JP6721013B2 - 液体吐出ヘッドおよび流路構造体 - Google Patents

液体吐出ヘッドおよび流路構造体 Download PDF

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Description

本発明は、インク等の液体を吐出する技術に関する。
液体貯留室から圧力室に供給されるインクなどの液体を、圧力室内に圧力変化を生じさせることによってノズルから吐出する液体吐出ヘッドが従来から提案されている。この種の液体吐出ヘッドでは、液体貯留室への液体導入や圧力室の圧力変化によって、液体貯留室内に圧力変動が発生すると、その圧力が圧力室に伝わってしまい、液体の吐出不良を引き起こす虞がある。このため、例えば特許文献1の液体吐出ヘッドでは、液体貯留室(マニホールド)を構成する凹部を可撓膜(フィルム)で閉塞してシールすることによって壁面の一部を可撓膜で構成する。この構成によれば、可撓膜が撓むことによって液体貯留室の圧力変動を吸収させることで、吐出不良を抑制できる。さらに特許文献1では、可撓膜を挟んで液体貯留室とは反対側に可撓膜が撓む空間を形成し、その空間を液体貯留室の周囲に延びる連通路によって大気開放口(貫通孔)に連通する。このように構成することで、可撓膜が撓む空間の空気が可撓膜の動きに応じて大気開放口から出入りすることができるので、可撓膜が動き易くなる。
特開2015−057315号公報
しかしながら、特許文献1のように可撓膜が撓む空間を大気に連通する連通路を設ける構成では、連通路の幅が狭いほど連通路の断面積も小さくなるから空気抵抗が大きくなるので、可撓膜が撓む空間の空気が連通路を介して大気との間で出入りし難くなる。そのため、可撓膜が動き難くなって液体貯留室の圧力変動の吸収効果が低下してしまう。逆に、連通路の幅が広いほど、連通路内に露出する可撓膜は連通路内に撓み易くなるから、液体貯留室の周囲の領域において流路部材と可撓膜とのシール性が低下し、液体のリークが発生してしまう虞がある。以上の事情を考慮して、本発明は、液体貯留室の圧力変動の吸収効果を高めつつ、液体貯留室の周囲における流路部材と可撓膜とのシール性の低下を抑制することを目的とする。
[態様1]
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様(態様1)に係る流路構造体は、液体貯留室の壁面の一部を構成する流路部材と、流路部材に積層されて液体貯留室の壁面の一部を構成する可撓膜と、可撓膜を挟んで流路部材とは反対側に積層され、可撓膜が露出する空間を形成する封止体と、流路部材と可撓膜とが積層される方向から封止体を平面視した場合に、封止体のうち、液体貯留室の周囲の領域に形成され、空間を大気に連通するための連通路と、連通路において可撓膜を支持する支持部と、を備える。以上の態様によれば、封止体のうち、流路部材と可撓膜とをシールする液体貯留室の周囲の領域に形成される連通路において可撓膜を支持部で支持するから、連通路の幅を大きくしても、連通路内に露出する可撓膜が撓んで流路部材と接合され難くなってシール性が低下してしまうことを抑制できる。
なお、「液体貯留室の周囲の領域」とは、封止体の平面視において液体貯留室の外側の領域である。例えば流路部材を貫通する開口が液体貯留室の一部を構成する場合、当該開口を構成する流路部材に重なる領域が「液体貯留室の周囲の領域」に相当する。なお、支持部の直上において可撓膜が流路部材に接着されていなくてもよい。
[態様2]
態様1の好適例(態様2)において、連通路が延びる方向に交差する連通路の断面のうち支持部を含む断面において、支持部が占める部分の面積がそれ以外の部分の面積よりも小さい。以上の態様によれば、連通路が延びる方向に交差する連通路の断面のうち支持部を含む断面において、支持部が占める部分の面積がそれ以外の部分の面積よりも小さいから、支持部による空気抵抗を低減できる。このため、可撓膜が撓む空間の空気が連通路を介して大気との間で出入りし易くなるから、封止体の空間に露出する可撓膜が動き易くなるので、液体貯留室の圧力変動の吸収効果を高めることができる。このように本態様によれば、液体貯留室の圧力変動の吸収効果を高めつつ、液体貯留室の周囲における流路部材と可撓膜とのシール性の低下を抑制できる。
[態様3]
態様1または態様2の好適例(態様3)において、連通路は、液体貯留室から離間した大気開放口を介して大気に連通し、連通路が延びる方向に交差する連通路の断面における連通路の幅は、大気開放口の径よりも大きい。以上の態様によれば、連通路が延びる方向に交差する連通路の断面における連通路の幅は、大気開放口の径よりも大きいから、連通路の幅が大気開放口の径よりも小さい場合に比較して、連通路が延びる方向における連通路内の空気抵抗を低減できる。
[態様4]
態様3の好適例(態様4)において、大気開放口は、可撓膜に形成された貫通孔である。以上の態様によれば、可撓膜に形成された大気開放口の径よりも連通路の幅が大きいから、連通路の幅が大気開放口の径よりも小さい構成と比較して、連通路が延びる方向における連通路内の空気抵抗を低減できる。
[態様5]
態様4の好適例(態様5)において、大気開放口は、流路部材に形成される。以上の態様によれば、大気開放口は、液体貯留室がある流路部材に形成されるから、大気開放口を液体貯留室から離間して形成し易いので、連通路の引き回しを容易にすることができる。また、流路部材に形成された大気開放口の径よりも連通路の幅が大きいから、連通路の幅が大気開放口の径よりも小さい構成と比較して、連通路が延びる方向における連通路内の空気抵抗を低減できる。
[態様6]
態様1から態様5の何れかの好適例(態様6)において、支持部は、連通路内に配置される島部である。以上の態様によれば、支持部は、連通路内に配置される島部であるから、その島部の数や配置や形状によって、支持部が占める部分の面積がそれ以外の部分の面積よりも小さくできるので、連通路内の空気抵抗を低減し易い。
[態様7]
態様6の好適例(態様7)において、連通路が延びる方向に島部が複数並べて配置される。以上の態様によれば、連通路が延びる方向に島部が複数並べて配置されるから、その方向から見て複数の島部が重なるので、連通路が延びる方向、すなわち空気が通り抜ける方向の抵抗を低減できる。
[態様8]
態様1から態様7の何れかの好適例(態様8)において、支持部は、連通路の互いに対向する側面のうちの片側または両側から連通路内に張り出す桟部である。以上の態様によれば、支持部は、連通路の互いに対向する側面のうちの片側または両側から連通路内に張り出す桟部であるから、その桟部の数や配置や形状によって、支持部が占める部分の面積がそれ以外の部分の面積よりも小さくできるので、連通路内の空気抵抗を低減し易い。
[態様9]
態様1から態様8の何れかの好適例(態様9)において、連通路の幅は、連通路が延びる方向に交差する連通路の断面のうち空間の断面の最大幅の1/2以上である。以上の態様によれば、連通路の幅を、連通路が延びる方向に交差する連通路の断面における空間の最大幅の1/2以上とすることで、連通路が延びる方向における連通路内の空気抵抗を大幅に低減できる。
[態様10]
態様1から態様9の何れかの好適例(態様10)において、封止体は、可撓膜に積層される支持板と、可撓膜とは反対側で支持板に積層される固定板とで構成され、支持部は、固定板から可撓膜に向けて突出して可撓膜を支持する。以上の態様によれば、支持部は、固定板から可撓膜に向けて突出して可撓膜を支持するから、流路部材から連通路内への可撓膜の撓みを抑制できる。
[態様11]
態様1から態様10の何れかの好適例(態様11)において、連通路は、封止体の平面視において当該封止体のうち液体貯留室の一端に対応する領域に形成される。
[態様12]
態様1から態様11の何れかの好適例(態様12)において、流路部材には、液体貯留室が複数形成され、封止体には、複数の液体貯留室にそれぞれ対応する複数の空間が形成され、連通路は、各空間を連通する。
[態様13]
以上の課題を解決するために、本発明の好適な態様(態様13)に係る液体吐出ヘッドは、態様1から態様12の何れかに記載の流路構造体と、液体貯留室から供給された液体を吐出するためのノズルと、を備える。以上の態様によれば、液体貯留室の圧力変動の吸収効果を高めつつ、液体貯留室の周囲における流路部材と可撓膜とのシール性の低下を抑制できる流路構造体を備えた液体吐出ヘッドを提供できる。
[態様14]
本発明の好適な態様(態様14)に係る液体吐出装置は、態様13に記載の液体吐出ヘッドと、液体吐出ヘッドから液体を吐出させる制御装置とを具備する。
第1実施形態に係る液体吐出装置の構成図である。 液体吐出ヘッドの分解斜視図である。 図2に示す液体吐出ヘッドのIII−III断面図である。 液体吐出ヘッドの部分的な断面斜視図である。 流路構造体の一部を構成するコンプライアンスプレートの平面図である。 図5に示すQ部の拡大図である。 第1比較例に係るコンプライアンスプレートの平面図である。 図7に示すVIII−VIII断面図である。 特定の印刷パターンにおける液体貯留室の圧力推移を示すグラフである。 第2比較例に係るコンプライアンスプレートの構成を示す平面図である。 図10に示すXI−XI断面図である。 図10に示すXII−XII断面図である。 第1実施形態のコンプライアンスプレートの作用説明図である。 図13に示すXIV−XIV断面図である。 図13に示すXV−XV断面図である。 第1変形例に係るコンプライアンスプレートの断面図である。 第2変形例に係るコンプライアンスプレートの断面図である。 第3変形例に係るコンプライアンスプレートの平面図である。 第4変形例に係るコンプライアンスプレートの平面図である。 第5変形例にかかるコンプライアンスプレートの構成を示す平面図である。 図20のXXI−XXI断面図である。 第2実施形態に係るコンプライアンスプレートを示す平面図である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る液体吐出装置10の部分的な構成図である。第1実施形態の液体吐出装置10は、液体の例示であるインクを印刷用紙等の媒体11に吐出するインクジェット方式の印刷装置である。図1に示す液体吐出装置10は、制御装置12と搬送機構15とキャリッジ18と液体吐出ヘッド20とを具備する。液体吐出装置10にはインクを貯留する液体容器14が装着される。
液体容器14は、液体吐出装置10の本体に着脱可能な箱状の容器からなるインクタンクタイプのカートリッジである。なお、液体容器14は、箱状の容器に限られず、袋状の容器からなるインクパックタイプのカートリッジであってもよい。液体容器14には、インクが貯留される。インクは、黒色インクであってもよく、カラーインクであってもよい。液体容器14に貯留されるインクは、液体吐出ヘッド20にポンプ(図示略)で圧送される。
制御装置12は、液体吐出装置10の各要素を統括的に制御する。搬送機構15は、制御装置12による制御のもとで媒体11をY方向に搬送する。液体吐出ヘッド20は、液体容器14から供給されるインクを制御装置12による制御のもとで複数のノズルNの各々から媒体11に吐出する。
液体吐出ヘッド20はキャリッジ18に搭載される。図1では、キャリッジ18に1つの液体吐出ヘッド20を搭載した場合を例示したが、これに限られず、キャリッジ18に複数の液体吐出ヘッド20を搭載してもよい。制御装置12は、Y方向に交差(図1では直交)するX方向にキャリッジ18を往復させる。媒体11の搬送とキャリッジ18の往復との反復に並行して液体吐出ヘッド20が媒体11にインクを吐出することで媒体11の表面に所望の画像が形成される。なお、キャリッジ18には、複数の液体吐出ヘッド20を搭載してもよい。X−Y平面(媒体11の表面に平行な平面)に垂直な方向をZ方向と表記する。
(液体吐出ヘッド)
図2は、液体吐出ヘッド20の分解斜視図である。図3は、図2に示す液体吐出ヘッド20のIII−III断面図である。図2および図3に示すように、液体吐出ヘッド20は、インクを吐出するノズルNが形成される吐出面を有するヘッド本体30に、ケース部材40を固定(接合)して構成される。ヘッド本体30は、流路部材32を備え、その一方側(Z方向の正側の面)に、複数のノズルNが形成されたノズル板62とコンプライアンスプレート50と固定板56が積層され、他方側(Z方向の負側の面)に、圧力室基板382を含む積層部38が積層された構造体である。これらのヘッド本体30の各要素は、例えば接着剤で相互に固定される。本実施形態の流路部材32とコンプライアンスプレート50と固定板56は、流路構造体を構成する。
ノズル板62は、Y方向に配列する複数のノズルNが形成された吐出面を構成する平板材である。ノズル板62は、例えばシリコン材料で構成される。複数のノズルNは、2列のノズル列L1、L2からなる。ノズル列L1、L2の各々は、Y方向に沿って配列された複数のノズルNの集合である。なお、ノズル列L1、L2の配置は本実施形態で図示するものに限られない。例えばノズル列L1、L2をそれぞれ、Y方向にずらして配置してもよい。また、ノズル板62に形成されるノズル列は2列に限られるものではなく、1列でもよい。
本実施形態に係る液体吐出ヘッド20には、ノズル列L1に対応する構造(図3の左側部分)とノズル列L2に対応する構造(図3の右側部分)とが、X方向の仮想線O−Oに対して略線対称に形成され、両構造は実質的に共通する。このため、以下の説明ではノズル列L1に対応する構造(図3の仮想線O−Oよりも左側部分)に着目し、ノズル列L2に対応する要素の説明を便宜的に省略する。図4は、ノズル列L1に対応する構造の部分的な断面斜視図である。図4では、複数の圧力室SCを破線で示している。
図2乃至図4に示す流路部材32は、インクの流路を構成する平板状の流路基板である。流路部材32は、例えばシリコン材料で構成される。流路部材32には、第2液体貯留室34と複数のノズル側連通流路326が形成される。第2液体貯留室34は、インクが流入する流入口342と複数の供給側連通流路344を備える。複数の供給側連通流路344と複数のノズル側連通流路326とはノズルN毎に形成された貫通孔であり、第2液体貯留室34は、複数のノズルNにわたり共通する開口である。
積層部38は、ノズルNに連通する圧力室SCを形成する圧力室基板382と振動板384と保護板386をこの順番で積層して構成される。ただし、このような構成に限られるものではなく、積層部38は、保護板386がない構成でもよい。また、振動板384と圧力室基板382とを一体で構成してもよい。圧力室基板382には、各ノズルNに連通する圧力室SC(キャビティ)を構成する複数の開口部383が形成される。圧力室基板382は、例えば流路部材32と同様にシリコン材料で構成される。
圧力室基板382のうち流路部材32とは反対側の表面には振動板384が設置される。振動板384は、弾性的に振動可能な平板材である。振動板384と流路部材32とは、圧力室基板382に形成された各開口部383の内側で相互に間隔をあけて対向する。圧力室基板382の開口部383の内側で流路部材32と振動板384とに挟まれた空間によって、各ノズルNからインクを吐出するための圧力を発生させる圧力室SCが構成される。流路部材32の各供給側連通流路344は、後述する第2液体貯留室34と圧力室SCとを連通し、流路部材32の各ノズル側連通流路326は圧力室SCとノズルNとを連通する。
振動板384のうち圧力室基板382とは反対側の表面には、相異なるノズルN(圧力室SC)に対応する複数の圧電素子385が形成される。各圧電素子385は、相互に対向する電極間に圧電体を介在させた駆動素子である。各圧電素子385は、制御装置12から供給される駆動信号により個別に振動する。保護板386は、各圧電素子385を保護する要素であり、圧力室基板382(振動板384)の表面に例えば接着剤で固定される。保護板386のうち振動板384側の表面に形成された凹部387に各圧電素子385が収容されている。制御装置12から供給される駆動信号に応じて各圧電素子385は振動すると、圧電素子385に連動して振動板384が振動する。これにより、圧力室SC内のインクの圧力が変動してノズルNからインクが吐出される。このように、圧電素子385は、圧力室SC内の圧力を変動させて圧力室SC内のインクをノズルNから吐出させる圧力発生素子として機能する。なお、圧電素子385は、不図示のフレキシブルプリントケーブル(FPC:Flexible Printed Circuit)やチップオンフィルム(COF:Chip On Film)などを経由して制御装置12に接続される。
ケース部材40のZ方向の正側の表面(以下「接合面」という)は、例えば接着剤で流路部材32のZ方向の負側の表面に固定される。ケース部材40は、例えばプラスチック材料などの成形樹脂材料で構成される。ケース部材40を成形樹脂材料で構成する場合には、成形樹脂材料の射出成形によって一体成形できる。ケース部材40は、複数の圧力室SCに供給されるインクを貯留するためのケースであり、開口部としての流入口342により第2液体貯留室34に連通する第1液体貯留室42が形成された構造体である。第1液体貯留室42は、インクを導入するための導入口43に連通している。
このような第2液体貯留室34と第1液体貯留室42とは、複数のノズルNにわたる共通の空間であり、液体容器14から導入口43に供給されたインクを貯留する。第2液体貯留室34は、Y方向に長尺な空間から成る。本実施形態の第2液体貯留室34は、流入口342側から供給側連通流路344(流出口)側に向けて流路が拡大する形状である。複数の圧力室SCは、一方向(Y方向)に配列しており、複数の供給側連通流路344は、複数の圧力室SCの配列に沿ってY方向に並んでいる。
図4に示すように、第1液体貯留室42から第2液体貯留室34内に流入したインクは、複数の供給側連通流路344に分岐されて、各圧力室SCに並列に供給され、充填される。そして、振動板384の振動に応じた圧力変動により圧力室SCからノズル側連通流路326とノズルNとを通過して外部に吐出される。すなわち、圧力室SCは、インクをノズルNから吐出するための圧力を発生させる空間として機能し、第2液体貯留室34と第1液体貯留室42とは、複数の圧力室SCに供給されるインクを貯留する液体貯留室SR(リザーバーまたはマニホールド)として機能する。
(流路構造体)
図5は、第1実施形態の流路構造体の一部を構成するコンプライアンスプレート50をZ方向から見た平面図である。図6は、図5に示すQ部の拡大図である。図3および図5に示すように、本実施形態のコンプライアンスプレート50は、液体貯留室SR内のインクの圧力変動を抑制するための要素であり、可撓膜52(コンプライアンス基板)と支持板54とを具備する。可撓膜52は、フィルム状に形成された可撓性の部材であり、液体貯留室SRの壁面(具体的には底面)の一部を構成する。可撓膜52の材質について、可撓膜52が撓むことができればよく、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)、芳香族ポリアミド(アラミド)、ステンレス鋼(SUS)等を用いることができる。図3ではノズル列L1に対応する第2液体貯留室34とノズル列L2に対応する第2液体貯留室34とを単一の可撓膜52で封止する場合を説明したが、これに限られるものではなく、双方の第2液体貯留室34を別々の可撓膜52で封止するようにしてもよい。可撓膜52は、流路部材32のZ方向に積層され、支持板54は、可撓膜52を挟んで流路部材32とは反対側に積層される。本実施形態のZ方向は、流路部材32と可撓膜52と支持板54との積層方向に相当する。
図5に示すように、支持板54は、ステンレス鋼(SUS)等の高剛性の材料で形成された平板であり、液体貯留室SRが可撓膜52で閉塞されるように可撓膜52を支持する。支持板54には、平面視(Z方向からの平面視)で液体貯留室SRに重なるコンプライアンス領域Aに、可撓膜52が露出する空間を構成する開口部541が形成される。コンプライアンス領域A(可撓膜52のうち開口部541に露出する領域)は、可撓膜52の変形(撓み振動)によって液体貯留室SR内の圧力変動を吸収可能なコンプライアンス機能を有する領域である。平面視で液体貯留室SRに重ならない液体貯留室SRの周囲の領域Bでは、流路部材32と可撓膜52とが接着される。これにより、液体貯留室SRからインクが漏れないように流路部材32と可撓膜52とがシールされる。また、支持板54の開口部541で構成される空間(開口部541の内部空間)は、連通路544を介して大気に連通しており、液体貯留室SR内の圧力変動が吸収されるように可撓膜52を変形させるためのコンプライアンス空間SGとして機能する。
コンプライアンスプレート50は、固定板56に固定される。固定板56は、例えばステンレス鋼等の高剛性の材料で所定の形状に成形される。固定板56にはそれぞれ、各ノズル板62に対応する複数の開口部622が形成されている。可撓膜52には複数の開口部622に対応する開口部522が形成され、支持板54にも複数の開口部622に対応する開口部542が形成される。開口部522、542、562からノズル板62が露出するように、コンプライアンスプレート50の支持板54が固定板56に固定される。なお、開口部522、542、562の内側の空間(具体的には開口部522、542、562の内周面とノズル板62の外周面との隙間)には、例えば樹脂材料で形成された充填材が充填される。
また、支持板54が固定板56に固定されることで、支持板54の開口部541のZ方向の正側が固定板56で封止され、開口部541の内側で可撓膜52と固定板56との間に挟まれた空間が、上述したコンプライアンス空間SGとなる。本実施形態の支持板54と固定板56は、可撓膜52が露出する空間(コンプライアンス空間SG)が形成される封止体として機能する。このように、本実施形態では、支持板54と固定板56とを別体として封止体を構成した場合を例示するが、これに限られず、支持板54と固定板56とを一体として封止体を構成してもよい。以上のように構成されたコンプライアンスプレート50によれば、液体貯留室SR内に圧力変動が生じても、可撓膜52が変形することで、その圧力変動を吸収できる。支持板54の開口部541は、連通路544を介して大気に連通しているので、開口部541内の空気が可撓膜52の動きに応じて連通路544を介して大気との間で出入りするため、可撓膜52が動き易い。なお、固定板56とノズル板62とを一体で構成してもよく、この場合には固定板56にノズルNが形成されていてもよいし、ノズル板62で開口部541を封止してもよい。
(連通路)
ここで、上述した支持板54の開口部541を大気に連通する連通路544の具体的構成例について図面を参照しながら説明する。図5および図6に示すように、連通路544は、支持板54のうち、流路部材32と可撓膜52とをシールする液体貯留室SRの周囲の領域Bに形成される。領域Bは、開口部541が液体貯留室SRに重ならない非コンプライアンス領域である。可撓膜52は、領域Bで流路部材32に接着されることで、流路部材32と可撓膜52とが液体貯留室SRの周囲でシールされる。流路部材32および可撓膜52には、領域Bにおいて液体貯留室SRからノズル列の方向(図5ではY方向の負側)に離間した位置に、大気開放口HAが形成される。図2に示すように、大気開放口HAは、流路部材32と可撓膜52とケース部材40を貫通して、支持板54の連通路544を大気に連通する貫通孔である。大気開放口HAは、液体貯留室SRからY方向の負側に離間して配置され、連通路544は、開口部541からY方向の負側に延びて大気開放口HAに連通する。このように、本実施形態の連通路544は、支持板54の開口部541に連続し、開口部541を大気開放口HAに連通する空気の通路である。また、大気開放口HAは、液体貯留室SRがある流路部材32に形成されるから、大気開放口HAを液体貯留室SRから離間して形成し易いので、連通路544の引き回しを容易にすることができる。
ところで、連通路544が延びる方向(Y方向)に交差する連通路544の断面の幅が狭いほど、その断面積も小さくなって空気抵抗が大きくなるので、可撓膜52が撓むときに開口部541の空気が連通路544を介して大気開放口HAから出入りし難くなる。そのため、可撓膜52が動き難くなって液体貯留室SRの圧力変動の吸収効果が低下してしまう。
なお、連通路544の空気抵抗を抑制する構成としては、支持板54の板厚を増加させることで連通路544の断面の高さを充分に確保する構成も考えられる。しかし、支持板54の板厚を増加させた構成では、固定板56の表面が媒体11に近付くから、媒体11が固定板56の表面に接触する可能性が増加する。他方、固定板56に対する媒体11の接触を抑制するために、固定板56の表面と媒体11との間に所定の間隔が確保されるように液体吐出ヘッド20のZ方向の位置を設定することも可能である。しかし、以上の構成では、媒体11とノズル板62との距離が増大する。したがって、ノズルNから吐出された液滴が媒体11の表面に着弾する位置に誤差が発生しやすくなり、結果的に印刷画質が低下する可能性がある。以上の事情を考慮すると、連通路544の高さを確保する構成よりも、連通路544の幅を充分に確保することで空気抵抗を低減する構成が好適である。
図7および図8は、第1実施形態の第1比較例に係るコンプライアンスプレート50’の構成を示す図である。図7は、第1比較例に係るコンプライアンスプレート50’の連通路544’を示す平面図であり、図6に対応する。図8は、図7に示すVIII−VIII断面図である。図7および図8の連通路544’は、図6の連通路544よりも幅が狭い。具体的には連通路544’の幅W’は、大気開放口HAの径Mよりも小さく、連通路544の幅Wは、大気開放口HAの径Mよりも大きい。
図7および図8のように連通路544’の幅W’が狭いほど、可撓膜52が撓むときに開口部541の空気が連通路544を介して大気開放口HAから出入りし難くなる。そうすると、可撓膜52が動き難くなって液体貯留室SRの圧力変動の吸収効果が低下し、印刷パターンによっては液体貯留室SRの圧力振動の振幅が大きくなってノズルN内のメニスカス耐圧を超えることでメニスカスが破壊され、ドット抜けなどの吐出不良が発生してしまう。
例えばベタ吐出(吐出デューティーが100%)と励振(例えば吐出(印刷)と非吐出(空白)を交互に繰り返す場合など)とベタ吐出が連続する印刷パターンで、液体貯留室SRの圧力変動の吸収不足によるドット抜けが発生することが判明した。ここでの吐出デューティーとは、単位時間当たりの可能最大インク吐出量に対する吐出するインク量の割合である。
図9は、液体貯留室SRの圧力変動の吸収不足によるドット抜けが発生するような特定の印刷パターンにおける液体貯留室SRの圧力推移を示すグラフである。図5の縦軸は圧力(負圧)であり、横軸は時間である。図5に示すように、ベタ吐出ではインクの吐出量が多いため、ベタ吐出によってノズルN内の圧力は急激に低下するので、ノズルN内のメニスカスが圧力室SC側に大きく引っ張られる。このため、その後の励振による圧力振動を吸収し切れずに振幅が大きくなってメニスカス耐圧を超えることで、その後に連続するベタ吐出でドット抜けが発生する。
そのため、本実施形態では、連通路544の幅Wを広くすることで、可撓膜52が撓むときに開口部541の空気が連通路544を介して大気開放口HAから出入りし易くしている。これにより、可撓膜52が動き易くなり、液体貯留室SRの圧力変動の吸収効果を高めることができる。可撓膜52が動き易くなると、図9に示すように励振しても、可撓膜52の動きによって圧力変動が吸収されその振幅が小さくなるので、メニスカス耐圧を超えなくなる。これにより、その後に連続するベタ吐出におけるドット抜けの発生を抑制できる。
ところが、連通路544の幅Wが広いほど、連通路544内に露出する可撓膜52は支えがないと、可撓膜52が連通路544内に撓み易くなって、液体貯留室SRの周囲における流路部材32と可撓膜52とのシール性が低下してしまう。
図10乃至図12は、第1実施形態の第2比較例に係るコンプライアンスプレート50’’の構成を示す図である。図10は、第2比較例に係るコンプライアンスプレート50’’の連通路544’’を示す平面図であり、図7に対応する。図11は、図10に示すXI−XI断面図であり、図12は、図10に示すXII−XII断面図である。図11および図12に示す第2比較例の連通路544’’の幅Wは、図7に示す第1比較例の連通路544’の幅W’よりも広く、図6に示す第1実施形態の連通路544の幅Wと同じである。
図10乃至図12の連通路544’’のように幅Wが広いほど、連通路544内に露出する可撓膜52は支えがないと、液体吐出ヘッド20の製造時において流路部材32と可撓膜52と支持板54とを積層する際に、可撓膜52が連通路544内に撓み易くなってしまう。そのため、図11および図12の白矢印のように、可撓膜52のうち連通路544に露出する部分が流路部材32から離れてしまって接着され難くなるから、液体貯留室SRの周囲における流路部材32と可撓膜52とのシール性が低下してしまう。シール性が低下すると、図12の黒矢印のようにインクのリークが発生して、液体貯留室SRのインクが大気開放口HAに漏れ出すなどの不具合が生じてしまう虞がある。そこで、本実施形態では、図6に示すように連通路544に露出する可撓膜52を支持部545で支持することで、液体貯留室SRの周囲における流路部材32と可撓膜52とのシール性の低下を抑制する。
このような本実施形態のコンプライアンスプレート50の作用効果について図面を参照しながらより詳細に説明する。図13乃至図15は、本実施形態のコンプライアンスプレート50の作用説明図である。図13は、連通路544の平面図であり、図6に対応する。図14は、図13に示すXIV−XIV断面図であり、図15は、図13に示すXV−XV断面図である。図13では、流路部材32と固定板56を省略している。図13乃至図15に示すように、第1実施形態では、連通路544に露出する可撓膜52を支持する支持部545を備える。図13の支持部545は、連通路544に設けられる複数の島部で構成される。図13には、2つの島部で支持部545を構成する場合を例示する。各島部は、支持板54とは不連続に設けられており、固定板56から流路部材32に向けて突出して可撓膜52を支持する。本実施形態の各島部は、固定板56から可撓膜52までの厚みを有する円柱状の部材であり、可撓膜52と固定板56の両方に接着剤などで固定される。図14に示すように、本実施形態の各島部は、連通路544の中央を通りY方向に沿う直線上に並べて配置される。
図14および図15に示すように、本実施形態の構成によれば、連通路544の幅Wを広げても、可撓膜52のうち連通路544に露出する部分を、流路部材32に貼り付く方向(Z方向の負側)へ支持部545で支えることができる。したがって、液体吐出ヘッド20の製造時において流路部材32と可撓膜52と支持板54とを積層する際に、可撓膜52が連通路544内に撓むことを抑制できるから、液体貯留室SRの周囲における流路部材32と可撓膜52とのシール性の低下を抑制できる。
図13に示すように、本実施形態では、連通路544が延びる方向(Y方向)に交差する連通路544の断面の幅W(Z方向からの平面視におけるX方向の幅)は、大気開放口HAの径Mよりも大きい。これにより、連通路544の幅Wが大気開放口HAの径Mよりも小さい図7の場合に比較して、連通路544が延びる方向、すなわち空気が通り抜ける方向(Y方向)の空気抵抗を低減できる。したがって、可撓膜52が動き易くなり、液体貯留室SRの圧力変動の吸収効果を高めることができる。さらに、Z方向からの平面視において、連通路544の幅Wを、連通路544が延びる方向(Y方向)に交差する連通路544の断面における開口部541の最大幅Wmax(Z方向からの平面視においてX方向の最大幅)の1/2以上にすることで、連通路544が延びる方向における連通路544内の空気抵抗を大幅に低減できる。
しかも、図14に示すように、連通路544が延びる方向(Y方向)に交差する連通路544の断面Pのうち、支持部545が占める部分の面積がそれ以外の部分の面積(空気が通る部分の面積)よりも小さい。このように構成することで、支持部545による空気抵抗を低減できる。このため、可撓膜52が撓む開口部541の空気が連通路544を介して大気開放口HAから出入りし易くなるから、開口部541に露出するコンプライアンス領域Aの可撓膜52が動き易くなるので、液体貯留室SRの圧力変動の吸収効果を高めることができる。このように本実施形態によれば、液体貯留室SRの圧力変動の吸収効果を高めつつ、液体貯留室SRの周囲における流路部材32と可撓膜52とのシール性も向上できる。
本実施形態の支持部545を構成する2つの島部は、連通路544が大気開放口HAに向けて延びる方向(Y方向)に並べて配置される。このように構成することで、Y方向から見て複数の島部が重なるので、連通路544が延びる方向、すなわち大気開放口HAに向けて連通路544を空気が通り抜ける方向の抵抗を低減できる。
なお、図13の支持部545を構成する各島部は、可撓膜52と固定板56の両方に接着剤で固定される場合を例示したが、これに限られず、各島部は、可撓膜52と固定板56のいずれか一方に接着剤などで固定され、他方に固定されないようにしてもよい。例えば図16に示す第1変形例は、支持部545を構成する各島部を可撓膜52に接着して固定した場合を例示する。図16は、第1変形例に係るコンプライアンスプレート50の断面図であり、図14に対応する。図16の構成によっても、可撓膜52が連通路544内に撓むことを抑制できるから、液体貯留室SRの周囲における流路部材32と可撓膜52とのシール性の低下を抑制できる。また、図16の構成では、各島部の厚みhは、支持板54の厚みHよりも薄く、固定板56との間に隙間が形成される。このように図16の構成では、各島部を可撓膜52と固定板56の両方に固定する場合よりも、各島部の厚みhを薄くできるので、連通路544の断面Pのうち支持部545が占める部分の面積を小さくできる。したがって、支持部545による空気抵抗を低減できる。
また、図13の支持部545を構成する各島部は、固定板56とは別体である場合を例示したが、これに限られず、例えば図17に示す第2変形例のように各島部を固定板56と一体で構成してもよい。図17は、第2変形例に係るコンプライアンスプレート50の断面図であり、図14に対応する。図17の各島部は、固定板56から流路部材32に向けて突出して可撓膜52を支持する。このように、各島部を固定板56と一体で構成する場合は、各島部を可撓膜52に接着してもよく、接着しなくてもよい。このような構成でも、可撓膜52が連通路544内に撓むことを抑制できるから、液体貯留室SRの周囲における流路部材32と可撓膜52とのシール性の低下を抑制できる。さらに、島部だけでなく支持板54も固定板56と一体で構成してもよい。このような構成でも、可撓膜52が連通路544内に撓むことを抑制できる。
また、支持部545を構成する島部の数や配置や形状(長さ、幅、外形、厚み、大きさなど)は、本実施形態の例示に限られない。例えば図18に示す第3変形例のように、各島部の数を増やして、径を小さくしてもよい。図18は、第3変形例に係るコンプライアンスプレート50の平面図であり、図13に対応する。図18では、連通路544内に5つの島部を配置し、各島部の径を図13の島部よりも小さくした場合を例示する。島部の数を多くすることで、可撓膜52が連通路544内に撓むことを抑制できる効果を高めることができる。また、島部の径を小さくすることで、支持部545による空気抵抗を低減できる。
また、連通路544の形状は、第1実施形態の例示に限られない。液体貯留室SRの形状に合わせて連通路544の形状を変えるようにしてもよい。例えば図19に示す第4変形例の液体貯留室SRは、図6の液体貯留室SRよりも端部(Y方向の端部)の長さが長い。液体貯留室SRの端部を長くすることで、端部に配置されるノズルNの数を増やすことができる。図19は、第4変形例に係るコンプライアンスプレート50の平面図であり、図13に対応する。
図19の液体貯留室SRの端部は、図6の液体貯留室SRの端部よりも大気開放口HA側に張り出しているため、連通路544の幅Wも液体貯留室SRの形状に合わせて部分的に異なっている。図19の連通路544において、X方向に液体貯留室SRと重なる部分のY方向の幅W1は、X方向に液体貯留室SRと重ならない部分のY方向の幅W2よりも小さい。そこで、図19の支持部545は、連通路544の幅W1の中央と幅W2の中央に1つずつ配置した島部で構成する。このような構成によれば、各幅W1、W2の部分で支持部545による空気抵抗を低減しながら、液体貯留室SRの周囲における流路部材32と可撓膜52とのシール性の低下を抑制できる。ただし、図19の構成においても、島部の数や配置や形状(長さ、幅、外形、厚み、大きさなど)は図示したものに限られない。
また、図13では、支持部545を島部で構成する場合を例示したが、これに限られず、支持部545を桟部で構成してもよい。図20および図21は、第5変形例にかかるコンプライアンスプレート50の構成を示す図であり、支持部545を桟部で構成した場合を例示する。図20は、第5変形例にかかるコンプライアンスプレート50の平面図であり、図21は、図20のXXI−XXI断面図である。図20および図21に示すように、第5変形例の支持部545は、複数の片持ち梁状の桟部で構成される。
各桟部は、連通路544の互いに対向する2つの側面(X方向の負側の側面と正側の側面)のうちの片側から連通路544内に張り出している。各桟部は、連通路544の片側の側面に連設され、それに対向する側面とは離間している。各桟部の厚みh’は、支持板54の厚みHよりも薄く、固定板56との間に隙間が形成される。したがって、連通路544の断面Pのうち支持部545が占める部分の面積を小さくできるから、支持部545による空気抵抗を低減できる。なお、第5変形例では、連通路544の互いに対向する2つの側面から、3つの桟部が1つずつ交互に突出する場合を例示したが、これに限られない。桟部が2つ以上ずつ交互に突出するようにしてもよく、また交互でなくてもよい。また、連通路544の互いに対向する2つの側面のうちの一方のみから突出するようにしてもよい。また、桟部の数や配置や形状(長さ、幅、外形、厚み、大きさなど)は、例示したものに限られない。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態について説明する。以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同様である要素については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。第1実施形態では、1つの液体貯留室SRがY方向に連続する場合を例示したが、第2実施形態では、複数の液体貯留室SRをY方向に並べて配置する場合を例示する。
図22は、第2実施形態に係るコンプライアンスプレート50を示す平面図である。図22では、3つの液体貯留室SRがY方向に並べて配置される。図22の支持板54には、Z方向からの平面視で各液体貯留室SRに重なるコンプライアンス領域Aに、可撓膜52が露出する開口部541が形成される。また、Y方向の最も正側の開口部541は、第1連通路544Aを介して大気開放口HAに連通する。また、支持板54の各開口部541同士は、各開口部541の間の領域B(流路部材32と可撓膜52とをシールする各液体貯留室SRの周囲の領域)に配置される第2連通路544Bを介して連通している。これにより、各開口部541は、第1連通路544Aおよび第2連通路544Bを介して大気開放口HAに連通するから、各液体貯留室SRに対応するコンプライアンス領域Aの可撓膜52が動き易くなる。このように、第1連通路544Aおよび第2連通路544Bは、開口部541を大気に連通する連通路として機能する。
図22の構成では、第1連通路544Aのみならず、第2連通路544Bについても、幅Wを大きくすることで、可撓膜52が撓むときに開口部541の空気が各連通路544A、544Bを介して大気開放口HAから出入りし易くしている。具体的には、Z方向からの平面視において、各連通路544A、544Bの幅W(X方向の幅)は、大気開放口HAの径Mよりも大きい。これにより、各連通路544A、544Bの幅Wが大気開放口HAの径Mよりも小さい場合に比較して、各連通路544A、544B内の空気抵抗を低減できる。したがって、可撓膜52が動き易くなり、液体貯留室SRの圧力変動の吸収効果を高めることができる。なお、Z方向からの平面視において、各連通路544A、544Bの幅Wを、Y方向に交差する各連通路544A、544Bの断面における開口部541の最大幅Wmax(Z方向からの平面視においてX方向の最大幅)の1/2以上にすることで、各連通路544A、544B内の空気抵抗を大幅に低減できる。
また、図22の構成では、第1連通路544Aのみならず、第2連通路544Bについても、各連通路544A、544Bに露出する可撓膜52を支持部545で支持する。図22の支持部545は、複数の島部で構成した場合を例示する。ただし、図22の支持部545を、図20に示すような桟部で構成してもよい。島部や桟部の数や配置や形状(長さ、幅、外形、厚み、大きさなど)は、例示したものに限られない。このように、各連通路544A、544B内に支持部545を配置することで、各連通路544A、544Bの幅Wを大きくしても、各連通路544A、544B内に露出する可撓膜52が撓むことを抑制できるので、各液体貯留室SRの周囲における流路部材32と可撓膜52とのシール性の低下を抑制できる。
しかも、図22の構成では、第1連通路544Aのみならず、第2連通路544Bについても、各連通路544A、544Bが延びるY方向に交差する各連通路544A、544Bの断面のうち支持部545を含む断面において、支持部545が占める部分の面積がそれ以外の部分の面積(空気が通る部分の面積)よりも小さい。これにより、支持部545による空気抵抗を低減できるから、可撓膜52が撓む各開口部541の空気が各連通路544A、544Bを介して大気開放口HAから出入りし易くなる。これにより、開口部541に露出するコンプライアンス領域Aの可撓膜52が動き易くなるので、液体貯留室SRの圧力変動の吸収効果を高めることができる。このように第2実施形態によっても、第1実施形態と同様に、液体貯留室SRの圧力変動の吸収効果を高めつつ、液体貯留室SRの周囲における流路部材32と可撓膜52とのシール性の低下を抑制できる。
なお、図22においては、連通路544Aおよび544Bの双方が形成された構成を例示したが、連通路544Bのみを支持板54に形成してもよい。すなわち、連通路544Aを省略してもよい。
<変形例>
以上に例示した態様および実施形態は多様に変形され得る。具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示や上述の態様から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
(1)上述した実施形態では、液体吐出ヘッド20を搭載したキャリッジ18をX方向に沿って反復的に往復させるシリアルヘッドを例示したが、液体吐出ヘッド20を媒体11の全幅にわたり配列したラインヘッドにも本発明を適用可能である。
(2)上述した実施形態では、圧力室に機械的な振動を付与する圧電素子を利用した圧電方式の液体吐出ヘッド20を例示したが、加熱により圧力室の内部に気泡を発生させる発熱素子を利用した熱方式の液体吐出ヘッドを採用することも可能である。
(3)上述した実施形態で例示した液体吐出装置10は、印刷に専用される機器のほか、ファクシミリ装置やコピー機等の各種の機器に採用され得る。もっとも、本発明の液体吐出装置10の用途は印刷に限定されない。例えば、色材の溶液を吐出する液体吐出装置は、液晶表示装置のカラーフィルターや有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、FED(面発光ディスプレイ)等を形成する製造装置として利用される。また、導電材料の溶液を吐出する液体吐出装置は、配線基板の配線や電極を形成する製造装置として利用される。また、液体の一種として生体有機物の溶液を吐出するチップ製造装置としても利用される。
10…液体吐出装置、11…媒体、12…制御装置、14…液体容器、15…搬送機構、18…キャリッジ、20…液体吐出ヘッド、30…ヘッド本体、32…流路部材、326…ノズル側連通流路、34…第2液体貯留室、342…流入口、344…供給側連通流路、38…積層部、382…圧力室基板、383…開口部、384…振動板、385…圧電素子、386…保護板、387…凹部、40…ケース部材、42…第1液体貯留室、43…導入口、50…コンプライアンスプレート、50’…コンプライアンスプレート、50’’…コンプライアンスプレート、52…可撓膜、522…開口部、54…支持板、541…開口部、542…開口部、544…連通路、544’…連通路、544’’…連通路、544A…第1連通路、544B…第2連通路、545…支持部、56…固定板、562…開口部、62…ノズル板、622…開口部、h…厚み、h’…厚み、A…コンプライアンス領域、B…領域、H…厚み、HA…大気開放口、L1、L2…ノズル列、M…径、N…ノズル、O−O…仮想線、SC…圧力室、SG…コンプライアンス空間、SR…液体貯留室、W…幅、W’…幅、Wmax…最大幅、W1、W2…幅。

Claims (14)

  1. 液体貯留室の壁面の一部を構成する流路部材と、
    前記流路部材に積層されて前記液体貯留室の壁面の一部を構成する可撓膜と、
    前記可撓膜を挟んで前記流路部材とは反対側に積層され、前記可撓膜が露出する空間を形成する封止体と、
    前記流路部材と前記可撓膜とが積層される方向から前記封止体を平面視した場合に、前記封止体のうち、前記液体貯留室の周囲の領域に形成され、前記空間を大気に連通するための連通路と、
    前記連通路において前記可撓膜を支持する支持部と、を備える
    流路構造体。
  2. 前記連通路が延びる方向に交差する前記連通路の断面のうち前記支持部を含む断面において、前記支持部が占める部分の面積がそれ以外の部分の面積よりも小さい
    請求項1に記載の流路構造体。
  3. 前記連通路は、前記液体貯留室から離間した大気開放口を介して大気に連通し、
    前記連通路が延びる方向に交差する前記連通路の断面における前記連通路の幅は、前記大気開放口の径よりも大きい
    請求項1または請求項2に記載の流路構造体。
  4. 前記大気開放口は、前記可撓膜に形成された貫通孔である
    請求項3の流路構造体。
  5. 前記大気開放口は、前記流路部材に形成される
    請求項4に記載の流路構造体。
  6. 前記支持部は、前記連通路内に配置される島部である
    請求項1から請求項5の何れかに記載の流路構造体。
  7. 前記連通路が延びる方向に前記島部が複数並べて配置される
    請求項6に記載の流路構造体。
  8. 前記支持部は、前記連通路の互いに対向する側面のうちの片側または両側から前記連通路内に張り出す桟部である
    請求項1から請求項7の何れかに記載の流路構造体。
  9. 前記連通路の幅は、前記連通路が延びる方向に交差する前記連通路の断面のうち前記空間の断面の最大幅の1/2以上である
    請求項1から請求項8の何れかに記載の流路構造体。
  10. 前記封止体は、前記可撓膜に積層される支持板と、前記可撓膜とは反対側で前記支持板に積層される固定板とで構成され、
    前記支持部は、前記固定板から前記可撓膜に向けて突出して前記可撓膜を支持する
    請求項1から請求項9の何れかに記載の流路構造体。
  11. 前記連通路は、前記封止体の平面視において当該封止体のうち前記液体貯留室の一端に対応する領域に形成される
    請求項1から請求項10の何れかに記載の流路構造体。
  12. 前記流路部材には、前記液体貯留室が複数形成され、
    前記封止体には、前記複数の液体貯留室にそれぞれ対応する複数の空間が形成され、
    前記連通路は、前記各空間を連通する
    請求項1から請求項11の何れかに記載の流路構造体。
  13. 請求項1から請求項12の何れかに記載の流路構造体と、
    前記液体貯留室から供給された液体を吐出するためのノズルと、を備える
    液体吐出ヘッド。
  14. 請求項13に記載の液体吐出ヘッドと、
    前記液体吐出ヘッドから液体を吐出させる制御装置と
    を具備する液体吐出装置。
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