JP2005014566A - インクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005014566A JP2005014566A JP2003186443A JP2003186443A JP2005014566A JP 2005014566 A JP2005014566 A JP 2005014566A JP 2003186443 A JP2003186443 A JP 2003186443A JP 2003186443 A JP2003186443 A JP 2003186443A JP 2005014566 A JP2005014566 A JP 2005014566A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ink
- filter
- recording apparatus
- bubbles
- ink supply
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B41—PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
- B41J2/01—Ink jet
- B41J2/17—Ink jet characterised by ink handling
- B41J2/175—Ink supply systems ; Circuit parts therefor
- B41J2/17563—Ink filters
Abstract
【課題】インクジェット記録装置において、安定してインクを供給し、さらに、インクの不吐出の発生を確実に抑える。
【解決手段】本発明のインクジェット記録装置1は、インクジェットヘッド2のインク供給口15に連通するインク供給流路6a,6b,6c中に、複数の貫通孔を有してインクを濾過するフィルタFをインク供給口15より高い位置に配置して水平面に対し傾けて設けることで構成されている。これにより、インクジェットヘッド2から移動してきた気泡はフィルタFの外周の一部に集められ、フィルタの貫通孔を容易に通過するため、気泡の広がり及び滞留を防止することが可能になるので、安定してインクを供給することができ、さらに、インクの不吐出の発生を確実に抑えることができる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明のインクジェット記録装置1は、インクジェットヘッド2のインク供給口15に連通するインク供給流路6a,6b,6c中に、複数の貫通孔を有してインクを濾過するフィルタFをインク供給口15より高い位置に配置して水平面に対し傾けて設けることで構成されている。これにより、インクジェットヘッド2から移動してきた気泡はフィルタFの外周の一部に集められ、フィルタの貫通孔を容易に通過するため、気泡の広がり及び滞留を防止することが可能になるので、安定してインクを供給することができ、さらに、インクの不吐出の発生を確実に抑えることができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクをインク滴として吐出させるインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットプリンタなどのインクジェット記録装置は、インクジェットヘッド内のインクをノズルからインク滴として吐出させ、記録媒体にインク滴を付着させることで画像形成を行う装置である。
【0003】
このようなインクジェット記録装置では、異物によるノズルの目詰まりの発生やインクジェットヘッド内での気泡の発生などによって、インクの吐出が不安定になったり、インクの不吐出が発生したりしてしまう。これは、記録媒体への印字不良の要因になり問題である。
【0004】
この問題を解決する方法としては、インクタンクからインクジェットヘッドまで連通するインク供給流路中に、インクを濾過するフィルタを設ける方法が提案されている(特許文献1参照)。このフィルタによって異物などがインクから取り除かれる。さらに、水平面に対してフィルタを傾け、インクタンクからインクと共に流れてきた気泡を捕獲(トラップ)することで、気泡がインクジェットヘッドまで流入することが防止されている。
【0005】
また、異物だけを除去し気泡を通過させるようにフィルタを構成し、インクジェットヘッドのノズル部分を吸引することで、インクジェットヘッド内から気泡を除去する方法も提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
一方、これらの方法に用いられるフィルタの特性としては、絶対濾過精度が小さく、所定の大きさの異物を通さないことが必須である。しかし、インクジェット記録装置に顔料系のインクを使用した場合には、フィルタがインクの顔料成分を除去してしまい、フィルタの目詰まりが発生することがある。顔料の平均粒子径は一般的に0.05〜0.50μm程度であるが、顔料の粒子径には分布があり1μmを超える粒子も存在している。インクジェット記録装置に使用されているフィルタは、一般的に、金属細線の編み込みや金属燒結などにより形成されている。このため、フィルタの捕獲率は粒子径毎に異なっており、例えば、図8に示すグラフのように変動する。
【0007】
インクジェット記録装置に顔料系のインクを使用した場合、フィルタの目詰まりを生じさせないためには、顔料の最大粒子径におけるフィルタの捕獲率が0%であることが必要である。上述したようなフィルタは、例えば顔料の最大粒子径が2μmであるとすると、図8に示すように、2μm以下では捕獲率が0%であることが必要であり、2μm以上になると捕獲率が増加するフィルタである。このようなフィルタに大きさが5μmである異物が混入した場合、その異物は一定の確率でフィルタによって捕獲される。この捕獲された異物がフィルタの隙間に埋まって、フィルタの目が詰まっていく。このような状態のフィルタでは、大きさが2μm以下である顔料が捕獲されることがある。このように粒子径が2μm以下である顔料の捕獲率は0%でなくなってしまう。
【0008】
また、顔料がフィルタによって捕獲されると、顔料インクはインクとしてのスペックを満たさなくなる可能性があり、さらに、捕獲された顔料はフィルタの目詰まりを加速させる原因になる。一方、捕獲率が100%付近である異物、例えば10μm程度の異物がインクに混入していた場合には、その異物がフィルタを通り抜けインクジェットヘッド内に到達し、悪影響を及ぼすこともある。
【0009】
【特許文献1】
特許第3168122号
【特許文献2】
特開平9−94978号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の方法では、インクタンクからインクと共に流れてくる気泡は、フィルタによって捕獲(トラップ)されるため、インクジェットヘッドの性能に影響を与えない。しかしながら、インクジェットヘッドのノズル付近では、温度や気圧の変化によるノズルからの気泡の引き込みやインクに溶存している気体などによって、気泡が発生してしまう。このようにインクジェットヘッドの内部に発生した気泡を特許文献1の方法によって取り除くことは不可能である。
【0011】
また、フィルタが水平に配置されている構造では、インクジェットヘッドから移動してきた気泡はフィルタ面に留まり、たとえ少量の気泡であっても広がるため、薄い気泡層を形成してしまう。この気泡層がクッションとなり、インクの供給を妨げるので、インクの吐出に大きな影響を与えてしまう。
【0012】
なお、特許文献1の方法のようにフィルタを傾けている構造であっても、フィルタ面に気泡が留まり徐々に大きくなるため、フィルタの濾過有効面積が狭くなり、インクの濾過速度が遅くなってしまい、さらに、インク供給に必要な圧力制御が困難になってしまう。
【0013】
また、特許文献2の方法では、インクジェットヘッドのノズル部分に気泡を引き込む可能性が高く、気泡は圧力衝撃を吸収してしまうため、ノズル部分への気泡の混入はインクジェット記録装置の性能を著しく低下させてしまう。
【0014】
本発明の目的は、安定してインクを供給することができ、さらに、インクの不吐出の発生を確実に抑えることができるインクジェット記録装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録装置は、インクジェットヘッドのインク供給口に連通するインク供給流路中に、複数の貫通孔を有してインクを濾過するフィルタをインク供給口より高い位置に配置して水平面に対し傾けて設けることで、インクジェットヘッドから移動してきた気泡をフィルタの外周の一部に集める。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態のインクジェット記録装置におけるインク供給流路を概略的に示す説明図、図2はフィルタ部の内部構造を概略的に示す縦断側面図、図3はフィルタを概略的に示す平面図、図4はフィルタの濾過精度を示すグラフ、図5はインクジェットヘッドを概略的に示す縦断側面図、図6はそのA−A線断面図である。
【0017】
図1に示すように、インクジェット記録装置1は、インクジェットヘッド2、インクタンク3、送液ポンプ4、そして、フィルタ部5などから構成されている。そして、それらはインクパイプ6a、6b、6cにより接続されている。なお、インクパイプ6a、6b、6cは、インクが流れるインク供給流路として機能する。
【0018】
インクタンク3は、インクジェットヘッド2に供給されるインクを収容するインク収容部である。インクタンク3内のインクは、送液ポンプ4の駆動によりフィルタ部5を介してインクジェットヘッド2に供給される。供給されるインクとしては、例えば、色材として顔料を含む顔料インクが用いられているが、これに限るものではない。
【0019】
図2及び図3に示すように、フィルタ部5は、インクを濾過するフィルタFを収容しており、このフィルタFによって、内部を通過するインクから所定の大きさの粒子を取り除く。なお、フィルタ部5、すなわちフィルタFはインクジェットヘッド2より高い位置に配置されている。これは、インクジェットヘッド2内の気泡を浮力によってインクパイプ6cを介してフィルタ部5に移動させるための構成である。
【0020】
フィルタFには、所定の直径を有する複数の貫通孔7が均一に形成されている。このようなフィルタFは、水平面に対し傾けられて設けられており、インクジェットヘッド2内からインクパイプ6cを介して移動してくる気泡をフィルタFの外周の一部に案内して集める。なお、フィルタFを傾ける角度は、フィルタFの外周の一部に良好に気泡を案内する角度に設定されている。ここで、フィルタFの外形は、図3に示すように、長方形状に形成されているが、これに限るものはなく、例えば円状に形成されていても良い。なお、フィルタ部5の内壁は、フィルタFの形状に合わせて形成されている。
【0021】
フィルタ部5には、インクパイプ6bに接続され送液ポンプ4により供給されたインクが流入する流入開口部5a、及び、インクパイプ6cに接続されフィルタFを通過したインクが流出する流出開口部5bが設けられている。なお、流入開口部5aは、フィルタ部5内の気泡がその外部に出ていくように、すなわち、流出開口部5bからフィルタ部5の内部に入ってフィルタFを通過した気泡がフィルタ部5の外部に出ていくように広く形成されている。なお、ここでは、例えば、流入開口部5aは流出開口部5bより広く、すなわち大口径に形成されている。また、フィルタ部5の内部は、流入開口部5a側の容積が流出開口部5b側の容積より大きくなるようにフィルタFによって2つに仕切られている。さらに、フィルタ部5の内部には、流出開口部5bからフィルタ部5の内部に移動してフィルタFを通過した気泡が流入開口部5aに移動しやすいように、その気泡を流入開口部5aに案内する傾斜部5cが設けられている。
【0022】
ここで、流入開口部5aから流入したインクは、フィルタFを通過して流出開口部5bから流出する。これにより、インクは、フィルタFによって濾過され、ノズル8の目詰まりの原因となるゴミやインクジェットヘッド2内で発生する気泡の核となる微小な粒子などが取り除かれる。
【0023】
なお、本実施の形態のフィルタFとしては、金属メッキプロセスにより形成されたフィルタFが用いられている。この金属メッキプロセスは、金属ベース上に形成されたレジストをフォトプロセスにより現像し、貫通孔7となる部分を残して除去し、その後、電気メッキ、例えばニッケルメッキを施してからレジストを除去し、所定の直径の貫通孔7が複数開いた金属板を形成するプロセスである。このプロセスにより形成された金属板をフィルタFとして用いることで、図4に示すような濾過精度を有するフィルタFを得ることができる。このフィルタFは、従来のフィルタ(図8参照)のように粒子径の増加に伴い捕獲率が徐々に増加することがなく、異物の除去と顔料の透過とに優秀な選択性を有し、インクジェット記録装置1に用いるフィルタFとして非常に有効である。
【0024】
なお、このようなフィルタFを水平に配置した場合には、フィルタFの表面の平滑度が高いため、気泡がフィルタFの下部で広がりやすく、薄い気泡層を形成してしまう。これを防止するため、本実施の形態では、フィルタFは水平面に対し傾けられて設けられている。これにより、インクジェットヘッド2内からインクパイプ6cを介して移動してくる気泡はフィルタFの外周の一部に案内されて集められるので、気泡層の発生を防止することができる。さらに、フィルタFの表面の平滑度が高いので、気泡を良好にフィルタFの外周の一部に案内して集めることができる。
【0025】
図5及び図6に示すように、インクジェットヘッド2は、複数のノズル(吐出孔)8が形成されたノズルプレート9、複数のノズル8に各々対向する位置に設けられインクを収容する複数個の圧力室10を備えている。複数個の圧力室10は、それぞれに共通インク室11からインクが供給されるように構成されている。圧力室10の一部を形成してノズルプレート9に対向する面は振動板12によって形成されている。振動板12には、各圧力室10に対応させて複数個の圧電部材13が設けられている。
【0026】
ノズルプレート9には、複数のノズル8が略一直線上に形成されている。そして、インクジェットヘッド2は、ノズルプレート9のノズル8からインクをインク滴として吐出させるように構成されている。振動板12及び圧電部材13は、アクチュエータを構成しており、圧電部材13は駆動信号発生回路14の出力端子に電気的に接続されている。なお、圧電部材13としては、圧電素子(ピエゾ素子)が用いられているが、これに限るものではない。そして、振動板12、圧電部材13、そして、駆動信号発生回路14から、圧力室10内のインクをノズル8からインク滴として吐出させる駆動手段が構成されている。
【0027】
共通インク室11には、インクパイプ6cに接続されてインクを供給するための開口部であるインク供給口15が設けられている。このインク供給口15は、インクジェットヘッド2の上部側に位置付けられている。これにより、インクジェットヘッド2の内部に発生した気泡は、浮力などによりインク供給口15からインクパイプ6c内に移動することが可能になる。そして、フィルタ部5、すなわちフィルタFはインクジェットヘッド2のインク供給口15より高い位置に位置付けられている。したがって、インクジェットヘッド2内の気泡は浮力によってインクパイプ6cを介してフィルタ部5に移動することが可能になる。つまり、インクジェット記録装置1は、インクジェットヘッド2内の気泡が浮力などによってフィルタ部5に移動するように構成されている。
【0028】
このようなインクジェットヘッド2は、駆動信号発生回路14から圧電部材13に駆動信号を付与し、圧電部材13を変形させて、振動板12を振動させる。この振動によって圧力室10の容積が変化する。圧力室10の容積が増える過程で、共通インク室11のインクが圧力室10に吸引され、圧力室10の容積が減る過程で、圧力室10のインクがインク滴となってノズル8から外部に向けて吐出する。
【0029】
なお、本実施の形態においては、アクチュエータとして圧電部材13が用いられているが、これに限るものではなく、例えば、アクチュエータとして発熱体が用いられても良い。この場合には、インクジェットヘッドは、発熱体によりインクを沸騰させることで、ノズル8からインクをインク滴として吐出させる構造になっている。また、本実施の形態においては、インクタンク3の内部に貯留したインクの液面とインクジェットヘッド2に設けられたノズル8との水頭差を利用することでノズル8内のインクに負圧を作用させている。この負圧の作用により、ノズル8からのインクの漏れ出しが防止される。
【0030】
このような構成において、インクジェットヘッド2の内部には、温度や気圧の変化によるノズルからの気泡の引き込みやインクに溶存している気体などによって、気泡が発生する。インクジェットヘッド2の内部の気泡は、浮力などによりインクジェットヘッド2のインク供給口15からインクパイプ6cを介してフィルタ部5に向かって移動する。この気泡は、フィルタ部5の流出開口部5bからその内部に入り、フィルタF面に沿ってその外周の一部に案内され一箇所に集められるので、フィルタF面での気泡の広がりや滞留により貫通孔7を塞ぐことで濾過精度を低下させる気泡層の発生を防止することが可能になる。これにより、インク供給に必要な圧力制御を安定して行うことができ、さらに、フィルタFの濾過有効面積が減少せず、インクの濾過速度が遅くなることを防止することができる。
【0031】
また、図7に示すように、気泡がフィルタFの外周の一部に集められてある程度の大きさになると、その集められた気泡Kは、浮力やインクによる圧力、特にフィルタ部5を矢印7a方向に通過する際のインクによる圧力などによって、矢印7b方向にフィルタFを通過してフィルタ部5の内部から外部に出ていく。これにより、フィルタFの外周の一部に集められた気泡Kがインクの供給を妨げることは無くなり、さらに、フィルタFの濾過有効面積も減少せず、インクの濾過速度が遅くなることを防止することができる。ここで、インクの表面張力や比重、フィルタFに対するインクの濡れ性、そして、フィルタ径などを考慮し、フィルタFの濡れ性や傾き角度などを調整することで、フィルタ部5はフィルタFの外周の一部に集められた気泡KがフィルタFを通過するように構成されている。
【0032】
このようにして、本実施の形態のインクジェット記録装置1によれば、インクジェットヘッド2からフィルタFまで移動してきた気泡はフィルタFの外周の一部に集められ、フィルタFの貫通孔7を容易に通過するため、気泡の広がり及び滞留を防止することが可能になるので、安定してインクを供給することができ、さらに、インクの不吐出の発生を確実に抑えることができる。つまり、インクジェット記録装置1は安定してインクを吐出させることができる。また、複数の貫通孔7を具備して図4に示すような濾過精度を有するフィルタFを用いることで、精度良くインクを濾過することができ、さらに、フィルタFの外周の一部に集められた気泡Kは容易にフィルタFを通過することができる。
【0033】
なお、本実施の形態においては、フィルタFは金属メッキプロセスにより形成されていることから、そのフィルタFの表面の平滑度が高いため、気泡を良好にフィルタFの外周の一部に案内して集めることができる。また、顔料インクを使用するインクジェット記録装置1に従来のフィルタを用いた場合に比べ、顔料インクに対するフィルタFの寿命が延びるため、フィルタFの高寿命化を実現することができる。
【0034】
また、本実施の形態においては、インク収容部であるインクタンク3は、インクとして顔料を含む顔料インクを収容していることから、染料インクなどに比べ、用紙などの記録媒体に付着したインクのにじみや色あせを抑えることができる。
【0035】
また、本実施の形態においては、インク供給流路であるインクパイプ6a,6b,6c中に設けられフィルタFを収容するフィルタ部5を備え、フィルタ部5は、インクパイプ6a,6b,6cを流れるインクが流入する流入開口部5aとフィルタFを通過したインクが流出する流出開口部5bとを有し、流入開口部5aは、フィルタ部5内の気泡がその外部に出ていくように流出開口部5bより広く形成されていることから、気泡がフィルタ部5内に留まらずにフィルタ部5の流入開口部5aから良好に出ていくため、フィルタFの濾過有効面積が減少せず、インクの濾過速度が遅くなることを防止することが可能になる。これにより、安定してインクを供給することができ、さらに、インクの不吐出の発生を確実に抑えることができる。
【0036】
また、本実施の形態においては、フィルタ部5は、流入開口部5aにフィルタ部5内の気泡を案内する傾斜部5cを有していることから、フィルタ部5内の気泡が流入開口部5aに移動しやすくなり、気泡がフィルタ部5内に留まることを防止することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、インクジェットヘッドからフィルタまで移動してきた気泡はフィルタの外周の一部に集められ、フィルタを容易に通過するため、フィルタ面での気泡の広がり及び滞留を防止することが可能になるので、安定してインクを供給することができ、さらに、インクの不吐出の発生を確実に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のインクジェット記録装置におけるインク供給流路を概略的に示す説明図である。
【図2】フィルタ部の内部構造を概略的に示す縦断側面図である。
【図3】フィルタを概略的に示す平面図である。
【図4】フィルタの濾過精度を示すグラフである。
【図5】インクジェットヘッドを概略的に示す縦断側面図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】フィルタ部の一部分を拡大して概略的に示す縦断側面図である。
【図8】従来のフィルタの濾過精度を示すグラフである。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置
2 インクジェットヘッド
3 インク収容部(インクタンク)
5 フィルタ部
5a 流入開口部
5b 流出開口部
5c 傾斜部
6a,6b,6c インク供給流路(インクパイプ)
7 貫通孔
8 ノズル
15 インク供給口
F フィルタ
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクをインク滴として吐出させるインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、インクジェットプリンタなどのインクジェット記録装置は、インクジェットヘッド内のインクをノズルからインク滴として吐出させ、記録媒体にインク滴を付着させることで画像形成を行う装置である。
【0003】
このようなインクジェット記録装置では、異物によるノズルの目詰まりの発生やインクジェットヘッド内での気泡の発生などによって、インクの吐出が不安定になったり、インクの不吐出が発生したりしてしまう。これは、記録媒体への印字不良の要因になり問題である。
【0004】
この問題を解決する方法としては、インクタンクからインクジェットヘッドまで連通するインク供給流路中に、インクを濾過するフィルタを設ける方法が提案されている(特許文献1参照)。このフィルタによって異物などがインクから取り除かれる。さらに、水平面に対してフィルタを傾け、インクタンクからインクと共に流れてきた気泡を捕獲(トラップ)することで、気泡がインクジェットヘッドまで流入することが防止されている。
【0005】
また、異物だけを除去し気泡を通過させるようにフィルタを構成し、インクジェットヘッドのノズル部分を吸引することで、インクジェットヘッド内から気泡を除去する方法も提案されている(特許文献2参照)。
【0006】
一方、これらの方法に用いられるフィルタの特性としては、絶対濾過精度が小さく、所定の大きさの異物を通さないことが必須である。しかし、インクジェット記録装置に顔料系のインクを使用した場合には、フィルタがインクの顔料成分を除去してしまい、フィルタの目詰まりが発生することがある。顔料の平均粒子径は一般的に0.05〜0.50μm程度であるが、顔料の粒子径には分布があり1μmを超える粒子も存在している。インクジェット記録装置に使用されているフィルタは、一般的に、金属細線の編み込みや金属燒結などにより形成されている。このため、フィルタの捕獲率は粒子径毎に異なっており、例えば、図8に示すグラフのように変動する。
【0007】
インクジェット記録装置に顔料系のインクを使用した場合、フィルタの目詰まりを生じさせないためには、顔料の最大粒子径におけるフィルタの捕獲率が0%であることが必要である。上述したようなフィルタは、例えば顔料の最大粒子径が2μmであるとすると、図8に示すように、2μm以下では捕獲率が0%であることが必要であり、2μm以上になると捕獲率が増加するフィルタである。このようなフィルタに大きさが5μmである異物が混入した場合、その異物は一定の確率でフィルタによって捕獲される。この捕獲された異物がフィルタの隙間に埋まって、フィルタの目が詰まっていく。このような状態のフィルタでは、大きさが2μm以下である顔料が捕獲されることがある。このように粒子径が2μm以下である顔料の捕獲率は0%でなくなってしまう。
【0008】
また、顔料がフィルタによって捕獲されると、顔料インクはインクとしてのスペックを満たさなくなる可能性があり、さらに、捕獲された顔料はフィルタの目詰まりを加速させる原因になる。一方、捕獲率が100%付近である異物、例えば10μm程度の異物がインクに混入していた場合には、その異物がフィルタを通り抜けインクジェットヘッド内に到達し、悪影響を及ぼすこともある。
【0009】
【特許文献1】
特許第3168122号
【特許文献2】
特開平9−94978号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1の方法では、インクタンクからインクと共に流れてくる気泡は、フィルタによって捕獲(トラップ)されるため、インクジェットヘッドの性能に影響を与えない。しかしながら、インクジェットヘッドのノズル付近では、温度や気圧の変化によるノズルからの気泡の引き込みやインクに溶存している気体などによって、気泡が発生してしまう。このようにインクジェットヘッドの内部に発生した気泡を特許文献1の方法によって取り除くことは不可能である。
【0011】
また、フィルタが水平に配置されている構造では、インクジェットヘッドから移動してきた気泡はフィルタ面に留まり、たとえ少量の気泡であっても広がるため、薄い気泡層を形成してしまう。この気泡層がクッションとなり、インクの供給を妨げるので、インクの吐出に大きな影響を与えてしまう。
【0012】
なお、特許文献1の方法のようにフィルタを傾けている構造であっても、フィルタ面に気泡が留まり徐々に大きくなるため、フィルタの濾過有効面積が狭くなり、インクの濾過速度が遅くなってしまい、さらに、インク供給に必要な圧力制御が困難になってしまう。
【0013】
また、特許文献2の方法では、インクジェットヘッドのノズル部分に気泡を引き込む可能性が高く、気泡は圧力衝撃を吸収してしまうため、ノズル部分への気泡の混入はインクジェット記録装置の性能を著しく低下させてしまう。
【0014】
本発明の目的は、安定してインクを供給することができ、さらに、インクの不吐出の発生を確実に抑えることができるインクジェット記録装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のインクジェット記録装置は、インクジェットヘッドのインク供給口に連通するインク供給流路中に、複数の貫通孔を有してインクを濾過するフィルタをインク供給口より高い位置に配置して水平面に対し傾けて設けることで、インクジェットヘッドから移動してきた気泡をフィルタの外周の一部に集める。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図面に基づいて説明する。図1は本実施の形態のインクジェット記録装置におけるインク供給流路を概略的に示す説明図、図2はフィルタ部の内部構造を概略的に示す縦断側面図、図3はフィルタを概略的に示す平面図、図4はフィルタの濾過精度を示すグラフ、図5はインクジェットヘッドを概略的に示す縦断側面図、図6はそのA−A線断面図である。
【0017】
図1に示すように、インクジェット記録装置1は、インクジェットヘッド2、インクタンク3、送液ポンプ4、そして、フィルタ部5などから構成されている。そして、それらはインクパイプ6a、6b、6cにより接続されている。なお、インクパイプ6a、6b、6cは、インクが流れるインク供給流路として機能する。
【0018】
インクタンク3は、インクジェットヘッド2に供給されるインクを収容するインク収容部である。インクタンク3内のインクは、送液ポンプ4の駆動によりフィルタ部5を介してインクジェットヘッド2に供給される。供給されるインクとしては、例えば、色材として顔料を含む顔料インクが用いられているが、これに限るものではない。
【0019】
図2及び図3に示すように、フィルタ部5は、インクを濾過するフィルタFを収容しており、このフィルタFによって、内部を通過するインクから所定の大きさの粒子を取り除く。なお、フィルタ部5、すなわちフィルタFはインクジェットヘッド2より高い位置に配置されている。これは、インクジェットヘッド2内の気泡を浮力によってインクパイプ6cを介してフィルタ部5に移動させるための構成である。
【0020】
フィルタFには、所定の直径を有する複数の貫通孔7が均一に形成されている。このようなフィルタFは、水平面に対し傾けられて設けられており、インクジェットヘッド2内からインクパイプ6cを介して移動してくる気泡をフィルタFの外周の一部に案内して集める。なお、フィルタFを傾ける角度は、フィルタFの外周の一部に良好に気泡を案内する角度に設定されている。ここで、フィルタFの外形は、図3に示すように、長方形状に形成されているが、これに限るものはなく、例えば円状に形成されていても良い。なお、フィルタ部5の内壁は、フィルタFの形状に合わせて形成されている。
【0021】
フィルタ部5には、インクパイプ6bに接続され送液ポンプ4により供給されたインクが流入する流入開口部5a、及び、インクパイプ6cに接続されフィルタFを通過したインクが流出する流出開口部5bが設けられている。なお、流入開口部5aは、フィルタ部5内の気泡がその外部に出ていくように、すなわち、流出開口部5bからフィルタ部5の内部に入ってフィルタFを通過した気泡がフィルタ部5の外部に出ていくように広く形成されている。なお、ここでは、例えば、流入開口部5aは流出開口部5bより広く、すなわち大口径に形成されている。また、フィルタ部5の内部は、流入開口部5a側の容積が流出開口部5b側の容積より大きくなるようにフィルタFによって2つに仕切られている。さらに、フィルタ部5の内部には、流出開口部5bからフィルタ部5の内部に移動してフィルタFを通過した気泡が流入開口部5aに移動しやすいように、その気泡を流入開口部5aに案内する傾斜部5cが設けられている。
【0022】
ここで、流入開口部5aから流入したインクは、フィルタFを通過して流出開口部5bから流出する。これにより、インクは、フィルタFによって濾過され、ノズル8の目詰まりの原因となるゴミやインクジェットヘッド2内で発生する気泡の核となる微小な粒子などが取り除かれる。
【0023】
なお、本実施の形態のフィルタFとしては、金属メッキプロセスにより形成されたフィルタFが用いられている。この金属メッキプロセスは、金属ベース上に形成されたレジストをフォトプロセスにより現像し、貫通孔7となる部分を残して除去し、その後、電気メッキ、例えばニッケルメッキを施してからレジストを除去し、所定の直径の貫通孔7が複数開いた金属板を形成するプロセスである。このプロセスにより形成された金属板をフィルタFとして用いることで、図4に示すような濾過精度を有するフィルタFを得ることができる。このフィルタFは、従来のフィルタ(図8参照)のように粒子径の増加に伴い捕獲率が徐々に増加することがなく、異物の除去と顔料の透過とに優秀な選択性を有し、インクジェット記録装置1に用いるフィルタFとして非常に有効である。
【0024】
なお、このようなフィルタFを水平に配置した場合には、フィルタFの表面の平滑度が高いため、気泡がフィルタFの下部で広がりやすく、薄い気泡層を形成してしまう。これを防止するため、本実施の形態では、フィルタFは水平面に対し傾けられて設けられている。これにより、インクジェットヘッド2内からインクパイプ6cを介して移動してくる気泡はフィルタFの外周の一部に案内されて集められるので、気泡層の発生を防止することができる。さらに、フィルタFの表面の平滑度が高いので、気泡を良好にフィルタFの外周の一部に案内して集めることができる。
【0025】
図5及び図6に示すように、インクジェットヘッド2は、複数のノズル(吐出孔)8が形成されたノズルプレート9、複数のノズル8に各々対向する位置に設けられインクを収容する複数個の圧力室10を備えている。複数個の圧力室10は、それぞれに共通インク室11からインクが供給されるように構成されている。圧力室10の一部を形成してノズルプレート9に対向する面は振動板12によって形成されている。振動板12には、各圧力室10に対応させて複数個の圧電部材13が設けられている。
【0026】
ノズルプレート9には、複数のノズル8が略一直線上に形成されている。そして、インクジェットヘッド2は、ノズルプレート9のノズル8からインクをインク滴として吐出させるように構成されている。振動板12及び圧電部材13は、アクチュエータを構成しており、圧電部材13は駆動信号発生回路14の出力端子に電気的に接続されている。なお、圧電部材13としては、圧電素子(ピエゾ素子)が用いられているが、これに限るものではない。そして、振動板12、圧電部材13、そして、駆動信号発生回路14から、圧力室10内のインクをノズル8からインク滴として吐出させる駆動手段が構成されている。
【0027】
共通インク室11には、インクパイプ6cに接続されてインクを供給するための開口部であるインク供給口15が設けられている。このインク供給口15は、インクジェットヘッド2の上部側に位置付けられている。これにより、インクジェットヘッド2の内部に発生した気泡は、浮力などによりインク供給口15からインクパイプ6c内に移動することが可能になる。そして、フィルタ部5、すなわちフィルタFはインクジェットヘッド2のインク供給口15より高い位置に位置付けられている。したがって、インクジェットヘッド2内の気泡は浮力によってインクパイプ6cを介してフィルタ部5に移動することが可能になる。つまり、インクジェット記録装置1は、インクジェットヘッド2内の気泡が浮力などによってフィルタ部5に移動するように構成されている。
【0028】
このようなインクジェットヘッド2は、駆動信号発生回路14から圧電部材13に駆動信号を付与し、圧電部材13を変形させて、振動板12を振動させる。この振動によって圧力室10の容積が変化する。圧力室10の容積が増える過程で、共通インク室11のインクが圧力室10に吸引され、圧力室10の容積が減る過程で、圧力室10のインクがインク滴となってノズル8から外部に向けて吐出する。
【0029】
なお、本実施の形態においては、アクチュエータとして圧電部材13が用いられているが、これに限るものではなく、例えば、アクチュエータとして発熱体が用いられても良い。この場合には、インクジェットヘッドは、発熱体によりインクを沸騰させることで、ノズル8からインクをインク滴として吐出させる構造になっている。また、本実施の形態においては、インクタンク3の内部に貯留したインクの液面とインクジェットヘッド2に設けられたノズル8との水頭差を利用することでノズル8内のインクに負圧を作用させている。この負圧の作用により、ノズル8からのインクの漏れ出しが防止される。
【0030】
このような構成において、インクジェットヘッド2の内部には、温度や気圧の変化によるノズルからの気泡の引き込みやインクに溶存している気体などによって、気泡が発生する。インクジェットヘッド2の内部の気泡は、浮力などによりインクジェットヘッド2のインク供給口15からインクパイプ6cを介してフィルタ部5に向かって移動する。この気泡は、フィルタ部5の流出開口部5bからその内部に入り、フィルタF面に沿ってその外周の一部に案内され一箇所に集められるので、フィルタF面での気泡の広がりや滞留により貫通孔7を塞ぐことで濾過精度を低下させる気泡層の発生を防止することが可能になる。これにより、インク供給に必要な圧力制御を安定して行うことができ、さらに、フィルタFの濾過有効面積が減少せず、インクの濾過速度が遅くなることを防止することができる。
【0031】
また、図7に示すように、気泡がフィルタFの外周の一部に集められてある程度の大きさになると、その集められた気泡Kは、浮力やインクによる圧力、特にフィルタ部5を矢印7a方向に通過する際のインクによる圧力などによって、矢印7b方向にフィルタFを通過してフィルタ部5の内部から外部に出ていく。これにより、フィルタFの外周の一部に集められた気泡Kがインクの供給を妨げることは無くなり、さらに、フィルタFの濾過有効面積も減少せず、インクの濾過速度が遅くなることを防止することができる。ここで、インクの表面張力や比重、フィルタFに対するインクの濡れ性、そして、フィルタ径などを考慮し、フィルタFの濡れ性や傾き角度などを調整することで、フィルタ部5はフィルタFの外周の一部に集められた気泡KがフィルタFを通過するように構成されている。
【0032】
このようにして、本実施の形態のインクジェット記録装置1によれば、インクジェットヘッド2からフィルタFまで移動してきた気泡はフィルタFの外周の一部に集められ、フィルタFの貫通孔7を容易に通過するため、気泡の広がり及び滞留を防止することが可能になるので、安定してインクを供給することができ、さらに、インクの不吐出の発生を確実に抑えることができる。つまり、インクジェット記録装置1は安定してインクを吐出させることができる。また、複数の貫通孔7を具備して図4に示すような濾過精度を有するフィルタFを用いることで、精度良くインクを濾過することができ、さらに、フィルタFの外周の一部に集められた気泡Kは容易にフィルタFを通過することができる。
【0033】
なお、本実施の形態においては、フィルタFは金属メッキプロセスにより形成されていることから、そのフィルタFの表面の平滑度が高いため、気泡を良好にフィルタFの外周の一部に案内して集めることができる。また、顔料インクを使用するインクジェット記録装置1に従来のフィルタを用いた場合に比べ、顔料インクに対するフィルタFの寿命が延びるため、フィルタFの高寿命化を実現することができる。
【0034】
また、本実施の形態においては、インク収容部であるインクタンク3は、インクとして顔料を含む顔料インクを収容していることから、染料インクなどに比べ、用紙などの記録媒体に付着したインクのにじみや色あせを抑えることができる。
【0035】
また、本実施の形態においては、インク供給流路であるインクパイプ6a,6b,6c中に設けられフィルタFを収容するフィルタ部5を備え、フィルタ部5は、インクパイプ6a,6b,6cを流れるインクが流入する流入開口部5aとフィルタFを通過したインクが流出する流出開口部5bとを有し、流入開口部5aは、フィルタ部5内の気泡がその外部に出ていくように流出開口部5bより広く形成されていることから、気泡がフィルタ部5内に留まらずにフィルタ部5の流入開口部5aから良好に出ていくため、フィルタFの濾過有効面積が減少せず、インクの濾過速度が遅くなることを防止することが可能になる。これにより、安定してインクを供給することができ、さらに、インクの不吐出の発生を確実に抑えることができる。
【0036】
また、本実施の形態においては、フィルタ部5は、流入開口部5aにフィルタ部5内の気泡を案内する傾斜部5cを有していることから、フィルタ部5内の気泡が流入開口部5aに移動しやすくなり、気泡がフィルタ部5内に留まることを防止することができる。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、インクジェットヘッドからフィルタまで移動してきた気泡はフィルタの外周の一部に集められ、フィルタを容易に通過するため、フィルタ面での気泡の広がり及び滞留を防止することが可能になるので、安定してインクを供給することができ、さらに、インクの不吐出の発生を確実に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態のインクジェット記録装置におけるインク供給流路を概略的に示す説明図である。
【図2】フィルタ部の内部構造を概略的に示す縦断側面図である。
【図3】フィルタを概略的に示す平面図である。
【図4】フィルタの濾過精度を示すグラフである。
【図5】インクジェットヘッドを概略的に示す縦断側面図である。
【図6】図5のA−A線断面図である。
【図7】フィルタ部の一部分を拡大して概略的に示す縦断側面図である。
【図8】従来のフィルタの濾過精度を示すグラフである。
【符号の説明】
1 インクジェット記録装置
2 インクジェットヘッド
3 インク収容部(インクタンク)
5 フィルタ部
5a 流入開口部
5b 流出開口部
5c 傾斜部
6a,6b,6c インク供給流路(インクパイプ)
7 貫通孔
8 ノズル
15 インク供給口
F フィルタ
Claims (5)
- インクを収容するインク収容部と、
前記インク収容部にインク供給流路を介して連通するインク供給口を上部側に有し、インクをノズルからインク滴として吐出させるインクジェットヘッドと、
前記インク供給口より高い位置に配置され水平面に対し傾けられて前記インク供給流路中に設けられ、複数の貫通孔を有してインクを濾過するフィルタと、
を備えるインクジェット記録装置。 - 前記フィルタは金属メッキプロセスにより形成されている請求項1記載のインクジェット記録装置。
- 前記インク収容部は、前記インクとして顔料を含む顔料インクを収容している請求項1又は2記載のインクジェット記録装置。
- 前記インク供給流路中に設けられ、前記フィルタを収容するフィルタ部を備え、
前記フィルタ部は、前記インク供給流路を流れるインクが流入する流入開口部と前記フィルタを通過したインクが流出する流出開口部とを有し、
前記流入開口部は、前記フィルタ部内の気泡がその外部に出ていくように前記流出開口部より広く形成されている請求項1、2又は3記載のインクジェット記録装置。 - 前記フィルタ部は、前記流入開口部にフィルタ部内の気泡を案内する傾斜部を有している請求項4記載のインクジェット記録装置。
Priority Applications (4)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003186443A JP2005014566A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | インクジェット記録装置 |
DE60315438T DE60315438T2 (de) | 2003-06-30 | 2003-12-31 | Tintenstrahldrucker |
EP03258258A EP1493585B1 (en) | 2003-06-30 | 2003-12-31 | Ink jet recording apparatus |
US10/749,984 US7063414B2 (en) | 2003-06-30 | 2003-12-31 | Ink jet recording apparatus |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003186443A JP2005014566A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | インクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005014566A true JP2005014566A (ja) | 2005-01-20 |
Family
ID=33432240
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003186443A Pending JP2005014566A (ja) | 2003-06-30 | 2003-06-30 | インクジェット記録装置 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7063414B2 (ja) |
EP (1) | EP1493585B1 (ja) |
JP (1) | JP2005014566A (ja) |
DE (1) | DE60315438T2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007015374A (ja) * | 2005-06-09 | 2007-01-25 | Konica Minolta Holdings Inc | インクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタにおける気泡除去方法 |
JP2012196841A (ja) * | 2011-03-18 | 2012-10-18 | Ricoh Co Ltd | 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置。 |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4715247B2 (ja) * | 2005-03-10 | 2011-07-06 | 富士ゼロックス株式会社 | フィルタ装置及び液滴吐出装置 |
US7364285B2 (en) * | 2005-09-21 | 2008-04-29 | Videojet Technologies Inc. | Pressure damping ink filter |
JP5338200B2 (ja) * | 2008-08-27 | 2013-11-13 | セイコーエプソン株式会社 | 気泡制御ユニット、液体噴射ヘッド、及び、液体噴射装置 |
JP5516106B2 (ja) * | 2010-06-15 | 2014-06-11 | セイコーエプソン株式会社 | 液体噴射装置 |
JP5787501B2 (ja) * | 2010-08-30 | 2015-09-30 | キヤノン株式会社 | 液体吐出装置および液体供給ユニット |
JP5935264B2 (ja) | 2011-08-23 | 2016-06-15 | セイコーエプソン株式会社 | フィルターユニット、液体噴射装置、及び、気泡除去方法 |
JP2015047830A (ja) * | 2013-09-04 | 2015-03-16 | セイコーエプソン株式会社 | 液体収容容器 |
NL2028209B1 (en) * | 2021-05-12 | 2022-11-30 | Canon Kk | A fluid distribution device for an inkjet print head assembly |
Family Cites Families (11)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE2654049C2 (de) | 1976-11-29 | 1982-09-16 | Olympia Werke Ag, 2940 Wilhelmshaven | Verteiler in flüssigkeitsleitenden Systemen |
EP0488829B1 (en) * | 1990-11-30 | 1996-04-03 | Canon Kabushiki Kaisha | Ink container and recording head having same |
JP3168122B2 (ja) * | 1993-09-03 | 2001-05-21 | キヤノン株式会社 | インクジェットヘッド及び該インクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置 |
DE69518191T2 (de) * | 1994-05-20 | 2001-05-31 | Canon Kk | Tintenversorgungsvorrichtung und zugehöriges Tintenstrahlaufzeichnungsgerät |
JPH0994978A (ja) | 1995-09-29 | 1997-04-08 | Brother Ind Ltd | インク供給源とインクジェットヘッドとの連結装置 |
DE69838284T2 (de) * | 1997-07-02 | 2007-12-20 | Seiko Epson Corp. | Tintenstrahldrucker |
US6398354B1 (en) * | 1999-06-30 | 2002-06-04 | Lexmark International, Inc. | Printhead apparatus and printer having separate filtration device and method for attaching said device |
US6270211B1 (en) * | 1999-07-07 | 2001-08-07 | Lexmark International, Inc. | Bubble elimination and filter tower structure |
JP3843651B2 (ja) * | 1999-07-09 | 2006-11-08 | セイコーエプソン株式会社 | インクジェット式記録装置 |
EP1080915B1 (en) * | 1999-09-03 | 2011-07-20 | Canon Kabushiki Kaisha | Liquid ejecting head unit |
JP2001239675A (ja) | 2000-02-28 | 2001-09-04 | Konica Corp | インクジェット記録装置 |
-
2003
- 2003-06-30 JP JP2003186443A patent/JP2005014566A/ja active Pending
- 2003-12-31 DE DE60315438T patent/DE60315438T2/de not_active Expired - Fee Related
- 2003-12-31 EP EP03258258A patent/EP1493585B1/en not_active Expired - Fee Related
- 2003-12-31 US US10/749,984 patent/US7063414B2/en not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007015374A (ja) * | 2005-06-09 | 2007-01-25 | Konica Minolta Holdings Inc | インクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタにおける気泡除去方法 |
JP2012196841A (ja) * | 2011-03-18 | 2012-10-18 | Ricoh Co Ltd | 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置。 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE60315438D1 (de) | 2007-09-20 |
US20040263594A1 (en) | 2004-12-30 |
EP1493585B1 (en) | 2007-08-08 |
EP1493585A1 (en) | 2005-01-05 |
US7063414B2 (en) | 2006-06-20 |
DE60315438T2 (de) | 2008-05-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4590451B2 (ja) | 細長フィルタアセンブリ | |
JP6597777B2 (ja) | インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの気泡除去方法及びインクジェット記録装置 | |
JPH07117239A (ja) | インクジェットヘッド及び該インクジェットヘッドを備えたインクジェット記録装置 | |
EP1533126A1 (en) | Ink jet apparatus | |
JP2007296755A (ja) | インクジェット記録装置の吸引回復方法及びインクジェット記録装置 | |
JP6578888B2 (ja) | 液体吐出装置及び中間貯留体 | |
JP2010046820A (ja) | 液体噴射装置 | |
JP5030423B2 (ja) | インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置 | |
JP4414213B2 (ja) | インクジェット印刷システム | |
JP6565767B2 (ja) | インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの気泡除去方法 | |
JP2005014566A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP3800807B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP2006231812A (ja) | 記録ヘッド及びインクジェット記録装置 | |
JP2013067111A (ja) | 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置 | |
JP6579018B2 (ja) | インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの気泡除去方法 | |
JP5343459B2 (ja) | 脱泡機構及び液体噴射装置 | |
JP2018039135A (ja) | インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置 | |
JPH03208665A (ja) | インクジェットプリンタの圧力ダンパ | |
JP2005125653A (ja) | インクジェットヘッド、インクジェット記録装置、インクジェットヘッド洗浄装置及び洗浄方法 | |
JP2009078395A (ja) | インクフィルタ装置 | |
JP3414559B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP2017209966A (ja) | インクジェットヘッド、合流部材及びインクジェット記録装置 | |
JP5262043B2 (ja) | 液滴噴射装置 | |
JP2004098300A (ja) | インクジェット式記録ヘッド | |
JP2003226010A (ja) | インクジェットプリンタヘッドおよびインクジェットプリンタ |