JP5621832B2 - 液体噴射装置 - Google Patents
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Description
A1.装置構成:
図1は、本発明の第1の実施例における液体噴射装置としてのプリンター500の概略構成を示す説明図である。第1の実施例のプリンター500は、4色(ブラック,シアン,マゼンダ,イエロー)のインクを吐出可能なインクジェット式プリンターである。このプリンター500は、ブラックインクのインクカートリッジIC1と、シアンインクのインクカートリッジIC2と、マゼンダインクのインクカートリッジIC3と、イエローインクのインクカートリッジIC4と、キャリッジ100と、記録ヘッド150と、ガイドロッド260と、プラテン270と、4つのインク供給部400,401,402,403と、4つのインク導出管30,31,32,33と、4つの配管120,121,122,123と、負圧発生部300とを備えている。
図3(A)は、インクの吸引駆動時のインク供給部400を示す断面図である。また、図3(B)は、インクの吐出駆動時のインク供給部400を示す断面図である。図2に示す状態から記録ヘッド150にインクを供給する場合、まず、ポンプ440はインクカートリッジIC1からのインクの吸引駆動を実行する。
図4(A)は、インク噴射時のキャリッジ100及び記録ヘッド150の状態を示す断面図である。ノズルプレート152に設けられたノズル(図示省略)からインクが噴射されてインクが消費されると、第1圧力室77の室圧がインクの減量により低下する。すると、その減圧した室圧と大気室87の圧力(大気圧)との差圧によって隔壁部88bが第1圧力室77の内側に撓んで下方に変位する。このとき、弁体72は、支持ロッド74を介して押し下げられる。そして、圧力調整バネ73の付勢力に打ち勝って弁体72が開放位置に位置すると、インク流入口76が開放されてインクが第1圧力室77に流入する。
吸引ポンプ320(図2)によって発生した負圧は、上述したようにポンプ440の上部空間44に供給されると共に、負圧供給路354,356,358を介して第2圧力室89(図4(A))にも供給される。このとき、第2圧力室89の室圧(負圧)と大気室87の圧力(大気圧)との差圧によって隔壁部88aが第2圧力室89の内側に撓んで下方に変位する。弁体82は、支持ロッド84を介して押し下げられる。そして、弁体82が開放位置に位置すると、連通孔86が開放されて負圧が減圧室80に供給される。すると、脱泡室92の天井部分にトラップされた気泡(ガス)BLは、減圧室80内の圧力と脱泡室92の圧力との差圧によって隔壁部90を透過して減圧室80に流入し、気泡は徐々に減少していく。
図5は、第2の実施例におけるキャリッジ100a及び記録ヘッド150の内部構造を示す断面図である。第2の実施例におけるプリンターは、以下の4点においてプリンター500(図1〜図4)と異なり、他の構成は第1の実施例と同じである。すなわち、キャリッジ100aが第2圧力室89と、隔壁部88aと、減圧室80と、気圧バルブ81と、隔壁部90とを備えていない点、内部流路39に代えて気体透過性を有する内部流路39aを有する点、減圧脱泡室130を備えている点、及び負圧供給路358が減圧脱泡室130に接続されている点が相違点である。
図6は、第3の実施例におけるキャリッジ100b及び記録ヘッド150の内部構造を示す断面図である。第3の実施例におけるプリンターは、以下の3点においてプリンター500(図1〜図3)と異なり、他の構成は第1の実施例と同じである。すなわち、内部流路39が脱泡室92と連通している点、インク吐出流路95に代えて脱泡室92からバルブ室70に向かう内部流路96が設けられている点、内部流路79に代えて第1圧力室77のインク排出口から記録ヘッド150に向かうインク吐出流路97が設けられている点が相違点である。
図7は、第4の実施例におけるキャリッジ100c及び記録ヘッド150の内部構造を示す断面図である。第4の実施例におけるプリンターは、第2圧力室89と気圧バルブ81と減圧室80とに代えて、減圧管140を備えている点においてプリンター500(図1〜図3)と異なり、他の構成は第1の実施例と同じである。
なお、上記各実施例における構成要素の中の、独立クレームでクレームされた要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。また、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
上述した各実施例では、負圧発生部300は、インクの加圧と減圧脱泡とで共用されていたが、これに代えて、それぞれを目的とした2つの負圧発生部を設ける構成とすることもできる。また、負圧発生部300は各色(ブラック,シアン,マゼンダ,イエロー)で共用されていたが、これに代えて、各色ごとに負圧発生部300を設ける構成とすることもできる。また、インク供給部400〜403は、各色ごとに用意されていたが、これに代えて、各色で1つのインク供給部を共用することもできる。
上述した各実施例では、インク供給部400を形成するために、単一の部材である第1の流路形成部材10と、単一の部材である第2の流路形成部材12と、単一の部材である可撓性部材14とを用いていたが、本発明はかかる構成に限定されるものではない。例えば、第1のバルブ420と、ポンプ440と、第2のバルブ460とを、互いに異なる部材を用いて形成することもできる。
上述した各実施例において、各色のインクをインクカートリッジIC1〜IC4からキャリッジ100に供給するための構成として、インク供給部400〜403を用いて各色のインクをインクカートリッジIC1〜IC4から吸引及び吐出していたが、これに代えて、加圧した空気を各インクカートリッジIC1〜IC4内に供給する構成とすることもできる。このような構成においても、加圧したインクをキャリッジ100に供給することができる。すなわち、一般には、液体供給路の少なくとも一部を加圧可能な任意の加圧手段を、本発明の液体噴射装置に採用することができる。
上述した各実施例では、プリンターが吐出するインクの種類は4色であったが、これに代えて任意の種類のインクを吐出する構成とすることができる。また、各実施例のプリンターはオフキャリッジタイプのプリンターであったが、これに代えて、インクカートリッジをキャリッジに搭載するいわゆるオンキャリッジタイプのプリンターを採用することもできる。
上述した第1の実施例及び第3の実施例において、加圧領域及び減圧脱泡領域の数は、それぞれ1つであったが、これに代えて、それぞれ任意の数を設けることもできる。例えば、第2の実施例において、第1の実施例と同様に第2圧力室89及び減圧室80を設けて、減圧脱泡室130と共に脱泡室92において脱泡を行い、減圧脱泡領域を2つ設けることもできる。また、例えば、第1の実施例において、内部流路39の途中に加圧用ポンプを設置して、インク供給部400から供給されるインクをさらに加圧する構成とし、圧力の異なる2つの加圧領域を連続して設ける構成とすることもできる。
上述した各実施例では、インクジェット式プリンターについて説明したが、本発明は、これに限らず、インク以外の他の液体を噴射する任意の液体噴射装置に適用することができる。例えば、ファクシミリ装置等の画像記録装置や、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタの製造に用いられる色材噴射ヘッドや、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイや、面発光ディスプレイ (Field Emission Display、FED)等の電極形成に用いられる電極材噴射装置や、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を含む液体を噴射する液体噴射装置や、精密ピペットとしての試料噴射装置や、潤滑油の噴射装置や、樹脂液の噴射装置等にも適用できる。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用しても良い。そして、これら微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置のうちいずれか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
Claims (5)
- 液体を噴射するための液体噴射装置であって、
前記液体を噴射するヘッド部と、
前記ヘッド部に前記液体を導く液体供給路と、
前記液体供給路の少なくとも一部を減圧する減圧脱泡手段と、
前記液体供給路の少なくとも一部を加圧する加圧手段と、
空間を減圧可能なポンプ機構と、
を備え、
前記減圧脱泡手段は、前記液体供給路の一部を構成する脱泡室と、前記脱泡室と少なくとも一部を接して配置され減圧可能な空間としての減圧室と、を有し、
前記加圧手段は、前記液体供給路の一部を構成する第1の空間と、前記第1の空間と隣り合うように配置された第2の空間と、前記第1の空間の容積が減少する方向に付勢する付勢部材と、を有するポンプを備え、前記第2の空間を減圧することによって、前記第1の空間の容積を増加させて液体を該第1の空間に吸引する吸引駆動と、減圧された前記第2の空間を大気圧に開放し、前記付勢部材の付勢力により該第1の空間を加圧して該第1の空間の容積を減少させることよって液体を吐出する吐出駆動と、を実行し、
前記ポンプ機構は、前記減圧室の減圧と、前記第2の空間の減圧と、に共用される、液体噴射装置。 - 請求項1に記載の液体噴射装置において、
前記第1の空間と前記第2の空間とは、単一の空間をダイヤフラムによって分割することにより形成されている液体噴射装置。 - 請求項1または請求項2に記載の液体噴射装置において、
前記ポンプ機構には、大気開放機構が備えられており、
前記第2の空間と前記減圧室とは連通路を介して連通しており、前記連通路には弁体が設けられ、前記第2の空間を減圧する際には前記弁体を開けて前記連通路を連通状態とすることにより前記減圧室を減圧し、前記大気開放機構によって前記第2の空間を大気圧に開放する際には前記弁体を閉じて前記連通路を非連通状態とすることにより前記減圧室の減圧状態を維持する、液体噴射装置。 - 請求項3に記載の液体噴射装置において、
前記減圧脱泡手段は、
大気と隣り合うように配置されるとともに、前記第2の空間と前記減圧室との間に設けられている圧力室を有し、
前記弁体は前記圧力室と前記減圧室との間に設けられ、
前記圧力室内の負圧と大気圧との差圧によって前記弁体が開き、前記圧力室内が大気圧に開放されることにより前記弁体が閉じる、液体噴射装置。 - 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の液体噴射装置において、
前記加圧手段の下流側にはバルブが備えられており、
前記ポンプは、前記吐出駆動を実行することにより、該ポンプから前記バルブまでの間の前記液体供給路の前記液体に所定の圧力を加える、液体噴射装置。
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