において、前記出力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第1の共振電極の前記他方端に近い側で、かつ前記出力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第2の共振電極の前記他方端に近い側に接続された補助出力結合電極とを備えることを特徴とする請求項4に記載のバンドパスフィルタ。
  6. 前記積層体の前記第2の層間および前記補助入力結合電極が配置された層間とは異なる層間に、前記複数の第2の共振電極のうち前記入力段の第2の共振電極に対向する領域と前記補助入力結合電極に対向する領域とを有するように配置され、前記入力段の第2の共振電極に対向する領域が前記入力段の第2の共振電極との間に位置する前記誘電体層を貫通する第4の貫通導体によって、前記入力段の第2の共振電極の前記他方端側に接続された入力側補助結合共振電極と、
    前記積層体の前記第2の層間および前記補助出力結合電極が配置された層間とは異なる層間に、前記複数の第2の共振電極のうち前記出力段の第2の共振電極に対向する領域と前記補助出力結合電極に対向する領域とを有するように配置され、前記出力段の第2の共振電極に対向する領域が前記出力段の第2の共振電極との間に位置する前記誘電体層を貫通する第5の貫通導体によって、前記出力段の第2の共振電極の前記他方端側に接続された出力側補助結合共振電極とを備えることを特徴とする請求項5に記載のバンドパスフィルタ。
  7. 前記積層体は第1の積層体およびその上に配置された第2の積層体によって構成されており、前記第1の接地電極は前記第1の積層体の下面に配置されており、前記第2の接地電極は前記第2の積層体の上面に配置されており、前記第1の層間と前記第2の層間とは前記第1の積層体および前記第2の積層体のうち互いに異なる積層体中の層間であり、前記第3の層間が前記第1の積層体と前記第2の積層体との間の層間であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれに記載のバンドパスフィルタ。
  8. 複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、
    該積層体の下面に配置された第1の接地電極と、
    前記積層体の上面に配置された第2の接地電極と、
    前記積層体の第1の層間に相互に電磁界結合するように横並びに配置された、それぞれ一方端が接地されて1/4波長共振器として機能する帯状の複数の第1の共振電極と、
    前記積層体の前記第1の層間とは異なる第2の層間に相互に電磁界結合するように横並びに配置された、それぞれ一方端が接地されて、前記第1の共振電極よりも高い周波数で共振する1/4波長共振器として機能する帯状の複数の第2の共振電極と、
    前記積層体の前記第1の層間と前記第2の層間との間に位置する第3の層間に配置されて前記複数の第1の共振電極のうち入力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向する帯状の第1の入力結合電極および前記積層体の前記第2の層間と前記第3の層間との間に位置する第4の層間に配置されて前記複数の第2の共振電極のうち入力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向する帯状の第2の入力結合電極ならびに前記第1の入力結合電極および前記第2の入力結合電極を接続する入力側接続導体からなり、前記入力段の第1の共振電極および前記入力段の第2の共振電極と電磁界結合するとともに外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点を有する複合入力結合電極と、
    前記積層体の前記第3の層間に配置されて前記複数の第1の共振電極のうち出力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向する帯状の第1の出力結合電極および前記積層体の前記第4の層間に配置されて前記複数の第2の共振電極のうち出力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向する帯状の第2の出力結合電極ならびに前記第1の出力結合電極および前記第2の出力結合電極を接続する出力側接続導体からなり、前記出力段の第1の共振電極および前記出力段の第2の共振電極と電磁界結合するとともに外部回路からの電気信号が出力される電気信号出力点を有する複合出力結合電極とを備え、
    前記入力段の第1の共振電極の前記一方端と前記入力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置しており、
    前記出力段の第1の共振電極の前記一方端と前記出力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置しており、
    前記電気信号入力点および前記入力側接続導体は、前記複合入力結合電極の長さ方向において、前記入力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第1の共振電極の他方端に近い側で、かつ前記入力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第2の共振電極の他方端に近い側に位置しており、
    前記電気信号出力点および前記出力側接続導体は、前記複合出力結合電極の長さ方向において、前記出力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第1の共振電極の他方端に近い側で、かつ前記出力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第2の共振電極の他方端に近い側に位置していることを特徴とするバンドパスフィルタ。
  9. 前記複数の第1の共振電極は、前記一方端と前記他方端とが互い違いになるように横並びに配置されており、
    前記複数の第2の共振電極は、前記一方端と前記他方端とが互い違いになるように横並びに配置されていることを特徴とする請求項8に記載のバンドパスフィルタ。
  10. 前記第1の入力結合電極および前記第2の入力結合電極の対向領域の中央よりも前記第1の入力側接続導体と反対側に前記第1の入力結合電極および前記第2の入力結合電極を接続する入力側接続補助導体が配置されており、前記第1の出力結合電極および前記第2の出力結合電極の対向領域の中央よりも前記第1の出力側接続導体と反対側に前記第1の出力結合電極および前記第2の出力結合電極を接続する出力側接続補助導体が配置されていることを特徴とする請求項8または請求項9に記載のバンドパスフィルタ。
  11. 前記第1の層間に前記複数の第1の共振電極の周囲を取り囲むように環状に形成され、前記複数の第1の共振電極の前記一方端が接続された第1の環状接地電極と、前記第2の層間に前記複数の第2の共振電極の周囲を取り囲むように環状に形成され、前記複数の第2の共振電極の前記一方端が接続された第2の環状接地電極とを備えることを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれかに記載のバンドパスフィルタ。
  12. 前記積層体の前記第1の層間とは異なる一または複数の層間に前記第1の環状接地電極に対向する領域を有するように配置され、貫通導体によって前記第1の共振電極の前記他方端側に接続された補助共振電極が、前記複数の第1の共振電極の各々に対応して配置されていることを特徴とする請求項11に記載のバンドパスフィルタ。
  13. 前記補助共振電極のうち前記入力段の第1の共振電極に接続された入力段の補助共振電極および前記出力段の第1の共振電極に接続された出力段の補助共振電極が前記積層体の前記第1の層間に対して前記第3の層間と同じ側に位置する一の層間に配置されており、前記積層体の前記第1の層間および前記一の層間とは異なる層間に、前記入力段の補助共振電極に対向する領域を有するように配置されて前記複合入力結合電極の前記電気信号入力点に接続された補助入力結合電極と、前記出力段の補助共振電極に対向する領域を有するように配置されて前記複合出力結合電極の前記電気信号出力点に接続された補助出力結合電極とを備えることを特徴とする請求項12に記載のバンドパスフィルタ。
  14. 前記積層体は第1の積層体およびその上に配置された第2の積層体によって構成されており、前記第1の接地電極は前記第1の積層体の下面に配置されており、前記第2の接地電極は前記第2の積層体の上面に配置されており、前記第1の層間と前記第2の層間とは前記第1の積層体および前記第2の積層体のうち互いに異なる積層体中の層間であり、前記第3の層間または前記第4の層間が前記第1の積層体と前記第2の積層体との間の層間であることを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれかに記載のバンドパスフィルタ。
  15. 複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、
    該積層体の下面に配置された第1の接地電極と、
    前記積層体の上面に配置された第2の接地電極と、
    前記積層体の第1の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置された、それぞれ前記一方端が接地されて1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する帯状の4個以上の第1の共振電極と、
    前記積層体の前記第1の層間とは異なる第2の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置された、それぞれ前記一方端が接地されて、前記第1の共振電極よりも高い周波数で共振する1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する帯状の4個以上の第2の共振電極と、
    前記積層体の前記第1の層間と前記第2の層間との間に位置する第3の層間に配置された、前記4個以上の第1の共振電極のうち入力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ前記4個以上の第2の共振電極のうち入力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点を有する帯状の入力結合電極と、
    前記積層体の前記第3の層間に配置された、前記4個以上の第1の共振電極のうち出力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ前記4個以上の第2の共振電極のうち出力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路へ向けて電気信号が出力される電気信号出力点を有する帯状の出力結合電極と、
    前記積層体の前記第1の層間を間に挟んで前記第3の層間と反対側に位置する第4の層間に配置された、隣り合う4以上の偶数個の前記第1の共振電極からなる第1の共振電極群を構成する最前段の第1の共振電極の前記一方端の近傍で一方端が接地され、前記第1の共振電極群を構成する最後段の第1の共振電極の前記一方端の近傍で他方端が接地されており、前記最前段の第1の共振電極および前記最後段の第1の共振電極の前記一方端側にそれぞれ対向して電磁界結合する領域を有する第1の共振電極結合導体とを備え、
    前記入力段の第1の共振電極の前記一方端と前記入力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置しており、
    前記出力段の第1の共振電極の前記一方端と前記出力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置しており、
    前記電気信号入力点は、前記入力結合電極の長さ方向において、前記入力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第1の共振電極の前記他方端に近い側で、かつ前記入力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第2の共振電極の前記他方端に近い側に位置しており、
    前記電気信号出力点は、前記出力結合電極の長さ方向において、前記出力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第1の共振電極の前記他方端に近い側で、かつ前記出力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第2の共振電極の前記他方端に近い側に位置していることを特徴とするバンドパスフィルタ。
  16. 前記第1の共振電極結合導体は、前記最前段の第1の共振電極に対して平行に対向する帯状の第1の前段側結合領域と、前記最後段の第1の共振電極に対して平行に対向する帯状の第1の後段側結合領域と、前記第1の前段側結合領域および前記第1の後段側結合領域をこれらの領域に対してそれぞれ直交して接続する第1の接続領域とから構成されていることを特徴とする請求項15に記載のバンドパスフィルタ。
  17. 複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、
    該積層体の下面に配置された第1の接地電極と、
    前記積層体の上面に配置された第2の接地電極と、
    前記積層体の第1の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置された、それぞれ前記一方端が接地されて1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する帯状の4個以上の第1の共振電極と、
    前記積層体の前記第1の層間とは異なる第2の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置された、それぞれ前記一方端が接地されて、前記第1の共振電極よりも高い周波数で共振する1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する帯状の4個以上の第2の共振電極と、
    前記積層体の前記第1の層間と前記第2の層間との間に位置する第3の層間に配置された、前記4個以上の第1の共振電極のうち入力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ前記4個以上の第2の共振電極のうち入力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点を有する帯状の入力結合電極と、
    前記積層体の前記第3の層間に配置された、前記4個以上の第1の共振電極のうち出力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ前記4個以上の第2の共振電極のうち出力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路へ向けて電気信号が出力される電気信号出力点を有する帯状の出力結合電極と、
    前記積層体の前記第2の層間を間に挟んで前記第3の層間と反対側に位置する第5の層間に配置された、隣り合う4以上の偶数個の前記第2の共振電極からなる第2の共振電極群を構成する最前段の第2の共振電極の前記一方端の近傍で一方端が接地され、前記第2の共振電極群を構成する最後段の第2の共振電極の前記一方端の近傍で他方端が接地されており、前記最前段の第2の共振電極および前記最後段の第2の共振電極の前記一方端側にそれぞれ対向して電磁界結合する領域を有する第2の共振電極結合導体とを備え、
    前記入力段の第1の共振電極の前記一方端と前記入力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置しており、
    前記出力段の第1の共振電極の前記一方端と前記出力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置しており、
    前記電気信号入力点は、前記入力結合電極の長さ方向において、前記入力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第1の共振電極の前記他方端に近い側で、かつ前記入力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第2の共振電極の前記他方端に近い側に位置しており、
    前記電気信号出力点は、前記出力結合電極の長さ方向において、前記出力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第1の共振電極の前記他方端に近い側で、かつ前記出力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第2の共振電極の前記他方端に近い側に位置していることを特徴とするバンドパスフィルタ。
  18. 前記第2の共振電極結合導体は、前記最前段の第2の共振電極に対して平行に対向する帯状の第2の前段側結合領域と、前記最後段の第2の共振電極に対して平行に対向する帯状の第2の後段側結合領域と、前記第2の前段側結合領域および前記第2の後段側結合領域をこれらの領域に対してそれぞれ直交して接続する第2の接続領域とから構成されていることを特徴とする請求項17に記載のバンドパスフィルタ。
  19. 複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、
    該積層体の下面に配置された第1の接地電極と、
    前記積層体の上面に配置された第2の接地電極と、
    前記積層体の第1の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置された、それぞれ前記一方端が接地されて1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する帯状の4個以上の第1の共振電極と、
    前記積層体の前記第1の層間とは異なる第2の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置された、それぞれ前記一方端が接地されて、前記第1の共振電極よりも高い周波数で共振する1/4波長共振器として機能するとともに相互に電磁界結合する帯状の4個以上の第2の共振電極と、
    前記積層体の前記第1の層間と前記第2の層間との間に位置する第3の層間に配置された、前記4個以上の第1の共振電極のうち入力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ前記4個以上の第2の共振電極のうち入力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路からの電気信号が入力される電気信号入力点を有する帯状の入力結合電極と、
    前記積層体の前記第3の層間に配置された、前記4個以上の第1の共振電極のうち出力段の第1の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合し、かつ前記4個以上の第2の共振電極のうち出力段の第2の共振電極の長さ方向の半分以上に渡る領域と対向して電磁界結合するとともに、外部回路へ向けて電気信号が出力される電気信号出力点を有する帯状の出力結合電極と、
    前記積層体の前記第1の層間を間に挟んで前記第3の層間と反対側に位置する第4の層間に配置された、隣り合う4以上の偶数個の前記第1の共振電極からなる第1の共振電極群を構成する最前段の第1の共振電極の前記一方端の近傍で一方端が接地され、前記第1の共振電極群を構成する最後段の第1の共振電極の前記一方端の近傍で他方端が接地されており、前記最前段の第1の共振電極および前記最後段の第1の共振電極の前記一方端側にそれぞれ対向して電磁界結合する領域を有する第1の共振電極結合導体と、
    前記積層体の前記第2の層間を間に挟んで前記第3の層間と反対側に位置する第5の層間に配置された、隣り合う4以上の偶数個の前記第2の共振電極からなる第2の共振電極群を構成する最前段の第2の共振電極の前記一方端の近傍で一方端が接地され、前記第2の共振電極群を構成する最後段の第2の共振電極の前記一方端の近傍で他方端が接地されており、前記最前段の第2の共振電極および前記最後段の第2の共振電極の前記一方端側にそれぞれ対向して電磁界結合する領域を有する第2の共振電極結合導体とを備え、
    前記入力段の第1の共振電極の前記一方端と前記入力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置しており、
    前記出力段の第1の共振電極の前記一方端と前記出力段の第2の共振電極の前記一方端とが同じ側に位置しており、
    前記電気信号入力点は、前記入力結合電極の長さ方向において、前記入力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第1の共振電極の前記他方端に近い側で、かつ前記入力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の第2の共振電極の前記他方端に近い側に位置しており、
    前記電気信号出力点は、前記出力結合電極の長さ方向において、前記出力段の第1の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第1の共振電極の前記他方端に近い側で、かつ前記出力段の第2の共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の第2の共振電極の前記他方端に近い側に位置していることを特徴とするバンドパスフィルタ。
  20. 前記第1の共振電極結合導体は、前記最前段の第1の共振電極に対して平行に対向する帯状の第1の前段側結合領域と、前記最後段の第1の共振電極に対して平行に対向する帯状の第1の後段側結合領域と、前記第1の前段側結合領域および前記第1の後段側結合領域をこれらの領域に対してそれぞれ直交して接続する第1の接続領域とから構成されており、前記第2の共振電極結合導体は、前記最前段の第2の共振電極に対して平行に対向する帯状の第2の前段側結合領域と、前記最後段の第2の共振電極に対して平行に対向する帯状の第2の後段側結合領域と、前記第2の前段側結合領域および前記第2の後段側結合領域をこれらの領域に対してそれぞれ直交して接続する第2の接続領域とから構成されていることを特徴とする請求項19に記載のバンドパスフィルタ。
  21. 前記第1の層間に前記4個以上の第1の共振電極の周囲を取り囲むように環状に形成され、前記4個以上の第1の共振電極の前記一方端が接続された第1の環状接地電極と、前記第2の層間に前記4個以上の第2の共振電極の周囲を取り囲むように環状に形成され、前記4個以上の第2の共振電極の前記一方端が接続された第2の環状接地電極とを備えることを特徴とする請求項15乃至請求項20のうちいずれかに記載のバンドパスフィルタ。
  22. 前記積層体の前記第1の層間とは異なる一または複数の層間に前記第1の環状接地電極に対向する領域を有するように配置され、貫通導体によって前記第1の共振電極の前記他方端側に接続された補助共振電極が、前記4個以上の第1の共振電極の各々に対応して配置されていることを特徴とする請求項21に記載のバンドパスフィルタ。
  23. 前記補助共振電極のうち前記入力段の第1の共振電極に接続された入力段の補助共振電極および前記出力段の第1の共振電極に接続された出力段の補助共振電極が前記積層体の前記第1の層間に対して前記第3の層間と同じ側に位置する一の層間に配置されており、前記積層体の前記第1の層間および前記一の層間とは異なる層間に、前記入力段の補助共振電極に対向する領域を有するように配置されて前記入力結合電極の前記電気信号入力点に接続された補助入力結合電極と、前記出力段の補助共振電極に対向する領域を有するように配置されて前記出力結合電極の前記電気信号出力点に接続された補助出力結合電極とを備えることを特徴とする請求項22に記載のバンドパスフィルタ。
  24. 前記積層体は第1の積層体およびその上に配置された第2の積層体によって構成されており、前記第1の接地電極は前記第1の積層体の下面に配置されており、前記第2の接地電極は前記第2の積層体の上面に配置されており、前記第1の層間と前記第2の層間とは前記第1の積層体および前記第2の積層体のうち互いに異なる積層体中の層間であり、前記第3の層間が前記第1の積層体と前記第2の積層体との間の層間であることを特徴とする請求項15乃至請求項21のいずれかに記載のバンドパスフィルタ。
  25. 請求項1乃至請求項24のいずれかに記載のバンドパスフィルタを備えることを特徴とする無線通信モジュール。
  26. 請求項1乃至請求項24のいずれかに記載のバンドパスフィルタを含むRF部と、該RF部に接続されたベースバンド部と、前記RF部に接続されたアンテナとを備えることを特徴とする無線通信機器。
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