JP6708248B2 - 液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 - Google Patents
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かかる態様では、負圧解除後における液体吐出ヘッドの通常動作への復帰に当たり、容易かつ適切にノズル開口のメニスカスを形成することができる。すなわち、流路内圧力調整手段を効果的に用いることができる。
ここで、前記流路内圧力調整手段の容積は、前記流路開閉手段の容積よりも、大きいことが好ましい。これによれば、容積が大きいほど圧力調整のための体積変化量を大きくできるので、流路内圧力調整手段を効果的に用いることができるからである。
また、前記流路内圧力調整手段の容積および前記流路開閉手段の容積は、前記流路内圧力調整手段および前記流路開閉手段がそれぞれ有する可撓部材の変位量により調整するものであり、しかも流路内圧力調整手段が有する前記可撓部材の変位量が、前記流路開閉手段が有する前記可撓部材の変位量よりも大きいことが好ましい。これによれば、可撓部材の変位量が大きいほど圧力調整のための体積変化量を大きくできるので、流路内圧力調整手段を効果的に用いることができるからである。
また、前記負圧発生手段は、前記負圧により変位する可撓部材を有するとともに、前記負圧発生手段が有する可撓部材が、前記流路内圧力調整手段が有する可撓部材よりも撓み易く構成されていることが好ましい。これによれば、負圧発生手段の可撓部材が撓みやすいほど、流路を閉じる際の圧力変動を負圧発生手段の可撓部材により吸収できるので、流路内圧力調整手段はそれの圧力変動を考慮しなくてもよく、流路内圧力調整手段を効果的に用いることができるからである。
また、前記流路開閉手段は、前記吐出部に連通して液体を貯留する第3凹部と、前記流路開閉手段を動作させる流体を供給する流体供給源に連通して流体を貯留するとともに前記第3凹部と相対向している第4凹部と、前記第3凹部と前記第4凹部との間に介在されて前記第3凹部と前記第4凹部とを封止する第2可撓部材と、を備え、さらに前記第4凹部の容積は、前記第3凹部よりも小さく形成したことが好ましい。これによれば、第4凹部の容積が小さいので、開閉に伴う流路体積の変動を小さくすることができる。特に、供給側に設けられた流路開閉手段により流路を閉じた状態で吸引する場合に、吸引の負圧に伴い第2可撓部材が流路を閉じてしまうのを防ぐために、第3凹部内を減圧し、第2可撓部材を第3凹部に当接させておくことがある。すなわち、当接させた状態で吸引する場合があるが、その場合であっても、第4凹部の容積が小さければ、第3凹部内の減圧と、その解除との間での流路体積の変動を小さくすることができる。
また、前記第4凹部は、前記第2可撓部材と当接する位置に、凸部を有することが好ましい。これによれば、第2可撓部材を凸部に当接させて第2可撓部材の位置を規制することができるので、通常時と、減圧時の第4凹部の第2可撓部材の位置を同一にすることができるからである。
また、前記流路内圧力調整手段と前記流路開閉手段と前記吐出部とは、複数組あり、複数組の前記流路内圧力調整手段を駆動させる流体を、共通の流体供給源から、複数組の前記流路内圧力調整手段に対して供給することで、全ての組の前記流路内圧力調整手段によりそれぞれの前記流路内の圧力を調整することが好ましい。これによれば、負圧解除機構ごとに流体供給源を備える構成との比較において、構成を簡素化することができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記の液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする液体吐出装置にある。
かかる態様では、ワイピング作業等に伴う負圧解除に当たり解除する流路の容積を小さくして容易かつ効果的な負圧の解除を行い得るばかりでなく、負圧解除後の通常状態への復旧も円滑に行い得る。
ここで、前記液体吐出ヘッドの吐出部のノズル面をワイピングした後に前記流路開閉手段により前記流路を開くとともに、前記流路内圧力調整手段により流路内を減圧するように制御する制御手段を有することが好ましい。これによれば、負圧解除後の通常動作への復帰に当たり、所定の動作をシーケンシャルに行うことができるからである。
さらに、本発明の他の態様は、流路部材を介して液体供給源から供給された液体を、駆動素子の駆動によりノズル開口を介して吐出する吐出部を備える液体吐出装置であって、前記液体供給源と、前記吐出部との流路の途中に設けられ、前記流路を開閉する第1流路開閉手段と、前記液体供給源と、前記第1流路開閉手段との前記流路の途中に設けられ、前記流路を開閉する第2流路開閉手段と、前記吐出部から前記流路内の液体を吸引する吸引手段と、を備え、前記第1流路開閉手段により前記流路を開き、前記第2流路開閉手段により前記流路を閉じた状態で、前記吸引手段により吸引する第1モードと、前記第1流路開閉手段により前記流路を閉じた状態で、前記吸引手段により吸引する第2モードと、の動作をそれぞれ行い、前記第1モードの動作の後に、前記第2モードの動作を行うことを特徴とする液体吐出装置にある。
かかる態様では、それぞれのモードの吸引を、所望のタイミングにて行うことができる。この結果、初期充填の際の吸引のみならず、初期充填の後の印刷動作中の気排を適宜行うことで、吸引動作に伴う液体の無駄な廃棄を可及的に低減し得る。
また、第1モードの動作の後に、第2モードの動作を行うことで、初期充填時の気排性を向上させることができる。
また、前記第1モードを行う頻度よりも、前記第2モードの動作を行う頻度の方が多いことが好ましい。これによれば、第2モードの方が、液体消費量が少ないので、効果的な気泡排出を行うことができるからである。
また、前記第1モードの動作において、前記第1流路開閉手段により前記流路を開かせ続けるようにすることが好ましい。これによれば、例えば、流路開閉手段の流体を充填する凹部において、大気開放・減圧・加圧のいずれを行うこともできる場合に、吐出部の吸引を行う際に減圧すれば、吐出部からの吸引につられて弾性部材が意図せず流路を閉じてしまうことを防ぐことができる。
さらに、本発明の他の態様は、流路部材を介して液体供給源から供給された液体を、駆動素子の駆動によりノズル開口を介して吐出する吐出部を備える液体吐出ヘッドであって、前記吐出部に連通して、前記吐出部の負圧を維持する負圧発生手段と、前記負圧発生手段と前記吐出部との流路の途中にあり、前記流路の容積を変化させて、前記流路内の圧力を調整する流路内圧力調整手段と、前記負圧発生手段と前記流路内圧力調整手段との流路の途中にあり、前記流路を開閉する流路開閉手段と、を備える液体吐出ヘッドの制御方法であって、前記流路開閉手段により前記流路を閉塞した後、前記流路内圧力調整手段により流路内を加圧する第1工程と、前記流路内圧力調整手段により前記流路内を加圧した場合に、前記流路開閉手段により前記流路を開いた後、前記流路内圧力調整手段により前記流路内を減圧する第2工程とを有することを特徴とする液体吐出ヘッドの制御方法にある。
かかる態様では、負圧解除後における液体吐出ヘッドの通常動作への復旧に当たり、容易かつ適切にノズル開口のメニスカスを形成することができる。
また、他の態様は、流路部材を介して液体供給源から供給された液体を、駆動素子の駆動によりノズル開口を介して吐出する吐出部を備える液体吐出ヘッドであって、前記吐出部に連通して、前記吐出部の負圧を維持する負圧発生手段と、前記負圧発生手段と前記吐出部との流路の途中にあり、前記流路の容積を変化させて、前記流路内の圧力を調整する流路内圧力調整手段と、前記負圧発生手段と前記流路内圧力調整手段との流路の途中にあり、前記流路を開閉する流路開閉手段と、を備え、前記流路内圧力調整手段により前記流路内を加圧した場合に、前記流路開閉手段により流路を開いた後、前記流路内圧力調整手段により流路内を減圧することを特徴とする液体吐出ヘッドにある。
本態様によれば、負圧解除後における液体吐出ヘッドの通常動作への復帰に当たり、容易かつ適切にノズル開口のメニスカスを形成することができる。すなわち、流路内圧力調整手段を効果的に用いることができる。
本態様によれば、負圧解除機構ごとに流体供給源を備える構成との比較において、構成を簡素化することができる。
本態様によれば、ワイピング作業等に伴う負圧解除に当たり解除する流路の容積を小さくして容易かつ効果的な負圧の解除を行い得るばかりでなく、負圧解除後の通常状態への復旧も円滑に行い得る。
本態様によれば、それぞれのモードの吸引を、所望のタイミングにて行うことができる。この結果、初期充填の際の吸引のみならず、初期充填の後の印刷動作中の気排を適宜行うことで、吸引動作に伴う液体の無駄な廃棄を可及的に低減し得る。
本態様によれば、負圧解除後における液体吐出ヘッドの通常動作への復旧に当たり、容易かつ適切にノズル開口のメニスカスを形成することができる。
A:液体吐出装置
本形態に係る液体吐出装置は、インクジェット式記録装置であり、液体吐出ヘッドとしてインクジェット式記録ヘッドを備えたものである。そして、液体吐出ヘッドを移動することなく被噴射媒体である紙等の記録シートを搬送することで印刷を行う、いわゆるライン式記録装置である。
本形態に係る液体吐出ヘッドユニット1は、インクジェット式記録ヘッド3(以下、液体吐出ヘッド3ともいう)の複数個をベース板10上に並設した液体吐出ヘッド3の集合体である。
本形態における液体吐出ヘッド3は、CMYKの4色に対応させて、それぞれ2色のインクが供給される自己封止ユニット4,4と各色に対応させて4種類の流路が形成された流路部材5とを、ヘッド本体6と組み合わせて一つのユニットを形成したものであり、本形態では、これがベース板10上で第2の方向Yに4個並設されている。すなわち、液体吐出ヘッド3は、負圧発生手段である2個の自己封止ユニット4,4と、両側から自己封止ユニット4,4に挟まれ、自己封止ユニット4,4から供給されるインクをヘッド本体6に供給する流路部材5と、流路部材5を介して供給されたインクをインク滴として記録シートSの印刷面に吐出するヘッド本体6とを備えている。
ヘッド本体6は、後に詳述するが、ノズルに連通する複数の圧力発生室を含む液体流路を形成するとともに、圧力発生室内のインクに圧力変動を生じさせる圧電素子等からなる圧力発生手段等を備えた吐出部6A(図5参照;以下同じ)と、吐出部6Aに供給するインクの異物を除去するフィルター手段6B(図5参照;以下同じ)とを有している。かかるヘッド本体6は、ベース板10の下面から下方に突出させてベース板10に配設してある。
自己封止ユニット4は、後に詳述するが、ヘッド本体6のノズル形成面に交差する側面に設けられた凹部の開口をフィルムで封止した液体流路を有する。そして液体流路の途中に弁体を配設し、通常時は、弁体が液体流路を閉鎖するように付勢しておき、インクの吐出に伴い圧力発生室の負圧が所定値以上になった際は、その負圧で変位したフィルムに押圧された弁体が液体流路を開放するように構成されている。かくして、インクの吐出に伴いヘッド本体6の吐出部6Aに所定値以上の負圧が生じれば、フィルムが弁体を押圧し、この押圧力により弁体が開放され、液体流路にインクが流れてヘッド本体6にインクを供給する。
分配ユニット18は、各ユニットの液体吐出ヘッド3の上面に載置されて第2の方向Yに伸びるとともに、各ユニットの液体吐出ヘッド3の自己封止ユニット4にインクカートリッジ350からの各色毎のインクをそれぞれ分配するとともに、流路部材5の流路内圧力調整手段(図1には図示せず)および流路開閉手段(図1には図示せず)の駆動制御用のエアーを流路部材5にそれぞれ分配する。ここで、自己封止ユニット4の、第3の方向の寸法(高さ)および流路部材5の、第3方向の寸法(高さ)は同一になるように構成されている。この結果、インクとエアーとの分配流路として機能させる分配ユニット18の、各ユニットの液体吐出ヘッド3に対する設置を容易にしている。さらに詳言すると、自己封止ユニット4,流路部材5は、共通の分配ユニット18に接続され、この接続は、分配ユニット18の下面に設けられた突起(凸状の針)を、負圧発生手段である自己封止ユニット4および流路部材5のそれぞれの上面に設けられ穴(凹状の差し込み口)へ差し込むことで行われる。分配ユニット18は、平面状の基板に第2の方向Yに沿って溝を設けるとともに、前記溝をフィルムで封止することで、各ユニットの液体吐出ヘッド3への分配機能を有した流路としている。そこで、分配ユニット18の平面上に沿って設けられた溝に合わせるために、自己封止ユニット4と流路部材5との上面とを第3の方向Zである高さ方向で揃える。なお、分配ユニット18の突起を、自己封止ユニット4と流路部材5の上面の穴とに差し込む際に、全ての突起に対して抗力が同時にかかるのを防ぐために、分配ユニット18の突起の長さを長いものと短いものとに分けている。
流路部材5は、後に詳述するが、積層した流路基板101,102,103,104,105と、第1可撓部材160と、第2可撓部材164とにより形成され、流路内圧力調整手段161および流路開閉手段165として機能する。
搬送手段は、液体吐出ヘッド3に対して記録シートSを第1の方向に相対移動させる。搬送手段は、例えば、液体吐出ヘッド3に対して記録シートSの搬送方向である第1の方向Xの両側に設けられた第1の搬送ローラー7と、第2の搬送ローラー8とを具備し、かかる第1の搬送ローラー7と第2の搬送ローラー8とによって、記録シートSを液体吐出ヘッドユニット1の第1の方向Xの上流側及び下流側で搬送する。なお、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラー7,8に限定されず、ベルトやドラム等であってもよい。
支持部材9は、液体吐出ヘッドユニット1に相対向する位置で記録シートSを支持する。支持部材9は、例えば、第1の搬送ローラー7と第2の搬送ローラー8との間に、液体吐出ヘッド3、特にヘッド本体6のノズル面に相対向して設けられた断面が矩形状を有する金属又は樹脂等が設けられ、第1の搬送ローラー7および第2の搬送ローラー8によって搬送された記録シートSを、液体吐出ヘッドユニット1に相対向する位置で支持する。
一対のレール11A,11Bは、第2の方向Yに伸張されるとともに、支持部材12A,12B,12Cおよび支持部材13A,13B,13Cを介して装置本体2の床面に固定してある。レール11A,11Bは断面がC型の受部を有する棒状の部材である。前記受部にはベース板10の第1の方向Xの両端部が挿入されている。かくして、ベース板10はレール11A,11B間に支持され、第2の方向Yに沿い移動し得る。この結果、液体吐出ヘッドユニット1は、ベース板10に配設された状態でレール11A,11Bに沿い第2の方向に移動可能となっている。すなわち、第2の方向Yにおいてレール11A,11Bの一端側である基端部側から、他方側である先端側へ移動するとともに、反対側へも移動する。
レール11A,11Bの途中の部位であって、レール11A,11Bの間における装置本体2の床面には、ヘッド本体6のノズル面(図示せず)をクリーニングするクリーニング手段14が配設されている。本形態におけるクリーニング手段14はワイピング手段15および吸引手段16を有している。
制御装置17は記録装置100の各部の動作の制御を行うもので、液体吐出ヘッド3におけるインク滴の吐出制御、記録シートSの搬送制御とともに所定位置へのベース板10の移動を伴う所定のタイミングでのクリーニング動作の制御を行う。また、開閉弁351の開閉制御や、エアーを介しての流路内圧力調整手段161および流路開閉手段165の駆動制御も行う。
図2は、本発明の実施の形態に係る液体吐出ヘッドを模式的に示す概略断面図である。同図に示すように、本形態に係る液体吐出ヘッド3は、負圧発生手段である2個の自己封止ユニット4,4、流路部材5およびヘッド本体6を有している。自己封止ユニット4,4は流路部材5の第5の方向Yaにおける両側にそれぞれ配設されている。自己封止ユニット4,4は、後に詳述するが、それぞれ2個のインク供給口126,(127)を介して、CMYKの4色のインクがそれぞれ供給される。なお、図2において、インク供給口127はインク供給口126に重なるので図示していない。インク供給口126,(127)には、インクカートリッジ等のインク貯留手段からCMYKの何れかの色のインクが供給される。
流路部材5は、5枚の流路基板101,102,103,104,105を積層して形成してある。ここで、第3の方向Zにおける流路基板104のZ2側の面(以下、下面という)には第1凹部158が形成され、また流路基板105のZ1側の面(以下、上面という)には第1凹部158に相対向する第2凹部159が形成されている。第1凹部158と第2凹部159との間には、例えばゴムで形成した第1可撓部材160が介在させてある。この結果、第1凹部158と第2凹部159は第1可撓部材160で封止された2つの室となっている。かくして第1可撓部材160の第3の方向Zへの変位量により第1凹部158の容積を調整することができる。流路基板101の上面に開口するエアー流路172は流路基板101,102,103,104を貫通して流路基板105の上面に至る。流路基板105の上面には第2凹部159に連通する水平流路172Aが形成されており、このことにより、流路基板101の上面に設けられたエアー供給口170から第2凹部159に至るエアー流路172が連通される。したがって、エアー供給口170を介して、流路内圧力調整手段161を駆動する流体を供給する第1流体供給源たるエアー供給源(図示せず)から供給するエアーの量を調整することにより第1可撓部材160の変位量を調整し得る。なお、後述のように、第1凹部158はインク流路と連通している。すなわち第1凹部158、第2凹部159および第1可撓部材160でインク流路の容積を変化させて、インク流路内の圧力を調整する流路内圧力調整手段161を形成している。ここで、図示は省略するが、第1凹部158から第2凹部159へ向かう付勢力を与えるバネが第1凹部158に配設してある。
一方、流路基板103の上面には第3凹部162が形成されるとともに、流路基板102の下面には第3凹部162に相対向する第4凹部163が形成されている。第3凹部162と第4凹部163との間には、例えばゴムで形成した第2可撓部材164が介在させてある。この結果、第3凹部162と第4凹部163は第2可撓部材164で封止された2つの室となっている。かくして第2可撓部材164の第3の方向Zへの変位により流路を閉塞または開放することができる。流路基板101の上面に開口するエアー流路171は流路基板101を貫通して流路基板102の上面に至る。流路基板102の上面には水平流路171Aが形成されており、水平流路171Aを介してエアー流路171が第4凹部163に連通している。このことにより、流路基板101の上面に設けられたエアー供給口169から第4凹部163に至るエアー流路171が連通される。したがってエアー供給口169を介して、流路開閉手段165を駆動する流体を供給する第2流体供給源たるエアー供給源(図示せず)からエアーを供給することにより第2可撓部材164を変位させて流路を開閉する。なお、後述のように、第1凹部158はインク流路と連通している。すなわち第3凹部162、第4凹部163および第2可撓部材164でインク流路の開閉を行なう流路開閉手段165を形成している。
負圧発生手段である一方の自己封止ユニット4から流路部材5に供給されるインクは、流路部材5を介してヘッド本体6の吐出部6Aに供給される。
かくして負圧発生手段である自己封止ユニット4からヘッド本体6のフィルター手段6Bを介して吐出部6Aに至る流路151,152,153が形成されるが、流路151と流路152との間に流路開閉手段165が配設されるとともに、流路152と流路153との間に流路内圧力調整手段161が配設される構造となっている。すなわち、自己封止ユニット4から下流に向かって流路開閉手段165および流路内圧力調整手段161を通り、ヘッド本体6に至る流路が形成されており、この流路内の圧力を流路内圧力調整手段161で調整するとともに、流路内圧力調整手段161と自己封止ユニット4との間を流路開閉手段165で開閉するようになっている。なお、流路151,152,153は、同様の構成の流路として各色に対応するよう流路基板103,104,105のXa−Ya平面内に分散して形成されている。
図3は自己封止ユニットを抽出して示す概略構成図で、図3(a)は第5の方向Yaから見た概略構成図、図3(b)は第3の方向Zに関するZ1側から見た概略構成図および図3(c)は、図3(a)のA−A′断面で見た概略構成図である。これらの図に示すように、自己封止ユニット4は、全体がほぼ直方体形状の部材であり、本体111の長手方向に沿う側面の両面に、フィルム112,113が熱溶着等により貼着してある。すなわち、自己封止ユニット4は、第4の方向Xaに沿ったフィルム面であって、第5の方向Yaにおいて相対向する2枚のフィルム面を有する。
図4は本発明の実施の形態に係る流路部材を示す分解斜視図である。なお、同図中、図2と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
図5は本発明の実施の形態に係るヘッド本体6を示す分解斜視図である。同図に示すように、ヘッド本体6は吐出部6Aとフィルター手段6Bからなりフィルター手段6Bをビス211で吐出部6Aに固定することで一体化されている。さらに、フィルター手段6Bはフィルター部6B1とケース部6B2からなる。ケース部6B2の各色CMYKに対応させた4本のインク流入部208に、図4に示すブッシング207を介して流路部材5を連結することで流路部材5を介して自己封止ユニット4(図2参照)、さらにはインク供給源であるインクカートリッジ350(図1参照)に開閉弁351を介して接続する。フィルター209は金属細線をメッシュ状に編んで形成され、インクを流通させることによりインク中の異物を捕捉して除去する。フィルター209はフィルター部6B1のケース300に形成された開口部210に配設される。この結果、流路部材5から供給されたインクはCMYKの各色毎にフィルター209で異物が除去されて吐出部6Aに供給される。
各流路基板101〜105の平面図のうちZ1側から見た表面図を図6(a)〜図10(a)として、Z2側から見た裏面図を図6(b)〜図10(b)としてそれぞれ示す。また、図11(a)は第1可撓部材を示す上面図、同図(b)はその裏面図、図12(a)は第2可撓部材を示す平面図、同図(b)はその裏面図である。これらの図面を追加して本形態に係る液体吐出ヘッド3の説明を続ける。なお、これらの図面中、図2および図4と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
上記実施の形態に係る記録装置100および液体吐出ヘッド3の流路開閉手段165の他の実施例として図13に示すようなものが有用である。かかる流路開閉手段を図面に基づき説明しておく。なお、図中、図1〜図11と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
図14は、本形態に係る液体吐出ヘッドを模式的に示す概略構成図である。同図に示すように、本形態に係る液体吐出ヘッドユニット1Aは、複数の液体吐出ヘッド3Aを有するとともに、各ヘッド本体6にそれぞれ連通する複数の流路内圧力調整手段161Aを有している。各流路内圧力調整手段161Aは、詳細は後述するが、エアー流路172Aを介して第2凹部159に供給される加圧されたエアーにより第1可撓部材160Aを変位させ、これに伴う第1凹部158Aの容積変化により流路152A,153A内を加圧して負圧状態を解除するためのものである。吸引手段16は各ヘッド本体6の吐出部6Aに負圧を作用させてヘッド本体6内のインクを吸引することで気泡を排出する。
図16は、本発明の他の実施の形態に係る液体吐出装置を模式的に示す概略構成図である。同図に示すように、本形態に係る液体吐出装置100Aは、液体供給源であるインクカートリッジ350と、第1流路開閉手段である流路開閉手段165およびヘッド本体6を備えた液体吐出ヘッド3Bと、吸引手段16とを有する。その他の機構は、図示を省略している。ここで、第2の開閉手段である開閉弁351が、インクカートリッジ350の出口側に接続されている流路352と流路開閉手段165の入口側に至る流路151との間に配設されている。すなわち、開閉弁351は流路開閉手段165の上流側(インクカートリッジ350側)で流路352と流路151との間を開閉する。
Claims (13)
- 流路を介して液体供給源から供給される液体を吐出する吐出部と、
第1流体供給源から供給された流体に応じて変位可能な第1可撓性部材と、
第2流体供給源から供給された流体に応じて変位可能な第2可撓性部材と、
第1方向において、前記第1可撓性部材と前記第2可撓性部材との間に積層されている第1基板と、
前記第2可撓性部材により封止され、前記流路の一部として構成された凹部を有する第2基板と、
を備え、
前記第1可撓性部材および前記第2可撓性部材は、前記第1基板と前記第2基板とが積層される前記第1方向から見たとき、一部が重複し、
前記第2可撓性部材は、前記第1可撓性部材とは独立して変位可能であることを特徴とする液体吐出ヘッド。 - 前記第2可撓性部材が変位することにより、前記流路を開閉することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第2可撓性部材が変位することにより、前記第2可撓性部材が前記凹部に当接することで前記流路を閉塞することを特徴とする請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第1可撓性部材が変形することで前記流路の体積を変化させることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第1可撓性部材は、前記第2可撓性部材によって前記流路を閉じた状態で前記流路内の体積を減少させることを特徴とする請求項4に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第1流体供給源から供給された流体によって前記第1可撓性部材が前記流路の体積を減少させるように変位することで、前記吐出部に設けられたノズルから液体が吐出されることを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第1可撓性部材の前記流路とは反対側には、第1流体室が設けられ、
前記第2可撓性部材の前記凹部とは反対側には、第2流体室が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記第2基板には複数の前記凹部が設けられ、
前記第2可撓性部材は、複数の前記凹部を封止し、
前記第2可撓性部材の複数の前記凹部とは反対側には、複数の第2流体室が設けられ、
複数の前記第2流体室は、共通の前記第2流体供給源から流体が供給されることを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の液体吐出ヘッド。 - 弁体と、
前記弁体が前記流路を閉じるように、前記弁体を付勢するバネと、
を備え、
前記弁体は、前記吐出部の前記流路内の圧力に応じて前記流路を開くように構成され、
前記第2可撓性部材は、前記流路における前記弁体の下流側、かつ、前記流路における前記第1可撓性部材の上流側に配置されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の液体吐出ヘッド。 - 前記第1基板および前記第2基板を固定するネジを備えることを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第1基板と前記第2基板とが一体化されていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の液体吐出ヘッド。
- 前記第1基板と前記第2基板とは別体であることを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の液体吐出ヘッド。
- 請求項1乃至12の何れか一項に記載する液体吐出ヘッドを備えることを特徴とする液体吐出装置。
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