JP5338204B2 - 液体供給装置、液体噴射装置、及び液体供給方法 - Google Patents

液体供給装置、液体噴射装置、及び液体供給方法 Download PDF

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Description

本発明は、液体供給装置、液体噴射装置、及び液体供給方法に関する。
従来、液体噴射ヘッドからターゲットに対して液体を噴射させる液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、「プリンタ」と言う)が広く知られている。このプリンタでは、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドのノズルからインク溶媒が蒸発することによるインク粘度の上昇や固化、塵埃の付着によりノズルに目詰まりを生じたり、さらにはノズルから記録ヘッド内に気泡が混入したりして、印刷不良を引き起こす虞があった。
そこで、特許文献1に示すように、従来のプリンタでは、このようなノズルの目詰まりや気泡混入を解消させる方法として、いわゆるチョーククリーニングというクリーニング方法を実行可能となっている。チョーククリーニングでは、液体供給源となるインクカートリッジから記録ヘッドにインクを供給するインク供給流路(液体供給流路)の途中に設けられたバルブを閉弁し、その状態において記録ヘッドのノズル形成面側からノズルを介して記録ヘッド内を吸引するようにしている。そして、その吸引力により記録ヘッド内に負圧を生じさせ、記録ヘッド内に存在する気泡を膨張させた後、このバルブを開弁してインクカートリッジ側からインクを勢いよく記録ヘッド内に流入させることにより、記録ヘッド内の固化したインクや気泡をノズルから強制的に排出するようにしている。
特開2004−90453号公報
ところで、特許文献1のプリンタの場合には、インクカートリッジと記録ヘッドとを接続するインク供給流路を開閉可能なバルブがインク供給流路の途中に一つしか設けられていない。そのため、チョーククリーニング時には、その一つのバルブを開弁すると、記録ヘッドのノズルを介してインク供給流路内に作用させていた負圧の分だけインクカートリッジ側からインク供給流路を介して記録ヘッド側にインクが大量に流入してしまう。したがって、このプリンタでは、チョーククリーニング時におけるインクの無駄な消費量が大きくなるという問題があった。さらには、複数のインク供給流路が各々対応する液体供給源から記録ヘッドに対して並列状態で接続されている場合には、各インク供給流路の流路抵抗の差によって、各液体供給源におけるインクの消費量に差が生じてしまうという問題点も有していた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、液体供給流路の途中に設けたバルブを閉弁した状態で液体供給流路内に液体供給源側となる上流側から下流側に向けて液体を勢い良く流動させる圧力を作用させ、その状態で前記バルブを開弁させた場合でも、液体供給源側から液体が下流側へ無駄に供給されて消費されることを抑制できる液体供給装置を提供することにある。また、そのような液体供給装置を備えた液体噴射装置、及び、そのような液体供給方法を提供することをも目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の液体供給装置は、液体供給源側となる上流側から液体が消費される下流側に向けて液体を供給する液体供給流路と、該液体供給流路の途中に該液体供給流路を開閉可能に設けられた第1のバルブと、該第1のバルブよりも前記液体供給流路における下流側に該液体供給流路を開閉可能に設けられ、前記液体供給流路を閉塞する閉弁位置と開放する開弁位置との間を変位自在なバルブ本体と、該バルブ本体を閉弁位置の方向に向けて付勢する付勢部材と、を有した第2のバルブと、前記第1のバルブと前記第2のバルブとの間における前記液体供給流路の一部をポンプ室としてポンプ駆動するポンプと、を備え、前記第2のバルブは、該第2のバルブの下流側に負圧が作用すると前記バルブ本体が閉弁するとともに、前記ポンプのポンプ駆動によって、前記ポンプ室内から加圧供給される前記液体の圧力が、前記第2のバルブの前記付勢部材の付勢力に抗して、前記第2のバルブの前記バルブ本体に作用することで前記第2のバルブが開弁状態に切り替わる
この構成によれば、第2のバルブは、バルブ本体が付勢部材の付勢力により常には閉弁状態にあるものの、ポンプの吐出駆動によりポンプ室から吐出された液体の圧力がバルブ本体に正圧として作用した場合には開弁状態に切り替わる構成となっている。すなわち、上記の構成により、特別な制御構成を備えることなく第2のバルブの開閉状態を自動的に切り替えることができる。また、第2のバルブは、下流側に負圧が作用すると閉弁するとともに、ポンプ室内から液体が加圧供給されると開弁する。そのため、液体供給流路における下流側の途中に設けた第2のバルブを閉弁した状態でポンプ室内から液体を加圧供給すると、第2のバルブの下流側に作用した負圧と相まって液体を勢い良く流動させることができる。
また、本発明の液体供給装置において、前記第2のバルブは、前記ポンプのポンプ駆動によって、前記ポンプ室内の圧力が低下すると前記バルブ本体が閉弁する。
また、本発明の液体供給装置において、前記ポンプが前記ポンプ室の容積を増大させて該ポンプ室内に前記液体を吸引する吸引駆動時には、前記第1のバルブが開弁状態になると共に前記第2のバルブが閉弁状態になる一方、前記ポンプが前記ポンプ室の容積を減少させて該ポンプ室内から前記液体を吐出する吐出駆動時には、前記第1のバルブが閉弁状態になると共に前記第2のバルブが開弁状態になる。
この構成によれば、液体供給流路における第1のバルブと第2のバルブとの間にポンプ室を有するポンプがポンプ駆動することにより、ポンプ室よりも上流側の第1のバルブと下流側の第2のバルブが交互に開弁状態と閉弁状態とに切り替えられる。そのため、液体供給源を加圧するための大がかりな加圧手段を設けなくても、液体供給源側となる上流側から下流側に液体供給流路を介して液体を小刻みに供給することができる。
また、本発明の液体供給装置において、前記ポンプは、前記ポンプ室の容積を増減させるように変位する変位部材と、該変位部材を前記ポンプ室の容積が減少する方向又は増加する方向に付勢する付勢部材を備えている。
この構成によれば、ポンプをポンプ駆動させて液体を供給する場合には、ポンプを吸引駆動させる場合又は吐出駆動させる場合の何れか一方の場合にのみ付勢部材の付勢力に抗して変位部材を変位させればよく、逆の場合は付勢部材の付勢力で変位部材が元の状態に変位するので、ポンプの駆動負荷を低減することができる。
また、本発明の液体供給装置において、前記第1のバルブは、前記液体供給流路を閉塞する閉弁位置と開放する開弁位置との間を変位自在なバルブ本体と、該バルブ本体を閉弁位置の方向に向けて付勢する付勢部材とを含んで構成され、前記第1のバルブの前記バルブ本体は前記ポンプ室内に吸引される前記液体の圧力が負圧として作用した場合に前記付勢部材の付勢力に抗して開弁位置の方向に変位する。
この構成によれば、第1のバルブは、バルブ本体が付勢部材の付勢力により常には閉弁状態にあるものの、ポンプの吸引駆動によりポンプ室に吸引される液体の圧力がバルブ本体に負圧として作用した場合には開弁状態に切り替わる構成となっている。すなわち、上記の構成により、特別な制御構成を備えることなく第1のバルブの開閉状態を自動的に切り替えることができる。
また、本発明の液体噴射装置は、液体を噴射する液体噴射ヘッドと、上記構成の液体供給装置とを備えた。
この構成によれば、上記液体供給装置と同様の作用効果を奏し得る
また、本発明の液体供給装置における液体供給方法は、液体供給源側となる上流側から下流側に向けて液体を供給する液体供給流路の途中に該液体供給流路を開閉可能に各々設けられた第1のバルブと第2のバルブのうち、前記第1のバルブよりも下流側に設けられた前記第2のバルブを閉弁状態とするとともに前記第2のバルブの下流側を負圧とした状態で、前記第1のバルブと前記第2のバルブとの間における前記液体供給流路の一部をポンプ室としてポンプ駆動するポンプによって、前記ポンプ室内から加圧供給される前記液体の圧力を、前記第2のバルブを閉弁させる方向に付勢する付勢部材の付勢力に抗して、前記第2のバルブに作用させることで、前記第2のバルブを開弁状態に切り替える
また、本発明の液体供給装置における液体供給方法は、前記液体を前記ポンプ室内に吸引する前記ポンプの吸引駆動によって、前記第2のバルブを閉弁させた後、前記第1のバルブを閉弁した状態で前記第2のバルブを開弁状態に切り替えて、前記第2のバルブの下流側に向けて前記液体圧力を作用させる。
ここで、第1のバルブと第2のバルブとの間の液体供給流路の途中に設けられたポンプがポンプ作動した後は、ポンプ室からの吐出圧により下流側の第2のバルブは開弁状態となっている。そして、この開弁状態において、液体供給流路内に上流側から下流側に向けて液体を勢い良く流動させる圧力(負圧)を作用させると、その負圧により第2のバルブが閉弁するまでの間に、ポンプ室内の液体が下流側の液体供給流路内に吸い出され、結果として第2のバルブが閉弁する時点までにインクが無駄に消費されることとなる。
この点、上記構成によれば、まずポンプを吸引駆動することによりポンプ室内の圧力が低下することに伴ってポンプよりも下流側の第2のバルブが閉弁し、その閉弁状態で液体供給流路内に下流側から負圧が作用することになる。すなわち、液体供給流路内の負圧が高まると同時に第2のバルブが確実に閉弁し、ポンプ室内の液体が下流側の液体供給流路内に流出することを抑制可能となる。そして、この第2のバルブを閉弁状態とした後において、ポンプを吐出駆動することによりポンプ室内からの吐出圧によって第2のバルブを開弁し、液体供給流路内にインクを流すことでインク消費量の少ないチョーククリーニングを実行することができる。
以下、本発明を液体噴射装置の一種であるインクジェット式記録装置(以下、「プリンタ」と言う。)に具体化した一実施形態を図1〜図3にしたがって説明する。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ11は、ターゲット(図示略)に対してインク(液体)を噴射する液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド12と、この記録ヘッド12に液体供給源としてのインクカートリッジ13に収容されているインクを供給する液体供給装置としてのインク供給装置14を備えている。インク供給装置14には、インクカートリッジ13に上流端が接続されると共に、記録ヘッド12に下流端が接続された状態で、インクカートリッジ13側となる上流側から記録ヘッド12側となる下流側に向けてインクを供給するインク流路(液体供給流路)15が設けられている。
なお、プリンタ11には、そのプリンタ11で使用するインクの色数(種類)に対応して複数のインク供給装置14が設けられている。但し、それらの構成は同じであるため、図1には何れか一色のインクを供給する一つのインク供給装置14を記録ヘッド12及び一つのインクカートリッジ13と共に図示している。そして、以下においては、この図1に示す一つのインク供給装置14のインク流路15を介して上流側のインクカートリッジ13から下流側の記録ヘッド12に向けてインクを供給する場合を例にして説明することにする。
図1に示すように、記録ヘッド12には、インク供給装置14の設置数と対応する複数(本実施形態では4つ)のノズル16がプラテン(図示略)と対向するノズル形成面12aに開口形成されている。そして、これらの各ノズル16に対して各々対応するインク供給装置14のインク流路15からバルブユニット17を介してインクが供給されるようになっている。すなわち、バルブユニット17には、インク流路15から流入したインクを一時貯留する圧力室(図示略)がノズル16と連通するように設けられ、その圧力室内には、ノズル16からインクを噴射した場合に、そのインク噴射により消費したインク量に相当する分量のインクが、図示しない流路弁の開閉動作に基づきインク流路15から適宜に流入するようになっている。
また、プリンタ11において記録ヘッド12が非印刷時に位置するホームポジションには、記録ヘッド12のノズル16の目詰まり等を解消するべく記録ヘッド12のクリーニングを行うメンテナンスユニット18が設けられている。このメンテナンスユニット18は、記録ヘッド12のノズル形成面12aにノズル16を囲うように当接可能なキャップ19と、このキャップ19内からインクを吸引する際に駆動される吸引ポンプ20と、この吸引ポンプ20の駆動に伴いキャップ19内から吸引されたインクが廃インクとして排出される廃液タンク21とを備えている。そして、クリーニング時には、図1に示す状態からキャップ19を移動させて記録ヘッド12のノズル形成面12aに当接させた状態で吸引ポンプ20を駆動し、キャップ19の内部空間に負圧を発生させることにより記録ヘッド12内から増粘したインクや気泡混じりのインクを廃液タンク21に向けて吸引排出するようにしている。
一方、インクカートリッジ13は、内部がインクを収容するインク室22aとされた略箱体形状のケース22を備えている。ケース22の下壁からはインク室22a内に連通する筒部23が下方に向けて突出形成され、筒部23の先端にはインクを導出可能なインク供給口24が形成されている。そして、インクカートリッジ13をインク供給装置14に接続する際には、このインク供給口24に対してインク供給装置14からインク流路15の上流端を構成するべく突設されたインク供給針25が挿入されるようになっている。また、ケース22の上壁には、インクが収容されたインク室22a内を大気に連通させる大気連通孔26が貫通形成され、インク室22a内に収容されたインクの液面に対して大気圧を作用させるようになっている。
次に、インク供給装置14の構成について詳細に説明する。
図1に示すように、インク供給装置14は、基台となる樹脂製の第1流路形成部材27と、この第1流路形成部材27上に積層状態に組み付けられる同じく樹脂製の第2流路形成部材28と、その組み付け時に両流路形成部材27,28の間に挟み込まれるゴム板等からなる可撓性部材29とを備えている。ここで、第1流路形成部材27の上面における複数箇所(本実施形態では3箇所)には、平面視円形状をなす凹部30,31,32が形成されている。すなわち、一つの凹部31と、該凹部31よりも容積が小さく且つそれぞれ略同じ容積の二つの凹部30,32とが、図1において、右側から左側へ、凹部30、凹部31、凹部32の順に、横並び配置となるように形成されている。
一方、この第1流路形成部材27上に積層される第2流路形成部材28の下面における複数箇所(本実施形態では3箇所)には、第1流路形成部材27の上面に形成された各凹部30,31,32と上下方向で互いに対向する平面視円形状の凹部33,34,35が形成されている。すなわち、一つの凹部34と、該凹部34よりも容積が小さく且つそれぞれ略同じ容積の二つの凹部33,35とが、図1において、右側から左側へ、凹部33、凹部34、凹部35の順に、横並び配置となるように形成されている。
つまり、インク供給装置14は、凹部30〜32及び凹部33〜35をそれぞれ同一平面上に形成することで、複数の板状の構成部材を積層した積層構造の採用を可能としている。
なお、第2流路形成部材28における図1において最も左側に形成された凹部35の底部には、大気に連通する大気連通孔35aが形成されている。
そして、可撓性部材29は、第1流路形成部材27と第2流路形成部材28との間に、その可撓性部材29における複数箇所(本実施形態では3箇所)が第1流路形成部材27の各凹部30〜32と第2流路形成部材28の各凹部33〜35との間を上下に仕切って介在するように挟み込まれている。その結果、可撓性部材29において第1流路形成部材27の凹部30と第2流路形成部材28の凹部33との間に介在する部分は、両凹部30,33の間で弾性変形することにより変位可能な吸引側弁体(バルブ本体)36として機能するようになっている。
同様に、可撓性部材29において第1流路形成部材27の凹部31と第2流路形成部材28の凹部34との間に介在する部分は、両凹部31,34の間で弾性変形することにより変位可能なダイアフラム(変位部材)37として機能するようになっている。また同様に、可撓性部材29において第1流路形成部材27の凹部32と第2流路形成部材28の凹部35との間に介在する部分は、両凹部32,35の間で弾性変形することにより変位可能な吐出側弁体(バルブ本体)38として機能するようになっている。
なお、吸引側弁体36、ダイアフラム37、吐出側弁体38の撓み変形可能な部分の平面視の面積は、吸引側弁体36及び吐出側弁体38が互いに略同じ大きさであるのに対して、ダイアフラム37は吸引側弁体36及び吐出側弁体38よりも大きくなっている。
そして、図1に示すように、第1流路形成部材27と第2流路形成部材28には、第2流路形成部材28の上面から突設されたインク供給針25と第1流路形成部材27の凹部30との間を連通する第1流路15aが、インク供給装置14におけるインク流路15の一部を構成するべく形成されている。同様に、第1流路形成部材27と第2流路形成部材28及び可撓性部材29には、第2流路形成部材28の凹部33と第1流路形成部材27の凹部31との間を連通する第2流路15bが、インク供給装置14におけるインク流路15の一部を構成するべく形成されている。また同様に、第1流路形成部材27には、第1流路形成部材27の凹部31と凹部32との間を連通する第3流路15cが、インク供給装置14におけるインク流路15の一部を構成するべく形成されている。
さらに、第1流路形成部材27と第2流路形成部材28及び可撓性部材29には、第1流路形成部材27の凹部32と第2流路形成部材28の上面側との間を連通する第4流路15dが、インク供給装置14におけるインク流路15の一部を構成するべく形成されている。そして、この第4流路15dにおける第2流路形成部材28の上面に開口した流路開口端には、インク供給装置14におけるインク流路15の一部を構成するインク供給チューブ15eの一端(上流端)が接続されている。そして、このインク供給チューブ15eの他端(下流端)が記録ヘッド12側のバルブユニット17に接続されている。
また、図1に示すように、インク供給装置14において可撓性部材29の吸引側弁体36となる部分は、その中心に貫通孔36aが形成されると共に、上側の凹部33内に配設されたコイルスプリング(付勢部材)40の付勢力により下側の凹部30の内底面に向けて付勢されている。そして、本実施形態では、これらの凹部30,33と吸引側弁体36及びコイルスプリング40により、インク流路15の途中にインク流路15を開閉可能に設けられた第1のバルブとしての吸引側バルブ41が構成されている。
同様に、インク供給装置14において可撓性部材29のダイアフラム37となる部分は、上側の凹部34内に配設されたコイルスプリング(付勢部材)42の付勢力により下側の凹部31の内底面に向けて付勢されている。そして、本実施形態では、これらの凹部31,34とダイアフラム37及びコイルスプリング42により脈動型のポンプ43が構成され、ダイアフラム37と下側の凹部31とで囲み形成される容積可変の空間域がポンプ43におけるポンプ室43aとして機能するようになっている。
また同様に、インク供給装置14において可撓性部材29の吐出側弁体38となる部分は、上側の凹部35内に配設されたコイルスプリング(付勢部材)44の付勢力により下側の凹部32の内底面に向けて付勢されている。そして、本実施形態では、これらの凹部32,35と吐出側弁体38及びコイルスプリング44により、吸引側バルブ(第1のバルブ)41よりもインク流路15における下流側にインク流路15を開閉可能に設けられた第2のバルブとしての吐出側バルブ45が構成されている。
そして、本実施形態では、吐出側弁体38と下側の凹部32とで囲み形成される容積可変の空間域の容積は、ポンプ室43aの容積よりも小さく、且つ凹部32と吸引側弁体36とにより囲み形成された空間域と略同じ大きさとなっている。そして、コイルスプリング44の付勢力は吐出側弁体38と下側の凹部32とで囲み形成される空間域の容積を減少させる方向に働くようになっている。
さらに、図1に示すように、第2流路形成部材28の凹部34には、二股状に分岐した空気流路46を介して吸引ポンプ等からなる負圧発生装置47と大気開放機構48が接続されている。負圧発生装置47は、正逆回転可能な駆動モータ49が正転駆動した場合に図示しないワンウェイクラッチを介して伝達される駆動力により駆動して負圧を発生し、空気流路46を介して接続された第2流路形成部材28の凹部34内にも同様に負圧を発生させ得るように構成されている。この点で、第2流路形成部材28の凹部34とダイアフラム37とで囲み形成される容積可変の空間域は、負圧発生装置47の駆動に伴い負圧状態となる負圧室43bとして機能するようになっている。
一方、大気開放機構48は、大気開放孔50が形成されたボックス51内にシール部材52を大気開放孔50側に付設してなる大気開放弁53が収容され、その大気開放弁53が常にはコイルスプリング54の付勢力により大気開放孔50を封止する閉弁方向に付勢された構成をしている。そして、大気開放機構48は、駆動モータ49が逆転駆動した場合に、図示しないワンウェイクラッチを介して伝達される駆動力に基づき作動するカム機構55が作動し、そのカム機構55の作動により大気開放弁53がコイルスプリング54の付勢力に抗して開弁方向に変位するように構成されている。すなわち、大気開放機構48は、空気流路46を介して接続された負圧室43bが負圧状態になっている場合には、大気開放弁53が開弁動作することにより、その負圧室43b内を大気に開放して負圧状態を解消するようになっている。
なお、図1には、負圧発生装置47、大気開放機構48、及びこれらを駆動させる駆動モータ49が、各インク色に個別対応する複数のインク供給装置14毎に1つずつ設けられた構成を例示しているが、これは次のような構成にしてもよい。すなわち、インク供給装置14のポンプ43の負圧室43bに接続される空気流路46の接続端側を各インク色に個別対応する複数のインク供給装置14の設置数に対応するように分岐し、その分岐した空気流路46の各接続端を各々対応するインク供給装置14のポンプ43の負圧室43bに接続してもよい。このように構成すれば、複数のインク供給装置14に対して負圧発生装置47、大気開放機構48、駆動モータ49を1つ設けるだけで、各色のインク供給装置14を駆動することができ、プリンタ11の小型化を図ることができる。
そこで次に、以上のように構成されたプリンタ11における作用について、特にインク供給装置14の作用に着目して以下説明する。
まず、前提として、図1に示す状態は、新旧インクカートリッジの交換直後であって、吸引側バルブ41の吸引側弁体36、ポンプ43のダイアフラム37、及び、吐出側バルブ45の吐出側弁体38は、いずれもコイルスプリング40,42,44の付勢力で下側の各凹部30,31,32の内底面に押し付けられた状態にあるものとする。そして、大気開放機構48は大気開放弁53が大気開放孔50を封止した閉弁状態にあるものとする。
さて、このような図1に示す状態から、インク供給装置14がインクカートリッジ13側から記録ヘッド12側へインクを供給する場合、まず、ポンプ43をポンプ駆動させるために、駆動モータ49が正転駆動させられる。すると、負圧発生装置47が負圧を発生し、この負圧発生装置47と空気流路46を介して接続されたインク供給装置14の負圧室43bが負圧状態になる。そのため、ポンプ43のダイアフラム37がコイルスプリング42の付勢力に抗して負圧室43b側に弾性変形(変位)し、負圧室43bの容積を減少させる(図2参照)。すると、この負圧室43bの容積減少に伴い、ダイアフラム37を介して負圧室43bと区画されたポンプ43のポンプ室43aは逆に容積が増加する。
すなわち、ポンプ43がダイアフラム37をポンプ室43aの容積が増加する方向に変位させて吸引駆動することになる。具体的には、ダイアフラム37が図1に示す下死点位置から図2に示す上死点位置に変位する。そのため、ポンプ室43a内が負圧状態になり、その負圧が第2流路15bを介して吸引側バルブ41の上側の凹部33に作用し、下側の凹部30内のインク圧力との圧力差に基づき吸引側弁体36をコイルスプリング40の付勢力に抗して上方(すなわち、開弁方向)へ弾性変形(変位)させる。その結果、第1流路15aと第2流路15bが吸引側弁体36の貫通孔36aを介して連通状態となり、インクカートリッジ13内からインクが、第1流路15a、凹部30、貫通孔36a、凹部33、第2流路15bを経由して、ポンプ室43a内に吸引される。
一方、このポンプ43の吸引駆動時には、ポンプ室43aの負圧が第3流路15cを介してポンプ室43aよりもインク流路15の下流側、すなわち第3流路15cにも作用する。しかし、第3流路15cの下流側が連通する吐出側バルブ45の下側の凹部32は、吐出側弁体38がコイルスプリング44により閉弁方向に付勢された状態にあり、その閉弁状態は吐出側弁体38に対して第3流路15cの上流側からポンプ43の吐出駆動によって所定の正圧(例えば、13kpa以上の圧力)のインク吐出圧が作用しない限り開弁状態に移行しないように設定されている。したがって、この場合、吐出側バルブ45の吐出側弁体38は、負圧が作用しているため、その閉弁状態が維持される。
そして次には、図2に示す状態において、駆動モータ49が逆転駆動される。すると、大気開放機構48のカム機構55の作動により大気開放弁53がコイルスプリング54の付勢力に抗して開弁動作し、負圧状態にある負圧室43bを大気開放する。そのため、ポンプ43のダイアフラム37がコイルスプリング42の付勢力により下方(すなわち、ポンプ室43aの内底面側)へ弾性変形(変位)し、負圧室43bの容積を増加させる(図3参照)。すると、この負圧室43bの容積増加に伴い、ダイアフラム37を介して負圧室43bと区画されたポンプ43のポンプ室43aは逆に容積が減少する。
すなわち、ポンプ43がダイアフラム37をポンプ室43aの容積を減少させる方向に変位させて吐出駆動することになる。具体的には、図3に示すように、ダイアフラム37が上死点位置から下死点位置の方向に変位して、ポンプ室43a内に吸引されていたインクを所定の圧力(例えば、30kpa程度の圧力)で加圧する。そのため、ポンプ室43a内からはインクが吐出され、その吐出圧がポンプ室43aよりも上流側では第2流路15bを介して吸引側バルブ41の上側の凹部33に作用し、吸引側弁体36をコイルスプリング40の付勢力と協働して下方(すなわち、閉弁方向)へ弾性変形(変位)させる。その結果、第1流路15aと第2流路15bが吸引側弁体36の閉弁動作により非連通状態となり、インクカートリッジ13からポンプ室43aへの吸引側バルブ41を経由したインクの吸入が停止されると共に、ポンプ43の吐出駆動に伴いポンプ室43aから吐出されたインクが吸引側バルブ41を経由してインクカートリッジ13側に逆流することが規制される。
一方、このポンプ43の吐出駆動時には、ポンプ室43aから吐出されたインクの圧力(例えば、30kpa程度の圧力)が第3流路15cを介してインク流路15の下流側にも作用する。そのため、このポンプ43の吐出圧が閉弁状態にある吐出側弁体38を開弁動作させ、吐出側バルブ45における下側の凹部32を介して第3流路15cと第4流路15dが連通する。その結果、ポンプ室43a内からインクが、第3流路15c、吐出側バルブ45の下側の凹部32、第4流路15d、インク供給チューブ15eを経由して、バルブユニット17に加圧状態で供給される。ちなみに、吐出側バルブ45におけるコイルスプリング44の付勢力は、吐出側バルブ45の下側の凹部32内にインクがポンプ43の吐出駆動に伴い流入してきた場合には、そのインクの吐出圧力により吐出側弁体38が上方へ弾性変形できるように、例えば13kpa程度に設定されている。
そして、以後は、ダイアフラム37に加圧されてポンプ室43aから吐出されるインクの吐出圧がインク流路15における吸引側バルブ41の上側の凹部33よりも下流側の各流路域(ポンプ室43a及び吐出側バルブ45の下側の凹部32を含む)に均衡する状態が維持される。すなわち、吐出側バルブ45では、吐出側弁体38が上死点位置に位置した状態に維持されており、第3流路15cと第4流路15dが連通した開弁状態に維持されている。
その後において、記録ヘッド12からインクがターゲット(図示略)に向けて噴射されると、そのインク噴射に伴うインクの消費量に相当する分量のインクがバルブユニット17を介してインク流路15内から記録ヘッド12側に供給される。そのため、この下流側(記録ヘッド12側)でのインク消費に伴い、その消費量に対応するインク量のインクが記録ヘッド12側となる下流側にコイルスプリング42の付勢力でポンプ室43aの容積が減少する方向へ付勢されたダイアフラム37の押圧力に基づき加圧状態で供給される。
その結果、ポンプ室43a内の容積及び吐出側バルブ45における下側の凹部32と吐出側弁体38とにより囲み形成された空間域の容積が次第に減少し、遂にはダイアフラム37が下死点位置付近まで変位すると共に、吐出側弁体38が第4流路15dを閉塞する閉弁位置付近まで変位するようになる。ちなみに、本実施形態では、この時点でダイアフラム37に押圧されてポンプ室43aから吐出されるインクの吐出圧は13kpa程度となる。
すると、駆動モータ49が再び正転駆動され、大気開放機構48では大気開放弁53が大気開放孔50を閉塞する閉弁位置に変位すると共に、負圧発生装置47が負圧を発生して負圧室43bが負圧状態となり、ダイアフラム37がコイルスプリング42の付勢力に抗して、負圧室43b側に弾性変形(変位)する。すなわち、再び、ポンプ43が吸引駆動を開始する。その結果、ダイアフラム37がポンプ室43aの容積を増加させるべく上死点位置に変位し、ポンプ室43a内が負圧状態になるため、その負圧の作用で吸引側弁体36が開弁方向へ弾性変形(変位)する。したがって、第1流路15aと第2流路15bが吸引側弁体36の貫通孔36aを介して連通状態となり、インクカートリッジ13内からインクが再びポンプ室43a内に吸引される。以後、上記と同様のポンプ43の吐出駆動が実行されて、ポンプ室43a内からインクが下流側のインク流路域を経由して記録ヘッド12へと加圧供給される。
ところで、プリンタ11においては、ノズル16を通じて記録ヘッド12内に気泡が進入したり、ノズル16からインク溶媒が蒸発することによるインク粘度の上昇や固化、塵埃の付着によりノズルに目詰まりを生じたりすることがあり得る。そこで、こうした場合には、インク流路の途中に設けたチョークバルブを閉弁させた状態で記録ヘッド12内を吸引し、ある程度まで負圧が高まった段階でチョークバルブを開弁させて、記録ヘッド内から気泡混じりの増粘したインクを一気に吸引除去する、いわゆるチョーククリーニングを実行している。このようなチョーククリーニングを、本実施形態のプリンタ11では、次のようにして実行している。
すなわち、まず図1に示す状態において、キャップ19を記録ヘッド12のノズル形成面12aに対してノズル16を囲うように当接させ、その状態において吸引ポンプ20が駆動される。すると、記録ヘッド12のノズル形成面12aに当接したキャップ19内が負圧状態になるため、その負圧に基づく吸引力で記録ヘッド12内が吸引される。このとき、チョークバルブとして機能する吐出側バルブ45の吐出側弁体38が仮に開弁していたとしても、インク流路15を通じて負圧が吐出側弁体38を閉弁させるように作用するので、吐出側バルブ45は閉弁状態が維持される。
そして次に、駆動モータ49が正転駆動され、負圧発生装置47の駆動に伴い、ポンプ43が吸引駆動されるため、吸引側バルブ41の吸引側弁体36が開弁状態になり、インクカートリッジ13側からインクがポンプ室43a内に吸引される。そして、ポンプ室43a内がダイアフラム37の上死点位置への変位に伴い容積を増加させ、インクを吸引すると、次には、駆動モータ49が逆転駆動される。すると、大気開放機構48が大気開放弁53を開弁させて負圧室43bの負圧状態を解消するため、ダイアフラム37がポンプ室43aの容積を減少させる方向に付勢され、ポンプ室43a内からインクが例えば30kpa程度のインク吐出圧で吐出される。
その結果、吸引側バルブ41の吸引側弁体36が閉弁状態になると共に、吐出側バルブ45の吐出側弁体38が開弁状態となり、ポンプ室43a内から吐出された加圧状態のインクが吐出側バルブ45よりも下流側に加圧供給される。そして、その時点で吸引ポンプ20の吸引力で高まっていた負圧と相まって吐出側バルブ45よりも上流側のインク流路15内のインクが勢い良く記録ヘッド12側へ吸引される。そして、記録ヘッド12内に残っている気泡混じりの増粘したインクが一気にノズル16からキャップ19内に吐出され、更に、廃液タンク21に排出される。
そして、この場合において、ポンプ室43aよりも上流側の吸引側バルブ41は、吸引側弁体36が閉弁しているので、吐出側バルブ45の吐出側弁体38が開弁してインクが記録ヘッド12側に勢い良く吸引されても、吸引側バルブ41よりも上流側からインクが記録ヘッド12側に吸引されることはない。そのため、本実施形態のプリンタ11では、インクカートリッジ13内のインクの大量消費を抑制しつつチョーククリーニングを実行することが可能である。
本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、下流側の吐出側バルブ45を開弁した場合、上流側の吸引側バルブ41が閉弁してインク流路15を閉塞する。そのため、インク流路15の途中に設けた吐出側バルブ45を閉弁した状態でインク流路15内に記録ヘッド12を介して吸引ポンプ20の吸引力による負圧を作用させ、その状態で吐出側バルブ45を開弁した場合でも、閉弁状態にある上流側の吸引側バルブ41によりインクの下流側への供給が規制される。したがって、インクカートリッジ13内のインクが無駄に消費されることを抑制できる。
(2)上記実施形態では、インク流路15における吸引側バルブ41と吐出側バルブ45との間にポンプ室43aを有するポンプ43がポンプ駆動することにより、ポンプ室43aよりも上流側の吸引側バルブ41と下流側の吐出側バルブ45が交互に開弁状態と閉弁状態とに切り替えられる。そのため、インクカートリッジ13を加圧するための大がかりな加圧手段を設けることなく、上流側となるインクカートリッジ13側から下流側となる記録ヘッド12側にインク流路15を介してインクを小刻みに供給することができる。
(3)上記実施形態において、ポンプ43は、吸引駆動時には、負圧発生装置47の駆動に伴ってポンプ43のダイアフラム37がコイルスプリング42の付勢力に抗して負圧室43b側に変位することで負圧室43bの容積が減少する一方、その減少分だけポンプ室43aの容積が増加してポンプ室43a内の圧力が減圧(負圧)状態となる。そして次に、吐出駆動時には、負圧室43bの負圧状態を大気開放により解消し、ポンプ43のダイアフラム37がコイルスプリング42の付勢力に従ってポンプ室43a側に変位することで負圧室43bの容積が増加する一方、その増加分だけポンプ室43aの容積量が減少してポンプ室43a内の圧力が加圧状態となる。そのため、ポンプ43をポンプ駆動させてインクを供給する場合には、ポンプ43を吸引駆動する場合にのみコイルスプリング42の付勢力に抗してダイアフラム37を撓み変形させればよく、逆の場合はコイルスプリング42の付勢力でダイアフラム37が元の状態に変位するので、ポンプ43の駆動負荷を低減することができる。
(4)上記実施形態において、吐出側バルブ45は、吐出側弁体38がコイルスプリング44の付勢力により常には閉弁状態にあるものの、ポンプ43の吐出駆動によりポンプ室43aから吐出されたインクの圧力が吐出側弁体38に対して正圧として作用した場合には開弁状態に切り替わる構成となっている。そのため、特別な制御構成を備えることなく吐出側バルブ45の開閉状態を自動的に切り替えることができる。
(5)上記実施形態において、吸引側バルブ41は、吸引側弁体36がコイルスプリング40の付勢力により常には閉弁状態にあるものの、ポンプ43の吸引駆動によりポンプ室43aに吸引されるインクの圧力が吸引側弁体36に負圧として作用した場合には開弁状態に切り替わる構成となっている。そのため、特別な制御構成を備えることなく吸引側バルブ41の開閉状態を自動的に切り替えることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、チョーククリーニングを実行する前に駆動モータ49を正転駆動させてポンプ43を吸引駆動することによりポンプ室43a内の圧力を低下させて吐出側バルブ45をチョーククリーニングの実行開始時には既に閉弁状態になっているようにしてもよい。
すなわち、もし仮にチョークバルブとして機能する吐出側バルブ45の吐出側弁体38が開弁した状態でチョーククリーニングを実行した場合には、ポンプ室43aと凹部32が連通した状態にあるため、両室(ポンプ室43aと凹部32)の圧力が吐出側バルブ45を閉弁させる圧力(13kpa未満)になるまでインクが下流側に吸引排出された後に吐出側バルブ45が閉弁することとなる。そのため、吐出側バルブ45が閉弁するまでの間にインクが無駄に記録ヘッド12側へ流出してしまう虞がある。
この点、この変形例のように、チョーククリーニングの実行前にポンプ43を吸引駆動して吐出側バルブ45の吐出側弁体38を閉弁状態にし、その後にチョーククリーニングを開始するようにすれば、チョーククリーニングの最初のうちにポンプ室43a内からインクが下流側のインク流路15内に無駄に流出することを抑制できる。そして、このように吐出側バルブ45の吐出側弁体38を閉弁状態にした後において、ポンプ43を吐出駆動することによりポンプ室43a内からの吐出圧によって吐出側弁体38を開弁し、下流側のインク流路15内にインクを流すことでインク消費量の少ないチョーククリーニングを実行することができる。
・上記実施形態において、ポンプ43の駆動源として、負圧発生装置47ではなく、加圧発生装置を適用してもよい。また、付勢部材としてのコイルスプリング42は圧縮ばねではなく引っ張りばねを適用してもよい。また、圧縮ばねのコイルスプリング42を、負圧室43b側ではなくポンプ室43a側に設けてもよい。なお、このような変形例の場合には、ポンプ43を吸引駆動させる場合には、それらのばねの付勢力でダイアフラム37がポンプ室43aの容積を増加させるように変位する一方、ポンプ43を吐出駆動させる場合には、加圧発生装置からポンプ43における上側の凹部34(実施形態では負圧室43b)に加圧空気を導入することになる。
なお、このような負圧発生装置47及び加圧発生装置の代わりに、ダイアフラム37を変位させる機構としてカム機構を用いてもよい。すなわち、例えば、圧縮バネのコイルスプリング42に押圧されたダイアフラム37に対して係止部が形成された牽引部材の基端部を固着する。そして、牽引部材の係止部に対してカム部材を当接させることにより、該牽引部材を介してダイアフラム37を変位させてもよい。また、引張りバネを適用した場合、ダイアフラム37に押圧部材の基端部を固着し、先端部をカム部材によってダイアフラム37側に押圧するようにしてもよい。
・ポンプ43は、負圧室43b内を往復運動可能なピストンによって、直接ポンプ室43aを押圧すると共に、往復運動に伴ってポンプ室43a内の容積を変化させるピストンポンプを用いてもよい。同様に、吐出側バルブ45もピストン構造を用いることができる。
・上記実施形態において、ポンプ43の駆動源として、加圧発生装置及び負圧発生装置47の機能を兼備した装置を適用してもよい。このようにした場合には、加圧及び負圧の発生を交互に実行することにより、付勢部材を設けることなくダイアフラム37を変位させてポンプ駆動することによりインクを供給することができる。
・上記実施形態において、吐出側バルブ45、もしくは吸引側バルブ41として電磁弁を用いてもよい。その際は、ポンプ43の駆動状態に応じて各バルブ41,45の開閉状態を切り替える必要がある。
・上記実施形態において、上流側から下流側に向けてインクを加圧状態で供給する手段としてインク流路15の途中にポンプ43を設けるのではなく、インクカートリッジ13内のインクを加圧するための加圧手段を設けてもよい。
・上記実施形態において、付勢部材はコイルスプリング40,42,44ではなく、例えば板ばね、ゴム等の他の形態の付勢部材を用いてもよい。このような付勢部材によれば、負圧発生装置47の駆動状態に関係なく吸引側バルブ41、吐出側バルブ45、及びポンプ室43a内のインクに付与する付勢力を維持することができる。
・上記実施形態において、ポンプ43の作動流体として空気を使用したが、例えばシリコンオイル等の液体を作動流体として使用してもよい。
・なお、本明細書における「液体」には、インク以外の他の液体(無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)等を含む)、機能材料の粒子が液体に分散又は混合されてなる液状体、ゲルのような流状体も含むものとする。そして、こうした「液体」を噴射したり吐出したりする液体噴射装置としては、例えば、液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ及び面発光ディスプレイの製造などに用いられる電極材や色材(画素材料)などの材料を分散または溶解のかたちで含む液状体を噴射する液状体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置、ゲル(例えば物理ゲル)などの流状体を噴射する流状体噴射装置であってもよい。
・上記実施形態では、液体噴射装置をインクジェット式プリンタ11に具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明を適用することができる。
本実施形態におけるインクジェット式プリンタの模式図。 減圧駆動時のインクジェット式プリンタの模式図。 加圧駆動時のインクジェット式プリンタの模式図。
符号の説明
13…液体供給源としてのインクカートリッジ、15…液体供給流路としてのインク流路、36…吸引側弁体(バルブ本体)、37…変位部材としてのダイアフラム、38…吐出側弁体(バルブ本体)、40,42,44…付勢部材としてのコイルスプリング、41…第1のバルブとしての吸引側バルブ、43…ポンプ、43a…ポンプ室、45…第2のバルブとしての吐出側バルブ。

Claims (8)

  1. 液体供給源側となる上流側から液体が消費される下流側に向けて液体を供給する液体供給流路と、
    該液体供給流路の途中に該液体供給流路を開閉可能に設けられた第1のバルブと、
    該第1のバルブよりも前記液体供給流路における下流側に該液体供給流路を開閉可能に設けられ、前記液体供給流路を閉塞する閉弁位置と開放する開弁位置との間を変位自在なバルブ本体と、該バルブ本体を閉弁位置の方向に向けて付勢する付勢部材と、を有した第2のバルブと
    前記第1のバルブと前記第2のバルブとの間における前記液体供給流路の一部をポンプ室としてポンプ駆動するポンプと、
    を備え、
    前記第2のバルブは、該第2のバルブの下流側に負圧が作用すると前記バルブ本体が閉弁するとともに、
    前記ポンプのポンプ駆動によって、前記ポンプ室内から加圧供給される前記液体の圧力が、前記第2のバルブの前記付勢部材の付勢力に抗して、前記第2のバルブの前記バルブ本体に作用することで前記第2のバルブが開弁状態に切り替わる
    ことを特徴とする液体供給装置。
  2. 請求項1に記載の液体供給装置において、
    前記第2のバルブは、前記ポンプのポンプ駆動によって、前記ポンプ室内の圧力が低下すると前記バルブ本体が閉弁する
    ことを特徴とする液体供給装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の液体供給装置において、
    記ポンプが前記ポンプ室の容積を増大させて該ポンプ室内に前記液体を吸引する吸引駆動時には、前記第1のバルブが開弁状態になると共に前記第2のバルブが閉弁状態になる一方、前記ポンプが前記ポンプ室の容積を減少させて該ポンプ室内から前記液体を吐出する吐出駆動時には、前記第1のバルブが閉弁状態になると共に前記第2のバルブが開弁状態になることを特徴とする液体供給装置。
  4. 請求項に記載の液体供給装置において、
    前記ポンプは、前記ポンプ室の容積を増減させるように変位する変位部材と、該変位部材を前記ポンプ室の容積が減少する方向又は増加する方向に付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする液体供給装置。
  5. 請求項1又は請求項に記載の液体供給装置において、
    前記第1のバルブは、前記液体供給流路を閉塞する閉弁位置と開放する開弁位置との間を変位自在なバルブ本体と、該バルブ本体を閉弁位置の方向に向けて付勢する付勢部材とを含んで構成され、
    前記第1のバルブの前記バルブ本体は前記ポンプ室内に吸引される前記液体の圧力が負圧として作用した場合に前記付勢部材の付勢力に抗して開弁位置の方向に変位することを特徴とする液体供給装置。
  6. 液体を噴射する液体噴射ヘッドと、該液体噴射ヘッドに前記液体を供給する請求項1〜請求項5のうちいずれか一項に記載の液体供給装置とを備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  7. 液体供給源側となる上流側から下流側に向けて液体を供給する液体供給流路の途中に該液体供給流路を開閉可能に各々設けられた第1のバルブと第2のバルブのうち、前記第1のバルブよりも下流側に設けられた前記第2のバルブを閉弁状態とするとともに前記第2のバルブの下流側を負圧とした状態で
    前記第1のバルブと前記第2のバルブとの間における前記液体供給流路の一部をポンプ室としてポンプ駆動するポンプによって、前記ポンプ室内から加圧供給される前記液体の圧力を、前記第2のバルブを閉弁させる方向に付勢する付勢部材の付勢力に抗して、前記第2のバルブに作用させることで、前記第2のバルブを開弁状態に切り替えることを特徴とする液体供給方法。
  8. 請求項7に記載の液体供給方法において、
    前記液体を前記ポンプ室内に吸引する前記ポンプの吸引駆動によって、前記第2のバルブを閉弁させた後、前記第1のバルブを閉弁した状態で前記第2のバルブを開弁状態に切り替えて、前記第2のバルブの下流側に向けて前記液体圧力を作用させることを特徴とする液体供給方法。
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