JP2009206545A - バンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器 - Google Patents

バンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器 Download PDF

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Abstract

【課題】 非常に広く且つ所望の幅の通過帯域を有するバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器を提供する。
【解決手段】 複数の誘電体層11が積層されてなる積層体の上下面に配置された第1および第2の接地電極21,22と、第1の層間に配置された、一方端が接地される基部27および基部27の他方端に各々の一方端が接続されて横並びに配置された帯状の複数の突起部28a,28bによって構成され、2つの周波数で共振する複合共振電極26と、第1の層間と異なる層間に配置された、複合共振電極26における入力段の突起部28aと対向して電磁界結合する入力結合電極40aおよび出力段の突起部28bと対向して電磁界結合する出力結合電極40dとを備えるバンドパスフィルタである。広い通過帯域の全体に渡って平坦で低損失な優れた通過特性を有するバンドパスフィルタである。
【選択図】 図4

Description

本発明は、バンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器に関するものであり、特に、非常に広い通過帯域を有するバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器に関するものである。
近年、新しい通信手段としてUWBが着目されている。UWBは10m程度の短い距離において広い周波数帯域を使用して大容量のデータ転送を実現するものであり、例えば米国FCC(Federal Communication Commission)の規定によると3.1〜10.6GHzの周波数帯域を使用する計画になっている。このようにUWBの特徴は非常に広い周波数帯域を用いることである。
このようなUWBに使用可能な非常に広い通過帯域を有するバンドパスフィルタに関する研究は近年盛んに行なわれており、例えば、方向性結合器の原理を応用したバンドパスフィルタによって、通過帯域幅が比帯域(帯域幅/中心周波数)で100%を超える非常に広い通過帯域を有する特性が得られたとの報告がある(例えば、非特許文献1を参照。)。
一方、従来よく使用されるバンドパスフィルタとして、複数の1/4波長ストリップライン共振器を併設して相互に結合させて構成したものが知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
「マイクロストリップ−CPWブロードサイド結合構造を用いた超広帯域バンドパスフィルタ」2005年3月電子情報通信学会総合大会講演論文集 C-2-114 p.147 特開2004−180032号公報
しかしながら、非特許文献1および特許文献1にて提案されたバンドパスフィルタはそれぞれ問題点を有しており、UWBへの使用には適さないものであった。
例えば、非特許文献1にて提案されたバンドパスフィルタは通過帯域幅が広すぎるという問題があった。すなわち、UWBは基本的には3.1GHz〜10.6GHzの周波数帯域を使用するが、国際電気通信連合無線通信部門では、IEEE802.11.aで使用する5.3GHzを避ける形で3.1〜4.7GHz程度の周波数帯域を使用するLow Band(ローバンド)と6GHz〜10.6GHz程度の周波数帯域を使用するHigh Band(ハイバンド)とに分割した企画が立案されている。よって、Low Bandを通過させるLow Band用フィルタおよびHigh Bandを通過させるHigh Band用フィルタには、それぞれ比帯域で40%〜50%程度の通過帯域幅および5.3GHzにおける減衰の両方が要求されるため、通過帯域幅が比帯域で100%を超えるような特性を有する非特許文献1にて提案されたバンドパスフィルタは通過帯域幅が広すぎて使えないものであった。
また、従来の1/4波長共振器を使用したバンドパスフィルタの通過帯域幅は狭すぎ、広帯域化を図った特許文献1に記載のバンドパスフィルタの通過帯域幅であっても比帯域で10%にも満たないものであった。よって、比帯域で40%〜50%に相当する広い通過帯域幅を要求されるUWB用のバンドパスフィルタとして使えるものではなかった。
本発明はこのような従来の技術における問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的は、非常に広く且つ所望の幅の通過帯域を有するバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器を提供することにある。
本発明の第1のバンドパスフィルタは、複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、該積層体の下面に配置された第1の接地電極および上面に配置された第2の接地電極と、前記積層体の第1の層間に配置された、一方端が接地される基部および該基部の他方端に各々の一方端が接続されて横並びに配置された帯状の複数の突起部によって前記基部の前記一方端が一方端となり前記突起部の他方端が他方端となるように構成されており、前記一方端が接地されることによって、前記基部および前記突起部を合わせた全体が第1の周波数で共振する共振器として機能するとともに、前記突起部が前記第1の周波数よりも高い第2の周波数で共振する共振器として機能する複合共振電極と、前記積層体の前記第1の層間とは異なる層間に配置された、前記複合共振電極における前記複数の突起部のうちの入力段の突起部と対向して電磁界結合するとともに、電気信号が入力される電気信号入力点を有する帯状の入力結合電極と前記積層体の前記第1の層間とは異なる層間に配置された、前記複合共振電極における前記複数の突起部のうちの出力段の突起部と対向して電磁界結合するとともに、電気信号が出力される電気信号出力点を有する帯状の出力結合電極とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明の第1のバンドパスフィルタは、上記構成において、前記電気信号入力点は、前記入力結合電極において、前記複合共振電極との対向部の中央よりも前記複合共振電極の前記他方端に近い側に位置しており、前記電気信号出力点は、前記出力結合電極において、前記複合共振電極との対向部の中央よりも前記複合共振電極の前記他方端に近い側に位置していることを特徴とするものである。
さらに、本発明の第2のバンドパスフィルタは、複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、該積層体の下面に配置された第1の接地電極および上面に配置された第2の接地電極と、一方端が接地される基部および該基部の他方端に各々の一方端が接続されて横並びに配置された帯状の複数の突起部によって前記基部の前記一方端が一方端となり前記突起部の他方端が他方端となるように構成されており、前記一方端が接地されることによって、前記基部および前記突起部を合わせた全体が第1の周波数で共振する共振器として機能するとともに、前記突起部が前記第1の周波数よりも高い第2の周波数で共振する共振器として機能する、前記積層体の第1の層間に前記一方端と前記他方端とが互い違いになるように横並びに配置されて相互に電磁界結合する複数の複合共振電極と、前記積層体の前記第1の層間とは異なる層間に配置された、前記複数の複合共振電極のうちの入力段の複合共振電極における前記複数の突起部のうちの入力段の突起部と対向して電磁界結合するとともに、電気信号が入力される電気信号入力点を有する帯状の入力結合電極と、前記積層体の前記第1の層間とは異なる層間に配置された、前記複数の複合共振電極のうちの出力段の複合共振電極における前記複数の突起部のうちの出力段の突起部と対向して電磁界結合するとともに、電気信号が出力される電気信号出力点を有する帯状の出力結合電極とを備えることを特徴とするものである。
またさらに、本発明の第2のバンドパスフィルタは、上記構成において、前記電気信号入力点は、前記入力結合電極において、前記入力段の複合共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の複合共振電極の前記他方端に近い側に位置しており、前記電気信号出力点は、前記出力結合電極において、前記出力段の複合共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の複合共振電極の前記他方端に近い側に位置していることを特徴とするものである。
本発明の無線通信モジュールは、上記各構成のいずれかの本発明のバンドパスフィルタを含むRF部と、該RF部に接続されたベースバンド部とを備えることを特徴とするものである。
本発明の無線通信機器は、上記各構成のいずれかの本発明のバンドパスフィルタを含むRF部と、該RF部に接続されたベースバンド部と、前記RF部に接続されたアンテナとを備えることを特徴とするものである。
なお、「第1の層間と異なる層間」とは、第1の層間以外の層間であることを意味し、一つの層間であっても複数の層間であっても構わない。よって、「第1の層間と異なる層間に配置された電極」は、第1の層間以外の一つの層間に配置されていてもよく、また、第1の層間以外の複数の層間に分かれて配置された部分同士が接合されているようなものでも構わない。また、「入力結合電極において、入力段の複合共振電極との対向部の中央よりも入力段の複合共振電極の他方端に近い側」とは、入力段の複合共振電極との対向部の中央を境界にして入力結合電極を長さ方向に2つの領域に分けたときに、入力段の複合共振電極の他方端に最も近接する部分を含む側の領域のことを意味する。さらに、「入力段の突起部」とは、複合共振電極において横並びに配置された複数の突起部のうち最も外側に位置するとともに電気信号が入力される突起部のことであり、「出力段の突起部」とは、複合共振電極において横並びに配置された複数の突起部のうち最も外側に位置するとともに電気信号が出力される突起部のことである。またさらに、「入力段の複合共振電極」とは、横並びに配置された複数の複合共振電極のうち最も外側に位置するとともに電気信号が入力される複合共振電極のことであり、「出力段の複合共振電極」とは、横並びに配置された複数の複合共振電極のうち最も外側に位置するとともに電気信号が出力される複合共振電極のことである。またさらに、入力結合電極の「電気信号入力点」とは、入力結合電極に対して電気信号が入力される位置のことであり、出力結合電極の「電気信号出力点」とは、出力結合電極から電気信号が出力される位置のことである。
本発明のバンドパスフィルタによれば、一方端が接地される基部および基部の他方端に各々の一方端が接続されて横並びに配置された帯状の複数の突起部によって基部の一方端が一方端となり突起部の他方端が他方端となるように構成されており、一方端が接地されることによって、基部および突起部を合わせた全体が第1の周波数で共振する共振器として機能するとともに、突起部が第1の周波数よりも高い第2の周波数で共振する共振器として機能する複合共振電極を備えることから、第1の周波数と第2の周波数との周波数差を突起部の長さによってある程度任意にコントロールすることができるので、広く且つ所望の幅の通過帯域を有するバンドパスフィルタを容易に得ることができる。
また、本発明のバンドパスフィルタによれば、積層体の複合共振電極が配置された層間とは異なる層間に配置された、複合共振電極における入力段の突起部と対向して電磁界結合する帯状の入力結合電極と、積層体の複合共振電極が配置された層間とは異なる層間に配置された、複合共振電極における出力段の突起部と対向して電磁界結合する帯状の出力結合電極とを備えることから、入力結合電極および出力結合電極と複合共振電極とがブロードサイド結合によって強く電磁界結合するので、広い通過帯域の全体に渡って平坦で低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
さらに、本発明のバンドパスフィルタによれば、電気信号入力点は、入力結合電極において、複合共振電極との対向部の中央よりも複合共振電極の他方端に近い側に位置しており、電気信号出力点は、出力結合電極において、複合共振電極との対向部の中央よりも複合共振電極の他方端に近い側に位置しているときには、入力結合電極および出力結合電極と複合共振電極とがインターデジタル型に電磁界結合されることによって、磁界による結合と電界による結合とが加算されて相互に強く電磁界結合するので、広い通過帯域の全体に渡ってより平坦で低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
またさらに、本発明の第2のバンドパスフィルタによれば、一方端が接地されることによって、基部および突起部を合わせた全体が第1の周波数で共振する共振器として機能するとともに、突起部が第1の周波数よりも高い第2の周波数で共振する共振器として機能する、積層体の第1の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置されて相互に電磁界結合する複数の複合共振電極を備えることから、複合共振電極の数に応じて多数の共振ピークを得ることができるとともに、複数の複合共振電極が相互にインターデジタル型に電磁界結合されることによって、磁界による結合と電界による結合とが加算されて相互に強く電磁界結合するため、それぞれの共振ピークの間の周波数間隔を大きくすることができるので、非常に広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを容易に得ることができる。
さらにまた、本発明の第2のバンドパスフィルタによれば、積層体の複合共振電極が配置された層間とは異なる層間に配置された、入力段の複合共振電極における入力段の突起部と対向して電磁界結合する帯状の入力結合電極と、積層体の複合共振電極が配置された層間とは異なる層間に配置された、出力段の複合共振電極における出力段の突起部と対向して電磁界結合する帯状の出力結合電極とを備えることから、入力結合電極と入力段の複合共振電極とがブロードサイド結合によって強く電磁界結合し、出力結合電極と出力段の複合共振電極とがブロードサイド結合によって強く電磁界結合するので、非常に広い通過帯域の全体に渡って平坦で低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
またさらに、本発明の第2のバンドパスフィルタによれば、電気信号入力点は、入力結合電極において、入力段の複合共振電極との対向部の中央よりも入力段の複合共振電極の他方端に近い側に位置しており、電気信号出力点は、出力結合電極において、出力段の複合共振電極との対向部の中央よりも出力段の複合共振電極の他方端に近い側に位置しているときには、入力結合電極と入力段の複合共振電極とがインターデジタル型に電磁界結合されることによって、磁界による結合と電界による結合とが加算されて相互に強く電磁界結合し、出力結合電極と出力段の複合共振電極とがインターデジタル型に電磁界結合されることによって、磁界による結合と電界による結合とが加算されて相互に強く電磁界結合するので、非常に広い通過帯域の全体に渡ってより平坦で低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
本発明の無線通信モジュールおよび本発明の無線通信機器によれば、通信に使用する周波数帯域の全域に渡って平坦で低損失な通過特性を有する本発明のバンドパスフィルタを送信信号および受信信号の濾波に用いることにより、バンドパスフィルタを通過する受信信号および送信信号の減衰を少なくすることができるため、受信感度が向上し、また、送信信号および受信信号の増幅度を小さくすることができるため、増幅回路における消費電力が少なくなる。よって受信感度が高く消費電力が少ない高性能な無線通信モジュールおよび無線通信機器を得ることができる。
以下、本発明のバンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器を添付の図面を参照しつつ詳細に説明する。
(複合共振器の構造例)
図1は本発明のバンドパスフィルタを構成する複合共振器の構造の一例を模式的に示す分解斜視図である。図2は図1に示す複合共振器の上下面および層間を模式的に示す平面図である。
本発明のバンドパスフィルタを構成する複合共振器は、図1および図2に示すように、複数の誘電体層11が積層されてなる積層体と、積層体の下面に配置された第1の接地電極21および上面に配置された第2の接地電極22と、積層体の第1の層間に配置された、一方端が接地される基部27および基部27の他方端に各々の一方端が接続されて横並びに配置された帯状の複数の突起部28a,28bによって基部27の一方端が一方端となり突起部28a,28bの他方端が他方端となるように構成されており、一方端が接地されることによって、基部27および突起部28a,28bを合わせた全体が第1の周波数で共振する共振器として機能するとともに、突起部28a,28bが第1の周波数よりも高い第2の周波数で共振する共振器として機能する複合共振電極26とを備えている。また、積層体の第1の層間には複合共振電極26の周囲を取り囲むように環状接地電極25が配置されており、複合共振電極26の一方端が環状接地電極25に接続されている。さらに、積層体の第1の層間とは異なる層間Aに、入力段の突起部28aと対向して電磁界結合する入力用結合電極48aおよび出力段の突起部28bと対向して電磁界結合する出力用結合電極48bが配置されている。そして、入力用結合電極48aおよび出力用結合電極48bは貫通導体50を介して積層体の上面に第2の接地電極22から離間して配置された入力端子電極60aおよび出力端子電極60dにそれぞれ接続されている。
このような構造を備える複合共振器は、一方端が接地されることによって、基部27および突起部28a,28bを合わせた全体が第1の周波数で共振する共振器として機能するとともに、突起部28a,28bが第1の周波数よりも高い第2の周波数で共振する共振器として機能する複合共振電極26を備えていることから、2つの共振周波数を有する共振器として機能する。このとき、第1の周波数においては、複合共振電極26の一方端が短絡端となり複合共振電極26の他方端が開放端となって複合共振電極26の全体が1/4波長共振器として機能し、第2の周波数においては、突起部28a,28bの一方端がほぼ短絡端となり突起部28a,28bの他方端が開放端となって突起部28a,28bが1/4波長共振器として機能すると考えられる。
そして、このような構造を有する複合共振器によれば、アース電位に接続される一方端が必然的に幅広になるため、Q値の高い共振器を得ることができる。また、第1の周波数と第2の周波数との周波数差を突起部28a,28bの長さによってある程度任意にコントロールすることができるので、第1の周波数と第2の周波数との周波数差を所望の値に容易に設定することができる。このため、この複合共振器を用いてバンドパスフィルタを構成することによって所望の通過帯域幅を有するバンドパスフィルタを容易に構成することができるため、例えば従来の1/4波長共振器を用いたバンドパスフィルタで得ることが困難だった非常に広い通過帯域幅を有するバンドパスフィルタを容易に構成することが可能になる。さらに、複数の突起部28a,28bが横並びに配置されていることから、複数の複合共振電極26を横並びに並べて相互に電磁界結合させることができるため、複数の複合共振器を相互に容易かつ小型に電磁界結合させることができ、小型のバンドパスフィルタを容易に構成することが可能となる。
図3は図1および図2に示した構造を有する複合共振器の電気特性のシミュレーション結果を示すグラフである。グラフにおいて、横軸は周波数,縦軸は減衰量を表しており、入力端子電極60aをポート1、出力端子電極60dをポート2としたときの、複合共振器の通過特性(S21)および反射特性(S11)を示している。図3に示すグラフによれば、6.6GHz付近および9.6GHz付近の2カ所に共振ピークが存在し、2つの共振周波数を有する複合共振器として機能していることがわかる。
このシミュレーションにおいて、複合共振電極26は、幅が1.15mmで長さが1.05mmの矩形状の基部27の他方端に幅が0.25mmで長さが2.0mmの矩形状の入力段の突起部28aおよび出力段の突起部28bが0.65mmの間隔を隔てて配置される構造とした。入力用結合電極48aおよび出力用結合電極48bは、幅が0.25mmで長さが1.0mmの矩形状とし、長さ0.2mm分だけ入力段の突起部28aおよび出力段の突起部28bにそれぞれ対向するようにした。入力端子電極60aおよび出力端子電極60dは一辺が0.3mmの正方形とした。第1の接地電極21,第2の接地電極22,および環状接地電極25の外形は長さが5.0mmで幅が3.5mmの矩形状とし、環状接地電極25の開口部は幅が2.7mmで長さが3.75mmの矩形状とした。全体の形状は幅が5.0mmで長さが3.5mmで厚みが0.98mmの直方体状とした。複合共振電極26が配置された層間と入力用結合電極48aおよび出力用結合電極48bが配置された層間との間隔(それぞれの層間に配置された各種電極同士の間隔)は0.065mmとした。各種電極の厚みは0.01mmとし、貫通導体50の直径は0.1mmとした。誘電体層11の比誘電率は9.45とした。
なお、図1および図2に示した複合共振器においては、積層体の第1の層間に複合共振電極26および環状接地電極25が配置されて積層体の上面及び下面に第1の接地電極21および第2の接地電極22が配置された例を示したが、第2の接地電極22および環状接地電極25は必ずしも必要ではなく、複合共振電極26は積層体の上面に配置されても構わない。また、入力用結合電極48aおよび出力用結合電極48bは、複合共振電極と同じ層間に配置されてもよく、複数の複合共振器が結合する場合等においては入力段および出力段の複合共振器に対してどちらかがあればよい。入力端子電極60aおよび出力端子電極60dも必ず必要なものではない。
(実施の形態の第1の例)
図4は本発明の第1のバンドパスフィルタの実施の形態の一例を模式的に示す分解斜視図であり、図5は図4に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。
本例のバンドパスフィルタは、図4および図5に示すように、複数の誘電体層11が積層されてなる積層体と、積層体の下面に配置された第1の接地電極21および上面に配置された第2の接地電極22と、積層体の第1の層間に配置された、一方端が接地される基部27および基部27の他方端に各々の一方端が接続されて横並びに配置された帯状の複数の突起部28a,28bによって基部27の一方端が一方端となり、突起部28a,28bの他方端が他方端となるように構成されており、一方端が接地されることによって、基部27および突起部28a,28bを合わせた全体が第1の周波数で共振する共振器として機能するとともに、突起部28a,28bが第1の周波数よりも高い第2の周波数で共振する共振器として機能する複合共振電極26とを備えている。
また、本例のバンドパスフィルタは、積層体の第1の層間とは異なる層間Aに配置された、複合共振電極26における複数の突起部28a,28bのうちの入力段の突起部28aと対向して電磁界結合するとともに、電気信号が入力される電気信号入力点45aを有する帯状の入力結合電極40aと、複合共振電極26における複数の突起部28a,28bのうちの出力段の突起部28bと対向して電磁界結合するとともに、電気信号が出力される電気信号出力点45dを有する帯状の出力結合電極40dとを備えている。
さらに、本例のバンドパスフィルタは、積層体の第1の層間に複合共振電極26の周囲を取り囲むように環状接地電極25が配置されており、複合共振電極26の一方端が環状接地電極25に接続されている。さらに、積層体の第1の層間とは異なる層間Aに、入力段の突起部28aと対向して電磁界結合する入力結合電極40aおよび出力段の突起部28bと対向して電磁界結合する出力結合電極40dが配置されている。そして、入力結合電極40aおよび出力結合電極40dは貫通導体50を介して積層体の上面に第2の接地電極22から離間して配置された入力端子電極60aおよび出力端子電極60dにそれぞれ接続されている。よって、入力結合電極40aの電気信号入力点45aは入力結合電極40aと貫通導体50との接続点であり、出力結合電極40dの電気信号出力点45dは出力結合電極40dと貫通導体50との接続点である。
またさらに、本例のバンドパスフィルタにおいては、電気信号入力点45aは、入力結合電極40aにおいて、複合共振電極26との対向部の中央よりも複合共振電極26の他方端に近い側に位置しており、電気信号出力点45dは、出力結合電極40dにおいて、複合共振電極26との対向部の中央よりも複合共振電極26の他方端に近い側に位置している。
このような構造を有する本例のバンドパスフィルタは、入力端子電極60aおよび貫通導体50を介して入力結合電極40aの電気信号入力点45aに外部回路からの電気信号が入力されると、入力結合電極40aと電磁界結合する複合共振電極26が共振し、複合共振電極26と電磁界結合する出力結合電極40dの電気信号出力点45dから貫通導体50および出力端子電極60dを介して外部回路に電気信号が出力される。このとき、複合共振電極26が共振する第1の周波数および第2の周波数を含む周波数帯域の信号が選択的に通過するため、バンドパスフィルタとして機能する。
本例のバンドパスフィルタによれば、一方端が接地される基部27および基部27の他方端に各々の一方端が接続されて横並びに配置された帯状の複数の突起部28a,28bによって基部27の一方端が一方端となり突起部28a,28bの他方端が他方端となるように構成されており、一方端が接地されることによって、基部27および突起部28a,28bを合わせた全体が第1の周波数で共振する共振器として機能するとともに、突起部28a,28bが第1の周波数よりも高い第2の周波数で共振する共振器として機能する複合共振電極26を備えることから、第1の周波数と第2の周波数との周波数差を突起部28a,28bの長さによってある程度任意にコントロールすることができるので、広く且つ所望の幅の通過帯域を有するバンドパスフィルタを容易に得ることができる。
また、本例のバンドパスフィルタによれば、積層体の複合共振電極26が配置された層間とは異なる層間に配置された、複合共振電極26における入力段の突起部28aと対向して電磁界結合する帯状の入力結合電極40aと、積層体の複合共振電極26が配置された層間とは異なる層間に配置された、複合共振電極26における出力段の突起部28bと対向して電磁界結合する帯状の出力結合電極40dとを備えることから、入力結合電極40aおよび出力結合電極40dと複合共振電極26とがブロードサイド結合によって強く電磁界結合するので、広い通過帯域の全体に渡って平坦で低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
さらに、本例のバンドパスフィルタによれば、電気信号入力点45aは、入力結合電極40aにおいて、複合共振電極26との対向部の中央よりも複合共振電極26の他方端に近い側に位置しており、電気信号出力点45dは、出力結合電極40dにおいて、複合共振電極26との対向部の中央よりも複合共振電極26の他方端に近い側に位置していることから、入力結合電極40aおよび出力結合電極40dと複合共振電極26とがインターデジタル型に電磁界結合されることによって、磁界による結合と電界による結合とが加算されて相互に強く電磁界結合するので、広い通過帯域の全体に渡ってより平坦で低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
図6は図4および図5に示した構造を有する本例のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果を示すグラフである。グラフにおいて、横軸は周波数,縦軸は減衰量を表しており、入力端子電極60aをポート1、出力端子電極60dをポート2としたときの、バンドパスフィルタの通過特性(S21)および反射特性(S11)を示している。図6に示すグラフによれば、7GHz付近から11GHz付近にかけての比帯域で40%を超えるような非常に広い通過帯域の全体において平坦で低損失な通過特性が得られており、本発明の有効性が確認できた。
このシミュレーションにおいて、複合共振電極26は、幅が1.15mmで長さが1.05mmの矩形状の基部27の他方端に幅が0.25mmで長さが2.0mmの矩形状の入力段の突起部28aおよび出力段の突起部28bが0.65mmの間隔を隔てて配置される構造とした。入力結合電極40aおよび出力結合電極40dは、幅が0.25mmで長さが3.0mmの矩形状とした。入力端子電極60aおよび出力端子電極60dは一辺が0.3mmの正方形とした。第1の接地電極21,第2の接地電極22,および環状接地電極25の外形は長さが5.0mmで幅が3.5mmの矩形状とし、環状接地電極25の開口部は幅が2.7mmで長さが3.75mmの矩形状とした。バンドパスフィルタ全体の形状は幅が5.0mmで長さが3.5mmで厚みが0.98mmの直方体状とし、厚み方向の中央に複合共振電極26が位置するようにした。複合共振電極26が配置された層間と入力結合電極40aおよび出力結合電極40dが配置された層間との間隔(それぞれの層間に配置された各種電極同士の間隔)は0.065mmとした。各種電極の厚みは0.01mmとし、貫通導体50の直径は0.1mmとした。誘電体層11の比誘電率は9.45とした。
なお、図4および図5に示した本例のバンドパスフィルタにおいては、入力結合電極40aおよび出力結合電極40dと複合共振電極26とがインターデジタル型に電磁界結合するように配置された例を示したが、入力結合電極40aおよび出力結合電極40dと複合共振電極26とがコムライン型に結合するように配置されても構わない。
(実施の形態の第2の例)
図7は本発明の第2のバンドパスフィルタの実施の形態の一例を模式的に示す分解斜視図であり、図8は図7に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。
なお、本例においては、前述した第1の例と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本例のバンドパスフィルタは、図7および図8に示すように、第1の例の複合共振電極26と同じ構造および機能を備える入力段の複合共振電極29および出力段の複合共振電極30が積層体の第1の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置されて相互に電磁界結合しており、入力段の複合共振電極29における入力段の突起部28aと対向して電磁界結合するように入力結合電極40aが配置され、出力段の複合共振電極30における出力段の突起部28bと対向して電磁界結合するように出力結合電極40dが配置されている。
また、本例のバンドパスフィルタにおいては、電気信号入力点45aは、入力結合電極40aにおいて、入力段の複合共振電極29との対向部の中央よりも入力段の複合共振電極29の他方端に近い側に位置しており、電気信号出力点45dは、出力結合電極40dにおいて、出力段の複合共振電極30との対向部の中央よりも出力段の複合共振電極30の他方端に近い側に位置している。
このような構造を有する本例のバンドパスフィルタは、入力端子電極60aおよび貫通導体50を介して入力結合電極40aの電気信号入力点45aに外部回路からの電気信号が入力されると、入力結合電極40aと電磁界結合する入力段の複合共振電極29およびこれと電磁界結合する出力段の複合共振電極30が共振し、出力段の複合共振電極30と電磁界結合する出力結合電極40dの電気信号出力点45dから貫通導体50および出力端子電極60dを介して外部回路に電気信号が出力される。このとき、入力段の複合共振電極29および出力段の複合共振電極30が共振する第1の周波数および第2の周波数を含む周波数帯域の信号が選択的に通過するため、バンドパスフィルタとして機能する。
本例のバンドパスフィルタによれば、積層体の第1の層間に一方端と他方端とが互い違いになるように横並びに配置されて相互に電磁界結合する複数の複合共振電極29,30を備えることから、複合共振電極の数に応じて多数の共振ピークを得ることができるとともに、複合共振電極29,30が相互にインターデジタル型に電磁界結合されることによって、磁界による結合と電界による結合とが加算されて相互に強く電磁界結合するため、それぞれの共振ピークの間の周波数間隔を大きくすることができるので、非常に広い通過帯域を有するバンドパスフィルタを容易に得ることができる。
また、本例のバンドパスフィルタによれば、積層体の複合共振電極29,30が配置された層間とは異なる層間に配置された、入力段の複合共振電極29における入力段の突起部28aと対向して電磁界結合する帯状の入力結合電極40aと、積層体の複合共振電極29,30が配置された層間とは異なる層間に配置された、出力段の複合共振電極30における出力段の突起部28bと対向して電磁界結合する帯状の出力結合電極40dとを備えることから、入力結合電極40aと入力段の複合共振電極29とがブロードサイド結合によって強く電磁界結合し、出力結合電極40dと出力段の複合共振電極30とがブロードサイド結合によって強く電磁界結合するので、非常に広い通過帯域の全体に渡って平坦で低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
さらに、本例のバンドパスフィルタによれば、電気信号入力点45aは、入力結合電極40aにおいて、入力段の複合共振電極29との対向部の中央よりも入力段の複合共振電極29の他方端に近い側に位置しており、電気信号出力点45dは、出力結合電極40dにおいて、出力段の複合共振電極30との対向部の中央よりも出力段の複合共振電極30の他方端に近い側に位置しているときには、入力結合電極40aと入力段の複合共振電極29とがインターデジタル型に電磁界結合されることによって、磁界による結合と電界による結合とが加算されて相互に強く電磁界結合し、出力結合電極40dと出力段の複合共振電極30とがインターデジタル型に電磁界結合されることによって、磁界による結合と電界による結合とが加算されて相互に強く電磁界結合するので、非常に広い通過帯域の全体に渡ってより平坦で低損失な通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
(実施の形態の第3の例)
図9は本発明の第2のバンドパスフィルタの実施の形態の他の例のバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。
なお、本例においては、前述した第2の例と異なる点のみについて説明し、同様の構成要素については同一の参照符号を用いて重複する説明を省略する。
本例のバンドパスフィルタは、図9に示すように、入力段の複合共振電極29および出力段の複合共振電極30における入力段の突起部28aおよび出力段の突起部28bの間に位置する部分に、積層体を貫通するように配置されて両端が第1の接地電極21及び第2の接地電極22に接続された複数の貫通導体50が配置された構造を備えている。
このような構造を備える本例のバンドパスフィルタによれば、入力結合電極40aと出力結合電極40dとの間の直接的な電磁界結合をこれらの接地された貫通導体50によって大きく低減することができるので、通過帯域以外の周波数領域における減衰量が増大した優れた通過特性を有するバンドパスフィルタを得ることができる。
図10は図7および図8に示した構造を有する第2の例のバンドパスフィルタ(BPF2)ならびに図9に示した構造を備える第3の例のバンドパスフィルタ(BPF3)の電気特性のシミュレーション結果を示すグラフである。グラフにおいて、横軸は周波数,縦軸は減衰量を表しており、入力端子電極60aをポート1、出力端子電極60dをポート2としたときの、バンドパスフィルタの通過特性(S21)を示している。図10に示すグラフによれば、両方のバンドパスフィルタにおいて、6GHz付近から10GHz付近にかけての比帯域で50%程度の非常に広い通過帯域の全体において平坦で低損失な通過特性が得られており、本発明の有効性が確認できた。また、第2構造を備える第3の例のバンドパスフィルタは、第1構造を備える第2の例のバンドパスフィルタと比較して通過帯域よりも高周波側の周波数領域において最大20dB程度も減衰量が増加していることから、入力段の突起部28aおよび出力段の突起部28bの間に位置する部分に、積層体を貫通するように配置されて両端が第1の接地電極21及び第2の接地電極22に接続された複数の貫通導体50によってバンドパスフィルタの通過特性が改善されることを確認できた。
このシミュレーションにおいて、入力段の複合共振電極29および出力段の複合共振電極30は、幅が1.05mmで長さが0.9mmの矩形状の基部27の他方端に幅が0.25mmで長さが2.15mmの矩形状の入力段の突起部28aおよび出力段の突起部28bが0.6mmの間隔を隔てて配置される構造とし、各々の一方端と他方端とが互い違いになるように0.21mmの間隔を隔てて横並びに配置した。入力結合電極40aおよび出力結合電極40dは、幅が0.25mmで長さが3.0mmの矩形状とした。入力端子電極60aおよび出力端子電極60dは一辺が0.3mmの正方形とした。第1の接地電極21,第2の接地電極22および環状接地電極25の外形は長さが5.0mmで幅が4.5mmの矩形状とし、環状接地電極25の開口部は幅が3.7mmで長さが3.25mmの矩形状とした。バンドパスフィルタ全体の形状は長さが5.0mmで幅が4.5mmで厚みが0.98mmの直方体状とし、厚み方向の中央に複合共振電極29,30が位置するようにした。複合共振電極29,30が配置された層間と入力結合電極40aおよび出力結合電極40dが配置された層間との間隔(それぞれの層間に配置された各種電極同士の間隔)は0.065mmとした。各種電極の厚みは0.01mmとし、貫通導体50の直径は0.1mmとした。誘電体層11の比誘電率は9.45とした。
なお、図7〜図9に示した第2の例および第3の例のバンドパスフィルタにおいては、入力段の複合共振電極29および出力段の複合共振電極30の2つの複合共振電極を備えた例を示したが、入力段の複合共振電極29および出力段の複合共振電極30の間に他の複合共振電極が配置されるようにしても構わない。但し、複合共振電極の数が多すぎるとバンドパスフィルタが大型化するとともに通過する信号の損失が大きくなるため、現実的には、複合共振電極の数は10個程度以下に設定される。また、入力結合電極40aおよび出力結合電極40dと入力段の複合共振電極29および出力段の複合共振電極30とがそれぞれインターデジタル型に電磁界結合するように配置された例を示したが、入力結合電極40aと入力段の複合共振電極29とがコムライン型に結合するように配置されてもよく、出力結合電極40dと出力段の複合共振電極30とがコムライン型に結合するように配置されて構わない。
また、前述した第1〜第3の例のバンドパスフィルタにおいては、積層体の第1の層間に環状接地電極25が配置された例を示したが、環状接地電極25は必ずしも必要ではない。また、モジュール基板の中の一領域にバンドパスフィルタが形成される場合には入力端子電極60aおよび出力端子電極60dは必ずしも必要なく、例えば、モジュール基板内の外部回路からの配線導体が、入力結合電極40aおよび出力結合電極40dに直接接続するようにしても構わない。この場合は、入力結合電極40aおよび出力結合電極40dと配線導体との接続点が、入力結合電極40aの電気信号入力点45aおよび出力結合電極40dの電気信号出力点45dとなる。さらに、入力結合電極40aと出力結合電極40dとが積層体の異なる層間に配置されても構わない。
(実施の形態の第4の例)
図11は本発明のバンドパスフィルタを用いた無線通信モジュール80および無線通信機器85の構成例を示すブロック図である。
本発明の無線通信モジュール80は、例えば、ベースバンド信号が処理されるベースバンド部81と、ベースバンド部81に接続されベースバンド信号の変調後および復調前のRF信号が処理されるRF部82とを備えている。
RF部82には前述の本発明のバンドパスフィルタ821が含まれており、ベースバンド信号が変調されてなるRF信号または受信したRF信号における通信帯域以外の信号をバンドパスフィルタ821によって減衰させている。
具体的な構成としては、ベースバンド部81にはベースバンドIC 811が配置され、RF部82にはバンドパスフィルタ821とベースバンド部81との間にRF IC 822が配置されている。なお、これらの回路間には別の回路が介在していてもよい。
そして、無線通信モジュール80のバンドパスフィルタ821にアンテナ84を接続することによってRF信号の送受信がなされる本発明の無線通信機器85が構成される。
このような構成を有する本例の無線通信モジュール80および無線通信機器85によれば、通信に使用する周波数帯域の全域に渡って入力インピーダンスが良好に整合されて通過する信号の損失が小さい本発明のバンドパスフィルタ821を送信信号および受信信号の濾波に用いることにより、バンドパスフィルタ821を通過する受信信号および送信信号の減衰が少なくなるため、受信感度が向上し、また、送信信号および受信信号の増幅度を小さくできるため増幅回路における消費電力が少なくなる。よって受信感度が高く消費電力が少ない高性能な無線通信モジュール80および無線通信機器85を得ることができる。
本発明のバンドパスフィルタにおいて、誘電体層11の材質としては、例えばエポキシ樹脂等の樹脂や例えば誘電体セラミックス等のセラミックスを用いることができる。例えば、BaTiO,PbFeNb12,TiO等の誘電体セラミック材料と、B,SiO,Al,ZnO等のガラス材料とからなり、800〜1200℃程度の比較的低い温度で焼成が可能なガラス−セラミック材料が好適に用いられる。また、誘電体層11の厚みとしては、例えば0.01〜0.1mm程度に設定される。
前述した各種の電極および貫通導体の材質としては、例えば、Ag,Ag−Pd,Ag−Pt等のAg合金を主成分とする導電材料やCu系,W系,Mo系,Pd系導電材料等が好適に用いられる。各種の電極の厚みは、例えば0.001〜0.2mmに設定される。
本発明のバンドパスフィルタは、例えば次のようにして作製することができる。まず、セラミック原料粉末に適当な有機溶剤等を添加・混合して泥漿を作製するとともに、ドクターブレード法によってセラミックグリーンシートを形成する。次に、得られたセラミックグリーンシートにパンチングマシーン等を用いて貫通導体を形成するための貫通孔を形成し、Ag,Ag−Pd,Au,Cu等の導体を含む導体ペーストを充填するとともにセラミックグリーンシートの表面に印刷法を用いて前述したのと同様の導体ペーストを塗布して導体ペースト付きセラミックグリーンシートを作製する。次に、これらの導体ペースト付きセラミックグリーンシートを積層し、ホットプレス装置を用いて圧着し、800℃〜1050℃程度のピーク温度で焼成することにより作製される。
本発明のバンドパスフィルタを構成する複合共振器の構造の一例を模式的に示す分解斜視図である。 図1に示す複合共振器の上下面および層間を模式的に示す平面図である。 図1に示す複合共振器の電気特性のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第1のバンドパスフィルタの実施の形態の一例を模式的に示す分解斜視図である。 図4に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 本発明の第1のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果を示す図である。 本発明の第2のバンドパスフィルタの実施の形態の一例を模式的に示す分解斜視図である。 図7に示すバンドパスフィルタの上下面および層間を模式的に示す平面図である。 本発明の第2のバンドパスフィルタの実施の形態の他の例における上下面および層間を模式的に示す平面図である。 本発明の第2のバンドパスフィルタの電気特性のシミュレーション結果を示す図である。 本発明のバンドパスフィルタを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器の構成例を示すブロック図である。
符号の説明
11:誘電体層
21:第1の接地電極
22:第2の接地電極
27:基部
28a:入力段の突起部
28b:出力段の突起部
26:複合共振電極
29:入力段の複合共振電極
30:出力段の複合共振電極
40a:入力結合電極
40d:出力結合電極
45a:電気信号入力点
45d:電気信号出力点
80:無線通信モジュール
81:ベースバンド部
82:RF部
821:バンドパスフィルタ
84:アンテナ
85:無線通信機器

Claims (6)

  1. 複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、
    該積層体の下面に配置された第1の接地電極および上面に配置された第2の接地電極と、
    前記積層体の第1の層間に配置された、一方端が接地される基部および該基部の他方端に各々の一方端が接続されて横並びに配置された帯状の複数の突起部によって前記基部の前記一方端が一方端となり前記突起部の他方端が他方端となるように構成されており、前記一方端が接地されることによって、前記基部および前記突起部を合わせた全体が第1の周波数で共振する共振器として機能するとともに、前記突起部が前記第1の周波数よりも高い第2の周波数で共振する共振器として機能する複合共振電極と、
    前記積層体の前記第1の層間とは異なる層間に配置された、前記複合共振電極における前記複数の突起部のうちの入力段の突起部と対向して電磁界結合するとともに、電気信号が入力される電気信号入力点を有する帯状の入力結合電極と、
    前記積層体の前記第1の層間とは異なる層間に配置された、前記複合共振電極における前記複数の突起部のうちの出力段の突起部と対向して電磁界結合するとともに、電気信号が出力される電気信号出力点を有する帯状の出力結合電極とを備えることを特徴とするバンドパスフィルタ。
  2. 前記電気信号入力点は、前記入力結合電極において、前記複合共振電極との対向部の中央よりも前記複合共振電極の前記他方端に近い側に位置しており、
    前記電気信号出力点は、前記出力結合電極において、前記複合共振電極との対向部の中央よりも前記複合共振電極の前記他方端に近い側に位置していることを特徴とする請求項1に記載のバンドパスフィルタ。
  3. 複数の誘電体層が積層されてなる積層体と、
    該積層体の下面に配置された第1の接地電極および上面に配置された第2の接地電極と、
    一方端が接地される基部および該基部の他方端に各々の一方端が接続されて横並びに配置された帯状の複数の突起部によって前記基部の前記一方端が一方端となり前記突起部の他方端が他方端となるように構成されており、前記一方端が接地されることによって、前記基部および前記突起部を合わせた全体が第1の周波数で共振する共振器として機能するとともに、前記突起部が前記第1の周波数よりも高い第2の周波数で共振する共振器として機能する、前記積層体の第1の層間に前記一方端と前記他方端とが互い違いになるように横並びに配置されて相互に電磁界結合する複数の複合共振電極と、
    前記積層体の前記第1の層間とは異なる層間に配置された、前記複数の複合共振電極のうちの入力段の複合共振電極における前記複数の突起部のうちの入力段の突起部と対向して電磁界結合するとともに、電気信号が入力される電気信号入力点を有する帯状の入力結合電極と
    前記積層体の前記第1の層間とは異なる層間に配置された、前記複数の複合共振電極のうちの出力段の複合共振電極における前記複数の突起部のうちの出力段の突起部と対向して電磁界結合するとともに、電気信号が出力される電気信号出力点を有する帯状の出力結合電極とを備えることを特徴とするバンドパスフィルタ。
  4. 前記電気信号入力点は、前記入力結合電極において、前記入力段の複合共振電極との対向部の中央よりも前記入力段の複合共振電極の前記他方端に近い側に位置しており、
    前記電気信号出力点は、前記出力結合電極において、前記出力段の複合共振電極との対向部の中央よりも前記出力段の複合共振電極の前記他方端に近い側に位置していることを特徴とする請求項3に記載のバンドパスフィルタ。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のバンドパスフィルタを含むRF部と、該RF部に接続されたベースバンド部とを備えることを特徴とする無線通信モジュール。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のバンドパスフィルタを含むRF部と、該RF部に接続されたベースバンド部と、前記RF部に接続されたアンテナとを備えることを特徴とする無線通信機器。
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