JP2003311984A - インクジェットヘッドの製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドの製造方法

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    • B41J2002/14403Structure thereof only for on-demand ink jet heads including a filter

Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルタを含む流路構造を内部に有するイン
クジェットヘッドであって、部品点数・製造工数を低減
できる構成を提供する。 【解決手段】 インクジェットヘッドは平板積層構造と
され、積層される少なくとも一枚の平板が、以下の工程
を少なくとも含む方法で製造される。(a)金属平板3
14の両面に感光性樹脂層314a・314bを形成す
る。(b)一側の感光性樹脂層314aに対し選択的に
露光を行って現像し、エッチングして、平板314に第
一のインク流路352を形成する。(c)他側の感光性
樹脂層314bに対し選択的に露光を行って現像し、前
記第一のインク流路352に接続する前記第二のインク
流路367、およびフィルタ362を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印字面にインクの
微小液滴を噴射させることにより画像を形成するための
インクジェットヘッドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から知られているインクジェットヘ
ッドの一般的な構成の一つに、圧力室を複数形成すると
ともに、それぞれの圧力室に対応させてノズルを開口
し、各ノズルを対応する圧力室の一端に接続させたもの
がある(特許文献1)。
【0003】この構成で、インク供給源(例えば、イン
クタンク)からのインクは、いったん共通インク室へ供
給された後、該共通インク室から複数の圧力室に分配さ
れる。そして、アクチュエータにより各圧力室に選択的
に圧力を付与することで、その圧力室に対応するノズル
からインクが噴射されて、印字面に画像を形成するよう
になっている。
【0004】このヘッドは、金属製などの薄い平板を複
数枚積層し接着して形成するのが一般的である。前述の
圧力室や共通インク室は、当該金属板にエッチングを施
して形成される。
【0005】ここで、ノズルや圧力室がゴミ等で閉塞し
ないように、共通インク室とインクタンク(インク供給
源)とを接続するインク供給通路や、共通インク室と圧
力室との間のインク流路に、フィルタを設けて、ゴミや
不純物などが圧力室やノズルへ到達する前に除去できる
ようにした構成も知られている(特許文献2)。
【0006】また、共通インク室と圧力室との間に、流
路断面積を絞った構成の制限流路を設けて、インク噴射
時に圧力室に供給されるインク量を調整し、インク噴射
量の過剰あるいは過少を防止できるようにした構成も知
られている。
【0007】
【特許文献1】特開平9−314836号公報
【特許文献2】米国特許第5734399号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ここで近年、インクジ
ェット記録の高解像度化のニーズにより、インクジェッ
トヘッド構造の微細化・高集積化が進んでおり、この状
況の下で、上述の制限流路やフィルタを内部に有するイ
ンクジェットヘッドを簡単に製造できるようにする要請
が高まっている。
【0009】本発明の目的は、製造工程を簡素化できる
インクジェットヘッドの製造方法を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、インクを吐出するノズルと、前記ノズルと
インク供給源とを繋ぐインク通路と、積層されることで
前記インク通路を内部に形成する、複数の平板と、を有
するインクジェットヘッドの製造方法であって、以下の
(A)〜(H)の行程を少なくとも含む、インクジェッ
トヘッドの製造方法である。 (A)金属平板の一側の面に、第一の感光性樹脂層を形
成する工程。 (B)前記金属平板の他側の面に、第二の感光性樹脂層
を形成する工程。 (C)前記インク通路の一部をなす第一通路に対応する
パターンが形成されたマスクを用いて、前記第一の感光
性樹脂層に選択的に露光を行う工程。 (D)前記第一の感光性樹脂層の露光部分または非露光
部分を除去する工程。 (E)前記第一の感光性樹脂層の除去された部分に相当
する形状を前記金属平板にエッチングして、前記第一通
路を形成する工程。 (F)前記インク通路の一部をなす第二通路およびフィ
ルタに対応するパターンが形成されたマスクを用いて、
前記第二の感光性樹脂層に選択的に露光を行う工程。 (G)前記第二の感光性樹脂層の露光部分または非露光
部分を除去することで、前記第一通路に接続する前記第
二通路、およびフィルタを形成する工程。 (H)前記(A)〜(G)の工程が施された平板を他の
平板と積層する工程。
【0011】これにより、第二の感光性樹脂層に、フィ
ルタと、平板に形成した第一通路に接続する第二通路
と、を形成することができる。従って、フィルタを別部
材で設けたり、他の平板にフィルタや第二通路を形成す
る構成に比して、部品構成を簡素化でき、製造工数を低
減できる。
【0012】
【発明の実施の形態】〔インクジェット記録装置〕図1
は、本発明の実施形態によるインクジェットヘッドを含
むインクジェットプリンタの概略図である。図1に示す
インクジェットプリンタ901は、四つのインクジェッ
トヘッド1を有するカラーインクジェットプリンタであ
る。このプリンタ901には、図中左方に給紙部911
が、図中右方に排紙部912が、それぞれ構成されてい
る。
【0013】プリンタ901内部には、給紙部911か
ら排紙部912に向かって用紙が搬送される用紙搬送経
路が形成されている。給紙部911のすぐ下流側には、
画像記録媒体たる用紙を挟持搬送する一対の送りローラ
905a、905bが配置されている。一対の送りロー
ラ905a、905bによって用紙は図中左方から右方
へ送られる。用紙搬送経路の中間部には、二つのベルト
ローラ906、907と、両ローラ906、907間に
架け渡されるように巻回されたエンドレスの搬送ベルト
908とが配置されている。搬送ベルト908の外周面
すなわち搬送面にはシリコーン処理が施されており、一
対の送りローラ905a、905bによって搬送されて
くる用紙を、搬送ベルト908の搬送面にその粘着力に
より保持させながら、一方のベルトローラ906の図中
時計回り(矢印904の方向)への回転駆動によって下
流側(右方)に向けて搬送できるようになっている。
【0014】用紙のベルトローラ906に対する挿入及
び排出位置には、押さえ部材909a,909bがそれ
ぞれ配置されている。押さえ部材909は、搬送ベルト
908上の用紙が搬送面から浮かないように、搬送ベル
ト908の搬送面に用紙を押し付けて搬送面上に確実に
粘着させるためのものである。
【0015】用紙搬送経路に沿って搬送ベルト908の
すぐ下流側には、剥離機構910が設けられている。剥
離機構910は、搬送ベルト908の搬送面に粘着され
ている用紙を搬送面から剥離して、右方の排紙部912
へ向けて送るように構成されている。
【0016】四つのインクジェットヘッド1は、その下
端にヘッド本体1a(後述するように、圧力室20を含
むインク流路が形成された流路ユニットと、圧力室20
内のインクに圧力を与えるアクチュエータユニット30
とが貼り合わされたものである)を有している。ヘッド
本体1aは、それぞれが矩形断面を有しており、その長
手方向が用紙搬送方向に垂直な方向(図1の紙面垂直方
向)となるように互いに近接配置されている。つまり、
このプリンタ901は、ライン式プリンタである。四つ
のヘッド本体1aの各底面は用紙搬送経路に対向してお
り、これら底面には、微小径を有する多数のインク吐出
口が形成されたノズルが設けられている。四つのヘッド
本体1aのそれぞれからは、マゼンタ、イエロー、シア
ン、ブラックのインクが吐出される。
【0017】ヘッド本体1aは、その下面と搬送ベルト
908の搬送面との間に少量の隙間が形成されるように
配置されており、この隙間部分に用紙搬送経路が形成さ
れている。この構成で、搬送ベルト908上を搬送され
る用紙が四つのヘッド本体1aのすぐ下方側を順に通過
する際、この用紙の上面すなわち印刷面に向けてノズル
から各色のインクが噴射されることで、用紙上に所望の
カラー画像を形成できるようになっている。
【0018】インクジェットプリンタ901は、インク
ジェットヘッド1に対するメンテナンスを自動的に行う
ためのメンテナンスユニット917を有している。この
メンテナンスユニット917には、四つのヘッド本体1
aの下面を覆うための四つのキャップ916や、図示せ
ぬパージ機構などが設けられている。
【0019】メンテナンスユニット917は、インクジ
ェットプリンタ901で印刷が行われているときには、
給紙部911の直下方の位置(退避位置)に位置してい
る。そして、印刷終了後に所定の条件が満たされたとき
(例えば、印刷動作が行われない状態が所定の時間だけ
継続したときや、プリンタ901の電源OFF操作がさ
れたとき)は、四つのヘッド本体1aの直ぐ下方の位置
に移動して、この位置(キャップ位置)にて、キャップ
916によってヘッド本体1aの下面をそれぞれ覆い、
ヘッド本体1aのノズル部分のインクの乾燥を防止する
ようになっている。
【0020】ベルトローラ906、907や搬送ベルト
908は、シャーシ913によって支持されている。シ
ャーシ913は、その下方に配置された円筒部材915
上に載置されている。円筒部材915は、その中心から
外れた位置に取り付けられた軸914を中心として回転
可能となっている。そのため、軸914の回転に伴って
円筒部材915の上端高さが変化すると、それに合わせ
てシャーシ913が昇降する。メンテナンスユニット9
17を退避位置からキャップ位置に移動させる際には、
予め円筒部材915を適宜の角度回転させてシャーシ9
13、搬送ベルト908及びベルトローラ906、90
7を図1に示す位置から適宜の距離だけ下降させ、メン
テナンスユニット917の移動のためのスペースを確保
しておく必要がある。
【0021】搬送ベルト908によって囲まれた領域内
には、インクジェットヘッド1と対向する位置、つまり
上側にある搬送ベルト908の下面と接触することによ
って内周側からこれを支持するほぼ直方体形状(搬送ベ
ルト908と同程度の幅を有している)のガイド921
が配置されている。
【0022】次に、インクジェットヘッド1の構造につ
いて、より詳細に説明する。図2は、インクジェットヘ
ッド1の斜視図である。図3は、図2のIII−III線に沿
った断面図である。図2及び図3に示すように、本実施
の形態によるインクジェットヘッド1は、一方向(主走
査方向)に延在した矩形平面形状を有するヘッド本体1
aと、ヘッド本体1aを支持するための基部931とを
有している。基部931は、ヘッド本体1aのほかに、
後述の個別電極などに駆動信号を供給するドライバIC
932及び基板933を支持している。
【0023】基部931は、図2及び図3に示すよう
に、ヘッド本体1aの上面と部分的に接着されることで
ヘッド本体1aを支持するベースブロック938と、ベ
ースブロック938の上面と接着されることでベースブ
ロック938を保持するホルダ939とから構成されて
いる。ベースブロック938は、ヘッド本体1aの長尺
方向長さとほぼ同じ長さを有する略直方体形状の部材で
ある。ステンレスなどの金属材料からなるベースブロッ
ク938は、ホルダ939を補強する軽量の構造体とし
ての機能を有している。ホルダ939は、ヘッド本体1
a側に配置されるホルダ本体941と、ホルダ本体94
1からヘッド本体1aとは反対側に延在した一対のホル
ダ支持部942とから構成されている。一対のホルダ支
持部942は、いずれも平板状の部材であって、ホルダ
本体941の長尺方向に沿って所定の間隔を隔てて互い
に平行に設けられている。
【0024】ホルダ本体941の副走査方向(主走査方
向と直交する方向)両端部には、下方に突出した一対の
スカート部941aが設けられている。ここで、一対の
スカート部941aは、いずれもホルダ本体941の長
尺方向全幅にわたって形成されているため、ホルダ本体
941の下面には、一対のスカート部941aによって
略直方体形状の溝部941bが形成されている。この溝
部941b内に、ベースブロック938が収納されてい
る。ベースブロック938の上面と、ホルダ本体941
の溝部941bの底面とは、接着剤などによって接着さ
れている。ベースブロック938の厚さは、ホルダ本体
941の溝部941bの深さよりも若干大きいため、ベ
ースブロック938の下端部は、図3に示すように、ス
カート部941aよりも下方に飛び出している。
【0025】ベースブロック938の内部には、ヘッド
本体1aに供給されるインクの流路として、その長尺方
向に延在する略直方体形状の空隙(中空領域)であるイ
ンク溜まり903が形成されている。ベースブロック9
38の下面945には、インク溜まり903に連通した
開口903bが形成されている。なお、インク溜まり9
03は、プリンタ本体内の図示しないメインインクタン
ク(インク供給源)に、図示しない供給チューブにより
接続されている。そのため、インク溜まり903には、
メインインクタンクから適宜インクが補充されるように
なっている。
【0026】ベースブロック938の下面945は、開
口903bの近傍において周囲よりも下方に飛び出して
いる。そして、ベースブロック938は、開口903b
の近傍においてのみヘッド本体1aの流路ユニット(後
述するキャビティプレート組10x)と接触している
(図3参照)。そのため、ベースブロック938の下面
945の開口903b近傍以外の領域は、ヘッド本体1
aから離隔しており、この離隔部分にアクチュエータユ
ニット30が配されている。
【0027】ホルダ939のホルダ支持部942の外側
面には、スポンジなどの弾性部材937を介してドライ
バIC932が固定されている。ドライバIC932の
外側面には、ヒートシンク934が密着配置されてい
る。ヒートシンク934は、略直方体形状の部材であっ
て、ドライバIC932で発生する熱を効率的に散逸さ
せる。ドライバIC932には、給電部材であるフレキ
シブルプリント配線板(FPC)936が接続されてい
る。ドライバIC932に接続されたFPC936は、
基板933及びヘッド本体1aと、ハンダ付けによって
電気的に接合されている。ドライバIC932およびヒ
ートシンク934の上方であって、FPC936の外側
には、基板933が配置されている。ヒートシンク93
4の上面と基板933との間、および、ヒートシンク9
34の下面とFPC936との間は、それぞれシール部
材949で接着されている。
【0028】ホルダ本体941のスカート部941aの
下面と流路ユニット10xの上面との間には、FPC9
36を挟むようにシール部材950が配置されている。
つまりFPC936は、流路ユニット10xおよびホル
ダ本体941に対してシール部材950によって固定さ
れている。これにより、ヘッド本体1aが長尺化した場
合の撓みの防止、アクチュエータユニット30とFPC
936との接続部に応力が加わることの防止およびFP
C936の確実な保持が可能となる。
【0029】図2に示すように、インクジェットヘッド
1の主走査方向に沿った下方角部近傍には、インクジェ
ットヘッド1の側壁に沿って6つの凸設部18aが均等
に離隔配置されている。これら凸設部18aは、ヘッド
本体1aの最下層にあるノズルプレート(後述する第八
の平板)18の副走査方向両端部に設けられた部分であ
る。つまり、図3に示すように、ノズルプレート18
は、凸設部18aとそれ以外の部分との境界線に沿って
約90度折り曲げられている。凸設部18aは、プリン
タ901において印刷に用いられる各種サイズの用紙の
両端部付近に対応する位置に設けられている。ノズルプ
レート18の折り曲げ部分は直角ではなく丸みを帯びた
形状となっているため、ヘッド1と近接する方向に搬送
されてきた用紙の先端部がヘッド1の側面と接触するこ
とで生じる用紙の詰まりすなわちジャミングが起こりに
くくなっている。
【0030】〔第一実施形態〕インクジェットヘッドの
ヘッド本体1aは、図4に示される前述の流路ユニット
としてのキャビティプレート組10と、その上面に図5
のように固定されるアクチュエータユニット30とから
なる。
【0031】このキャビティプレート組10は、図示し
ないインクタンク(インク供給源)からインクを供給す
るためのインク供給口41を上面に開口させた構成とな
っている。このインク供給口41が、キャビティプレー
ト組10内部に形成される共通インク室23に、インク
供給通路42を介して接続される。インク供給通路42
の中途には、第一のフィルタ61が設けられている。イ
ンク供給口41は、前述のベースブロック938の下面
945に形成された開口903b(図3に図示)に位置
を合わせて設けられている。従って、インク供給口41
には、前記インク溜まり903内のインクが適宜供給さ
れる。
【0032】キャビティプレート組10の上面には、菱
形状の圧力室20が凹設される。圧力室20は図面では
代表して一つのみ示されているが、実際は、共通インク
室23の長手方向(図4・図5に示すQ方向)に多数個
並べて設けられている。この圧力室20のそれぞれが、
前述の共通インク室23に、後述するトラップフィルタ
70および制限流路56を介して連通されている。
【0033】圧力室20のそれぞれに対応させて、キャ
ビティプレート組10の下面には、インク滴を噴射する
ためのノズル21が開口される。対応する圧力室20と
ノズル21とは、連絡通路22を介して連通されてい
る。
【0034】図5に鎖線で略示するように、平板状のア
クチュエータユニット30が、キャビティプレート組1
0の上面に接着されている。アクチュエータユニット3
0は、前述の複数並べて設けられた圧力室20の上側を
閉鎖するように設けられている。
【0035】このアクチュエータユニット30は、特開
平3−274159号公報に開示されるものと同様のも
のである。即ち、圧電セラミックス層と電極とを交互に
積層して、圧電セラミックス層を挟む電極のうち少なく
とも一方(個別電極)を圧力室20の平面形状とほぼ相
似形でかつそれよりもやや小さい平面形状としている。
この個別電極は、圧電セラミックス層を挟む他方の電極
とともに、前述のFPC936を介してドライバIC9
32に電気的に接続されており、圧電セラミックス層を
挟む二つの電極間に電圧を印加することができる。こう
して印加される電圧によって、圧力室20に対応する部
分の圧電セラミックス層を変形させて圧力室20内のイ
ンクに圧力を与え、その結果、インクをノズル21から
噴射させることができる。
【0036】ただし、アクチュエータユニット30は、
上記圧電または電歪変形のほか、静電気、磁気、熱によ
るインクの局部的な沸騰などの力を利用してインクに噴
射圧力を付与するものを用いることもできる。
【0037】キャビティプレート組10は、図5に示す
ように、八枚の薄い平板11〜18を積層して相互に接
着した構造である。図6には、キャビティプレート組1
0の積層構造が、分解斜視図で示されている。
【0038】なお、以下では、構成の説明の便宜のた
め、平板11〜18のそれぞれを特定する際は、ノズル
21から遠い側から数えて「第○の平板」と称すること
とする。図で最も上側に示されている平板11は第一の
平板、最も下側に示されている平板18は第八の平板に
なる。なお、本実施形態に関する記述においては、八枚
の平板11〜14のうち第四の平板14に注目し、これ
を「平板部材」と称することがある。
【0039】この第一実施形態において、平板11〜1
8は、第四の平板14(平板部材)を除き、いずれも金
属製としてある。第四の平板14はポリイミドにより構
成している。
【0040】図5に示すように、第一の平板11におい
ては、前述の複数の圧力室20が、エッチングにより形
成される。また、第八の平板18においては、前述の圧
力室20のそれぞれに対応させたノズル21が、プレス
により穿設されている。
【0041】図6に示すように、第二から第七の平板1
2〜17は貫通状の連通孔82〜87をそれぞれ備えて
いる。それぞれの連通孔82〜87は、第一〜第八の平
板11〜18を積層したときに互いに接続されて、圧力
室20とノズル21とを繋ぐ連絡通路22を図5のよう
に形成する。
【0042】共通インク室23の構成を説明する。第六
・第七の平板16・17にはいずれもエッチングが施さ
れて、第一の空間71が形成されている。また、すぐ上
にある第五の平板15にもエッチングが施され、第一の
空間71よりも幅が狭い第二の空間72が形成されてい
る。
【0043】第五〜第七の平板15〜17を積層するこ
とにより、第一の空間71と第二の空間72とが接合さ
れて、共通インク室23が構成される。
【0044】本実施形態においては上述のとおり、第一
の平板11に圧力室20が形成されているから、この第
一の平板11が圧力室形成層(以下、「第一の平板層」
と称する)Aに相当する。また、第五〜第七の平板15
〜17に共通インク室23が形成されているので、この
第五〜第七の平板15〜17が、共通インク室形成層
(以下、「第二の平板層」と称する)Bに相当する。平
板部材たる第四の平板14は、この第一の平板層Aと、
第二の平板層Bとの間に位置する。
【0045】この第一実施形態においては、共通インク
室23の圧力変動を吸収するダンパ構造が、第四の平板
(平板部材)14に設けられている。即ち、共通インク
室23をなす前述の第二の空間72は第五の平板15に
貫通状に穿設されているため、共通インク室23は、平
板部材たる第四の平板14に対し、下側で面することと
なる。また、共通インク室23と反対側(ノズル21か
ら遠い側)でこの平板部材14に面する第三の平板13
にもエッチングが施され、前述の第二の空間72と対応
する形状の空間73が形成されている。
【0046】この平板部材14は適宜弾性を有する素材
で構成されており、前記の空間73が形成されているこ
とにより、平板部材14の符号80で示す部位(ダンパ
部)は、共通インク室23側にも、前記空間73側に
も、自由に振動することができる。この結果、インク噴
射時に圧力室20で発生した圧力変動が共通インク室2
3に伝播しても、該平板部材14のダンパ部80が弾性
変形して振動することによって当該圧力変動を吸収減衰
させることができ(ダンパ作用)、圧力変動が他の圧力
室20へ伝播してしまうクロストークを防止することが
できる。即ち、前記空間73は、ダンパ室としての役割
を果たし、該平板部材14はダンパ室の少なくとも一部
の壁部(ダンパ部80)を構成する。
【0047】次に、共通インク室23と圧力室20との
間のインク流路を説明する。共通インク室23から前述
の圧力室20へインクを導くための導入孔51・52
が、第五の平板15および平板部材14に穿設される。
【0048】第三の平板13においては、その一端を前
記導入孔51・52に接続させるフィルタ連絡孔53が
穿設される。このフィルタ連絡孔53は略三角形状に形
成されて、第四の平板(平板部材)14に穿設されるト
ラップフィルタ70に接続される。
【0049】図4や図6に示すように、トラップフィル
タ70は細い流路54を三本並べた構成とされる。各流
路54は平板部材14に細長い孔を貫通状に穴あけ加工
することにより形成され、それぞれの流路54の一端は
前記フィルタ連絡孔53に接続される。図4に示すよう
に、各流路54の中途部は特に細く絞られており、この
絞り部にてインク内の不純物を捕捉できるようになって
いる。このトラップフィルタ70は、前記平板部材14
の中を面方向にインクを流すことで、インクを濾過する
形式のフィルタである。
【0050】ここで、この平板部材14は他の平板(1
1〜13、15〜18)に比して相対的に薄く(薄膜状
に)構成してあり、特に、平板部材14の厚みは、ノズ
ル21の直径よりも小さくなるようにしている。このた
め、ノズル21を詰まらせるような大きさのゴミや不純
物は、インク流路中の当該平板部材14に形成したフィ
ルタ70の前記絞り部によって、ノズル21に到達する
前に必ず捕捉されることとなる。従って、ノズル21の
詰まりが確実に回避されるので、ドット抜け等の印字品
質のトラブルが発生しにくいインクジェットヘッドを提
供できる。
【0051】トラップフィルタ70の三本の流路54の
他端は、いずれも、第三の平板13に穿設された制限流
路連絡孔55に接続される。この制限流路連絡孔55は
更に、第四の平板(平板部材)14に穿設される制限流
路56に接続される。
【0052】この制限流路56は、前述のトラップフィ
ルタ70のすぐ脇の位置で貫通状に設けた長孔とされ、
第三と第五の平板13・15の間で該制限流路56を通
過するインクの流量を制限することによって、圧力室2
0へのインクの供給量を調節し、ノズル21からのイン
クの噴射量を適切に調整する役割を果たす。
【0053】この制限流路56は、前記第四の平板14
に設けられるものであって、この第四の平板(平板部
材)14は、圧力室20を形成する第一の平板11や、
共通インク室23を形成する第五〜第七の平板15〜1
7とも異なる高さの平板である。この結果、制限流路5
6は、平板の積層方向において、圧力室20とも共通イ
ンク室23とも異なる高さに設けられることになる。ま
た、図5に示すように、この制限流路56は、平板11
〜18の積層方向へのその投射領域が、前記共通インク
室23の領域に含まれている。
【0054】このように、制限流路56の投射領域が共
通インク室23の領域と少なくとも大部分重なるレイア
ウトとすることにより、共通インク室23・制限流路5
6・圧力室20の三者をコンパクトなスペース内に配置
できる。従って、インクジェットヘッド1のコンパクト
化の要請や、高解像度化に基づく圧力室20や制限流路
56の密集配置の要請にも適合的である。
【0055】制限流路56の他端は、第三の平板13お
よび第二の平板12にそれぞれ設けられる連通孔57・
58を介して、圧力室20の端部に接続される。
【0056】ここで、上述の制限流路56の断面積は、
圧力室20にインクを供給する量(リフィル量)、ひい
てはノズル21からのインクの噴射量に直接影響するた
め、ノズル21からのインク噴射量の過剰あるいは不足
を防止するためには、制限流路56の寸法形状を正確に
精度良く形成することがきわめて重要となる。
【0057】この点、この制限流路を、積層される平板
のうちの一枚にハーフエッチングにより溝加工を施すこ
とで構成するものとすると、エッチングの速度はエッチ
ング液の温度や濃度などの諸条件に影響されやすいた
め、ハーフエッチングの深さにバラツキが生じ易く、制
限流路の寸法を精度良く形成するのは極めて困難であ
る。
【0058】以上の事情に鑑みて本実施形態では、第四
の平板(平板部材)14はポリイミドで薄膜状に形成す
るとともに、前記制限流路56は金属膜によるマスクを
使用しながらレーザー加工にて貫通状に孔を開けること
で形成している。この結果、制限流路56の形状・大き
さを精度良く形成でき、制限流路56の流路抵抗のバラ
ツキがなくなって印字品質が向上されることになる。
【0059】以上の構成で、共通インク室23内のイン
クは、導入孔51・52からフィルタ連絡孔53を経由
して平板部材14の内部(トラップフィルタ70)に至
り、ここでインクは、平板部材14の面方向に流れるこ
とで濾過されて、不純物を除去される。そして更に制限
流路連絡孔55を経由して制限流路56に至り、その流
量を調整されながら、連通孔57・58を介して圧力室
20へ供給される。即ち、この図4〜図6に開示される
実施形態では、前記トラップフィルタ70が、共通イン
ク室23から圧力室20へ向かうインクを濾過する第二
のフィルタ62に相当する。このトラップフィルタ70
(第二のフィルタ62)があることによって、共通イン
ク室23のインク内のゴミや不純物を、圧力室20へ到
達する前に除去することができる。
【0060】次に、外部のインク供給源から共通インク
室23にインクを供給するためのインク供給通路42の
構成を説明する。図6に示すように、共通インク室23
に接続させて、第五の平板15には供給孔95が穿設さ
れる。そのすぐ上の第四の平板(平板部材)14には、
前記供給孔95に相当する位置に、多数のフィルタ孔5
9・59・・・を並べて穿設し、前述の第一のフィルタ
61を構成している。
【0061】第一のフィルタ61に位置を合わせて、第
一〜第三の平板11〜13には、それぞれ連絡孔91〜
93が形成される。これら供給孔95・連絡孔91〜9
3により、共通インク室23に外部からインクを供給す
るための前述のインク供給通路42が構成される。この
構成で、前記第一のフィルタ61があることによって、
当該インク供給通路42のインク内のゴミや不純物を除
去することができる。
【0062】本実施形態においては、図6で明らかであ
るとおり、制限流路56は第四の平板(平板部材)14
に形成されており、また、共通インク室23の圧力変動
を吸収するダンパ部80も、この平板部材14に形成さ
れている。従って、制限流路56及びダンパ部80を別
々の平板に設ける場合に比して構成が簡素化され、ま
た、制限流路56及びダンパ部80の両者を同時に作り
込むことも可能であるから、製造工程の簡略化、製造コ
ストの低減を図ることができる。
【0063】また、本実施形態においては、前記平板部
材14には更に、インクを濾過するフィルタ61・70
が形成されている。この構成により、制限流路56・ダ
ンパのほか更にフィルタ61・70を当該平板部材14
に同時に作り込むことができ、製造工程がより一層簡略
化される。また、このように、平板部材14には、面方
向にインクを流すことで濾過するフィルタ(トラップフ
ィルタ70)と、厚み方向にインクを流すことで濾過す
るフィルタ(第一のフィルタ61)と、が設けられてい
るから、フィルタを使った流路の配置の自由度が高く、
これによっても流路のコンパクト化・高集積化、インク
ジェットヘッドの小型化が容易である。
【0064】なお、平板部材14の上の第三の平板13
に形成された前記空間73には空気が満たされており、
更には平板部材14はポリイミド製で薄く構成されてい
るため、該空間73内の空気が平板部材14部分を透過
し、インクで充填されている共通インク室23側に気泡
ができてしまう原因となる。この問題を解決した構成
が、図7に開示される、第一実施形態の変形例aであ
る。図7に示すキャビティプレート組10xaにおい
て、平板部材14にはその少なくとも振動する部分(前
記ダンパ部80)に、金属膜97を蒸着あるいはスパッ
タリングにより形成し、空気が平板部材14を透過する
ことを防止できるようにしている。この金属膜97は、
平板部材14のダンパ室(空間73)側の面に形成して
も、共通インク室23側に形成しても良いが、インクに
よる腐食や金属成分のインクへの溶け込み等を回避する
観点からは、ダンパ室(空間73)側に形成することが
望ましい。なお、この金属膜は、前述の制限流路56や
フィルタ61・70を形成する際のレーザー加工のパタ
ーンマスクの金属膜と同時に形成すれば、製造工程を簡
略化することができる。
【0065】即ち、前記平板部材14を樹脂製とするこ
とで、平板部材14の加工方法としてレーザー加工等の
様々な方法を採用できるとともに、前述のダンパ室(空
間73)内の空気が前記ダンパ部80を通過して共通イ
ンク室23内へ入り込んで気泡となることを、金属膜に
よって防止することができる。
【0066】本実施形態において平板部材14はポリイ
ミド製としているが、エポキシ等により形成しても構わ
ない。ポリイミド樹脂やエポキシ樹脂はインクのアタッ
クに対し強靭であるから、前述の制限流路56やダンパ
構造等を形成する素材として好適であり、インクジェッ
トヘッド1の耐久性を向上させることができる。これ
は、インクの種類の選択可能な範囲が拡大されることを
意味する。
【0067】また、平板部材14の素材を樹脂とするこ
とにも限定せず、例えば金属で形成しても構わない。こ
の場合は、前述のダンパ作用のために、適宜弾性を有す
る金属を選択することとする。また、前述の制限流路5
6やフィルタ61・70を平板部材14に形成するとき
は、レーザー加工でなくエッチングで貫通状に形成すれ
ば良い。
【0068】また、上記実施形態において平板部材14
に形成されていた導入孔52を形成せず、その代わりに
当該箇所において多数の微細貫通孔(前記フィルタ孔5
9・59・・・と同様のもの)を形成することにより、
当該部分においてもフィルタを構成することができる。
この場合、導入孔52部分におけるフィルタは、上記実
施形態におけるトラップフィルタ70に代えることとし
ても良いし、上記実施形態における二つのフィルタ61
・70と併存させる構成(フィルタを三つとする構成)
としてもよい。
【0069】三つのフィルタを併存させた構成が、第一
実施形態の変形例bとして、図8及び図9に示される。
このキャビティプレート組10xbは、前記平板部材1
4’において前記導入孔52の代わりに多数の微細貫通
孔99・99・・・が形成され、内部フィルタ98を形
成している。前記第一のフィルタ61、及び前述の三本
の流路54(前記トラップフィルタ70)は、前述の実
施形態と全く同じように設けられている。従って、共通
インク室23から圧力室20へ向かうインクは、まず前
記内部フィルタ98を平板部材14’の厚み方向に通過
して濾過され、その後に、三本の流路54によって構成
されるトラップフィルタ70を平板部材14’の面方向
に通過することで濾過される。即ち、この図8・図9に
示される第一実施形態の変形例bにおいては、共通イン
ク室23から圧力室20へ向かうインクを濾過する第二
のフィルタ62’は、内部フィルタ98と、トラップフ
ィルタ70と、からなる。
【0070】このように、内部フィルタ98と第一のフ
ィルタ61とトラップフィルタ70の三つのフィルタを
設けることにより、圧力室20およびノズル21にゴミ
や不純物が達することを効果的に防止できる。また、こ
のように、平板部材14’には、面方向にインクを流す
ことで濾過するフィルタ(トラップフィルタ70)と、
厚み方向にインクを流すことで濾過するフィルタ(第一
のフィルタ61及び内部フィルタ98)と、が設けられ
ているから、フィルタを使った流路の配置の自由度が高
く、これによっても流路のコンパクト化・高集積化、イ
ンクジェットヘッドの小型化が容易である。
【0071】更に別の実施形態として、前記トラップフ
ィルタ70に代えて導入孔52における上記内部フィル
タ98を用いる場合は、流路54(中途部を細く絞らな
い構成とする)を一本だけ形成して制限流路56と接続
することにより新たな制限流路を形成し、制限流路連絡
孔55を形成しないことにより実現される。
【0072】また、上記実施形態における第一のフィル
タ61またはトラップフィルタ70は、制限流路56を
形成した平板部材14とは異なる平板に形成されてもよ
い。ただし、二つのフィルタ61・70をいずれも平板
部材14に設ける構成とした方が、製造工程の一層の簡
略化を図れる点で望ましい。
【0073】〔第二実施形態〕次に、第二実施形態を説
明する。この第二実施形態は、第一実施形態の制限流路
56とフィルタ61・62の構成を若干変更させたもの
である。図10は第二実施形態のインクジェットヘッド
の平面図である。図11は、図10のP−P線断面を示
した、インクジェットヘッドの斜視図である。
【0074】第二実施形態のインクジェットヘッドのヘ
ッド本体1aにおいて、キャビティプレート組10y
は、図11に示すように、八枚の薄い平板111〜11
8を積層して相互に接着した構造である。図12には、
キャビティプレート組10yの積層構造が、分解斜視図
で示されている。なお、この第二実施形態においても、
平板111〜118のそれぞれを特定する際は、ノズル
21より遠いほうから数えて「第○の平板」と称するこ
ととする。また、第二実施形態に関する記述において、
八枚の平板111〜118のうち第五の平板115に注
目し、これを「平板部材」と称することがある。本実施
形態において、平板111〜118は、第五の平板(平
板部材)115を除き、いずれも金属製としてある。第
五の平板115はポリイミドにより構成している。
【0075】圧力室20は第一実施形態と同じく、第一
の平板111を菱形に貫いた孔として形成され、図10
・図11に示すQ方向に多数並べて設けられている。共
通インク室23’は、第六と第七の平板116・117
をエッチングして設けられており、前記圧力室20が並
べられるQ方向に長く形成されている。
【0076】従って、第二実施形態においては、第一の
平板111が、圧力室20を形成する「第一の平板層」
Aに相当する。また、この第六・第七の平板116・1
17が、共通インク室23’を形成する「第二の平板
層」Bに相当する。平板部材たる第五の平板115は、
この第一の平板層Aと、第二の平板層Bとの間に位置す
る。
【0077】第八の平板118には、インクを噴射する
ためのノズル21が開口される。第二〜第七の平板11
2〜117には連通孔122〜127がそれぞれ設けら
れて、圧力室20とノズル21とを接続する連絡通路2
2を形成する。
【0078】共通インク室23’から圧力室20へ至る
インク流路を説明する。共通インク室23’は前述のと
おり第六と第七の平板116・117に設けられている
が、そのすぐ上の第五の平板(平板部材)115には、
小径のフィルタ孔65・65・・・が多数並べて穿設さ
れ、第二のフィルタ162を構成している。この第二の
フィルタ162のフィルタ孔65に位置を合わせて、第
四の平板114には導入孔152が開口される。
【0079】第三の平板113には長孔状の制限流路1
56を貫通させて形成し、該制限流路156の一端は前
記導入孔152に接続されている。この制限流路156
は第一実施形態における制限流路56と同様に、当該制
限流路156を通過するインクの流量を制限して、圧力
室20内に供給されるインクの量を調節するものであ
る。そして、制限流路156の他端と前記圧力室20と
を接続させる連通孔157が、第二の平板112に開口
される。
【0080】この構成で、共通インク室23’内のイン
クは、前記第二のフィルタ162を通過して濾過され、
導入孔152に至る。更にインクは、制限流路156で
流量を制限されながら、連通孔157を介して圧力室2
0へ供給される。
【0081】次に、外部のインク供給源から共通インク
室23にインクを供給するためのインク供給通路142
の構成を説明する。図12に示すように、共通インク室
23’に接続させて、第五の平板115には多数のフィ
ルタ孔59・59・・・を並べて穿設し、インクを濾過
するための第一のフィルタ161を構成している。そし
て、第一のフィルタ161に位置を合わせて、第一〜第
四の平板111〜114には、それぞれ連絡孔131〜
134が形成される。前記平板111〜118を積層さ
せた際には、連絡孔131〜134が直線状に繋がっ
て、前述のインク供給通路142を形成する。
【0082】このように、インク供給通路142に配置
される第一のフィルタ161と、共通インク室23’と
圧力室20との間のインク流路に配置される第二のフィ
ルタ162が、ともに第五の平板(平板部材)115に
設けられているのである。
【0083】この結果、二つのフィルタ161・162
を平板部材115に一度に形成することができるから、
製造工程を簡略化することができる。本実施形態におい
ては、ポリイミドで構成されている前記平板部材115
に対し、両フィルタのフィルタ孔59・65のパターン
を形成した金属膜マスクを用いてレーザー加工し、二つ
のフィルタ161・162のフィルタ孔(59・65)
の穴あけを一度に行うようにしている。
【0084】共通インク室23’は、平板部材115の
下側に面するように形成されている。また、平板部材1
15に対し共通インク室23’の反対側で面する第四の
平板114にはダンパ室としての空間73がエッチング
により形成されており、この部分で平板部材115が弾
性変形して振動できるようにして、第一実施形態と同様
の作用を行うダンパ機構を形成している。
【0085】なお、第一実施形態と同様に、この空間7
3に対応する平板部材115の部位には、空気の通過を
防止するための金属膜197が、蒸着またはスパッタリ
ングにて形成されてもよい(図13に示す第二実施形態
の変形例aとしてのキャビティプレート組10ya参
照)。この金属膜197は、平板部材115のどちら側
の面に形成しても良いが、インクとの化学的反応により
生じる腐食や溶解といった不具合を回避する観点から
は、図13に示したように、ダンパ室(空間73)側に
形成することが望ましい。
【0086】第二実施形態においても以上に説明したと
おり、単一の平板部材115に二つのフィルタ161・
162をともに設け、当該平板部材115に更にダンパ
作用まで行わせるように構成しているので、構成が一層
簡略化され、製造が容易となっている。
【0087】〔第三実施形態〕次に、インクジェットヘ
ッドの第三実施形態を、図14から図19を参照して説
明する。図14は第三実施形態のインクジェットヘッド
の平面図である。図15は図14におけるP−P線断面
を示した、インクジェットヘッドの斜視図である。図1
6は、第三実施形態のインクジェットヘッドのキャビテ
ィプレート組の積層構造を示した分解斜視図である。図
17は、第三の平板の拡大斜視図である。図18(a)
は第三実施形態における制限流路の構成を示した要部拡
大斜視図である。図18(b)は制限流路内に突起を配
置しない参照例を示す要部拡大斜視図である。図19
は、制限流路の変形例を示した要部拡大斜視図である。
【0088】第三実施形態に係るインクジェットヘッド
のヘッド本体1aにおいて、キャビティプレート組10
zは、図14に示すように、八枚の薄い平板211〜2
18を積層して相互に接着した構造である。図15に
は、キャビティプレート組10zの積層構造が、分解斜
視図で示されている。
【0089】なお、この第三実施形態においても、平板
211〜218のそれぞれを特定する際は、ノズルより
遠い側から数えて「第○の平板」と称することとする。
また、第三実施形態に関する記述において、八枚の平板
211〜218のうち第三の平板213に注目し、これ
を「平板部材」と称することがある。本実施形態におい
て、平板211〜218は、いずれも金属製としてあ
る。
【0090】圧力室20は他の実施形態と同じく、第一
の平板211を菱形に貫いた孔として形成され、図14
・図15に示すQ方向に多数並べて設けられている。共
通インク室23’は、第五と第六の平板215・216
をエッチングして設けられており、前記圧力室20が並
べられるQ方向に長く形成されている。
【0091】第八の平板218には、インクを噴射する
ためのノズル21が開口される。第二〜第七の平板21
2〜217には連通孔222〜227が設けられて、圧
力室20とノズル21とを接続する連絡流路22を形成
する。
【0092】第五・第六の平板215・216には、当
該平板を貫くようにいずれもエッチングが施されて、共
通インク室23’が形成される。この共通インク室2
3’は、前記圧力室20が並べられるQ方向に長く形成
されている。
【0093】この第三実施形態においては上述のとお
り、第一の平板211に圧力室が形成されているから、
この第一の平板211が、前記第一の平板層Aに相当す
る。また、第五・第六の平板215・216に共通イン
ク室23’が形成されているので、この第五・第六の平
板215・216が、前記「第二の平板層」Bに相当す
る。平板部材たる第三の平板213は、この第一の平板
層Aと、第二の平板層Bとの間に位置する。
【0094】前記共通インク室23’の下側で面する第
七の平板217には、その下面にハーフエッチングが施
されて、第八の平板218との間に空間(肉抜き部)2
73を形成している。
【0095】この第七の平板217は適宜の弾性を有す
る金属板で構成しており、前記の空間273が形成され
ていることにより、この箇所の薄くなっている部分(ダ
ンパ部280)は、共通インク室23’側にも、前記空
間273側にも、自由に振動することができる。この結
果、インク噴射時に圧力室20で発生した圧力変動が共
通インク室23’に伝播しても、前記ダンパ部280が
弾性変形して振動することによって当該圧力変動を吸収
減衰させることができ(ダンパ作用)、圧力変動が他の
圧力室20へ伝播してしまうクロストークを防止するこ
とができる。
【0096】次に、共通インク室23’と圧力室20と
の間のインク流路を説明する。図15・図16に示すよ
うに、共通インク室23’から前述の圧力室20へイン
クを導くための導入孔252が、第四の平板214に穿
設される。そして、すぐ上に位置する第三の平板213
には、前記導入孔252に一端を接続させて、制限流路
256を凹設している。
【0097】この制限流路256は、図17に示すよう
に、第三の平板213の上面にハーフエッチングで溝加
工を施して形成された、細長い凹部とされる。この構成
で、平板211〜218を積層してキャビティプレート
組10zを形成する際には、該制限流路256に相当す
る凹部の部分は、上側の第二の平板212によって閉鎖
される。従って、導入孔252から制限流路256の一
端に至ったインクは、第二の平板212の下面と前記凹
部の内底面との間の空間を、該制限流路256の他端側
に向かって流れる。
【0098】なお、前述のハーフエッチングによる溝加
工は、以下に示すような公知の方法で行われる。即ち、
第三の平板213に前処理を施した後、適宜の感光性
樹脂を塗布して感光性樹脂層を形成する。前記制限流
路256の輪郭形状に相当する形状を形成したパターン
マスクを用いて、感光性樹脂層に対し選択的な露光を行
う。現像により感光性樹脂層の前記輪郭形状の部分を
取り去って、第三の平板213の対応する部分を露出さ
せる。エッチング液を塗布して、第三の平板213の
前記露出した部分に対して所定の深さだけ腐食作用を行
わせて、該制限流路256を形成する。感光性樹脂層
を剥離して除去する。このように、平板213にエッチ
ングすることで(後述のフィルタ262を内部に形成し
た)制限流路256を形成できるので、当該平板213
にレーザーにより穴あけ加工してフィルタや制限流路を
形成するような場合に比して、製造工程を簡素化するこ
とができる。
【0099】制限流路256の一端の前記導入孔252
に接続する部分においては、第三の平板213の下面か
らもエッチングを施して貫通状の孔263を形成し、該
孔263を通じて導入孔252から制限流路256へイ
ンクが流れ込むようになっている。制限流路256の他
端は、第二の平板212に設けられる連通孔257を介
して、圧力室20の端部に接続される。
【0100】この制限流路256は図18(a)に示す
ように、その流路幅wおよび流路深さd1を小さくし
て、流路断面積を小さくしている。この構成により該制
限流路256は、該流路256を通過するインクの流量
を制限することにより圧力室20へのインクの供給量を
調節し、ノズル21からのインクの噴射量を適切に調整
する役割を果たす。
【0101】また、この制限流路256の内側において
は、円柱状の突起(凸部)269が微細な間隔を空けな
がら複数並べて凸状かつ独立した島状に形成され、前述
のフィルタ262が形成されている。この構成で、共通
インク室23’内のインクに含まれる不純物は、突起2
69と突起269との隙間を通過できず捕捉される。
【0102】この突起269は、第三の平板213に前
述の制限流路256を形成するためのハーフエッチング
による溝加工の際に、同時に形成されるようになってい
る。即ち、前述のハーフエッチングの方法で説明した選
択的露光の際のパターンマスクに、複数の前記突起26
9に相当するパターンをも形成しておき、後の現像工程
で、制限流路256の内部部分であっても当該突起26
9に相当する部分は感光性樹脂層が除去されないように
する。これによって、後の工程でエッチング液を塗布し
た際には、平板213の突起269に相当する部分以外
の部分に腐食作用が行われる結果、当該突起269が凸
状に残る。このように、第三の平板213に対し、突起
269部分を残すように制限流路256の溝加工を施す
結果、制限流路256内部に突起269が一体的に形成
される前述のような構成となるのである。
【0103】以上の構成で、共通インク室23’内のイ
ンクは、導入孔252から制限流路256に至り、該流
路256内のフィルタ262を通過する際に濾過され
て、不純物を除去される。そして同時に制限流路256
の作用によりその流量を調整されながら、連通孔257
を介して圧力室20へ供給される。
【0104】ここで、上述の制限流路256の流路抵抗
は、圧力室20にインクを供給する量(リフィル量)、
ひいてはノズル21からのインクの噴射量に直接影響す
る。従って、ノズル21からのインク噴射量が過大ある
いは過小となることを防止するために、この制限流路2
56の流路抵抗を適切に定める必要がある。この流路抵
抗は、制限流路256の長手方向の長さLに比例し、流
路断面積(即ち、流路幅wと流路深さdとの積)に反比
例する。
【0105】しかし本実施形態においては、前述の複数
の島状の突起269を制限流路256内に適切に並べて
配置する構成としているので、この突起269により流
路抵抗の調整を図ることも可能である。即ち、前述の制
限流路256の長さLや流路幅w・流路深さdのパラメ
ータを異ならせることのほか、前述の突起269を形成
する個数やその配列の方法等を種々異ならせることで、
インクの流れにくさ(流路抵抗)を自在に調節すること
ができるのである。これにより、制限流路256の流路
抵抗を最適値に精度良く定めるのが容易となり、ノズル
21からのインク噴射量が最適となって印字品質が向上
されることになる。
【0106】特に、本実施形態のように前述の制限流路
256をハーフエッチングにより形成する場合は、制限
流路256内部に突起269を配置する構成は極めて有
用である。
【0107】即ち、前述の制限流路256の形状寸法の
うち長手方向の長さLや流路幅wについては、前述の選
択的な露光のためのマスクに対し、CADによって作成
した露光パターンを自動描画装置により正確に描画させ
ることによって、その誤差を僅かにとどめることが可能
である。一方、ハーフエッチングにおいては、エッチン
グの速度はエッチング液の温度や濃度などの諸条件に影
響されやすいため厳密にコントロールすることが難し
く、エッチング深さのバラツキが生じ易い。従って、制
限流路256の流路深さdについては、前述の長さLや
流路幅wといった他のパラメータに比較して、相対的に
やや大きい誤差が生じることが避けられない。流路深さ
dの大小は前述のように流路抵抗に直接影響するもので
あるため、制限流路256の流路抵抗にバラツキがある
と、あるノズル21からはインクが多量に噴射され、他
のノズル21からはインク噴射量が少ないといった事態
が発生し、印字品質の低下に繋がってしまう。
【0108】この点、図18(a)に示す本実施形態の
ように制限流路256内に突起269を配列する構成で
は、突起269があることによってインクの通過しにく
さ(流路抵抗)が増大することとなる。従って、同じ長
さL・同じ流路幅wにて同じだけの流路抵抗を得たい場
合でも、突起269を配置しない図18(b)の構成に
比して、図18(a)の構成によれば、当該突起269
による流路抵抗の増大分に相当する分だけ、流路深さd
を大きくすることができる(d1>d2)。ハーフエッ
チングの腐食深さの誤差(流路深さdの誤差に相当す
る)Δdは、プラスマイナス何μmといった絶対値の範
囲内に抑えることが可能である。従って、流路深さdを
大きくできる本実施形態によれば、当該流路深さの誤差
Δdの影響は相対的に小さくなって、制限流路256の
流路抵抗の誤差も小さくすることができる。これは、各
ノズル21からのインク噴射量のバラツキを抑えること
ができ、印字品質を向上させ得ることを意味する。
【0109】また、制限流路256の内部に、共通イン
ク室23’から圧力室20へ流れるインクの不純物を取
り除くフィルタ262を形成することができるから、制
限流路256やフィルタ262を含んだ流路の構成が簡
素化され、省スペース化に適合的である。このため、多
数のノズル21やそれに至る圧力室20や流路を高密度
で集積させて配置することができ、画像の高解像度化や
インクジェットヘッドの小型化の要請に対応することも
容易である。
【0110】更に、本実施形態では、フィルタ262を
構成する突起269が、制限流路256を形成する平板
213に一体的に形成される構成となっている。従っ
て、別部材で形成したフィルタを設ける構成に比して、
部品点数を削減でき、製造工数やコストを低減できる。
【0111】上記「凸部」には、本実施形態では前述の
突起269が相当するが、この形状は円柱形状に限ら
ず、角柱状等の任意の形状とすることができる。また、
複数ある凸部が必ずしも互いに同一の形状を有しなけれ
ばならない訳でもなく、各凸部ごとに自由な形状を選択
可能である。
【0112】また、突起269と突起269の間隔、及
び、突起269と制限流路256の側壁との間隔は、前
述の制限流路256の流路抵抗との兼ね合いもあるが、
ノズル21の径(直径)の長さよりも短くすることが望
ましい。こうすれば、ノズル21を詰まらせてしまうよ
うな大きさのゴミや不純物は必ず突起269の部分(前
記フィルタ262)で捕捉されることとなって、ノズル
21の詰まりを確実に防止できるからである。
【0113】本実施形態では第三の平板213に制限流
路256の凹部を形成したが、これに限定されず、流路
の構造上の都合に合わせて他の平板に形成するものであ
っても構わない。また、平板213の上面(ノズル21
から遠い側の面)に制限流路256の凹部を形成する構
成に限らず、下面(ノズル21に近い側の面)に凹部を
形成してもよい。この場合は凹部は、第三の平板213
のすぐ下側に位置する第四の平板214とで閉鎖される
ことになる。また、本実施形態では制限流路256の幅
wは一定であったが、突起269のある部分とない部分
とで幅を変化させることで、流路抵抗を調整することも
可能である。また、例えば図19の制限流路256’
(フィルタ262’)のように、突起269のある部分
においても、突起269の配列や形状に対応して制限流
路256’の側壁に凹凸を形成しても構わない。
【0114】図16に示すように、第一〜第四の平板2
11〜214には、互いに位置を合わせて、それぞれ連
絡孔231〜234が形成される。従って、前記平板2
11〜218を積層させた際には、図15に示すように
連絡孔231〜234が直線状に繋がって、インク供給
通路242を形成する。このインク供給通路242は、
キャビティプレート組10zの上面(ノズル21を形成
した側と反対側の面)に、前記インク供給口41を形成
する。なお、上記インク供給口41を覆うように、ある
いは前記インク供給通路242の中途に、フィルタを配
置する構成とすれば、該インク内に含まれる不純物を共
通インク室23’に到達する前に捕捉できることとなっ
て好ましい。
【0115】〔第四実施形態〕次に、第四実施形態を図
20〜図23を参照しながら説明する。この第四実施形
態は、制限流路及び当該制限流路部分のフィルタの形成
方法に特徴がある。図20は、第四実施形態のインクジ
ェットヘッドの平面図である。図21は、図20におけ
るP−P線断面を示した、インクジェットヘッドの斜視
図である。図22は、第四実施形態のインクジェットヘ
ッドのキャビティプレート組の積層構造を示した分解斜
視図である。図23は、第四の平板の拡大斜視図であ
る。
【0116】第四実施形態に係るインクジェットヘッド
のヘッド本体1aにおいて、キャビティプレート組10
vは、図21に示すように、七枚の薄い平板311〜3
17を積層して相互に接着した構造である。図22に
は、キャビティプレート組10vの積層構造が、分解斜
視図で示されている。
【0117】なお、この第四実施形態においても、平板
311〜317のそれぞれを特定する際は、ノズル21
より遠い側から数えて「第○の平板」と称することとす
る。本実施形態において積層される平板311〜317
は、いずれも金属製としてある。ただし第四の平板31
4においては、金属製の平板の下面に樹脂層314a
を、上面に樹脂層314bを、それぞれ配置した構成と
なっている。なお、本実施形態では、第四の平板314
の上面側の樹脂層314bに注目し、これを「平板部
材」と称することがある。
【0118】他の実施形態と同じく、圧力室20は図2
0等に示すように、第一の平板311を菱形に貫いた孔
として形成される。この圧力室20は、図20・図21
に示すQ方向に多数並べて設けられている。
【0119】図21等に示すように、第七の平板317
には、インクを噴射するためのノズル21が開口され
る。図22に示すように、第二〜第六の平板312〜3
16には連通孔322〜326が設けられて、圧力室2
0とノズル21とを接続する連絡流路22を図21のよ
うに形成する。
【0120】共通インク室23の構成を説明する。第五
・第六の平板315・316にはいずれもエッチングが
施されて、第一の空間71が形成されている。また、す
ぐ上にある第四の平板314にもエッチングが施される
とともに、その下側の樹脂層314aも取り去られてお
り、第一の空間71よりも幅が狭い第二の空間72が形
成されている。この構成で第四〜第六の平板314〜3
16を積層することにより、第一の空間71と第二の空
間72とが接合されて共通インク室23が構成される。
この共通インク室23は、前記圧力室20が並べられる
Q方向に長く形成されている。
【0121】この第四実施形態においては上述のとお
り、第一の平板311に圧力室が形成されているから、
この第一の平板311が、前記「第一の平板層」Aに相
当する。また、第四〜第六の平板314〜316に共通
インク室23が形成されているので、この第四〜第六の
平板314〜316(第四の平板314下面の樹脂層3
14aを含む)が、前記「第二の平板層」Bに相当す
る。第四の平板314上面の樹脂層(平板部材)314
bは、この第一の平板層Aと、第二の平板層Bとの間に
位置する。
【0122】次に、共通インク室23と圧力室20との
間のインク流路を説明する。共通インク室23から前述
の圧力室20へインクを導くための導入孔352(第一
通路)が、第四の平板314に穿設される。そして、第
四の平板314の上面に配置される一様な厚みの連続平
板状の樹脂層314bにおいては、前記導入孔352に
一端を接続させて、制限流路(第二通路)367を穿設
している。この制限流路367は、後述の方法を用い
て、前記樹脂層314bをその厚み分だけ取り去った欠
設部(凹部)として構成される。平板311〜317を
積層する際には、該制限流路367に相当する樹脂層3
14bの前記欠設部は、上側の第三の平板313によっ
て閉鎖される。従って、制限流路367に至ったインク
は、第三と第四の平板313・314の間の空間を、該
制限流路367に沿って流れる。制限流路367の他端
は、第三の平板313に設けられる連通孔357、及
び、第二の平板312に設けられる連通孔358を介し
て、圧力室20の端部に接続される。
【0123】図20に示すように、この制限流路367
は導入孔352側が幅広状に形成されており、この幅広
状の部分に(即ち、制限流路367の内部に)円柱状の
突起369が微細な間隔を空けながら複数並べて島状か
つ凸状に形成され、第二のフィルタ362が形成されて
いる。この構成で、共通インク室23内のインクに含ま
れる不純物は、突起369と突起369との隙間を通過
できず捕捉される。制限流路367の連通孔357側は
絞り部356を構成する。この絞り部356はその流路
幅が絞られた形状とされており、第三と第四の平板31
3・314の間で該流路部356を通過するインクの流
量を制限することによって、圧力室20へのインクの供
給量を調節し、ノズル21からのインクの噴射量を適切
に調整する役割を果たす。
【0124】以上の構成で、共通インク室23内のイン
クは、導入孔352から制限流路367に至り、該流路
367内の第二のフィルタ362を通過する際に濾過さ
れて、不純物を除去される。そして制限流路367内の
絞り部356に至ってその流量を調整されながら、連通
孔357・358を介して圧力室20へ供給される。
【0125】次に、外部のインク供給源から共通インク
室23にインクを供給するためのインク供給通路342
の構成を説明する。図21〜図23に破線で示すよう
に、第四の平板314には供給孔334が穿設されて、
該供給孔334が共通インク室23に接続されている。
第四の平板314の上面に位置する樹脂層314bに
は、前記供給孔334に相当する位置において多数のフ
ィルタ孔59を並べて穿設し、第一のフィルタ361を
構成している。図22に示すように、第一のフィルタ3
61に位置を合わせて、第一〜第三の平板311〜31
3には、それぞれ連絡孔331〜333が形成される。
これら供給孔334・連絡孔331〜333により、共
通インク室23に外部からインクを供給するための前述
のインク供給通路342が構成される。
【0126】なお、本実施形態においては、以上に説明
したインク供給通路342、共通インク室23、導入孔
352、制限流路367(絞り部356を含む)、連通
孔357・358、圧力室20、連絡通路22を含めた
全体の通路が、ノズル21とインク供給源とを繋ぐ「イ
ンク通路」に相当する。このインク通路を介してインク
供給源と前述のノズル21が接続される結果、該インク
供給源から供給されたインクがノズル21から噴射さ
れ、印字面に画像を形成する。
【0127】共通インク室23の圧力変動を吸収するダ
ンパ構造を説明する。共通インク室23をなす前述の第
二の空間72は、前述のとおり第四の平板314を欠設
するとともに、第四の平板314の下面側の樹脂層を取
り去って形成される。一方、その第四の平板314の上
面に配置される樹脂層314bは、前記第二の空間72
に相当する部分においても削り取られずそのまま残され
ている。そして、共通インク室23と反対側(ノズル2
1から遠い側)で前記樹脂層314bに面する第三の平
板13にもエッチングが施されて、前述の第二の空間7
2と対応する形状の空間373(肉抜き部)が形成され
ている。
【0128】この樹脂層(平板部材)314bは適宜の
弾性を有するように構成しており、前記の空間373が
形成されていることにより、この箇所の樹脂層314b
(ダンパ部380)は、共通インク室23側にも、前記
空間373側にも、自由に振動することができる。この
結果、インク噴射時に圧力室20で発生した圧力変動が
共通インク室23に伝播しても、前記ダンパ部380が
弾性変形して振動することによって当該圧力変動を吸収
減衰させることができ(ダンパ作用)、圧力変動が他の
圧力室20へ伝播してしまうクロストークを防止するこ
とができる。
【0129】次に、本実施形態の二つのフィルタ361
・362、制限流路367、およびダンパ部380を形
成する工程について説明する。これらはいずれも、第四
の平板314の上面に配置される樹脂層(平板部材)3
14bに形成されている。
【0130】図24から図26までには、第四の平板3
14の製造工程が(p1)〜(p6)の順で示されてお
り、以下これに沿って説明する。図24は第四の平板の
製造工程を示す図である。図25は第四の平板に形成さ
れた感光性樹脂層に露光を行う様子を示した図である。
図26は感光性樹脂層にフィルタおよび連絡流路を形成
する様子を示した図である。
【0131】図24の(p1)には第四の平板の材料と
なる金属平板314が示され、この状態で当該平板31
4の上下面に対し洗浄・研磨などの前処理を行った後
に、(p2)に示すように、感光性樹脂を一側の面に、
エッチング用レジストを他側の面に、それぞれ塗布す
る。感光性樹脂およびエッチング用レジストの材料とし
ては種々考えられるが、耐インク性の観点からは、イミ
ド系やエポキシ系の樹脂を用いるのが望ましい。塗布の
方法としては、例えばロールコートやスピンコート等を
用いればよい。
【0132】その後は平板314を高温環境下におい
て、感光性樹脂およびエッチング用レジスト内の溶剤を
除去する(プレベーク)。この結果、図24の(p2)
に示すように、エッチング用レジスト層314aおよび
感光性樹脂層314bが平板314に形成される。以
下、符号314aの樹脂層を「第一の感光性樹脂層」
と、符号314bの樹脂層を「第二の感光性樹脂層」
と、それぞれ称する。なお、説明の便宜上の都合で、図
24〜図26には第四の平板314が上下逆の状態で示
されており、図21〜図23に示されるものとは上下関
係が逆になっている。
【0133】次に図25の(p3)に示すように、フォ
トマスクを用いながら、この平板314の上下面に対し
て選択的な露光を行う。フォトマスクは上面用と下面用
の二つがあって、図25の上面側のマスク381には前
述の連通孔324、導入孔352、供給孔334および
第二の空間72に対応するパターンが形成される(32
4p・352p・334p・72p)。図25の下面側
のマスク382には連通孔324や第一のフィルタ36
1のフィルタ孔59、および、制限流路367に対応す
るパターンが形成されている(324p・59p・36
7p)。なお、制限流路367の一部をなす絞り部35
6や第二のフィルタ362の突起369に対応するパタ
ーンも、下面側のマスク382に形成されている(35
6p・369p)。この両マスク381・382を平板
314に対し正確に位置決めし、その上で上下両面から
適宜の波長を有する紫外線を照射する。これにより、上
側のマスク381上のパターンが第一の感光性樹脂層3
14aに、下側のフォトマスク382上のパターンが第
二の感光性樹脂層314bに、それぞれ転写される。
【0134】次に、現像液を第一の感光性樹脂層314
a側にスプレー等を用いて塗布し、該樹脂層314aの
非露光部分を除去して現像する。この結果、図26の
(p4)に示すように、上面側のマスク381に形成し
たパターン324p・352p・334p・72pに対
応した部分の樹脂層314aが取り去られ、その箇所に
おいて平板314の表面が露出される。この上で第一の
感光性樹脂層314a側にエッチング液を塗布すると、
露出した箇所の部分に対し腐食作用が行われて、図26
(p5)に示すように、連通孔324、導入孔352、
供給孔334および第二の空間72が形成される。な
お、第二の空間72の箇所での第二の感光性樹脂層31
4bは、前記ダンパ部380となる。
【0135】最後に、現像液を第二の感光性樹脂層31
4b側に塗布すると、前述の下面側のマスク382に形
成したパターン324p・356p・59p・367p
に対応した箇所(非露光部分)で該樹脂層314bが取
り去られる。この結果、図26(p6)に示すように、
フィルタ孔59が形成されて第一のフィルタ361が構
成される。更には、絞り部356を含む制限流路367
が第二の感光性樹脂層314bに形成されて、前記導入
孔352と接続される。なお、該樹脂層314bの前記
パターン369pに相当する箇所は露光されており除去
されない結果、制限流路367内部には前述の突起36
9が凸状に残って、第二のフィルタ362が形成され
る。
【0136】以上の工程を経て第四の平板314が完成
し、その後は図22に示すように他の平板(311〜3
13,315〜317)と重ねて接着することで、イン
クジェットヘッドのキャビティプレート組10vが構成
される。
【0137】なお、第四の平板以外の平板(311〜3
13,315〜317)においては従来と同様に、各金
属平板層の両面に感光性樹脂層を形成した上で、圧力室
20や連通孔324や共通インク室23等に対応した形
状のパターンを形成したマスクを用いて両面露光して現
像し、露出した平板の下地に対してエッチングを行っ
て、前述のインク通路を形成している。エッチング完了
後は、感光性樹脂層は剥離され除去される。
【0138】本実施形態では以上に示すような製造工程
を採用していることにより、第四の平板314の両面に
感光性樹脂層314a・314bを形成し、第一の感光
性樹脂層314aは平板314に導入孔(第一通路)3
52を形成するための選択的なエッチングに用い、第二
の感光性樹脂層314bは現像によって平板314上に
フィルタ362および制限流路(第二通路)367を形
成することとなるから、フィルタを別部材で設けたり、
他の金属平板にフィルタや上記流路を形成する構成に比
べて、部品構成を簡素化でき、製造工数を低減できる効
果を奏する。
【0139】特にこの構成では、フィルタ362のみな
らず、インク通路の一部をなす制限流路367をも第二
の感光性樹脂層314bに設けてあるので、流路構造を
簡素化でき、積層する平板の数を減らすことが容易であ
る。
【0140】また、第二のフィルタ362は個々の圧力
室20(ノズル21)に対応して形成する必要があり、
本実施形態のように圧力室20が多数並べられる構成で
は第二のフィルタ362も多数構成しなければならない
が、該フィルタ362のパターン(突起部369のパタ
ーン369p)を多数形成したマスク382を用いれ
ば、一回の露光・現像で多数のフィルタ362を一度に
形成することができ、製造が極めて容易である。
【0141】マスク382には、前記第二のフィルタ
(即ち、前記圧力室20と前記共通インク室23との間
を繋ぐ流路に配置されるフィルタ)362を形成すると
ともに、前記第一のフィルタ(即ち、前記インク供給通
路342に配置されるフィルタ)361を形成してい
る。従って、共通インク室23内への不純物の混入を第
一のフィルタ361で防止できるとともに、圧力室20
やノズル21への不純物の到達を第二のフィルタ362
で阻止できることになる。また、二つのフィルタ361
・362をいずれもマスク382のパターンで形成でき
ることとなるから、製造工程が簡素化される。
【0142】また、本実施形態では第二のフィルタ36
2を制限流路367内に設けた構成としているから、小
さいスペースに制限流路367とフィルタ362とをま
とめて配置でき、流路構造を簡素化できて、インクジェ
ットヘッドのコンパクト化に寄与できる。また流路の高
密度配置に適合的で、ノズル21の高集積配置が必要な
高解像度の印字形態にも適用が容易である。
【0143】更には、圧力室20へのインクの流れを調
整する制限流路367を前記第二の流路として第二の感
光性樹脂層314bに構成しているから、当該制限流路
367の流路抵抗を精度良く定めることが容易である。
即ち、制限流路367の流路抵抗は圧力室20にインク
を供給する量(リフィル量)、ひいてはノズル21から
のインクの噴射量に直接影響するため、ノズル21から
のインク噴射量の過剰あるいは不足を防止するために
は、制限流路367の寸法形状を正確に精度良く形成す
ることがきわめて重要となる。
【0144】この点、本実施形態の構成によれば、コー
ティングの条件を適宜選択することで第二の感光性樹脂
層314bの厚みを精度良く定めることができるので、
現像工程で、露光工程におけるマスクパターン形状に対
応した制限流路367の輪郭形状をその厚み分だけ完全
に取り去ることで、正確な寸法の制限流路367を形成
することができる。即ち、例えば金属平板にハーフエッ
チングで溝加工を施して制限流路を形成する構成(例え
ば、前述の第三実施形態の構成)に比べ、制限流路36
7の深さの精度を向上できるから、流路抵抗の誤差やバ
ラツキを少なくすることができ、印字品質を向上できる
ことになる。
【0145】また、第三実施形態と同様に、前記突起3
69を形成する個数やその配列の方法等を種々異ならせ
ることで、インクの流れにくさ(流路抵抗)を自在に調
節することができる。これにより、制限流路367の流
路抵抗を最適値に精度良く定めるのが容易となり、ノズ
ル21からのインク噴射量が最適となって印字品質が向
上されることになる。
【0146】また、図22に示すように、平板部材たる
第二の感光性樹脂層314bが(前記「インク通路」の
一部をなす)共通インク室23に面しており、当該樹脂
層314bを挟んで反対側の平板(第三の平板313)
には肉抜き部たる空間373が形成されているから、空
間373とインク通路との間の第二の感光性樹脂層31
4b(ダンパ部380)が振動することによって、イン
ク通路に伝播する圧力変動を吸収し減衰させることがで
きる。従って、ノズル21からのインク噴射の品質に悪
影響を及ぼすそのような圧力変動を抑えることで、適切
な印字制御が可能になる。本実施形態ではそのようなダ
ンパ部380をも第二の感光性樹脂層(前記平板部材)
314bに作り込んでおり、その結果、部品構成や組立
の一層の簡素化が可能となっている。
【0147】本実施形態では感光性樹脂・エッチング用
レジストはポジ型(光硬化型)のものを用いているが、
これに限るものではなく、ネガ型(光分解型)のものを
採用しても構わない。その場合は露光部分が現像の際に
逆に取り去られることとなるが、露光させる部分と露光
させない部分とを入れ替えたパターンを形成したものを
マスク381・382として使用すれば、前述と同様の
構造を形成することができる。
【0148】なお、必ずしも上述した順序に従って工程
を進める必要はない。例えば、第二の感光性樹脂層31
4bを形成してから第一の感光性樹脂層314aを形成
しても良い。また、図25のように平板314の両面を
一度に露光するのではなく、片面ずつ露光するようにし
ても構わない。
【0149】本実施形態では第一のフィルタ361のフ
ィルタ孔59も前記第二の感光性樹脂層314bに形成
されているが、これに限るものではなく、他の平板等に
形成されていても構わない。ただし、第一のフィルタ3
61をも第二の感光性樹脂層314bに配置する本実施
形態の構成によれば、第二の感光性樹脂層314bに露
光・現像するだけで第二のフィルタ362や制限流路3
67のみならず第一のフィルタ361をも一度に形成で
きるから、製造工程を一層簡略化することができる。
【0150】以上に説明した第四実施形態では、第一の
感光性樹脂層314aが残った状態で平板11〜17が
積層されインクジェットヘッドが形成されているが、こ
の第一の感光性樹脂層314aは、少なくとも積層前に
は除去されていてもよい。第一の感光性樹脂層314a
を除去した構成は、第四実施形態の変形例aとしてのキ
ャビティプレート組10va(図27)に示されてい
る。この第一の感光性樹脂層314aの除去は、積層直
前に行ってもよいが、図24〜図26の工程において、
(p5)と(p6)との間に、第一の感光性樹脂層31
4aの除去工程を追加することによっても行える。この
場合、第一の感光性樹脂層314aの現像(露光・未露
光に応じた選択的除去)を行う現像液(溶剤)が未露光
または露光後の第二の感光性樹脂層314bを侵さない
ように、第一の感光性樹脂層314aおよび第二の感光
性樹脂層314bの材質を適宜選択することによって実
現可能である。
【0151】〔第五実施形態〕次に、第五実施形態につ
いて、図28〜図31を参照しながら説明する。この第
五実施形態が前記第四実施形態と異なる点は、第二の感
光性樹脂層314bに形成される流路(第二通路)が、
第四の平板314に形成される流路(第一通路)に直接
接続されない点である。図28は第五実施形態のインク
ジェットヘッドの平面図である。図29は、図28のP
−P線断面を示した、インクジェットヘッドの斜視図で
ある。図30は、第五実施形態のインクジェットヘッド
のキャビティプレート組の積層構造を示した分解斜視図
である。図31は、第四の平板の拡大斜視図である。
【0152】図28から図31までに示される第五実施
形態のインクジェットヘッドは、キャビティプレート組
10w内に形成される共通インク室23から圧力室20
へ至る流路の構成において、前述の第四実施形態と異な
る。この流路の構成を説明する。図29等に示すよう
に、第一通路たる導入孔352’が第四の平板314’
に形成されて、共通インク室23に接続される。更にこ
の導入孔352’に位置を合わせて、第四の平板31
4’の上面に配置される樹脂層314bには多数のフィ
ルタ孔365が並べて穿設され、第二のフィルタ36
2’を構成している。更に当該樹脂層314bにおいて
は、この第二のフィルタ362’の脇の位置に長孔状の
制限流路(第二通路)356’が形成されており、この
制限流路356’の一端と前記導入孔352が、第三の
平板313’に形成された接続流路353を介して接続
される。制限流路356’の他端は、連通孔357’・
358を介して圧力室20に接続される。なお、この第
五実施形態では、制限流路356’の内部にフィルタは
形成されず、その代わりに前記第二のフィルタ362’
が導入孔352’部分に配置される構成となっている。
【0153】このインクジェットヘッドにおいても、前
記第二のフィルタ362’のフィルタ孔365、および
制限流路356’は、第二の感光性樹脂層314bにマ
スクを用いた露光を行って現像することにより形成され
る。その他の構成および第四の平板314’の製造方法
は、前述の第四実施形態のインクジェットヘッドと全く
同様である。
【0154】なお、図25〜図27の工程に代えて、
第四の平板314に上記実施形態と同様の前処理を行っ
た後、第四の平板314の一方の面に第一の感光性樹
脂層314aのみを形成し、これをパターン露光し、
第一の感光性樹脂層314aを上記実施形態の(p
5)と同様に現像し、上記実施形態の(p5)と同様
にエッチングにより流路を形成し、第四の平板314
の他方の面に第二の感光性樹脂層314bを形成し、
これをパターン露光し、上記実施形態の(p6)と同
様に現像してフィルタ部等を形成する、という工程を用
いてもよい。この場合、第二の感光性樹脂層314b
は、上記のエッチング工程により形成された流路を塞
がないよう、フィルム状のものを貼り合わせる方法を用
いるのが最も好ましいが、第二の感光性樹脂層314b
を形成するレジスト材の粘度や乾燥性等の物性(流体特
性)を適宜調整すれば、液状のものも利用可能である。
【0155】上記第一〜第五の実施形態は、第一の平板
層Aは一枚の平板よりなり、第二の平板層Bは複数枚の
平板よりなっているが、これに限定されるものでもな
い。即ち、第一の平板層Aが二枚以上の平板により構成
されていても良いし、第二の平板層Bが一枚の平板のみ
により構成されていても良い。
【0156】
【発明の効果】本発明は、以上のように構成したので、
以下に示すような効果を奏する。
【0157】即ち、請求項1に示すように、インクを吐
出するノズルと、前記ノズルとインク供給源とを繋ぐイ
ンク通路と、積層されることで前記インク通路を内部に
形成する、複数の平板と、を有するインクジェットヘッ
ドの製造方法であって、上記(A)〜(H)の行程を少
なくとも含むので、第二の感光性樹脂層に、フィルタ
と、平板に形成した第一通路に接続する第二通路と、を
形成することができる。従って、フィルタを別部材で設
けたり、他の平板にフィルタや第二通路を形成する構成
に比して、部品構成を簡素化でき、製造工数を低減でき
る。
【0158】請求項2に示すように、前記フィルタが前
記第二通路に形成されるようなパターンを有するマスク
が、前記(F)の工程で用いられるので、前記第二の感
光性樹脂層において、前記第二通路にフィルタを簡単に
作り込むことができるから、部品構成を簡素化でき、製
造工数を低減できる。また、第二通路内にフィルタがコ
ンパクトに収納される構成となって、高解像度化に伴う
流路の高密度化にも適合的である。
【0159】請求項3に示すように、当該インクジェッ
トヘッドは、前記ノズルにおけるインク吐出を制御する
ための圧力室と、当該圧力室にインクを分配する共通イ
ンク室と、を含んでおり、前記圧力室と前記共通インク
室との間を繋ぐ流路に前記フィルタが形成されるような
パターンを有するマスクが、前記(F)の工程で用いら
れるので、前記第二の感光性樹脂層に、共通インク室か
ら圧力室へ向かうインクを濾過するフィルタを簡単に作
り込むことができるから、部品構成を簡素化でき、製造
工数を低減できる。
【0160】請求項4に示すように、当該インクジェッ
トヘッドは、前記ノズルにおけるインク吐出を制御する
ための圧力室と、当該圧力室にインクを分配する共通イ
ンク室と、当該共通インク室にインク供給源からのイン
クを供給するインク供給通路と、を含んでおり、前記イ
ンク供給通路に前記フィルタが形成されるようなパター
ンを有するマスクが、前記(F)の工程で用いられるの
で、前記第二の感光性樹脂層に、前記インク供給通路に
おいてインク供給源から共通インク室へ向かうインクを
濾過するフィルタを簡単に作り込むことができるから、
部品構成を簡素化でき、製造工数を低減できる。
【0161】請求項5に示すように、当該インクジェッ
トヘッドは、前記ノズルにおけるインク吐出を制御する
ための圧力室と、当該圧力室にインクを分配する共通イ
ンク室と、当該共通インク室にインク供給源からのイン
クを供給するインク供給通路と、を含んでおり、前記圧
力室と前記共通インク室との間を繋ぐ流路にフィルタが
形成され、かつ、前記インク供給通路にフィルタが形成
されるようなパターンを有するマスクが、前記(F)の
工程で用いられるので、前記第二の感光性樹脂層に、共
通インク室から圧力室へ向かうインクを濾過するフィル
タと、インク供給通路においてインク供給源から共通イ
ンク室へ向かうインクを濾過するフィルタと、を作り込
むことができるから、部品構成を簡素化でき、製造工数
を低減できる。
【0162】請求項6に示すように、当該インクジェッ
トヘッドは、前記ノズルにおけるインク吐出を制御する
ための圧力室と、当該圧力室へのインクの流れを調整す
る制限流路と、を含んでおり、前記(G)の工程で形成
される前記第二通路が、前記制限流路を構成しているの
で、前記第二の感光性樹脂層に、圧力室へのインクの流
れを調整する制限流路を簡単に作り込むことができるか
ら、部品構成を簡素化でき、製造工数を低減できる。
【0163】請求項7に示すように、当該インクジェッ
トヘッドは、前記ノズルにおけるインク吐出を制御する
ための圧力室と、当該圧力室にインクを分配する共通イ
ンク室と、を含んでおり、前記(A)〜(G)の工程が
施された平板に対し前記(H)の工程で積層される他の
平板のうち、前記第二の感光性樹脂層を挟んで前記共通
インク室と反対側で面する平板には、肉抜き部が形成さ
れているので、第二の感光性樹脂層の肉抜き部に対応す
る部位に、共通インク室の圧力変動を吸収するダンパと
しての機能を営ませることができるので、一の圧力室で
生じた圧力変動が共通インク室を経由して他の圧力室へ
伝播してしまう現象(クロストーク)を防止することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態によるインクジェットヘッド
を含むインクジェットプリンタの概略図である。
【図2】インクジェットヘッドの斜視図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】本発明の第一実施形態のインクジェットヘッド
の平面図である。
【図5】図4のP−P線断面を示した、インクジェット
ヘッドの斜視図である。
【図6】キャビティプレート組の積層構造を示した分解
斜視図である。
【図7】平板部材に金属膜を形成した形態のキャビティ
プレート組の分解斜視図である。
【図8】平板部材に内部フィルタを形成した形態のイン
クジェットヘッドの平面図である。
【図9】平板部材に内部フィルタを形成した形態のイン
クジェットヘッドにおける、キャビティプレート組の積
層構造を示した分解斜視図である。
【図10】第二実施形態のインクジェットヘッドの平面
図である。
【図11】図8のP−P線断面を示した、インクジェッ
トヘッドの斜視図である。
【図12】キャビティプレート組の積層構造を示した分
解斜視図である。
【図13】平板部材に金属膜を形成した形態のキャビテ
ィプレート組の分解斜視図である。
【図14】第三実施形態のインクジェットヘッドの平面
図である。
【図15】図14におけるP−P線断面を示した、イン
クジェットヘッドの斜視図である。
【図16】第三実施形態のインクジェットヘッドのキャ
ビティプレート組の積層構造を示した分解斜視図であ
る。
【図17】第三実施形態における第三の平板の拡大斜視
図である。
【図18】(a)は第三実施形態における制限流路の構
成を示した要部拡大斜視図、(b)は制限流路内に突起
を配置しない参照例を示す要部拡大斜視図である。
【図19】制限流路の変形例を示した要部拡大斜視図で
ある。
【図20】第四実施形態のインクジェットヘッドの平面
図である。
【図21】図20におけるP−P線断面を示した、イン
クジェットヘッドの斜視図である。
【図22】第四実施形態のインクジェットヘッドのキャ
ビティプレート組の積層構造を示した分解斜視図であ
る。
【図23】第四の平板の拡大斜視図である。
【図24】第四の平板の製造工程を示す図である。
【図25】第四の平板に形成された感光性樹脂層に露光
を行う様子を示した図である。
【図26】感光性樹脂層にフィルタおよび連絡流路を形
成する様子を示した図である。
【図27】第四実施形態の第四の平板の一側の樹脂を除
去した変形例を示す、インクジェットヘッドの断面斜視
図である。
【図28】第五実施形態のインクジェットヘッドの平面
図である。
【図29】図28のP−P線断面を示した、インクジェ
ットヘッドの斜視図である。
【図30】第五実施形態のインクジェットヘッドのキャ
ビティプレート組の積層構造を示した分解斜視図であ
る。
【図31】第四の平板の拡大斜視図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 21 ノズル 311〜317 平板 314a・314b 感光性樹脂層 352 導入孔(第一のインク流路) 362 フィルタ 367 制限流路(第二のインク流路) 381・382 マスク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願2002−38771(P2002−38771) (32)優先日 平成14年2月15日(2002.2.15) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2002−38684(P2002−38684) (32)優先日 平成14年2月15日(2002.2.15) (33)優先権主張国 日本(JP)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するノズルと、 前記ノズルとインク供給源とを繋ぐインク通路と、 積層されることで前記インク通路を内部に形成する、複
    数の平板と、を有するインクジェットヘッドの製造方法
    であって、 以下の(A)〜(H)の行程を少なくとも含む、インク
    ジェットヘッドの製造方法。 (A)金属平板の一側の面に、第一の感光性樹脂層を形
    成する工程。 (B)前記金属平板の他側の面に、第二の感光性樹脂層
    を形成する工程。 (C)前記インク通路の一部をなす第一通路に対応する
    パターンが形成されたマスクを用いて、前記第一の感光
    性樹脂層に選択的に露光を行う工程。 (D)前記第一の感光性樹脂層の露光部分または非露光
    部分を除去する工程。 (E)前記第一の感光性樹脂層の除去された部分に相当
    する形状を前記金属平板にエッチングして、前記第一通
    路を形成する工程。 (F)前記インク通路の一部をなす第二通路およびフィ
    ルタに対応するパターンが形成されたマスクを用いて、
    前記第二の感光性樹脂層に選択的に露光を行う工程。 (G)前記第二の感光性樹脂層の露光部分または非露光
    部分を除去することで、前記第一通路に接続する前記第
    二通路、およびフィルタを形成する工程。 (H)前記(A)〜(G)の工程が施された平板を他の
    平板と積層する工程。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    の製造方法であって、 前記フィルタが前記第二通路に形成されるようなパター
    ンを有するマスクが、前記(F)の工程で用いられる、 インクジェットヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    の製造方法であって、 当該インクジェットヘッドは、前記ノズルにおけるイン
    ク吐出を制御するための圧力室と、当該圧力室にインク
    を分配する共通インク室と、を含んでおり、 前記圧力室と前記共通インク室との間を繋ぐ流路に前記
    フィルタが形成されるようなパターンを有するマスク
    が、前記(F)の工程で用いられる、 インクジェットヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    の製造方法であって、 当該インクジェットヘッドは、前記ノズルにおけるイン
    ク吐出を制御するための圧力室と、当該圧力室にインク
    を分配する共通インク室と、当該共通インク室にインク
    供給源からのインクを供給するインク供給通路と、を含
    んでおり、 前記インク供給通路に前記フィルタが形成されるような
    パターンを有するマスクが、前記(F)の工程で用いら
    れる、 インクジェットヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載のインクジェットヘッド
    の製造方法であって、 当該インクジェットヘッドは、前記ノズルにおけるイン
    ク吐出を制御するための圧力室と、当該圧力室にインク
    を分配する共通インク室と、当該共通インク室にインク
    供給源からのインクを供給するインク供給通路と、を含
    んでおり、 前記圧力室と前記共通インク室との間を繋ぐ流路にフィ
    ルタが形成され、かつ、前記インク供給通路にフィルタ
    が形成されるようなパターンを有するマスクが、前記
    (F)の工程で用いられる、 インクジェットヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1から請求項5までの何れか一項
    に記載のインクジェットヘッドの製造方法であって、 当該インクジェットヘッドは、前記ノズルにおけるイン
    ク吐出を制御するための圧力室と、当該圧力室へのイン
    クの流れを調整する制限流路と、を含んでおり、 前記(G)の工程で形成される前記第二通路が、前記制
    限流路を構成している、 インクジェットヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6までの何れか一項
    に記載のインクジェットヘッドの製造方法であって、 当該インクジェットヘッドは、前記ノズルにおけるイン
    ク吐出を制御するための圧力室と、当該圧力室にインク
    を分配する共通インク室と、を含んでおり、 前記(A)〜(G)の工程が施された平板に対し前記
    (H)の工程で積層される他の平板のうち、前記第二の
    感光性樹脂層を挟んで前記共通インク室と反対側で面す
    る平板には、肉抜き部が形成されている、 インクジェットヘッドの製造方法。
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