JP2005029281A - 用紙搬送機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の用紙搬送機構1は、回転可能な搬送ローラ2と、この搬送ローラ2の上方に配設されて回転自在の押圧ローラ3とを備え、この押圧ローラ3は、搬送ローラ2との間に記録媒体5の厚さ寸法の1/2の寸法のギャップGを有して配設され、ギャップGに記録媒体5が搬送されてくると、押圧ローラが3上方に押し上げられて、押圧ローラ3の自重で記録媒体5が搬送ローラ2に押圧されるようになっている。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ等の印刷装置に使用され、搬送ローラと押圧ローラとで記録媒体を好適に搬送紙可能な用紙搬送機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の用紙搬送機構は、プリンタ側に配設されて、給紙トレイ(図示せず)内に収納している記録媒体を印刷部に給紙、あるいは印刷部で画像印刷された記録媒体をバックフィードしてプリンタ外部に排紙可能になっている。
このような従来の用紙搬送機構51を図3に基づいて説明すると、モータ(図示せず)の回転により回転可能な搬送ローラ52が配設され、この搬送ローラ52に押圧すると共に、搬送ローラ52の回転に追従して回転可能な押圧ローラ53が配設されている。
【0003】
前記押圧ローラ53は、プリンタ側の筐体に小ネジ54で取り付けられた板バネ55に支持されて、板バネ55の付勢力で搬送ローラ52に弾性付勢されている。また、搬送ローラ52の下部には、給紙トレイに収納された印画紙等の厚紙からなる記録媒体56が圧接されている。
そして、搬送ローラ52の時計回り方向の回転で、記録媒体56は、矢印A方向に搬送可能になっている。
【0004】
また、用紙搬送機構51の図示左側には、印刷ヘッドを有する印刷部(図示せず)が配設され、この印刷部と用紙搬送機構51との間には、搬送ローラ52の回転で矢印A方向に搬送されてくる記録媒体56を確実にグリップして、印刷部に搬送可能な紙送りローラ(図示せず)と圧接ローラ(図示せず)とが配設されている。
そして、紙送りローラと圧接ローラとでグリップされた記録媒体56は、紙送りローラの往復回転で、印刷部を往復搬送可能になっている。
【0005】
このような従来の用紙搬送機構51を、例えば熱転写プリンタに用いてカラー印刷を行う時の動作を説明すると、まず、給紙トレイに収納している記録媒体56を、搬送ローラ52の時計回り方向の回転で矢印A方向に搬送して、図示左側の印刷部(図示せず)に搬送する。
この時の記録媒体56は、印刷部近傍に配設している紙送りローラと押圧ローラとにグリップされて、サーマルヘッドがヘッドアップ状態の印刷部に搬送される。
【0006】
前記記録媒体56を印刷部に所定量搬送後、記録媒体56の後端部56bを検出して印刷開始時の頭出しを行う。この時の記録媒体56は、搬送ローラ52の圧接が外れて、紙送りローラと圧接ローラとによってグリップされた状態になっている。
そして、記録媒体56の頭出し後サーマルヘッドをヘッドダウンさせてインクリボンを記録媒体56に圧接すると共に紙送りローラの回転により記録媒体56を矢印Aと反対方向の矢印B方向に牽引してバックフィードする。
この時、サーマルヘッドの発熱素子の選択的な発熱によって、インクリボンの1色目のインクが記録媒体56に熱転写されて記録媒体56に、1色目の画像が印刷される。
【0007】
前記紙送りローラで矢印B方向に牽引されてバックフィードされる記録媒体56は、後端部56bが搬送ローラ52と押圧ローラ53とに狭持されて矢印B方向にバックフィードされる。
その後、記録媒体56を繰り返し印刷部に搬送して、1色目の画像の上に2色目のインクを重ね印刷し、2色目の画像の上に3色目のインクを重ね印刷することで記録媒体56に所望のカラー画像を印刷することができる。
【0008】
【特許文献1】特開平 7−19777号公報
特開平 8−259030号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の用紙搬送機構は、押圧ローラ53を板バネ55に支持し、この板バネ55を筐体側に小ネジ54で取り付けていたので、部品点数および組立工数が多くなりコストアップになる問題があった。
また、印刷中の記録媒体56を矢印B方向にバックフィードする時に、図4に示すように、記録媒体56の後端部56bが搬送ローラ52と押圧ローラ53とにぶつかり、記録媒体56が押圧ローラ53を上方に押し上げようとするときに、搬送ズレが発生するおそれがあった。
このような、記録媒体56に搬送ズレが発生すると、異なる色を重ね印刷してカラー印刷する場合に、印刷ズレが発生して印刷不良になる問題があった。
本発明は、前述したような課題を解決して、部品点数と組立工数とを削減できると共に記録媒体を往復搬送しても搬送ズレの発生しない用紙搬送機構を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段として本発明の用紙搬送機構は、駆動モータの駆動力により回転駆動される搬送ローラと、この搬送ローラの上方に配設されて回転自在の押圧ローラとを備え、前記押圧ローラは、前記搬送ローラとの間に搬送される記録媒体に対して自重で押圧可能になっていることを特徴とする。
【0011】
また、前記課題を解決するための第2の手段として、前記押圧ローラと前記搬送ローラとの間には、前記記録媒体の厚さ寸法より狭いギャップが形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、前記課題を解決するための第3の手段として、前記搬送ローラは、回転軸が印刷装置側の筐体に回転可能に支持され、前記押圧ローラは、回転軸が前記筐体に形成した上下方向に長孔状の支持孔に上下動自在に支持され、前記ギャップに前記記録媒体が搬送されてくると、前記押圧ローラが上方に押し上げられて、前記回転軸が前記長孔内を上昇すると共に前記押圧ローラの自重で前記記録媒体が前記搬送ローラに押圧されるようにしたことを特徴とする。
【0013】
また、前記課題を解決するための第4の手段として、前記ギャップは、前記記録媒体の厚さの1/2の寸法に形成されていることを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の用紙搬送機構を図1、図2に基づいて説明する。まず、図1は本発明に関する用紙搬送機構を用いた印刷装置を説明する概略図であり、図2は本発明に関する用紙搬送機構の拡大図である。
【0015】
まず、本発明の用紙搬送機構1は、印刷装置Pに組み込まれて、後述する紙送りローラ6と圧接ローラ7との間に記録媒体5を搬送可能になっている。
前記用紙搬送機構1は、図1、図2に示すように、外周部がゴム等の高摩擦部材で被覆された搬送ローラ2が、モータ(図示せず)に伝達機構(図示せず)を介して連結されて回転可能に配設されている。
また、搬送ローラ2の上方には回転自在の圧接ローラ3が配設されている。この圧接ローラ3は、比重の大きな金属等からなっている。
また、搬送ローラ2と押圧ローラ3は、それぞれの回転軸2a、3aが印刷装置P側の筐体4の一部に支持されている。
【0016】
また、押圧ローラ3の回転軸3aを支持する支持孔4aは、上下方向に長孔状に形成されている。そのために、押圧ローラ3は、長孔状の支持孔4aに沿って回転軸3aが上下動可能になっている。
そして、支持孔4aに支持されて自重で降下している時の押圧ローラ3と搬送ローラ2との間には、図2に示すように、所定寸法のギャップGが形成されている。前記搬送ローラ2と押圧ローラ3との間のギャップGは、印画紙等の厚紙からなる記録媒体5の厚さ寸法Tの略1/2の寸法に形成されている。
【0017】
また、ギャップGの搬送ローラ2と押圧ローラ3との間には、後述する印刷部8で印刷中または印刷終了後の記録媒体5が狭持されて、押圧ローラ3の自重により搬送ローラ2に押圧可能になっている。
また、搬送ローラ2の下部には、給紙トレイ(図示せず)に収納された記録媒体5が圧接されて、搬送ローラ2の時計回り方向の回転で矢印C方向に搬送可能になっている。
【0018】
このような本発明の用紙搬送機構1を用いた印刷装置Pを、例えば熱転写プリンタで説明すると、矢印Cの記録媒体5の搬送方向における用紙搬送機構1より下流側には、円柱状の紙送りローラ6と、この紙送りローラ6の図示上部側に配設されて、コイルバネ(図示せず)等で紙送りローラ6に圧接する圧接ローラ7とが配設されている。
そして、搬送ローラ2の回転で給紙トレイから矢印C方向に搬送される記録媒体5は、紙送りローラ6と圧接ローラ7との間に圧接狭持されてグリップされるようになっている。
前記紙送りローラ6と圧接ローラ7とによりグリップされた記録媒体5は、紙送りローラ6の反時計回り方向への回転で、紙送りローラ6の下流側近傍に位置する印刷部8に搬送可能になっている。
【0019】
前記印刷部8には、搬送されてくる記録媒体5の上方側にサーマルヘッド9が配設され、このサーマルヘッド9の下部側に回転自在のプラテンローラ10が配設されている。そして、サーマルヘッド9は、プラテンローラ10に対して接離(ヘッドアップ/ダウン)可能になっている。
また、サーマルヘッド9とプラテンローラ10との間には、インクリボン11が引き回しされており、このインクリボン11は、例えば一方の面である図示下面側に、異なる色のインクが順番に形成されたカラー用インクリボンからなり、サーマルヘッド9によりカラーインクを順番に記録媒体5に重ね印刷してカラー画像の印刷が可能になっている。
【0020】
また、インクリボン11は、一端部が巻取りリール(図示せず)に、他端部が供給リール(図示せず)にそれぞれ巻回されて、矢印E方向に巻取り可能になっている。また、インクリボン11の搬送経路には、ピンチローラ12が配設されている。
【0021】
このような印刷装置Pによる記録媒体5に所望のカラー画像を印刷する動作を説明すると、まず、サーマルヘッド9をヘッドアップさせてプラテンローラ10から所定量離間させ、印刷前の待機状態にする。
この待機状態で、用紙搬送機構1により矢印C方向に搬送する記録媒体5を、紙送りローラ6と圧接ローラ7との間に圧接狭持して、紙送りローラ6の回転で、記録媒体5をヘッドアップ状態のサーマルヘッド9とプラテンローラ10との間を更に矢印C方向に搬送する。
【0022】
そして、記録媒体5が矢印C方向に所定量搬送されて、記録媒体5の後端部5bが用紙センサ(図示せず)で検出されると、印刷開始前の記録媒体5の頭出しが行われて、記録媒体5の搬送が停止する。
この記録媒体5の頭出しが行われると、サーマルヘッド9をヘッドダウンさせて、プラテンローラ10上に位置する記録媒体5にインクリボン13を圧接する。
同時にサーマルヘッド9の複数の発熱素子9aを印刷情報に基づいて選択的に発熱させると共に、紙送りローラ6を図示時計回り方向に回転させて、記録媒体5を矢印D方向に牽引してバックフィードする。
【0023】
すると、記録媒体5の後端部5bが、図2に示すように、搬送ローラ2と押圧ローラ3とにぶつかる。
この時の、搬送ローラ2は、給紙時と同様に時計回り方向に回転しており、また、押圧ローラ3は、自重で支持溝4a内を降下して、搬送ローラ2との間にギャップGが形成されている。
そして、矢印D方向にバックフィードされる記録媒体5の後端部5bが、押圧ローラ3を上方に押し上げることにより、搬送ローラ2の時計回り方向の回転で、矢印D方向にバックフィードされる記録媒体5を、搬送ローラ2と押圧ローラ3との間に引き込んで、矢印D方向に更にバックフィードすることができる。
前記押圧ローラ3は、自重で降下しているので、矢印D方向にバックフィードされる印画紙等の厚紙からなる記録媒体5で、押圧ローラ3を容易に上方に押し上げることができる。
【0024】
このようにして、矢印D方向にバックフィードされる記録媒体5の一方の面(図示上面)には、インクリボン13のシアンの色のインクが熱転写されて1色目の画像印刷が行われる。
そして、1色目の画像印刷が終わると、搬送ローラ2と紙送りローラ6との回転を反転させて記録媒体5を再度記録開始位置まで戻し、シアンの色のインクでの画像印刷と同様にして、シアンの色の1色目の画像の上にマゼンタの色のインクを重ね印刷することにより2色目の画像印刷が行われる。
その後、同様の動作を繰り返して、マゼンタの色の2色目の画像の上にイエロの色のインクを重ね印刷することにより3色目の画像印刷が行われて、記録媒体5に所望のカラー画像を印刷することができる。
【0025】
前記カラー印刷中の記録媒体5は、紙送りローラ6と圧接ローラ7とにグリップされた状態で往復搬送され、印刷動作の都度、記録媒体5の後端部5bが、本発明の用紙搬送機構1の搬送ローラ2と押圧ローラ3とにぶつかるが、自重で降下してる押圧ローラ3を記録媒体5の後端部5bでスムーズに押し上げることができる。
そのために、搬送中の記録媒体5に搬送ズレが発生するのを防止でき、異なる色を重ね印刷するカラー印刷時でも、色ズレのない高品質な画像を印刷することができる。
そして、所望のカラー画像の印刷が終了した記録媒体5は、紙送りローラ6と圧接ローラ7とによるグリップが解除され、搬送ローラ2と押圧ローラ3とにより矢印D方向にバックフィードされて、印刷装置Pの外部に排紙される。
【0026】
また、本発明の用紙搬送機構1は、押圧ローラ3の自重で記録媒体5を搬送ローラ2に押圧しているので、従来のような板バネ55および小ネジ54等が不要になり、部品点数と組立工数を削減できる。
尚、本発明の実施の形態の説明では、印刷をカラー印刷で説明したが、インクリボン11を単色のインクを塗布したものを使用することにより、単色の画像印刷を行うことも可能である。
また、記録装置Pを熱転写プリンタで説明したが、感熱紙からなる記録媒体を用いるサーマルプリンタでも良い。
【0027】
【発明の効果】
以上述べたように本発明に係わる押圧ローラは、搬送ローラとの間に搬送される記録媒体に対して自重で押圧可能になっているので、従来のような板バネあるいは小ネジ等が不要になり、部品点数および組立工数を削減してコストダウンが可能な用紙搬送装置を提供できる。
【0028】
また、押圧ローラと搬送ローラとの間には、記録媒体の厚さ寸法より狭いギャップが形成されているので、バックフィードされる記録媒体をスムーズに搬送ローラと押圧ローラとの間に引き込んで、押圧ローラを無理なく押し上げることができる。
そのために、記録媒体を繰り返し往復搬送しても搬送ズレが発生することが無く、高品質のカラー画像等を印刷することができる。
【0029】
また、ギャップに記録媒体が搬送されてくると、押圧ローラが上方に押し上げられて、回転軸が長孔内を上昇すると共に押圧ローラの自重で記録媒体が搬送ローラに押圧されるようにしたので、バックフィードされる記録媒体の後端部で押圧ローラを容易に押し上げることができ、記録媒体を搬送ずれなく繰り返し往復搬送することができる。
【0030】
また、ギャップは、記録媒体の厚さ寸法の1/2の寸法に形成されているので、記録媒体の小さなバックフィード力で押圧ローラを確実に押し上げるとと共に、押し上げた押圧ローラの自重で記録媒体を確実に押圧することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関する用紙搬送機構を用いた印刷装置を説明する概略図である。
【図2】本発明に関する用紙搬送機構の拡大図である。
【図3】従来の用紙搬送機構を説明する概略図である。
【図4】従来の用紙搬送機構の課題を説明する概略図である。
【符号の説明】
1 用紙搬送機構
2 搬送ローラ
3 押圧ローラ
4 筐体
4a 支持孔
5 記録媒体
6 紙送りローラ
7 圧接ローラ
8 印刷部
9 サーマルヘッド
10 プラテンローラ
11 インクリボン
12 ピンチローラ
Claims (4)
- 駆動モータの駆動力により回転駆動される搬送ローラと、この搬送ローラの上方に配設されて回転自在の押圧ローラとを備え、前記押圧ローラは、前記搬送ローラとの間に搬送される記録媒体に対して自重で押圧可能になっていることを特徴とする用紙搬送機構。
- 前記押圧ローラと前記搬送ローラとの間には、前記記録媒体の厚さ寸法より狭いギャップが形成されていることを特徴とする請求項1記載の用紙搬送機構。
- 前記搬送ローラは、回転軸が印刷装置側の筐体に回転可能に支持され、前記押圧ローラは、回転軸が前記筐体に形成した上下方向に長孔状の支持孔に上下動自在に支持され、前記ギャップに前記記録媒体が搬送されてくると、前記押圧ローラが上方に押し上げられて、前記回転軸が前記長孔内を上昇すると共に前記押圧ローラの自重で前記記録媒体が前記搬送ローラに押圧されるようにしたことを特徴とする請求項2記載の用紙搬送機構。
- 前記ギャップは、前記記録媒体の厚さの1/2の寸法に形成されていることを特徴とする請求項2または3記載の用紙搬送機構。
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