JP2010046820A - 液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】液体を噴射するための液体噴射装置は、液体を噴射するヘッド部と、ヘッド部まで液体を導くための液体供給路と、液体供給路に設けられ、液体内の気泡を取り除くための脱泡室と、液体供給路に設けられ、液体供給路よりも大きな断面積を有して液体を溜め得る拡幅室と、脱泡室と拡幅室とを減圧するための減圧部と、を備える。
【選択図】図2
Description
A1.装置構成:
図1は、本発明の第1の実施例における液体噴射装置としてのプリンタ500の概略構成を示す説明図である。第1の実施例のプリンタ500は、4色(ブラック,シアン,マゼンダ,イエロー)のインクを吐出可能なインクジェット式プリンタである。このプリンタ500は、ブラックインクのインクカートリッジIC1と、シアンインクのインクカートリッジIC2と、マゼンダインクのインクカートリッジIC3と、イエローインクのインクカートリッジIC4と、キャリッジ100と、記録ヘッド180と、ガイドロッド260と、プラテン270と、4つのインク供給用ポンプ220a,220b,220c,220dと、減圧用ポンプ300と、を備えている。
ノズルプレート182(図2)に設けられたノズル(図示省略)からインクが噴射されてインクが消費されると、圧力室110の室圧がインクの減量により低下する。すると、その減圧した室圧と大気室113の圧力(大気圧)との差圧によってフィルム111が圧力室110の内側に撓み、隔壁部114は下方(−Y方向)に変位する。このとき、支持ロッド145を介して弁体142が押し下げられ、圧力調整バネ143の付勢力に打ち勝って弁体142が開放位置に位置すると、インク流入口126が開放されてインクが圧力室110に流入する。
印刷実行後において、減圧用ポンプ300(図2)は、減圧室105を減圧する。なお、減圧用ポンプ300は各色(ブラック,シアン,マゼンダ,イエロー)で共通して用いられるため、図2に示すブラックインク用の減圧室105に加えて、他の色(シアン,マゼンダ,イエロー)用の減圧室(図示省略)も減圧される。減圧室105が所定の負圧状態となると、減圧用ポンプ300は駆動を停止し、図示しないバルブが閉じられて減圧室105は負圧状態に維持される。脱泡室130の天井部分にトラップされた気泡(ガス)BLは、隔壁部120bを透過して減圧室105に流入し、気泡は徐々に減少していく。また、圧力室110の一部は可撓性を有する隔壁部114であり、また複雑な形状をしているため気泡が発生/成長し易い。ここで、圧力室110の底部分の一部は気体透過性を有する隔壁部120aにおいて減圧室105に接しているので、圧力室110で発生した気泡(ガス)は、減圧室105に排出される或いは成長が抑制されることとなる。
図4は、第2の実施例におけるキャリッジ100a及び記録ヘッド180の内部構造を示す断面図である。第2の実施例のプリンタは、キャリッジ100aにおける減圧室105と圧力室110との位置関係においてプリンタ500(図1)と異なり、他の構成については第1の実施例と同じである。
図5は、第3の実施例におけるキャリッジ100b及び記録ヘッド180の内部構造を示す断面図である。第3の実施例のプリンタは、減圧室の大きさにおいてプリンタ500(図1)と異なり、他の構成については第1の実施例と同じである。
図6は、第4の実施例におけるキャリッジ100c及び記録ヘッド180の内部構造を示す断面図である。第4の実施例のプリンタは、減圧動作を行うための構成においてプリンタ500(図1)と異なり、他の構成については第1の実施例と同じである。
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上述した第1〜3の実施例では、脱泡室130と共に脱泡の対象となる部分は、圧力室110であったが、圧力室110に代えて、他の部屋を脱泡対象とすることもできる。例えば、プリンタが、インクカートリッジIC1〜IC4に代えて、各色のインクタンクと、これらインクタンクと接続されて大気から遮断された(密閉された)各色のサブタンクとを備える構成において、サブタンクを脱泡対象とすることもできる。サブタンクは可撓性部材を用いずに構成されることがあるが、この場合であっても、プリンタが不使用時における温度変化等によりサブタンク内で気泡が発生/成長することがある。したがって、サブタンクを脱泡対象とすることで、インク供給路からの気泡の除去や気泡の成長の抑制が可能となる。なお、この構成においては、圧力室110の他にバルブ室140やバルブ装置141も省略され得る。すなわち、一般には、プリンタが備える任意の拡幅室(インク供給路よりも大きな断面積を有する部位)を脱泡対象とする構成を、本発明の液体噴射装置に採用することができる。
上述した各実施例では、減圧用ポンプ300は各色(ブラック,シアン,マゼンダ,イエロー)で共通して用いられていたが、これに代えて、各色ごとに減圧用ポンプ300を配置する構成とすることもできる。また、インク供給用ポンプ220a〜220dは、各色ごとに用意されていたが、これに代えて、各色で1つのポンプを共用することもできる。また、減圧用ポンプ300をインク供給用ポンプ220a〜220dのいずれか(又は全ての)のポンプと共用することもできる。また、インク供給用ポンプ220a〜220dに代えて1つのポンプを共用する場合には、かかるポンプを減圧室105を減圧するのにも用いることもできる。
上述した各実施例において、各色のインクをインクカートリッジIC1〜IC4からキャリッジ100に供給するための構成として、インク供給用ポンプ220a〜220dを用いて各色のインクをインクカートリッジIC1〜IC4から吸引及び吐出していたが、これに代えて、加圧ポンプを設置し、この加圧ポンプで加圧した空気を各インクカートリッジIC1〜IC4内に供給してキャリッジ100にインクを送り出す構成とすることもできる。
上述した各実施例では、プリンタが吐出するインクの種類は4色であったが、これに代えて任意の種類のインクを吐出する構成とすることができる。また、各実施例のプリンタはオフキャリッジタイプのプリンタであったが、これに代えて、インクカートリッジをキャリッジに搭載するいわゆるオンキャリッジタイプのプリンタを採用することもできる。
上述した第1,3の実施例では、減圧室105において圧力室110及び脱泡室130と接する面は、上面(天井面)及び下面(底面)であった。また、第2の実施例では、減圧室105において圧力室110及び脱泡室130と接する面は、左側面と下面(底面)であった。本発明はこれらに限定されるものではなく、減圧室105の任意の面において減圧室105が圧力室110及び脱泡室130に接する構成を採用することができる。例えば、減圧室105は、左側面において圧力室110に接し、右側面において脱泡室130に接する構成を採用することもできる。この構成では、圧力室110と減圧室105と脱泡室130とが一列に配置されるので、第1の実施例と同様に、キャリッジ100全体の大きさが非常に大きくなってしまうことを抑制することができる。
上述した各実施例では、インクジェット式プリンタについて説明したが、本発明は、これに限らず、インク以外の他の液体を噴射する任意の液体噴射装置に適用することができる。例えば、ファクシミリ装置等の画像記録装置や、液晶ディスプレー等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッドや、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレーや、面発光ディスプレー (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置や、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置や、精密ピペットとしての試料噴射装置等にも適用できる。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用しても良い。そして、これら微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置のうちいずれか一種の噴射装置に本発明を適用することがでる。
10…記録用紙
t1〜t5,t11〜t14…チューブ
100,100a,100b,100c…キャリッジ
105,105a…減圧室
110…圧力室
111…フィルム
112…薄板部材
113…大気室
113a…大気連通孔
114…隔壁部
115,115a…インク流通管
120a〜120e…隔壁部
128…インク排出口
130…脱泡室
135…インク吐出管
140…バルブ室
141…バルブ装置
142…弁体
143…圧力調整バネ
144…シール部材
145…支持ロッド
180…記録ヘッド
182…ノズルプレート
184…インク吐出管
220a〜220d…インク供給用ポンプ
260…ガイドロッド
270…プラテン
300…減圧用ポンプ
400…減圧管
411…第1の減圧室
412…第2の減圧室
413…第3の減圧室
500…プリンタ
F1…フィルタ
BL…気泡
Claims (7)
- 液体を噴射するための液体噴射装置であって、
前記液体を噴射するヘッド部と、
前記ヘッド部まで前記液体を導くための液体供給路と、
前記液体供給路に設けられ、前記液体内の気泡を取り除くための脱泡室と、
前記液体供給路に設けられ、前記液体供給路よりも大きな断面積を有して前記液体を溜め得る拡幅室と、
前記脱泡室と前記拡幅室とを減圧するための減圧部と、
を備える、液体噴射装置。 - 請求項1に記載の液体噴射装置において、
前記減圧部は、減圧室と、前記減圧室内の圧力を調整する圧力調整部と、を有し、
前記減圧室は、前記脱泡室と前記拡幅室とに接し、
前記減圧室において前記脱泡室に接する壁と、前記減圧室において前記拡幅室に接する壁と、前記脱泡室において前記減圧室に接する壁と、前記拡幅室において前記減圧室に接する壁と、はいずれも気体が透過可能である、液体噴射装置。 - 請求項2に記載の液体噴射装置において、
前記減圧室において前記脱泡室に接する壁と、前記脱泡室において前記減圧室に接する壁とは一体形成され、
前記減圧室において前記拡幅室に接する壁と、前記拡幅室において前記減圧室に接する壁とは一体形成されている、液体噴射装置。 - 請求項2または請求項3に記載の液体噴射装置において、
前記脱泡室は、前記減圧室の下方に配置され、
前記拡幅室は、前記減圧室の上方に配置され、
前記脱泡室と前記減圧室と前記拡幅室とは、鉛直方向において略一列に配置されている、液体噴射装置。 - 請求項4に記載の液体噴射装置において、
前記脱泡室は、前記液体の吐出口を底面に有し、
前記減圧室は、前記吐出口の鉛直上方に配置されている、液体噴射装置。 - 請求項2ないし請求項5のいずれか一項に記載の液体噴射装置において、
前記拡幅室は、可撓性を有する可撓部を有し、前記可撓部とは異なる部分において前記減圧室と接する、液体噴射装置。 - 請求項6に記載の液体噴射装置であって、さらに、
前記拡幅室における前記液体の流入口に連通するバルブ室と、
前記バルブ室と前記拡幅室とに亘って配置されるバルブ装置とを備え、
前記可撓部は、前記拡幅室内の圧力が前記拡幅室の外部圧よりも低くなると、前記拡幅室の内側へ弾性変形し、
前記バルブ装置は、前記可撓部の弾性変形する際の押圧力を利用して、前記液体流入口から前記拡幅室に前記液体が流入する開弁状態となる、液体噴射装置。
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