JP5493796B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、液体噴射装置に関する。
従来、被噴射物に対して流体を噴射する流体噴射装置として、インクジェット式プリンターが広く知られている。このプリンターは、インクカートリッジに貯留されているインクを、インク流路を介して記録ヘッドに供給し、記録ヘッドのノズル形成面に形成されたノズルから噴射することにより、被噴射物としての記録媒体に印刷を施すようになっている。そして、このようなプリンターにおいては、インクカートリッジから記録ヘッドへのインクの供給を、たとえば、ダイヤフラムポンプ等の往復ポンプにより実現している。
ところで、このようなプリンターでは、記録ヘッドのノズルからインク溶媒が蒸発することによるインクの粘度の上昇等によってノズルに目詰まりを生じたり、インクに混入している気泡によってドット抜けが生じることで、印刷不良を引き起こす虞がある。
そのため、特許文献1のプリンターは、ノズルの目詰まり等を解消させる方法として、一般にチョーククリーニングとも称される吸引動作を実行することができる構成となっている。このチョーククリーニングでは、具体的には、たとえば、次の動作が行われる。先ず、ダイヤフラムポンプを吸込み側に駆動してダイヤフラムポンプ内にインクの吸込みを行う。続いて、記録ヘッド内に設けられるチョーク弁を閉弁状態とし、吸引ポンプによりノズルの開口部からノズル内に対して吸引を行いノズル内に負圧を作用させる。そして、吸引ポンプによる吸引を継続しノズル内に負圧を作用させている状態でダイヤフラムポンプをインクの送出し側に駆動してチョーク弁を開弁することで、ダイヤフラムポンプ内のインクを記録ヘッド側に供給する。このとき、チョーク弁からノズルに亘って、蓄積された高い負圧が作用している。そのため、ダイヤフラムポンプから供給されるインクは、記録ヘッド側に勢いよく流れ、ノズルから記録ヘッドの外部に排出される。上述したチョーククリーニングによれば、インクがダイヤフラムポンプから記録ヘッド側に勢いよく流すことができるため、ノズル内に詰まった増粘したインクやインク内に混入している気泡を強制的に外部に排出することができる。
特開2009−160912号公報
しかしながら、上述のチョーククリーニングで流すことができるインクは、ダイヤフラムポンプに吸込まれている量に制限されるため、増粘したインクやインク内に混入している気泡の排出が不十分な場合がある。
そこで、本発明は、吸引動作の際に流すことができる液体の量を多くし、液体噴射部内に詰まった増粘した液体や液体内に混入している気泡の排出効果を高くすることができる液体噴射装置を提供することを目的とする。
上述の課題を解決するため、液体貯留部に貯留されている液体を往復ポンプにより液体流路を通して液体噴射ヘッドに供給し、上記液体噴射ヘッドの液体噴射部から噴射する液体噴射動作と、上記液体流路を上記往復ポンプよりも上記液体噴射ヘッド側となる下流側の位置において閉塞手段により閉塞すると共に、上記液体噴射部から吸引手段により上記液体流路内に対して負圧を作用させた状態で、上記閉塞手段による上記液体流路の閉塞を解除することにより、上記往復ポンプ内に在る上記液体を上記吸引手段に吸引する吸引動作と、を行うことができる液体噴射装置であって、上記往復ポンプを駆動する駆動手段であって、上記閉塞手段による上記液体流路の閉塞が解除されている状態を保持する解除保持手段として機能する駆動手段とを備えることとする
このように液体噴射装置を構成することで、吸引動作の際に流すことができる液体の量が多くなり、液体噴射部内に詰まった増粘した液体や液体内に混入している気泡の排出効果を高くすることができる。
上記発明に加えて、液体噴射装置の往復ポンプはダイヤフラムポンプであり、上記ダイヤフラムポンプのポンプ室のダイヤフラムと対向する面であるポンプ室底面と、上記ダイヤフラムの上記ポンプ室底面と対向する面であるダイヤフラム内側面との少なくとも一方に、上記往復ポンプに上記液体が流入する側となる上流側の上記液体流路と上記往復ポンプよりも下流側の上記液体流路とを連通する連通流路としての溝部を有することとする。
このように液体噴射装置を構成することで、部品点数を増やすことなく連通流路を備えることができる。
上記発明に加えて、往復ポンプを駆動するための駆動手段が閉塞手段を駆動させる駆動力に対して、閉塞手段が往復ポンプの駆動に対して遅れて駆動するように負荷を与える負荷手段を備えることとする。
このように負荷手段を備えることで、閉塞手段による閉塞の解除状態の維持を確実なものにすることができる。
本発明の実施の形態に係るインクジェットプリンターの全体的な構成を示す斜視図である。 図1に示すインクジェットプリンターに備えられるインク供給装置の概略の構成を示す概略構成図である。 図2に示すインク供給装置の凹部に形成される溝部の構成を示す図である。 図2に示すインク供給装置のポンプが吸込み駆動を行うときの状態を示す図である。 図2に示すインク供給装置のポンプが送出し駆動を行うときの状態を示す図である。 図2に示すインク供給装置のポンプの駆動停止時の状態を示す図である。 図2に示す弁体が圧力室の容積を減少させる方向に変位し、開口部を閉塞している状態を示す図である。 図2に示す弁体が開口部を閉塞している状態で、ポンプ室内にインクを吸込む吸込み駆動を行う状態を示す図である。 吸引動作時に、弁体が、開口部から離間された位置に保持されている状態を示す図である。 プリンターの変形例2を示す図である。 図10に示す変形例2の要部を示す図である。 プリンターの変形例3を示す図である。
(実施の形態1)
以下、本発明の液体噴射装置の実施の形態に係るインクジェットプリンター(以下、単に、プリンターと記載する。)1について、図1から図9を参照しながら説明をする。
(プリンター1の全体構成)
図1は、プリンター1の全体的な構成を示す斜視図である。図1に示すように、プリンター1は、外装筐体2と、この外装筐体2内に収容される略箱状を呈するフレーム3と、フレーム3の内側の下部に主走査方向(図1に示すX方向)に沿って架設されるプラテン4と、主走査方向に移動可能なキャリッジ5と、紙送り機構6と、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド7と、吸引手段としてクリーニング装置8等を有する。
紙送り機構6は、紙送りモーター9により駆動され、インクの噴射対象となる被噴射体としての記録用紙Pを、プラテン4の上面に沿って主走査方向Xと直交する副走査方向Yに沿って給送することができる構成となっている。
フレーム3内には、プラテン4の上方にガイド軸10が架設されている。このガイド軸10にはキャリッジ5が移動可能に挿通支持されている。フレーム3のガイド軸10の両端部と対応する位置には、駆動プーリー11および従動プーリー12が回転自在に支持されている。駆動プーリー11にはキャリッジモーター13が連結され、駆動プーリー11と従動プーリー12との間には、キャリッジ5にその一部が固定されたタイミングベルト14が掛装されている。したがって、キャリッジ5は、ガイド軸10にガイドされながら、キャリッジモーター13の駆動によりタイミングベルト14を介して主走査方向Xに沿って往復移動可能となっている。
キャリッジ5の下部には複数の記録ヘッド7が備えられている。また、フレーム3内には、液体貯留部としてのインクカートリッジ15が備えられている。記録ヘッド7とインクカートリッジ15とは、インク供給装置16(図2参照)により接続され、インクカートリッジ15に貯留(収容)されている液体としてのインクがインク供給装置16により記録ヘッド7に供給される。記録ヘッド7に供給されたインクは、記録ヘッド7に設けられる液体噴射部としてのノズル17(図2参照)から記録用紙Pに対して噴射される。
記録ヘッド7は、本実施の形態では、図1に示すように、たとえば5つ備えられ、主走査方向に並列して配置されている。そして、インクカートリッジ15およびインク供給装置16は、5つの記録ヘッド7の一つ一つにそれぞれ備えられている。5つのインクカートリッジ15は、それぞれ、たとえば、ブラック色のインクと、シアン色のインクと、ライトシアン色のインクと、イエロ色のインクと、マゼンタ色のインクが貯留されている。したがって、各記録ヘッド7からは、対応するインクカートリッジ15に貯留されている色のインクが噴射される。
キャリッジ5の移動方向の一端側(本実施の形態に係るプリンター1においては左端側)、すなわち、記録用紙Pが至らない非印刷領域には、クリーニング装置8が配置されている。クリーニング装置8は、記録ヘッド7のノズル17(図2参照)から、ノズル17およびインク供給装置16内に設けられる液体流路としてのインク流路18内に対して吸引を行うことができるように構成されている。
(インク供給装置16等の概略構成)
次に、図2等を参照しながら、インク供給装置16の構成について説明する。図2は、インク供給装置16と、インク供給装置16に接続される記録ヘッド7およびインクカートリッジ15と、ノズル17およびインク流路18内に対して吸引を行うクリーニング装置8とについて、それぞれ概略の構成を示す概略構成図である。
図2に示すように、インク供給装置16は、液体流路としてのインク流路18と、一方向弁19と、往復ポンプとしてのダイヤフラムポンプ(以下、ポンプと記載する。)20と、閉塞手段としてのチョーク弁21等とを有している。インク供給装置16は、インク流路18の一端側にインクカートリッジ15が接続され、他端側に記録ヘッド7が接続されている。そして、インク供給装置16は、一方向弁19およびポンプ20等により、インクカートリッジ15側から記録ヘッド7側へとインクが供給されるように構成されている。
インク供給装置16は、5つの記録ヘッド7(図1参照)毎にそれぞれ備えられ、各記録ヘッド7には、それぞれ同様な構成のインク供給装置16が備えられている。図2には、いずれか一つのインク供給装置16が、このインク供給装置16に対応する一つの記録ヘッド7および一つのインクカートリッジ15と、さらにクリーニング装置8と共に図示されている。
なお、以下の説明において、インク流路18のインクカートリッジ15側を上流側とし、記録ヘッド7側を下流側として説明を行うこととする。また、インク供給装置16に関し、図2の矢印Zで示す方向を上方(上側)、その反対方向を下方(下側)として以下の説明を行う。
(記録ヘッド7の概略構成)
記録ヘッド7の記録用紙Pと対向する面であるノズル形成面22には、インクの噴射口となるノズル17が形成されている。また、記録ヘッド7には、バルブユニット23が内蔵されている。バルブユニット23は、インク流路18から供給されるインクをノズル17に安定して供給するための流動圧調整機能を有し、記録用紙Pに噴射される量に応じた量のインクを供給することで、インクの流動圧を調整することができるように構成されている。
(インクカートリッジ15の概略構成)
インクカートリッジ15は、略直方体を呈する容器であり、内部は、インクが貯留されるインク室24として構成されている。インクカートリッジ15の下側の壁部にはインク室24内に連通する筒部25が設けられ、この筒部25の下方の先端には、インクを導出可能なインク供給口26が形成されている。インクカートリッジ15は、インク供給装置16に設けられているインク供給針27をインク供給口26に挿入するようにしてインク供給装置16に取り付けられる。なお、インクカートリッジ15の上側の壁部には、インク室24内を大気と連通させ、インク室24内に貯留されるインクの液面に大気圧を作用させる大気連通孔28が形成されている。
(クリーニング装置8の概略構成)
クリーニング装置8は、キャップ29と、吸引ポンプ30と、廃液タンク31とを備えている。キャップ29は、キャップ29の開口部29Aを記録ヘッド7のノズル形成面22に当接させた状態で、複数のノズル17の開口部(以下、ノズル開口部と記載する。)17Aを全て覆い、ノズル開口部17Aをキャップ内に封止することができるように構成されている。
吸引ポンプ30は、ノズル開口部17Aを封止したキャップ29内を吸引し、キャップ29内に負圧を発生することができるように構成されている。廃液タンク31は、吸引ポンプ30の駆動に伴って記録ヘッド7から外部に排出されたインクを収容できるように構成されている。プリンター1は、ノズル開口部17Aをキャップ29により封止した状態で、吸引ポンプ30を駆動することでキャップ29内に負圧を発生させ、ノズル17からインク流路18内のインクを吸引し、廃液タンク31に収容することができるように構成されている。
(インク供給装置16の構成)
図2に示すように、インク供給装置16は、基台となる樹脂製の第1流路形成部材32と、この第1流路形成部材32に対して積層状態で組み付けられる同じく樹脂製の第2流路形成部材33と、組み付け時に第1流路形成部材32と第2流路形成部材33との間に挟み込まれるガスバリア性の高いフィルムあるいはゴムシート等の弾性を有するシート状の可撓性部材34とを有する。
第1流路形成部材32の上方の面には、平面視(上方から見た状態)において円形状をなす凹部35A,35B,35Cが形成されている。また、第2流路形成部材33の下面には、第1流路形成部材32に形成された凹部35A,35B,35Cと互いに対向し、底面視(下方から見た状態)において円形状をなす凹部36A,36B,35Cが形成されている。
可撓性部材34は、第1流路形成部材32の凹部35A,35B,35Cと第2流路形成部材33の凹部36A,36B,36Cとの間をそれぞれ仕切るように第1流路形成部材32と第2流路形成部材33との間に挟み込まれている。そして、可撓性部材34において凹部35Aと凹部36Aとの間に介在する部分は、凹部35Aと凹部36Aとの間で弾性変形することにより変位可能に構成される弁体37として構成されている。
なお、弁体37の中心部分には、貫通孔38が形成されている。そのため、凹部35Aと凹部36Aとは貫通孔38を通して連通されている。また、凹部35Aと凹部36Aとによって囲まれて形成される空間域が弁室39として構成されている。
可撓性部材34において凹部35Bと凹部36Bとの間に介在する部分は、凹部35Bおよび凹部36Bの容積を増減させることができるダイヤフラム40として構成されている。ダイヤフラム40と凹部35Bとに囲まれて形成される空間域は、インク流路18の一部を構成するポンプ室41(図4等参照)として構成される。また、ダイヤフラム40と凹部36Bとに囲まれて形成される空間域は、ダイヤフラム40を駆動するために変圧が行われる変圧室42として構成されている。
可撓性部材34において凹部35Cと凹部36Cとの間に介在する部分は、後述するインク流路18Dの凹部35Cの開口部43を閉塞する下方位置(閉塞位置)と、開口部43から離間する上方位置(離間位置)とに変位し、インク流路18Dの閉塞と開放とを行う弁体44として構成されている。弁体44と凹部35Cとに囲まれて形成される空間域はインク流路18の一部を構成する圧力室45として構成される。また、弁体44と凹部36Cとに囲まれて形成される空間域は、弁体44を駆動するために変圧が行われる変圧室46として構成されている。
そして、積層状態とされる第1流路形成部材32、第2流路形成部材33および可撓性部材34には、上流側となるインク供給針27から下流側となる記録ヘッド7側へと連通するインク流路18が形成されている。インク流路18は、インク流路18Aから18Dを有している。
具体的には、第1流路形成部材32には、第2流路形成部材33を貫通するように突設されたインク供給針27と、インク供給針27の先端側と凹部35Aの間を連通するインク流路18Aが形成されている。また、凹部36Aと凹部35Bとの間は、インク流路18Bによって連通されていると共に、凹部35Bと凹部35Cとの間は、インク流路18Cによって連通されている。さらに、上流側が凹部35Cに接続されたインク流路18Dの下流側には、インク供給チューブ47の一端(上流端)が接続されている。そして、インク供給チューブ47の他端(下流端)は、記録ヘッド7に接続されている。
すなわち、インク供給装置16においては、上流側から下流側に向かって順次配置されるインク供給針27、インク流路18A、弁室39、インク流路18B、ポンプ室41(図4等参照)、インク流路18C、圧力室45、インク流路18D、インク供給チューブ47によって、インク流路18が形成されている。
圧力室45に接続されるインク流路18Cの下流端には、上流側から下流側へのインクの通過のみを許容する一方向弁としてのボール弁48が設けられている。このボール弁48は、図示しない付勢部材によって、常時は、インク流路18Cを閉塞する閉弁方向に付勢された状態とされている。
弁室39の凹部36A側には、弁体37を凹部35Aに向けて付勢するコイルスプリング49が収容されていると共に、弁体37には、凹部35Aの底面に当接することで、閉弁状態となる突起部50が設けられている。弁体37は、コイルスプリング49によって常時は閉弁方向に付勢されている。本実施の形態において、弁室39、弁体37およびコイルスプリング49は、上流側から下流側へのインクの通過のみを許容する一方向弁19を構成している。
(ポンプ20の構成)
変圧室42内には、ダイヤフラム40を常にポンプ室41の容積を減少させる方向に付勢するコイルスプリング51が収容されている。本実施の形態において、ポンプ室41、変圧室42、ダイヤフラム40およびコイルスプリング51は、ポンプ20を構成している。ポンプ20は、ダイヤフラム40が、変圧室42の圧力変化に応じて上下方向に変位することでポンプ室41の容積の増減が行われることにより、インク流路18Bからポンプ室41内にインクを吸込んだり、ポンプ室41内に吸込んだインクをインク流路19Cに送り出すポンプ駆動を行うことができるように構成されている。
インク流路18においては、ポンプ室41の上流側となる位置に一方向弁19が設けられ、かつ、ポンプ室41の下流側となる位置に同じく一方向弁として機能するボール弁48が設けられている。つまり、一方向弁19とボール弁48とにより、ポンプ20が駆動したときに下流側から上流側へ向けてインクが逆流することが抑制されるように構成されている。
本実施の形態のポンプ20は、負圧発生装置52によって変圧室42内が減圧されることによって、ダイヤフラム40が、ポンプ室41の容積を増加させる方向に変位し、ポンプ室41内にインクを引き入れる吸込み駆動を行うように構成されている。
負圧発生装置52と変圧室42とは、空気流路53によって接続されている。具体的には、空気流路53は、基端側が負圧発生装置52に接続されると共に、先端側が分岐流路53A,53Bとして2つに分岐されている。分岐流路53Aは、変圧室42に接続されている。分岐流路53Bは、大気開放機構54に接続されている。
負圧発生装置52は、正逆回転可能な駆動モーター55が正転駆動した場合に負圧を発生するように構成されている。したがって、駆動モーター55が正転駆動されると、分岐流路53Aを通して変圧室42が減圧されるようになっている。
大気開放機構54は、駆動モーター55の逆転駆動に対応して、図示を省略する大気開放弁が開放され、分岐流路53Bを大気に連通することができるように構成されている。したがって、駆動モーター55が正転駆動された後に逆転駆動されると、大気開放機構54において、分岐流路53Bが大気に連通され、変圧室42の負圧が解消する。変圧室42の負圧が解消すると、ダイヤフラム40は、コイルスプリング51の付勢力によって、ポンプ室41の容積が減少する方向に変位する。
上述のように、負圧発生装置52によって変圧室42内が減圧されることにより、ダイヤフラム40が上方に向けて変位し、ポンプ20は、上流側からインクをポンプ室41内に吸込む吸込み駆動を行う。また、大気開放機構54が開放されることにより、変圧室42が大気開放され、コイルスプリング51の付勢力を受けてダイヤフラム40が下方に向けて変位し、ポンプ20は、ポンプ室41からインクを下流側に送り出す送出し駆動を行う。
ポンプ室41が吸込み駆動を行う際には、ポンプ室41内に生じる負圧により下流側に位置するボール弁48が閉弁されると共に、上流側に設けられた一方向弁19がコイルスプリング49の付勢力に抗して開弁される。また、ポンプ室41が送出し駆動する際には、ポンプ室41内に生じる正圧により、下流側に位置するボール弁48が開弁されると共に、上流側に設けられた一方向弁19が閉弁される。
つまり、インクカートリッジ15がインク供給針27に接続された状態で、ダイヤフラム40が、ポンプ室41の容積を増加させる方向と減少させる方向に往復移動することにより、ポンプ20が吸込み駆動と送出し駆動とは交互に繰り返され、インクカートリッジ15から記録ヘッド7に向けてインクが断続的に供給される。
図3に示すように、凹部35Bの底面、すなわち、ポンプ室41の底面41Aには、インク流路18Bとインク流路18Cとを連通する連通流路としての溝部41Bが形成されている。ダイヤフラム40は、ポンプ20が送出し駆動を行う際、コイルスプリング51の付勢力によってポンプ室41の底面41Aに当接するまで下方に変位させられる。ポンプ20は、ダイヤフラム40が底面41Aに当接するまで変位したときに、ポンプ室41に在るインクを下流側に送り出す工程が完了する。しかしながら、ポンプ20は、底面41Aに溝部41Bが形成されているため、ダイヤフラム40が底面41Aに当接した状態となっても、インク流路18Bとインク流路18Cとが溝部41Bを介して互いに連通する構成となっている。つまり、ポンプ20は、ダイヤフラム40が底面41Aに当接し、インクの送り出し工程が完了した状態であっても、インク流路18Bからインク流路18Cへインクが流れることができるように構成されている。
(チョーク弁21の構成)
本実施の形態において、圧力室45、変圧室46および弁体44は、閉塞手段としてのチョーク弁21を構成している。チョーク弁21は、弁体44が、変圧室46と圧力室45との圧力差に応じて上下方向に変位する。弁体44は、圧力室45の圧力が変圧室46の圧力よりも低くなることで下方に変位し、開口部43を閉塞する閉塞位置に変位する。また、弁体44は、変圧室46の圧力が圧力室45の圧力よりも低くなることで上方に変位し、開口部43から離間して開口部43の閉塞を解除する離間位置に変位する。
本実施の形態のチョーク弁21は、負圧発生装置56および大気開放機構57によって変圧室46内の圧力の増減が行われる。また、負圧発生装置56による変圧室46内の減圧状態が維持されることによって、弁体44は、インク流路18Dの圧力室45への開口部43から離間された位置に保持される。すなわち、負圧発生装置56は、チョーク弁21がインク流路18Dの閉塞状態を解除している状態を保持する解除保持手段として機能する。
負圧発生装置56と変圧室46とは、空気流路58によって接続されている。具体的には、空気流路58は、基端側が負圧発生装置56に接続されると共に、先端側が分岐流路58A,58Bとして2つに分岐されている。分岐流路58Aは、変圧室46に接続されている。分岐流路58Bは、大気開放機構57に接続されている。
負圧発生装置56は、正逆回転可能な駆動モーター59が正転駆動した場合に負圧を発生するように構成されている。したがって、駆動モーター59が正転駆動されると、分岐流路58Aを通して変圧室46が減圧され、弁体44が、上方に向けて変位する。チョーク弁21は、変圧室46の減圧状態が維持されることで、弁体44が、開口部43から離間された位置に保持されるように構成されている。
大気開放機構57は、駆動モーター59の逆転駆動に対応して、図示を省略する大気開放弁が開放され、分岐流路58Bを大気に連通することができるように構成されている。したがって、駆動モーター59が正転駆動された後に逆転駆動されると、大気開放機構57において、分岐流路58Bが大気に連通され、変圧室46の負圧が解消する。変圧室46の負圧が解消すると、弁体44は、自身の弾性による復元力により、圧力室45の容積を減少させる下方に変位する。
すなわち、チョーク弁21は、変圧室46内が減圧されることによって、弁体44を上方に向けて変位させる一方、変圧室46が分岐流路58Bを介して大気開放されることにより、圧力室45の容積を減少する方向に弁体44を変位させることができる構成となっている。そして、後述するように、吸引ポンプ30によりインク流路18Dに負圧が作用し圧力室45内の圧力が変圧室46内の圧力に比べて低くなると、弁体44は、下方に変位し、開口部43を閉塞する閉塞位置に変位する。
(プリンター1の動作)
次に、以上のように構成されるプリンター1の動作について、インク供給装置16の動作に着目して説明する。ここで、図2に示す状態は、インクカートリッジ15の交換直後であって、一方向弁19の弁体37は、コイルスプリング49の付勢力により、凹部35Aの下面に押し付けられた状態にあるものとする。また、ポンプ20のダイヤフラム40は、コイルスプリング51の付勢力により、凹部35Bの下面に押し付けられた状態にあるものとする。また、ボール弁48は、対応する付勢部材(図示省略)により閉弁位置に付勢された状態にあると共に、大気開放機構54は、大気開放弁(図示省略)を封止した閉弁状態にあるものとする。なお、吸引ポンプ30、駆動モータ55,59等の駆動は、図示を省略するマイクロコンピュターやCPU等により構成される制御部により制御される。
始めに、このような図2に示す状態から、ポンプ20が吸込み駆動する場合について、図4に基づいて説明する。先ず、ポンプ20を吸込み駆動させるために、駆動モーター55が正転駆動される。駆動モーター55の正転駆動により、負圧発生装置52には負圧が発生し、空気流路53の分岐流路53Aを通じて変圧室42内が負圧状態になる。
そのため、図4に示すように、ダイヤフラム40がコイルスプリング51の付勢力に抗して変圧室42側(上方)に変位して、変圧室42の容積を減少させる。すると、この変圧室42の容積減少に伴い、ダイヤフラム40を介して変圧室42と隣接するポンプ室41は逆に容積が増加し、インク流路18B側からインクがポンプ室41内に吸込まれる。
次に、ポンプ20が送出し駆動する場合について、図5に基づいて説明する。ポンプ20が送出し駆動する際には、駆動モーター55が逆転駆動される。すると、大気開放機構54の大気開放弁(図示省略)が開弁動作し、変圧室42が大気開放され負圧状態が解消される。
そのため、図5に示すように、ポンプ20のダイヤフラム40がコイルスプリング51の付勢力により凹部35Bの底面(底面41A)側に変位して、変圧室42の容積を増加させる。すると、変圧室42の容積増加に伴い、ポンプ室41は逆に容積が減少し、インクがポンプ室41からインク流路18Cに送り出される。このとき、ポンプ室41からインク流路18Cを経て圧力室45に送り出されるインクの流圧により、弁体44は、変圧室46側に変位させられる。そして、インクは、圧力室45内を通ってインク流路18Dに流れ込み、インク供給チューブ47を介して記録ヘッド7に供給される。
ダイヤフラム40は、コイルスプリング51により、凹部35Bの底面41Aに当接するまで変位する。ダイヤフラム40の下方への変位は、底面41Aに当接した状態となることで停止し、ポンプ20によるインクの送り出し工程が完了する。上述したように、底面41Aには、図3に示すように溝部41Bが形成されている。したがって、ダイヤフラム40が底面41Aに当接した状態であっても、インク流路18Bとインク流路18Cとは溝部41Bにより連通されている。
上述したように、ポンプ20が、吸込み駆動と送出し駆動とを交互に繰り返すことにより、インクカートリッジ15から記録ヘッド7に向けて断続的にインクが供給され、記録ヘッド7のノズル17からインクが噴射されるインク噴射動作(液体噴射動作)が実行される。なお、インク噴射動作が行われている間、大気開放機構57の大気開放弁(図示省略)は開弁状態とされ、変圧室46は大気開放状態とされている。ポンプ室41からインク流路18Cを経て圧力室45に流れ込むインクにより、弁体44が、上方に変位すると、変圧室46の容積が減少する。この減少分の空気は、大気開放機構57を介して大気に放出される。そのため、変圧室46の容積が減少しても、変圧室46は大気圧に維持され、変圧室46の容積が減少したときに変圧室46の内圧が高くなることを抑えることができる。つまり、変圧室46の内圧が高くなることにより、弁体44が上方に変位する際に、弁体44の上方への変位に対する負荷の発生を抑えることができる。
(プリンター1の吸引動作)
次に、以上のように構成されるプリンター1において、ノズル17の目詰まり等を解消させる目的で行われる、吸引動作について、図6〜図9に基づいて説明する。
ここで、吸引動作とは、インク流路18の途中に設けられたチョーク弁21を閉じた状態(チョーク状態)で記録ヘッド7のノズル17内を吸引ポンプ30により吸引し、チョーク弁21よりも下流側のインク流路18に高い負圧を蓄積した状態でチョーク弁21を開き、ポンプ20に吸込まれているインクを記録ヘッド7に流動させる動作をいう。この吸引動作によれば、蓄積した高い負圧によってインクを一気に流動させることができ、インク流路18やノズル17内に在る増粘したインクや気泡を効率的に排出することができる。なお、上述の吸引動作は、チョーククリーニングと称されることもある。
通常、吸引動作は、一定時間印刷処理が実行された後に行われるので、先ず、吸引動作が実行される前の段階として、ポンプ20の駆動停止時の状態について図6に基づいて説明する。
吸引動作の実行に当たっては、ポンプ20が駆動停止される際に、吸込み駆動した後に大気開放機構54を開弁状態とする。これにより、ダイヤフラム40は、大気圧とコイルスプリング51の付勢力で下方に変位する。ダイヤフラム40が下方に変位する際は、ポンプ室41内は正圧がかかった状態となる。したがって、ポンプ室41内の正圧により、図6に示すように、一方向弁19は、閉鎖状態となり、また、弁体44は変圧室46側に変位した状態となる。
この状態から、チョーク弁21の閉塞段階として、キャップ29を移動させて記録ヘッド7のノズル形成面22に当接させた状態で吸引ポンプ30を駆動する。これにより、インク流路18Dに負圧が付与され、圧力室45内が減圧される。圧力室45内が減圧されると、図7に示すように弁体44が圧力室45の容積を減少させる方向に変位し、インク流路18Dの凹部35Cに通じる開口部43を閉塞する。
吸引ポンプ30を駆動する際には、大気開放機構57の大気開放弁(図示省略)は開弁状態とされ、変圧室46は大気開放状態とされている。そのため、変圧室46の容積が増加しても、変圧室46は大気圧に維持され、変圧室46の内圧が負圧となることを抑えることができる。つまり、変圧室46の内圧が負圧となることにより、弁体44が下方に変位する際に、弁体44の下方への変位に対する負荷の発生を抑えることができる。
吸引ポンプ30が一定時間以上駆動され、インク流路18Dからノズル17に亘って十分な負圧が蓄積された状態になると、先ず、駆動モーター55が正転駆動される。駆動モーター55の正転駆動により、負圧発生装置52が負圧を発生し、変圧室42内が負圧状態になる。変圧室42内が負圧状態になると、図8に示すように、ダイヤフラム40がコイルスプリング51の付勢力に抗して変圧室42側に変位する。これにより、一方向弁19は開弁状態とされて、ポンプ室41内にインクが吸込まれる。
そして、ポンプ20の吸込み駆動の終了時、すなわち、ダイヤフラム40が、ポンプ室41の容積を増加する方向への変位をほぼ終了する時点で、大気開放機構54を開弁状態とする。すなわち、ポンプ20を送出し駆動させる。また、ポンプ20の送出し駆動に併せて、駆動モーター59を正転駆動させ負圧発生装置56に負圧を発生させ、変圧室46を減圧し、弁体44を上方に向けて変位させる。変圧室46の減圧と、ポンプ20の送出し駆動により圧力室45に流れ込むインクの流圧とにより、弁体44が上方に変位し、弁体44による開口部43の閉塞が開放される。このとき、弁体44よりも下流側のインク流路18からノズル17内には負圧が蓄積された状態となっている。そのため、ポンプ室41に蓄積されているインクが、一気に勢いよく、インク流路18C、圧力室45、インク流路18Dそしてインク供給チューブ47を通って記録ヘッド7に流れ、ノズル開口部17Aから排出させられる。このように、蓄積した高い負圧によってインクを一気に流動させることができるため、インク流路18やノズル17内に在る増粘したインクや気泡を効率的に排出することができる。
プリンター1においては、図9に示すように、ポンプ20の送出し駆動が完了した後、すなわち、ダイヤフラム40が底面41Aに当接した状態になった後も、引き続き、駆動モーター59の正転駆動および吸引ポンプ30による吸引動作が継続される。つまり、ダイヤフラム40が底面41Aに当接した状態になっても、駆動モーター59の正転駆動が継続されることで、弁体44は、開口部43から離間された位置に保持され続ける。
また、ダイヤフラム40が凹部35Bの底面に当接した状態であっても、インク流路18Cとインク流路18Dとは溝部41Bにより連通している。そのため、吸引ポンプ30による吸引動作が継続されることで、ノズル17およびインク流路18内には負圧が作用し続ける。インク流路18B内が負圧となることで、一方向弁19の弁体37も上方に変位し、インク流路18Aとインク流路18Bとが貫通孔38を介して連通し、インク流路18は、インク流路18Aからインク流路18Dに亘って連通状態となる。
つまり、吸引ポンプ30による吸引が行われ、ノズル17側からインク流路18に負圧を作用させることで、インクカートリッジ15から記録ヘッド7に向けてインクを吸引することができ、インク流路18内にインクを流動させることができる。そして、このインクの流動は、駆動モーター59の正転駆動および吸引ポンプの吸引動作が継続される間、継続して行われる。
このように、ポンプ20内に吸込まれたインクを吐出した後、引き続き、インク流路18内にインクを流動させることで、ポンプ20内のインクを吐出させただけでは除去しきれなかった増粘インクやインク内に混入している気泡をさらに排出させることができる。つまり、プリンター1の吸引動作におけるクリーニング効果を高いものとすることができる。
以下に、上述の実施の形態にかかるプリンター1の変形例について説明する。
(変形例1)
上述の実施の形態にかかるプリンター1においては、溝部41Bはポンプ室41の底面41A側に形成されている。これに対し、ダイヤフラム40の側に溝部を形成するようにしてもよい。つまり、ダイヤフラム40の底面41Aに対向する面(ダイヤフラム内側面40A)に、底面41A側に開口し、かつ、ダイヤフラム40が底面41Aに当接した状態でインク流路18Bとインク流路18Cとを連通する溝部を形成するようにしてもよい。また、ポンプ室41の底面41Aに形成される溝部41Bに加えて、上述のようにダイヤフラム40の側にも溝部を形成してもよい。
さらに、図10から図12を参照しながら、プリンター1の他の変形例について説明する。なお、図10から図12において、上述の実施の形態で説明した部材と同様の部材については同一の符号を付し、その説明を省略する。
(変形例2)
図10に示すように、ポンプ室41の底面41Aに、突起70を設けるようにしてもよい。底面41Aに、突起70を設けることにより、ポンプ20がインクの送り出し工程を完了した状態でも、ダイヤフラム40と底面41Aとの間に間隙71が形成される。そして、この間隙71を介してインク流路18Bとインク流路18Cとを連通させることができる。突起70は、図11に示すように、インク流路18Bとインク流路18Cの底面41Aへの開口部41C,41Dを結ぶ帯域72内に位置しないように、帯域72の両側に設けることが好ましい。突起70を帯域72内に位置しないように設けることで、突起70が、インク流路18Bからインク流路18Cへのインクの流れの妨げとなることを防ぐことができる。
なお、突起70は、底面41Aに設ける代わりに、ダイヤフラム40の底面41Aと対向する面であるダイヤフラム内側面40Aに設けるようにしてもよい。この場合にも、突起70は、ポンプ20がインクの送り出し工程を完了し、突起70が底面41Aに当接したときに、帯域72の両側に配置されるように設けることが好ましい。なお、溝部41Bや突起70を設ける構成に換えて、ポンプ室41をバイパスしてインク流路18Bとインク流路18Cとを直接連通する流路を連通流路として設ける構成としてもよい。
(変形例3)
上述の実施の形態にかかるプリンター1は、チョーク弁21に対して個別に備えられる負圧発生装置56および大気開放機構57により、チョーク弁21の駆動を行う構成とされている。これに対し、図12に示すように、チョーク弁21を、流路延長部80を有する空気流路58を介して空気流路53に接続し、負圧発生装置52および大気開放機構54により駆動する構成としてもよい。このように、チョーク弁21の駆動手段を、ポンプ20の駆動手段である負圧発生装置52および大気開放機構54と共有することで、プリンター1の小型化や部品点数の削減等を図ることができる。
この構成の場合は、弁体44は、ポンプ20の吸込み駆動時には、負圧発生装置52の減圧駆動により弁体37と同様に上方に変位する。そして、ポンプ20の送出し駆動時には、大気開放機構54の大気開放により、変圧室46に大気圧が作用し、弁体44には、大気圧により下方に向く力が作用する。しかしながら、ポンプ20の送出し駆動により、インク流路18Cから圧力室45に流れ込むインクの流圧により、弁体44は、大気圧に抗して、開口部43から離間する離間位置に変位し、ポンプ室41から送り出されたインクは、圧力室45およびインク流路18Dを通って記録ヘッド7に供給される。
また、吸引動作時には、吸引ポンプ30の駆動により、インク流路18Dに負圧が付与され、圧力室45内が減圧されることで、弁体44は、開口部43を閉塞する閉塞位置に変位する。このとき、負圧発生装置52を減圧駆動させポンプ20の吸込み駆動が行われると、変圧室46は減圧され、弁体44には上方に向かう力が作用する。しかしながら、吸引ポンプ30によりインク流路18D内には負圧が作用しているため、弁体44は、閉塞位置に保持され続ける。
そして、ポンプ20の吸込み駆動の完了に続いて、大気開放機構54が大気開放され、ポンプ20の送出し駆動が開始される。すると、インク流路18Cから圧力室45に流れ込むインクの流圧により、弁体44は、閉塞位置から上方の離間位置に変位し、圧力室45に流れ込んだインクは、勢いよくインク流路18側に送り出される。インクが、インク流路18側に勢いよく送り出されことで、インク流路18内の像粘したインクや気泡をノズル17から外部に排出することができる。
ところで、大気開放機構54が大気開放されると、変圧室46にも大気圧が作用する。しかしながら、空気流路58には、負荷手段としての流路延長部80が設けられている。流路延長部80は、分岐流路53Aおよび分岐流路53Bに比べて、空気の流路抵抗が大きくなるように、内径が、分岐流路53Aおよび分岐流路53Bの内径よりも細く、かつ、流路が蛇行している構成となっている。したがって、大気開放機構54の大気開放されたときに、変圧室42よりも遅いタイミングで変圧室46に大気圧が作用し、かつ、負圧状態から大気圧になるまでに時間も変圧室42よりも長時間となる。このため、変圧室46の負圧状態は、変圧室42よりも長時間に亘って維持される。
流路延長部80は、具体的には、ポンプ20の送出し駆動が完了し、ダイヤフラム40が底面41Aに当接した状態となっても、しばらくの間、変圧室46に負圧が作用し、弁体44が離間位置(弁体44が開口部43から離間している位置)に保持されるように、流路延長部80の内径、長さ、蛇行回数等が設定される。流路延長部80がこのように構成されることで、ポンプ20の送出し駆動が完了し、ダイヤフラム40が底面41Aに当接した状態となっても、弁体44が離間位置に保持される。そして、ダイヤフラム40が底面41Aに当接した状態となっても、溝部41Bを介して、インク流路18Bとインク流路18Cは連通状態となっている。このため、吸引ポンプ30による吸引が継続されることで、ノズル17およびインク流路18内に負圧を作用させることができ、インクカートリッジ15から記録ヘッド7に向けてインクを吸引し、インク流路18内にインクを流動させることができる。つまり、プリンター1の吸引動作におけるクリーニング効果を高いものとすることができる。
(実施の形態の主な効果)
上述のように本実施の形態に係る液体噴射装置としてのプリンター1は、液体貯留部としてのインクカートリッジ15に貯留されている液体としてのインクを往復ポンプとしてのポンプ(ダイヤフラムポンプ)20により液体流路としてのインク流路18を通して液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド7に供給し、記録ヘッド7の液体噴射部としてのノズル17から噴射する液体噴射動作としてのインク噴射動作と、インク流路18をポンプ20よりも記録ヘッド7側となる下流側の位置において閉塞手段としてのチョーク弁21により閉塞すると共に、ノズル17から吸引手段としてのクリーニング装置8によりインク流路18内に対して負圧を作用させた状態で、チョーク弁21によるインク流路18の閉塞を解除することにより、ポンプ20内に在るインクをクリーニング装置8に吸引する吸引動作とを行うことができ、吸引動作を実行している間、チョーク弁21によるインク流路18の閉塞が解除されている状態を保持する解除保持手段としての負圧発生装置56と、ポンプ20がインクの送り出し工程を完了した状態において、ポンプ20にインクが流入する側となる上流側のインク流路18とポンプ20よりも下流側のインク流路18とを連通する連通流路としての溝部41Bを備えることとする。
このように構成されるプリンター1によれば、吸引動作の際に流すことができるインクの量を多くし、ノズル17内に詰まった増粘したインクやインク内に混入している気泡の排出効果を高くすることができる。なお、往復ポンプとして、ダイヤフラムポンプに換えて、ピストンポンプやプランジャーポンプを用いてもよい。
また、プリンター1は、ポンプ20のポンプ室41のダイヤフラム40と対向する面である底面41Aに連通流路としての溝部41Bを形成している。このように溝部41Bを底面41Aすることで、部品点数を増やすことなく連通流路を備えることができる。また、連通流路としての溝部をダイヤフラム40の底面41Aと対向する面であるダイヤフラム内側面40Aに形成してもよい。ダイヤフラム内側面40Aに連通流路としての溝部を形成した場合も、部品点数を増やすことなく溝部を備えることができる。また、連通流路としての溝部を底面41Aとダイヤフラム内側面40Aの両方に形成した場合には、連通流路の流路内径を大きくすることができ、連通流路に流れるインクの流量を増加することができる。
また、プリンター1は、解除保持手段として、ポンプ20の駆動手段である負圧発生装置52を用いる構成としてもよい。この場合、負圧発生装置52がチョーク弁21を駆動させる駆動力に対して、チョーク弁21がポンプ20の駆動に対して遅れて駆動するように負荷を与える負荷手段としての流路延長部80を備える構成とすることが好ましい。
このように負圧発生装置52をポンプ20およびチョーク弁21の駆動に共用することで、プリンター1の小型化や部品点数の削減等を図ることができる。また、流路延長部80を備えることで、チョーク弁21による閉塞の解除状態の維持を確実なものにすることができる。
1 … プリンター(液体噴射装置) 7 … 記録ヘッド(液体噴射ヘッド) 8 … クリーニング装置(吸引手段) 15 … インクカートリッジ(液体貯留部) 17 … ノズル(液体噴射部) 18 … インク流路(液体流路) 20 … ダイヤフラムポンプ(往復ポンプ) 21 … チョーク弁(閉塞手段) 40 … ダイヤフラム 40A … ダイヤフラム内側面 41 … ポンプ室 41A … 底面(ポンプ室底面) 41B … 溝部(連通流路) 52 … 負圧発生装置(駆動手段) 56 … 負圧発生装置(解除保持手段) 71 … 間隙(連通流路) 80 … 流路延長部(負荷手段)

Claims (3)

  1. 液体貯留部に貯留されている液体を往復ポンプにより液体流路を通して液体噴射ヘッドに供給し、上記液体噴射ヘッドの液体噴射部から噴射する液体噴射動作と、
    上記液体流路を上記往復ポンプよりも上記液体噴射ヘッド側となる下流側の位置において閉塞手段により閉塞すると共に、上記液体噴射部から吸引手段により上記液体流路内に対して負圧を作用させた状態で、上記閉塞手段による上記液体流路の閉塞を解除することにより、上記往復ポンプ内に在る上記液体を上記吸引手段に吸引する吸引動作と、
    を行うことができる液体噴射装置であって、
    上記往復ポンプを駆動する駆動手段であって、上記閉塞手段による上記液体流路の閉塞が解除されている状態を保持する解除保持手段として機能する駆動手段
    を備えることを特徴とする液体噴射装置。
  2. 請求項1に記載の液体噴射装置であって、
    前記往復ポンプは、ダイヤフラムポンプであり、
    上記ダイヤフラムポンプのポンプ室のダイヤフラムと対向する面であるポンプ室底面と、上記ダイヤフラムの上記ポンプ室底面と対向する面であるダイヤフラム内側面との少なくとも一方に、上記往復ポンプに上記液体が流入する側となる上流側の上記液体流路と上記往復ポンプよりも下流側の上記液体流路とを連通する連通流路としての溝部を有すること、
    を特徴とする液体噴射装置。
  3. 請求項1または2に記載の液体噴射装置であって、
    前記駆動手段が前記閉塞手段を駆動させる駆動力に対して、前記閉塞手段が前記往復ポンプの駆動に対して遅れて駆動するように負荷を与える負荷手段を備えることを特徴とする液体噴射装置。
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