JP6380735B2 - 流路部材、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 - Google Patents

流路部材、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置 Download PDF

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本発明は流路部材、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置に関し、特に積層された流路基板に各色毎の複数の流路内圧力調整手段が設けられている場合に適用して有用なものである。
液滴を吐出する液体吐出ヘッドの代表例としては、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドが挙げられる。このインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、インク滴をノズル開口から吐出するヘッド本体と、ヘッド本体が固定されると共にインクが貯留されたインクカートリッジからインクが供給されてインクカートリッジからのインクをヘッド本体に供給する流路部材と、を具備するものが提案されている。この種のインクジェット式記録ヘッドでは、連続吐出に対応できる位置にメニスカス位置を管理するため、通常ヘッド内(リザーバーや圧力室)の背圧は負圧に維持されている。しかしながら、ワイピング時等にノズル開口付近の気泡がその負圧によりノズル開口に引き込まれてしまう恐れがある。気泡がノズル開口に引き込まれてしまうと、ノズル詰まりを生じかねない。
そこで、ワイピング時等の必要なときには、負圧を解除する必要がある。このため、負圧発生手段(差圧弁)とヘッドとの間の流路脇に加圧機構としての偏心カムを配設し、ワイピング時には偏心カムを介して加圧機構によりヘッド内を加圧するものが提案されている(特許文献1参照)。また、加圧供給用のバイパス流路を設け、加圧ポンプによる加圧をヘッド内に直接行うように構成したものもある(特許文献2参照)。
特開2013−161827号公報 特開2011−161844号公報
ところが、特許文献1は、チューブに対する偏芯カムの当接により、流路の容積を変化させるものであるため、例えば、これより下流で分岐した場合等、ノズル数が多くなると必要な容積の変化を起こしにくい。一方、チューブを太くして大きな容積変化を得ようとすると、チューブが太くなる分だけ流速が低下して気排性を悪化させる。
特許文献2は、供給する液量の微妙な調整が難しく、多くの流体が無駄に廃棄されることになりかねない。
また、通常時の負圧を解除するため、流路内に流路内圧力調整手段を各色毎に個別に設けた場合には、流路部材の大型化を招来する。したがって、流路内圧力調整手段をはじめ、各部品のレイアウトを工夫する必要がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッド等の液体吐出ヘッドに用いられる流路部材だけではなく、液体吐出ヘッド以外のデバイスに用いられる流路部材においても同様に存在する。
本発明は、上述のような事情に鑑み、各色毎に流路内圧力調整手段等の各種部品のレイアウトを工夫することによりコストを低減し得るとともに小型化にも寄与し得る流路部材、液体吐出ヘッドおよび液体吐出装置を提供することを目的とする。
[態様1] 上記課題を解決する本発明の態様は、駆動素子の駆動によりノズル開口を介して液体を吐出する吐出部を備え、複数種類の液体をそれぞれ貯留する液体貯留部と連通する液体吐出ヘッドに用いる流路部材であって、前記液体貯留部と吐出部とを連通する流路の途中に配設され、液体の種類毎に形成された第1凹部が一体的に形成された第1流路基板と、前記第1凹部と、該第1凹部をそれぞれ封止する第1可撓部材とを備える一方、第1流体供給源から供給される流体の量の増減により前記第1可撓部材を変位させて、前記第1凹部と前記第1可撓部材とにより形成された流路の容積を変化させることで、その内部の圧力を調整する流路内圧力調整手段とを有することを特徴とする流路部材にある。
本態様によれば、色間での部品共通化を図ることができる。すなわち、各色に関する第1凹部が形成された単一の第1流路基板や第1凹部と第1可撓部材とを有する流路内圧力調整手段により、色間で、部品を共通化することができる。
また、特許文献1のように偏芯カムの当接により加圧する場合と比較すると第1凹部を第1可撓部材で封止する構成により、第1可撓部材が変位する面積を大きくすることができ、小型化しつつ容積変化を容易に生起する構造とすることができる。また、第1流体供給源から供給される流体により第1凹部の容積を調整しているので、小型化も可能となる。
また、第1流体供給源が供給する流体は、エア、液体(油圧)等を使用することができる。そこで、液体の場合には、第1可撓部材のバリア性が悪くても、第1可撓部材からの透過による水分蒸発を低減できる。
[態様2] ここで、態様1の流路部材において、第2凹部が形成された第2流路基板を備え、前記第1可撓部材は、相対向して配設される前記第1凹部および2凹部間を封止するように構成するのが望ましい。第1流体供給源から供給される、例えばエアー等の流体も、凹部にすることで、平坦(フラット)な場合と比較すると、第1可撓部材の貼り付きを抑制でき、また第2凹部が形成された第2流路基板により、色間で、部品を共通化することができるからである。
[態様3] また、態様1の流路部材において、前記第2凹部は、液体の種類毎にあり、複数の前記第2凹部は、一体的に前記第2流路基板に形成されているのが望ましい。第1流体供給源が供給する流体側の容積を小さくすることができるからである。この結果、液体の種類毎に第2凹部を設けることができるので、第2凹部の容積を小さくすることができ、第1可撓部材に対する充分な加圧効果を与えることができる。
[態様4] 態様1〜態様3の流路部材において、前記第1凹部からの液体の出口は、鉛直方向の上側にあるのが望ましい。鉛直方向の上側に出口があるので、第1凹部内に気泡が入ったとしても、浮力により鉛直方向の上側に気泡が留まるので、出口からの排出が行なわれ易いからである。
[態様5] 態様1〜態様4の流路部材において、さらに、前記液体貯留部と前記第1凹部とを連通する流路の途中に配設され、前記液体の種類毎の第3凹部が一体的に形成された第3流路基板と、複数の前記第3凹部をそれぞれ封止する第2可撓部材と、第2流体供給源から供給される流体の量の増減により前記第2可撓部材を変位させて、前記第3凹部内の流路を開閉する流路開閉手段とを有することが望ましい。
[態様6] 態様5の流路部材において、さらに、上記流路部材は、第4凹部が形成された第4流路基板を備え、前記第2可撓部材は、相対向して配設される前記第3凹部および第4凹部間を封止するように構成するのが望ましい。第2流体供給源から供給される流体側も凹部にすることで、平坦な場合と比較すると、第2可撓部材の貼り付きを抑制できるばかりでなく、第4流路基板により、複数の色間での部品の共通化を図ることができるからである。
[態様7] 態様6の流路部材において、前記第4凹部は、液体の種類毎にあり、複数の前記第4凹部は、一体的に第4流路基板に形成されているのが望ましい。第2可撓部材を変位させる駆動用の流体が供給される側の容積を小さくすることができるからである。
[態様8] 態様5〜態様7の流路部材において、前記第1流路基板と、前記第3流路基板とが、同一の部材であるのが望ましい。部品点数を減らすことができるからである。
[態様9] 態様5〜態様7の流路部材において、前記第1流路基板と、前記第3流路基板とは、別の部材であり、前記第1流路基板の両面のうち、前記第1凹部が形成されていない面と、前記第3流路基板の両面のうち、前記第3凹部が形成されていない面とが相対向するように、積層されるのが望ましい。第2可撓部材の駆動流体→吐出される液体→吐出される液体→第1可撓部材の駆動流体の順に、積層されるので、これ以外の積層順の場合と比較すると、第1凹部と第3凹部との間の流路を短くすることができる。また、積層により各部品の設置面積を小さくすることもできるからである。
[態様10] 態様8または態様9の流路部材において、前記液体の種類毎に、前記第1凹部と前記第3凹部との少なくとも一部が、積層方向で重複するのが望ましい。かかる積層構造より設置面積を小さくできるからである。
[態様11] 態様5〜態様10の流路部材において、前記第1可撓部材により封止された前記第1凹部の容積は、前記第2可撓部材により封止された前記第3凹部の容積よりも大きいのが望ましい。第1凹部の容積が大きいほど圧力調整のための容積変化量を大きくできるので、流路内圧力調整手段の自由度が広がる。すなわち、ノズル数が多くなっても、効果的に加圧できるからである。また、流路開閉手段の容積が小さいほど、設置面積などの設置に要するスペースを小さくできるので、小型化に寄与できる。なお、ここでいう容積は、可撓部材が変位していない状態での容積とする。
[態様12] 態様5〜態様11の流路部材において、前記第1可撓部材の変位量は、前記第2可撓部材の変位量よりも大きいのが望ましい。第1可撓部材の変位量が大きいほど圧力調整のための容積変化量を大きくできるので、流路内圧力調整手段を効果的に用いることができる。ちなみに、第1可撓部材の変位量は、大気開放した状態と、流路を閉じた状態とにおける変位量(ストローク量)、第2可撓部材の変位量は、大気開放した状態と、加圧した状態、すなわち加圧の結果、対向する壁面に当接した状態とにおける変位量(ストローク量)である。
[態様13] 本発明の他の態様は、吐出部と、態様1〜態様12の流路部材を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッドにある。
本態様によれば、流路部材の小型化、低コスト化に伴い、液体吐出ヘッドの小型化、低コスト化を図ることもできる。
[態様14] ここで、態様13の液体吐出ヘッドにおいて、液体吐出ヘッドは、前記吐出部の負圧を維持する負圧発生手段を有し、該負圧発生手段が、前記吐出部からの液体の吐出に応じて変位可能な可撓部材であって、単一の流路基板に複数の流路内圧力調整手段が配置された方向と交差する方向に変位する可撓部材を有するのが望ましい。負圧発生手段の可撓部材の変位方向が、単一の流路基板内において流路内圧力調整手段が配置された方向と交差する方向なっているので、負圧発生手段と流路部材とが占める全体的なスペースを小さくすることができるからである。
[態様15] 本発明の他の態様は、負圧発生手段と、態様13または態様14の液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置にある。
本態様によれば、小型で、低コストの液体吐出装置を提供できる。
本発明の実施の形態に係る記録装置を示す概略斜視図である。 本発明の実施の形態に係る液体吐出ヘッドを示す概略断面図である。 自己封止ユニットを抽出して示す概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る流路部材を示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係るヘッド本体を示す分解斜視図である。 流路基板の上面図および裏面図である。 流路基板の上面図および裏面図である。 流路基板の上面図および裏面図である。 流路基板の上面図および裏面図である。 流路基板の上面図および裏面図である。 第1可撓部材を示す上面図および裏面図である。 第2可撓部材を示す上面図および裏面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
A:液体吐出装置
本形態に係る液体吐出装置は、インクジェット式記録装置であり、液体吐出ヘッドとしてインクジェット式記録ヘッドを備えたものである。そして、液体吐出ヘッドを移動することなく被噴射媒体である紙等の記録シートを搬送することで印刷を行う、いわゆるライン式記録装置である。
具体的には、図1(本実施形態に係る記録装置を示す概略斜視図である)に示すように、インクジェット式記録装置100(以下、記録装置100ともいう)は、装置本体2に配設したインクジェット式記録ヘッドユニット1(以下、液体吐出ヘッドユニット1ともいう)と、紙等の記録媒体である記録シートSを搬送する搬送手段と、記録シートSの印刷面とは反対の裏面側を支持する支持部材9と、装置本体2の床面に固定された一対のレール11A,11Bと、装置本体2の床面に配設されたクリーニング手段14と、記録装置100の各部の動作の制御を行う制御装置17と、を具備する。これらについては、後に詳述する。
なお、本実施形態では、記録シートSの搬送方向を第1の方向Xと称する。また、液体吐出ヘッド3のノズル開口が開口する面内方向において、第1の方向Xと直交する方向を第2の方向Yと称する。さらに、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する方向を第3の方向Zと称する。また、第3の方向Zについて、記録シートSに対して液体吐出ヘッド3側をZ1側と、反対側をZ2側とする。
(A−1−1)液体吐出ヘッドユニット
本形態に係る液体吐出ヘッドユニット1は、インクジェット式記録ヘッド3(以下、液体吐出ヘッド3ともいう)の複数個をベース板10上に並設した液体吐出ヘッド3の集合体である。
(A−1−2)液体吐出ヘッド
本形態における液体吐出ヘッド3は、CMYKの4色に対応させて、それぞれ2色のインクが供給される自己封止ユニット4,4と各色に対応させて4種類の流路が形成された流路部材5とを、ヘッド本体6と組み合わせて一つのユニットを形成したものであり、本形態では、これがベース板10上で第2の方向Yに4個並設されている。すなわち、液体吐出ヘッド3は、負圧発生手段である2個の自己封止ユニット4,4と、両側から自己封止ユニット4,4に挟まれ、自己封止ユニット4,4から供給されるインクをヘッド本体6に供給する流路部材5と、流路部材5を介して供給されたインクをインク滴として記録シートSの印刷面に吐出するヘッド本体6とを備えている。
なお、本形態における、液体吐出ヘッド3は第1の方向Xに対し傾斜させてベース板10に配設されている。そこで、第1の方向Xに対し傾斜させた液体吐出ヘッド3の配設方向を第4の方向Xa、これに直交し、第2の方向Yに対して同量傾斜させた方向を第5の方向Yaと称する。いずれもX−Y平面上の方向となる。
(A−1−2−1)ヘッド本体
ヘッド本体6は、後に詳述するが、ノズルに連通する複数の圧力発生室を含む液体流路を形成するとともに、圧力発生室内のインクに圧力変動を生じさせる圧電素子等からなる圧力発生手段等を備えた吐出部6A(図5参照;以下同じ)と、吐出部6Aに供給するインクの異物を除去するフィルター手段6B(図5参照;以下同じ)とを有している。かかるヘッド本体6は、ベース板10の下面から下方に突出させてベース板10に配設してある。
(A−1−2−2)自己封止ユニット
自己封止ユニット4は、後に詳述するが、ヘッド本体6のノズル形成面に交差する側面に設けられた凹部の開口をフィルムで封止した液体流路を有する。そして液体流路の途中に弁体を配設し、通常時は、弁体が液体流路を閉鎖するように付勢しておき、インクの吐出に伴い圧力発生室の負圧が所定値以上になった際は、その負圧で変位したフィルムに押圧された弁体が液体流路を開放するように構成されている。かくして、インクの吐出に伴いヘッド本体6の吐出部6Aに所定値以上の負圧が生じれば、フィルムが弁体を押圧し、この押圧力により弁体が開放され、液体流路にインクが流れてヘッド本体6にインクを供給する。
(A−1−2−3)分配ユニット
分配ユニット18は、各ユニットの液体吐出ヘッド3の上面に載置されて第2の方向Yに伸びるとともに、各ユニットの液体吐出ヘッド3の自己封止ユニット4にインクカートリッジ等からの各色毎のインクをそれぞれ分配するとともに、流路部材5の流路内圧力調整弁(図1には図示せず)および流路開閉弁(図1には図示せず)の駆動制御用のエアーを流路部材5にそれぞれ分配する。ここで、自己封止ユニット4の、第3の方向の寸法(高さ)および流路部材5の、第3方向の寸法(高さ)は同一になるように構成されている。この結果、インクとエアーとの分配流路として機能させる分配ユニット18の、各ユニットの液体吐出ヘッド3に対する設置を容易にしている。さらに詳言すると、自己封止ユニット4,流路部材5は、共通の分配ユニット18に接続され、この接続は、分配ユニット18の下面に設けられた突起(凸状の針)を、負圧発生手段である自己封止ユニット4および流路部材5のそれぞれの上面に設けられ穴(凹状の差し込み口)へ差し込むことで行われる。分配ユニット18は、平面状の基板に第2の方向Yに沿って溝を設けるとともに、前記溝をフィルムで封止することで、各ユニットの液体吐出ヘッド3への分配機能を有した流路としている。そこで、分配ユニット18の平面上に沿って設けられた溝に合わせるために、自己封止ユニット4と流路部材5との上面とを第3の方向Zである高さ方向で揃える。なお、分配ユニット18の突起を、自己封止ユニット4と流路部材5の上面の穴とに差し込む際に、全ての突起に対して抗力が同時にかかるのを防ぐために、分配ユニット18の突起の長さを長いものと短いものとに分けている。
(A−1−2−4)流路部材
流路部材5は、後に詳述するが、積層した流路基板101,102,103,104,105と、第1可撓部材160と、第2可撓部材164とにより形成され、流路内圧力調整手段161および流路開閉手段165として機能する。
流路内圧力調整手段161は、自己封止ユニット4とヘッド本体6との液体流路の途中にあり、液体流路の容積を変化させて、液体流路内の圧力を調整する。
流路開閉手段165は、自己封止ユニット4と流路内圧力調整手段161との液体流路の途中にあり、液体流路を開閉する。
(A−2)搬送手段
搬送手段は、液体吐出ヘッド3に対して記録シートSを第1の方向に相対移動させる。搬送手段は、例えば、液体吐出ヘッド3に対して記録シートSの搬送方向である第1の方向Xの両側に設けられた第1の搬送ローラー7と、第2の搬送ローラー8とを具備し、かかる第1の搬送ローラー7と第2の搬送ローラー8とによって、記録シートSを液体吐出ヘッドユニット1の第1の方向Xの上流側及び下流側で搬送する。なお、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラー7,8に限定されず、ベルトやドラム等であってもよい。
(A−3)支持部材
支持部材9は、液体吐出ヘッドユニット1に相対向する位置で記録シートSを支持する。支持部材9は、例えば、第1の搬送ローラー7と第2の搬送ローラー8との間に、液体吐出ヘッド3、特にヘッド本体6のノズル面に相対向して設けられた断面が矩形状を有する金属又は樹脂等が設けられ、第1の搬送ローラー7および第2の搬送ローラー8によって搬送された記録シートSを、液体吐出ヘッドユニット1に相対向する位置で支持する。
なお、支持部材9には、搬送された記録シートSを支持部材9上で吸着する吸着手段が設けられていてもよい。吸着手段としては、例えば、記録シートSを吸引することで吸引吸着するものや、静電気力で記録シートSを静電吸着するもの等が挙げられる。
かかる記録装置100では、第1の搬送ローラー7によって記録シートSが搬送され、各液体吐出ヘッド3によって支持部材9上で支持された記録シートSに印刷が実行される。印刷された記録シートSは、第2の搬送ローラー8によって搬送される。
(A−4)一対のレール
一対のレール11A,11Bは、第2の方向Yに伸張されるとともに、支持部材12A,12B,12Cおよび支持部材13A,13B,13Cを介して装置本体2の床面に固定してある。レール11A,11Bは断面がC型の受部を有する棒状の部材である。前記受部にはベース板10の第1の方向Xの両端部が挿入されている。かくして、ベース板10はレール11A,11B間に支持され、第2の方向Yに沿い移動し得る。この結果、液体吐出ヘッドユニット1は、ベース板10に配設された状態でレール11A,11Bに沿い第2の方向に移動可能となっている。すなわち、第2の方向Yにおいてレール11A,11Bの一端側である基端部側から、他方側である先端側へ移動するとともに、反対側へも移動する。
(A−5)クリーニング手段
レール11A,11Bの途中の部位であって、レール11A,11Bの間における装置本体2の床面には、ヘッド本体6のノズル面(図示せず)をクリーニングするクリーニング手段14が配設されている。本形態におけるクリーニング手段14はワイピング手段15および吸引手段16を有している。
ワイピング手段15は、液滴吐出面であるノズル面をワイピングするワイピングブレードを有するもので、所定のタイミングで液体吐出ヘッドユニット1の第2の方向Yに沿う移動により、ノズル面にワイピングブレードの先端を摺動させ、ノズル面を払拭するワイピング動作が実行される。
吸引手段16は、第2の方向Yでワイピング手段15に隣接して装置本体2の床面に配設されており、所定のタイミングで液体吐出ヘッドユニット1の第2の方向Yに沿う移動により、ノズル面をキャップ部材で覆うとともに、負圧を作用させて前記キャップ部材の内部を吸引することによりノズル開口からインク等を強制的に排出させる吸引動作が実行される。ここで、ワイピングおよび吸引が行われるヘッド本体6は、ベース板10のY方向に沿う移動に伴い、順次ワイピング手段15および吸引手段16の第3の方向Zにおける上方に位置して所定の作業が実行される。
(A−6)制御装置
制御装置17は記録装置100の各部の動作の制御を行うもので、液体吐出ヘッド3におけるインク滴の吐出制御、記録シートSの搬送制御とともに所定位置へのベース板10の移動を伴う所定のタイミングでのクリーニング動作の制御を行う。
B:液体吐出ヘッド
図2は、本発明の実施の形態に係る液体吐出ヘッドを模式的に示す概略断面図である。
同図に示すように、本形態に係る液体吐出ヘッド3は、負圧発生手段である2個の自己封止ユニット4,4、流路部材5およびヘッド本体6を有している。自己封止ユニット4,4は流路部材5の第5の方向Yaにおける両側にそれぞれ配設されている。自己封止ユニット4,4は、後に詳述するが、それぞれ2個のインク供給口126,(127)を介して、CMYKの4色のインクがそれぞれ供給される。なお、図2において、インク供給口127はインク供給口126に重なるので図示していない。インク供給口126、(127)には、インクカートリッジ等のインク貯留手段からCMYKの何れかの色のインクが供給される。
(B−1−1)流路内圧力調整手段の構造
流路部材5は、5枚の流路基板101,102,103,104,105を積層して形成してある。ここで、第3の方向Zにおける流路基板104のZ2側の面(以下、下面という)には第1凹部158が形成され、また流路基板105のZ1側の面(以下、上面という)には第1凹部158に相対向する第2凹部159が形成されている。第1凹部158と第2凹部159との間には、例えばゴムで形成した第1可撓部材160が介在させてある。この結果、第1凹部158と第2凹部159は第1可撓部材160で封止された2つの室となっている。かくして第1可撓部材160の第3の方向Zへの変位量により第1凹部158の容積を調整することができる。流路基板101の上面に開口するエアー流路172は流路基板101,102,103,104を貫通して流路基板105の上面に至る。流路基板105の上面には第2凹部159に連通する水平流路172Aが形成されており、このことにより、流路基板101の上面に設けられたエアー供給口170から第2凹部159に至るエアー流路172が連通される。したがってエアー供給口170を介して、第1流体供給源たるエアー供給源(図示せず)から供給するエアーの量を調整することにより第1可撓部材160の変位量を調整し得る。なお、後述のように、第1凹部158はインク流路と連通している。すなわち第1凹部158、第2凹部159および第1可撓部材160でインク流路の容積を変化させて、インク流路内の圧力を調整する流路内圧力調整手段161を形成している。ここで、図示は省略するが、第1凹部158から第2凹部159へ向かう付勢力を与えるバネが第1凹部158に配設してある。
同様の構成の第1凹部158、第2凹部159が、流路基板104の下面および流路基板105の上面に残り3個形成され、さらに第1可撓部材160が、それらの第1凹部158と第2凹部159との間に介在させてある。すなわちCMYKの各色に対応させた合計4個の流路内圧力調整手段161が、流路基板104の下面および流路基板105の上面で形成するXa−Ya平面に分散させて配設されている。残りの3個も含め、各第2凹部159には、エアー流路172の下端で水平方向に分岐する水平流路172Aを介してエアーが供給され、同様の機能が発揮される。なお、第1凹部158がインク流路と連通し、第2凹部159がエアー流路と連通し、第1可撓部材160がそれらを封止するので、以下の説明では、インク室としての第1凹部158を第1凹部(インク室)158と、エアー室としての第2凹部159を第2凹部(エアー室)159ともいう。
(B−1−2)流路開閉手段の構造
一方、流路基板103の上面には第3凹部162が形成されるとともに、流路基板102の下面には第3凹部162に相対向する第4凹部163が形成されている。第3凹部162と第4凹部163との間には、例えばゴムで形成した第2可撓部材164が介在させてある。この結果、第3凹部162と第4凹部163は第2可撓部材164で封止された2つの室となっている。かくして第2可撓部材164の第3の方向Zへの変位により流路を閉塞または開放することができる。流路基板101の上面に開口するエアー流路171は流路基板101を貫通して流路基板102の上面に至る。流路基板102の上面には水平流路171Aが形成されており、水平流路171Aを介してエアー流路171が第4凹部163に連通している。このことにより、流路基板101の上面に設けられたエアー供給口169から第4凹部163に至るエアー流路171が連通される。したがってエアー供給口169を介して、第2流体供給源たるエアー供給源(図示せず)からエアーを供給することにより第2可撓部材164を変位させて流路を開閉する。なお、後述のように、第1凹部158はインク流路と連通している。すなわち第3凹部162,第4凹部163および第2可撓部材164でインク流路の開閉を行なう流路開閉手段165を形成している。
同様の構成の第3凹部162および第4凹部163が、流路基板103の上面および流路基板102の下面に残り3個形成され、さらに第2可撓部材164が、それらの第3凹部162と第4凹部163との間に介在させてある。すなわちCMYKの各色に対応させた合計4個の流路開閉手段165が、流路基板103の上面および流路基板102の下面で形成するXa−Ya平面の中央部で分散させて配設されている。残りの3個も含め、各第4凹部163には、流路基板101の下面および流路基板102の上面の間に形成されて水平方向にそれぞれ分岐する水平流路171Aを介してエアーが供給され、同様の機能が発揮される。なお、第3凹部162がインク流路と連通し、第4凹部163がエアー流路と連通し、第2可撓部材164がそれらを封止するので、以下の説明では、インク室としての第3凹部162を第3凹部(インク室)162と、エアー室としての第4凹部163を第4凹部(エアー室)163ともいう。
本形態では、第1または第2可撓部材160,164の変位量が大きいほど圧力調整のための体積変化量を大きくできるので、第1凹部158の容積は第3凹部162の容積よりも大きく構成してある。このことにより、流路内圧力調整手段161による所定の圧力調整を容易に、かつ高精度に行なうことができる。
(B−1−3)流路部材の流路
負圧発生手段である一方の自己封止ユニット4から流路部材5に供給されるインクは、流路部材5を介してヘッド本体6の吐出部6Aに供給される。
このため流路部材5には、インク流路として、流路151,152,153が形成されている。流路151は、一方の自己封止ユニット126の2個ある自己封止弁(図2には図示せず)の一方から供給されるインクを第3凹部162に導入するものである。すなわち、流路151は、一方の自己封止ユニット126の下面から流路基板103を第3の方向Zに沿いZ1からZ2に向かって下降し、流路基板103の下面と流路基板104の上面との間で水平に第5の方向Yaに沿ってYa1からYa2に向かい伸張され、さらに流路基板103を第3の方向Zに沿いZ2からZ1に上昇して第3凹部162に開口している。流路152は流路基板103と流路基板104を介して第3凹部162と第1凹部158とを連通している。流路153は、第5の方向Yaにおいて流路152よりもYa1側で、第1凹部158から流路基板104を第3の方向Zに沿いZ2からZ1へ向かって上昇し、流路基板103の下面と流路基板104の上面との間で水平に第5の方向Yaに沿ってYa2からYa1に向かって伸張され、さらに流路基板104,105を貫通し、第3の方向に沿いZ1からZ2に向かって下降して、ヘッド本体6の流路に連通される。なお、流路153のうち、流路基板103の下面と流路基板104の上面との間で水平に、第5の方向Yaに沿ってYa2からYa1に向かって伸張されている部分は、流路151のうち、流路基板103の下面と流路基板104の上面との間で水平に第5の方向Yaに沿ってYa1からYa2に向かって伸張されている部分と第1の方向Xで重複するので図示はされていない。
(B−1−4)流路内圧力調整手段および流路開閉手段の機能
かくして負圧発生手段である自己封止ユニット4からヘッド本体6のフィルター手段6Bを介して吐出部6Aに至る流路151,152,153が形成されるが、流路151と流路152との間に流路開閉手段165が配設されるとともに、流路152と流路153との間に流路内圧力調整手段161が配設される構造となっている。すなわち、自己封止ユニット4から下流に向かって流路開閉手段165および流路内圧力調整手段161を通り、ヘッド本体6に至る流路が形成されており、この流路内の圧力を流路内圧力調整手段161で調整するとともに、流路内圧力調整手段161と自己封止ユニット4との間を流路開閉手段165で開閉するようになっている。なお、流路151,152,153は、同様の構成の流路として各色に対応するよう流路基板103,104,105のXa−Ya平面内に分散して形成されている。
かかる液体吐出ヘッド3によれば次のような作用、効果を得る。この種の液体吐出ヘッド3においては、連続吐出に対応できるようにメニスカスの位置を管理するために、ヘッド内(リザーバーや圧力室)の背圧は負圧に維持されているが、ワイピング時等にノズル開口付近の気泡がその負圧によりノズル開口に引き込まれてしまう恐れがある。気泡がノズル開口に引き込まれてしまうと、ノズル詰まりを生じかねない。
そこで、負圧を解除するために、流路内圧力調整手段161により、流路内の体積を減少させ、流路内を加圧する。その際、流路内圧力調整手段161による体積変動分に対して、流路内の全体の体積が大きいと、体積変動に対して流路内の加圧を効果的に行えない。さらに、流路内にコンプライアンス部分があると、そのコンプライアンス部分が体積変動を吸収してしまい、流路内圧力調整手段161の体積変動による加圧を効果的に行えない。特に、負圧発生手段として自己封止ユニット4を用いる場合は、後に詳述するように、可撓部材としてのフィルム112,113を用いるため、可撓部材がコンプライアンス部分となる。
そこで、加圧を効果的に行うために、自己封止ユニット4の下流側であって、流路内圧力調整手段161の上流側に流路開閉手段165を設け、流路内圧力調整手段161による加圧に先立って、流路開閉手段165により流路を閉塞する。
なお、加圧を解除し負圧にする際には、流路開閉手段165を開いてから流路内圧力調整手段161により容積を増やす。先に流路内圧力調整手段161により容積を増やしてしまうと、メニスカス位置が引き込まれる方向に変位する際に、気泡も引き込まれる可能性がある。これに対して、先に流路開閉手段165を開いておくと、流路内圧力調整手段161により体積を増やしても、流路開閉手段165やそれよりも上流からインクが供給され得るので、メニスカス位置の引き込みに伴い、気泡も引き込まれる可能性を低減できる。
(B−2)自己封止ユニットの構造
図3は自己封止ユニットを抽出して示す概略構成図で、図3(a)は第5の方向Yaから見た概略構成図、図3(b)は第3の方向Zに関するZ1側から見た概略構成図および図3(c)は、図3(a)のA−A′断面で見た概略構成図である。これらの図に示すように、自己封止ユニット4は、全体がほぼ直方体形状の部材であり、本体111の長手方向に沿う側面の両面に、フィルム112,113が熱溶着等により貼着してある。すなわち、自己封止ユニット4は、第4の方向Xaに沿ったフィルム面であって、第5の方向Yaにおいて相対向する2枚のフィルム面を有する。
一方、本体111において第5の方向Yaにおいて相対向する二つの面のうち、一方の面の第4の方向Xaに関する一方側(図中左側)には凹部(図3(c)参照)が形成され、他方の面の第4の方向Xaに関する他方側(図中右側)にも同様の凹部(図3(c)参照)が形成してある。かかる凹部は、フィルム112,113で封止された空間となっている。この結果、空間内の圧力の変化によりフィルム112,113は第5の方向Yaに変位する。すなわち、フィルム112,113と凹部とでダイヤフラム室114,115を形成している。ダイヤフラム室114,115の反対の面側には、連通孔116,117を介して、前記凹部よりは小さい凹部であり、フィルム113,112で封止された弁室118,119が形成されている。
弁体120には、連通孔116を通る軸122の他端が固定されている。軸122の一端は、図示しない受圧板等を介してフィルム112に固定されている。すなわち、弁体120は、この連通孔116に対してフィルム112とは反対側にある。本形態では、連通孔116に対する弁体120側を、第5の方向Yaに関するYa1側と、連通孔116に対するフィルム112側を、第5の方向Yaに関するYa2側とする。また、弁体120は、バネ124によりYa1側からYa2側へ向けて押圧される。フィルム112の変位とバネ124の付勢とにより、弁体120は、連通孔116を開いたり閉じたりする。なお、バネ124は、図示しないバネ受け等を介して、本体111に固定されている。
同様に、弁体121には、連通孔117を通る軸123の他端が固定されている。軸123の一端は、図示しない受圧板等を介してフィルム113に固定されている。すなわち、弁体121は、この連通孔117に対してフィルム113とは反対側にある。弁体121は、バネ125によりYa2側からYa1側へ向けて押圧される。フィルム113の変位とバネ125の付勢とにより、弁体121は、連通孔117を開いたり閉じたりする。なお、バネ125は、図示しないバネ受け等を介して、本体111に固定されている。このように、第4の方向Xaにおいて隣接する弁体120と弁体121とは、互いの連通孔116,117に対して第5の方向Yaの両側に位置する。
かくして、ダイヤフラム室114,115に負圧が作用した場合には、大気圧等によりフィルム112,113のダイヤフラム室114,115に対応する部分が第5の方向Yaに沿い変位する。この結果、弁体120は、図3(c)中Ya1側に、弁体121は、図3(c)中Ya2側にそれぞれ移動して連通孔116,117を開く。ここで、ダイヤフラム室114,115にはヘッド本体6がノズルを介してインクを吐出したことに伴うヘッド本体6の内部の負圧が作用するように構成している。
かくして、本形態における自己封止ユニット4は、フィルム112,ダイヤフラム室114を形成する凹部,弁体120、軸122およびバネ124で形成した自己封止弁Iと、フィルム113,ダイヤフラム室115を形成する凹部,弁体121,軸123およびバネ125で形成した自己封止弁IIとを有している。ここで自己封止弁I,IIは、第4の方向Xaに関して離間させて配設している。このことにより、弁体120,121の軸122,123が第3の方向Zにおいて重なることがないように構成して第3の方向Zに関する自己封止ユニット4の寸法を小さくしている。
本体111の第3の方向Zに関するZ1側にある上面には、自己封止弁I側にインクを供給するインク供給口126と、自己封止弁II側にインクを供給するインク供給口127とが形成されており、内部の流路に連通している。かくして、インク供給口126を介して自己封止弁I側に流入する流入インクF111が流出インクF112として、本体111のZ2側に形成した下面からヘッド本体6に供給され、インク供給口127を介して自己封止弁II側に流入する流入インクF121が流出インクF122として本体111の下面からヘッド本体6に供給される。さらに詳言すると、インク供給口126から供給されたインクは、弁室118に至る。かかる状態で、ヘッド本体6の内部の負圧が作用してダイヤフラム室114に所定以上の負圧が作用し、フィルム112の変位により弁体120が連通孔116を開けば、これに伴い連通孔116を介してインクがダイヤフラム室114内に流入し、該ダイヤフラム室114に出口部128が臨む流路130に導入されて本体111の裏面側を下降し、流出インクF112として本体111の下面の排出口(図示せず)を介してヘッド本体6に供給される。
一方、インク供給口127から供給されたインクは、弁室119に至る。かかる状態で、ダイヤフラム室115に負圧が作用し、フィルム113の変位により弁体121が連通孔117を開けば、これに伴い連通孔117を介してインクがダイヤフラム室115に流入し、このダイヤフラム室115に出口部129が臨む流路131に導入されて本体111の表面側を下降し、流出インクF122として本体111の下面の排出口(図示せず)を介してヘッド本体6に供給される。
さらに本形態においては、図3中の第4の方向Xaに関する本体111の両端面には面取り部132,133が形成されており、当該自己封止ユニット4を複数個配設する際の占有スペースを可及的に縮小できるように工夫している。すなわち、自己封止ユニット4は、フィルム112,113のフィルム面が第4の方向Xaに沿うように配置されるので、第3の方向Zに関するZ1側から見た自己封止ユニット4の外形が長方形であると、第1の方向Xの寸法が大型化してしまう。これに対して、図3(b)に示すように、自己封止ユニット4に面取り部132,133を設けることにより、第1の方向Xの寸法を小型化している。
また、自己封止弁I,IIにおける流路130,131の何れもが、隣接する自己封止弁I,IIの軸122,123の間に配設されている。この結果、流路130,131が軸122,123よりも本体111の第4の方向Xaに関する両端面側に配設されている場合に較べ、自己封止ユニット4の第4の方向Xaに関する寸法を小さくすることができる。加えて、流路130,131の何れもが軸122,123の間に配設されることで、本体111の第4の方向Xaに関する端面に面取り部132,133を形成する際に、流路130,131の位置が障害となることがなく、当該自己封止ユニット4を複数個配設する際の占有スペースを可及的に縮小できるように工夫している。
また、本形態における自己封止弁I,IIは、図3(a)に明示するように、第5の方向Yaから透視した場合に、ダイヤフラム室114,115の一部が重複するように形成してある。このように一部重複させることにより自己封止弁I,IIを第4の方向Xaにおける本体111の中央部に寄せることが出来るので、このことによっても、第4の方向Xaに関する寸法を小さくするとともに、面取り部132,133を容易に形成することができるようになる。
かかる本形態における自己封止ユニットにおいては、分配ユニット18から圧送して供給されたインクが、自己封止弁機能を発揮するダイヤフラム室114,115を介して、流路部材5に向けて排出される。それにより、インク供給源から供給されるインクが加圧されていても、ヘッド本体6の内部を負圧に維持することができる。
(B−3)流路部材の積層構造
図4は本発明の実施の形態に係る流路部材を示す分解斜視図である。なお、同図中、図2と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
流路部材5は、流路基板101(図2参照),102(図2参照),103,104,105を積層してなる。ただ、流路基板101,102はハウジング173の内部に収納されているので、図示はされていない。また、エアー供給口169,170がハウジング173の上面に設けてあり、エアー供給口169,170は、それぞれブッシング178およびワッシャ179を介して図示しない分配ユニット18に連結され、図示しないエアー供給源と連通される。また、図示は省略しているが、ハウジング173の側壁面173A,173Bには2個の自己封止ユニット4,4を当接させて配設してある。ハウジング173および積層された流路基板103〜105は複数の締結ネジ174およびそれぞれに螺合されるナット176で強固に締結されて一体化されている。これは次の理由による。流路内圧力調整手段161の高さ方向の一番上の部材は、流路開閉手段165に連通するエアー流路172を形成する。このエアー流路172には加圧されたエアーが送られる。そこで、加圧されたエアーがエアー流路172内を流れてもエアー流路172としても強度を保つために、締結ネジ174およびナット176により強固に固定する。
一方、流路内圧力調整手段161の高さ方向の一番上の部材を固定する締結ネジ175はこれに螺合されるナット177とともに、流路基板103〜105のみを一体化している。これは、流路開閉手段165に設けられた第2可撓部材164であるゴムと重なる位置にあるためである。
上述の如く本形態においては、流路基板101〜105を積層構造としたが、その理由は次の通りである。流路内圧力調整手段161は、流路内の体積を容易に変動させるために、本形態では、流路途中の形状を、第1可撓部材160たるゴムの受圧面積が広くなるような部屋の形状にしたうえで、ゴムの姿勢を変位させている。しかも、後述する通り、CMYKの色間のゴムを、別々の部材ではなく単一のゴムとしているために、各色の流路内圧力調整手段161は、同一平面上に配置している。そのため、ゴムを配置したXa−Ya面内方向に余剰のスペースが少なくなっている。そこで、流路内圧力調整手段161と、流路開閉手段165とを異なる層に分けて積層している。
なお、CMYKの各色について、流路内圧力調整手段161および流路開閉手段165の積層位置がそれぞれの色間で同じになっており、流路内圧力調整手段161の第1可撓部材160や流路開閉手段165の第2可撓部材164であるゴムを色間で同一平面上に配置することができる。このため、反力が生じる位置を同一平面上にすることができ、積層構造の流路基板101〜105の固定をより強固にすることができる。ここで、CMYKの各色についての第2可撓部材164を単一のゴム部材としても良い。かかる構造は、ゴムの挟持の観点からは好ましい。
また、流路内圧力調整手段161および流路開閉手段165の積層位置が同じであるので、流路内圧力調整手段161および流路開閉手段165間のインク流路やエアー流路もCMYKで積層位置を同じにできる。よって、各流路を構成するための積層基板である流路基板103〜105もCMYK間で単一の部材とすることができる。
また、本形態では、インクの上流側に流路開閉手段165を、下流側に流路内圧力調整手段161を積層している。このため、流路開閉手段165および流路内圧力調整手段161を構成する積層基板である流路基板103〜105は、上流側から、流路開閉手段165の第4凹部(エアー室)163→流路開閉手段165の第3凹部(インク室)162→流路内圧力調整手段161の第1凹部(インク室)158→流路内圧力調整手段161の第2凹部(エアー室)159となる順番で重ねている。インクのための積層用の流路基板103,104が上から3層目と4層目と、連続した順番にすることで、インク流路用の貫通口や溝を積層基板に設ける数を減らすことができる。なお、流路開閉手段165用のエアーと、流路内圧力調整手段161用のエアーとは、後述するように、異なるタイミングで加圧制御しなければならないため、それぞれ別々のエアー流路171,172とせざるを得ない。このエアーのための積層基板が上から2層目と3層目に連続しても、エアー流路用の積層基板をその間に挟むのであれば、積層基板の数が多くなってしまう。
なお、流路開閉手段165のインク室である第3凹部162と、流路内圧力調整手段161のインク室である第1凹部158とは、後者の容積が前者の容積よりも大きい。流路開閉手段165は、流路の開閉ができればよいのに対して、流路内圧力調整手段161は、流路体積を変動させて流路内の圧力を調整するために、より大きな変動幅を有するようにしたいからである。そのため、流路内圧力調整手段161の設置面積が、流路開閉手段165の設置面積よりも大きい。そして、筐体全体を小型化するために、負圧発生手段(自己封止ユニット4)からの流路を設けた層に対して、流路開閉手段165を負圧発生手段である自己封止ユニット4側に、流路内圧力調整手段161をその反対側に配置している。その結果、層のXa−Ya面内方向において、流路開閉手段165は自己封止ユニット4の間に配置されている。なお、第1および第2可撓部材としてのゴムにより、インク室である第1および第3凹部158、162が封止された流路内圧力調整手段161と流路開閉手段165のそれぞれにおいて、容積という場合には、第1および第2可撓部材160,162が変位していない状態での容積を言うものとする。
また、流路内圧力調整手段161からの流路153は、それよりも下流側でX−Y平面上に配置された中継基板へのアクセスを考慮して、ヘッドユニットの四隅へ持ってくる必要があり、積層方向に透視すると、流路開閉手段165のインク室である第3凹部162と、流路内圧力調整手段161のインク室である第1凹部158とは、一部が重複するような配置になっている。
また、流路内圧力調整手段161のエアー供給源が共通であるが、積層方向においてエアー供給口170から流路基板101〜104に貫通口を設けたエアー流路を引き回すので、流路内圧力調整手段161のエアー流路は、積層方向の最も下側で分岐する。これにより、例えば積層方向の最も上側で分岐する場合と比較すると、積層基板に設ける貫通口の数を減らすことができ、特にX−Y方向における小型化に寄与する。
シール部材204は流路基板103と流路基板102(図4には図示せず)との間に挟持されてインク室である第3凹部162とエアー室である第4凹部163(図4には図示せず)とを封止する部材である。シール部材206は流路基板105と流路基板104との間に挟持されてエアー室である第2凹部159とインク室である第1凹部158(図4には図示せず)とを封止する可撓性のゴム部材で形成した第1可撓部材160である。本形態における第1可撓部材160はCYMKの4色分が一体的に形成されている。
第1可撓部材160は付勢手段であるバネ203で常時第2凹部159に向けて付勢されている。この結果、通常は、第1凹部158(図4には図示せず)の容積、すなわち流路内圧力調整手段161の容積は最大になっている。
自己封止ユニット4(図2参照)から供給されるインクは、流路基板103に設けた4個のインク流入口201からそれぞれ流れ込んで流路151に通じる。すなわち、第3の方向Zに沿いZ1からZ2に向かって下降した後、流路基板104に形成された水平流路を通り、その後第3の方向Zに沿いZ2からZ1に向かって上昇した後、孔162Aを介して流路基板103の第3凹部162に至る。さらに、第3凹部162の孔162Bを介して、流路152を通り、流路基板104の裏面に形成された第1凹部158(図4には図示せず)に至る。その後、流路基板104に設けた流路153を経ることにより、ブッシング207を介して連通されているヘッド本体6(図4には図示せず)に供給される。
(B−4)ヘッド本体
図5は本発明の実施の形態に係るヘッド本体6を示す分解斜視図である。同図に示すように、ヘッド本体6は吐出部6Aとフィルター手段6Bからなりフィルター手段6Bをビス211で吐出部6Aに固定することで一体化されている。さらに、フィルター手段6Bはフィルター部6B1とケース部6B2からなる。ケース部6B2の各色CMYKに対応させた4本のインク流入部208に、図4に示すブッシング207を介して流路部材5を連結することで流路部材5を介して自己封止ユニット4(図2参照)、さらにはインクカートリッジ等のインク供給源(図示せず)に接続する。フィルター209は金属細線をメッシュ状に編んで形成され、インクを流通させることによりインク中の異物を捕捉して除去する。フィルター209はフィルター部6B1のケース300に形成された開口部210に配設される。この結果、流路部材5から供給されたインクはCMYKの各色毎にフィルター209で異物が除去されて吐出部6Aに供給される。
吐出部6Aは、例えば圧電アクチュエーター等の駆動素子の駆動により、ノズル開口(図示せず)を介してインク滴を吐出する。したがって、例えばインクが充填されている圧力発生室に圧力発生手段で圧力変化を生じさせることができれば、特に圧力発生手段を限定するものではないが、第3の方向Zに積層された圧電アクチュエーターを好適に適用し得る。この種の圧電アクチュエーターには、例えば、成膜及びリソグラフィ法によって形成された薄膜型や、グリーンシートを貼付する等の方法により形成される厚膜型等も含まれる。また、圧電アクチュエーターは、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型を使用することができる。さらに、圧力発生手段として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口からインク滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することもできる。
(B−5)各積層基板および各弾性部材の特性や形状
各流路基板101〜105の平面図のうちZ1側から見た表面図を図6(a)〜図10(a)として、Z2側から見た裏面図を図6(b)〜図10(b)としてそれぞれ示す。また、図11(a)は第1可撓部材を示す上面図、同図(b)はその裏面図、図12(a)は第2可撓部材を示す平面図、同図(b)はその裏面図である。これらの図面を追加して本形態に係る液体吐出ヘッド3の説明を続ける。なお、これらの図面中、図2および図4と同一部分には同一番号を付し、重複する説明は省略する。
本形態における負圧発生手段である自己封止ユニット4の弾性部材はフィルム112,113で形成しているのに対し、流路内圧力調整手段161や流路開閉手段165の弾性部材である第1および第2可撓部材160,164はゴムで形成している。その理由は次の通りである。可撓部材としてのゴムとフィルムとを比較すると、ゴムは、それを固定するためにネジを用いて強固に挟持する必要があるのに対して、フィルムは熱溶着等すれば良いだけなので、可撓部材の固定という点でフィルムの方が容易である。また、コストの観点からも、一般的にはフィルムの方が安価である。ただし、変位量という点では、特にゴムの形状にも依存するが、ゴムの方が大きいものを得やすい。変位に要する応答性も、特にゴムの形状にも依存するが、一般にゴムの方が良好である。負圧発生手段である自己封止ユニット4においては、大きな変位量が必要となるわけではないので、貼着作業の点や、コストを勘案して、フィルムを用いている。なお、後述のように、流路開閉手段165の動作に起因するインクの流れを吸収する点でも、フィルムの方が良い。他方で、流路内圧力調整手段161や流路開閉手段165は、その目的であるワイピング等に要する時間を短くするために、ワイピング等をする際や、これを終えた際の切り替えである応答性が良い方が好ましい。また、負圧発生手段である自己封止ユニット4よりも一般に変位量が大きい方が好ましい。よって第1および第2可撓部材160,164にはゴムを用いている。
また、本形態においては負圧発生手段を縦置きにする一方で、流路内圧力調整手段161や流路開閉手段165は、横置きにしている。すなわち、負圧発生手段たる自己封止ユニット4について、その可撓部材たるフィルムの変位の方向が、第3の方向Zに直交する方向となるように自己封止ユニット4を配置し、また、流路内圧力調整手段161や流路開閉手段165の可撓部材たる第1可撓部材160や第2可撓部材164の変位の方向が、第3の方向Zとなるように流路内圧力調整手段161や流路開閉手段165を配置している。その理由は次の通りである。縦置きの場合、気泡が浮力により上側に溜まってしまう恐れがある。横置きであれば、気泡が溜まってしまう可能性を低減できる。なお、流路開閉手段165における流路の出入口は、積層された流路基板103の下側にあるが、横置きなので問題はない。また、可撓部材であるフィルム112,113の受圧面積が大きい方が好ましい自己封止ユニット4を横置きにせずに縦置きにすることで、設置面積・スペースの観点からの小型化を図っている。比較例として、例えば、自己封止ユニット4を横置きにすると、その受圧面積を確保するには、流路内圧力調整手段161や流路開閉手段165と層を変えて積層せざるを得ないが、その場合には積層方向(上下方向)の寸法が大きくなってしまう。なお、CMYKの色間において、自己封止ユニット4から流路開閉手段165までの層を共通化することで、積層方向の寸法を小さくし、また部品点数を減らすことも行っている。
さらに本形態では、図2に示すように、自己封止ユニット4が流路部材5の両側に配設され、かつ流路内圧力調整手段161と流路開閉手段165とが流路部材5の中央部に配設されているが、このことにより自己封止ユニット4,4と流路開閉手段165との間の流路長や流路引き回しに要する寸法、および流路開閉手段165と流路内圧力調整手段161との間の流路長や流路引き回しに要する寸法を小さくできる。比較例として、例えば、流路部材5の片側にCMYKの自己封止ユニット4,4の両方を配設し、もう片側にCMYKの流路開閉手段165と流路内圧力調整手段161とを配設した場合、流路長が長くなってしまい、圧力損失・気排性の観点から好ましくない。また、一方の自己封止ユニット4および流路部材5を連通する流路と、他方の自己封止ユニット4および流路部材5を連通する流路とが、第1の方向Xに並ぶような引き回しになってしまい、引き回しに要する寸法も大きくなってしまうとともに、液体吐出ヘッド3の全体としての小型化を図るためには好ましくない。
本形態において流路内圧力調整手段161により加圧する程度やバッファ量に関し、流路内圧力調整手段161が加圧する程度は、1)下流側のノズル開口数、2)メニスカスの半球の程度、3)吐出部6Aにおけるリザーバーや圧力室内のコンプライアンス機能に依存する。流路内圧力調整手段161による流路体積の変化量の一例としては(必ずしもこれに限らないが)、吐出部6Aのリザーバーの体積よりも大きいことが挙げられる。この程度あれば、リザーバーに対して多数のノズルが設けられているとしても効果的に加圧を行うことができる。
なお、第1可撓部材160の変位量は、第1可撓部材160に対向するインク室である第1凹部158の壁面と第1可撓部材160との間隔により特定している。すなわち、第1可撓部材160が変位して、対応する第1凹部158の壁面に当接した段階において、狙い値としての流体に対する加圧がなされているようにする。これにより、際限なく第1可撓部材160が変位してしまう場合と比較すると、所望する程度まで加圧を行うのが容易となるとともに、過度の加圧によりゴムの破断等を防ぐことができる。
本形態においては、流路内圧力調整手段161により流路体積を変動させる前に、流路開閉手段165により流路を閉じているが、流路開閉手段165に第3凹部162と第2可撓部材164を用いるため、流路開閉手段165によっても流路体積および流路内圧力が変動しうる。それに伴い、ノズル開口からインクが流れないように、例えばメニスカス耐圧およびリザーバー等のコンプライアンスや、自己封止ユニット4のフィルム112,113の張力を適宜設定している。具体的には、流路開閉手段165から負圧発生手段である自己封止ユニット4までの流路抵抗が、流路開閉手段165からノズル開口までの流路抵抗よりも小さくなるようにする。それにより、流路開閉手段165により流路を閉じても、ノズル開口からインクが流れないようすることができる。
本形態における流路内圧力調整手段161のインク室である第1凹部158内の上面には、図9(b)に示すように、供給口167から放射線状に敷衍された溝166が設けられている。これは、流路内圧力調整手段161のインク室である第1凹部158が、断面円形となっており、円の中心の供給口167から流入したインクが、中心から円弧上の任意の点の方向に配置された排出口168から流出するからである。すなわち、流路内圧力調整手段161をインク室であるエアー室である第2凹部159への加圧により、第1凹部158と第2凹部159とを仕切る第1可撓部材160が、インク室である第1凹部158側へ撓んだ場合に、第1可撓部材160の撓み量によっては流体の供給口を第1可撓部材160であるゴムが塞いでしまう可能性がある。また、それ以外にも、チョーク吸引(ノズル開口の面へのキャップにより設けられた密閉空間内を吸引して、ノズル開口からインクを強制的に出させる場合に、流路途中を閉じて負圧をためて行う吸引)においても、供給口をゴムが塞いでしまう可能性がある。そこで、流路内圧力調整手段161のインク室側の供給口167を、円の中心に設けた溝166の底に設け、かつ、その溝166を円の中心から円弧上の任意の点の方向へ敷衍させることで、第1可撓部材160が撓んでも、溝166がインク流路としてインクの経路を確保し、供給口167や供給口167から排出口168までの経路を塞いでしまわないようにしている。
なお、インク室である第1凹部158内の気排性を考慮すると、溝166が敷衍する方向は、供給口167から排出口168までの直線上にない方が良い。直線上になければ、第1可撓部材160の撓みにより第1凹部158内をインクが流れる方向が変わり、流れが変化する前に第1凹部158内に滞っていた気泡が流れの変化により排出され易くなるからである。
特に、図4に示すように、流路内圧力調整手段161内で第1可撓部材160を、第1凹部(インク室)158から第2凹部(エアー室)159側へ向けて付勢するバネ203がある場合、流路内圧力調整手段161内の第1可撓部材160は、第2凹部(エアー室)159側に変位した状態と、第1凹部(インク室)158側に変位した状態とを、それぞれ維持できる形状になっている。仮に、第1凹部(インク室)158側に変位した状態が印刷中に生じると、供給口167と第1可撓部材160との隙間が狭まるなどして、圧力損失が大きくなってしまう。そこで、そうした変位を印刷中に生じさせないように、第1凹部(インク室)158側から第2凹部(エアー室)159側へ向けて付勢するバネ203を設けるのが望ましい。なお、流路内圧力調整手段161内の第1可撓部材160としてゴムを用いる場合には、変位した状態を維持するために2安定ゴムを用いるのが好ましく、第2凹部(エアー室)159側を大気開放した状態(デフォルトの状態)では、バネ203の付勢により、第2凹部(エアー室)159側に凹んだ姿勢を維持できる。また、バネ203の付勢に代えて、あるいは併せて、第2凹部(エアー室)159側を吸引などしてもよい。それにより、印刷中の第1可撓部材160の変位を確実に抑えることができる。
また、第2凹部(エアー室)159側を大気開放した状態(デフォルトの状態)では、第1可撓部材160が第2凹部(エアー室)159側に凹み、さらに付勢される結果、第2凹部(エアー室)159側の対応する側面に当接していることが好ましい。それにより、第1可撓部材160がどこにも当接していない場合と比較すると、印刷中の第1可撓部材160の変位を確実に抑えることができる。
一方、流路開閉手段165内の第2可撓部材164を付勢するバネは設けていない。その理由は次の通りである。流路内圧力調整手段161と流路開閉手段165とは、共通のネジにより積層して固定される。その際に、流路内圧力調整手段161と流路開閉手段165との両方にバネがあると組立が難しくなる。また、流路開閉手段165の第2可撓部材164としてゴムを用いる場合には、流路内圧力調整手段161内の第1可撓部材160と異なり、膜状のゴムとすることが好ましい(図12参照)。それにより、変位した姿勢を維持するようにならず、流路開閉手段165内の第2可撓部材164のゴムが流路開閉手段165内のインクの流れを閉塞する状態を、流路内圧力調整手段161内のそれと比較すると、起こりにくくすることができる。そこで、流路開閉手段165内には、第2可撓部材164を付勢するバネは設けないことで、組み立てを容易にすることができる。
なお、流路開閉手段165と流路内圧力調整手段161とを同一平面上に配置する場合には、組み立ての困難性は生じないので、流路開閉手段165内の第2可撓部材164を付勢するバネを設けてもよい。それにより、印刷中の第2可撓部材164の変位を抑えることができる。また、バネの付勢に代えて、あるいは併せて、第4凹部(エアー室)163側を吸引などしてもよい。
流路内圧力調整手段161内の第1可撓部材160は、負圧解除する場合には、第1凹部158(インク室)内の体積を小さくする必要がある。このため、図11に示すように、流路開閉手段165内の第2可撓部材164よりも変位量が大きくなるような形状としている。具体的には、円の中心部分厚みより円弧側の厚みを薄くし、かつ薄くした部分を変位方向に屈曲させることで、変位量が大きくなるようにしている。また、負圧解除したい場合とそうでない場合との2段階に、ゴムの姿勢を切り替えたいため、いわゆる2安定ゴムを用いることで、安定的にゴムの姿勢を切り替え可能としている。
なお、流路開閉手段165の第2可撓部材164は、いわゆる2安定ゴムではなく、図12に示すように、膜状のゴムとしてもよい。いわゆる2安定ゴムを配置するには、膜状のゴムよりも設置面積が多く必要になってしまうが、流路開閉手段165の第2可撓部材164を膜状のゴムとすることで、流路開閉手段165に要する設置面積を小さくすることができる。本形態では、図2に示すように、第5の方向Yaにおいて流路基板103よりも流路基板102を小型化して、自己封止ユニット4が流路開閉手段165の両側に配設されるようにしている。すなわち、自己封止ユニット4が、第3の方向Zにおいて、流路開閉手段165を形成する流路基板102、103の少なくとも1つと同じ積層位置に配置されるようにしている。これにより、液体吐出ヘッド3を小型化している。
エアー流路の分配に関して、本形態では流路開閉手段165内のインク室である第3凹部162と、流路内圧力調整手段161内のインク室である第1凹部158とは、インクの種類(色)毎に設ける必要がある。もし、設けない場合には、ノズル面に対するワイピングのタイミングをインクの種類ごとに切り替える前提で、これらの流路開閉手段165内のインク室である第3凹部162や流路内圧力調整手段161内のインク室である第1凹部158へ流すインクの種類も切り替えるようなインク流路切替機構が必要になる。一方、流路開閉手段165内の第3凹部162や流路内圧力調整手段161内の第1凹部は、これらの第1および第2可撓部材160,164を変位させるエアーが共通であるので、インクの種類(色)毎に設ける必要はない。
そこで、インクの種類毎に設けられた流路開閉手段165内の第3凹部162は、エアー流路により連通していてもよいし、共通のエアー室となっていてもよい。同様に、インクの種類毎に設けられた流路内圧力調整手段161内の第1凹部158は、連通していてもよいし、共通のエアー室となっていてもよい。ただし、共通のエアー室とする場合には、体積が大きくなってしまうので、可撓部材の受圧面積に対して、エアーの加圧する効果が小さくなってしまう。これに対して、インクの種類毎にエアー室を設ける場合には、エアー室の体積が大きすぎることがないので、加圧の効果は小さくはならない。
なお、負圧解除の動作をさせる際に、1)流路開閉手段165内の第2可撓部材164の変位により流路を閉塞し、その後、2)流路内圧力調整手段161内の第1可撓部材160の変位により流路体積を小さくする必要があるので、流路開閉手段165内の第4凹部163と流路内圧力調整手段161内の第2凹部159とを共通のエアー室とすることはできない。また、互いのエアー室を連通させる場合には、エアー流路切替機構が必要になる。
流路開閉手段165の動作は、流路開閉手段165内の第4凹部(エアー室)163の加圧と減圧とを切り替えて行われる。流路開閉手段165内の第3凹部(インク室)162の流路を閉塞する場合には、加圧する。閉塞を解除する場合には、大気開放させる。なお、流路開閉の応答性を速めるために、大気開放に加え(代えて)、減圧することで閉塞を解除してもよい。
また、ノズル開口面をキャップによりキャッピング(密閉)し、キャップ側に設けた吸引ポンプの吸引により密閉空間内を負圧にして強制的にヘッド内のインクを排出する場合に、チョークしたくなければ減圧する。チョークしたければ加圧する。チョークした状態で吸引を行うと、負圧がヘッド本体6内で貯められ、流路開閉手段165より下流側に設けられたフィルター手段6Bのフィルター部6B1よりも上流の流路に滞った気泡を、フィルターを通過させて排出させることができる。
流路開閉手段165の第2可撓部材164について、インクの種類毎の第2可撓部材164が同一平面上にある場合には、インクの種類ごとの第2可撓部材164を単一の部材とすることができる。すなわち、1つの可撓部材が、インクの種類の数に必要な大きさを有していればよい。また、流路内圧力調整手段161の第1可撓部材160も同様である。また、流路開閉手段165や流路内圧力調整手段161内の可撓部材が設けられる平面上には、流路開閉手段165や流路内圧力調整手段161へ供給されるインク流路も配置されている。こうしたインク流路と流路開閉手段165や流路内圧力調整手段161とを同じ部材で形成し、かつ、これらの部材を積層しているので、可撓部材が設けられる平面でインク流路が分断される。分断されたインク流路をシールするために、Oリングを用いてもよいが、Oリングも流路開閉手段165や流路内圧力調整手段161内のゴムと単一の部材で設けてもよい。
上記実施の形態では、負圧発生手段として自己封止ユニット4を用いる場合を説明したが、負圧発生の態様は、これ以外に、カートリッジ内の負圧を用いるものであってもよく、ヘッド本体6と流路が連通したタンクの位置をヘッド本体6に対して調整した水頭圧差を用いるものであってもよい。要は、ヘッド本体6の液体流路内が負圧となるように構成することができれば良い。
また、上記実施の形態では、液体吐出装置が一対のレール11A,11Bや、クリーニング手段14を備えていたが、これに限らず、液体吐出ヘッドユニット1を備えていればよい。また、ヘッド本体6は、圧力発生室と、圧力発生室内のインクに圧力変動を生じさせる圧力発生手段とを備えていればよい。
また、流路開閉手段165は、流路を開閉するために、第2可撓部材164を変位させて第3凹部162のインク流路を閉塞したり開放したりして、流路内圧力調整手段161による流路内の体積変動が流路開閉手段165より上流側で吸収されないようにしたが、これに限られない。すなわち、流路内圧力調整手段161による流路内の体積変動が流路開閉手段165より上流側で吸収されないようにできれば、流路開閉手段165による開閉により液体流路を完全に閉塞しなくてもよく、例えば流路開閉手段165による開閉により流路内圧力調整手段161と負圧発生手段との間の流路抵抗が小さい状態と大きい状態とで切り替えることができればよい。これにより、印刷中の圧力損失を低減するとともに、流路内圧力調整手段161による流路内の体積変動が流路開閉手段165より上流側で吸収されないようにもできる。すなわち、流路開閉手段165により流路を閉じるという場合には、流路を完全に閉塞する場合だけでなく、流路の流路抵抗が小さい状態から大きい状態へ切り替わる場合をも含む。流路内圧力調整手段161による体積変動分に対する流路内の全体の体積を小さくするために、流路開閉手段165を用いる場合も同様である。
また、上記実施の形態では、インクジェット式記録装置100として、液体吐出ヘッドユニット1が装置本体2に固定されて、記録シートSを搬送するだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置を例示したが、特にこれに限定されず、液体吐出ヘッド3を記録シートSの搬送方向である第1の方向Xとは交差する方向、例えば、第2の方向Yに移動するキャリッジに搭載して、液体吐出ヘッド3を搬送方向とは交差する方向に移動しながら印刷を行う、所謂シリアル型記録装置にも本発明を適用することができる。
さらに、上記実施の形態では、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッドを例示して本発明を説明したが、本発明は、広く液体吐出ヘッド全般を対象としたものである。液体吐出ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
1 液体吐出ヘッドユニット、 2 装置本体、 3 液体吐出ヘッド、 4 自己封止ユニット、 5 流路部材、 6 ヘッド本体、 18 分配ユニット、 100 記録装置、 101,102,103,104,105 流路基板、 112,113 フィルム、 120,121 弁体、 130,131 流路、 151,152,153 流路、 158 第1凹部、 159 第2凹部、 160 第1可撓部材、 161 流路内圧力調整手段、 162 第3凹部、 163 第4凹部、 164 第2可撓部材、 165 流路開閉手段、 171,172 エアー流路

Claims (15)

  1. 駆動素子の駆動によりノズル開口を介して液体を吐出する吐出部を備え、複数種類の液体をそれぞれ貯留する液体貯留部と連通する液体吐出ヘッドに用いる流路部材であって、
    前記液体貯留部と吐出部とを連通する流路の途中に配設され、液体の種類毎に形成された第1凹部が一体的に形成された第1流路基板と、
    前記第1凹部と、該第1凹部をそれぞれ封止する第1可撓部材とを備える一方、第1流体供給源から供給される流体の量の増減により前記第1可撓部材を変位させて、前記第1凹部と前記第1可撓部材とにより形成された流路の容積を変化させることで、その内部の圧力を調整する流路内圧力調整手段とを有することを特徴とする流路部材。
  2. 請求項1に記載する流路部材において、
    さらに、第2凹部が形成された第2流路基板を備え、
    前記第1可撓部材は、相対向して配設される前記第1凹部および第2凹部間を封止するように構成したことを特徴とする流路部材。
  3. 請求項2に記載する流路部材において、
    前記第2凹部は、液体の種類毎にあり、複数の前記第2凹部は、一体的に前記第2流路基板に形成されていることを特徴とする流路部材。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか一項に記載する流路部材において、
    前記第1凹部からの液体の出口は、鉛直方向の上側にあることを特徴とする流路部材。
  5. 請求項1〜請求項4の何れか一項に記載する流路部材において、
    さらに、前記液体貯留部と前記第1凹部とを連通する流路の途中に配設され、前記液体の種類毎の第3凹部が一体的に形成された第3流路基板と、
    複数の前記第3凹部をそれぞれ封止する第2可撓部材と、
    第2流体供給源から供給される流体の量の増減により前記第2可撓部材を変位させて、前記第3凹部内の流路を開閉する流路開閉手段とを有することを特徴とする流路部材。
  6. 請求項5に記載する流路部材において、
    さらに、第4凹部が形成された第4流路基板を備え、
    前記第2可撓部材は、相対向して配設される前記第3凹部および第4凹部間を封止するように構成したことを特徴とする流路部材。
  7. 請求項6に記載する流路部材において、
    前記第4凹部は、液体の種類毎にあり、複数の前記第4凹部は、一体的に第4流路基板に形成されていることを特徴とする流路部材。
  8. 請求項5〜請求項7の何れか一項に記載する流路部材において、
    前記第1流路基板と、前記第3流路基板とが、同一の部材であることを特徴とする流路部材。
  9. 請求項5〜請求項7の何れか一項に記載する流路部材において、
    前記第1流路基板と、前記第3流路基板とは、別の部材であり、前記第1流路基板の両面のうち、前記第1凹部が形成されていない面と、前記第3流路基板の両面のうち、前記第3凹部が形成されていない面とが相対向するように、積層されることを特徴とする流路部材。
  10. 請求項8または請求項9に記載する流路部材において、
    前記液体の種類毎に、前記第1凹部と前記第3凹部との少なくとも一部が、積層方向で重複することを特徴とする流路部材。
  11. 請求項5〜請求項10の何れか一項に記載する流路部材において、
    前記第1可撓部材により封止された前記第1凹部の容積は、前記第2可撓部材により封止された前記第3凹部の容積よりも大きいことを特徴とする流路部材。
  12. 請求項5〜請求項11の何れか一項に記載する流路部材において、
    前記第1可撓部材の変位量は、前記第2可撓部材の変位量よりも大きいことを特徴とする流路部材。
  13. 請求項1〜請求項12の何れか一項に記載する流路部材を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  14. 請求項13に記載する液体吐出ヘッドにおいて、
    さらに前記吐出部の負圧を維持する負圧発生手段を有し、該負圧発生手段は、前記吐出部からの液体の吐出に応じて変位可能な可撓部材であって、単一の流路基板に複数の流路内圧力調整手段が配置された方向と交差する方向に変位する可撓部材を有することを特徴とする液体吐出ヘッド。
  15. 請求項13または請求項14に記載する液体吐出ヘッドを備えた液体吐出装置。
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