JP2016060077A - 液体層分布変換部材、液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体層分布変換方法 - Google Patents

液体層分布変換部材、液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体層分布変換方法 Download PDF

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Abstract

【課題】液体の成分の沈降を容易に改善することができると共に小型化を図ることができる液体層分布変換部材、液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体層分布変換方法を提供する。
【解決手段】流路352内の液体層の分布を変換する液体層分布変換部材であって、前記流路352内には、当該流路352の内壁面側に第1流路410と、当該流路352の中心側に第2流路420とを形成する隔離部材400が設けられており、前記隔離部材400は、前記流路352の下流側において、前記第1流路410を前記内壁面の周方向の一部で開口する第1流出口411と、該第1流出口411と区分された第2流出口421であって、当該第1流出口411よりも前記流路352の中心側で前記第2流路420を開口する第2流出口421と、を具備する。
【選択図】 図11

Description

本発明は、流路内の液体層の分布を変換する液体層分布変換部材、液体層分布変換部材を具備する液体噴射ヘッド及び液体噴射装置、並びに液体層分布変換方法に関する。
インクジェット式プリンターやプロッタ等のインクジェット式記録装置に代表される液体噴射装置は、カートリッジやタンク等に液体貯留手段に貯留されたインクなどの液体を液滴として噴射可能な液体噴射ヘッドを具備する。
液滴を噴射する液体噴射ヘッドの代表例であるインクジェット式記録ヘッドとしては、例えば、インクを噴射するノズル開口に連通する圧力発生室と、圧力発生室内のインクに圧力変化を生じさせる圧力発生手段と、を具備し、圧力発生手段によって圧力発生室内のインクに圧力変化を生じさせることでノズル開口からインク滴が噴射される。
このようなインクジェット式記録ヘッドでは、液体貯留手段から圧力発生室に至る流路において、内壁面側と中心側とでインクの濃度に差が生じてしまうという問題がある。そして、流路内をインクは層流となって流れるため、内壁面側と中心側とでインクの濃度に差が生じた層流がそのまま各圧力発生室に供給されると、濃度が高いインクを噴射するノズル開口と、濃度が低いインクを噴射するノズル開口とに分かれてしまい、印刷結果に濃度のばらつき、所謂、濃度むらが生じてしまうという問題がある。なお、流路における内壁面側と中心側とのインクの濃度差は、液体貯留手段においてインクの成分が沈降し、濃度が高いインクと濃度が低いインクとが流路内に流入することなどによって発生する。
このため、各圧力発生室に分配する前の流路内にサブタンクを設け、サブタンク内に攪拌球を入れることによってインクを攪拌するインクジェットプリンタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、ノズル開口内に壁部を設けることでインクの流れを分岐するようにしたインクジェット式記録装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−184424号公報 特開2007−203641号公報
しかしながら、特許文献1のように、攪拌球によってインクを攪拌させる場合、サブタンクが静止している場合には攪拌球が移動しないため、インクの攪拌効果を得ることができないという問題がある。また、攪拌球等の攪拌手段を設けると、インクジェット式記録ヘッドが大型化してしまうという問題がある。
また、インクを貯留した貯留手段とインクジェット式記録ヘッドとの間でインクを循環させることで、インクを攪拌するインクジェット式記録装置も提案されているが、循環装置が必要でインクジェット式記録装置が大型化してしまうという問題がある。
また、特許文献2のように流路を分岐したとしても、インクを効率的に攪拌することはできないという問題がある。
なお、このような問題はインクジェット式記録ヘッドに代表される液体噴射ヘッド及び液体噴射装置だけではなく、他のデバイスにおいても同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、液体の成分の沈降を容易に改善することができると共に小型化を図ることができる液体層分布変換部材、液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体層分布変換方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の態様は、流路内の液体層の分布を変換する液体層分布変換部材であって、前記流路内には、当該流路の内壁面側に第1流路と、当該流路の中心側に第2流路とを形成する隔離部材が設けられており、前記隔離部材は、前記流路の下流側において、前記第1流路を前記内壁面の周方向の一部で開口する第1流出口と、該第1流出口と区分された第2流出口であって、当該第1流出口よりも前記流路の中心側で前記第2流路を開口する第2流出口と、を具備することを特徴とする液体層分布変換部材にある。
かかる態様では、第1流路と第2流路との上流側での開口の並び方向を第1流出口及び第2流出口で配置を異なる方向に変換することで、第1流出口及び第2流出口から流出した液体層の攪拌を行って液体に含まれる成分の分布の偏りを改善することができる。また、隔離部材を設けるだけなので、液体を流すだけで液体の攪拌を行うことができ、攪拌球等の攪拌手段や循環装置を設ける必要がなく、小型化を図ることができる。
ここで、前記第1流出口及び前記第2流出口は、前記流路の流路方向が変化する変化点よりも上流側に配置されていることが好ましい。これによれば、流路の上流と下流とにおける層流を再配置することができるため、液体に含まれる成分の分布の偏りを改善することができる。
また、前記流路方向の変化点が、鉛直方向の成分を有するベクトル方向から鉛直方向と直交する水平方向の成分を有するベクトル方向に変化する変化点であり、前記第1流出口を通過した液体は、前記変化点の下流において、鉛直方向上側に流れ込む位置に、当該第1流出口が配置されていることが好ましい。これによれば、流路の内壁面側に濃度の高い液体が供給された場合に、変化点の下流において、濃度の高い液体を鉛直方向上側に配置することができるため、濃度の高い液体に含まれる成分が完全に沈降するまでの時間を稼ぐことができる。
また、前記隔離部材は、前記流路の液体を流れる方向に軸方向を有する筒状部と、前記筒状部と前記流路との間の一部を閉塞する第1閉塞部と、前記筒状部の内側の一部を閉塞する第2閉塞部と、を具備し、前記第1流路は、前記筒状部の外側に形成されており、前記第2流路は前記筒状部の内側に形成されており、前記第1流出口は、前記筒状部と前記内壁面との間に前記第1閉塞部によって閉塞されていない部分に形成されており、前記第2流出口は、前記筒状部の内側に前記第2閉塞部によって閉塞されていない部分に形成されており、前記第2閉塞部は、前記第1流出口と前記第2流出口との間に設けられていることが好ましい。これによれば、筒状部、第1閉塞部及び第2閉塞部によって第1流出口を有する第1流路及び第2流出口を有する第2流路を容易に形成することができる。
また、前記隔離部材の上流側の先端部の厚さは、前記先端部よりも下流側の厚さに比べて薄いことが好ましい。これによれば、隔離部材の上流側の先端部において液体を分岐する際の流路抵抗を抑制することができる。また、隔離部材の上流側の先端部において、液体の滞留を抑制して液体の初期充填性及び気泡排出性を向上することができる。
さらに、本発明の他の態様は、上記態様の液体層分布変換部材を具備することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
かかる態様では、液体の成分の沈降を容易に改善することができ、液体噴射ヘッドの小型化を図ることができる。
また、液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室と、複数の前記圧力発生室が共通して連通するマニホールドと、を備え、前記隔離部材が、前記マニホールドに液体を供給する流路に設けられていることが好ましい。これによれば、層流による濃度分布を変換した液体をマニホールドに供給して、印刷物の濃度むらを抑制することができる。
また、本発明の他の態様は、上記態様の液体層分布変換部材を具備することを特徴とする液体噴射装置にある。
かかる態様では、攪拌球等の攪拌手段や循環装置を設けることなく、液体の成分の沈降を容易に改善することができ、液体噴射装置の小型化を図ることができる。
さらに、本発明の他の態様は、流路内の液体層の分布を変換する液体層分布変換方法であって、前記流路内には、当該流路の内壁面側に第1流路と、当該流路の中心側に第2流路とを形成する隔離部材が設けられおり、前記隔離部材は、前記流路の下流側において、前記第1流路を前記内壁面の周方向の一部で開口する第1流出口と、該第1流出口と区分された第2流出口であって、当該第1流出口よりも前記流路の中心側で前記第2流路を開口する第2流出口と、を具備し、前記第1流出口と前記第2流出口とから液体を流出させることで、液体層の分布を変換することを特徴とする液体層分布変換方法にある。
かかる態様では、第1流路と第2流路との上流側での開口の並び方向を第1流出口及び第2流出口で配置を異なる方向に変換することで、第1流出口及び第2流出口から流出した液体層の攪拌を行って液体に含まれる成分の分布の偏りを改善することができる。
実施形態1に係る記録ヘッドの分解斜視図である。 実施形態1に係る流路部材の分解斜視図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの平面図である。 実施形態1に係る記録ヘッドの要部断面図である。 実施形態1に係るヘッド本体の分解斜視図である。 実施形態1に係るヘッド本体の平面図である。 実施形態1に係るヘッド本体の断面図である。 実施形態1に係るヘッド本体の要部断面図である。 実施形態1に係るヘッド本体の要部を切り欠いた斜視図である。 実施形態1に係るヘッド本体の要部を切り欠いた平面図である。 実施形態1に係るヘッド本体の要部断面図である。 実施形態1に係る流路部材の要部断面図である。 比較例における導入路からノズル開口までの流路を示す模式図である。 実施形態1に係る導入路からノズル開口までの流路を示す模式図である。 実施形態2に係るヘッド本体の要部を切り欠いた平面図である。 実施形態2に係るヘッド本体の要部断面図である。 他の実施形態に係るヘッド本体の要部断面図である。 本発明の一実施形態に係る記録装置の概略図である。
以下に本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの斜視図である。
図1に示すように、本実施形態の液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド10は、液体貯留手段であるインクカートリッジ11から液体としてインクが供給される流路部材20と、流路部材20からインクが供給されて、供給されたインクを噴射可能なヘッド本体30と、を具備する。
まず、本実施形態の流路部材20について図2〜図4を参照して説明する。なお、図2は、流路部材の分解斜視図であり、図3は、インクジェット式記録ヘッドの平面図であり、図4は、図2のA−A′線断面図である。
流路部材20は、インクカートリッジ11が装着される第1流路部材210と、第1流路部材210の一方面に固定される第2流路部材220と、を具備する。なお、流路部材20における方向は、詳しくは後述するヘッド本体30が流路部材20に固定された際のヘッド本体30の第1の方向X、第2の方向Y及び第3の方向Zを基準として説明する。すなわち、第1流路部材210と第2流路部材220とは、第3の方向Zに積層されている。また、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド10は、第3の方向Zが鉛直方向上向きとなるように配置されて使用される。
第1流路部材210は、内部に液体であるインクが通過する第1液体流路211が第3の方向Zに貫通して設けられている。そして、第3の方向Zにおいて、第2流路部材220とは反対側の面が、インクカートリッジ11が装着されるカートリッジ装着部212となっている。また、カートリッジ装着部212は、周囲を壁部213で囲まれており、壁部213内にインクカートリッジ11が装着される。なお、インクカートリッジ11のカートリッジ装着部212への装着方法は特に限定されず、インクカートリッジ11及び流路部材20の何れか一方に係合爪を設け、他方に係合爪が係合される係合孔を設けるようにしてもよい。また、蓋部材等によってカートリッジ装着部212に装着されたインクカートリッジ11を押さえるようにしてもよく、クリップ等でインクカートリッジ11と流路部材20とを同時に挟み込んで固定するようにしてもよい。
第1流路部材210には、第1液体流路211が、複数個、本実施形態では、4個設けられている。また、第1流路部材210のカートリッジ装着部212には、第3の方向Zに柱状に突出した取付部214が設けられており、各取付部214の突出した端面に第1液体流路211が開口して設けられている。この取付部214は、第1液体流路211毎に独立して設けられている。すなわち、本実施形態では、4つの取付部214を第1の方向X及び第2の方向Yにマトリックス状に配置するようにした。もちろん、取付部214の配置は特にこれに限定されず、例えば、4つの取付部214を第1の方向X及び第2の方向Yの何れか一方のみに並設するようにしてもよい。
このような取付部214の先端面には、第1液体流路211の開口を覆うフィルター215が設けられている。フィルター215は、液体であるインク中に含まれる異物や気泡を除去するためのものであり、複数の微細孔が設けられたものである。このようなフィルター215としては、例えば、金属や樹脂等の繊維を細かく織る又は編むことで複数の微細孔が形成されたシート状のものや、金属や樹脂等の板状部材に複数の微細孔を貫通させたものなどを用いることができる。なお、フィルター215は、不織布等を用いてもよく、その材料は特に限定されるものではない。また、フィルター215は、単層であっても、複数が積層された複数層であってもよい。
このようなフィルター215は、取付部214の先端面、すなわち、第1液体流路211が開口する開口面に接着又は溶着されている。また、取付部214に固定されたフィルター215は、中央部が取付部214の先端面とは反対側に向かって凸形状となるように緩やかに湾曲して設けられている。すなわち、フィルター215は、周縁部が取付部214の先端面に固定され、中央部がインクカートリッジ11側に向かって突出して設けられている。このようにフィルター215をインクカートリッジ11側に向かって中央部が凸形状となるように設けることで、フィルター215がインクカートリッジ11の供給部13に当接して液面接続された際に、フィルター215と供給部13との間に気泡が滞留するのを抑制して、フィルター215の有効面積が減少するのを抑制することができる。なお、インクカートリッジ11は、内部にインク(液体)が貯留された中空箱形状を有する。また、インクカートリッジ11の底面には、インクカートリッジ11の内部のインクを流路部材20に供給する供給口12が設けられている。この供給口12の内部には、インク吸収体である供給部13が設けられている。供給部13は、流路部材20のフィルター215に圧接して、インクカートリッジ11内のインクを流路部材20の第1液体流路211に供給する。このような供給部13としては、例えば、綿状パルプ、高分子吸水ポリマー、ウレタンフォーム等の多孔質材料や不織布などを用いることができる。
このようなフィルター215が設けられた取付部214の外周には、第1シール部材230が装着されている。第1シール部材230は、ゴムやエラストマーなどの弾性材料で形成されており、取付部214の外周で、取付部214の周方向に亘って流路部材20とインクカートリッジ11とに当接することで、フィルター215と供給部13との接続部分を封止している。
一方、第2流路部材220には、第3の方向Zに貫通する第2液体流路221が設けられている。第2液体流路221は、第1流路部材210とは反対側でヘッド本体30の導入路352(図5参照)に連通する。なお、第2液体流路221は、第1液体流路211と同じ数、すなわち、4個設けられている。
また、第1流路部材210と第2流路部材220との間には、第1液体流路211と第2液体流路221とを連通する接続流路222が設けられている。接続流路222は、第3の方向Zに直交する面内方向、すなわち、第1の方向X及び第2の方向Yを含む面内に沿って設けられている。
接続流路222は、第2流路部材220の第1流路部材210側に設けられた溝部を第1流路部材210によって封止することで形成されている。
このような接続流路222は、第1液体流路211と同じ数、すなわち、4個設けられている。このように接続流路222を設けることで、第1液体流路211とヘッド本体30の導入路352との位置が第3の方向Zから平面視した際に重ならない位置に配置することが可能となる。したがって、ヘッド本体30よりも大型のインクカートリッジ11を用いることができると共に流路の自由度を高めることができる。
このような流路部材20では、インクカートリッジ11から第1液体流路211に供給されたインクは、第1液体流路211から接続流路222及び第2液体流路221を介してヘッド本体30に供給される。
ここで、本実施形態のヘッド本体30について図5〜図7を参照して説明する。なお、図5は、本実施形態のヘッド本体の一例を示す分解斜視図であり、図6は、ヘッド本体の平面図であり、図7は、図6のB−B′線断面図及びC−C′線断面図である。
図示するように、本実施形態のヘッド本体30は、複数のアクチュエーターユニット310と、アクチュエーターユニット310を内部に収容可能なケース350と、ケース350の一方面に接合された流路ユニット330と、を具備する。
本実施形態のアクチュエーターユニット310は、複数の圧電アクチュエーター311が後述するノズル開口338が並設される方向に沿って並設された圧電アクチュエーター形成部材312と、圧電アクチュエーター形成部材312の先端部(一端部)側が自由端となるようにその基端部(他端部)側が固定端として接合される固定板313とを有する。なお、本実施形態では、圧電アクチュエーター311の並設方向を第1の方向Xと称する。
圧電アクチュエーター形成部材312は、圧電材料314と、圧電アクチュエーター311の2つの極を構成する内部電極、すなわち、隣接する圧電アクチュエーター311と電気的に独立する個別電極を構成する個別内部電極315と、隣接する圧電アクチュエーター311と電気的に共通する共通電極を構成する共通内部電極316とを交互に挟んで積層することにより形成されている。この圧電材料314、個別内部電極315及び共通内部電極316は、本実施形態では、第1の方向Xに直交する方向に積層されている。本実施形態では、圧電材料314、個別内部電極315及び共通内部電極316の積層方向を、以降、第2の方向Yと称する。
この圧電アクチュエーター形成部材312には、例えば、ワイヤーソー等によって複数のスリット317が形成され、その先端部側が櫛歯状に切り分けられて圧電アクチュエーター311が第1の方向Xに並設されている。
ここで、圧電アクチュエーター311の固定板313に接合される領域は、振動に寄与しない不活性領域となっており、圧電アクチュエーター311を構成する個別内部電極315及び共通内部電極316間に電圧を印加すると、固定板313に接合されていない先端部側の領域のみが振動する。そして、圧電アクチュエーター311の先端面が、後述する振動板332の島部340に接着剤等を介して固定される。
また、アクチュエーターユニット310の各圧電アクチュエーター311には、当該圧電アクチュエーター311を駆動するための駆動IC等の駆動回路320が搭載されたCOF等の回路基板321が接続されている。
流路ユニット330は、流路形成基板331、振動板332及びノズルプレート333を具備する。本実施形態では、流路形成基板331、振動板332及びノズルプレート333の積層方向を第3の方向Zと称する。なお、第1の方向X、第2の方向Y及び第3の方向Zは互いに直交する方向に配置されている。また、本実施形態では、流路形成基板331において、ノズルプレート333側をZ1側、振動板332側をZ2側と称する。
流路形成基板331は、シリコン単結晶基板等からなり、Z2側の表層部分には、複数の隔壁334によって画成された圧力発生室335が第1の方向Xに並設されている。また、流路形成基板331には、本実施形態では、圧力発生室335が第1の方向Xに並設された列が4列、第2の方向Yに並設されている。
また、各圧力発生室335の第2の方向Yの一端部側には、各圧力発生室335に液体の一例であるインクを供給するためのマニホールド336が液体供給路の一例であるインク供給路337を介して連通されている。本実施形態のマニホールド336は、圧力発生室335の列毎に独立して設けられている。本実施形態では、圧力発生室335の列が4列設けられているため、マニホールド336は圧力発生室335の列と同じ数、すなわち、4個設けられている。
また、第3の方向Zにおいて、流路形成基板331の圧力発生室335が開口するZ2側は振動板332で封止され、Z1側にはノズル開口338が穿設されたノズルプレート333が接着剤や熱溶着フィルムを介して接着されている。また、ノズルプレート333のノズル開口338と圧力発生室335とは、流路形成基板331を第3の方向Zに貫通して設けられたノズル開口連通孔339を介して連通している。
また、ノズルプレート333のZ1側の面には、カバーヘッド370が設けられている。カバーヘッド370は、ノズル開口338を露出するための露出開口部371が設けられている。このカバーヘッド370によってノズルプレート333のZ1側の面は保護されている。
振動板332は、例えば、樹脂フィルム等の弾性材料からなる弾性膜332aと、この弾性膜332aを支持する、例えば、金属材料等からなるである支持板332bとの複合板で形成されており、弾性膜332a側が流路形成基板331に接合されている。
また、振動板332の各圧力発生室335に対向する領域内には、圧電アクチュエーター311の先端部が当接する島部340が設けられている。すなわち、振動板332の各圧力発生室335の周縁部に対向する領域に他の領域よりも厚さの薄い薄肉部341が形成され、この薄肉部341の内側にそれぞれ島部340が設けられている。このような島部340には、上述したアクチュエーターユニット310の圧電アクチュエーター311の先端部が例えば、接着剤等を介して固定される。
また、振動板332のマニホールド336に対向する領域には、薄肉部341と同様に、支持板332bがエッチングにより除去されて実質的に弾性膜332aのみで構成されるコンプライアンス部342が設けられている。なお、このコンプライアンス部342は、マニホールド336内に圧力変化が生じた時に、このコンプライアンス部342の弾性膜332aが変形することによって圧力変化を吸収し、マニホールド336内の圧力を常に一定に保持する役割を果たす。
ケース350は、流路形成基板331の振動板332上に固定されたものであり、第3の方向Zに貫通する複数の収容部351が設けられている。この各収容部351内には、アクチュエーターユニット310が位置決めされて固定されている。本実施形態では、圧力発生室335の列数に対応して収容部351が第2の方向Yに4個並設されている。
また、ケース350のZ2側の面には、回路基板321の各配線が接続される配線基板360が固定されている。配線基板360には、ケース350の収容部351に対抗する領域にスリット状の開口部361が形成されており、圧電アクチュエーター311と接続された回路基板321はこの配線基板360の開口部361から収容部351の外側に引き出されて配線基板360のケース350とは反対側のZ2側の面で配線基板360と電気的に接続されている。また、配線基板360の一端部には、コネクター362が設けられており、このコネクター362に、特に図示していないが、外部からの配線が接続されて、印刷信号等が入力される。
また、ケース350には、本実施形態の液体貯留手段であるインクカートリッジ11(図1参照)からのインクをマニホールド336に供給する流路である導入路352が設けられている。導入路352は、一端がマニホールド336に連通し、他端が、ケース350のZ2側から突出する突起部353の先端面に開口して設けられている。このような突起部353及び導入路352は、マニホールド336の各々に対応して設けられている。すなわち、本実施形態では、マニホールド336が4個設けられているため、導入路352はマニホールド356と同じ数、すなわち4個設けられている。
このような導入路352と、流路部材20の第2液体流路221とは、第2シール部材40を介して接続されている。第2シール部材40は、ゴムやエラストマー等の弾性材料で形成された板状部材からなる。また、第2シール部材40には、インク連通路41が第3の方向Zに貫通して設けられており、インク連通路41を介してケース350の導入路352と流路部材20の第2液体流路221とが連通されている。
ここで、図8に示すように、導入路352内のインクは、導入路352の内壁面側に設けられた第1層流501と、第1層流501よりも中心側に設けられた第2層流502との2つの層流となる。これは、インクカートリッジ11内にインクに含まれる成分が重力によって沈降し、インクカートリッジ11の鉛直方向下側の底面に堆積する。そして、インクカートリッジ11の供給口12は、インクカートリッジ11の底面において、壁面とは離れた位置、すなわち中心側に配置されているため、供給口12から露出された供給部13とフィルター215とが液面接続された下流側の流路である第1液体流路211において、内壁面側にはインクカートリッジ11の底面に溜まったインク、すなわち濃度の高いインクが供給され、中心側には、インクカートリッジの底面とは反対側のインク、すなわち、濃度が低いインクが供給される。このように第1液体流路211に供給された濃度の異なるインクは、層流、すなわち、第1層流501と第2層流502となって流れるため、第1液体流路211に接続された導入路352内においても第1層流501と第2層流502とが形成される。なお、導入路352において、第1層流501と第2層流502とが形成される要因の一つとして、インクカートリッジ11内におけるインクの成分の沈降が挙げられるに過ぎず、その他の要因によっても第1層流501と第2層流502とが形成される場合も考えられる。
そこで、本実施形態では、導入路352に隔離部材400を設け、インクの第1層流501及び第2層流502の配置を変換すると共に攪拌するようにした。すなわち、本実施形態では、ケース350が、液体層分布変換部材として設けられている。
ここで、本実施形態の流路である導入路352及び隔離部材400についてさらに図9〜図12を参照して説明する。なお、図9は、ヘッド本体の一部を切り欠いた要部斜視図であり、図10は、ヘッド本体の一部を切り欠いた要部平面図であり、図11は、図10のD−D′線断面図であり、図12は、導入路とマニホールドとの接続状態を示す断面図である。
図示するように、導入路352は、ケース350に第3の方向Zに沿って延設されており、その内部には隔離部材400が設けられている。
隔離部材400は、筒状部401と、第1閉塞部402と、第2閉塞部403とを具備する。
筒状部401は、軸方向が導入路352の延設方向である第3の方向Zに配置されている。この筒状部401の外側、すなわち、筒状部401と導入路352の内壁面との間に第1流路410が形成され、筒状部401の内側に第2流路420が形成されている。すなわち、導入路352は、導入路352の内壁面側に設けられた第1流路410と、中心側に設けられた第2流路420とを具備し、これら第1流路410と第2流路420とは隔離部材400によって区分されている。
また、筒状部401の下流側、すなわち、マニホールド336に連通する側の端部には、第1閉塞部402と第2閉塞部403とが設けられている。
第1閉塞部402は、筒状部401と導入路352との間の第1流路410の一部を閉塞することで、第1流路410の下流側の第1流出口411を形成する。本実施形態では、第1閉塞部402は、筒状部401と導入路352との間の第1流路410の略半分を閉塞するように設けられている。すなわち、第1流出口411は、第1流路410の上流側の開口である第1流入口の略半分の開口面積で設けられている。
第2閉塞部403は、筒状部401の内側の第2流路420の一部を閉塞することで、第2流路420の下流側の開口である第2流出口421を形成する。本実施形態では、第2閉塞部403は、筒状部401の内側の第2流路420の略半分を閉塞するように設けられている。すなわち、第2流出口421は、第2流路420の上流側の開口である第2流入口の略半分の開口面積で設けられている。
これにより、導入路352には、第1流路410を前記内壁面の周方向の一部で開口する第1流出口411と、第1流出口411と区分された第2流出口421であって、第1流出口411よりも導入路352の中心側で第2流路420を開口する第2流出口421とが設けられている。
また、第2閉塞部403は、第1流出口411と第2流出口421との間に設けられている。なお、本実施形態では、マニホールド336のY1側に接続される導入路352において、第1閉塞部402は、筒状部401の第2の方向YのY1側に設けられ、第2閉塞部403は、筒状部401のY2側に設けられている。したがって、Y1側からY2側に向かって、第1閉塞部402、第2流出口421、第2閉塞部403及び第1流出口411が順番に並設されている。
このような構成とすることにより、図10及び図11に示すように、筒状部401の外側、すなわち、第1流路410に供給されたインクは、その一部が第1閉塞部402によって下流側への流れが遮られて、Y2側の第1流出口411から流出される。すなわち、第1流路410の内壁面を流れるインクの第1層流501は、Y1側が第1閉塞部402に遮られることで、Y1側の第1層流501は、筒状部401の外周に沿ってY2側に流れてY2側の第1層流501と合流し、第1流出口411から下流に流出される。
また、筒状部401の内側、すなわち第2流路420に供給されたインクの第2層流502は、Y2側が第2閉塞部403によって下流側への流れが遮られることで、Y1側の第2層流502は、Y1側に流れてY1側の第2層流502と合流し、第2流出口421から下流に流出される。
このような第1層流501及び第2層流502が流出される第1流出口411及び第2流出口421は、第2の方向Yに並設されているため、第1流出口411及び第2流出口421から流出された第1層流501と第2層流502とは、第2の方向Yに並設されている。すなわち、導入路352を通るインクは、隔離部材400の上流側で内壁面側に設けられた第1層流501と、中心側に設けられた第2層流502とが形成されていたとしても、第1層流501及び第2層流502の並設方向を隔離部材400の下流側において第2の方向Yに並設した配置に変換することができるため、第1層流501と第2層流502とを攪拌して、インクの成分の分布の偏りを改善することができる。したがって、インクジェット式記録ヘッド10やインクジェット式記録装置に攪拌球等の攪拌手段や循環装置を設けることなく、インクの成分の沈降を容易に改善することができ、インクジェット式記録ヘッド10の小型化を図ることができる。
このように隔離部材400の下流において、第2の方向Yに並設された第1層流501と第2層流502とは、マニホールド336に供給される。本実施形態では、図12に示すように、導入路352は、マニホールド336のY1側に接続される。そして、マニホールド336内では、第2の方向Yに沿ってインクが流れるため、マニホールド336内において、第1層流501が鉛直方向(第3の方向Z)の上側、第2層流502が鉛直方向の下側に配置される。つまり、導入路352とマニホールド336とは、導入路352が第3の方向Zにインクを流すものであり、マニホールド336が第2の方向Yに沿った方向にインクを流すものであり、流路方向の変化点は導入路352とマニホールド336との接続部分となっている。本実施形態では、この流路方向の変化点よりも上流側に第1流出口411及び第2流出口421を設けることで、流路方向の変化点の前にインクを攪拌して、インクに含まれる成分の分布の偏りを改善することができるため、変化点よりも下流側、すなわちマニホールド336内におけるインクの成分の分布の偏りを改善することができる。
また、本実施形態では、マニホールド336内において、濃度の高い第1層流501を鉛直方向上側となるように第1流出口411を配置している。これにより、マニホールド336内においてインクが流れずに一定時間停滞したとしても、濃度の高い第1層流501が鉛直方向上側に配置されることで、第1層流501のインクに含まれる成分が、濃度の低い第2層流502に沈降するため、インクの成分が完全に沈降するまでの時間を稼ぐことができる。
ここで、例えば、隔離部材400を設けずに、第1層流501と第2層流502とがマニホールド336に供給されると、図13に示すように、マニホールド336内には、第1の方向Xの両側に濃度が高い第1層流501が供給され、第1の方向Xの中心側に濃度が低い第2層流502が供給される。このため、複数の圧力発生室335のうち、第1の方向Xの両側に配置された圧力発生室335には、濃度の高い第1層流501のみが供給され、第1の方向Xの中心側に配置された圧力発生室335には、濃度の低い第2層流502のみが供給されてしまい、各圧力発生室335に連通するノズル開口338から噴射されたインクによって印刷された印刷物の濃度むらが発生してしまう。
これに対して、本実施形態では、隔離部材400によって第1層流501と第2層流502とを第2の方向Yに並設する方向に配置を変換することで、図14に示すように、マニホールド336内に第1層流501と第2層流502とを第3の方向Zに並設して供給することができる。したがって、マニホールド336内には第1の方向Xに亘って成分の分布の偏りが改善したインク、すなわち第1の方向Xに亘って濃度の偏りが抑制されたインクが充填される。このように、マニホールド336内に供給された第1層流501及び第2層流502の並設方向(第3の方向Z)と、マニホールド336と圧力発生室12とを連通するインク供給路337の並設方向(第1の方向X)とを異なる方向に配置することで、圧力発生室335には、並設方向において濃度の偏りが抑制されたインクを供給することができ、各圧力発生室335に連通するノズル開口338から噴射されたインクによって印刷された印刷物の濃度むらを抑制することができる。なお、図13及び図14は、導入路からノズル開口までを示した図である。
なお、本実施形態では、マニホールド336のY1側に接続される導入路352及び隔離部材400について説明したが、マニホールド336のY2側に接続される導入路352に設ける隔離部材400は、連通するマニホールド336の位置を基準として配置すればよい。すなわち、マニホールド336のY2側に接続される導入路352に設ける隔離部材400の第1流出口411をY1側に設け、第2流出口421をY2側に設ければ、マニホールド336の鉛直方向上側に第1層流501が供給され、マニホールド336の鉛直方向下側に第2層流502が供給される。
(実施形態2)
図15は、ヘッド本体の一部を切り欠いた要部平面図であり、図16は、図15のE−E′線断面図である。なお、上述した実施形態1と同様の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
図示するように、導入路352の内部には、隔離部材400が設けられている。本実施形態の隔離部材400は、筒状部401と、第1閉塞部402とを具備する。すなわち、本実施形態の隔離部材400には、筒状部401の内側に第2閉塞部403が形成されていない。
このような隔離部材400では、筒状部401と導入路352の内壁面との間に第1流路410が設けられ、筒状部401の内側に第2流路420が設けられている。そして、第1流路410の下流側は、上述した実施形態1と同様に、第1閉塞部402によって一部が閉塞されて、閉塞されない部分に第1流出口411が形成されている。また、隔離部材400には、第2閉塞部403が形成されていないため、筒状部401の内側の第2流路420には、筒状部401の下流側の端部に一部が閉塞されていない第2流出口421が形成されている。
このような構成では、図16に示すように、第1層流501は、第1流路410を通って、Y1側の一部が第1閉塞部402に遮られて、Y2側に開口する第1流出口411から流出される。また、第2層流502は、第2流路420を通って、第2閉塞部403に閉塞されることなくそのまま第2流出口421から流出される。
このような構成であっても、第1流出口411と第2流出口421とを第2の方向Yに並設して、隔離部材400の下流側において第1流出口411から流出された第1層流501と第2流出口421から流出された第2層流502とを第2の方向Yに並設することができる。したがって、上述した実施形態1と同様の効果を奏することができる。
なお、本実施形態では、隔離部材400に第2閉塞部403を設けないことで、上述した実施形態1に比べて、隔離部材400の下流において、第2の方向Yにおける第1層流501が占める割合が小さく、第2層流502が占める割合が大きくなってしまうが、このような並設方向で占める割合の異なる第1層流501及び第2層流502がマニホールド336に供給されても印刷物の濃度むらへの影響は少ない。
(他の実施形態)
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明の基本的構成は上述したものに限定されるものではない。
例えば、上述した各実施形態では、隔離部材400の筒状部401の厚さを第3の方向Zに亘って均一になるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、図17に示すように、筒状部401の厚さを第3の方向Zの上流側の先端に向かって徐々に薄くなるようにしてもよい。これにより、隔離部材400の上流側から流れてきたインクを第1流路410及び第2流路420に分岐する際に、流路抵抗を減少させることができる。また、筒状部401の先端を尖らせることで、先端でインクが滞留する領域を減少させることができ、インクの初期充填性及び気泡排出性を向上することができる。ちなみに、図17では、筒状部401の厚さを先端に向かって徐々に薄くすることで先端が角としたが、特にこれに限定されず、筒状部401の先端が曲面となるようにしてもよい。なお、図17は、他の実施形態に係る隔離部材の変形例を示すD−D′線に準じた断面図である。
また、上述した各実施形態では、ケース350に隔離部材400を設けることで、ケース350を液体層分布変換部材としたが、特にこれに限定されず、流路部材20に隔離部材400を設けることで、流路部材20を液体層分布変換部材としてもよい。もちろん、流路部材20とヘッド本体30との両方に隔離部材400を設けるようにしてもよい。なお、流路部材20に隔離部材400を設ける場合には、流路の方向の変化点よりも上流側に隔離部材400を設けるのが好ましい。すなわち、上述した実施形態1では、流路方向の変化点は、第1液体流路211と接続流路222との接続部分となるので、接続流路222よりも上流側である第1液体流路211に隔離部材400を設けるのが好ましい。また、第1流路を通過し第1流出口から流出したインクの第1層流501は、接続流路222において鉛直方向上側となるように、第1流出口を配置するのが好ましい。これにより、接続流路222においてインクの成分が沈降するまでの時間を長くすることができる。
なお、上述した実施形態では、導入路352を鉛直方向である第3の方向Zにインクが流れるように設け、マニホールド336を第2の方向Yにインクが流れるように設けることで、導入路352とマニホールド336との接続部分を流路方向の変化点としたが、特にこれに限定されず、導入路352は、鉛直方向である第3の方向Zに交差する方向に設けられていてもよく、マニホールド336は、水平方向である第2の方向Yに交差する方向に設けられていてもよい。すなわち、隔離部材400が設けられる流路は、鉛直方向である第3の方向Zの成分を含むベクトル方向にインクが流れるように設けられていればよく、変化点より下流の流路は、水平方向である第2の方向Yの成分を含むベクトル方向にインクが流れるように設けられていればよい。
さらに、上述した実施形態では、第1流路部材210に取付部214、フィルター215及び第1シール部材230を設け、インクカートリッジ11とフィルター215とが液面接続されるようにしたが、特にこれに限定されず、第1流路部材210に針状の取付部を設け、取付部がインクカートリッジ内に差し込まれるものであってもよい。
また、上述した各実施形態では、圧力発生室335に圧力変化を生じさせる圧力発生手段として、圧電材料と電極形成材料とを交互に積層させて軸方向に伸縮させる縦振動型の圧電アクチュエーター311を用いて説明したが、圧力発生手段としては、特にこれに限定されず、例えば、圧電材料314と個別内部電極315及び共通内部電極316とを交互に積層させて積層方向の一端部を島部に当接させる横振動型の圧電アクチュエーターを用いるようにしてもよい。また、圧力発生手段として、電極及び圧電材料を成膜及びリソグラフィー法により積層形成した薄膜型、グリーンシートを添付する等の方法により形成される厚膜型などの撓み振動型の圧電アクチュエーターを用いることができる。さらに、吐出部として、圧力発生室内に発熱素子を配置して、発熱素子の発熱で発生するバブルによってノズル開口から液滴を吐出するものや、振動板と電極との間に静電気を発生させて、静電気力によって振動板を変形させてノズル開口から液滴を吐出させるいわゆる静電式アクチュエーターなどを使用することができる。
また、これら実施形態のインクジェット式記録ヘッド10は、インクジェット式記録装置に搭載される。図18は、そのインクジェット式記録装置の一例を示す概略図である。
図18に示すインクジェット式記録装置Iにおいて、インクジェット式記録ヘッド10は、キャリッジ3に搭載されている。キャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられている。なお、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド10は、第2の方向Yがキャリッジ軸5の軸方向となるように配置される。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、インクジェット式記録ヘッド10を搭載したキャリッジ3はキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4には搬送手段としての搬送ローラー8が設けられており、紙等の記録媒体である記録シートSが搬送ローラー8により搬送されるようになっている。なお、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラーに限られずベルトやドラム等であってもよい。
また、上述したインクジェット式記録装置Iでは、インクジェット式記録ヘッド10がキャリッジ3に搭載されて主走査方向に移動するものを例示したが、特にこれに限定されず、例えば、インクジェット式記録ヘッド10が固定されて、紙等の記録シートSを副走査方向に移動させるだけで印刷を行う、所謂ライン式記録装置にも本発明を適用することができる。
また、上述した例では、インクジェット式記録装置Iは、液体貯留手段であるインクカートリッジ11がキャリッジ3に搭載された構成であるが、特にこれに限定されず、例えば、インクタンク等の液体貯留手段を装置本体4に固定して、液体貯留手段とインクジェット式記録ヘッド10とをチューブ等の供給管を介して接続してもよい。また、液体貯留手段がインクジェット式記録装置Iに搭載されていなくてもよい。また、上述した各実施形態では、流路部材20をインクジェット式記録ヘッド10に設けるようにしたが、特にこれに限定されず、例えば、上述した各実施形態の流路部材20をインクジェット式記録装置の装置本体4に固定された液体貯留手段等に設け、液体貯留手段に設けた流路部材20に上述した隔離部材400を設けるようにしてもよい。すなわち、隔離部材400を有する流路が設けられた液体層分布変換部材は、インクジェット式記録装置Iのインクジェット式記録ヘッド10に設けるものに限定されず、他の部分に設けられるものであってもよい。
なお、上記実施の形態においては、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを、また液体噴射装置の一例としてインクジェット式記録装置を挙げて説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド及び液体噴射装置全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドや液体噴射装置にも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられ、かかる液体噴射ヘッドを備えた液体噴射装置にも適用できる。
また、本発明は、液体噴射ヘッド及び液体噴射装置に用いられる液体層分布変換部材に限定されず、他のデバイスに用いられる液体層分布変換部材にも適用することができる。
I インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 10 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 11 インクカートリッジ(液体貯留手段)、 20 流路部材20 ヘッド本体、 40 第2シール部材、 41 インク連通路、 210 第1流路部材、 211 第1液体流路、 212 カートリッジ装着部、 214 取付部、 215 フィルター、 220 第2流路部材、 221 第2液体流路、 222 接続流路、 230 第1シール部材、 310 アクチュエーターユニット、 311 圧電アクチュエーター、 320 駆動回路、 321 回路基板、 330 流路ユニット、 331 流路形成基板、 332 振動板、 333 ノズルプレート、 335 圧力発生室、 336 マニホールド、 338 ノズル開口、 350 ケース、 352 導入路(流路)、 360 配線基板、 370 カバーヘッド、 400 隔離部材、 401 筒状部、 402 第1閉塞部、 403 第2閉塞部、 410 第1流路、 411 第1流出口、 420 第2流路、 421 第2流出口、 501 第1層流、 502 第2層流

Claims (9)

  1. 流路内の液体層の分布を変換する液体層分布変換部材であって、
    前記流路内には、当該流路の内壁面側に第1流路と、当該流路の中心側に第2流路とを形成する隔離部材が設けられており、
    前記隔離部材は、前記流路の下流側において、前記第1流路を前記内壁面の周方向の一部で開口する第1流出口と、該第1流出口と区分された第2流出口であって、当該第1流出口よりも前記流路の中心側で前記第2流路を開口する第2流出口と、を具備することを特徴とする液体層分布変換部材。
  2. 前記第1流出口及び前記第2流出口は、前記流路の流路方向が変化する変化点よりも上流側に配置されていることを特徴とする請求項1記載の液体層分布変換部材。
  3. 前記流路方向の変化点が、鉛直方向の成分を有するベクトル方向から鉛直方向と直交する水平方向の成分を有するベクトル方向に変化する変化点であり、
    前記第1流出口を通過した液体は、前記変化点の下流において、鉛直方向上側に流れ込む位置に、当該第1流出口が配置されていることを特徴とする請求項2記載の液体層分布変換部材。
  4. 前記隔離部材は、前記流路の液体を流れる方向に軸方向を有する筒状部と、前記筒状部と前記流路との間の一部を閉塞する第1閉塞部と、前記筒状部の内側の一部を閉塞する第2閉塞部と、を具備し、
    前記第1流路は、前記筒状部の外側に形成されており、前記第2流路は前記筒状部の内側に形成されており、
    前記第1流出口は、前記筒状部と前記内壁面との間に前記第1閉塞部によって閉塞されていない部分に形成されており、
    前記第2流出口は、前記筒状部の内側に前記第2閉塞部によって閉塞されていない部分に形成されており、
    前記第2閉塞部は、前記第1流出口と前記第2流出口との間に設けられていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の液体層分布変換部材。
  5. 前記隔離部材の上流側の先端部の厚さは、前記先端部よりも下流側の厚さに比べて薄いことを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の液体層分布変換部材。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の液体層分布変換部材を具備することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  7. 液体を噴射するノズル開口に連通する圧力発生室と、
    複数の前記圧力発生室が共通して連通するマニホールドと、を備え、
    前記隔離部材が、前記マニホールドに液体を供給する流路に設けられていることを特徴とする請求項6記載の液体噴射ヘッド。
  8. 請求項1〜5の何れか一項に記載の液体層分布変換部材を具備することを特徴とする液体噴射装置。
  9. 流路内の液体層の分布を変換する液体層分布変換方法であって、
    前記流路内には、当該流路の内壁面側に第1流路と、当該流路の中心側に第2流路とを形成する隔離部材が設けられおり、
    前記隔離部材は、前記流路の下流側において、前記第1流路を前記内壁面の周方向の一部で開口する第1流出口と、該第1流出口と区分された第2流出口であって、当該第1流出口よりも前記流路の中心側で前記第2流路を開口する第2流出口と、を具備し、前記第1流出口と前記第2流出口とから液体を流出させることで、液体層の分布を変換することを特徴とする液体層分布変換方法。
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JP2014188767A Pending JP2016060077A (ja) 2014-09-17 2014-09-17 液体層分布変換部材、液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び液体層分布変換方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109421374A (zh) * 2017-08-30 2019-03-05 中国科学院苏州纳米技术与纳米仿生研究所 压电喷墨打印芯片及封装该压电喷墨打印芯片的封装结构

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CN109421374A (zh) * 2017-08-30 2019-03-05 中国科学院苏州纳米技术与纳米仿生研究所 压电喷墨打印芯片及封装该压电喷墨打印芯片的封装结构

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