JP2010023420A - 液体供給装置及び液体噴射装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】送りポンプ方式の液体供給手段を備えた構成においても、液体噴射ヘッドのチョーククリーニング時に比較的高い気泡排出性を確保できる液体供給装置及び液体噴射装置を提供する。
【解決手段】プリンタ11は、ポンプ23と、ポンプ23の上流側に設けられた吸引用一方向弁44と、ポンプ23の下流側に設けられた吐出用一方向弁45とを有するインク供給装置21を備える。インク供給装置21は、インク供給チューブ22を通じて記録ヘッドユニット20と連通されている。記録ヘッドユニット20においてノズル29に連通するインク流路30の途中には上流側から順に、チョーク弁31とバッファ32と自己封止弁33とが設けられている。チョーク弁31からノズル29までの流路の容積と、キャップ26の容積との和として求まるインク容積が、ポンプ23が1回の吐出駆動で吐出できるインク量未満となっている。
【選択図】図2
【解決手段】プリンタ11は、ポンプ23と、ポンプ23の上流側に設けられた吸引用一方向弁44と、ポンプ23の下流側に設けられた吐出用一方向弁45とを有するインク供給装置21を備える。インク供給装置21は、インク供給チューブ22を通じて記録ヘッドユニット20と連通されている。記録ヘッドユニット20においてノズル29に連通するインク流路30の途中には上流側から順に、チョーク弁31とバッファ32と自己封止弁33とが設けられている。チョーク弁31からノズル29までの流路の容積と、キャップ26の容積との和として求まるインク容積が、ポンプ23が1回の吐出駆動で吐出できるインク量未満となっている。
【選択図】図2
Description
本発明は、液体を噴射する噴射口を有する液体噴射ヘッドと、噴射口に負圧を付与して噴射口から液体を強制的に排出させるクリーニング手段とを備えた液体噴射装置に設けられる液体供給装置であって、液体供給流路の一部に設けられたポンプと、該ポンプの上流側と下流側に設けられた一対の一方向弁とを有する液体供給手段を備えた液体供給装置及び液体噴射装置に関する。
従来、液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタでは、記録ヘッドから液体としてのインク滴をターゲット(用紙等)に噴射することで、文字や画像等の記録を行うようになっている。また、この種のプリンタには記録ヘッドへインクを供給するインク供給源としてインクカートリッジ(液体収容体)が装着される。インクカートリッジから記録ヘッドへインクを供給するインク供給方式には、インクカートリッジのインク液面と記録ヘッドのノズルとの高さに基づく水頭差を利用する方式や、ポンプを用いてインクを供給する方式が知られている。
このポンプを用いたインク供給装置(液体供給装置)には、加圧ポンプで加圧した空気をインクカートリッジ内に供給してその内部に収容されたインクパックを加圧してインクを供給する加圧供給方式(例えば特許文献1)や、インク流路上に設けたポンプが駆動されてその上流側に位置するインクカートリッジから吸引したインクを下流側へ吐出することでインクを供給する送りポンプ方式(例えば特許文献2)などが知られている。
特許文献2に開示された送りポンプ方式のインク供給装置は、例えばダイアフラム式ポンプ等の脈動型のポンプと、このポンプの上流側(吸引用)と下流側(吐出用)にそれぞれ設けられた一対の一方向弁(逆止弁)とを備えている。上流側の吸引用一方向弁(第1一方向弁)は、ポンプが吸引駆動されてダイアフラムがインク導入室(ポンプ室)の容積を増大させる方向へ変位しその室内のインクが減圧された状態で開弁し、ポンプが吐出駆動されてダイアフラムがインク導入室の容積を減少させる方向へ変位しその室内のインクが加圧された状態では閉弁状態に維持される。一方、下流側の吐出用一方向弁(第2一方向弁)は、ポンプが吸引駆動されてインク導入室のインクが減圧された状態では閉弁状態に維持され、ポンプが吐出駆動されてインク導入室のインクが加圧された状態で開弁するように構成されている。そして、液体供給装置のポンプが吸引駆動と吐出駆動とを繰り返すことで、その吸引駆動時に開弁した上流側の一方向弁を通じてインクカートリッジから吸引したインクが、その吐出駆動時に開弁した下流側の一方向弁の開弁を通じて吐出されることで、液体供給流路を通って液体噴射ヘッドユニットへ供給される。
また、液体噴射装置には記録ヘッドのクリーニングを行うためにメンテナンス装置(クリーニング手段)が設けられている。また、メンテナンス装置によるクリーニングを効果的に行うために、ノズルに負圧が及んでいるときにノズルと連通するインク流路を途中で閉弁するためのバルブ(チョーク弁)を備えるものがあった(例えば特許文献3、4)。クリーニング時には、ノズルに連通するインク流路の途中に設けられたチョーク弁を閉弁させた状態で、記録ヘッドのノズルに吸引力を及ぼすことで、閉弁したチョーク弁の下流域のインクが負圧になる。そして、負圧が十分高まった時点でチョーク弁を開弁させ、インクがインク流路を勢いよく流れてノズルから排出される。この結果、液体流路の途中で滞留していた気泡等が排出される。なお、液体供給流路の途中に気泡が滞留していると、やがてその気泡がノズルに到達し、インクが噴射されないドット抜けや噴射されたインク滴の液量が不足するなどの噴射ミスを招くことになる。
特開2002−192751号公報(図2等)
特開2006−272661号公報(図2、図4、図6、図8、図10等)
特開2004−90453号公報(図2)
特開2007−216629号公報(図2、図3)
ところで、送りポンプ式の液体供給装置では、吸引駆動と吐出駆動とを繰り返すことで、液体を供給する構成なので、1回の吐出駆動で送ることができる液量を送った後は、次の吸引駆動のため、液体の加圧供給が一時的に停止され、次の吐出駆動が再開されると、再び液体の加圧供給が開始される。そのため、液体は加圧供給と供給停止とを交互に繰り返しながら、液体は断続的に送られる。
しかしながら、チョーククリーニングを行う際に、チョーク弁の下流域の負圧が十分高まってポンプを吐出駆動させたときに、吐出駆動1回分の送り量の液体を送り終わった時点で、次の吸引駆動のため液体の加圧供給が一旦停止されてしまう。このようにチョーククリーニングの途中で加圧供給が停止されてしまうと、液体を押し流す勢いが中断されてしまい、吸引駆動が終わって吐出駆動が再開されても、そのときまでに既に液体を押し流す勢いが落ちてしまっているため、連続的に加圧供給できる液体供給装置を用いる構成に比べ、気泡排出性が相対的に低くなるという問題があった。
特に特許文献2に開示されたプリンタでは、チョーク弁が液体供給装置側に設けられていたので、チョーク弁からノズルまでの間の液体供給流路の容積が相対的に大きく、チョーククリーニングを完結するまで、複数回の吐出駆動を行う必要があり、上記の理由から、気泡排出性が相対的に悪くなるという問題があった。
本発明は前記の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、送りポンプ方式の液体供給手段を備えた構成においても、液体噴射ヘッドのチョーククリーニング時に比較的高い気泡排出性を確保できる液体供給装置及び液体噴射装置を提供することにある。
(1)上記問題点を解決するために、本発明は、液体を噴射する噴射口を有する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドの噴射口に吸引力を付与して当該噴射口から液体を強制的に排出させるクリーニング手段とを備えた液体噴射装置に設けられ、前記液体噴射ヘッドに対して液体供給源からの液体を供給する液体供給装置であって、前記液体供給源と前記液体噴射ヘッドとを連通する液体供給流路の途中に設けられたポンプと、該ポンプの上流側及び下流側に設けられた一対の一方向弁とを有し、前記ポンプが前記液体供給源から液体を吸引する吸引駆動と、吸引した液体を吐出する吐出駆動とを行って下流側へ液体を供給する液体供給手段と、前記液体供給流路によって前記液体供給手段と連通されるとともに前記液体噴射ヘッドを有する液体噴射ヘッドユニットと、前記液体供給流路の前記ポンプの下流側となる前記液体供給流路の途中に設けられて前記噴射口に付与された前記吸引力によって閉弁状態に保持され、閉弁状態において前記ポンプの吐出駆動による液体の供給圧により開弁する弁手段とを備え、前記弁手段は前記液体噴射ヘッドユニットに設けられていることを要旨とする。
この発明によれば、液体供給手段のポンプが吸引駆動と吐出駆動とを行うことで、吸引駆動時に液体供給源から吸引された液体が、吐出駆動時に吐出され、液体供給流路を通じて液体噴射ヘッドユニットへ供給される。そして、液体噴射ヘッドは供給された液体を噴射口から噴射する。
液体噴射ヘッドのクリーニング時は、クリーニング手段が作動され、噴射口に吸引力が付与される。そして、噴射口に付与された吸引力によって弁手段が閉弁状態に保持され、弁手段の閉弁位置から噴射口までの下流域が負圧になる。そして、負圧が十分高まった時点でポンプの吐出駆動が開始されると、その吐出駆動による液体の供給圧(吐出圧)により弁手段が開弁し、弁手段の上流側からの加圧された液体が、負圧となった下流域に一気に流れて噴射口から勢いよく排出される。この結果、効果的なクリーニング(チョーククリーニング)が行われる。
そして、弁手段が、液体噴射ヘッドユニットに設けられているため、弁手段から噴射口までの液体供給流路の容積が、例えば弁手段が液体供給手段に設けられて液体供給手段と液体噴射ヘッドユニットとを連通する流路部分の容積が含まれる構成に比べ少ないので、負圧となった下流域全体に液体を流すクリーニング(チョーククリーニング)を、ポンプの1回の吐出駆動で完結することが可能となる。例えば負圧となった下流域全体に液体が流れ終わる前のクリーニングの途中で1回の吐出駆動が終了すると、その途中段階でポンプの吸引駆動が入り液体の供給が中断されてしまい、クリーニング効果が低下する。しかし、この液体供給装置によれば、このようなクリーニングの中断を回避できることから、良好な気泡排出性を確保できる効果的なクリーニングを実現できる。
(2)また、本発明の液体供給装置では、前記弁手段は、弁室の一部を区画形成するダイアフラムを有し、当該ダイアフラムがバネ付勢されていない非バネ付勢タイプの差圧弁であることが好ましい。
この発明によれば、ダイアフラムがバネ付勢されていない非バネ付勢タイプの差圧弁であるので、ポンプが吐出駆動から吸引駆動に切り換わったときに液体の供給圧が低下しても、この供給圧の低下に直ちに反応して弁手段(差圧弁)が閉弁する。この結果、弁手段の下流域における液体の圧力が吐出駆動時の圧力からさほど下がらず比較的高く保持できる。例えばバネ付勢タイプの差圧弁であると、ある圧力になったときに開弁することになり、これはある圧力になってはじめて閉弁する弁と言えるので、ポンプの吐出駆動から吸引駆動への切り換わり時にも、ある圧力になってから閉弁する閉弁遅れが発生し、その下流域の液体の圧力がかなり低下してしまう。この下流域の液体の圧力の過度の低下は、ポンプの吸引駆動期間において、例えばその下流域に設けられて液体噴射ヘッドへの供給圧を調整する弁機構の開閉タイミングに影響するなどし、噴射口から噴射される液体の量が少なくなるなどの不具合をもたらすが、本発明の弁手段は非バネ付勢タイプの差圧弁なので、このような事態も回避できる。
(3)また、本発明の液体供給装置では、前記液体噴射ヘッドのクリーニングは、前記クリーニング手段が前記ポンプの駆動停止又は吸引駆動の状態下で作動されて前記噴射口に吸引力を付与することで前記弁手段の閉弁位置よりも下流域を負圧とし、前記弁手段の下流域の負圧が十分高まったとみなしうる設定タイミングで前記液体供給手段が前記ポンプの吐出駆動を開始することで行われることが好ましい。
この発明によれば、クリーニング手段は、ポンプの駆動停止又は吸引駆動の状態下で作動されて噴射口に吸引力を付与し、弁手段の閉弁位置よりも下流域における液体が減圧されて負圧になり、その下流域の液体の負圧が十分高まったとみなしうる設定タイミングで、液体供給手段のポンプの吐出駆動が開始される。この結果、ポンプからの液体の供給圧(吐出圧)が液体供給流路を通じて弁手段に及ぶことで弁手段が開弁し、その供給圧の液体が、弁手段の閉弁位置より下流側の負圧領域全体に一気に流れ、効果的なクリーニングが行われる。
(4)さらに本発明の液体供給装置では、前記クリーニング手段は、前記液体噴射ヘッドにおいて前記噴射口が開口する噴射口形成面に前記噴射口を囲む状態に当接可能なキャップと、該キャップの内部に吸引力を及ぼさせる吸引手段とを備え、前記ポンプが1回の吐出駆動で吐出できる液体吐出量は、前記弁手段の閉弁位置から前記噴射口までの流路の容積と、前記キャップの容積とを加えた総容積よりも大きいことが好ましい。
この発明によれば、ポンプの1回の吐出駆動で、クリーニング(チョーククリーニング)を完結できる。その結果、弁手段の閉弁位置より下流側の負圧領域全体に一気に液体を流すことができるので、無駄のない効果的なクリーニングを行える。例えば弁手段の閉弁位置より下流側の負圧領域全体に液体が流れ終わる途中で、ポンプの吐出駆動が終了してしまうと、クリーニングが中断されてしまうが、このようなクリーニングの中断を回避できることから、効果的なクリーニングを実現できる。
(5)また、本発明の液体供給装置では、前記液体噴射ヘッドユニットにおいて前記弁手段と前記噴射口との間の液体供給流路の途中には、前記ポンプの吸引駆動過程で前記液体噴射ヘッドに供給するための液体を、前記ポンプの吐出駆動過程で貯留しておくためのバッファ室が設けられていることが好ましい。
この発明によれば、液体噴射ヘッドユニットにバッファ室を設けたことにより、液体供給手段と噴射口までの流路の容積が増すことになるが、弁手段が液体噴射ヘッドユニットに設けられていることで、バッファ室を設けた割に弁手段の閉弁位置から噴射口までの流路の容積を比較的小さく済ませることができる。そのため、ポンプの1回の吐出駆動でクリーニング(チョーククリーニング)を完結できる。また、ポンプの吸引駆動過程では液体噴射ヘッドへの液体供給が中断されるが、バッファ室に貯留された液体がその下流側(噴射口側)へ供給されることで、ポンプの吸引駆動中においても液体噴射ヘッドの噴射口から噴射すべき液体が不足することがない。
(6)また、本発明の液体供給装置では、前記液体噴射ヘッドユニットにおいて前記弁手段と前記噴射口との間の液体供給流路の途中には、前記噴射口から噴射されて消費された分量の液体を前記液体噴射ヘッドで必要な供給圧に減圧して当該液体噴射ヘッドに補充する液体補充機構が設けられていることが好ましい。
この発明によれば、噴射口から噴射されて液体が消費されると、液体補充機構により、液体噴射ヘッドで必要な供給圧に減圧してその消費された分量の液体が液体噴射ヘッドに補充される。
(7)さらに本発明の液体供給装置では、前記液体噴射ヘッドユニットには、前記液体供給流路の上流側から順に、前記弁手段、バッファ室、前記液体補充機構が設けられていることが好ましい。
この発明によれば、弁手段が一番上流側に設けられているので、クリーニングにより、バッファ室及び液体補充機構の各室内の気泡を排出できる。また、ポンプの吐出駆動過程でバッファ室に貯留された液体を、ポンプの吸引駆動過程において液体補充機構を介して必要な供給圧に減圧して液体噴射ヘッドに供給できる。
(8)また、本発明は、液体噴射装置であって、上記発明の液体供給装置と、前記液体供給装置から供給された液体を噴射口から噴射する液体噴射ヘッドと、前記噴射口に負圧を付与することで当該噴射口から液体を強制的に排出させるクリーニング手段とを備えたことを要旨とする。この発明の液体噴射装置によれば、上記発明の液体供給装置と同様の作用効果を得ることができる。
以下、本発明を液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンタに具体化した一実施形態を図1〜図6を用いて説明する。
図1は、インクジェット式プリンタの模式平面図である。図1に示すように、液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、単に「プリンタ11」という)は、上方(図1の紙面と直交する手前方向)側が開口する略矩形箱状をなす本体ケース12を備えている。本体ケース12内の底部寄り位置には、その長手方向に沿ってプラテン13が架設されている。プラテン13上には、図示しない紙送り機構によりターゲットとしての記録用紙(図示略)が副走査方向(図1における上下方向)に給送されるようになっている。また、本体ケース12内には、プラテン13の長手方向と平行に棒状のガイド軸14が架設されている。
図1は、インクジェット式プリンタの模式平面図である。図1に示すように、液体噴射装置としてのインクジェット式プリンタ(以下、単に「プリンタ11」という)は、上方(図1の紙面と直交する手前方向)側が開口する略矩形箱状をなす本体ケース12を備えている。本体ケース12内の底部寄り位置には、その長手方向に沿ってプラテン13が架設されている。プラテン13上には、図示しない紙送り機構によりターゲットとしての記録用紙(図示略)が副走査方向(図1における上下方向)に給送されるようになっている。また、本体ケース12内には、プラテン13の長手方向と平行に棒状のガイド軸14が架設されている。
このガイド軸14には、キャリッジ15がガイド軸14の軸線方向に沿って往復移動可能に支持されている。キャリッジ15は、一対のプーリ16a,16b間に張設された無端状のタイミングベルト16の一部に固定されている。本体ケース12の背面右端寄り位置にはキャリッジモータ17が配設されている。このキャリッジモータ17はその駆動軸が一方のプーリ16aに連結されて、プーリ16aを回転駆動させる。キャリッジモータ17が正逆転駆動されると、タイミングベルト16が正逆回転し、キャリッジ15はガイド軸14に沿って主走査方向(図1における左右方向)に往復移動するように構成されている。
キャリッジ15のプラテン13に対向する面には、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド18が設けられている。また、キャリッジ15上には、記録ヘッド18に供給される液体としてのインクの圧力調整等を行うバルブユニット19がインク色と同数の複数個(本実施形態では4個)設けられている。そして、キャリッジ15と共に主走査方向に往復移動する記録ヘッド18が、プラテン13上に給送された記録用紙(図示略)にインクを噴射することで印刷が行われるようになっている。なお、キャリッジ15と記録ヘッド18とバルブユニット19等を含んで主走査方向に移動可能な部分が、記録ヘッドユニット20となっている。
本体ケース12の一端部(図1では右端部)には、液体供給手段としてのインク供給装置21が設けられている。本実施形態のインク供給装置21は、カートリッジホルダを兼ねており、複数個(図1では4個)の液体供給源(液体収容体)としてのインクカートリッジC1〜C4が着脱可能に装着されている。これら各インクカートリッジCは、管路としてのインク供給チューブ22a〜22d(液体供給流路)を通じて対応する各バルブユニット19にインクを供給可能に接続されている。本実施形態のインク供給装置21は、送りポンプ方式を採用するものであり、インクカートリッジC1〜C4の個々に対応する複数個(本例では4個)の脈動型のポンプ23を内蔵している。ポンプ23はインクカートリッジCからインクを吸引する吸引駆動と、吸引したインクを吐出する吐出駆動とを交互に繰り返すことで、記録ヘッドユニット20のバルブユニット19に加圧インクを供給する。なお、本実施形態において、インクカートリッジC1〜C4を区別しない場合は、単にインクカートリッジCとして説明する。同様に、各インク供給チューブ22a〜22dも、特に区別しない場合は、単にインク供給チューブ22として説明する。
また、図1に示すように、本体ケース12内においてキャリッジ15の非印刷時の待機位置であるホームポジションに対応する位置には、クリーニング手段としてのメンテナンス装置25が備えられている。このメンテナンス装置25は、キャップ26とワイパ27とを有している。キャップ26は上側が開放された四角箱形状を有し、図示しない昇降機構により昇降可能に設けられている。キャリッジ15がホームポジションに到達すると、キャップ26が昇降機構により上昇して記録ヘッド18のノズル形成面18a(図2参照)に当接することでキャッピングされるようになっている。メンテナンス装置25は、記録ヘッド18をキャッピングした状態にあるキャップ26内に吸引力を及ぼすことで、キャップ26内を負圧とし、記録ヘッド18のノズル29(図2参照)からインクを強制的に排出させるクリーニングを行う。このクリーニングによって、記録ヘッド18のノズル29と連通するインク流路内の増粘インクやそのインク流路内のインク中に混入する気泡および異物(紙粉等)などがインクと共に吸引除去され、印刷不良が防止される。クリーニングの後、キャリッジ15がホームポジションから離れる過程で、ワイパ27が記録ヘッド18のノズル形成面18aを払拭することによりノズル29内のインクメニスカスが整えられるようになっている。
次に、送りポンプ方式のインク供給装置について図2に従って説明する。図2は、インク供給装置の模式断面図である。なお、図2は便宜上、一つのインクカートリッジCについてのインク加圧供給系のみ示している。
図2に示すように、記録ヘッド18には、インク供給装置21の設置数と対応する複数(本実施形態では4つ)のノズル29がプラテン13(図1参照)と対向するノズル形成面18aに開口形成されている。そして、各インク供給装置21からインク供給チューブ22を通じて記録ヘッドユニット20内のインク流路30に供給されたインクは、インク流路30上に設けられた弁手段としてのチョーク弁31、バッファ室としてのバッファ32及び液体補充機構としての自己封止弁33を経由してノズル29へ供給されるようになっている。
ここで、チョーク弁31は、記録ヘッド18のメンテナンス時に後述するチョーククリーニングを行うためにインク流路30を途中箇所で閉塞するために閉弁する弁である。このため、クリーニング時以外の印刷中を含む通常時にはチョーク弁31は開弁している。
また、バッファ32は、インクを一時的に貯留しておくためのインク貯留室である。例えばベタ印刷を行うときのように記録ヘッド18のノズル29からの一走査当たりのインク噴射量が非常に多い場合でも、ポンプ23の吸引駆動のためインク供給が中断されている間でも記録ヘッドユニット20側のインクが不足しないように予めインクを余分に貯留しておくために設けられたものである。バッファ32は、ポンプ23の吸引駆動のためにインク供給が中断されている期間において、記録ヘッド18に対し補充が必要と想定される最大インク量に少量のマージンを付加した量のインクを貯留できる室容積に設定されている。
また、自己封止弁33は、ノズル29からインクを噴射した場合に、そのインク噴射により消費したインク量に相当する分量のインクを記録ヘッド18で必要なインク圧(ヘッド供給圧)に調整しつつ補給するように開閉する弁である。本実施形態の自己封止弁33は大気圧とインク圧との差圧を利用して開閉するダイアフラム式の差圧弁であり、記録ヘッド18側に適切なインク圧を補給するためには、自己封止弁33の後述するインク室に所定インク圧が印加されている必要がある。これらのチョーク弁31、バッファ32及び自己封止弁33の詳細な構成については後述する。なお、4つのノズル29は、図2における紙面直交方向に一定のノズルピッチで複数個ずつ配置されてそれぞれノズル列を形成している。このノズル列の方向(図1の紙面直交方向)は、シリアルプリンタでは用紙搬送方向に一致している。
また、記録ヘッド18のノズル29の目詰まり等を解消するべく記録ヘッド18のクリーニングを行うメンテナンス装置25は、記録ヘッド18のノズル形成面18aにノズル29を囲うように当接可能なキャップ26と、このキャップ26内からインクを吸引する際に駆動される吸引手段としての吸引ポンプ35と、この吸引ポンプ35の駆動に伴いキャップ26内から吸引されたインクが廃インクとして排出される廃液タンク36とを備えている。そして、クリーニング時には、図2に示す状態からキャップ26を上昇させて記録ヘッド18のノズル形成面18aに当接させた状態で吸引ポンプ35を駆動し、キャップ26の内部空間に吸引力を及ぼすことで負圧を発生させ、その負圧により記録ヘッド18のノズル29から増粘したインクや気泡混じりのインクを廃液タンク36に向けて吸引排出するようにしている。このときチョーク弁31が閉弁状態とされ、バッファ32及び自己封止弁33の各室を含む流路内のインク圧が負圧とされた後、ポンプ23の吐出駆動を開始してチョーク弁31を開弁することで、それまでチョーク弁31の閉弁位置より下流側で負圧となっていた領域全域に、ポンプ23から供給された加圧ンクを一気に流すチョーククリーニングが行われる。
一方、インクカートリッジCは、内部がインクを収容するインク室37aとされた略箱体形状のケース37を備えている。ケース37の下壁からはインク室37a内に連通する筒部38が下方に向けて突出して形成され、筒部38の先端にはインクを導出可能なインク供給口39が形成されている。そして、インクカートリッジCをインク供給装置21に接続する際には、このインク供給口39に対してインク供給装置21から突設されたインク供給針40が挿入されるようになっている。また、ケース37の上壁には、インクが収容されたインク室37a内を大気に連通させる大気連通孔37bが貫通して形成され、インク室37a内に収容されたインクの液面に大気圧を作用させるようになっている。
次に、インク供給装置21の構成について詳細に説明する。
図2に示すように、インク供給装置21には、インク供給針40からインク供給チューブ22と接続具41を介して連通されるインク排出口42(インク吐出口)までの間を連通させる液体供給流路の一部を構成するインク流路43が形成されている。そして、インク供給装置21は、そのインク流路43の途中に、前述の脈動型のポンプ23(ダイアフラム式ポンプ)と、このポンプ23の上流側に設けられた吸引用一方向弁44(吸引用逆止弁)と、ポンプ23の下流側に設けられた吐出用一方向弁45(吐出用逆止弁)とを備えている。なお、接続具41はOリング等のシール部材46を介してインク供給装置21の裏面端部に取り付けられ、インク供給チューブ22とインク排出口42とを連通する。
図2に示すように、インク供給装置21には、インク供給針40からインク供給チューブ22と接続具41を介して連通されるインク排出口42(インク吐出口)までの間を連通させる液体供給流路の一部を構成するインク流路43が形成されている。そして、インク供給装置21は、そのインク流路43の途中に、前述の脈動型のポンプ23(ダイアフラム式ポンプ)と、このポンプ23の上流側に設けられた吸引用一方向弁44(吸引用逆止弁)と、ポンプ23の下流側に設けられた吐出用一方向弁45(吐出用逆止弁)とを備えている。なお、接続具41はOリング等のシール部材46を介してインク供給装置21の裏面端部に取り付けられ、インク供給チューブ22とインク排出口42とを連通する。
図2に示すように、インク供給装置21は、基台となる合成樹脂製の第1流路形成部材51と、この第1流路形成部材51上に積層状態に組み付けられる同じく樹脂製の第2流路形成部材52と、その組み付け時に両流路形成部材51,52の間に挟み込まれるゴム板等からなる可撓性部材53とを備えている。
ここで、第1流路形成部材51の下面一端部(図2では右端部)には、平面視円形状をなす凹部54が形成され、その上面他端部(図2では左端部)には同じく平面視円形状をなす凹部55が形成されている。2つの凹部54,55は同程度の内径及び深さを有している。
そして、図2に示すように、凹部54は、インク供給針40の直下に位置し、インク供給針40の孔に連通する貫通孔48が凹部54の底面に開口している。凹部54は、第1流路形成部材51の裏面に形成された溝56と、第1流路形成部材51を厚み方向に貫通する貫通孔57とを通じて第1流路形成部材51の上面に開口している。一方、凹部55は、第1流路形成部材51を厚み方向に貫通する貫通孔58と、第1流路形成部材51の裏面に形成された溝59と、第1流路形成部材51を厚み方向に貫通する貫通孔60とを通じて第1流路形成部材51の上面に開口している。また、この凹部55は、第1流路形成部材51の上面端部(図2における左端部)に形成された溝61と、第1流路形成部材51を厚み方向に貫通する貫通孔62とを通じてインク排出口42に連通している。なお、2つの貫通孔57,60は、第1流路形成部材51の上面において可撓性部材53の配置領域内の二位置に開口している。
一方、第2流路形成部材52は、この第1流路形成部材51上に可撓性部材53を間に介在させて積層される。この第2流路形成部材52の下面には、円錐台状の凹部63が形成されている。そして、可撓性部材53は、第1流路形成部材51の上面と第2流路形成部材52の凹部63との間を上下に仕切って介在するように挟み込まれている。可撓性部材53の両面周縁部に突設されたシール部53aを第1流路形成部材51と第2流路形成部材52とで挟み込むことで、可撓性部材53はその周縁部で液密状態にシールされている。可撓性部材53のうちシール部53aで囲まれた平面視円形の部分が、弾性変形することにより変位可能なダイアフラム64として機能するようになっている。
図2に示すように、可撓性部材53のダイアフラム64となる部分は、上側の凹部63内に配設されたコイルバネ65の付勢力により下側に向けて付勢されている。そして、本実施形態では、第1流路形成部材51の上面略中央部と、第2流路形成部材52と、ダイアフラム64とコイルバネ65等により脈動型のポンプ23が構成されている。ダイアフラム64とその下側の第1流路形成部材51の上面とで囲み形成される容積可変の空間域がポンプ23におけるポンプ室23aとして機能するようになっている。このポンプ室23aは、2つの貫通孔57,60と連通している。また、ダイアフラム64とその上側の第2流路形成部材52の凹部63とで囲み形成される容積可変の空間域がポンプ23における負圧室23bとして機能するようになっている。なお、第2流路形成部材52の上面には、負圧室23bと連通する貫通孔66が内部を通る管部52aが突設されている。
一方、吸引用一方向弁44は、凹部54の開口部に蓋をするように嵌着又は螺着された閉塞部材67と凹部54とで囲み形成された空間域よりなる弁室68と、この弁室68内に収容された円板状のゴム片からなる弁体69とを備えている。凹部54の底面には、貫通孔48の開口を囲む円環状の突部よりなる弁座70が形成されており、弁体69は弁座70に当接する閉弁位置と、弁座70から離間して閉塞部材67の内底面に当接する開弁位置との間で移動可能となっている。すなわち、吸引用一方向弁44は、弁体69が弁座70に当接することで閉弁し、弁体69が弁座70から離間することで開弁するようになっている。なお、インク供給針40の孔と貫通孔48とにより、インクカートリッジCのインク供給口39と吸引用一方向弁44とを連通する第1インク流路43aが構成されている。
ここで、吸引用一方向弁44の開弁状態における弁体69と弁座70との間の隙間は比較的狭く設定され、弁座70の中央開口から第1インク流路43aへ流入するインクの流れが発生すると、その流れに引き寄せられて弁体69が閉弁方向へ移動するようになっている。第1流路形成部材51の裏面及び閉塞部材67の外面には、溝56,59を含む領域にフィルム71が熱溶着されている。そして、溝56とフィルム71とにより囲み形成された空間域と貫通孔57とにより、吸引用一方向弁44の弁室68とポンプ23のポンプ室23aとを連通する第2インク流路43bが形成されている。
また、吐出用一方向弁45は、凹部55の開口部に蓋をするように嵌着又は螺着された閉塞部材72と凹部55とで囲み形成された空間域よりなる弁室73と、この弁室73内に収容された円板状のゴム片からなる弁体74とを備えている。弁室73は、溝59とフィルム71とにより囲み形成された空間域と2つの貫通孔58,60とにより形成される第3インク流路43cを通じてポンプ23のポンプ室23aと連通している。
凹部55の底面には、貫通孔58の開口を囲む円環状の突部よりなる弁座75が形成されており、弁体74は弁座75に当接する閉弁位置と、弁座75から離間して閉塞部材72の内底面に当接する開弁位置との間で移動可能となっている。すなわち、吐出用一方向弁45は、弁体74が弁座75に当接することで閉弁し、弁体74が弁座75から離間することで開弁するようになっている。
吐出用一方向弁45の開弁状態において弁体74と弁座75間の隙間は比較的狭く設定され、弁座75の中央部開口から第3インク流路43cへ流入するインクの流れが発生すると、その流れに引き寄せられて弁体74が閉弁位置へ移動するようになっている。また、第1流路形成部材51の上面及び閉塞部材72の外面には、溝61を含む領域にフィルム76が熱溶着されている。そして、溝61とフィルム76とにより囲み形成された空間域と貫通孔62とにより、吐出用一方向弁45の弁室73とインク排出口42とを連通する第4インク流路43dが形成されている。
さらに、図2に示すように、ポンプ23の管部52aには二股状に分岐した空気流路77を介して吸引ポンプ等からなる負圧発生装置78と大気開放機構79とが接続されている。負圧発生装置78は、正逆回転可能な駆動モータ80が正転駆動した場合に図示しないワンウェイクラッチを介して伝達される駆動力により駆動して負圧を発生し、空気流路77を通じて接続されたポンプ23の負圧室23bに負圧が導入されるようになっている。
一方、大気開放機構79は、大気開放孔81が形成されたボックス82内にシール部材83を大気開放孔81側に付設してなる大気開放弁84が収容され、その大気開放弁84が常にはコイルバネ85の付勢力により大気開放孔81を封止する閉弁方向に付勢された構成をしている。そして、大気開放機構79は、駆動モータ80が逆転駆動した場合に、図示しないワンウェイクラッチを介して伝達される駆動力に基づきカム機構86が作動し、そのカム機構86の作動により大気開放弁84がコイルバネ85の付勢力に抗して開弁方向に変位するように構成されている。すなわち、大気開放機構79は、空気流路77を介して接続された負圧室23bが負圧状態になっている場合には、大気開放弁84が開弁動作することにより、その負圧室23b内を大気に開放して負圧状態を解消するようになっている。
なお、インク供給装置21は、ポンプ23及び一対の一方向弁44,45を備えてなるインク供給部を、インク色と同数の複数個(本例では4個)内蔵している。そして、各ポンプ23の管部52aに、複数本(本例では4本)に分岐した空気流路77の先端部分がそれぞれ接続されることで、負圧発生装置78、大気開放機構79及び駆動モータ80が複数のポンプ23間で共有されるようになっている。
次に、記録ヘッドユニット20に内蔵されるチョーク弁31、バッファ32及び自己封止弁33の構成及び機能について説明する。図4は、記録ヘッドユニットの模式断面図を示す。
図4に示すように、記録ヘッドユニット20を構成するキャリッジ15から下方へ延出する一対の支持アーム15aには、記録ヘッド18がノズル形成面18aをプラテン13(図1参照)に対向させた水平姿勢に支持された状態でネジ88を用いて固定されている。そして、バルブユニット19は、記録ヘッド18の上側に配置された状態で図示しない支持部を介してキャリッジ15に固定されている。このバルブユニット19は板状の流路形成部材90を備えている。
流路形成部材90は、図4における上面左端部に開口するインク導入口91と、その下面右端部に突設されたインク導出用の管部92と、インク導入口91と管部92との間を連通するインク流路30とを有している。このインク流路30の途中には、上流側(インク導入口91側)から順に、チョーク弁31、バッファ32、自己封止弁33がそれぞれ配置されている。
インク供給チューブ22の他端(下流端)に設けられた配管接続具94がシール部材95を介してバルブユニット19の上面左端部の取付箇所に取り付けられることで、インク供給チューブ22とインク導入口91とが連通するようになっている。また、管部92は、図4において記録ヘッド18の上面右端部に凹設された凹部18bにその外周側に円環状のシール部材96を介する状態で挿通されており、これによりバルブユニット19のインク流路93と記録ヘッド18のインク流路97とが接続された状態にある。
流路形成部材90の上面には、平面視円形の三つの凹部98、99,100が、図4における左側からこの順で横並び配置された状態で凹設されている。また、流路形成部材90の裏面右端部には、その厚み方向に凹部100と対向する凹部101が凹設されている。これら2つの凹部100,101は、流路形成部材90の厚み方向に貫通する連通孔102を通じて連通している。また、凹部98の底部中央部には筒部103が突設されている。
また、流路形成部材90には、インク流路30の一部を構成する6つの貫通孔104〜109が形成されている。すなわち、図4の左側から順に、インク導入口91と連通する貫通孔104、凹部98の底面において筒部103の外側で開口する貫通孔105、筒部103に連通する貫通孔106、凹部99の底面に開口する一対の貫通孔107,108、及び管部92に連通する貫通孔109が、それぞれ流路形成部材90の厚み方向に貫通して形成されている。さらに流路形成部材90の裏面には、同じくインク流路30の一部を構成する3本の溝110〜112が形成されている。すなわち、2つの貫通孔104,105を連通する溝110、2つの貫通孔106,107を連通する溝111、及び凹部101の側壁面に開口する連通孔112aと貫通孔108とを連通する溝112がそれぞれ形成されている。
流路形成部材90の裏面には溝110〜112を含む領域にフィルム113が熱溶着されている。溝110とフィルム113とで囲み形成された空間域と2つの貫通孔104,105とにより第1流路93aが形成されている。また、溝111とフィルム113とで囲み形成された空間域と2つの貫通孔106,107とにより第2流路93bが形成されている。さらに溝112とフィルム113とで囲み形成された空間域と連通孔112aと貫通孔108とにより第3流路93cが形成されている。また、貫通孔109により第4流路93dが形成されている。そして、これら第1〜第4流路93a〜93dにより、インク流路30が構成されている。
チョーク弁31は、凹部98と、筒部103と、流路形成部材90の上面(表面)に凹部98の開口を塞ぐように熱溶着されたフィルム114とにより形成されている。凹部98とフィルム114とで囲み形成された空間域がインク室115となっている。フィルム114は撓んでいない状態(図4に実線で示す状態)においては、筒部103の上端面から離間している。また、第1流路93aを通じてインク室115に供給されていた加圧インクの圧力が低下し始めてインク室115が減圧し始めた場合、あるいは第2流路93bを通じて筒部103内へインクが流入する吸引力が及ぶ場合に、フィルム114は図4に二点鎖線で示すように筒部103の上端面に当接して閉弁するようになっている。
バッファ32は、凹部99と、この凹部99の開口を塞ぐように流路形成部材90の上面に熱溶着されたフィルム116とにより形成されている。凹部99とフィルム116とで囲み形成された空間域がインク貯留室117となっている。フィルム116は弛みがなくてもよいが、本例では少し弛みを付けて熱溶着されている。
図4に示すように、自己封止弁33は、凹部100と、この凹部100の開口を塞ぐように流路形成部材90の上面に熱溶着されたフィルム118とを備えている。さらに自己封止弁33は、連通孔102に軸部119aを挿通する状態で凹部101内に収容された弁体119と、凹部101の開口部に蓋をするように嵌着又は螺着された閉塞部材120と弁体119との間に介装されて弁体119をその軸部119aがフィルム118を外側へ押圧する方向へ付勢するコイルバネ121とを備えている。また、フィルム118において弁体119の軸部119aが当接する箇所には受圧板122が固着されている。そして、凹部100とフィルム118とで囲み形成された空間域が圧力室123となっており、凹部101と閉塞部材120とで囲み形成された空間域がインク室124となっている。連通孔102の周囲で弁体119の当接する部分が弁座125となっており、弁体119には弁座125と当接可能な部位に環状のシール部(図示せず)が設けられている。
なお、流路を形成するフィルム71,76,113にはアルミ蒸着フィルムが用いられ、チョーク弁31、バッファ32及び自己封止弁33でダイアフラムとして使用されるフィルム114,116,118にはシリカ蒸着フィルムが用いられている。シリカ蒸着フィルムであると、アルミ蒸着フィルムに比べ、フィルムが撓み変形を繰り返しても蒸着が剥がれにくく、蒸着材質によるガス透過性を低く保ち、フィルムを空気がガス透過してインク中に溶解することを効果的に防止できるようになっている。
チョーク弁31のインク室115は第1流路93aを通じてインク供給チューブ22と連通し、筒部103は第2流路93bを通じてバッファ32のインク貯留室117と連通している。また、バッファ32のインク貯留室117は第3流路93cを通じて自己封止弁33のインク室124と連通している。そして、自己封止弁33の圧力室123は第4流路93dを通じて記録ヘッド18側のインク流路97と連通している。
記録ヘッド18内においてインク流路97は各ノズル29と連通している。また、記録ヘッド18内には、例えば圧電素子、静電素子あるいはヒータよりなる噴射素子(図示せず)が各ノズル29毎に設けられており、噴射素子に通電されることでノズル29に連通する状態でノズル毎に区画された室内のインクに噴射圧が付与されてそれに対応するノズルからインク滴が噴射されるようになっている。
ノズル29からインクが噴射されてインクが消費されると、圧力室123のインクが減量してそのインク圧が減圧し、その減圧した圧力室123のインク圧と大気圧との差圧に基づきフィルム118が圧力室123側へ撓み変形することで弁体119がコイルバネ121の付勢力に抗して開弁位置に移動し、これにより自己封止弁33が開弁して、インクがインク室124から圧力室123へ流入する。圧力室123へインクが流入すると、やがてフィルム118から弁体119が受ける力にコイルバネ121の付勢力が打ち勝って弁体119が再び閉弁位置に移動する。このようにインクの消費に連れて自己封止弁33が開閉動作することで、記録ヘッド18へインクが適宜に流入するようになっている。
また、自己封止弁33は、コイルバネ121の付勢力により弁体119を介してフィルム118を圧力室123の外側へ押圧している構成の差圧弁なので、圧力室123のインク圧は負圧に保持される。この圧力室123のインク圧(負圧)が、記録ヘッド18に供給すべきインクの供給圧(ヘッド供給圧)になるようにコイルバネ121のバネ定数等が設定されている。よって、自己封止弁33のインク室124に供給されたインクは、圧力室123で減圧されつつ第4流路93dを通じて記録ヘッド18のインク流路97に供給されるようになっている。ここで、自己封止弁33の開閉タイミングは、コイルバネ121の付勢力やフィルム118の復元力の他、圧力室123のインク圧とインク室124のインク圧に基づき弁体119に働く開弁方向の力と閉弁方向の力のバランスにより決まる。そのため、圧力室123のインク圧を所定範囲内のヘッド供給圧に保持するためには、インク室124に供給されるインク圧をあまり変動しないように所定範囲内に保持する必要がある。
そこで次に、以上のように構成されたプリンタ11における作用について、特にインク供給装置21の作用に着目して以下説明する。図3(a)は吸引駆動時のインク供給装置の断面を示し、図3(b)は吐出駆動時のインク供給装置の断面を示す。
まず、前提として、図2に示す状態は、新旧インクカートリッジの交換直後であって、ポンプ23のダイアフラム64は、コイルバネ65の付勢力で下側の第1流路形成部材51の上面に押し付けられた状態にあるものとする。また、吸引用一方向弁44の弁体69、吐出用一方向弁45の弁体74は共に閉弁位置にあるものとする。そして、大気開放機構79は大気開放弁84が大気開放孔81を封止した閉弁状態にあるものとする。
さて、このような図2に示す状態から、インク供給装置21がインクカートリッジC側から記録ヘッドユニット20側へインクを供給する場合、まず、ポンプ23をポンプ駆動させるために、駆動モータ80が正転駆動される。すると、負圧発生装置78が負圧を発生し、この負圧発生装置78と空気流路77を介して接続されたインク供給装置21の負圧室23bが負圧状態になる。そのため、ポンプ23のダイアフラム64がコイルバネ65の付勢力に抗して負圧室23b側に弾性変形(変位)し、負圧室23bの容積を減少させる(図3(a)参照)。すると、この負圧室23bの容積減少に伴い、ダイアフラム64を介して負圧室23bと区画されたポンプ室23aは逆に容積が増加する。
すなわち、ポンプ23がダイアフラム64をポンプ室23aの容積が増加する方向に変位させて吸引駆動することになる。具体的には、ダイアフラム64が図3(b)に示す下死点位置から図3(a)に示す上死点位置に変位する。そのため、ポンプ室23a内が負圧状態になり、その負圧が第2インク流路43bを介して吸引用一方向弁44の弁室68に作用し、弁室68のインク圧力(負圧)と第1インク流路43aのインク圧(ほぼ大気圧)との圧力差に基づき弁体69が弁座70から離間する方向へ移動する。その結果、第1インク流路43aと第2インク流路43bが連通状態となり、インクカートリッジC内からインクが、第1インク流路43a、弁室68、第2インク流路43bを経由して、ポンプ室23a内に吸引される。
一方、このポンプ23の吸引駆動時には、ポンプ室23aの負圧が第3インク流路43cを介してポンプ室23aよりも下流側の第3インク流路43cにも作用する。しかし、第3インク流路43cの下流側が連通する吐出用一方向弁45の弁室73では、負圧のインク圧がかかるので、弁体74が弁座75に当接する状態にあり、その閉弁状態は弁体74に対して第3インク流路43cの上流側からポンプ23の吐出駆動によって所定の正圧(例えば、13kPa以上の圧力)のインク吐出圧が作用しない限り開弁状態に移行しないように設定されている。したがって、この場合、吐出用一方向弁45の弁体74は、負圧が作用しているため、その閉弁状態が維持される。
そして次には、図3(a)に示す状態において、駆動モータ80が逆転駆動される。すると、大気開放機構79のカム機構86の作動により大気開放弁84がコイルバネ85の付勢力に抗して開弁動作し、負圧状態にある負圧室23bを大気開放する。そのため、ポンプ23のダイアフラム64がコイルバネ65の付勢力により下方(すなわち、ポンプ室23aの内底面側)へ弾性変形(変位)し、負圧室23bの容積を増加させる(図3(b)参照)。すると、この負圧室23bの容積増加に伴い、ダイアフラム64を介して負圧室23bと区画されたポンプ23のポンプ室23aは逆に容積が減少する。
すなわち、ポンプ23がダイアフラム64をポンプ室23aの容積を減少させる方向に変位させて吐出駆動することになる。具体的には、図3(b)に示すように、ダイアフラム64が上死点位置から下死点位置の方向に変位して、ポンプ室23a内に吸引されていたインクを所定の圧力(例えば、30kPa程度の圧力)で加圧する。そのため、ポンプ室23a内からはインクが吐出され、その吐出圧がポンプ室23aよりも上流側では第2インク流路43bを介して吸引用一方向弁44の弁室68に作用し、弁体69が弁座70に当接するように移動する。その結果、第1インク流路43aと第2インク流路43bが吸引側の弁体69の閉弁動作により非連通状態となり、インクカートリッジCからポンプ室23aへの吸引用一方向弁44を経由したインクの吸入が停止されるとともに、ポンプ23の吐出駆動に伴いポンプ室23aから吐出されたインクが吸引用一方向弁44を経由してインクカートリッジC側に逆流することが規制される。
一方、このポンプ23の吐出駆動時には、ポンプ室23aから吐出されたインクの圧力(例えば、30kPa程度の圧力)が第3インク流路43cを介してインク流路43の下流側にも作用する。そのため、このポンプ23の吐出圧が閉弁状態にある吐出側の弁体74を開弁動作させ、吐出用一方向弁45の弁室73を介して第3インク流路43cと第4インク流路43dが連通する。その結果、ポンプ室23a内からインクが、第3インク流路43c、弁室73、第4インク流路43d、インク供給チューブ22を経由して、バルブユニット19に加圧状態で供給される。
そして、以後は、ダイアフラム64に加圧されてポンプ室23aから吐出されるインクの吐出圧が、インク流路43における吸引用一方向弁44の閉弁位置の下流側の各流路域に及んだ状態が維持される。その後において、記録ヘッド18からインクがターゲット(図示略)に向けて噴射されると、そのインク噴射に伴うインクの消費量に相当する分量のインクが自己封止弁33の開弁に伴いインク流路43内から記録ヘッドユニット20側に供給される。そのため、この下流側(記録ヘッドユニット20側)でのインク消費に伴い、その消費量に対応するインク量のインクが、コイルバネ65の付勢力でポンプ室23aの容積が減少する方向へ付勢されたダイアフラム64の押圧力に基づき記録ヘッドユニット20側(下流側)へ加圧状態で供給される。
その結果、ポンプ室23a内の容積が次第に減少し、遂にはダイアフラム64が下死点位置付近まで変位するとともに、吐出側の弁体74が第4インク流路43dを閉塞する閉弁位置付近まで移動するようになる。ちなみに、本実施形態では、この時点でダイアフラム64に押圧されてポンプ室23aから吐出されるインクの吐出圧は13kPa程度となる。
すると、駆動モータ80が再び正転駆動され、大気開放機構79では大気開放弁84が大気開放孔81を閉塞する閉弁位置に変位するとともに、負圧発生装置78が負圧を発生して負圧室23bが負圧状態となり、ダイアフラム64がコイルバネ65の付勢力に抗して、負圧室23b側に弾性変形(変位)する。すなわち、再び、ポンプ23が吸引駆動を開始する。その結果、ダイアフラム64がポンプ室23aの容積を増加させるべく上死点位置に変位し、ポンプ室23a内が負圧状態になるため、その負圧の作用で吸引側の弁体69が開弁方向へ移動して弁座70から離間する。従って、第1インク流路43aと第2インク流路43bが吸引用一方向弁44の弁室68を介して連通状態となり、インクカートリッジC内からインクが再びポンプ室23a内に吸引される。以後、上記と同様のポンプ23の吐出駆動が実行されて、ポンプ室23a内からインクが下流側のインク流路域を経由して記録ヘッドユニット20へと加圧供給される。
ところで、プリンタ11においては、ノズル29を通じて記録ヘッド18内に気泡が進入したり、合成樹脂製のインク供給チューブ22をガス透過してインク中に溶解した空気がインク中で気泡に成長したりする場合がある。そして、インク中に混入した気泡は、インク流路30の途中に設けられたバッファ32や自己封止弁33の各室などの広い空間に滞留しやすく、そのまま放置すると、やがて大きく成長した気泡がノズル29へ流れ、噴射ミスの原因となる。また、ノズル29からインク溶媒が蒸発することによるインク粘度の上昇や固化、塵埃の付着によりノズルに目詰まりを生じたりすることがあり得る。そこで、こうした場合には、インク流路30の途中に設けたチョーク弁31を閉弁させた状態で記録ヘッド18内を吸引し、ある程度まで負圧が高まった段階でチョーク弁31を開弁させて、記録ヘッド18内から気泡混じりの増粘したインクを一気に吸引除去する、いわゆるチョーククリーニングを実行している。このようなチョーククリーニングを、本実施形態のプリンタ11では、次のようにして実行している。
すなわち、まず図2に示す状態において、キャップ26を記録ヘッド18のノズル形成面18aに対してノズル29を囲うように当接させ、その状態において吸引ポンプ35が駆動される。すると、記録ヘッド18のノズル形成面18aに当接したキャップ26内が負圧状態になるため、その負圧に基づく吸引力がノズル29に付与されてノズル29を通じてインク流路30内が吸引される。このとき、チョーク弁31は、インク流路30を通じて負圧がインク室115に作用するので、インク圧(負圧)と大気圧との差圧に基づきフィルム114がインク室115側へ凹むように撓んで筒部103の上端面に当接して開口を塞ぐ。その結果、チョーク弁31は閉弁する。
そして次に、駆動モータ80が正転駆動され、負圧発生装置78の駆動に伴い、ポンプ23が吸引駆動されるため、吸引用一方向弁44の弁体69が開弁状態になり、インクカートリッジC側からインクがポンプ室23a内に吸引される。そして、ポンプ室23a内がダイアフラム64の上死点位置への変位に伴い容積を増加させ、インクを吸引すると、次には、駆動モータ80が逆転駆動される。すると、大気開放機構79が大気開放弁84を開弁させて負圧室23bの負圧状態を解消するため、コイルバネ65の付勢力によりダイアフラム64がポンプ室23aの容積を減少させる方向に付勢され、ポンプ室23a内からインクが例えば30kpa程度のインク吐出圧で吐出される。
その結果、吸引用一方向弁44の弁体69が閉弁状態になると共に、吐出用一方向弁45の弁体74が開弁状態となり、ポンプ室23a内から吐出された加圧状態のインクが吐出用一方向弁45よりも下流側に加圧供給される。その結果、チョーク弁31のインク室115に加圧インクが供給されてインク室115の圧力が高まるため、チョーク弁31のフィルム114が筒部103から離間してチョーク弁31が開弁する。そして、その時点でチョーク弁31の下流域の負圧が十分高まっており、その段階で、チョーク弁31より上流側に加圧インクが供給されている状態から、チョーク弁31が一気に開弁する。そのため、チョーク弁31よりも上流側のインクが勢い良くインク流路30を流れて記録ヘッド18のノズル29から吸引排出される。その結果、ノズル29内の増粘あるいは固化したインクや、そのインク中に混入する紙粉等の塵埃や、インク流路30内に残っている気泡混じりインクが一気にノズル29からキャップ26内に排出される。そして、キャップ26内に排出された廃インクは、更に廃液タンク36に排出される。
そして、この場合において、ポンプ室23aよりも上流側の吸引用一方向弁44は閉弁しているので、チョーク弁31が開弁してインクが記録ヘッド18側に勢い良く流れても、吸引用一方向弁44よりも上流側からインクが記録ヘッド18側に排出されることはない。そのため、本実施形態のプリンタ11では、インクカートリッジC内のインクの大量消費を抑制しつつチョーククリーニングを実行することが可能である。
また、チョーククリーニングでは、チョーク弁31の開弁によりそれまで負圧となっていた下流域にインクが一気に流れてその下流域がインクで充填されることで、勢いのあるインクの流出は収束する。このチョーク弁31の開弁後のインク流出量Vinkは、チョーク弁31からノズル29までのインク流路(バッファ32のインク貯留室117や自己封止弁33のインク室124及び圧力室123等を含む)の容積V1と、キャップ26の容積V2との和にほぼ等しい(Vink≒V1+V2)。
そして、本実施形態では、チョーク弁31が記録ヘッドユニット20に設けられているので、その下流にバッファ32を設けていてその分の容積が増えるものの、チョーク弁31からノズル29までの容積V1が比較的少なくなる。例えばカートリッジホルダを兼ねたインク供給装置にチョーク弁を設けた構成であると、チョーク弁からノズルまでのインク流路の容積が、インク供給チューブ22内の流路の容積が加わるため、その容積がかなり大きくなる。すなわち、インク供給チューブ22は、キャリッジ15が主走査方向に最大用紙幅に亘る範囲を往復移動するときでも、キャリッジ15に追従することのできる長さで引き回されており、記録ヘッドユニット20におけるインク流路30の流路長に比べかなり長くなっている。
そして、本実施形態の構成では、インク流出量Vinkが相対的に少なく済むことから、このインク流出量Vinkが、ポンプ23が1回の吐出駆動で吐出可能なインク吐出量Vpumpより少なくなっている。このため、ポンプ23の吐出駆動が開始されてチョーククリーニングにおける加圧インクの排出が開始されてから、その加圧インクが、負圧となった下流域全体に充填し終わるまでその1回の吐出駆動を継続できる。例えばインク流出量Vinkのインクが流出する前の途中段階で、ポンプ23の1回の吐出駆動が終了すると、インクの加圧供給が中断されてしまうので、下流域の負圧の力だけでインクが流出することになり、インクの流出の勢いがかなり弱まる。そのため、ポンプ23の1回の吐出駆動終了後のインク流出がクリーニングに有効に活用されない。
また、ポンプの1回の吐出駆動終了後におけるポンプの吸引駆動中においてはノズル29への吸引力の付与を一旦止めて、2回目の吐出駆動が開始されるときに、ノズル29への吸引力の付与を再開して、チョーククリーニングを断続的に行うことも可能ではあるが、この場合、中途半端なインク流出が2回行われることになるので、効果的なクリーニングが行われないばかりか、インク排出量が無駄に多くなる。
よって、本実施形態の構成であれば、インク流出量Vinkのインクが流出し終わるまでポンプ23の吐出駆動をし続けることができるので、流出するインクの全てを効果的なクリーニングに使用できる。
また、インク供給装置の吐出用一方向弁をチョーク弁として兼用し、かつ吐出用一方向弁の閉弁を確実なものとすべくバネで弁体を付勢する弁構造としたチョーク弁の採用も可能ではある。しかし、弁体をバネ付勢する弁構造であってバネと圧力室の室圧との力の均衡により所定圧力で閉弁するチョーク弁は、所定圧力になるまでは閉弁しない弁と言える。そのため、印刷中において、ポンプ23が吐出駆動から吸引駆動に切り換わったときに、吐出用一方向弁を兼ねたチョーク弁が所定圧力になってから閉弁することになるので、この閉弁の遅れにより吐出用一方向弁(チョーク弁)の下流域のインク圧が、大気圧近くまで下がってしまう。
図5は、このような印刷中におけるポンプ駆動に伴うインク圧の時系列変化を示すグラフである。図6は、比較例として、バネ付勢タイプの吐出用一方向弁がチョーク弁を兼ねた構成において、印刷中におけるポンプ駆動に伴うインク圧の時系列変化を示すグラフである。これら図5及び図6の各グラフにおいて、2点鎖線がポンプ23の負圧室23bにおける圧力Pairの変化を示すグラフであり、1点鎖線がポンプ23のポンプ室23aにおけるインク圧Ppumpの変化を示すグラフであり、さらに実線がチョーク弁より下流域のインク圧Pinkの変化を示すグラフである。また、図5及び図6のグラフにおいて、横軸は時間(秒)、縦軸はPink,Ppumpについてはインク圧、圧力Pairについては空気圧を示している。なお、縦軸は、大気圧を「0」とした相対圧力で示している。
印刷中においては、ポンプ23が吸引駆動と吐出駆動とを繰り返すことで、そのうちポンプ23の吐出駆動過程で所定圧(正圧)の加圧インクが供給される。図5のグラフに示すように、ポンプ23の吸引駆動時は負圧室23bの圧力Pair(以下、「負圧室圧力Pair」ともいう)は負圧の最低圧Pminまで低下する。そして、ポンプ23が吸引駆動から吐出駆動に切り換わると、負圧室圧力Pairが負圧の最低圧Pminから正圧の最高圧Pmaxまで上昇する。そして、ポンプ23の吐出駆動期間においてはインクが消費されている間、必要な正圧のインク供給圧にほぼ保持される。
図5に示すように、チョーク弁31が、フィルム114(ダイアフラム)がバネ付勢されていない非バネ付勢タイプ(可撓性フィルムタイプ)の差圧弁の場合、ポンプ23が吐出駆動から吸引駆動に切り換わると、負圧室23bの圧力Pairの低下に追随してダイアフラム64が上側に変位するため、ポンプ室23aのインク圧Ppumpが低下する。その結果、吐出用一方向弁45及びチョーク弁31が閉弁することになるが、このとき吐出用一方向弁45の閉弁が仮に遅れても、チョーク弁31はインク室115のインク圧が低下し始めるとこれに直ぐ反応して閉弁するため、チョーク弁31より下流域のインク圧Pinkがポンプ吐出駆動時のインク圧からさほど低下しない。
一方、図6に示すように、チョーク弁が吐出用一方向弁を兼ねたバネ付勢タイプの差圧弁の場合、ポンプが吐出駆動から吸引駆動に切り換わると、負圧室の圧力Pairの低下に追随してポンプ室のインク圧Ppumpが低下する。その結果、吐出用一方向弁すなわちチョーク弁が閉弁する。このとき、吐出用一方向弁(チョーク弁)は、ポンプ室のインク圧Ppumpが設定圧(吐出駆動過程におけるインク供給圧よりも低い正圧の所定値)に降下した時点で完全に閉弁するので、閉弁するまでの間は吸引駆動に伴うポンプ室のインク圧Ppumpの低下と共に、チョーク弁下流域のインク圧Pinkも低下してしまう。その結果、図6の比較例の場合、チョーク弁下流域のインク圧Pinkが大気圧(0kPa)近くまで低下してしまう。チョーク弁下流域のインク圧Pinkが低下してしまうと、バッファ32に貯留されたインクのインク圧が大気圧近くまで低下することになり、ひいては自己封止弁33のインク室124のインク圧が大気圧近くまで低下することになる。そして、バッファ32内のインクが大気圧近くまで低下した状態でポンプ吸引駆動期間における記録ヘッド18のインクの消費が開始され、自己封止弁が開弁してインクが記録ヘッド18側へ補充される度に、バッファ32内のインクが減量してそのインク圧が徐々に低下する。このようにポンプ吸引駆動開始時におけるバッファ32の初期インク圧が低いと、所定量のインクを供給した後のバッファ32のインク圧は、その初期インク圧を高く保持できた場合に比べかなり低くなる。そして、ポンプ吸引過程で最後に自己封止弁が開弁する際のインク室のインク圧がかなり低下してしまう。そのため、自己封止弁の開閉タイミングがずれるなどして圧力室が通常開弁するインク圧より減圧してからでないと自己封止弁が開弁しないなどの不具合が発生しやすくなる。この場合、記録ヘッド側のインク流路へ通常より低いインク圧のインクが供給されてしまうため、例えば記録ヘッドのノズルから噴射されるインク滴サイズ(液量)が適正値より少なくなってしまい、ターゲット(例えば用紙)上に過小サイズのインクドットが形成されるなどの不具合が発生する。
これに対し、本実施形態のチョーク弁31は非バネ付勢タイプの差圧弁であって可撓性のフィルム114が受圧するインク圧のみで開閉するため、ポンプ23が吐出駆動から吸引駆動へ切り換わった際に、吐出用一方向弁45が閉弁するまでの過程でその下流域のインク圧Pinkが低下し始めれば直ちに閉弁する。よって、図5のグラフに示すように、ポンプ23の吸引駆動への切り換わりによりポンプ室23aのインク圧Ppumpが一気に低下しても、そのインク圧Ppumpの低下開始時期に直ぐチョーク弁31が閉弁することで、チョーク弁下流域のインク圧Pinkは比較的高いインク圧に保持される。その結果、自己封止弁33のインク室124が比較的高いインク圧Pinkに保持され、この状態で記録ヘッド18内のインクの消費が進んでインク補充のために自己封止弁33が開弁すると、記録ヘッド18側のインク流路97へ適正なインク圧のインクが供給される。そのため、ポンプ吸引駆動期間においても、記録ヘッド18のノズル29から適正サイズ(液量)のインク滴が噴射され、ターゲット(例えば用紙)上に適正サイズのインクドットが形成される。よって、このプリンタ11によって高品質な印刷が行われる。
また、本実施形態では、吸引用及び吐出用一方向弁44,45もバネ付勢タイプではなく、弁座70,75の中央部開口へ流入するインクの流入圧に弁体69,74が吸い寄せられて閉弁する弁構造を採用している。このため、ポンプ23が吐出駆動から吸引駆動へ切り換わって、弁室73内のインクが弁座75の中央部開口へ流入し始めると、その流入圧に引き寄せられた弁体74が弁座75に当接して、吐出用一方向弁45は比較的速やかに閉弁する。そのため、吐出用一方向弁45の下流域のインク圧についても比較的高く保持できる。
さらに、本実施形態では、記録ヘッドユニット20においてチョーク弁31の下流側にバッファ32を設けたので、以下の作用効果が得られる。例えばプリンタ11が大型プリンタである場合には、用紙幅がかなり広くなり、記録ヘッド18の1回の走査で噴射されるインク量がかなり多くなる。また、大型プリンタでなくても、プリンタ11がベタ印刷などを行う場合は、記録ヘッド18が1走査当たりに噴射するインク噴射量がかなり多くなる。
このように1走査当たりのインク噴射量がかなり多い印刷中においては、ポンプ23の吸引駆動によるインク供給中断期間に、多量のインクが消費される。しかし、本例では、ポンプ23の吐出駆動過程でバッファ32に貯留されたインクが、ポンプ23の吸引駆動過程において自己封止弁33を経由して記録ヘッド18側へ供給される。よって、ポンプ23の吸引駆動期間中であってインク供給が中断されている期間においても、記録ヘッド18に供給すべきインクが不足することがないので、印刷を継続することができる。
ここで、ポンプ23の吐出駆動過程では、バッファ32のインク貯留室117に加圧インクが貯留され、フィルム116が図4に示すように外側(大気側)へ膨らんだ状態になる。そして、ポンプ23が吸引駆動に切り換わった後は、前述のとおり、チョーク弁31が閉弁してその下流域のインク圧Pinkが比較的高く保持されるので、バッファ32にも加圧インクが貯留される。
ここで、自己封止弁33は、フィルム118が弁体119を介してバネ121により外側(室外側)に付勢されている構成なので、圧力室123のインク圧は大気圧より若干低い負圧に保持される。そして、ノズル29からインク滴が噴射されて記録ヘッド18内のインクの消費が進むに連れて、自己封止弁33の圧力室123のインクが徐々に減量すると、フィルム118(ダイアフラム)がバネ121の付勢力に抗して圧力室123側へ凹むように撓んで弁体119を押すことで自己封止弁33が開弁する。この開弁により、自己封止弁33において、高圧側のインク室124から連通孔102を通じて低圧側の圧力室123へインクが流入し、圧力室123で減圧されたインクが記録ヘッド18側のインク流路97へ補充される。
このとき、1走査当たりのインク噴射量が多い条件での印刷では、ポンプ23の吸引駆動期間においてバッファ32内のインクがかなりの速度で消費され、それまで外側へ膨らんでいたフィルム116がやがて平坦になり、さらにはインク貯留室117側へ凹んだ状態になる。このとき、フィルム116がフラットな状態に復元しようとする復元力(室容積を大きくする方向の力)をインク貯留室117内のインクが受けてインクはその分減圧する。しかし、このような非バネ付勢タイプのバッファ32におけるフィルム116の復元力は、フィルムをコイルバネで外側へ付勢するバネ付勢タイプのものに比べ非常に小さく無視できる程度の値なので、そのフィルム116の復元力に起因するインクの減圧は非常に小さい。よって、フィルム116が内側へ凹んだ状態に撓むまでバッファ32内のインクが消費されても、そのインク圧はヘッド供給圧より高い必要圧以上に保持される。その結果、自己封止弁33のインク室124のインク圧も常に圧力室123のインク圧(つまりヘッド供給圧)よりも高い必要圧以上に保持される。よって、自己封止弁33は圧力室123が設定圧力になると開弁し、そのインク室124から圧力室123にインクが補充されるので、記録ヘッド18内のインク圧は設定圧(ヘッド供給圧)に保持される。よって、記録ヘッドへの供給インク圧が設定より低いことに起因する、過小インク滴サイズのインク滴の噴射や、インク滴が噴射されないなどの噴射ミスの発生を回避できる。
例えば記録ヘッドユニット側のインク流路の途中にインク貯留室が存在しても、それが可撓性フィルム(ダイアフラム)を外側へバネで付勢するタイプのインク貯留室であったり、単に流路を拡開しただけで四方を壁面で囲まれたインク貯留室である場合には、インクの消費が進むと、インク貯留室内のインクが減圧してかなりの負圧になってしまう。この場合、自己封止弁のインク室に印加されるインク圧が例えばヘッド供給圧以下になってしまうと、自己封止弁が適正な圧力で開弁しなかったり、開弁してもインク室と圧力室の圧力差が過小なためにインクの補充速度が遅くなったりインクが補充されないなど、記録ヘッドへのインクの補充が不完全なものとなる。これに対して、本実施形態のバッファ32は、インク貯留室117内のインクが減量してフィルム116が内側(室内側)へ撓んでも、その内側へ撓んだフィルム116に働く復元力が非常に弱いためにインクの減圧は僅かで済み、バッファ32から自己封止弁33のインク室124に及ぶインク圧が必要圧以上に保持される。このため、自己封止弁33は圧力室123が設定圧の範囲にあるときに開弁することになり、記録ヘッド18内のインク圧を適正な圧力に保ちつつ記録ヘッド18へのインク供給を行うことができる。
また、バッファ32は、記録ヘッドユニット20に設けられたチョーク弁31より下流側に設けられているので、チョーク弁下流域の高いインク圧Pinkのインクをインク貯留室に貯留できるうえ、ノズル29までの流路長が相対的に短く済むことから、バッファ32からノズル29までの流路での圧力損失が比較的少なく済む。そのため、記録ヘッド18内のノズル29に至るまで必要な供給圧を維持できる。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られる。
(1)チョーク弁31が記録ヘッドユニット20に設けられているので、その下流側に設けたバッファ32分の容積が増えるものの、チョーク弁31からノズル29までの容積V1を比較的少なく済ませられる。そのため、チョーククリーニング時のインク流出量Vinkが、ポンプ23の1回の吐出駆動で吐出可能なインク吐出量Vpumpより少なくなっている。このため、ポンプ23の1回の吐出駆動の開始から終了までの間に、負圧となった下流域全体に加圧インクを一気に流し終えて、チョーククリーニングを完結することができる。そのため、チョーククリーニングがポンプの1回の吐出駆動で完結せず、途中でポンプが吸引駆動に切り換わることによるチョーククリーニングの中断を回避できる。よって、インク流出量Vinkのインクが流出し終わるまでポンプ23の吐出駆動を継続できるので、流出するインクの全てをクリーニングに有効に活用できる。
(1)チョーク弁31が記録ヘッドユニット20に設けられているので、その下流側に設けたバッファ32分の容積が増えるものの、チョーク弁31からノズル29までの容積V1を比較的少なく済ませられる。そのため、チョーククリーニング時のインク流出量Vinkが、ポンプ23の1回の吐出駆動で吐出可能なインク吐出量Vpumpより少なくなっている。このため、ポンプ23の1回の吐出駆動の開始から終了までの間に、負圧となった下流域全体に加圧インクを一気に流し終えて、チョーククリーニングを完結することができる。そのため、チョーククリーニングがポンプの1回の吐出駆動で完結せず、途中でポンプが吸引駆動に切り換わることによるチョーククリーニングの中断を回避できる。よって、インク流出量Vinkのインクが流出し終わるまでポンプ23の吐出駆動を継続できるので、流出するインクの全てをクリーニングに有効に活用できる。
(2)チョーク弁31として、可撓性のフィルム114を備えた非バネ付勢タイプの差圧弁を採用したので、ポンプ23が吐出駆動から吸引駆動に切り換わってインク圧が吐出駆動圧から低下し始めると、チョーク弁31が直ぐに閉弁するため、チョーク弁31より下流域のインク圧Pinkをさほど下げることなく比較的高く保持できる。そのため、自己封止弁33のインク室124の圧力がさほど下がらず、ポンプ吸引駆動中に自己封止弁33が開弁した際に記録ヘッド18側へ適正圧のインクを供給することができる。例えばインク供給装置の吐出用一方向弁をチョーク弁として兼用したバネ付勢タイプとした場合は、ポンプの吸引駆動への切り換わり時にインク圧が低下し始めてからチョーク弁の閉弁遅れが発生し、チョーク弁下流域のインク圧Pinkが大気圧近くまで下がってしまう問題があり、この場合、記録ヘッドのノズルから過小サイズのインク滴が噴射されるなどの不都合が発生する。しかし、本実施形態のチョーク弁31であれば、この種の過小サイズのインク滴が噴射されるなどの不具合を解消できる。
(3)記録ヘッドユニット20にバッファ32を設けたので、ポンプ23の吸引駆動によるインク供給中断期間に、1走査当たりのインク噴射量の多い条件での印刷中であっても、バッファ32に貯留されたインクが供給されることで、記録ヘッド18のノズル29から噴射すべきインクが不足することを回避できる。例えばプリンタ11が大型プリンタであったり、大型以外のプリンタでもベタ印刷時において、噴射すべきインクの不足に起因する印刷ミスの発生を防止できる。
(4)バッファ32は、インク貯留室117を区画形成する部材の一部として可撓性のフィルム116を備えた非バネ付勢タイプの構成なので、インク貯留室117(インク室)内のインクが消費により減量してもそのインク圧が大気圧未満に減圧しない状態に保持できる。よって、ポンプ23の吸引駆動のためインクの供給が中断されているときに、インクの消費が進んでも必要圧以上のインク圧でインクを記録ヘッド18側へ供給することができる。例えば流路の壁面を拡開して形成されただけのインク貯留室や、可撓性フィルムで塞がれたインク貯留でもその可撓性フィルムがバネで外側(室外側)に付勢されているバネ付勢タイプのインク貯留室であると、インクの消費が進んでその室内のインクが減量すると、その減量に連れて減圧が進み、その室内のインク圧が例えば大気圧未満(負圧)にまで減圧してしまう。この場合、記録ヘッド内のインク圧が著しく低下し、ノズルから噴射されるべきインク滴のサイズが過小となったり、インク滴が噴射されないなどの噴射ミスを誘発する。しかし、本実施形態のバッファ32によれば、このような記録ヘッド18内のインクの過度な減圧を回避できるので、正常なインク滴噴射を継続できる。
(5)記録ヘッドユニット20においてチョーク弁31とノズル29との間のインク流路93の途中には、ノズル29から噴射されて消費された分量のインクを補充すべく開弁する弁体バネ付勢タイプの差圧弁である自己封止弁33を設けた。よって、記録ヘッド18側へ適切なインク圧でインクを補充することができる。
(6)記録ヘッドユニット20に対しそのインク流路93の上流側から順に、チョーク弁31、バッファ32、自己封止弁33(バネ付勢タイプの差圧弁)を設けた。このため、チョーククリーニング時には、バッファ32及び自己封止弁33の各室内に溜まった気泡を排出することができる。すなわち、バッファ32及び自己封止弁33の各室がノズル29からの吸引力が及んで負圧になることで、各室内のインク中に混入する小さな気泡が大サイズに成長し、気泡が大きく成長することで、チョーククリーニング時の気泡の排出性がよくなる。よって、例えばバッファ32及び自己封止弁33の各室内からノズル29まで流れた気泡に起因するインク滴サイズの不足や、インク滴が噴射されないドット抜けなどの噴射ミスの発生を回避することができる。
(7)さらにインク供給装置21における吐出用一方向弁45として、弁体74が弁座75の中央部開口へ流入するインクに引き寄せられて弁座75に当接して閉弁する非バネ付勢タイプの弁構造を採用した。そのため、ポンプ23の吸引駆動への切り換わりに伴いポンプ室23aが減圧し始めると、吐出用一方向弁45が速やかに閉弁するので、その下流域のインク圧をさほど下げずに済む。さらに吸引用一方向弁44も同様の非バネ付勢タイプの弁構造なので、ポンプ23の吐出駆動時にポンプ室23aのインク圧が上がっても、速やかに閉弁するので、インクカートリッジCへのインクの逆流を効果的に阻止できる。また、弁室68,73にゴム片よりなる弁体69,74を収容しただけの簡単な弁構造なので、一方向弁44,45の部品点数を少なくできるうえ、その製造も簡単なので、インク供給装置21を比較的簡単に構成することができる。
(8)バッファ32を記録ヘッドユニット20に設けたので、可撓性のあるインク供給チューブ22に繋ぐ必要がないので、インク供給チューブ22におけるインクの圧力損失によりバッファ32の内圧が下がることを防止でき、バッファ32のインク圧を比較的高く保持できる。また、バッファ32を記録ヘッドユニット20に設けたことで、バッファ32からノズル29までの流路長が比較的短く済むので、バッファ32内のインク供給圧をさほど圧力損失により低下させることなく自己封止弁33のインク室124に印加することができる。
(9)記録ヘッドユニット20に設けられたバッファ32に貯留されたインクが記録ヘッド18に供給される構成であるため、例えば印刷途中においてインクカートリッジC内のインクがエンド(空状態)に達したことを検出手段により検出されても、その印刷を最後まで行うことができる。特にロール紙に印刷する場合、その印刷の開始に先立ち印刷の途中でインクエンドに達するか否かの判断を行っていないが、印刷中にインクエンドに達してもその印刷を最後まで完了できる。そのため、印刷を途中で中断したためにその中断箇所で色目が変わるなどの不具合を回避できる。例えばインクエンドに達したことをユーザがホスト装置の画面表示やランプ点灯などによる通知で知ると、その後、しばらくはバッファ32から供給されるインクで例えば数分(2〜5分程度)の印刷が継続されるので、ユーザは印刷中にインクカートリッジ交換を行うこともできる。
前記実施形態は上記に限定されず、以下の態様に変更することもできる。
(変形例1)チョーク弁として、非バネ付勢タイプの差圧弁を採用したが、バネ付勢タイプの差圧弁を採用してもよい。さらにチョーク弁を電磁弁で構成することもできる。これらの構成であっても、チョーク弁を記録ヘッドユニットに設けて、ポンプ23の1回の吐出駆動でチョーククリーニングを完結できるようにすれば、インクを無駄にすることなく効果的なチョーククリーニングを行うことができる。
(変形例1)チョーク弁として、非バネ付勢タイプの差圧弁を採用したが、バネ付勢タイプの差圧弁を採用してもよい。さらにチョーク弁を電磁弁で構成することもできる。これらの構成であっても、チョーク弁を記録ヘッドユニットに設けて、ポンプ23の1回の吐出駆動でチョーククリーニングを完結できるようにすれば、インクを無駄にすることなく効果的なチョーククリーニングを行うことができる。
(変形例2)バッファ32を廃止することもできる。ポンプ23の吸引駆動期間においても不足することなくインクを供給できるのであれば、バッファ32がなくても問題はない。また、バッファ32が無い構成では、インク流出量Vinkを、ポンプ23の1回の吐出駆動で供給できるインク吐出量Vpump未満とすることがより一層しやすく、ポンプ23の1回の吐出でチョーククリーニングを完結できる効果は得られる。
(変形例3)ポンプはダイアフラム式ポンプであることに限定されず、吸引駆動と吐出駆動が行われるその他の脈動型ポンプを採用してもよい。例えばベローズ式ポンプ(蛇腹式ポンプ)や、ピストン式ポンプを採用することもできる。この場合も、インク流出量Vink<インク吐出量Vpumpの条件を満たすことで、ポンプの1回の吐出駆動でチョーククリーニングを完結して、効果的なチョーククリーニングを行うことができる。
(変形例4)前記実施形態では、ノズルに付与される吸引力によりチョーク弁が閉弁する構成としたが、ポンプ23を吸引駆動することでチョーク弁を閉弁させ、その後、ノズルに吸引力を付与する構成としてもよい。この場合、前記実施形態の構成の場合に起こりうるチョークが閉弁するまでにインクが無駄に排出されてしまうことを回避できる。
(変形例5)記録ヘッドで必要なインク圧に減圧して記録ヘッドにインクを補充する液体補充機構として自己封止弁33を設けたが、例えば特許文献2に記載されたようなインク貯留ケースの開口を可撓性のフィルムで塞ぎ、そのフィルムを外側へ付勢するバネを室内に収容して構成される減圧機構を液体補充機構として採用することもできる。
(変形例6)前記実施形態では、インク供給装置がカートリッジホルダを兼ね、記録ヘッドユニット20と別体となる構成としたが、特許文献2のようにポンプと一対の一方向弁とを備えたインク供給装置が記録ヘッドユニット20に搭載された構成も採用できる。この場合、記録ヘッドユニットにおいてインク供給装置の吐出用一方向弁の下流にチョーク弁31及びバッファ32が設けられる。もちろん、吐出用一方向弁がチョーク弁を兼ねてもよい。このような構成でも、インク流出量Vink<インク吐出量Vpumpの条件を満たすように、ポンプサイズ(吐出容積)、流路サイズ(流路容積を決める流路長・流路径)、キャップサイズ(キャップ容積)等を決めることで、ポンプ23の1回の吐出駆動でチョーククリーニングを完結でき、インクの無駄がほとんどない効果的なチョーククリーニングを行うことができる。
(変形例7)前記実施形態では、インクジェット式シリアルプリンタに適用したが、インクジェット式ラインプリンタにも適用できる。ラインプリンタの場合、例えば記録ヘッドユニットはプラテンギャップ調整のために昇降(Z方向)のみ可能で平面方向(XY方向)には移動不能な固定式となる。
(変形例8)上記実施形態では、インクジェット式のプリンタと、インクカートリッジが採用されているが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置と、その液体を収容した液体容器を採用してもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散または混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インクおよび油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散または溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置および液体容器に本発明を適用することができる。
前記実施形態及び各変形例から把握される技術的思想を以下に記載する。
(1)前記弁手段は、弁室(115)の一部を区画形成するダイアフラム(114)を有し、当該ダイアフラムを隔てた両側の圧力差に基づき撓み変形して当該ダイアフラムが弁座(103)に対して当接・離間することで開閉する差圧弁であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか一項に記載の液体供給装置。
(1)前記弁手段は、弁室(115)の一部を区画形成するダイアフラム(114)を有し、当該ダイアフラムを隔てた両側の圧力差に基づき撓み変形して当該ダイアフラムが弁座(103)に対して当接・離間することで開閉する差圧弁であることを特徴とする請求項2乃至7のいずれか一項に記載の液体供給装置。
(2)前記バッファ室(32)は、前記ポンプの吸引駆動過程で室内の液体が減量してもその室内の液圧が前記液体噴射ヘッドへの液体供給圧よりも高く保持されるように構成されていることを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一項に記載の液体供給装置。この構成によれば、バッファ室に貯留された液体が減量してもその室内の液圧が液体噴射ヘッドに供給すべき液体の圧力(液体供給圧)より高く保持されるので、バッファ室からの液体を必要な供給圧で液体噴射ヘッドに供給できる。
(3)前記液体補充機構は、前記噴射口から噴射されて消費された分量の液体を補充すべく開弁する弁体バネ付勢タイプの差圧弁であることを特徴とする請求項6又は7に記載の液体供給装置。
11…液体噴射装置としてのプリンタ、15…液体噴射ヘッドユニットを構成するキャリッジ、18…液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド、18a…噴射口形成面としてのノズル形成面、20…液体噴射ヘッドユニットとしての記録ヘッドユニット、21…液体供給手段としてのインク供給装置、22,22a〜22d…液体供給流路を構成するとともに管路としてのインク供給チューブ、23…ポンプ、23a…ポンプ室、23b…負圧室、25…クリーニング手段としてのメンテナンス装置、26…クリーニング手段を構成するキャップ、29…噴射口としてのノズル、30…液体供給流路を構成するインク流路、31…弁手段及び非バネ付勢タイプの差圧弁としてのチョーク弁、32…バッファ室としてのバッファ、33…液体補充機構としての自己封止弁、35…クリーニング手段を構成するとともに吸引手段としての吸引ポンプ、36…廃液タンク、39…インク供給口、40…インク供給針、43…液体供給流路を構成するインク流路、44…上流側の一方向弁としての吸引用一方向弁、45…下流側の一方向弁としての吐出用一方向弁、51…第1流路形成部材、52…第2流路形成部材、53…可撓性部材、54…凹部、55…凹部、63…凹部、64…ダイアフラム、68…弁室、69…弁体、73…弁室、74…弁体、78…負圧発生装置、79…大気開放機構、97…インク流路、103…弁手段を構成する筒部、114…弁手段を構成するとともにダイアフラムとしてのフィルム、115…弁手段を構成するインク室、116…バッファ室を構成する可撓性部材としてのフィルム、117…バッファ室を構成するインク貯留室、118…液体補充機構を構成するフィルム、119…液体補充機構を構成する弁体、121…バネ付勢タイプの差圧弁を構成するコイルバネ、123…液体補充機構を構成する圧力室、124…液体補充機構を構成するインク室、C,C1〜C4…液体供給源(液体収容体)としてのインクカートリッジ、V1…弁手段(チョーク弁)の閉弁位置から噴射口(ノズル)までの流路の容積、V2…キャップの容積、Vink…総容積としてのインク流出量、Vpump…ポンプが1回の吐出駆動で吐出できる液体吐出量としてのインク吐出量。
Claims (8)
- 液体を噴射する噴射口を有する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドの噴射口に吸引力を付与して当該噴射口から液体を強制的に排出させるクリーニング手段とを備えた液体噴射装置に設けられ、前記液体噴射ヘッドに対して液体供給源からの液体を供給する液体供給装置であって、
前記液体供給源と前記液体噴射ヘッドとを連通する液体供給流路の途中に設けられたポンプと、該ポンプの上流側及び下流側に設けられた一対の一方向弁とを有し、前記ポンプが前記液体供給源から液体を吸引する吸引駆動と、吸引した液体を吐出する吐出駆動とを行って下流側へ液体を供給する液体供給手段と、
前記液体供給流路によって前記液体供給手段と連通されるとともに前記液体噴射ヘッドを有する液体噴射ヘッドユニットと、
前記液体供給流路の前記ポンプの下流側となる前記液体供給流路の途中に設けられて前記噴射口に付与された前記吸引力によって閉弁状態に保持され、閉弁状態において前記ポンプの吐出駆動による液体の供給圧により開弁する弁手段とを備え、
前記弁手段は前記液体噴射ヘッドユニットに設けられていることを特徴とする液体供給装置。 - 前記弁手段は、弁室の一部を区画形成するダイアフラムを有し、当該ダイアフラムがバネ付勢されていない非バネ付勢タイプの差圧弁であることを特徴とする請求項1に記載の液体供給装置。
- 前記液体噴射ヘッドのクリーニングは、前記クリーニング手段が前記ポンプの駆動停止又は吸引駆動の状態下で作動されて前記噴射口に吸引力を付与することで前記弁手段の閉弁位置よりも下流域を負圧とし、前記弁手段の下流域の負圧が十分高まったとみなしうる設定タイミングで前記液体供給手段が前記ポンプの吐出駆動を開始することで行われることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体供給装置。
- 前記クリーニング手段は、前記液体噴射ヘッドにおいて前記噴射口が開口する噴射口形成面に前記噴射口を囲む状態に当接可能なキャップと、該キャップの内部に吸引力を及ぼさせる吸引手段とを備え、
前記ポンプが1回の吐出駆動で吐出できる液体吐出量は、前記弁手段の閉弁位置から前記噴射口までの流路の容積と、前記キャップの容積とを加えた総容積よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体供給装置。 - 前記液体噴射ヘッドユニットにおいて前記弁手段と前記噴射口との間の液体供給流路の途中には、前記ポンプの吸引駆動過程で前記液体噴射ヘッドに供給するための液体を、前記ポンプの吐出駆動過程で貯留しておくためのバッファ室が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体供給装置。
- 前記液体噴射ヘッドユニットにおいて前記弁手段と前記噴射口との間の液体供給流路の途中には、前記噴射口から噴射されて消費された分量の液体を前記液体噴射ヘッドで必要な供給圧に減圧して当該液体噴射ヘッドに補充する液体補充機構が設けられていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体供給装置。
- 前記液体噴射ヘッドユニットには、前記液体供給流路の上流側から順に、前記弁手段、バッファ室、前記液体補充機構が設けられていることを特徴とする請求項6に記載の液体供給装置。
- 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体供給装置と、前記液体供給装置から供給された液体を噴射口から噴射する液体噴射ヘッドと、前記噴射口に負圧を付与することで当該噴射口から液体を強制的に排出させるクリーニング手段とを備えたことを特徴とする液体噴射装置。
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