JP4949212B2 - バンドパスフィルタおよびそれを用いた高周波モジュールならびにそれを用いた無線通信機器 - Google Patents

バンドパスフィルタおよびそれを用いた高周波モジュールならびにそれを用いた無線通信機器 Download PDF

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Description

本発明はバンドパスフィルタおよびそれを用いた高周波モジュールならびにこれを用いた無線通信機器に関するものであり、特にUWB(Ultra Wide Band)に好適に使用可能な非常に広い通過帯域を有するバンドパスフィルタおよびそれを用いた高周波モジュールならびにそれらを用いた無線通信機器に関するものである。
近年、新しい通信手段としてUWBが着目されている。UWBは10m程度の短い距離において広い周波数帯域を使用して大容量のデータ転送を実現するものであり、例えば米国FCC(Federal Communication Commission)の規定によると3.1〜10.6GHzの周波数帯域を使用する計画となっている。このようにUWBの特徴は非常に広い周波数帯域を用いることである。
このようなUWBに使用可能な超広帯域のフィルタに関する研究は近年盛んに行なわれており、例えば、方向性結合器の原理を応用したバンドパスフィルタによって、通過帯域幅が比帯域(帯域幅/中心周波数)で100%を超える広帯域な特性が得られたとの報告がある(例えば、非特許文献1を参照。)。
一方、従来よく使用されるフィルタとして、複数の1/4波長ストリップライン共振器を併設して相互に結合させて構成したバンドパスフィルタが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
「マイクロストリップ−CPWブロードサイド結合構造を用いた超広帯域バンドパスフィルタ」2005年3月電子情報通信学会総合大会講演論文集 C−2−114 p.147 特開2004−180032号公報
しかしながら、上述したバンドパスフィルタはそれぞれ問題点を有しており、UWB用のバンドパスフィルタには適さないものであった。
例えば、非特許文献1にて提案されたバンドパスフィルタは通過帯域幅が広すぎるという問題があった。すなわち、UWBは最終的に3.1GHz〜10.6GHzの周波数帯域を使用するが、当初は3.1GHz〜4.9GHzの周波数帯域を使用する計画となっており、比帯域で45%となる。よって、これに使用されるフィルタには比帯域で40%程度の通過帯域幅が要求される。また、W−LAN(802.11.a)との間の影響を考慮する必要があり、5.15GHzにおける減衰が要求されている。よって、通過帯域幅が比帯域で100%を超えるような特性を有する非特許文献1にて提案されたバンドパスフィルタは通過帯域幅が広すぎて使えないものであった。
また、従来の1/4波長共振器を使用したバンドパスフィルタの通過帯域幅は狭すぎ、広帯域化を図った特許文献1に記載のバンドパスフィルタの通過帯域幅であっても比帯域で10%にも満たないものであった。よって、比帯域で40%に相当する広い通過帯域幅を要求されるUWB用のバンドパスフィルタとして使えるものではなかった。
本発明はこのような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、超広帯域であり、且つUWB用のバンドパスフィルタとして適度な通過帯域幅を有するバンドパスフィルタおよびそれを用いた高周波モジュールならびにそれを用いた無線通信機器を提供することにある。
本発明は、複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、該積層体の下面に配置された、アース電位に接続される第1のアース電極と、前記積層体の上面に配置された、アース電位に接続される第2のアース電極と、前記積層体の一つの層間に平行に配置された、少なくとも入力段共振電極と出力段共振電極とを含む1/2波長共振器として機能する帯状の複数の共振電極と、前記積層体の前記一つの層間に配置された、前記複数の共振電極を取り囲む環状アース電極と、前記積層体の前記一つの層間よりも上側の層間に配置された、前記入力段共振電極の長さ方向の中央より一方端側の一方端側領域に対向して電磁界結合する第1の入力結合電極と、前記入力段共振電極の長さ方向の中央より他方端側の他方端側領域に対向して電磁界結合する第2の入力結合電極と、前記出力段共振電極の長さ方向の中央より一方端側の一方端側領域に対向して電磁界結合する第1の出力結合電極と、前記出力段共振電極の長さ方向の中央より他方端側の他方端側領域に対向して電磁界結合する第2の出力結合電極と、前記積層体の前記一つの層間よりも上側の層間に前記環状アース電極と対向するように配置され、貫通導体によって前記複数の共振電極の各々の一方端および他方端に接続された複数の補助共振電極とを備え、前記第1の入力結合電極のうち前記入力段共振電極の一方端から当該入力段共振電極の全長の1/4までの領域と対向する領域内に第1の信号入力点を有するとともに、前記第2の入力結合電極のうち前記入力段共振電極の他方端から当該入力段共振電極の全長の1/4までの領域と対向する領域内に第2の信号入力点を有し、前記第1の出力結合電極のうち前記出力段共振電極の一方端から当該出力段共振電極の全長の1/4までの領域と対向する領域内に第1の信号出力点を有するとともに、前記第2の出力結合電極のうち前記出力段共振電極の他方端から当該出力段共振電極の全長の1/4までの領域と対向する領域内に第2の信号出力点を有しており、前記積層体の前記一つの層間よりも上側の層間に、信号が入力される第1の入力点と、前記第1の信号入力点に貫通導体を介して接続された第1の接続点と、前記入力段共振電極の前記一方端に接続された第1の前記補助共振電極に対向する領域とを有する第1の補助入力結合電極と、信号が入力される第2の入力点と、前記第2の信号入力点に貫通導体を介して接続された第2の接続点と、前記入力段共振電極の前記他方端に接続された第2の前記補助共振電極に対向する領域とを有する第2の補助入力結合電極と、信号が出力される第1の出力点と、前記第1の信号出力点に貫通導体を介して接続された第3の接続点と、前記出力段共振電極の前記一方端に接続された第3の前記補助共振電極に対向する領域とを有する第1の補助出力結合電極と、信号が出力される第2の出力点と、前記第2の信号出力点に貫通導体を介して接続された第4の接続点と、前記出力段共振電極の前
記他方端に接続された第4の前記補助共振電極に対向する領域とを有する第2の補助出力結合電極とをさらに備えていることを特徴とするものである。
本発明の高周波モジュールは、上記構成の本発明のバンドパスフィルタを備えることを特徴とするものである。
本発明の無線通信機器は、上記構成の本発明のバンドパスフィルタを含むRF部と、該RF部に接続されたベースバンド部と、前記RF部に接続されたアンテナとを備えていることを特徴とするものである。
本発明によれば、第1および第2の入力結合電極と入力段共振電極とがインターデジタル型に結合し、同様に第1および第2の出力結合電極と出力段共振電極とがインターデジタル型に結合するため、磁界による結合と電界による結合とが加算されて強い結合が生じる。これにより、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた広い通過帯域であっても、当該通過帯域全域に渡って平坦で低損失な通過特性を有することができる。また、本発明によれば、貫通導体によって複数の共振電極の一方端および他方端にそれぞれ接続された複数の補助共振電極を備え、この複数の補助共振電極が環状アース電極と対向するように配置されているので、それぞれの対向部において両者の間に静電容量が生じるので、各々の共振電極の長さを短縮することができ、小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
さらに、本発明のバンドパスフィルタによれば、一端に信号が入力される入力点を有するとともに他端に第1の信号入力点と貫通導体を介して接続された接続点を有し、一端側に入力段共振電極の一方端と接続された補助共振電極と対向する領域を有する第1の補助入力結合電極と、一端に信号が入力される入力点を有するとともに他端に第2の信号入力点と貫通導体を介して接続された接続点を有し、一端側に入力段共振電極の他方端と接続された補助共振電極と対向する領域を有する第2の補助入力結合電極と、一端に信号が出力される出力点を有するとともに他端に第1の信号出力点と貫通導体を介して接続された接続点を有し、一端側に出力段共振電極の一方端と接続された補助共振電極と対向する領域を有する第1の補助出力結合電極と、一端に信号が出力される出力点を有するとともに他端に第2の信号出力点と貫通導体を介して接続された接続点を有し、一端側に出力段共振電極の他方端と接続された補助共振電極と対向する領域を有する第2の補助出力結合電極とを備えているときには、入力段補助共振電極と補助入力結合電極との間に電磁界結合が生じて、入力段共振電極と入力結合電極との間の電磁界結合に加算され、同様に、出力段補助共振電極と補助出力結合電極との間に電磁界結合が生じ、出力段共振電極と出力結合電極との間の電磁界結合に加算される。これによって、第1および第2の入力結合電極と入力段共振電極との間の電磁界結合、第1および第2の出力結合電極と出力段共振電極との間の電磁界結合がさらに強まるので、広い通過帯域の全域に渡ってより平坦な通過特性を有することができる。
また、本発明の高周波モジュールおよび本発明の無線通信機器によれば、通信帯域の全域に渡って通過する信号の損失が小さい本発明のバンドパスフィルタを送信信号および/または受信信号の濾波に用いることにより、バンドパスフィルタを通過する受信信号および送信信号の減衰が少なくなるため、受信感度が向上し、また、送信信号および/または受信信号の増幅度を小さくできるため増幅回路における消費電力が少なくなる。よって受信感度が高く消費電力が少ない高性能な高周波モジュールおよび無線通信機器を得ることができる。
以下、本発明のバンドパスフィルタおよびそれを用いた高周波モジュールならびにそれらを用いた無線通信機器の一実施形態を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は本発明のバンドパスフィルタの実施の形態の一例を模式的に示す外観斜視図である。図2は図1に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。図3は図1に示すバンドパスフィルタの上下面および各層間の一方の面を模式的に示す平面図である。図4は図1のA−A線断面図である。
本形態のバンドパスフィルタは、複数の誘電体層11が積層されてなる積層体10と、積層体10の下面に配置された第1のアース電極21と、積層体10の上面に配置された第2のアース電極22と、積層体10の一つの層間に配置された1/2波長共振器として機能する帯状の入力段共振電極30aおよび出力段共振電極30bと、入力段共振電極30aと出力段共振電極30bとの間に配置された1/2波長共振器として機能し入力段共振電極30aおよび出力段共振電極30bと相互に電磁界結合する帯状の中段共振電極30cと、これらの共振電極(入力段共振電極30a、出力段共振電極30b、中段共振電極30c)を取り囲むように形成された環状アース電極23とを備えている。
第1のアース電極21は積層体10の下面の全面に、第2のアース電極22は積層体10の上面の第1の入力端子電極60a、第2の入力端子電極60c、第1の出力端子電極60b、第2の出力端子電極60dの周囲を除いたほぼ全面に配置されており、いずれもアース電位に接続されて、入力段共振電極30a、出力段共振電極30b、中段共振電極30cとともにストリップライン共振器を構成している。すなわち、入力段共振電極30a、出力段共振電極30bおよび中段共振電極30cは、第1のアース電極21および第2のアース電極22とともにストリップライン共振器を構成しており、1/2波長共振器として機能する。
1/2波長共振器として機能する入力段共振電極30a、出力段共振電極30bおよび中段共振電極30cは、それぞれが1/4波長共振器として機能する共振電極を長さ方向に二つ並べたものに相当する。すなわち、入力段共振電極30aの長さ方向の中央より一方端側の一方端側領域(1/4波長分)と、出力段共振電極30bの長さ方向の中央より一方端側の一方端側領域(1/4波長分)と、これらの間に配置された中段共振電極30cの長さ方向の中央より一方端側の一方端側領域(1/4波長分)とが相互に電磁界結合(エッジ結合)するようになっている。また、入力段共振電極30aの長さ方向の中央より他方端側の他方端側領域(1/4波長分)と、出力段共振電極30bの長さ方向の中央より他方端側の他方端側領域(1/4波長分)と、これらの間に配置された中段共振電極30cの長さ方向の中央より他方端側の他方端側領域(1/4波長分)とが相互に電磁界結合(エッジ結合)するようになっている。
ここで、中段共振電極30cと入力段共振電極30aまたは出力段共振電極30bとの間隔は小さい方がより強い結合を得られるが、間隔を小さくすると製造が困難になるので、例えば、0.05〜0.5mm程度に設定される。
環状アース電極23は、積層体10の複数の共振電極(入力段共振電極30a、出力段共振電極30b、中段共振電極30c)が設けられた層間と同一の層間にこれらの共振電極(入力段共振電極30a、出力段共振電極30b、中段共振電極30c)を取り囲むように形成されている。そして、環状アース電極23自身はアース電位に接続されている。
環状アース電極23が入力段共振電極30a、出力段共振電極30bおよび中段共振電極30cを環状に取り囲むことによって、入力段共振電極30a、出力段共振電極30bおよび中段共振電極30cから発生する電磁波の周囲への漏洩を低減することができる。この効果はモジュール基板の中の一部の領域にバンドパスフィルタが形成される場合に、モジュール基板の他の領域への悪影響を防止するうえで特に有用である。
また、本形態のバンドパスフィルタは、複数の共振電極(入力段共振電極30a、出力段共振電極30b、中段共振電極30c)および環状アース電極23の配置された層間よりも上側の層間に、入力段共振電極30aに対向するように配置された帯状の第1の入力結合電極40aおよび第2の入力結合電極40cと、出力段共振電極30bに対向するように配置された帯状の第1の出力結合電極40bおよび第2の出力結合電極40dとを備えている。
第1の入力結合電極40aおよび第2の入力結合電極40cは、それぞれの全体が入力段共振電極30aに対向して電磁界結合するように配置されている。具体的には、第1の入力結合電極40aは入力段共振電極30aの一方端側領域に対向して電磁界結合するように配置され、第2の入力結合電極40cは入力段共振電極30aの他方端側領域に対向して電磁界結合するように配置されている。したがって、第1の入力結合電極40aと入力段共振電極30aの一方端側領域および第2の入力結合電極40cと入力段共振電極30aの他方端側領域は、いずれもブロードサイド結合しており、エッジ結合する場合と比較して強く結合している。
さらに、第1の入力結合電極40aは、貫通導体52a、53a(図2では点線で示している)および後述の第1の補助入力結合電極41aによって積層体10の上面に設けられた第1の入力端子電極60aと接続されており、第2の入力結合電極40cは貫通導体52c、53c(図2では点線で示している)および後述の第2の補助入力結合電極41cによって積層体10の上面に設けられた第2の入力端子電極60cと接続されている。ここで、第1の入力結合電極40aと貫通導体52aとが接続する点である第1の信号入力点71aは、第1の入力結合電極40aのうち入力段共振電極30aの一方端から当該入力段共振電極30aの全長の1/4までの領域と対向する領域内に設けることが重要であって、本形態では入力段共振電極30aの一方端近傍と対向する位置になっている。また、第2の入力結合電極40cと貫通導体52cとが接続する点である第2の信号入力点71cは、第2の入力結合電極40cのうち入力段共振電極30aの他方端から当該入力段共振電極30aの全長の1/4までの領域と対向する領域内に設けることが重要であってあって、本形態では入力段共振電極30aの他方端近傍と対向する位置になっている。なお、第1の入力結合電極40aおよび第2の入力結合電極40cの反対側の端部(他方端)は開放端とされている。そして、外部回路から入力される平衡型電気信号は、第1の信号入力点71aから第1の入力結合電極40aに供給されるとともに、第2の信号入力点71cから第2の入力結合電極40cに供給される。
これによって、第1の入力結合電極40aと入力段共振電極30aの一方端側領域とはインターデジタル型に結合し、第2の入力結合電極40cと入力段共振電極30aの他方端側領域とはインターデジタル型に結合しており、磁界による結合と電界による結合とが加算されて、コムライン型に結合する場合や単に容量結合する場合と比較してより強く結合している。このように、第1の入力結合電極40aは、その全体に渡って入力段共振電極30aの一方端側領域とブロードサイド結合およびインターデジタル型結合していて、入力段共振電極30aの一方端側領域と非常に強く結合している。同様に、第2の入力結合電極40cも入力段共振電極30aの他方端側領域と非常に強く結合している。
一方、第1の出力結合電極40bおよび第2の出力結合電極40dも、複数の共振電極(入力段共振電極30a、出力段共振電極30b、中段共振電極30c)および環状アース電極23の配置された層間よりも上側の層間に、それぞれの全体が出力段共振電極30bに対向して電磁界結合するように配置されている。具体的には、第1の出力結合電極40bは出力段共振電極30bの一方端側領域に対向して電磁界結合するように配置され、第2の出力結合電極40dは出力段共振電極30bの他方端側領域に対向して電磁界結合するように配置されている。したがって、第1の出力結合電極40bと出力段共振電極30bの一方端側領域および第2の出力結合電極40dと出力段共振電極30bの他方端側領域は、いずれもブロードサイド結合しており、エッジ結合する場合と比較して強く結合している。
さらに、第1の出力結合電極40bは、貫通導体52b、53b(図2では点線で示している)および後述の第1の補助出力結合電極41bによって積層体10の上面に設けられた第1の出力端子電極60bと接続されており、第2の出力結合電極40dは貫通導体52d、53d(図2では点線で示している)および後述の第2の補助出力結合電極41dによって積層体10の上面に設けられた第2の出力端子電極60dと接続されている。ここで、第1の出力結合電極40bと貫通導体52bとが接続する点である第1の信号出力点71bは、第1の出力結合電極40bにおける出力段共振電極30bの一方端から当該出力段共振電極30bの全長の1/4までの領域と対向する領域内に設けることが重要であって、本形態では出力段共振電極30bの一方端近傍と対向する位置になっている。また、第2の出力結合電極40dと貫通導体52dとが接続する点である第2の信号出力点71dは、第2の出力結合電極40dにおける出力段共振電極30bの他方端から当該出力段共振電極30bの全長の1/4まで領域と対向する領域内に設けることが重要であって、本形態では出力段共振電極30bの他方端近傍と対向する位置になっている。なお、第1の出力結合電極40bおよび第2の出力結合電極40dの反対側の端部(他方端)は開放端とされている。そして、外部回路へ出力される平衡型電気信号は、第1の信号出力点71bから取り出されるとともに、第2の信号出力点71dから取り出される。
これによって、第1の出力結合電極40bと出力段共振電極30bの一方端側領域とはインターデジタル型に結合し、第2の出力結合電極40dと出力段共振電極30bの他方端側領域とはインターデジタル型に結合しており、磁界による結合と電界による結合とが加算されて、コムライン型に結合する場合や単に容量結合する場合と比較してより強く結合している。このように、第1の出力結合電極40bは、その全体に渡って出力段共振電極30bの一方端側領域とブロードサイド結合およびインターデジタル型結合していて、出力段共振電極30bの一方端側領域と非常に強く結合している。同様に、第2の出力結合電極40dも出力段共振電極30bの他方端側領域と非常に強く結合している。
このように、第1の入力結合電極40aおよび第2の入力結合電極40cと入力段共振電極30aとが非常に強く結合し、第1の出力結合電極40bおよび第2の出力結合電極40dと出力段共振電極30bとが非常に強く結合しているので、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた広い通過帯域であっても、当該通過帯域全域に渡って平坦で低損失な通過特性を有することができる。
なお、第1の入力結合電極40aおよび第2の入力結合電極40cの形状寸法は、これら二つを合わせて入力段共振電極30aと同程度に設定されるのが好ましく、第1の出力結合電極40bおよび第2の出力結合電極40dの形状寸法は、これら二つを合わせて出力段共振電極30bと同程度に設定されるのが好ましい。
また、第1の入力結合電極40aおよび第2の入力結合電極40cと入力段共振電極30aとの間隔、第1の出力結合電極40bおよび第2の出力結合電極40dと出力段の共振電極30bとの間隔については、小さくすると結合は強くなるが製造上は難しくなるので、例えば、0.01〜0.5mm程度に設定される。
さらに、本形態のバンドパスフィルタは、積層体10の一つの層間よりも上側の層間に、具体的には、積層体10の複数の共振電極(入力段共振電極30a、出力段共振電極30bおよび共振電極30c)および環状アース電極23が設けられた層間より上側の層間であって、第1の入力結合電極40aおよび第2の入力結合電極40c、第1の出力結合電極40bおよび第2の出力結合電極40dの設けられた層間と同一の層間に、第1の入力段補助共振電極31a、第2の入力段補助共振電極31c、第1の出力段補助共振電極31b、第2の出力段補助共振電極31d、第1の中段補助共振電極31e、第2の中段補助共振電極31fを備えている。
第1の入力段補助共振電極31aは貫通導体51aによって入力段共振電極30aの一方端に接続され、第2の入力段補助共振電極31cは貫通導体51cによって入力段共振電極30aの他方端に接続されていて、いずれの入力段補助共振電極31a、31cも環状アース電極23と対向する領域を有している。
第1の出力段補助共振電極31bは貫通導体51bによって出力段共振電極30bの一方端に接続され、第2の出力段補助共振電極31dは貫通導体51dによって出力段共振電極30bの他方端に接続されていて、いずれの出力段補助共振電極31b、31dも環状アース電極23に対向する領域を有している。
第1の中段補助共振電極31eは貫通導体51eによって中段共振電極30cの一方端に接続され、第2の中段補助共振電極31fは貫通導体51fによって中段共振電極30cの他方端に接続されていて、いずれの中段補助共振電極31e、31fも環状アース電極23に対向する領域を有している。
この構造によれば、複数の共振電極のコムライン型の結合を可能とし、また環状アース電極23に対向する領域において環状アース電極23との間に静電容量が発生し、これによって複数の共振電極(入力段共振電極30a、出力段共振電極30b、中段共振電極30c)の長さを短縮することができるため、小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
第1の入力段補助共振電極31a、第2の入力段補助共振電極31c、第1の出力段補助共振電極31b、第2の出力段補助共振電極31d、第1の中段補助共振電極31e、第2の中段補助共振電極31fの環状アース電極23との対向領域の面積は、必要な大きさと得られる静電容量との兼ね合いから、例えば、0.01〜3mm程度に設定される。また、第1の入力段補助共振電極31a、第2の入力段補助共振電極31c、第1の出力段補助共振電極31b、第2の出力段補助共振電極31d、第1の中段補助共振電極31eおよび第2の中段補助共振電極31fと環状アース電極23との間隔は小さい方が大きな静電容量を生じさせることができるが、製造上は難しくなるので、例えば、0.01〜0.5mm程度に設定される。
さらに、本形態のバンドパスフィルタは上述の構成に加えて、補助入力結合電極および補助出力結合電極を備えている。
具体的には、第1の入力結合電極40aおよび第2の入力結合電極40c、第1の出力結合電極40bおよび第2の出力結合電極40dの設けられた層間よりも上側の層間に、帯状の第1の補助入力結合電極41a、帯状の第2の補助入力結合電極41c、帯状の第1の補助出力結合電極41b、第2の補助出力結合電極41dを備えている。
第1の補助入力結合電極41aは、貫通導体52aによって第1の入力結合電極40aにおける入力段共振電極30aの一方端から当該入力段共振電極30aの全長の1/4までの領域と対向する領域内で接続されていて、第1の入力段補助共振電極31aに対向するように配置され、換言すれば、第1の入力段補助共振電極31aと対向する領域を有している。そして、平衡型電気信号が第1の補助入力結合電極41aを介して第1の入力結合電極40a(第1の信号入力点71a)に供給されるようになっている。なお、第1の補助入力結合電極41aは、一端に信号が入力される入力点(貫通導体53aを介して第1の入力端子電極60aに接続された点)を有するとともに他端に第1の信号入力点71aと貫通導体52aを介して接続された接続点を有し、一端側に入力段共振電極30aの一方端と接続された補助共振電極(第1の入力段補助共振電極31a)と対向する領域を有している。
これによって、第1の入力結合電極40aに接続された第1の補助入力結合電極41aと、入力段共振電極30aに接続された第1の入力段補助共振電極31aとがブロードサイド結合し、この結合が第1の入力結合電極40aと入力段共振電極30aとの間の結合に加算されるため、全体としてより強い結合となる。さらに、入力段共振電極30aの一方端側領域およびこれに接続された第1の入力段補助共振電極31aの接合体と、第1の入力結合電極40aおよびこれに接続された第1の補助入力結合電極41aの接合体とが、全体的にインターデジタル型に結合することになるので、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合となる。よって、第1の補助入力結合電極41aの長さ方向において、第1の入力結合電極40aに接続される側と同じ側で入力端子電極60aに接続される場合と比較して、より強い結合を実現することができる。
また、第2の補助入力結合電極41cは、貫通導体52cによって第2の入力結合電極40cにおける入力段共振電極30aの他方端から当該入力段共振電極30aの全長の1/4までの領域と対向する領域内で接続されていて、第2の出力段補助共振電極31cに対向するように配置され、換言すれば、第2の入力段補助共振電極31cと対向する領域を有している。そして、平衡型電気信号が第2の補助入力結合電極41cを介して第2の入力結合電極40c(第2の信号入力点71c)に供給されるようになっている。なお、第2の補助入力結合電極41cは、一端に信号が入力される入力点(貫通導体53cを介して第2の入力端子電極60cに接続された点)を有するとともに他端に第2の信号入力点71cと貫通導体52cを介して接続された接続点を有し、一端側に入力段共振電極30aの他方端と接続された補助共振電極(第2の入力段補助共振電極31c)と対向する領域を有している。
これによって、第2の入力結合電極40cに接続された第2の補助入力結合電極41cと、入力段共振電極30aに接続された第2の入力段補助共振電極31cとがブロードサイド結合し、この結合が第2の入力結合電極40cと入力段共振電極30aとの間の結合に加算されるため、全体としてより強い結合となる。さらに、入力段共振電極30cの他方端側領域およびこれに接続された第2の入力段補助共振電極31cの接合体と、第2の入力結合電極40cおよびこれに接続された第2の補助入力結合電極41cの接合体とが、全体的にインターデジタル型に結合することになるので、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合となる。よって、第2の補助入力結合電極41cの長さ方向において、第2の入力結合電極40cに接続される側と同じ側で入力端子電極60aに接続される場合と比較して、より強い結合を実現することができる。
一方、第1の補助出力結合電極41bは、貫通導体52bによって第1の出力結合電極40bにおける出力段共振電極30bの一方端から当該出力段共振電極30bの全長の1/4までの領域と対向する領域内で接続されていて、第1の出力段補助共振電極31bに対向するように配置され、換言すれば、第1の出力段補助共振電極31bと対向する領域を有している。そして、平衡型電気信号が第1の補助出力結合電極41bを介して第1の出力結合電極40b(第1の信号出力点71b)から取り出されるようになっている。なお、第1の補助出力結合電極41bは、一端に信号が出力される出力点(貫通導体53bを介して第1の出力端子電極60bに接続された点)を有するとともに他端に第1の信号出力点71bと貫通導体52bを介して接続された接続点を有し、一端側に出力段共振電極30bの一方端と接続された補助共振電極(第1の出力段補助共振電極31b)と対向する領域を有している。
これによって、第1の出力結合電極40bに接続された第1の補助出力結合電極41bと、出力段共振電極30bに接続された第1の出力段補助共振電極31bとがブロードサイド結合し、この結合が第1の出力結合電極40bと出力段共振電極30bとの間の結合に加算されるため、全体としてより強い結合となる。そして、第1の補助出力結合電極41bは、ちょうど第1の出力段補助共振電極31bに対向する領域において貫通導体53bを介して出力端子電極60bに接続されている。これによって、出力段共振電極30bの一方端側領域およびこれに接続された第1の出力段補助共振電極31bの接合体と、第1の出力結合電極40bおよびこれに接続された第1の補助出力結合電極41bの接合体とが、全体的にインターデジタル型に結合することになるので、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合となる。よって、第1の補助出力結合電極41bの長さ方向において、第1の出力結合電極40bに接続される側と同じ側で出力端子電極60bに接続される場合と比較して、より強い結合を実現することができる。
また、第2の補助出力結合電極41dは、貫通導体52dによって第2の出力結合電極40dにおける出力段共振電極30bの他方端から当該出力段共振電極30bの全長の1/4までの領域と対向する領域内で接続されていて、第2の出力段補助共振電極31dに対向するように配置され、換言すれば、第2の出力段補助共振電極31dと対向する領域を有している。そして、平衡型電気信号が第2の補助出力結合電極41dを介して第2の出力結合電極40d(第2の信号出力点71d)から取り出されるようになっている。なお、一端に信号が出力される出力点(貫通導体53dを介して第2の出力端子電極60dに接続された点)を有するとともに他端に前記第2の信号出力点と貫通導体52dを介して接続された接続点を有し、一端側に出力段共振電極30bの他方端と接続された補助共振電極(第2の出力段補助共振電極)と対向する領域を有している。
これによって、第2の出力結合電極40dに接続された第2の補助出力結合電極41dと、出力段共振電極30bに接続された第2の出力段補助共振電極31dとがブロードサイド結合し、この結合が第2の出力結合電極40dと出力段共振電極30bとの間の結合に加算されるため、全体としてより強い結合となる。そして、第2の補助出力結合電極41dは、ちょうど第2の出力段補助共振電極31dに対向する領域において貫通導体53dを介して入力端子電極60dに接続されている。これによって、出力段共振電極30bの他方端側領域およびこれに接続された第2の出力段補助共振電極31dの接合体と、第2の出力結合電極40dおよびこれに接続された第2の補助出力結合電極41dの接合体とが、全体的にインターデジタル型に結合することになるので、磁界による結合と電界による結合とが加算された強い結合となる。よって、第2の補助出力結合電極41dの長さ方向において、第2の出力結合電極40dに接続される側と同じ側で出力端子電極60dに接続される場合と比較して、より強い結合を実現することができる。
このような構造によれば、非常に広い通過帯域であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失がさらに小さくなり、より平坦な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
なお、第1の補助入力結合電極41a、第2の補助入力結合電極41cおよび第1の補助出力結合電極41b、第2の補助出力結合電極41dの幅は、例えば、第1の入力結合電極40a、第2の入力結合電極40c、第1の出力結合電極40b、第2の出力結合電極40dと同程度に設定される。また、第1の補助入力結合電極41a、第2の補助入力結合電極41cおよび第1の補助出力結合電極41b、第2の補助出力結合電極41dの長さは、例えば、第1の入力段補助共振電極31a、第1の出力段補助共振電極31b、第2の入力段補助共振電極31c、第2の出力段補助共振電極31dの長さよりも若干長めに設定される。第1の補助入力結合電極41a、第2の補助入力結合電極41cおよび第1の補助出力結合電極41b、第2の補助出力結合電極41dと第1の入力段補助共振電極31a、第2の入力段補助共振電極31cおよび第1の出力段補助共振電極31b、第2の出力段補助共振電極31dとの間の間隔は、小さい方が強い結合を生じさせる点で望ましいが製造上は難しくなるので、例えば、0.01〜0.5mm程度に設定される。
このようにして、本形態のバンドパスフィルタによれば、従来の1/4波長共振器を利用したフィルタで実現可能だった領域を遙かに超えた非常に広い通過帯域の全域に渡って平坦で低損失な通過特性を有する、高性能でUWB用フィルタとして好適に使用可能なバンドパスフィルタを得ることができる。
なお、本形態では、複数の共振電極として、入力段共振電極と出力段共振電極の他に中段共振電極が一つ設けられた構成を示しているが、バンドパスフィルタとして要求される通過帯域にあわせて、中段共振電極が設けられていない構成であってもよく、2つ以上設けられた構成であってもよい。
また、入力結合電極および出力結合電極と補助共振電極とは同一の層間に配置されているが、これらは異なる層間に配置されてもよい。
さらに、図示しないが、複数の共振電極(入力段共振電極30a、出力段共振電極30b、中段共振電極30c)の設けられた層間よりも上側の層間に第1の入力段補助共振電極31a、第1の出力段補助共振電極31b、第2の入力段補助共振電極31c、第2の出力段補助共振電極31d、第1の中段補助共振電極31e、第2の中段補助共振電極31fを設けたうえで、共振電極(入力段共振電極30a、出力段共振電極30b、中段共振電極30c)の設けられた層間よりも下側の層間にも入力段補助共振電極、出力段補助共振電極および中段補助共振電極を設けてもよい。これによって、静電容量を増加させた場合は共振電極(入力段共振電極30a、出力段共振電極30b、中段共振電極30c)をさらに短縮することができ、静電容量を増加させなかった場合は補助共振電極の面積を小さくすることができ、いずれにしてもより小型のバンドパスフィルタを得ることができる。
またさらに、第1の補助入力結合電極41a、第2の補助入力結合電極41cの設けられた層間とは異なる層間に設けられ第1の補助入力結合電極41a、第2の補助入力結合電極41cに貫通導体を介して接続された電極と、第1の入力段補助共振電極31a、第2の入力段補助共振電極31cの設けられた層間とは異なる層間に設けられ第1の入力段補助共振電極31a、第2の入力段補助共振電極31cに貫通導体を介して接続された電極とを、異なる層間に対向するように配置することで、第1の入力結合電極40a(第2の入力結合電極40c)および第1の補助入力結合電極41a(第2の補助入力結合電極41c)と入力段共振電極30aおよび第1の入力段補助共振電極31a(第2の入力段補助共振電極31c)との結合に加算し、より強い結合を持たせるようにしてもよい。同様に、第1の補助出力結合電極41b、第2の補助出力結合電極41dの設けられた層間とは異なる層間に設けられ第1の補助出力結合電極41b、第2の補助出力結合電極41dに貫通導体を介して接続された電極と、第1の出力段補助共振電極31b、第2の出力段補助共振電極31dの設けられた層間とは異なる層間に設けられ第1の出力段補助共振電極31b、第2の出力段補助共振電極31dに貫通導体を介して接続された電極とを、異なる層間に対向するように配置することで、第1の出力結合電極40b(第2の出力結合電極40d)および第1の補助出力結合電極41b(第2の補助出力結合電極41d)と出力段共振電極30bおよび第1の出力段補助共振電極31b(第2の出力段補助共振電極31d)との結合に加算し、より強い結合を持たせるようにしてもよい。これによって、非常に広い通過帯域幅であっても、それぞれの共振モードの共振周波数の間に位置する周波数における挿入損失の増加がさらに小さくなり、非常に広い通過帯域の全域に渡ってより平坦でより低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
上述した実施の形態の例においては、第1および第2の入力端子電極60a、60c、第1および第2の出力端子電極60b、60dを備えた例を示したが、モジュール基板の中の一領域にバンドパスフィルタが形成される場合は第1および第2の入力端子電極60a、60c、第1および第2の出力端子電極60b、60dは必ずしも必要ない。
図5は本発明のバンドパスフィルタを用いた高周波モジュール80およびそれを用いた無線通信機器85の構成例を示すブロック図である。
本発明の高周波モジュール80は、例えば、ベースバンド信号が処理されるベースバンド部81と、ベースバンド部81に接続されベースバンド信号の変調後および復調前のRF信号が処理されるRF部82とを備えている。
RF部82には上述の本発明のバンドパスフィルタ821が含まれており、ベースバンド信号が変調されてなるRF信号または受信したRF信号が帯域制限(通信帯域以外の周波数の信号が減衰)されてバンドパスフィルタ821を通過するようになっている。なお、バンドパスフィルタ821の入力側(ベースバンド部81側)および出力側(アンテナ端側)が平衡型の回路構成になっている。
具体的な構成としては、ベースバンド部81にはベースバンドIC 811が配置され、RF部82にはバンドパスフィルタ821とベースバンド部81との間にRF IC 822が配置されている。なお、これらの回路間には別の回路が介在していてもよい。
そして、バンドパスフィルタ821の出力側(高周波モジュール80の出力側)に平衡型アンテナ84を接続することによってRF信号の送受信がなされる本発明の無線通信機器85が構成される。
このような構成によれば、通信帯域の全域に渡って通過する信号の損失が小さい本発明のバンドパスフィルタ821を用いることにより、バンドパスフィルタ821を通過する送信信号および受信信号の減衰が少なくなるため、受信感度が向上する。さらに、送信信号および受信信号の増幅度を小さくすることができるため、増幅回路における消費電力が少なくなる。よって、受信感度が高く消費電力が少ない高性能な高周波モジュール80および無線通信機器85を得ることができる。
なお、高周波モジュール80の構成としては、上記構成に限定されるものではない。また、無線通信機器85としては、携帯電話、無線カード、ルーターなどが挙げられるが、特に限定はされない。
本発明のバンドパスフィルタにおいて、誘電体層11の材質としては、例えばエポキシ樹脂等の樹脂や例えば誘電体セラミックス等のセラミックスを用いることができる。例えば、BaTiO,PbFeNb12,TiOなどの誘電体セラミック材料と、B,SiO,Al,ZnOなどのガラス材料とからなり、800〜1200℃程度の比較的低い温度で焼成が可能なガラス−セラミック材料が好適に用いられる。また、誘電体層11の厚みとしては、例えば0.01〜0.1mm程度に設定される。
上述した各種の電極および貫通導体の材質としては、例えば、Ag,Ag−Pd,Ag−Pt等のAg合金を主成分とする導電材料やCu系,W系,Mo系,Pd系導電材料等が好適に用いられる。各種の電極の厚みは、例えば0.001〜0.2mmに設定される。
本発明のバンドパスフィルタは、例えば、次のようにして作製できる。まず、セラミック原料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して泥漿状にするとともに、ドクターブレード法によってセラミックグリーンシートを形成する。次に、得られたセラミックグリーンシートにパンチングマシーン等を用いて貫通導体となる貫通孔を形成し、Ag,Ag−Pd,Au,Cu等の導体ペーストを充填することで貫通導体を形成する。次に、セラミックグリーンシートに印刷法を用いて上述した各種の電極を形成する。次に、これらを積層し、ホットプレス装置を用いて圧着し、800〜1050℃で焼成することにより作製される。
本発明のバンドパスフィルタの実施の形態の一例を模式的に示す外観斜視図である。 図1に示すバンドパスフィルタの模式的な分解斜視図である。 図1に示すバンドパスフィルタの上下面および各層間の一方の面を模式的に示す平面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明のバンドパスフィルタを用いた高周波モジュールおよびそれを用いた無線通信機器の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
10:積層体
11:誘電体層
21:第1のアース電極
22:第2のアース電極
23:環状アース電極
30a:入力段共振電極
30b:出力段共振電極
30c:中段共振電極
31a:第1の入力段補助共振電極
31b:第1の出力段補助共振電極
31e:第1の中段補助共振電極
31c:第2の入力段補助共振電極
31d:第2の出力段補助共振電極
31f:第2の中段補助共振電極
40a:第1の入力結合電極
40b:第1の出力結合電極
40c:第2の入力結合電極
40d:第2の出力結合電極
41a:第1の補助入力結合電極
41c:第2の補助入力結合電極
41b:第1の補助出力結合電極
41d:第2の補助出力結合電極
51a、51b、51c、51d、51e、51f:貫通導体
52a、52b、52c、52d:貫通導体
53a、53b、53c、53d:貫通導体
71a:第1の信号入力点
71c:第2の信号入力点
71b:第1の信号出力点
71d:第2の信号出力点
80:高周波モジュール
85:無線通信機器

Claims (3)

  1. 複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、
    該積層体の下面に配置された、アース電位に接続される第1のアース電極と、
    前記積層体の上面に配置された、アース電位に接続される第2のアース電極と、
    前記積層体の一つの層間に平行に配置された、少なくとも入力段共振電極と出力段共振電極とを含む1/2波長共振器として機能する帯状の複数の共振電極と、
    前記積層体の前記一つの層間に配置された、前記複数の共振電極を取り囲む環状アース電極と、
    前記積層体の前記一つの層間よりも上側の層間に配置された、前記入力段共振電極の長さ方向の中央より一方端側の一方端側領域に対向して電磁界結合する第1の入力結合電極と、前記入力段共振電極の長さ方向の中央より他方端側の他方端側領域に対向して電磁界結合する第2の入力結合電極と、前記出力段共振電極の長さ方向の中央より一方端側の一方端側領域に対向して電磁界結合する第1の出力結合電極と、前記出力段共振電極の長さ方向の中央より他方端側の他方端側領域に対向して電磁界結合する第2の出力結合電極と、前記積層体の前記一つの層間よりも上側の層間に前記環状アース電極と対向するように配置され、貫通導体によって前記複数の共振電極の各々の一方端および他方端に接続された複数の補助共振電極とを備え、
    前記第1の入力結合電極のうち前記入力段共振電極の一方端から当該入力段共振電極の全長の1/4までの領域と対向する領域内に第1の信号入力点を有するとともに、前記第2の入力結合電極のうち前記入力段共振電極の他方端から当該入力段共振電極の全長の1/4までの領域と対向する領域内に第2の信号入力点を有し、
    前記第1の出力結合電極のうち前記出力段共振電極の一方端から当該出力段共振電極の全長の1/4までの領域と対向する領域内に第1の信号出力点を有するとともに、前記第2の出力結合電極のうち前記出力段共振電極の他方端から当該出力段共振電極の全長の1/4までの領域と対向する領域内に第2の信号出力点を有しており、
    前記積層体の前記一つの層間よりも上側の層間に、
    信号が入力される第1の入力点と、前記第1の信号入力点に貫通導体を介して接続された第1の接続点と、前記入力段共振電極の前記一方端に接続された第1の前記補助共振電極に対向する領域とを有する第1の補助入力結合電極と、
    信号が入力される第2の入力点と、前記第2の信号入力点に貫通導体を介して接続された第2の接続点と、前記入力段共振電極の前記他方端に接続された第2の前記補助共振電極に対向する領域とを有する第2の補助入力結合電極と、
    信号が出力される第1の出力点と、前記第1の信号出力点に貫通導体を介して接続された
    第3の接続点と、前記出力段共振電極の前記一方端に接続された第3の前記補助共振電極に対向する領域とを有する第1の補助出力結合電極と、
    信号が出力される第2の出力点と、前記第2の信号出力点に貫通導体を介して接続された第4の接続点と、前記出力段共振電極の前記他方端に接続された第4の前記補助共振電極に対向する領域とを有する第2の補助出力結合電極とをさらに備えていることを特徴とするバンドパスフィルタ。
  2. 請求項1に記載のバンドパスフィルタを備えていることを特徴とする高周波モジュール。
  3. 請求項1に記載のバンドパスフィルタを含むRF部と、該RF部に接続されたベースバンド部と、前記RF部に接続されたアンテナとを備えていることを特徴とする無線通信機器。
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