JP2013129060A - 流路部材および液体噴射ヘッドならびに液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 気泡室内に貯留されている気泡とフィルターとの接触を回避させ、流路の閉塞等の不都合を生起することなく可及的に大量の気泡を貯留して気泡メンテナンスの間隔を長くすることができる流路部材を提供する。
【解決手段】 一方の入口から他方の出口に向けてインクを流通させるインク流路91,92と、該インク流路91,92におけるインクの流通方向と直交する面内に配設されたフィルター33と、該フィルター33の上流側に形成されて気泡が貯留される気泡室95とを有する流路部材30において、フィルター33は、インク流路91,92の下流側に凸となるような形状であって、気泡室95内におけるインクのメニスカスの形状と同形状となるように形成した。
【選択図】図4
【解決手段】 一方の入口から他方の出口に向けてインクを流通させるインク流路91,92と、該インク流路91,92におけるインクの流通方向と直交する面内に配設されたフィルター33と、該フィルター33の上流側に形成されて気泡が貯留される気泡室95とを有する流路部材30において、フィルター33は、インク流路91,92の下流側に凸となるような形状であって、気泡室95内におけるインクのメニスカスの形状と同形状となるように形成した。
【選択図】図4
Description
本発明は流路部材および液体噴射ヘッドならびに液体噴射装置に関し、特にフィルターの上流側に気泡を貯留しておく気泡室を有するものに適用して有用なものである。
液体噴射ヘッドの代表例であるインクジェット式記録ヘッドでは、一般的に、インクが充填された液体貯留手段であるインクカートリッジから、このインクカートリッジに着脱可能に挿入されるか、又はこのインクカートリッジから伸びるチューブなどの供給管の先端に配されるインク供給体となるインク供給針およびインクカートリッジが保持されるカートリッジケース等の流路部材に形成されたインク供給路を介してヘッド本体にインクが供給され、ヘッド本体に設けられた圧電素子等の圧力発生手段を駆動させることによりヘッド本体に供給されたインクがノズルから吐出される。
このようなインクジェット式記録ヘッドでは、気泡等によるドット抜け等の吐出不良を解決するために、インクカートリッジに挿入されるインク供給針とカートリッジケースとの間にインク内の気泡やゴミ等を除去するためのフィルターを設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1の構成では、平板状のフィルターが、気泡を貯留するための気泡室内で、流路内におけるインクの流通方向と直交する面内に配設されている。
気泡室内で成長する気泡は気泡室内におけるインクによるメニスカス形状を規定する。かかるメニスカス形状は、一般にインクの表面張力、インクと気泡室部材との接触角および気泡室形状に基づき決定されるが、一般に、インクの流通方向に突出した曲面形状となる。
しかしながら、特許文献1では、メニスカス形状とフィルター形状との関係を何ら考慮していない。すなわちフィルター形状がメニスカス形状に沿っていない特許文献1においては、気泡室に貯留させる気泡の凸部がフィルターの表面に早く接触することになる。かかる接触を生起した場合には、気泡バッファに有効な気泡室内の容積が小さくなり、気泡メンテナンス(気泡の吸引排除)の間隔が短くなり、その分気泡メンテナンスに伴う消費インクが増大するという問題を生起する。
一方、気泡室内の気泡が温度上昇により膨張した場合、このときの温度上昇による気泡の膨張分が、フィルムなどの体積変化できる部分で吸収できる量を上回ると、流路圧力が上昇し、ノズル開口からインクを漏出させる原因となる。
このため、気泡室の容積は、気泡が膨張してもインクの漏出を生起させないよう、貯留し得る最大気泡量が規定される。気泡室は、予め定められた最大気泡量に適合させて形成してあり、最大気泡量の気泡を貯留し得るような容積としてある。したがって、気泡の一部がフィルターに接触することを回避させることを目的として、気泡室の容積を最大気泡量以上に大きくすることはできない。
なお、かかる問題はインクジェット式記録ヘッドだけでなく、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにおいても同様に存在する。
本発明は、上記従来技術に鑑み、気泡室内に貯留されている気泡とフィルターとの接触を回避させ、流路の閉塞等の不都合を生起することなく可及的に大量の気泡を貯留して気泡メンテナンスの間隔を長くすることができる流路部材および液体噴射ヘッドならびに液体噴射装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成する本発明の第1の態様は、一方の開口から他方の開口に向けて液体を流通させる液体流路と、該液体流路の途中において前記流体の流通方向と直交する面内に配設されたフィルターと、該フィルターの上流側において前記液体流路の途中に形成されて気泡が貯留される気泡室とを有する流路部材において、前記フィルターは、前記流路の下流側に凸となるような曲面形状であって、前記気泡室内における前記液体のメニスカスの、少なくとも中央部の形状と同形状となるように形成したことを特徴とする流路部材にある。
本態様によれば、メニスカス形状に沿う気泡とフィルターとの所定の距離を良好に維持させることができるので、気泡室内に貯留されている気泡とフィルターとの接触を回避させることができ、流路の閉塞等の不都合を生起することなく可及的に大量の気泡を貯留することができる。この結果、気泡室の容積を増大させることなく、気泡メンテナンスの間隔を長くすることができる。
本態様によれば、メニスカス形状に沿う気泡とフィルターとの所定の距離を良好に維持させることができるので、気泡室内に貯留されている気泡とフィルターとの接触を回避させることができ、流路の閉塞等の不都合を生起することなく可及的に大量の気泡を貯留することができる。この結果、気泡室の容積を増大させることなく、気泡メンテナンスの間隔を長くすることができる。
ここで、前記フィルターの曲面形状は、予め定められた最大気泡量の気泡が前記気泡室内に貯留されている状態でのメニスカスの曲面形状と同一であるのが望ましい。この場合には、最大気泡量の近傍まで、可及的に多くの気泡を貯留することができ、気泡メンテナンスの間隔を最も長くすることができる。また、前記気泡室は筒状に形成されているのが望ましい。この場合には、気泡の成長に伴いメニスカス形状が平行して変化するので、メニスカス形状の変化の予測を最も簡単に行うことができる。
本発明の他の態様は、液体を噴射するノズルを有するヘッド本体と、前記ノズルに連通する液体流路を有する流路部材とを備えた液体噴射ヘッドであって、前記流路部材を、上述の如き流路部材で形成したことを特徴とする液体噴射ヘッドにある。
本態様によれば、気泡室の容積を増大させることなく、気泡メンテナンスの間隔を長くすることができる。すなわち、当該液体噴射ヘッドのクリーニング間隔を長くすることができる。
本態様によれば、気泡室の容積を増大させることなく、気泡メンテナンスの間隔を長くすることができる。すなわち、当該液体噴射ヘッドのクリーニング間隔を長くすることができる。
本発明の他の態様は、上記液体噴射ヘッドを備えたことを特徴とする液体噴射装置にある。
本態様によれば、その液体噴射ヘッドのクリーニング間隔を長くすることができるので、当該液体噴射装置の稼働効率の向上を図ることができる。
本態様によれば、その液体噴射ヘッドのクリーニング間隔を長くすることができるので、当該液体噴射装置の稼働効率の向上を図ることができる。
以下本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置を示す概略斜視図である。同図に示すように、インクジェット式記録装置10は、インク滴を吐出する液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドとも言う)11がキャリッジ12に固定され、この記録ヘッド11には、ブラック(B)、ライトブラック(LB)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)等の複数の異なる色のインクが貯留された液体貯留手段の一例であるインクカートリッジ13がそれぞれ着脱可能に固定されている。
図1は、本発明の実施の形態に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置を示す概略斜視図である。同図に示すように、インクジェット式記録装置10は、インク滴を吐出する液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドとも言う)11がキャリッジ12に固定され、この記録ヘッド11には、ブラック(B)、ライトブラック(LB)、シアン(C)、マゼンダ(M)、イエロー(Y)等の複数の異なる色のインクが貯留された液体貯留手段の一例であるインクカートリッジ13がそれぞれ着脱可能に固定されている。
記録ヘッド11が搭載されたキャリッジ12は、装置本体14に取り付けられたキャリッジ軸15に軸方向移動自在に設けられている。そして、駆動モーター16の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト17を介してキャリッジ12に伝達されることで、キャリッジ12はキャリッジ軸15に沿って移動される。一方、装置本体14にはキャリッジ軸15に沿ってプラテン18が設けられており、図示しない給紙装置等により給紙された紙等の被記録媒体Sがプラテン18上を搬送されるようになっている。
また、キャリッジ12のホームポジションに対応する位置、すなわち、キャリッジ軸15の一方の端部近傍には、記録ヘッド11のノズル形成面を封止するキャップ部材19を有するキャッピング装置20が設けられている。このキャップ部材19によってノズル開口が形成されたノズル形成面を封止することにより、インクの乾燥を防止している。また、このキャップ部材19は、フラッシング動作時のインク受けとしても機能する。
図2に示すように、記録ヘッド11は、液体貯留手段であるインクカートリッジ13に挿入される複数のインク供給針31や、インクカートリッジ13が固定されるカートリッジケース32等を有する流路部材30と、流路部材30のインクカートリッジ13とは反対側の面に固定されたヘッド本体220と、ヘッド本体220の液体噴射面側に設けられたカバーヘッド240とを具備する。
ここで、流路部材30について詳細に説明する。流路部材30の上面図である図3及び図3のA−A′線断面図である図4に示すように、流路部材30を構成するカートリッジケース32は、インクカートリッジ13がそれぞれ装着されるカートリッジ装着部35を有する。また、カートリッジケース32には、一端がカートリッジ装着部35側に開口し、他端がヘッド本体220側に開口するインク流路92が形成されている。インク流路92は、図4に示すように、インク供給針31側から内径が底面に向かって漸減するフィルター室93から、ヘッド本体220側の開口部である開口94を経てヘッド本体220に供給されるインクを流通させる。
また、カートリッジケース32において、フィルター室93の上流側には、インク供給針31がフィルター33を介して固定されている。このインク供給針31には、一端がインクカートリッジ13側に開口するとともに、他端が気泡室95に連通されたインク流路91が形成されている。気泡室95はフィルター33の上流側で気泡を貯留するとともに、その下流側に配設されたフィルター33を挟んでフィルター室93に連通している筒状の部屋である。
フィルター33は、金属を細かく編み込むことで複数の微細孔が形成されたシート状の部材であり、カートリッジケース32側のフィルター挟持部37とインク供給針31側のフィルター挟持部42とで構成される挟持部39で挟持されることにより、インク流路91とインク流路92との間に、その面をインクの流通方向に直交させて配設されている。このフィルター33により、このフィルター33を流通するインク内の気泡や異物が除去される。
かくして、インク供給針31とカートリッジケース32とが一体となってインク供給針31の一端に形成された入口からカートリッジケース32に形成された開口94である出口に向けてインクを流通させるインク流路91,92が連続して形成してあり、その途中に気泡室95とフィルター33とが配設されている。本形態におけるフィルター33はインクの流通方向の下流側に突出する曲面形状となっているが、かかる形状に関しては後に詳述する。
また、本形態における流路部材30は、カートリッジケース32、インク供給針31およびフィルター33を一体化する一体成型部34を備えている。この一体成型部34は、フィルター33を挟持したカートリッジケース32とインク供給針31とを一体成型接合している。ここで、一体成型接合とは、カートリッジケース32とインク供給針31との両方に接触するように一体成型部34を成型することにより、超音波溶着等によらずカートリッジケース32とインク供給針31とを接合することをいう。なお、本形態においては、カートリッジケース32のインク供給針31が固定される側の面に突出する壁部43が形成されており、該壁部43の内側に、後述する製造工程で形成される一体成型部34が設けられている。
図5は本形態における気泡室95およびフィルター33の部分を抽出してその構成の一例を概念的に示す説明図である。同図に示すように、フィルター33はインク40(図には黒点で示している。以下同じ。)の流通方向の下流側に突出する曲面形状となっているが、このときの曲面形状は、気泡室95内の気泡41(図にはインク40以外の白抜き部分として示す。以下同じ。)の形状で規定されるメニスカスMの形状と同形状となっている。
かかる構成の本例によれば、メニスカス形状に沿う気泡41とフィルター33との所定の距離を良好に維持することができるので、気泡室95内に貯留されている気泡41とフィルター33との接触を回避させることができ、気泡41によるインク流路92の閉塞等の不都合を生起することなく可及的に大量の気泡41を貯留することができる。この結果、気泡室95の容積を増大させることなく、気泡メンテナンスの間隔を長くすることができる。
ここで、フィルター33の曲面形状は、予め定められた最大気泡量の気泡41が気泡室95内に貯留されている状態でのメニスカスMの曲面形状と同一であるのが望ましい。この場合には、最大気泡量の近傍まで、可及的に多くの気泡41を気泡室95内に貯留することができ、気泡メンテナンスの間隔を最も長くすることができる。なお、本形態においては、気泡室95が筒状に形成されているため、気泡41の成長に伴いメニスカスMの曲面形状が平行して変化するので、メニスカスMの形状の変化の予測を最も簡単に行うことができる。
かかる流路部材30のインクカートリッジ13とは反対側には、ヘッド本体220が設けられている。ここで、ヘッド本体220について図6及び図7を用いて説明する。なお、図6は、ヘッド本体の分解斜視図であり、図7は、ヘッド本体の断面図である。
図示するように、ヘッド本体220を構成する流路形成基板60は、本形態では、シリコン単結晶基板からなり、その一方面には二酸化シリコンからなる弾性膜50が形成されている。この流路形成基板60には、その他方面側から異方性エッチングすることにより、複数の隔壁によって区画された圧力発生室62が、幅方向に並設された列が2列形成されている。また、各列の圧力発生室62の長手方向外側には、後述するリザーバー形成基板80に設けられるリザーバー部81と連通し、各圧力発生室62の共通のインク室となるリザーバー100を構成する連通部63が形成されている。また、連通部63は、供給路64を介して各圧力発生室62の長手方向一端部とそれぞれ連通されている。すなわち、本形態では、流路形成基板60に形成された液体流路として、圧力発生室62、連通部63及び供給路64が設けられている。
また、流路形成基板60の開口面側には、ノズル開口71が形成されたノズルプレート70が接着剤400を介して固着されている。具体的には、複数のヘッド本体220に対応するように複数のノズルプレート70が設けられており、当該ノズルプレート70は後で詳述するカバーヘッド240の露出開口部241よりも若干広い面積を有してカバーヘッド240と重畳する領域で接着剤等によって固定されている。なお、ノズルプレート70のノズル開口71は、各圧力発生室62の供給路64とは反対側で連通する位置に穿設されている。本実施形態では、流路形成基板60に圧力発生室62が並設された列を2列設けたため、1つのヘッド本体220にノズル開口71の並設されたノズル列71Aが2列設けられている。そして、本実施形態では、このノズルプレート70のノズル開口71が開口する面が液体噴射面となっている。このようなノズルプレート70としては、例えば、シリコン単結晶基板やステンレス鋼(SUS)等の金属基板などが挙げられる。
一方、流路形成基板60の開口面とは反対側には、弾性膜50上に、金属からなる第1電極と、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の圧電材料からなる圧電体層と、金属からなる第2電極とを順次積層することで形成された圧電素子300が形成されている。
このような圧電素子300が形成された流路形成基板60上には、リザーバー100の少なくとも一部を構成するリザーバー部81を有するリザーバー形成基板80が接合されている。このリザーバー部81は、本形態では、リザーバー形成基板80を厚さ方向に貫通して圧力発生室62の幅方向に亘って形成されており、上述のように流路形成基板60の連通部63と連通されて各圧力発生室62の共通のインク室となるリザーバー100を構成している。
また、リザーバー形成基板80の圧電素子300に対向する領域には、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を有する圧電素子保持部82が設けられている。
さらに、リザーバー形成基板80上には、各圧電素子300を駆動するための半導体集積回路(IC)等からなる駆動回路110が設けられている。この駆動回路110の各端子は、図示しないボンディングワイヤー等を介して各圧電素子300の個別電極から引き出された引き出し配線と接続されている。そして、駆動回路110の各端子には、フレキシブルプリント基板(FPC)等の外部配線111(図2参照)を介して外部と接続され、外部から外部配線111を介して印刷信号等の各種信号を受け取るようになっている。
また、このようなリザーバー形成基板80上には、コンプライアンス基板140が接合されている。コンプライアンス基板140のリザーバー100に対向する領域には、リザーバー100にインクを供給するためのインク導入口144が厚さ方向に貫通することで形成されている。また、コンプライアンス基板140のリザーバー100に対向する領域のインク導入口144以外の領域は、厚さ方向に薄く形成された可撓部143となっており、リザーバー100は、可撓部143により封止されている。この可撓部143により、リザーバー100内にコンプライアンスを与えている。
また、コンプライアンス基板140上には、ヘッドケース230が固定されている。ヘッドケース230は、インク導入口144に連通すると共に流路部材30のインク供給路に連通して、流路部材30からのインクをインク導入口144に供給するインク供給連通路231が設けられている。このヘッドケース230には、コンプライアンス基板140の可撓部143に対向する領域に溝部232が形成され、可撓部143の撓み変形が適宜行われるようになっている。また、ヘッドケース230には、リザーバー形成基板80上に設けられた駆動回路110に対向する領域に厚さ方向に貫通した駆動回路保持部233が設けられており、外部配線111は、駆動回路保持部233を挿通して駆動回路110と接続されている。
ヘッド本体220を構成する各部材には、組立時に各部材を位置決めするためのピンが挿入されるピン挿入孔234が角部の2箇所に設けられている。そして、ピン挿入孔234にピンを挿入して各部材の相対的な位置決めを行いながら部材同士を接合することで、ヘッド本体220が一体的に組み合わせられる。
また、ヘッドケース230を介して流路部材30に保持されたヘッド本体220は、図2に示すように、5つのヘッド本体220の液体噴射面側を覆うように箱形状を有するカバーヘッド240によって相対的に位置決めされて保持されている。カバーヘッド240は、ノズル開口71を露出する露出開口部241と、露出開口部241を画成すると共にヘッド本体220の液体噴射面の少なくともノズル列71Aの並設されたノズル開口71の両端部側に接合されるヘッド接合部242とを具備する。
また、カバーヘッド240には、ヘッド本体220の液体噴射面の側面側に、液体噴射面の外周縁部に亘って屈曲するように延設された側壁部245が設けられている。
このようにカバーヘッド240は、ヘッド接合部242をヘッド本体220の液体噴射面に接着するようにしたため、液体噴射面とカバーヘッド240との段差を減少させることができ、液体噴射面のワイピングや吸引動作などを行っても、液体噴射面にインクが残留するのを防止することができる。また、梁部244によって隣接するヘッド本体220の間が塞がれているため、隣接するヘッド本体220の間にインクが侵入することがなく、圧電素子300や駆動回路110などのインクによる劣化及び破壊を防止することができる。また、ヘッド本体220の液体噴射面とカバーヘッド240との間は、接着剤によって隙間なく接着されているため、隙間に被記録媒体Sが入り込むのを防止してカバーヘッド240の変形及び紙ジャムを防止することができる。さらに、側壁部245が、複数のヘッド本体220の外周縁部を覆うことで、ヘッド本体220の側面へのインクの回り込みを確実に防止することができる。また、カバーヘッド240に、ヘッド本体220の液体噴射面と接合されるヘッド接合部242を設けるようにしたため、複数のヘッド本体220の各ノズル列71Aをカバーヘッド240に対して高精度に位置決めして接合することができる。
このようなカバーヘッド240としては、例えば、ステンレス鋼などの金属材料が挙げられ、金属板をプレス加工により形成してもよく、成型により形成するようにしてもよい。また、カバーヘッド240を導電性の金属材料とすることで、接地することができる。なお、カバーヘッド240とノズルプレート70との接合は、特に限定されず、例えば、熱硬化性のエポキシ系接着剤や、紫外線硬化型の接着剤による接着などが挙げられる。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッド11は、インクカートリッジ13からのインクを第1インク供給路91及び第2インク供給路92を介して取り込み、インク供給連通路231及びインク導入口144を介して、リザーバー100からノズル開口71に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路110からの記録信号に従い、各圧力発生室62に対応するそれぞれの圧電素子300に電圧を印加し、弾性膜50及び圧電素子300を撓み変形させることにより、各圧力発生室62内の圧力が高まりノズル開口71からインク滴を吐出する。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の構成、特に気泡室95におけるメニスカスMの形状とフィルター33の形状の関係は、図5のものに限定されるものではない。フィルター33の形状は、インク流路92の下流側に凸となるような曲面形状であって、気泡室95内におけるインク40のメニスカスMの、少なくとも中央部の形状と同形状となっていれば良い。このことにより、メニスカスMの形状に沿う気泡41とフィルター33との所定の距離を良好に維持することができ、気泡室95内に貯留されている気泡41とフィルター33との接触を回避させることができるからである。気泡室95におけるメニスカスMの形状とフィルター33の形状の関係を示す他の実施例を図8〜図12に基づき説明する。図8〜図12は各実施例における気泡室部分を抽出して概念的に示す説明図である。
図8に示す実施例では、筒状の気泡室95Aにおいて、メニスカスMの曲面形状と同一形状の部分を有するフィルター33Aは両端部が平坦部となっている。かかる形状であってもメニスカスMの形状に沿う気泡41Aとフィルター33Aとの所定の距離を良好に維持することができ、気泡室95A内に貯留されている気泡41Aとフィルター33Aとの接触を回避させることができる。
図9に示す実施例では、筒状の気泡室95Bにおいて、メニスカスMの曲面形状と同一形状の部分を有するフィルター33Bは両端部がダイレクター96を介して気泡室95B内に固定されている。かかる形状であっても、図8に示す実施例と同様に、メニスカスMの形状に沿う気泡41Bとフィルター33Bとの所定の距離を良好に維持することができる。
図10に示す実施例では、筒状の気泡室95Cの底部97がフィルター33Cの曲面形状に沿う形状となっている。同時に、メニスカスMの曲面形状と同一形状のフィルター33Cの両端部を底部97に当接させて気泡室95C内に固定されている。かかる形状の場合メニスカスMの形状に沿う気泡41Cとフィルター33Cとの所定の距離を良好に維持することができる。
図11に示す実施例では、逆テーパー状の気泡室95Dに配設されるフィルター33Dの曲面形状の一部(中央部)を気泡室95D内に形成されるメニスカスMの形状に合わせてある。かかる形状であっても、少なくとも中央部においては、メニスカスMの形状に沿う気泡41Dとフィルター33Dとの所定の距離を良好に維持することができる。
図12に示す実施例では、テーパー状の気泡室95Eに配設されるフィルター33Eの曲面形状の一部が気泡室95E内に形成されるメニスカスMの形状に合わせてある。かかる形状であっても、少なくとも中央部においては、メニスカスMの形状に沿う気泡41Eとフィルター33Eとの所定の距離を良好に維持することができる。
上述した実施の形態では、インクカートリッジ13は直接インク供給針31に着脱可能に接続しているが、これに限定されない。例えば、インクカートリッジ13とインク供給針31との間に、図示しない可撓性のチューブからなる供給管を配して、距離を離して配置されたインクカートリッジからのインクをインク供給針に供給するように構成してもよい。
また、上記実施の形態では、フィルター33をインク供給針31とカートリッジケース32とで挟持した後、一体成型部34により一体成型接合させたものとしたが、一体成型接合に限定する必要はない。
さらに、フィルター33は、金属を編み込んだシート状のものとしたが、これに限定されない。例えば、金属板を打ち抜いて形成したものや、微細孔を有する樹脂からなるシート状のものであってもよい。これらの場合でもその形状は上述の如き下流側に凸の曲面とする。
また、上記実施の形態では、2つの液体供給路に対して1つのヘッド本体220が設けられた構成を例示したが、インクの色毎に複数のヘッド本体を設けるようにしてもよい。このような場合には、各液体供給路が、各ヘッド本体に連通する。すなわち、各液体供給路が、各ヘッド本体に設けられたノズル開口が並設されたノズル列毎に連通するように設けられていてもよい。もちろん、液体供給路は、ノズル列毎に連通しなくてもよく、1つの液体供給路が複数のノズル列に連通していてもよく、また、1列のノズル列を2つに分け、それぞれに液体供給路が連通していてもよい。すなわち、液体供給路は、複数のノズル開口からなるノズル開口群に連通していればよい。
さらに、上記実施の形態では、インク滴を吐出するインクジェット式記録ヘッド11を例示して本発明を説明したが、本発明は、広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものである。液体噴射ヘッドとしては、例えば、プリンター等の画像記録装置に用いられる記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等を挙げることができる。
10 インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 11 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 30 流路部材、 31 インク供給針、 32 カートリッジケース、 33 フィルター、 40 インク、 41 気泡、 91,92 インク供給路、 95 気泡室、 M メニスカス
Claims (5)
- 一方の開口から他方の開口に向けて液体を流通させる液体流路と、該液体流路の途中において前記流体の流通方向と直交する面内に配設されたフィルターと、該フィルターの上流側において前記液体流路の途中に形成されて気泡が貯留される気泡室とを有する流路部材において、
前記フィルターは、前記流路の下流側に凸となるような曲面形状であって、前記気泡室内における前記液体のメニスカスの、少なくとも中央部の形状と同形状となるように形成したことを特徴とする流路部材。 - 請求項1に記載する流路部材において、
前記フィルターの曲面形状は、予め定められた最大気泡量の気泡が前記気泡室内に貯留されている状態でのメニスカスの曲面形状と同一であることを特徴とする流路部材。 - 請求項1または請求項2に記載する流路部材において、
前記気泡室は筒状に形成されていることを特徴とする流路部材。 - 液体を噴射するノズルを有するヘッド本体と、前記ノズルに連通する液体流路を有する流路部材とを備えた液体噴射ヘッドであって、
前記流路部材を、請求項1〜3の何れか一つに記載する流路部材で形成したことを特徴とする液体噴射ヘッド。 - 請求項4に記載する液体噴射ヘッドを備えたことを特徴とする液体噴射装置。
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JP2011278043A JP2013129060A (ja) | 2011-12-20 | 2011-12-20 | 流路部材および液体噴射ヘッドならびに液体噴射装置 |
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