JP2007111912A - インクジェットヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】キャビティユニットの連通孔から圧力室に、インクが略直角に屈曲しながら流入するように構成されている場合であっても、この屈曲部分に溜まる気泡の除去を容易且つ確実に行う。
【解決手段】アクチュエータ21で覆われる圧力室24は連通孔28と接続する一端24aからノズル23と接続する他端24bへ向けインクを流すように形成され、且つ連通孔28は圧力室24でのインクの流れ方向と略直角でかつアクチュエータ21と対向する方向に開口形成されて、連通孔28を経たインクが圧力室24の一端にて流れる方向を略直角に屈曲させるように構成され、連通孔28の内側には、圧力室24の一端24aと連通孔28との断面積の差を緩和するように流通断面規制体50が配置されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、インクジェットヘッドに係り、特に、吐出圧力を受ける圧力室に連通孔を経てインクを供給するように構成されたキャビティユニットを有するインクジェットヘッドに関するものである。
近年のインクジェットヘッドでは小型化が進められており、本出願人も、例えば、特許文献1に開示しているように、インクジェットヘッドにおいてインク流通路を内部に有するキャビティユニットを薄い複数枚のプレートを積層して構成することで、ヘッド全体の薄型化を図っている。
キャビティユニットの複数枚のプレートとしては、複数のノズルが穿設されたプレート、各ノズル毎の圧力室が形成されたプレート、インク供給源から供給されたインクを一旦溜める共通インク室が形成されたプレート、共通インク室のインクを各圧力室に分配するための連通孔(特許文献1では連通路38と記載)が形成されたプレート等が備えられている。そして、前記圧力室に充填されたインクに吐出圧力を与えるアクチュエータが、前記圧力室を覆うようにキャビティユニットに積層されている。
このような薄型のキャビティユニットでは、キャビティユニット全体の厚み寸法を有効に利用して、吐出に必要なインク流通路を確保するために、インク流通路をキャビティユニットの内部において、プレートの積層方向(厚み方向)に貫通させたり、各プレートの面方向と平行に延ばしたりして構成している。具体的には、アクチュエータからの吐出圧力を受ける圧力室を、アクチュエータと対向する背面側のプレートに、ノズルを前面側のプレートに、共通インク室を積層方向の中間のプレートに、それぞれ配置している。そして、インクは、共通インク室に供給されたのち、図8(a)に模式的に図示しているように、プレートの積層方向に沿って連通孔28を進んで圧力室24の一端24aに達し、この圧力室24の一端24aで流れる方向を略直角に屈曲させて、アクチュエータ21の面に沿って圧力室24の他端24bへ進み、再びこの他端24bで、流れる方向を略直角に屈曲させて、キャビティユニットの前面側に設けたノズルに至るように構成されている。
特開2005−41047号公報(図4及び図5参照)
ところで、インクジェットヘッドでは、キャビティユニットの内部のインクに気泡が混入すると、インクの吐出不良を引き起こすため、キャビティユニットのノズル側からインクを吸引またはインク供給源側から押すなどしてインクを強制的に加圧して、インクとともに気泡を排出するメンテナンス(パージ処理)が行われる。
しかしながら、前述したように、インク流通路を略直角に屈曲させるように構成していると、この屈曲部分に気泡が停滞し、停滞した気泡は後から来た気泡と合体して大きな気泡に成長し易い。特に、圧力室は、インクに大きな吐出圧力を与えるためにはアクチュエータの動作に伴う断面積の変化率を大きくする必要があり、アクチュエータと対向する幅(図8(c)の平面図においてW)が大きく、深さ(図8(a)において上下方向)が小さい扁平な断面形状であることが好ましい。また、連通孔が形成されるプレートは、キャビティユニット全体に剛性を与えるために、圧力室を形成するプレートよりも厚いプレートであることが好ましく、その厚さに対して小さい連通孔を穿設することが困難なので、連通孔はその厚さ程度の直径を有するものとなる。このため、図8(b)に示すように、連通孔28の内側にて大きく成長した気泡Aは球形であるから、その気泡の直径よりも小さい深さの圧力室24に入り込み難く、また鉛直上方に浮上するから、圧力室24の天井面に停滞してしまう。その結果、圧力室24側への流路の実質的な断面積が制限され、圧力室24へのインク供給量が減少し、印字不良を生じることになる。
この気泡を除去するためには、インクに圧力をかけて連通孔28から圧力室24へ流れを生じさせるパージ処理を行う必要があるが、図8(c)に示すように圧力室24の幅Wが連通孔28の直径2Rよりも十分に大きいため、パージ処理によるインクの流れは圧力室24の幅方向に逃げてしまい、気泡Aを押すことができない。このため、気泡Aの球形状を圧力室の狭い内形状に沿うように変形させる程の大きな圧力をインクにかけてパージ処理を行わないと、気泡を確実に除去することができず、パージ処理に伴うインクの無駄な吐出や、パージ処理用のポンプの大型化も招来するという問題があった。
本発明は、上記問題を解消するものであり、キャビティユニットの連通孔から圧力室に、インクが略直角に屈曲しながら流入するように構成されているものにおいて、この屈曲部分に溜まる気泡の除去を容易且つ確実に行うことのできるインクジェットヘッドの提供を課題とするものである。
前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明におけるインクジェットヘッドは、インクを吐出する複数のノズル毎に対応して設けられた圧力室と、複数の圧力室にインクを分配するための共通インク室と、この共通インク室と前記圧力室とを接続する連通孔とが形成されているキャビティユニットと、前記圧力室に充填されたインクに吐出圧力を与えるアクチュエータとを備え、前記圧力室は前記連通孔と接続する一端から前記ノズルと接続する他端へ向けインクを流すように形成され、且つ前記連通孔は前記圧力室の一端に対してその圧力室でのインクの流れ方向と略直角方向に開口形成されて、前記連通孔を経たインクが前記圧力室の一端にて流れる方向を略直角に屈曲させるように構成されているインクジェットヘッドであって、前記圧力室におけるインクの流れに略直角な断面のうち、前記圧力室の一端の断面が前記連通孔の中心軸線方向と略直角な断面よりも、断面積が小さく且つ前記中心軸線方向と略直角な方向に扁平に形成され、前記連通孔の内側には、前記圧力室の一端と前記連通孔との断面積の差を緩和するように流通断面規制体が配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記キャビティユニットは、前記圧力室を形成するプレート、前記連通孔を形成するプレート、前記共通インク室を形成するプレートを積層して形成され、前記アクチュエータは、前記圧力室を形成するプレートに、前記連通孔を形成するプレートとは反対側に積層されていることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記流路断面規制体は、前記圧力室の一端における前記他端とは反対側の壁面と前記連通孔の同側の壁面とに連続して形成されていることを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1または2記載のインクジェットヘッドにおいて、前記圧力室の入口に対応する前記アクチュエータの部位には、前記流通断面規制体として、前記連通孔の内側に延びる突起物が、各連通孔毎に突設されていることを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記連通孔は前記圧力室の入口と対向する面に底面を有し、前記キャビティユニットにおけるプレートのうちの前記連通孔の底面を構成するプレートには、前記流通断面規制体として、前記連通孔の内側に延びる突起物が、各連通孔毎に突設されていることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1または2に記載のインクジェットヘッドにおいて、前記流通断面規制体として、前記連通孔の内側には、自由動可能な部材が挿入されていることを特徴とするものである。
また、請求項7に記載の発明は、請求項2に記載のインクジェットヘにおいて、前記キャビティユニットのプレート同士は接着剤により固定され、前記流通断面規制体は、プレート同士の界面から前記連通孔の内側に流出して硬化した接着剤であることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、連通孔の内側に、圧力室の一端と連通孔との断面積の差を緩和するように流通断面規制体を設けているから、インクの流れが停滞することが少なく、たとえこの近傍で気泡が成長しても、連通孔から圧力室へ気泡が流れ込みやすい。また、流通断面規制体を設けることによって、連通孔においてインクの通過する実質的な流通路が細くなるから、連通孔を通るときのインクの速度が、流通断面規制体を設けない場合に比べて高められ、上述の断面積差の緩和と相乗してパージ処理においてインクに対し比較的小さな加圧によって気泡をインクとともに確実に下流側に流し外部に排出することができる。
請求項2に記載の発明によれば、キャビティユニットは、それぞれにインク流通路が形成された複数のプレートが積層されているから、複雑で微細な形状のインク流通路を内部に有するキャビティユニットを容易に且つ薄型に構成することができる。
請求項3に記載の発明によれば、流路断面規制体が、圧力室の壁面とこれと同一側の連通孔の壁面とに連続して形成されている、すなわち、流路断面規制体がインク流通路の一方の壁面に沿って連続的に形成されているから、流路断面規制体によってインクが流れを乱されることなく滑らかに通過することができる。
請求項4に記載の発明によれば、流通断面規制体は、アクチュエータに、各連通孔毎に対応してあらかじめ突設されているので、アクチュエータとキャビティユニットとを、流通断面規制体を連通孔に挿入するようにして積層することにより、全ての連通孔に一括して流通断面規制体を配置することができ、連通孔毎に流通断面規制体を配置する組立工程が簡略化できる。
請求項5に記載の発明によれば、流通断面規制体は、連通孔の底面を形成するプレートに、各連通孔毎に対応してあらかじめ突設されているので、連通孔の底面を形成するプレートと連通孔を形成するプレートとを、流通断面規制体を連通孔に挿入するようにして積層することにより、全ての連通孔に一括して流通断面規制体を配置することができ、連通孔毎に流通断面規制体を配置する組立工程が簡略化できる。
請求項6に記載の発明によれば、流通断面規制体は、連通孔毎に自由動可能に挿入された部材であるから、連通孔における実質的なインク流通路を細くしてインクの速度を高める効果に加えて、連通孔に留まっている気泡に、流通断面規制体が衝突して、気泡を小さく分散させたり、連通孔の内面から引き離したりするので、気泡を圧力室側に流れ込み易くする効果も奏する。
請求項7に記載の発明によれば、接着剤の連通孔の内側へのはみ出しを利用して、流通断面規制体を形成しているから、各連通孔に個別に接着剤を注入する必要がなく、連通孔毎に流通断面規制体を配置する組立工程が簡略化できる。
以下に、本発明の基本的な実施形態を、図1〜図7を用いて説明する。
図1は、本発明の実施形態によるインクジェットヘッド1におけるキャビティユニット20、圧電アクチュエータ21、及びフレキシブルフラットケーブル22の斜視図であり、複数枚のプレートからなるキャビティユニット20にプレート型の圧電アクチュエータ21が接合され、このプレート型の圧電アクチュエータ21の上面に外部機器との接続のためのフレキシブルフラットケーブル22が重ね接合されている。そして、キャビティユニット20の下面側に開口されたノズル23から、下向きにインクが吐出するものとする(図3参照)。
前記キャビティユニット20は、図2に示すように、ノズルプレート30、スペーサプレート31、2枚のマニホールドプレート33a、33b、サプライプレート34、ベースプレート35、及びキャビティプレート36の合計7枚の薄い板をそれぞれ接着剤にて重ね接合した構造となっている。
実施形態では、各プレート30〜36は40〜150μm程度の厚さを有し、ノズルプレート30はポリイミド等の合成樹脂製で、その他のプレート31〜36は42%ニッケル合金鋼板製である。前記ノズルプレート30には、微小径(25μm程度)のインク吐出用のノズル23が微小間隔で多数個穿設されている。このノズル23は、当該ノズルプレート30における長辺方向(X方向)と平行な2列に配列されている。
また、前記キャビティプレート36には、図2に示すように、複数の圧力室24がキャビティプレート36の長辺(前記X方向)と平行な2列に配列されている。実施形態では、前記各圧力室24は、平面視細長形状でその長手方向がキャビティプレート36の短辺方向(Y方向)に沿うようにキャビティプレート36の板厚を貫通して穿設されている。各圧力室24の長手方向の一端24aには連通孔28が接続され、この一端24aは連通孔28及び接続流路29を介して共通インク室25と連通している。各圧力室24の長手方向の他端24bは、ベースプレート35、サプライプレート34と2枚のマニホールドプレート33a、33b、及びスペーサプレート31に穿設されている貫通路26を介して、ノズルプレート30における前記各ノズル23に連通している。
圧力室24は、図4に示すように、幅寸法W、深さ寸法Dを有しているが、前述したようにキャビティプレート36の板厚を貫通して形成されているので、圧力室24の深さ寸法Dは、キャビティプレート36の厚み寸法T1と同じである。圧力室24のインクの流れに直角な断面積S1は、前記幅寸法W、深さ寸法Dで決定される(図4及び図5(a)参照)。圧力室24は、インクに大きな吐出圧力を与えるためにはアクチュエータの動作に伴う断面積の変化率を大きくする必要があり、W>Dの関係に設定され、具体的には、幅寸法Wは、ほぼ250μm〜300μm、深さ寸法Dは、ほぼ40μm〜60μmである。
キャビティプレート36の下面に隣接するベースプレート35には、各圧力室24の一端24aに接続する連通孔28がそれぞれ穿設されており、連通孔28では、アクチュエータ21に向かうようにインクが流れる。ベースプレート35は、キャビティユニット全体に剛性を与えるために、キャビティプレート36よりも厚いプレート(厚み寸法T2)であることが好ましい。連通孔28は、その厚さT2に対して小さいものを穿設することが困難なので、その厚さ程度の直径2Rを有するものとなる。具体的には、厚み寸法T2および直径2Rは、ともにほぼ100μm〜150μmである。連通孔28は、図4に示すように、プレートの積層方向からの平面視で半径Rの円形状を呈し、インクの流れに略直角な、換言すると、連通孔28の中心軸線Oと直角な連通孔28の断面積S2は、前記圧力室の一端24aの断面積S1よりもかなり大きくなっている(S2>>S1、図5(b)参照)。この連通孔28の内側には、連通孔28の断面積S2と圧力室24の一端24aの断面積S1との差を緩和するように、流通断面規制体50が配置されている。流通断面規制体50の詳細については後述する。
ベースプレート35の下面に隣接するサプライプレート34には、共通インク室25から前記各圧力室24へインクを供給するための接続流路29が設けられる。そして各接続流路29には、共通インク室25からインクが入る入口孔と、連通孔28と対向する出口孔と、入口孔と出口孔との間にあって、接続流路29中で最も大きな流路抵抗となるように断面積を小さくして形成された絞り部とが備えられている。接続流路29の一端は共通インク室25に、他端は連通孔28を介して圧力室24にそれぞれ連通している。この絞り部は、ノズル23からインクを吐出させるために、圧力室24が吐出圧力を受けたときに、共通インク室25側へのインクの後退を防止し、効率よくインクをノズル23側に前進させるために設けたものである。
2枚のマニホールドプレート33a,33bには、その長辺方向(X方向)に沿って長い2つの共通インク室25が前記ノズル23の各列に沿って延びるように板厚を貫通して形成されている。すなわち、図2及び図3に示すように、2枚のマニホールドプレート33a、33bを積層し、かつその上面をサプライプレート34にて覆い、下面をスペーサプレート31にて覆うことにより、合計2つの共通インク室(マニホールド室)25が形成される。各共通インク室25は、各プレートの積層方向から平面視したときに、前記圧力室24の一部と重なって圧力室24の列方向(ノズル23の列方向)に沿って長く延びている。
また、図2に示すように、キャビティプレート36、ベースプレート35、及びサプライプレート34の一方の短辺側の端部には、上下の位置を対応させて、それぞれ2つのインク供給口40が穿設されている。インク供給源からのインクが、これらインク供給口40から共通インク室25の一端部に連通するようになっている。また、インク供給口40には、フィルタ体40aが接着剤等で貼着されている。
キャビティユニット20におけるインク流通路では、インクは、インク供給口40から共通インク室25に供給された後、図3に示すように、サプライプレート34の接続流路29及びベースプレート35の連通孔28を経由して各圧力室24に分配供給される。そして、インクは各圧力室24内から前記貫通路26を通って、その圧力室24に対応するノズル23に至るという構成になっている。
一方、前記圧電アクチュエータ21には、特開平4−341853号公報等に開示された公知のものと同様に、全ての圧力室24にわたる大きさを有する扁平形状で且つその扁平な方向と直交する方向に積層される複数のセラミックス層と、この複数のセラミックス層の扁平な方向の面上に配置される複数の電極層とが備えられている。ここでは、セラミックス粉末、バインダ、溶剤を混合したものを1枚の厚さが30μm程度になるように扁平に成形した圧電セラミックス素材のシート(グリーンシート)の複数枚のうち適数枚のシート面に導電性ペーストで電極層を印刷法等によって形成し、その複数枚のグリーンシートを積層して焼成することで、圧電アクチュエータ21を形成している。これにより、各グリーンシートは、焼結体のセラミックス層となる。
電極層としては、圧力室24毎に形成される個別電極の電極層と、複数の圧力室24に跨って形成されるコモン電極の電極層とがセラミックス層の積層方向に対をなす駆動用電極の層と、最上面に配置されフレキシブルフラットケーブル22と電気的に接続される表面電極46の層とが設けられている(図1参照)。このように電極層が設けられた圧電アクチュエータ21では、公知のように個別電極とコモン電極との間に高電圧を印加することで、両電極に挟まれたセラミックス層の部分が分極され、活性部として形成される。
このように形成された圧電アクチュエータ21は、個別電極を圧力室24に対応させて各圧力室24を覆ってキャビティプレート36上に固着される。個別電極とコモン電極との間に駆動電圧を選択的に印加することで、両電極に挟まれたセラミックス層の部分が変形して、圧力室24に容積変化を生じさせる。その結果、圧力室内のインクに吐出圧力を与え、インクをノズル23から吐出させる。
次に、流通断面規制体50について説明する。この実施形態では、流通断面規制体50として、図5(a)に示すように、圧力室24の一端24aにおける、圧力室24の他端24bとは反対側(遠い側)の壁面と、この壁面と同じ側となる連通孔28の壁面とに連続して形成されている。図5(a)に示す流通断面規制体50は、圧力室24と連通孔28との上記壁面に沿うように流動体を流し込み、この流動体を硬化させた硬化物51であり、硬化物51として、耐インク性に優れた樹脂材料、接着剤や半田材料等が好適である。接着剤からなる硬化物51を流通断面規制体50として使用する場合には、上記のように流し込んで硬化させる方法や、キャブティユニット20のプレート間の接着に利用する接着剤を、プレートの界面から圧力室24と連通孔28の内側にはみ出させて硬化させる方法等がある。後者の場合には、一般的にプレートの接着面には、接着剤が連通孔28や圧力室24などに流れ込まないように逃がし溝が設けられているが、前記連通孔28が形成されたベースプレート35とそれに隣接する各プレート34,36との間、あるいはキャビティプレート36と圧電アクチュエータ21との間の接着面における、前記連通孔28及び圧力室24の近傍の逃がし溝を、省略するかあるいは適切な量の接着剤が連通孔28及び圧力室24の内側に流入するように形成し、流入後に接着剤の硬化処理(加熱処理や紫外線照射等)をすることによって、硬化物51を連通孔28と圧力室24とに連続して広がるように形成することができる。
流通断面規制体50の形状や形成方法は、上記に限定するものではなく、様々な応用が可能であり、他例の一部を図5(b)〜図5(d)に示す。
図5(b)は、流通断面規制体50として、連通孔28の内側に自由動可能な挿入部材52を配置したものである。挿入部材52は、インクジェットヘッド1の走査移動やインクの流れにより、連通孔28の内側において、自由に移動・回転可能である。挿入部材52の形状は、移動したときに圧力室24の一端24aや連通孔28を閉塞しない形状であれば任意であり、図示した楕円形のボール形状だけでなく、球形、円柱形、円錐形、及びこれらを組み合わせたり変形させたりした形状でもよい。この挿入部材52は、連通孔28の断面積S2と圧力室24の一端24aの断面積S1との差を緩和することに加えて、挿入部材52が移動することによって気泡に衝突することで、気泡を細かく分散させてインクとともに流れ易くしたり気泡を壁面から剥がし易くしたりする効果も奏する。
図5(c)は、流通断面規制体50として、圧電アクチュエータ21における前記圧力室24の一端24aに対応する部位に、連通孔28の内側に延びる突起物53を、各連通孔28毎に突設したものである。一方、図5(d)は、流通断面規制体50として、連通孔28の底面、この実施形態では、サプライプレート34の接続流路29の内部(出口孔)が、連通孔28の底面となっており、この底面に、連通孔28の内側に延びる突起物54を、各連通孔28毎に突設したものである。
流通断面規制体50として、図5(c)及び図5(d)に示す突起物53、54の形状は、円柱形が好適であるが、連通孔28の内側において、圧力室24の一端24aや連通孔28を閉塞しない形状であれば任意である。これらの突起物53、54は、あらかじめ圧電アクチュエータ21やサプライプレート34に各連通孔28の位置に対応して設けられており、圧電アクチュエータ21とキャビティユニット20、あるいはサプライプレート34とベースプレート35とを組み立てることで、各連通孔28の内側に一括して配置されるから、流通断面規制体50を配設する工程を簡略化できるという効果を奏する。
本実施形態のように、キャビティユニット20のプレートが金属製の場合には、インク流通路を構成するための凹所や貫通穴等は、ウエットエッチング法で加工されることが多い。ウエットエッチング法では、エッチングがプレートの板厚方向と同じ速度でプレートの面方向にも進行するから、板厚よりも小さい内径の凹所や貫通穴等の加工は極めて困難である。そのため、キャビティユニット20全体の剛性を高めるために、連通孔28が形成されているベースプレート35の板厚T2を厚くすると、連通孔28の半径R及び断面積S2も大きくならざるを得ない。換言すると、連通孔28をあらかじめ断面積S2を小さくして形成することができない。一方、圧力室24を有するキャビティティプレート36は、アクチュエータの動作に伴う圧力室24の断面積の変化率を大きくするため板厚T1が薄くなり、インクの流れに略直角な断面積は扁平な形状となる。従って、これらの理由から、連通孔28から圧力室の一端24aにかけて、略直角に曲がりながら、断面積が小さく且つ扁平に形成されてしまうことになる。そのため、この連通孔28において浮上したインク中の気泡は、圧力室24の一端24aの天井面に停滞しやすく、後から来た気泡と合体して、図8(b)(c)に示すように、圧力室24の深さDよりも大きくなると、これを除去するのに、パージ処理の圧力を大きくし、多量のインクを排出する必要があった。
しかしながら、本発明では、連通孔28の内側に流通断面規制体50を設け、連通孔28の断面積S2と、圧力室24の一端24aの断面積S1との差を緩和し、実質的にインクが通る連通孔28の断面積を小さくしているから、インクの流れが停滞することが少なく、たとえこの近傍で気泡が成長しても、連通孔から圧力室へ気泡が流れ込みやすい。また、図7に示すように、連通孔28の内側では、中心軸線O方向と略直角な方向の断面において、インクが通過する空間が細くなっているので、インクの流速が速くなり、インク中に含まれる気泡Aは上述の断面積差の緩和と相乗して下流に流され易くなる。仮に気泡が引っ掛かって大きく成長しても、中心軸線Oに沿う方向、すなわちインクの流れる方向に沿って細長く伸びるように成長するしかなく、断面積の小さい圧力室に入り込みやすい形状に成長する。加えて、パージ処理を施すとインク全体が加圧されて、連通孔28を流れるインクの圧力も増すから、断面積の小さい圧力室24の一端24aにさらに気泡が流れ込み易くなって、確実且つ簡単に外部に排出できるので、ノズルからの吐出不良を未然に防ぐことができる。また、気泡を簡単に、即ち短時間で排出できるので、パージ処理において気泡とともに吐出されるインク量を抑制でき、インクの無駄な消費を防止できる。さらに、パージ処理に用いるポンプの圧力も低減できるため、ポンプの能力を低くして部品コストの削減も可能となる。
上記実施形態では、インクジェットヘッドを、ノズル23が下に向くように水平に配置し、連通孔28から鉛直上方に気泡が浮上する場合について説明したが、ノズル23が横向きあるいは上向きになるようにインクジェットヘッドを配置した場合でも、パージ処理によってインクが加圧されると、同様にインクや気泡は流れるので、同じ効果が得られる。
また、上記実施形態では、アクチュエータとして圧電式のものを例示したが、圧電式に限らず、静電気など他の駆動方式のものにも適用することができる。
本発明の実施形態のインクジェットヘッドの斜視図である。 インクジェットヘッドの分解斜視図である。 図1のIII −III 線矢視断面図である。 キャビティユニットの要部の分解斜視図である。 (a)は流通断面規制体を連通孔の内側に設けた状態の縦断面図、(b)〜(d)は他例の流通断面規制体例を連通孔の内側に設けた状態の縦断面図である。 図5(a)のVI−VI線拡大断面図である。 図5(a)のVII−VII線矢視での気泡のある状態を示す説明図である。 (a)(b)及び(c)は従来のキャビティユニットのインクの流れを示す模式図である。
符号の説明
1 インクジェットヘッド
20 キャビティユニット
21 圧電アクチュエータ
22 フレキシブルフラットケーブル
23 ノズル
24 圧力室
24a 一端部
24b 他端部
25 共通インク室
26 貫通路
28 連通孔
29 接続流路
30 ノズルプレート
35 ベースプレート
36 キャビティプレート
50 流通断面規制体
51 硬化物
52 挿入部材
53 突起物

Claims (7)

  1. インクを吐出する複数のノズル毎に対応して設けられた圧力室と、複数の圧力室にインクを分配するための共通インク室と、この共通インク室と前記圧力室とを接続する連通孔とが形成されているキャビティユニットと、前記圧力室に充填されたインクに吐出圧力を与えるアクチュエータとを備え、
    前記圧力室は前記連通孔と接続する一端から前記ノズルと接続する他端へ向けインクを流すように形成され、且つ前記連通孔は前記圧力室の一端に対してその圧力室でのインクの流れ方向と略直角方向に開口形成されて、前記連通孔を経たインクが前記圧力室の一端にて流れる方向を略直角に屈曲させるように構成されているインクジェットヘッドであって、
    前記圧力室におけるインクの流れに略直角な断面のうち、前記圧力室の一端の断面が前記連通孔の中心軸線方向と略直角な断面よりも、断面積が小さく且つ前記中心軸線方向と略直角な方向に扁平に形成され、
    前記連通孔の内側には、前記圧力室の一端と前記連通孔との断面積の差を緩和するように流通断面規制体が配置されていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記キャビティユニットは、前記圧力室を形成するプレート、前記連通孔を形成するプレート、前記共通インク室を形成するプレートを積層して形成され、前記アクチュエータは、前記圧力室を形成するプレートに、前記連通孔を形成するプレートとは反対側に積層されていることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記流路断面規制体は、前記圧力室の一端における前記他端とは反対側の壁面と前記連通孔の同側の壁面とに連続して形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記圧力室の一端に対応する前記アクチュエータの部位には、前記流通断面規制体として、前記連通孔の内側に延びる突起物が、各連通孔毎に突設されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記連通孔は前記圧力室の一端と対向する面に底面を有し、前記キャビティユニットにおけるプレートのうちの前記連通孔の底面を構成するプレートには、前記流通断面規制体として、前記連通孔の内側に延びる突起物が、各連通孔毎に突設されていることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記流通断面規制体として、前記連通孔の内側には、自由動可能な部材が挿入されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記キャビティユニットのプレート同士は接着剤により固定され、前記流通断面規制体は、プレート同士の界面から前記連通孔の内側に流出して硬化した接着剤であることを特徴とする請求項2に記載のインクジェットヘッド。


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