JP5941770B2 - インクジェット記録装置、液体供給装置および記録ヘッドのクリーニング方法 - Google Patents
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Description
図1は、本発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示すブロック図である。
圧力室40は、圧力室40内外の圧力差に応じて変位するダンパ開放バルブ(変位部材)41を備えている。ダンパ開放バルブ41は、公知のダイアフラムとして構成することができる。例えば、本実施形態では、圧力室40における大気P0に面する側壁を可撓性を有するものとし、当該側壁にメインポート30と対向するようにダンパ開放バルブが設けられている。そして、ダンパ開放バルブ41は、ダンパ開放スプリング42によって、メインポート30とは反対側に付勢されている。そのため、図2の(a)に示すように、圧力室40における負圧が小さい状態では、ダンパ開放バルブ41は、メインポート30とは反対側(図面左側)に位置しているが、図2の(b)および(c)に示すように、圧力室40における負圧が大きくなると、大気P0圧に可撓性を有する側壁が押されて、ダンパ開放バルブ41がメインポート30側に変位するようになっている。
メインポート30は、ダンパ封止バルブ(第二弁体)31、ダンパ封止スプリング32およびダンパ封止ゴム33を備えている。ダンパ封止バルブ31は、一方がダンパ封止ゴム33および圧力室40に、他方がダンパ封止スプリング32およびパイロットポート20に対向するように設けられている。図2の(a)に示すように、メインポート30が閉じた状態(全閉状態)では、ダンパ封止スプリング32によって、ダンパ封止バルブ31がダンパ封止ゴム33に押し付けられ、ダンパ封止バルブ31とダンパ封止ゴム33との間が密閉されて、メインポート30の上流(パイロットポート20)と下流(圧力室40)との間の流路を閉鎖する。図2の(b)に示すように、メインポート30がやや開いた状態では、ダンパ封止バルブ31が圧力室40とは反対側(パイロットポート20側)に変位し、ダンパ封止バルブ31とダンパ封止ゴム33との間に、メインポート30の上流(パイロットポート20)と下流(圧力室40)とを連通する流路が形成される。図2の(c)に示すように、メインポート30がさらに開いた状態(全開状態)では、ダンパ封止バルブ31が圧力室40とは反対側(パイロットポート20側)にさらに変位し、ダンパ封止バルブ31とダンパ封止ゴム33との間の流路径がさらに大きくなる。
パイロットポート20は、ダンパ封止バルブ(第一弁体)21、ダンパ封止スプリング22およびダンパ封止ゴム23を備えている。ダンパ封止バルブ21は、一方がダンパ封止ゴム23およびメインポート30に、他方がダンパ封止スプリング22に対向するように設けられている。図2の(a)および(b)に示すように、パイロットポート20が閉じた状態では、ダンパ封止スプリング22によって、ダンパ封止バルブ21がダンパ封止ゴム23に押し付けられ、ダンパ封止バルブ21とダンパ封止ゴム23との間が密閉される。図2の(c)に示すように、パイロットポート20が開いた状態では、ダンパ封止バルブ21がメインポート30とは反対側に変位し、ダンパ封止バルブ21とダンパ封止ゴム23との間に、パイロットポート20の上流(インク導入口P1)と下流(メインポート30)とを連通する流路が形成される。なお、ダンパ封止スプリング22は、ダンパエンド24に固定されている。
以上のように、本実施形態に係るインクジェット記録装置100では、パイロットポート20が閉じている状態と、パイロットポート20が開いている状態との二段階に、インクの流量を制御することができる。そして、本実施形態では、通常の印刷時の圧力室40における負圧変化の範囲では、ダンパ封止バルブ31が上述した所定の位置を超えてパイロットポート20側に変位することがなく、パイロットポート20は閉じられた状態となるように構成される。そして、記録ヘッド12の吸引クリーニング時のように、圧力室40における負圧が極端に増大したときに、ダンパ封止バルブ31が上述した所定の位置を超えてパイロットポート20側に変位して、パイロットポート20が開くように構成される。これにより、以下のような効果が奏される。
なお、ダンパ封止バルブ21のオリフィス25の面積は、圧力室40から記録ヘッド12へ向かうインクの流路面積よりも狭いことが好ましい。これにより、記録ヘッド12が通常の印刷を行う際、すなわち、記録ヘッド12および圧力室40の負圧が比較的小さいときに圧力室40に供給されるインクの流量は、圧力室40から記録ヘッド12へ供給し得る最大流量よりも絞られた状態となる。これにより、通常の印刷の際には、インク供給量を絞り、必要以上にインクを供給することを避けることができる。
なお、本実施形態では、パイロットポート20は、メインポート30の上流に設けられているが、パイロットポート20を、メインポート30の下流に設けてもよい。これによっても、同等の効果を得ることができる。
以上のように、本実施形態に係るインクジェット記録装置100は、インクを記録媒体に吐出することで記録を行う記録ヘッド12と、記録ヘッド12が吐出するインクを貯留する圧力室40と、圧力室40にインクを供給するインク供給経路50と、インク供給経路50に設けられ、圧力室40における負圧に応じて、当該負圧が大きくなるほど開度が大きくなるように開度を変更するメインポート30と、インク供給経路50におけるメインポート30の上流または下流に設けられ、少なくとも所定の流量のインクが通過可能なパイロットポート20と、を備えており、パイロットポート20は、メインポート30の開度が所定の開度以上となったとき、パイロットポート20を通過可能なインクの流量を増大させるようになっている。
11 レギュレータ(液体供給装置)
12 記録ヘッド(供給先)
13 記録ヘッド駆動部
14 記録媒体搬送部
20 パイロットポート(流量調整手段、第二バルブ手段)
20’ パイロットポート(流路調整手段)
21 ダンパ封止バルブ(第一弁体)
21’ バタフライ弁
22 ダンパ封止スプリング
23 ダンパ封止ゴム
24 ダンパエンド
25 オリフィス(孔)
26 ヒンジ部
30 メインポート(第一バルブ手段)
31 ダンパ封止バルブ(第二弁体)
32 ダンパ封止スプリング
33 ダンパ封止ゴム
40 圧力室
41 ダンパ開放バルブ(変位部材)
42 ダンパ開放スプリング
50 インク供給経路(液体供給経路)
100 インクジェット記録装置
P0 大気
P1 インク導入口
P2 記録ヘッド側供給ポート
Claims (9)
- インクを記録媒体に吐出することで記録を行う記録ヘッドと、
該記録ヘッドが吐出する該インクを貯留する圧力室と、
該圧力室に該インクを供給するインク供給経路と、
該インク供給経路に設けられ、該圧力室における負圧に応じて、該負圧が大きくなるほど開度が大きくなるように該開度を変更する第一バルブ手段と、
該インク供給経路における第一バルブ手段の上流または下流に設けられ、少なくとも所定の流量の該インクが通過可能な流量調整手段と、を備えており、
該流量調整手段は、第一バルブ手段の開度が所定の開度以上となったとき、当該流量調整手段を通過可能な該インクの流量を増大させるようになっており、
第一バルブ手段は、第二弁体と、第一バルブ手段を閉鎖する方向に第二弁体を付勢する第一ダンパ封止スプリングとを備えており、
該流量調整手段は、第二バルブ手段からなり、
第二バルブ手段は、第一弁体と、第二バルブ手段を閉鎖する方向に第一弁体を付勢する第二ダンパ封止スプリングとを備えており、
第一ダンパ封止スプリングは、(i)該記録ヘッドによる記録時の該負圧によって、第一バルブ手段が開口可能であり、(ii)該記録時の該負圧よりも大きい、該記録ヘッドのクリーニング時の該負圧によって、第一バルブ手段が開口可能であるように、第二弁体を付勢し、
第二ダンパ封止スプリングは、(i)該記録時の該負圧によっては、第二バルブ手段の閉鎖が当該負圧に抗して維持され、(ii)該クリーニング時の該負圧によって、第二バルブ手段が第二ダンパ封止スプリングの付勢力に抗して開口可能であるように、第一弁体を付勢し、
第一バルブ手段が開き、第二バルブ手段が閉鎖している状態よりも、第一バルブ手段および第二バルブ手段が開口している状態の方が、該圧力室に供給される該インクの流量が増大するようになっていることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 上記クリーニング時の上記負圧による第二弁体の動作に連動して、第二バルブ手段が開口するようになっていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
- 第一弁体は、上記流量調整手段の上流と下流とを連通する孔を有することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
- 第二バルブ手段が閉じているときは、上記孔を介して上記インクが第二バルブ手段を通過可能であり、第二バルブ手段が開いているときは、第二バルブ手段が閉じているときよりも多くの上記インクが第二バルブ手段を通過可能なようになっていることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
- インクを記録媒体に吐出することで記録を行う記録ヘッドと、
該記録ヘッドが吐出する該インクを貯留する圧力室と、
該圧力室に該インクを供給するインク供給経路と、
該インク供給経路に設けられ、該圧力室における負圧に応じて、該負圧が大きくなるほど開度が大きくなるように該開度を変更する第一バルブ手段と、
該インク供給経路における第一バルブ手段の上流または下流に設けられ、少なくとも所定の流量の該インクが通過可能な流量調整手段と、を備えており、
該流量調整手段は、第一バルブ手段の開度が所定の開度以上となったとき、当該流量調整手段を通過可能な該インクの流量を増大させるようになっており、
上記流量調整手段が、当該流量調整手段の上流と下流とを連通する孔を有する第一弁体を備えた第二バルブ手段からなり、
第一バルブ手段は、第二弁体を備えており、
第二弁体が所定の位置を超えて、第一バルブ手段を開く方向に変位したとき、第二弁体が第一弁体に当接して、第二バルブ手段を開けるようになっていることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 上記圧力室は、当該圧力室における負圧に応じて変位する変位部材を備えており、
該変位部材が変位することによって第二弁体を変位させるようになっていることを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。 - 第一弁体の上記孔の面積が、上記圧力室から上記記録ヘッドへ向かう上記インクの流路面積よりも狭いことを特徴とする請求項3または4に記載のインクジェット記録装置。
- 供給先に液体を供給する液体供給装置であって、
該供給先に供給する該液体を貯留する圧力室と、
該圧力室に該液体を供給する液体供給経路と、
該液体供給経路に設けられ、該圧力室における負圧に応じて、該負圧が大きくなるほど開度が大きくなるように該開度を変更する第一バルブ手段と、
該液体供給経路におけるバルブ手段の上流または下流に設けられ、少なくとも所定の流量の該液体が通過可能な流量調整手段と、を備えており、
該流量調整手段は、バルブ手段の開度が所定の開度以上となったとき、当該流量調整手段を通過可能な該液体の流量を増大させるようになっており、
該供給先は、インクを記録媒体に吐出することで記録を行う記録ヘッドであり、
該液体は該インクであり、
第一バルブ手段は、第二弁体と、第一バルブ手段を閉鎖する方向に第二弁体を付勢する第一ダンパ封止スプリングとを備えており、
該流量調整手段は、第二バルブ手段からなり、
第二バルブ手段は、第一弁体と、第二バルブ手段を閉鎖する方向に第一弁体を付勢する第二ダンパ封止スプリングとを備えており、
第一ダンパ封止スプリングは、(i)該記録ヘッドによる記録時の該負圧によって、第一バルブ手段が開口可能であり、(ii)該記録時の該負圧よりも大きい、該記録ヘッドのクリーニング時の該負圧によって、第一バルブ手段が開口可能であるように、第二弁体を付勢し、
第二ダンパ封止スプリングは、(i)該記録時の該負圧によっては、第二バルブ手段の閉鎖が当該負圧に抗して維持され、(ii)該クリーニング時の該負圧によって、第二バルブ手段が第二ダンパ封止スプリングの付勢力に抗して開口可能であるように、第一弁体を付勢し、
第一バルブ手段が開き、第二バルブ手段が閉鎖している状態よりも、第一バルブ手段および第二バルブ手段が開口している状態の方が、該圧力室に供給される該インクの流量が増大するようになっていることを特徴とする液体供給装置。 - 記録ヘッドからインクを記録媒体に吐出することで記録を行うインクジェット記録装置における該記録ヘッドのクリーニング方法であって、
該インクジェット記録装置は、
該記録ヘッドと、
該記録ヘッドが吐出する該インクを貯留する圧力室と、
該圧力室にインクを供給するインク供給経路と、
該インク供給経路に設けられ、該圧力室における負圧に応じて、該負圧が大きくなるほど開度が大きくなるように該開度を変更するバルブ手段と、
該インク供給経路における該バルブ手段の上流または下流に設けられ、少なくとも所定の流量の該インクが通過可能な流量調整手段と、を備えており、
該記録ヘッドから該インクを吸引する吸引工程と、
該吸引工程において該記録ヘッドから該インクが吸引されることによって、該圧力室における負圧が増大する負圧増大工程と、
該負圧増大工程において該圧力室における負圧が増大することにより、該バルブ手段の開度が大きくなる開工程と、
該開工程において該バルブ手段の開度が所定の開度以上となったとき、該流量調整手段が、当該流量調整手段を通過可能な該インクの流量を増大させる流量増大工程と、を包含することを特徴とする記録ヘッドのクリーニング方法。
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