JP2005057113A - 平角線連続コイルおよびこれを用いたコイル部品 - Google Patents

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秀典 植松
Tsuneji Imanishi
恒次 今西
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俊之 中田
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Abstract

【課題】平角電線が撓んで変形することをなくした平角線連続コイルを提供し、これを用いてコイル部品の信頼性の低下を防止するとともに損失を低減したコイル部品を提供することを目的としている。
【解決手段】第一コイル部32と第二コイル部33は、平角電線31を直線状にした直線部35と幅方向に折曲した折曲部36とを交互に形成した矩形状に巻回しており、第一コイル部32と第二コイル部33との中間部に、平角電線31の表裏を反転して、第一コイル部32と第二コイル部33との巻回方向を逆方向にするとともに第一コイル部と第二コイル部33とを平行に配置した反転部39を設け、反転部を平角電線31の直線部35に形成した平角線連続コイル。
【選択図】図1

Description

本発明は、各種電子機器に利用される平角線連続コイルおよびこれを用いたリアクトル、チョークコイル等のコイル部品に関するものである。
従来、電源装置等には電力の力率改善やノイズ除去を目的に、O型等の閉磁路磁心の対向する磁脚に、二つに分割したコイルを装着し、この二つのコイルの一端を接続してリアクタンスを形成したコイル部品が使用されている。
そして、近年、電源装置に通電する電流の大電流化に伴い、このコイル部品の損失低減を目的に、コイルの占積効率が良い平角電線を用いるとともに、分割した二つのコイルの接続をなくして、分割した二つのコイルを連続して巻回した平角線連続コイルを用いることが多くなっている。
以下、従来の平角線連続コイルおよびそれを用いたコイル部品について図面を参照しながら説明する。
図6は従来の平角線連続コイル8の平面図、図7は従来の平角線連続コイル8の製造工程を示す平面図、図8は従来の平角線を用いたコイル部品の上面側の平面図、図9は図8におけるA−A線の断面図である。
図6、図7において、従来の平角線連続コイル8は、まず、図7(a)に示すように、絶縁被膜付きの平角電線1を幅方向に連続して湾曲させて円形にするとともに厚み方向に積層して巻回した一軸コイル2を形成している。
そして図7(b)に示すように、一軸コイル2の中間部4を平角電線1の曲率を大きくする方向に広げて一軸コイル2を分けることにより、一軸コイル2の一方の端部3から中間部4までの第一コイル部5と一軸コイル2の他方の端部6から中間部4までの第二コイル部7を形成し、図7(c)に示すように中間部4を捩って第二コイル部7を第一コイルに対して180°折り返して平角線連続コイル8を形成していた。
そして、図8、図9に示すように、断面形状が矩形状の一対のカットコア9を、第一コイル部5と第二コイル部7の内部で突き合わせるように装着して閉磁路磁心11を形成しコイル部品10を構成していた。
なお、この出願に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平10−172852号公報
しかしながら、従来の構成では、平角電線1を円形に巻回しているので、中間部4の平角電線1を曲率を大きくする方向に広げた際に、図10の従来の平角線連続コイルの曲率を大きく広げた中間部の拡大斜視図に示すように、外周側の平角導線を押し縮めるように力が作用して中間部4の平角電線1が撓んで変形が生じる恐れがあった。
そして、中間部4の平角電線1を捩って第二コイル部7を第一コイル部5に対して180°折り返した際に、中間部4の平角導線の変形によって、捩った部分の形状が不安定になるとともに第一コイル部5に対して第二コイル部7が位置ずれすることがあった。
また、この平角線連続コイル8に断面形状が矩形状の閉磁路磁心11を組みこんだコイル部品9においては、変形した中間部4の平角電線1や、位置ずれした第二コイル部7が閉磁路磁心11と接触して信頼性が低下する恐れがあった。
そして、円形に巻回した第一コイル部5および第二コイル部7と閉磁路磁心11との間の隙間12が大きくなり、漏れ磁束による損失が大きくなっていた。
このように、従来の平角線連続コイル8は、平角電線1を円形に巻回したことにより、中間部4の形状や第二コイル部7の位置決めが不安定となり、この平角線を用いたコイル部品9では、信頼性が低下するとともに損失が大きくなるといった問題点を有していた。
本発明は上記問題点を解決し、平角電線が撓んで変形することをなくした平角線連続コイルを提供し、これを用いてコイル部品の信頼性の低下を防止するとともに損失を低減したコイル部品を提供することを目的としている。
上記問題点を解決するために本発明は、以下の構成を有する。
本発明の請求項1記載の発明は、第一コイル部と第二コイル部は、平角電線を直線状にした直線部と幅方向に折曲した折曲部とを交互に形成した矩形状に巻回しており、第一コイル部と第二コイル部との中間部に、平角電線の表裏を反転して、第一コイル部と第二コイル部との巻回方向を逆方向にするとともに第一コイル部と第二コイル部とを平行に配置した反転部を形成し、反転部を平角電線の直線部に設けた構成である。
上記構成により、第一コイル部と第二コイル部は、平角電線を直線状にした直線部と幅方向に折曲した折曲部とを交互に形成した矩形状に巻回しており、第一コイル部と第二コイル部との中間部に、平角電線の表裏を反転して、第一コイル部と第二コイル部との巻回方向を逆方向にするとともに第一コイル部と第二コイル部とを平行に配置した反転部を形成し、反転部を平角電線の直線部に設けたので、中間部の平角電線を反転部で反転させる際に、撓んで変形した平角電線を反転させることがなくなり、平角電線を容易に反転させることができるとともに、反転部の形状を安定させることができる。
このとき、反転部に隣接した直線部に沿わせて平角電線を反転させれば、第一コイル部に対して第二コイル部を的確に位置決めすることができる。
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、反転部は、中間部の平角電線を直線部の長さ方向に折り返して形成した構成である。
上記構成により、反転部は、中間部の平角電線を直線部の長さ方向に折り返して形成したので、平角電線を直線部の長さ方向に折り返して平角電線の表裏を反転すれば、容易に第二コイル部を第一コイル部と平行に配置することができる。
本発明の請求項3に記載の発明は、特に、反転部を形成した直線部の長さ寸法を、隣接した直線部の長さ寸法より長くした構成である。
上記構成により、反転部を形成した直線部の長さ寸法を、隣接した直線部の長さ寸法より長くしているので、反転部を折り返した際に、第一コイル部と第二コイル部との間隔を離すことができ、反転部を形成した直線部の長さ寸法を調整すれば、第一コイル部と第二コイル部との間隔を調整することができる。
本発明の請求項4に記載の発明は、特に、反転部に、巻軸方向の外方に湾曲させた湾曲部を設けた構成である。
上記構成により、反転部に、巻軸方向の外方に湾曲させた湾曲部を設けているので、反転部で折り返した際に、折り返し部分の角度が緩やかになり平角電線の絶縁被膜が劣化することを抑制することができる。
本発明の請求項5に記載の発明は、特に、反転部は、中間部の平角電線を幅方向に捩って形成した構成である。
上記構成により、反転部は、中間部の平角電線を幅方向に捩って形成しているので、平角電線を幅方向に捩って平角電線の表裏を反転すれば、容易に第二コイル部を第一コイル部と平行に配置することができる。
本発明の請求項6に記載の発明は、特に、反転部を、第一コイル部と第二コイル部との間に配置した構成である。
上記構成により、反転部を、第一コイル部と第二コイル部との間に配置したので、中間部の平角電線を捩って平角電線を反転させても、平角電線を捩った部分と隣接した直線部が重なり合うことがなく、平角線連続コイルの外形寸法を小さくすることができる。
本発明の請求項7に記載の発明は、特に、請求項1に記載の平角線連続コイルを用い、平行に対向した磁脚を有するとともに断面形状が矩形状の閉磁路磁心の一方の磁脚の外周に第一コイル部を装着し、他方の磁脚の外周に第二コイル部を装着した構成である。
上記構成により、請求項1に記載の平角線連続コイルを用い、平行に対向した磁脚を有するとともに断面形状が矩形状の閉磁路磁心の一方の磁脚の外周に第一コイル部を装着し、他方の磁脚の外周に第二コイル部を装着すれば、請求項1に記載の平角線連続コイルは、反転部の形状が安定しているとともに第二コイル部の位置が安定しているので、平角線連続コイルと閉磁路磁心が接触することを防止することができる。
また、第一コイル部と第二コイル部とを矩形状に巻回しているので、第一コイル部および第二コイル部と断面形状が矩形状の閉磁路磁心との隙間を小さくすることができ、漏れ磁束による損失を低減したコイル部品を構成することができる。
本発明の平角線連続コイルは、第一コイル部と第二コイル部を、平角電線を直線状にした直線部と幅方向に折曲した折曲部とを交互に形成した矩形状に巻回しており、第一コイル部と第二コイル部との中間部に反転部を形成し、反転部を平角電線の直線部に設けた構成である。
これにより、平角線連続コイルの反転部の形状が変形したり第二コイル部が位置ずれすることを防止でき、この平角線連続コイルに断面形状が矩形状の閉磁路磁心を組み込んだコイル部品では、平角線連続コイルと閉磁路磁心が接触して信頼性が低下することを防止でき、矩形状に巻回した第一コイル部および第二コイル部と閉磁路磁心との間の漏れ磁束による損失を低減できるという効果を奏するものである。
(実施の形態)
以下、本発明の一実施の形態を用いて、本発明の全請求項について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の一実施の形態の平角線連続コイルの斜視図、図2は同平角線連続コイルを用いたコイル部品の斜視図、図3は図2におけるB−B線の断面図である。
図1〜図3において、本発明の平角線連続コイルは、絶縁被膜付き平角電線31を厚み方向に巻回した第一コイル部32と、第一コイル部32に連続して巻回するとともに平角電線31の厚み方向に巻回した第二コイル部33とを備えている。
このとき、第一コイル部32と第二コイル部33は、中央に貫通孔34を形成するとともに平角電線31を直線状にした直線部35と幅方向に折曲した折曲部36とを交互に形成した矩形状に巻回している。
そして、第一コイル部32と第二コイル部33との中間部37に、平角電線31の表裏を反転して、第一コイル部32と第二コイル部33との巻回方向38を逆方向にするとともに第一コイル部32と第二コイル部33とを平行に配置した反転部39を設け、この反転部39を平角電線31の直線部35に形成している。
また、反転部39を形成した直線部35の長さ寸法を、隣接した直線部35の長さ寸法より長くしており、反転部39は、中間部37の平角電線31を直線部35の長さ方向に折り返して形成するとともに、反転部39に、巻軸方向の外方に湾曲させた湾曲部40を形成して平角線連続コイル41を構成している。
そして、上記平角線連続コイル41を用い、平行に対向した磁脚42を有するとともに断面形状が矩形状の閉磁路磁心44の一方の磁脚45の外周に第一コイル部32を装着し、他方の磁脚46の外周に第二コイル部33を装着してコイル部品47を構成している。
この閉磁路磁心44は、例えば、磁性鋼板を巻回した断面矩形状の巻き鉄心をU字形状のカットコア48に分割し、第一コイル部32と第二コイル部33の貫通孔34に両端からカットコアの磁脚42を組み込んで閉磁路を形成したものである。
以上のように構成された平角線連続コイル41およびこれを用いたコイル部品47について、以下その動作を説明する。
第一コイル部32と第二コイル部33は、平角電線31を直線状にした直線部35と幅方向に折曲した折曲部36とを交互に形成した矩形状に巻回しており、第一コイル部32と第二コイル部33との中間部37に、平角電線31の表裏を反転して、第一コイル部32と第二コイル部33との巻回方向38を逆方向にするとともに第一コイル部32と第二コイル部33とを平行に配置した反転部39を形成し、反転部39を平角電線31の直線部35を設けたので、中間部37の平角電線31を反転部39で反転させる際に、撓んで変形した平角電線31を反転させることがなくなり、平角電線31を容易に反転させることができるとともに、反転部39の形状を安定させることができる。
このとき、反転部39に隣接した直線部35に沿わせて平角電線31を反転させれば、第一コイル部32に対して第二コイル部33を的確に位置決めすることができる。
そして、反転部39は、中間部37の平角電線31を直線部35の長さ方向に折り返して形成したので、平角電線31を直線部35の長さ方向に折り返して平角電線31の表裏を反転すれば、容易に第二コイル部33を第一コイルと平行に配置することができる。
このとき、反転部39が閉磁路磁心44の内側に配置されることがなくなるので、閉磁路磁心44を組み込む場合には、閉磁路磁心44の寸法を小さくすることができる。
さらに、反転部39を形成した直線部35の長さ寸法を、隣接した直線部35の長さ寸法より長くしているので、反転部39を折り返した際に、第一コイル部32と第二コイル部33との間隔49を離すことができ、反転部39を形成した直線部35の長さ寸法を調整すれば、第一コイル部32と第二コイル部33との間隔49を調整することができる。
また、反転部39に、巻軸方向の外方に湾曲させた湾曲部40を設けているので、反転部39で折り返した際に、折り返し部分の角度50が緩やかになり平角電線31の絶縁被膜が劣化することを抑制することができる。
そして、上記の平角線連続コイル41を用い、平行に対向した磁脚42を有するとともに断面形状が矩形状の閉磁路磁心44の一方の磁脚45の外周に第一コイル部32を装着し、他方の磁脚46の外周に第二コイル部33を装着してコイル部品47を構成すれば、平角線連続コイル41は、反転部39の形状が安定しているとともに第二コイル部33の位置が安定しているので、平角線連続コイル41と閉磁路磁心44が接触することを防止することができる。
また、第一コイル部32と第二コイル部33とを矩形状に巻回しているので、第一コイル部32および第二コイル部33と断面形状が矩形状の閉磁路磁芯44との隙間51を小さくすることができ、漏れ磁束による損失を低減したコイル部品47を構成することができる。
なお、上記実施の形態では、中間部37の平角電線31を直線部35の長さ方向に折り返して形成した反転部39を用いて説明したが、図4の本発明の一実施の形態の平角線連続コイル41の他の例を示す正面図、図5の同平面図に示すように、中間部37の平角電線31を幅方向に捩って反転部39を形成しても良く、上記実施の形態と同様に、容易に第二コイル部33を第一コイル部と平行に配置することができる。
このとき、反転部39を、第一コイル部32と第二コイル部33との間に配置すれば、中間部37の平角電線31を捩って平角電線31を反転させても、平角電線31を捩った部分と隣接した直線部35が重なり合うことがなく、平角線連続コイル41の外形寸法を小さくすることができる。
本発明にかかる平角線連続コイルおよびこれを用いたコイル部品は、コイル部品の損失を低減し、信頼性が低下することを抑制することができ、各種電子機器に利用される平角線連続コイルおよびこれを用いたリアクタ、チョークコイル等のコイル部品に有用である。
本発明の一実施の形態の平角線連続コイルの斜視図 同実施の形態における平角線連続コイルを用いたコイル部品の斜視図 図2におけるB−B線の断面図 同実施の形態の平角線連続コイルの他の例を示す正面図 同実施の形態の平角線連続コイルの平面図 従来の平角線連続コイルの平面図 (a)同平角線連続コイルの製造工程の一軸コイルを巻回した状態を示す平面図、(b)同平角線連続コイルの製造工程の中間部の曲率を大きく広げた状態を示す平面図、(c)同平角線連続コイルの製造工程の中間部を捩った状態を示す平面図 同平角線を用いたコイル部品の上面側の平面図 図8におけるA−A線の断面図 従来の平角線連続コイルの曲率を大きく広げた中間部の拡大斜視図
符号の説明
31 平角電線
32 第一コイル部
33 第二コイル部
34 貫通孔
35 直線部
36 折曲部
37 中間部
38 巻回方向
39 反転部
40 湾曲部
41 平角線連続コイル
42 磁脚
44 閉磁路磁心
45 一方の磁脚
46 他方の磁脚
47 コイル部品
48 U字形状のカットコア
49 第一コイル部と第二コイル部との間隔
50 折り返し部分の角度
51 隙間

Claims (7)

  1. 絶縁被膜付き平角電線を厚み方向に巻回した第一コイル部と、前記第一コイル部に連続して巻回するとともに前記平角電線の厚み方向に巻回した第二コイル部とを備え、前記第一コイル部と前記第二コイル部は、前記平角電線を直線状にした直線部と幅方向に折曲した折曲部とを交互に形成した矩形状に巻回しており、前記第一コイル部と前記第二コイル部との中間部に、前記平角電線の表裏を反転して、前記第一コイル部と前記第二コイル部との巻回方向を逆方向にするとともに前記第一コイル部と前記第二コイル部とを平行に配置した反転部を設け、前記反転部を前記平角電線の前記直線部に形成した平角線連続コイル。
  2. 反転部は、中間部の平角電線を直線部の長さ方向に折り返して形成した請求項1に記載の平角線連続コイル。
  3. 反転部を形成した直線部の長さ寸法を、隣接した直線部の長さ寸法より長くした請求項2に記載の平角線連続コイル。
  4. 反転部に、巻軸方向の外方に湾曲させた湾曲部を設けた請求項2に記載の平角線連続コイル。
  5. 反転部は、中間部の平角電線を幅方向に捩って形成した請求項1に記載の平角線連続コイル。
  6. 反転部を、第一コイル部と第二コイル部との間に配置した請求項5に記載の平角線連続コイル。
  7. 請求項1に記載の平角線連続コイルを用い、平行に対向した磁脚を有するとともに断面形状が矩形状の閉磁路磁心の一方の前記磁脚の外周に第一コイル部を装着し、他方の磁脚の外周に第二コイル部を装着したコイル部品。
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