JP2010228150A - 液体供給装置、及び液体噴射装置 - Google Patents

液体供給装置、及び液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液体供給流路の途中に設けられたポンプがポンプ室内に液体を吸引する吸引駆動とポンプ室内から液体を吐出する吐出駆動を繰り返す場合にも液体が消費される下流側に向けて液体を連続して供給することができる液体供給装置、及びそのような液体供給装置を備えた液体噴射装置を提供する。
【解決手段】第1のポンプ室52aの容積を増減させるように変位可能な第1のダイアフラム42が、負圧室52bの圧力変化に応じて変位してポンプ駆動する第1のポンプ52と、第2のポンプ室54aの容積を増減させるように変位可能な第2のダイアフラム43が、加圧室54bの圧力変化に応じて変位してポンプ駆動する第2のポンプ54と、負圧室52bと加圧室54bとを連通させる空気流路56,59と、負圧室52bと加圧室54bとの間で空気を移動させる圧力発生装置57とを備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、液体供給源側となる上流側から液体が消費される下流側に向けて液体を供給する液体供給装置、及びそのような液体供給装置を備えた液体噴射装置に関する。
従来から、液体をターゲットに対して噴射させる液体噴射装置として、インクジェット式プリンター(以下、「プリンター」という。)が広く知られている。このプリンターは、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)に供給されるインク(液体)を記録ヘッドに形成されたノズルから噴射することによりターゲットとしての記録媒体に印刷を施すようになっている。そして、こうしたプリンターにおいて、近時は、例えば特許文献1に記載されるように、インクカートリッジ(液体供給源)と記録ヘッドとの間を接続するインク流路(液体供給流路)の途中にインクカートリッジ側から記録ヘッド側にインクを加圧供給するためにポンプ駆動するポンプを備えたプリンターが提案されている。
すなわち、この特許文献1のプリンターにおいては、インク流路の一部がポンプのポンプ室として構成され、そのポンプ室には、インクカートリッジ側からインクを導入するためのインク導入口と、記録ヘッド側にインクを導出するためのインク導出口がそれぞれ設けられている。また、インク流路におけるインクカートリッジとインク導入口との間及び記録ヘッドとインク導出口との間には、インクカートリッジ側となる上流側から記録ヘッド側となる下流側へのインクの通過のみを許容する一方向弁が各々設けられている。そして、ポンプの吸引駆動に伴いポンプ室が負圧になることにより、そのポンプ室内にインクカートリッジからインクが吸引された後、そのインクがポンプの吐出駆動に伴い加圧された状態で記録ヘッド側に供給されるようになっている。
特開2006−272661号公報
ところで、特許文献1のプリンターの場合は、ポンプの吸引駆動に伴い発生する負圧により、インク流路を介してポンプ室内に上流側からインクが吸引される構成になっており、その負圧はポンプ室よりも上流側のインク流路のみならず下流側のインク流路にも及ぶ。そのため、ポンプが吸引駆動している間は、ポンプよりも下流側のインク流路内のインクに対しても上流側に向かう負圧が作用するので、下流側の記録ヘッドに対してインクを加圧された状態で供給できないことになる。したがって、インクカートリッジと記録ヘッドとの間を接続するインク流路の途中にポンプを備えたプリンターでは、ポンプ駆動時において記録ヘッドから印刷のためのインクの噴射を一瞬できない状態が発生する虞があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものである。その目的は、液体供給流路の途中に設けられたポンプがポンプ室内に液体を吸引する吸引駆動とポンプ室内から液体を吐出する吐出駆動を繰り返す場合にも液体が消費される下流側に向けて液体を連続的に供給することができる液体供給装置、及びそのような液体供給装置を備えた液体噴射装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の液体供給装置は、液体供給源側となる上流側から液体が消費される下流側に向けて液体を供給する第1の液体供給流路と、該第1の液体供給流路の一部を第1のポンプ室とし、該第1のポンプ室の容積を増減させるように変位可能な第1の変位部材が、該第1の変位部材を介して前記第1のポンプ室と区画された容積可変の第1の作動流体室の圧力変化に応じて変位してポンプ駆動する第1のポンプと、前記液体供給源側となる上流側から液体が消費される下流側に向けて液体を供給する第2の液体供給流路と、該第2の液体供給流路の一部を第2のポンプ室とし、該第2のポンプ室の容積を増減させるように変位可能な第2の変位部材が、該第2の変位部材を介して前記第2のポンプ室と区画された容積可変の第2の作動流体室の圧力変化に応じて変位してポンプ駆動する第2のポンプと、前記第1の作動流体室と前記第2の作動流体室とを連通させる連通流路と、該連通流路を介して前記第1の作動流体室と前記第2の作動流体室との間で前記作動流体を移動させる移動手段とを備える。
この構成によれば、移動手段が第1の作動流体室と第2の作動流体室との間で作動流体を連通流路を介して移動させることにより、各作動流体室の圧力を変化させることができる。例えば、移動手段が第1の作動流体室内から作動流体を導出した場合には、該作動流体は連通流路を介して第2の作動流体室内に導入される。すると、作動流体が導出された第1の作動流体室の圧力は低下するため、第1の変位部材は第1のポンプ室の容積を増加させる方向に変位し、第1のポンプは吸引駆動する。一方、作動流体が導入される第2の作動流体室の圧力は上昇するため、第2の変位部材は第2のポンプ室の容積を減少させる方向に変位し、第2のポンプは吐出駆動する。すなわち、第1のポンプと第2のポンプの駆動態様が逆転しているため、液体供給流路の下流側へは、第1のポンプと第2のポンプを交互に吐出駆動させることにより、液体を連続的に供給することができる。また、第1のポンプと第2のポンプは、1つの移動手段によって駆動させることができるため、ポンプを駆動するための機構を各々設ける場合に比べて部材点数を削減して装置の小型化に貢献することができる。
本発明の液体供給装置において、前記第1の液体供給流路と前記第2の液体供給流路は、互いに下流側で合流して合流流路を構成し、該合流流路に下流側から付与される負圧を蓄圧可能なバルブをさらに備える。
ここで、例えば合流流路の下流側から負圧を付与して液体を下流側へ流動させる場合において、液体が流動と停止を繰り返して断続的に流動すると、液体の流れが制限されて停止する度に負圧が徐々に解消されてしまい、液体を勢いよく流すことができない虞があった。この点、この構成によれば、合流流路には、第1のポンプ及び第2のポンプのうち一方のポンプから常に液体が供給可能な状態となっているため、第1のポンプと第2のポンプとを交互に吐出駆動させることにより合流流路に液体を連続して供給することができる。
本発明の液体供給装置は、前記第1の変位部材を前記第1のポンプ室の容積を減少させる方向に付勢する第1の付勢手段と、前記第2の変位部材を前記第2のポンプ室の容積を増加させる方向に付勢する第2の付勢手段と、前記第1の作動流体室と前記第2の作動流体室とを大気開放可能な大気開放手段とをさらに備え、前記作動流体として空気を用いた。
この構成によれば、第1の作動流体室から作動流体としての空気が導出されることによって吸引駆動する第1のポンプは、大気開放手段によって大気開放されることにより第1の作動流体室の負圧が解消される。すると、第1の付勢手段の付勢力に伴って第1の変位部材が第1のポンプ室の容積を減少させる方向に変位して吐出駆動する。一方、移動手段によって第1の作動流体室から導出された作動流体としての空気が導入される第2のポンプでは、大気開放手段によって大気開放されることにより第2の圧力室の正圧が解消される。すると、第2の付勢手段の付勢力に伴って第2の変位部材が第2のポンプ室の容積を増加させる方向に変位し吸引駆動する。したがって、作動流体の移動方向が一方向のみを可能とする移動手段でも第1のポンプと第2のポンプとをポンプ駆動させることができ、移動手段の構成を簡素化することができる。
本発明の液体供給装置において、前記移動手段は、前記第1の作動流体室と前記第2の作動流体室との間で前記作動流体を往復移動させる。
この構成によれば、作動流体を装置外に排出することなく繰り返し使用して第1のポンプと第2のポンプとをポンプ駆動させることができるため、装置の設置の自由度を高めることができる。
本発明の液体噴射装置は、ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと、上記構成の液体供給装置とを備える。
この構成によれば、交互に吸引駆動及び吐出駆動を行う第1のポンプと第2のポンプとにより、連続的に液体噴射ヘッドへインクを供給することができる。すなわち、従来、例えば1つのポンプを用いて液体を供給する場合では、液体の噴射途中で供給可能な液体がなくなった場合にポンプに吸引駆動をさせなければならず、液体の噴射を中断しなければならなかった。この点、この構成によれば、連続的に供給される液体をターゲットに対して噴射するため、時間差で付着した液体の乾燥ムラ等を抑制して定着状態のばらつきを抑制することができる。
本実施形態におけるインクジェット式プリンターの模式図。 図1における2−2線矢視断面模式図。 インクカートリッジ交換時の液体供給装置の模式図。 圧力発生装置の駆動時の液体供給装置の模式図。 圧力発生装置の駆動時の液体供給装置の模式図。 大気開放時の液体供給装置の模式図。 チョーククリーニング時の液体供給装置の模式図。
以下、本発明を液体噴射装置の一種であるインクジェット式記録装置(以下、「プリンター」と言う。)に具体化した一実施形態を図1〜図7を参照しながら説明する。
図1に示すように、本実施形態のプリンター11は、ターゲット(図示略)に対してインク(液体)を噴射する液体噴射ヘッドとしての記録ヘッド12と、この記録ヘッド12に液体供給源としてのインクカートリッジ13に収容されているインクを供給する液体供給装置としてのインク供給装置14を備えている。インク供給装置14には、インクカートリッジ13に上流端が接続されると共に、記録ヘッド12に下流端が接続された状態で、インクカートリッジ13側となる上流側から記録ヘッド12側となる下流側に向けてインクを供給するインク流路(液体供給流路)15が設けられている。
なお、プリンター11には、そのプリンター11で使用するインクの色数(種類)に対応して複数のインク供給装置14が設けられている。但し、それらの構成は同じであるため、図1には何れか一色のインクを供給する一つのインク供給装置14を記録ヘッド12及び一つのインクカートリッジ13と共に図示している。そして、以下においては、この図1に示す一つのインク供給装置14のインク流路15を介して上流側のインクカートリッジ13から下流側の記録ヘッド12に向けてインクを供給する場合を例にして説明することにする。
図1に示すように、記録ヘッド12には、インク供給装置14の設置数と対応する複数(本実施形態では4つ)のノズル16がプラテン(図示略)と対向するノズル形成面12aに開口形成されている。そして、これらの各ノズル16に対して各々対応するインク供給装置14のインク流路15からバルブユニット17を介してインクが供給されるようになっている。すなわち、バルブユニット17には、インク流路15から流入したインクを一時貯留する圧力室(図示略)がノズル16と連通するように設けられ、その圧力室内には、ノズル16からインクを噴射した場合に、そのインク噴射により消費したインク量に相当する分量のインクが、図示しない流路弁の開閉動作に基づきインク流路15から適宜に流入するようになっている。
また、プリンター11において記録ヘッド12が非印刷時に位置するホームポジションには、記録ヘッド12のノズル16の目詰まり等を解消するべく記録ヘッド12のクリーニングを行うメンテナンスユニット18が設けられている。このメンテナンスユニット18は、記録ヘッド12のノズル形成面12aにノズル16を囲うように当接可能なキャップ19と、このキャップ19内からインクを吸引する際に駆動される吸引ポンプ20と、この吸引ポンプ20の駆動に伴いキャップ19内から吸引されたインクが廃インクとして排出される廃液タンク21とを備えている。そして、クリーニング時には、図1に示す状態からキャップ19を移動させて記録ヘッド12のノズル形成面12aに当接させた状態で吸引ポンプ20を駆動し、キャップ19の内部空間に負圧を発生させることにより記録ヘッド12内から増粘したインクや気泡混じりのインクを廃液タンク21に向けて吸引排出するようにしている。
一方、インクカートリッジ13は、内部がインクを収容するインク室22aとされた略箱体形状のケース22を備えている。ケース22の下壁からはインク室22a内に連通する筒部23が下方に向けて突出形成され、筒部23の先端にはインクを導出可能なインク供給口24が形成されている。そして、インクカートリッジ13をインク供給装置14に接続する際には、このインク供給口24に対してインク供給装置14からインク流路15の上流端を構成するべく突設されたインク供給針25が挿入されるようになっている。また、ケース22の上壁には、インクが収容されたインク室22a内を大気に連通させる大気連通孔26が貫通形成され、インク室22a内に収容されたインクの液面に対して大気圧を作用させるようになっている。
次に、インク供給装置14の構成について詳細に説明する。
図1〜図3に示すように、インク供給装置14は、基台となる樹脂製の第1流路形成部材27と、この第1流路形成部材27上に積層状態に組み付けられる同じく樹脂製の第2流路形成部材28と、その組み付け時に両流路形成部材27,28の間に挟み込まれるゴム板等からなる可撓性部材29とを備えている。ここで、第1流路形成部材27の上面における複数箇所(本実施形態では5箇所)には、平面視円形状をなす凹部30〜34が形成されている。
すなわち、同じ大きさの2つの凹部30,33と、同じ大きさの2つの凹部31,34とがそれぞれ位置をずらして形成されている。また、凹部30,33の容積は凹部31,34よりも小さく、且つ凹部32と同じ容積になっている。そして、凹部30〜34のうち、凹部30〜32が、図1において、右側から左側へ、凹部30、凹部31、凹部32の順に、横並び配置となるように形成されている。そして、図1において凹部30,31,32の奥側となる位置には、図2に示す凹部33、34とが、右側から左側へ凹部33、凹部34の順に、横並び配置となるように形成されている。
一方、図3に示すように、この第1流路形成部材27上に積層される第2流路形成部材28の下面における複数箇所(本実施形態では4箇所)には、第1流路形成部材27の上面に形成された各凹部30,31,33,34と上下方向で互いに対向する平面視円形状の凹部35〜38が形成されている。さらに、第2流路形成部材28の下面には、第1流路形成部材27の上面に形成された凹部32と上下方向で対応する平面視円形状の孔39が形成されている。
すなわち、第2流路形成部材28には、同じ大きさの2つの凹部35,37と、同じ大きさの2つの凹部36,38とがそれぞれ位置をずらして形成されている。また、凹部35,37の容積は凹部36,38よりも小さくなっている。そして、凹部35,36及び孔39が、図1において、右側から左側へ、凹部35、凹部36、孔39の順に、横並び配置となるように形成されている。そして、図1において凹部35,36、孔39の奥側となる位置には、図3に示す凹部37、38とが、右側から左側へ凹部37、凹部38の順に、横並び配置となるように形成されている。
つまり、インク供給装置14は、凹部30〜34及び凹部35〜38、孔39をそれぞれ同一平面上に形成することで、複数の板状の構成部材を積層した積層構造の採用を可能としている。
そして、可撓性部材29は、第1流路形成部材27と第2流路形成部材28との間に、その可撓性部材29における複数箇所(本実施形態では5箇所)が第1流路形成部材27の各凹部30〜34と第2流路形成部材28の各凹部35〜38、及び孔39との間を上下に仕切って介在するように挟み込まれている。その結果、可撓性部材29において第1流路形成部材27の凹部30と第2流路形成部材28の凹部35との間に介在する部分は、両凹部30,35の間で弾性変形することにより変位可能な第1の吸引側弁体40として機能するようになっている。
同様に、可撓性部材29において第1流路形成部材27の凹部33と第2流路形成部材28の凹部37との間に介在する部分は、両凹部33,37の間で弾性変形することにより変位可能な第2の吸引側弁体41として機能するようになっている。
また、可撓性部材29において第1流路形成部材27の凹部31と第2流路形成部材28の凹部36との間に介在する部分は、両凹部31,36の間で弾性変形することにより変位可能な第1のダイアフラム(第1の変位部材)42として機能するようになっている。
同様に、可撓性部材29において第1流路形成部材27の凹部34と第2流路形成部材28の凹部38との間に介在する部分は、両凹部34,38の間で弾性変形することにより変位可能な第2のダイアフラム(第2の変位部材)43として機能するようになっている。
さらに、可撓性部材29において第1流路形成部材27の凹部32と第2流路形成部材28の孔39との間に介在する部分は、凹部32の底部からの距離を変更するように弾性変形することにより変位可能な吐出側弁体44として機能するようになっている。
なお、吸引側弁体40,41、ダイアフラム42,43、吐出側弁体44の撓み変形可能な部分の平面視の面積は、吸引側弁体40,41及び吐出側弁体44が互いに略同じ大きさであるのに対して、ダイアフラム42,43は吸引側弁体40,41及び吐出側弁体44よりも大きくなっている。
そして、図1に示すように、第1流路形成部材27と第2流路形成部材28には、第2流路形成部材28の上面から突設されたインク供給針25と第1流路形成部材27の凹部30との間を連通する第1流路15a(第1の液体供給流路)が、インク供給装置14におけるインク流路15の一部を構成するべく形成されている。同様に、第1流路形成部材27と第2流路形成部材28及び可撓性部材29には、第2流路形成部材28の凹部35と第1流路形成部材27の凹部31との間を連通する第2流路15b(第1の液体供給流路)が、インク供給装置14におけるインク流路15の一部を構成するべく形成されている。
また同様に、第1流路形成部材27には、第1流路形成部材27の凹部31と凹部32との間を連通する第3流路15c(第1の液体供給流路)が、インク供給装置14におけるインク流路15の一部を構成するべく形成されている。そして、この第3流路15cにおける下流側の凹部32の内底面に開口する流路開口端には、凹部31側となる上流側から凹部32側となる下流側へのインクの通過のみを許容する第1の下流側一方向弁としての第1のボール弁45が常には第3流路15cを閉塞する閉弁方向に図示しない付勢部材により付勢された状態で設けられている。
さらに、第1流路形成部材27と第2流路形成部材28及び可撓性部材29には、第1流路形成部材27の凹部32と第2流路形成部材28の上面側との間を連通する第4流路15d(合流流路)が、インク供給装置14におけるインク流路15の一部を構成するべく形成されている。そして、この第4流路15dにおける第2流路形成部材28の上面に開口した流路開口端には、インク供給装置14におけるインク流路15の一部を構成するインク供給チューブ15e(合流流路)の一端(上流端)が接続されている。そして、このインク供給チューブ15eの他端(下流端)が記録ヘッド12側のバルブユニット17に接続されている。
また、図2及び図3に示すように、第1流路形成部材27には、第1流路15aから分岐形成された第5流路15f(第2の液体供給流路)が、凹部33と連通するようにインク供給装置14におけるインク流路15の一部を構成するべく形成されている。同様に、第1流路形成部材27、第2流路形成部材28及び可撓性部材29には、第2流路形成部材28の凹部37と第1流路形成部材27の凹部34との間を連通する第6流路15g(第2の液体供給流路)が、インク供給装置14におけるインク流路15の一部を構成するべく形成されている。
また同様に、第1流路形成部材27には、第1流路形成部材27の凹部34と凹部32との間を連通する第7流路15h(第2の液体供給流路)が、インク供給装置14におけるインク流路15の一部を構成するべく形成されている。そして、この第7流路15hにおける下流側の凹部32の内底面に開口する流路開口端には、凹部34側となる上流側から凹部32側となる下流側へのインクの通過のみを許容する第2の下流側一方向弁としての第2のボール弁46が常には第7流路15hを閉塞する閉弁方向に図示しない付勢部材により付勢された状態で設けられている。
また、図1及び図3に示すように、インク供給装置14において可撓性部材29の吸引側弁体40,41となる部分は、その中心に貫通孔40a,41aが形成されると共に、上側の凹部35,37内に配設されたコイルスプリング47,48の付勢力により下側の凹部30、33の内底面に向けてそれぞれ付勢されている。そして、本実施形態では、これらの凹部30,35と第1の吸引側弁体40及びコイルスプリング47により、インクカートリッジ13側となる上流側から記録ヘッド12によるインク噴射でインクが消費される下流側に向けてのインクの通過のみを許容する第1の上流側一方向弁としての第1の吸引側バルブ49が構成されている。
同様に、凹部33,37と第2の吸引側弁体41及びコイルスプリング48により、インクカートリッジ13側となる上流側から記録ヘッド12によるインク噴射でインクが消費される下流側に向けてのインクの通過のみを許容する第2の上流側一方向弁としての第2の吸引側バルブ50が構成されている。
さらに、インク供給装置14において可撓性部材29の第1のダイアフラム42となる部分は、上側の凹部36内に配設されたコイルスプリング(第1の付勢手段)51の付勢力により下側の凹部31の内底面に向けて付勢されている。そして、本実施形態では、これらの凹部31,36と第1のダイアフラム42及びコイルスプリング51により脈動型の第1のポンプ52が構成され、第1のダイアフラム42と下側の凹部31とで囲み形成される容積可変の空間域が第1のポンプ52における第1のポンプ室52a(図4参照)として機能するようになっている。
同様に、インク供給装置14において可撓性部材29の第2のダイアフラム43となる部分は、下側の凹部34内に配設されたコイルスプリング(第2の付勢手段)53の付勢力により上側の凹部38の内底面に向けて付勢されている。そして、本実施形態では、これらの凹部34,38と第2のダイアフラム43及びコイルスプリング53により脈動型の第2のポンプ54が構成され、第2のダイアフラム43と下側の凹部34とで囲み形成される容積可変の空間域が第2のポンプ54における第2のポンプ室54a(図4参照)として機能するようになっている。
また同様に、インク供給装置14において可撓性部材29の吐出側弁体44となる部分は、吐出側弁体44と下側の凹部32とで囲み形成される容積可変の空間域がインク室55aとしてインク流路15の一部を構成している。すなわち、第4流路15dに負圧が生じると、吐出側弁体44が凹部32へ近づく方向へ変位することにより第4流路15dを閉塞する。したがって、本実施形態では、これらの凹部32、孔39,吐出側弁体44によりバルブとしてのチョークバルブ55が形成されるようになっている。
さらに、図1に示すように、第2流路形成部材28の凹部36には、二股状に分岐した連通流路としての第1の空気流路56を介して吸引ポンプ等からなる移動手段としての圧力発生装置57と大気開放手段としての大気開放機構58が接続されている。また、図3に示すように、第2の流路形成部材の凹部38には、連通流路としての第2の空気流路59を介して圧力発生装置57及び大気開放手段としての大気開放機構60が接続されている。
圧力発生装置57は、正逆回転可能な駆動モーター61が正転駆動した場合に図示しないワンウェイクラッチを介して伝達される駆動力により駆動して負圧を発生し、第1の空気流路56を介して接続された第2流路形成部材28の凹部36内にも同様に負圧を発生させ得るように構成されている。この点で、第2流路形成部材28の凹部36と第1のダイアフラム42とで囲み形成される容積可変の空間域は、圧力発生装置57の駆動に伴い負圧状態となる第1の作動流体室としての負圧室52bとして機能するようになっている。
すなわち、圧力発生装置57は、駆動モーター61が正転駆動して負圧室52bから作動流体としての空気を導出する。なお、圧力発生装置57は、負圧室52bから導出した空気を第2の空気流路59を介して接続された第2流路形成部材28の凹部38内に導入するように構成されている。この点で、第2流路形成部材の凹部38と第2のダイアフラム43とで囲み形成される容積可変の空間域は、圧力発生装置57の駆動に伴い加圧状態となる第2の作動流体室としての加圧室54b(図4参照)として機能するようになっている。
一方、大気開放機構58,60は、大気開放孔62,63が形成されたボックス64,65内にシール部材66,67を大気開放孔62,63側に付設してなる大気開放弁68,69が収容され、その大気開放弁68,69が常にはコイルスプリング70,71の付勢力により大気開放孔62,63を封止する閉弁方向に付勢された構成をしている。そして、大気開放機構58,60は、駆動モーター61が逆転駆動した場合に、図示しないワンウェイクラッチを介して伝達される駆動力に基づき作動するカム機構72が作動し、そのカム機構72の作動により大気開放弁68,69がコイルスプリング70,71の付勢力に抗して開弁方向に変位するように構成されている。
すなわち、大気開放機構58は、第1の空気流路56を介して接続された負圧室52bが負圧状態になっている場合には、大気開放弁68が開弁動作することにより、その負圧室52b内を大気に開放して負圧状態を解消するようになっている。
同様に、大気開放機構60は、第2の空気流路59を介して接続された加圧室54bが加圧状態になっている場合には、大気開放弁69が開弁動作することにより、その加圧室54b内を大気に開放して加圧状態を解消するようになっている。
そこで次に、以上のように構成されたプリンター11における作用について、特にインク供給装置14の作用に着目して以下説明する。
まず、前提として、図3に示す状態は、新旧インクカートリッジの交換直後であって、吸引側バルブ49,50の吸引側弁体40,41、ポンプ52,54のダイアフラム42,43は、いずれもコイルスプリング47,48,51,53の付勢力で下側の各凹部30,33,31、及び上側の凹部38の内底面に押し付けられた状態にあるものとする。
また、インク供給装置14のインク流路15における第3流路15cを開閉可能な第1のボール弁45と、第7流路15hを開閉可能な第2のボール弁46は、対応する付勢部材(図示略)により閉弁位置に付勢された状態にあるものとする。さらに、大気開放機構58,60は大気開放弁68,69が大気開放孔62,63を開放した開放状態にあるものとする。
さて、このような図3に示す状態から、インク供給装置14がインクカートリッジ13側から記録ヘッド12側へインクを供給する場合、まず、駆動モーター61が正転駆動させられる。
すると、図4に示すように、カム機構72が大気開放弁68,69をシール部材66,67に当接させて大気開放孔62,63を封止した閉弁状態とする。また、駆動モーター61の正転駆動に伴って、圧力発生装置57が第1の空気流路56を介して接続された第1のポンプ52の負圧室52bに内包された作動流体としての空気を吸引し、負圧室52bを負圧状態とする。
そのため、第1のポンプ52の第1のダイアフラム42がコイルスプリング51の付勢力に抗して負圧室52b側に弾性変形(変位)し、負圧室52bの容積を減少させる(図4参照)。すると、この負圧室52bの容積減少に伴い、第1のダイアフラム42を介して負圧室52bと区画された第1のポンプ52のポンプ室52aは逆に容積が増加する。
すなわち、第1のポンプ52が第1のダイアフラム42をポンプ室52aの容積が増加する方向に変位させて吸引駆動することになる(第1のポンプの吸引駆動段階)。具体的には、第1のダイアフラム42が図3に示す下死点位置から図5に示す上死点位置に変位する。そのため、第1のポンプ室52a内が負圧状態になり、その負圧が第2流路15bを介して第1の吸引側バルブ49の上側の凹部35に作用し、下側の凹部30内のインク圧力との圧力差に基づき第1の吸引側弁体40をコイルスプリング47の付勢力に抗して上方(すなわち、開弁方向)へ弾性変形(変位)させる。その結果、第1流路15aと第2流路15bが第1の吸引側弁体40の貫通孔40aを介して連通状態となり、インクカートリッジ13内からインクが、第1流路15a、凹部30、貫通孔40a、凹部35、第2流路15bを経由して、第1のポンプ室52a内に吸引される。
また、この第1のポンプ52の吸引駆動時には、第1のポンプ室52aの負圧が第3流路15cを介して第1のポンプ室52aよりもインク流路15の下流側、すなわち第3流路15cにも作用する。しかし、第3流路15cの下流端には第1のボール弁45が閉弁方向に付勢された状態にあり、その閉弁状態は第1のボール弁45に対して第3流路15cの上流側から第1のポンプ52の吐出駆動によって所定の正圧(例えば、3kpa以上の圧力)のインク吐出圧が作用しない限り開弁状態に移行しないように設定されている。したがって、この場合、第1のボール弁45は、負圧が作用しているため、その閉弁状態が維持される。
一方、第2のポンプ54には、駆動モーター61の正転駆動に伴って負圧室52bから第1の空気流路56を介して吸引された空気が、第2の空気流路59を介して加圧室54bに供給され、加圧室54bが加圧状態とされる。そのため、第2のポンプ54の第2のダイアフラム43がコイルスプリング53の付勢力に抗して第2のポンプ室54a側に弾性変形(変位)し、加圧室54bの容積を増加させる(図4参照)。すると、この加圧室54bの容積増加に伴い、第2のダイアフラム43を介して加圧室54bと区画された第2のポンプ54の第2のポンプ室54aは逆に容積が減少する。
すなわち、第2のポンプ54が第2のダイアフラム43を第2のポンプ室54aの容積が減少する方向に変位させて吐出駆動することになる(第2のポンプの吐出駆動段階)。具体的には第2のダイアフラム43が図3に示す上死点位置から図5に示す下死点位置の方向に変位して、第2のポンプ室54a内に吸引されていたインクを所定の圧力(例えば、30kpa程度の圧力)で加圧する。そのため、第2のポンプ室54a内からはインクが吐出され、その吐出圧が第2のポンプ室54aよりも上流側では第6流路15gを介して第2の吸引側バルブ50の上側の凹部37に作用し、第2の吸引側弁体41をコイルスプリング48の付勢力と協働して下方(すなわち、閉弁方向)へ付勢する。その結果、第5流路15fと第6流路15gとの非連通状態が維持され、インクカートリッジ13から第2のポンプ室54aへの第2の吸引側バルブ50を経由したインクの吸入が抑制されると共に、第2のポンプ54の吐出駆動に伴い第2のポンプ室54aから吐出されたインクが第2の吸引側バルブ50を経由してインクカートリッジ13側に逆流することが規制される。
また、この第2のポンプ54の吐出駆動時には、第2のポンプ室54aから吐出されたインクの圧力(例えば、30kpa程度の圧力)が第7流路15hを介してインク流路15の下流側にも作用する。そのため、この第2のポンプ54の吐出圧が閉弁状態にある第2のボール弁46を開弁動作させ、インク室55aが第7流路15hを介して第2のポンプ室54aと連通される。その結果、第2のポンプ室54a内からインクが第7流路15hを介してチョークバルブ55のインク室55a内に加圧状態で供給される。
すると、チョークバルブ55では、インク室55a内に加圧供給されたインクの圧力により吐出側弁体44が上方(すなわち、開弁方向)へ弾性変形(変位)する。その結果、図3に示すように、第4流路15dがインク室55aと連通状態が維持される。
その後において、記録ヘッド12からインクがターゲット(図示略)に向けて噴射されると、そのインク噴射に伴うインクの消費量に相当する分量のインクがインク流路15内から記録ヘッド12側に供給される。そのため、この下流側(記録ヘッド12側)でのインク消費に伴い第2のポンプ室54a内から対応するインク量のインクが記録ヘッド12側となる下流側に加圧室54bの加圧力に応じて吐出され、インク室55aを経由して加圧状態で供給される。
その結果、図4に示すように第1のポンプ室52a内の容積が次第に増加し、遂には図5に示す上死点位置付近まで変位する。一方、図4に示すように、第2のポンプ室54a内の容積が次第に減少し、遂には図5に示すように第2のダイアフラム43が下死点位置付近まで変位する。
そして次には、図5に示す状態において、駆動モーター61が逆転駆動される。すると、大気開放機構58,60のカム機構72の作動により大気開放弁68,69がコイルスプリング70,71の付勢力に抗して開弁動作し、負圧状態にある負圧室52bと加圧状態にある加圧室54bを大気開放する。
そのため、上死点位置に位置した第1のダイアフラム42は、図6に示すように、第1のポンプ52の第1のダイアフラム42がコイルスプリング51の付勢力により下方(すなわち、第1のポンプ室52aの内底面側)へ弾性変形(変位)し、負圧室52bの容積を増加させる。すると、この負圧室52bの容積増加に伴い、第1のダイアフラム42を介して負圧室52bと区画された第1のポンプ52の第1のポンプ室52aは逆に容積が減少する。
すなわち、第1のポンプ52が第1のダイアフラム42を第1のポンプ室52aの容積を減少させる方向に変位させて吐出駆動することになる(第1のポンプの吐出駆動段階)。そのため、第1のポンプ室52aよりも上流側では,第1の吸引側弁体40の閉弁動作により非連通状態となり、インクカートリッジ13からポンプ室52aへの吸引側バルブ49を経由したインクの吸引が停止される。また、第1のポンプ室52aよりも下流側では、第1のポンプ52の吐出圧が閉弁状態にある第1のボール弁45を開弁動作させ、インク室55aが第3流路15cを介して第1のポンプ室52aと連通する。その結果、第1のポンプ室52a内からインクが第3流路15cを介してチョークバルブ55のインク室55a内に加圧状態で供給される。
一方、下死点位置に位置した第2のダイアフラム43は、図6に示すように第2のポンプ54の第2のダイアフラム43がコイルスプリング53の付勢力により上方へ弾性変形(変位)し、加圧室54bの容積を減少させる。すると、この加圧室54bの容積減少に伴い、第2のダイアフラム43を介して加圧室54bと区画された第2のポンプ54の第2のポンプ室54aは逆に容積が増加する。
すなわち、第2のポンプ54が第2のダイアフラム43を第2のポンプ室54aの容積を増加させる方向に変位させて吸引駆動することになる(第2のポンプの吸引駆動段階)。そのため、第2のポンプ室54aよりも上流側では,第2の吸引側弁体41の開弁動作により連通状態となり、インクカートリッジ13から第1流路15a、第5流路15f、凹部33、貫通孔41a、凹部37、第6流路15gを経由して、第2のポンプ室54a内へ吸引される。また、第2のポンプ室54aよりも下流側では、第2のボール弁46が閉弁され、第7流路15hとチョークバルブ55のインク室55aとが非連通状態となる。
ところで、プリンター11においては、ノズル16を通じて記録ヘッド12内に気泡が進入したり、ノズル16からインク溶媒が蒸発することによるインク粘度の上昇や固化、塵埃の付着によりノズルに目詰まりを生じたりすることがあり得る。そこで、こうした場合には、インク流路の途中に設けたチョークバルブを閉弁させた状態で記録ヘッド12内を吸引し、ある程度まで負圧が高まった段階でチョークバルブを開弁させて、記録ヘッド内から気泡混じりの増粘したインクを一気に吸引除去する、いわゆるチョーククリーニングを実行している。このようなチョーククリーニングを、本実施形態のプリンター11では、次のようにして実行している。
すなわち、まず図6に示す状態において、キャップ19を記録ヘッド12のノズル形成面12aに対してノズル16を囲うように当接させ、その状態において吸引ポンプ20が駆動される。すると、記録ヘッド12のノズル形成面12aに当接したキャップ19内が負圧状態になるため、その負圧に基づく吸引力で記録ヘッド12内が吸引される。
すると、第1のポンプ52は、第1のポンプ室52aの容積を減少させる方向へコイルスプリング51が付勢しているため、負圧となるインク供給チューブ15e、第4流路15d、インク室55aを介してインクを記録ヘッド12へ供給する。したがって、第1のダイアフラム42は、図7に示すように、下死点位置まで変位して停止し、該第1のダイアフラム42の停止に伴って第1のボール弁45が閉弁する。
一方、第2のポンプ54は、大気開放機構60が開放状態にあるため、記録ヘッド12の状況に関わらず吸引駆動が維持される。すなわち、第2のボール弁46が閉弁してインク室55aと第7流路15hとの非連通状態が維持されたまま、第2のダイアフラム43は、図7に示すように上死点位置まで変位する。
したがって、図7に示すように、インク室55aは、第1のポンプ52の吐出駆動の終了に伴って徐々に容積を減少させると共に、吐出側弁体44が下方へ弾性変形(変位)して第4流路15dを閉塞する。
そして次に、駆動モーター61が正転駆動され、圧力発生装置57が駆動されると、インク供給装置14は図5に示すような状態となる。すなわち、第1のポンプ52が吸引駆動されるため、第1の吸引側バルブ49の第1の吸引側弁体40が開弁状態になり、インクカートリッジ13側からインクが第1のポンプ室52a内に吸引される。一方、第2のポンプ54は吐出駆動されるため、第2のポンプ室54a内からインクが例えば30kpa程度のインク吐出圧で吐出される。
その結果、インク室55aの容積が増加してチョークバルブ55の吐出側弁体44が上方へ弾性変形(変位)して、インク室55aと第4流路15dとを連通状態にすると共に、第2のボール弁46を開弁して第7流路15hとインク室55aとを連通状態にする。そのため、第2のポンプ室54a内から吐出された加圧状態のインクがチョークバルブ55よりも下流側に加圧供給される。そして、その時点で吸引ポンプ20の吸引力で高まっていた負圧と相まってチョークバルブ55よりも上流側のインク流路15内のインクが勢い良く記録ヘッド12側へ吸引される。そして、記録ヘッド12内に残っている気泡混じりの増粘したインクが一気にノズル16からキャップ19内に吐出され、更に、廃液タンク21に排出される。
次に、第2のダイアフラム43が下死点位置まで変位すると、続いて大気開放機構58,60が大気開放され、第1のポンプ52が吐出駆動される。そのため、第1のポンプ室52a内からインクが例えば30kpa程度のインク吐出圧で吐出される。一方、第2のポンプ54は、吸引駆動されるため、第2の吸引側バルブ50の第2の吸引側弁体41が開弁状態になり、インクカートリッジ13側からインクが第2のポンプ室54a内に吸引される。
そして、その後も駆動モーター61の正転駆動、及び逆転駆動が交互に行われることにより、第1のポンプ室52a、及び第2のポンプ室54aからインクが連続して記録ヘッド12側へ送られて、チョーククリーニングが行われるようになっている。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)圧力発生装置57が負圧室52bと加圧室54bとの間で作動流体としての空気を、空気流路56,59を介して移動させることにより、負圧室52b及び加圧室54bの圧力を変化させることができる。例えば、圧力発生装置57が負圧室52b内から空気を導出した場合には、該空気は空気流路56,59を介して加圧室54b内に導入される。すると、空気が導出された負圧室52bの圧力は低下するため、第1のダイアフラム42は第1のポンプ室52aの容積を増加させる方向に変位し、第1のポンプ52は吸引駆動する。一方、空気が導入される加圧室54bの圧力は上昇するため、第2のダイアフラム43は第2のポンプ室54aの容積を減少させる方向に変位し、第2のポンプ54は吐出駆動する。すなわち、第1のポンプ52と第2のポンプ54の駆動態様が逆転しているため、インク流路の下流側へは、第1のポンプ52と第2のポンプ54を交互に吐出駆動させることにより、インクを連続的に加圧供給することができる。また、第1のポンプ52と第2のポンプ54は、1つの圧力発生装置57によって駆動させることができるため、ポンプ52,54を駆動するための機構を各々設ける場合に比べて部材点数を削減して装置の小型化に貢献することができる。
(2)従来、インク流路15の下流側から負圧を付与してインクを下流側へ流動させる場合において、インクが流動と停止を繰り返して断続的に流動すると、インクの流れが制限されて停止する度に負圧が徐々に解消されてしまい、インクを勢いよく流すことができない虞があった。この点、本実施形態のインク流路15には、第1のポンプ52と第2のポンプ54のうち一方のポンプから常にインクが供給可能な状態となっているため、第1のポンプ52と第2のポンプ54とを交互に吐出駆動させることによりインク流路15にインクを連続して供給することができる。また、上流側からのインクの供給によってチョークバルブ55の開弁状態を維持させることができるため、例えば、吐出側弁体44を変位させて第4流路15dを閉塞し、インクの流動を制限するような簡単な構成のチョークバルブ55を用いた場合でも、該チョークバルブ55の駆動手段を別途設ける必要がなく、装置の小型化に貢献することができる。
(3)負圧室52bから空気が導出されることによって吸引駆動する第1のポンプ52は、第1の大気開放機構58によって大気開放されることにより負圧室52bの負圧が解消される。すると、コイルスプリング51の付勢力に伴って第1のダイアフラム42が第1のポンプ室52aの容積を減少させる方向に変位して吐出駆動する。一方、圧力発生装置57によって負圧室52bから導出された空気が導入される第2のポンプ54では、第2の大気開放機構60によって大気開放されることにより加圧室54bの正圧が解消される。すると、コイルスプリング53の付勢力に伴って第2のダイアフラム43が第2のポンプ室54aの容積を増加させる方向に変位し吸引駆動する。したがって、空気の移動方向が一方向のみを可能とする圧力発生装置57でも第1のポンプ52と第2のポンプ54とをポンプ駆動させることができ、圧力発生装置57の構成を簡素化することができる。
(4)作動流体としての空気を装置外に排出することなく繰り返し使用して第1のポンプ52と第2のポンプ54とをポンプ駆動させることができるため、装置の設置の自由度を高めることができる。
(5)交互に吸引駆動及び吐出駆動を行う第1のポンプ52と第2のポンプ54とにより、連続的に記録ヘッド12へインクを供給することができる。すなわち、従来、例えば1つのポンプを用いてインクを供給する場合では、インクの噴射途中で供給可能なインクがなくなった場合にポンプに吸引駆動をさせなければならず、インクの噴射を中断しなければならなかった。この点、本実施形態では、連続的に供給されるインクによって印刷を施すことができるため、時間差で付着したインクの乾燥ムラ等を抑制して定着状態のばらつきを抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、ボール弁45,46は、それぞれ第3流路15c及び第7流路15hの途中もしくは上流側に設けてもよい。また、ボール弁45,46の代わりに、他の逆止弁形態の一方向弁(例えば、吸引側バルブ49,50のような弁形態)のものを用いる構成としてもよい。
また、これらの一方向弁(ボール弁45,46、吸引側バルブ49,50)として、各凹部30,32,33の底面に弾性を有する閉塞部材を、それぞれの先端側が第1流路15a、第3流路15c、第5流路15f、及び第7流路15hの下流側開口端を塞ぐ配置態様で、それぞれの基端側が片持ち状に固定されるように配置してもよい。なお、閉塞部材は、少なくとも先端側が各第1流路15a及び第3流路15c、第5流路15f、及び第7流路15hの開口径よりも大きくなっていることが望ましい。これにより、閉塞部材よりも下流側の圧力が上流側の圧力(すなわち、第1流路15a、第3流路15c、第5流路15f、及び第7流路15h)よりも大きな場合は、該閉塞部材が第1流路15a、第3流路15c、第5流路15f、及び第7流路15hをそれぞれ閉塞するため、インクの流れが阻害される。一方、閉塞部材よりも上流側の圧力が下流側の圧力よりも大きな場合は、該閉塞部材の先端側が第1流路15a、第3流路15c、第5流路15f、及び第7流路15hの開口から離間するように弾性変形するため、インクが上流側から下流側へ流れるようになっている。
・上記実施形態において、第1のポンプ52及び第2のポンプ54は、コイルスプリング51,53を設けない構成とすると共に、圧力発生装置は、負圧室52b及び加圧室54bに内包される空気を双方向に移動させる構成としてもよい。すなわち、加圧室54bに内包された空気を導出して負圧室52bへ導入することにより、第1のポンプ52は吐出駆動されるのに対し、第2のポンプ54は吸引駆動される。そして、負圧室52bへ導入された空気を導出して加圧室54bへ導入することにより、第1のポンプ52は吸引駆動されるのに対し、第2のポンプ54は吐出駆動される。なお、作動流体を負圧室52bと加圧室54bにおいて行き来させる場合には、作動流体は空気に限らずオイルなどの液体や、二酸化炭素などの気体を封入してもよい。
・上記実施形態において、チョークバルブ55を備えない構成としてもよい。
・上記実施形態において、大気開放手段として大気開放機構58,60を設けたが、空気流路56,59同士を連通させる構成としてもよい。すなわち、圧力発生装置57の駆動時には、負圧室52bと連通する第1の空気流路56は、加圧室54bと連通する第2の空気流路59よりも圧力が低くなっている。したがって、この状態の第1の空気流路56と第2の空気流路59とを連通させることにより、外部に排気するとなく負圧室52bの負圧状態と加圧室54bの加圧状態を解消することができる。
・上記実施形態では、液体供給装置が備えられる液体噴射装置をインクジェット式プリンター11に具体化したが、インク以外の他の液体を噴射したり吐出したりする液体噴射装置を採用してもよい。微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状体、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうちいずれか一種の液体噴射装置に本発明の液体供給装置を適用することができる。
11…プリンター(液体噴射装置)、12…記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、13…インクカートリッジ(液体供給源)、14…インク供給装置(液体供給装置)、15a…第1流路(第1の液体供給流路)、15b…第2流路(第1の液体供給流路)、15c…第3流路(第1の液体供給流路)、15d…第4流路(合流流路)、15e…インク供給チューブ(合流流路)、15f…第5流路(第2の液体供給流路)、15g…第6流路(第2の液体供給流路)、15h…第7流路(第2の液体供給流路)、42…第1のダイアフラム(第1の変位部材)、43…第2のダイアフラム(第2の変位部材)、51…コイルスプリング(第1の付勢手段)、52…第1のポンプ、52a…第1のポンプ室、52b…負圧室(第1の作動流体室)、53…コイルスプリング(第2の付勢手段)、54…第2のポンプ、54a…第2のポンプ室、54b…加圧室(第2の作動流体室)、55…チョークバルブ(バルブ)、57…圧力発生装置(移動手段)、56,59…空気流路(連通流路)、58,60…大気開放機構(大気開放手段)。

Claims (5)

  1. 液体供給源側となる上流側から液体が消費される下流側に向けて液体を供給する第1の液体供給流路と、
    該第1の液体供給流路の一部を第1のポンプ室とし、該第1のポンプ室の容積を増減させるように変位可能な第1の変位部材が、該第1の変位部材を介して前記第1のポンプ室と区画された容積可変の第1の作動流体室の圧力変化に応じて変位してポンプ駆動する第1のポンプと、
    前記液体供給源側となる上流側から液体が消費される下流側に向けて液体を供給する第2の液体供給流路と、
    該第2の液体供給流路の一部を第2のポンプ室とし、該第2のポンプ室の容積を増減させるように変位可能な第2の変位部材が、該第2の変位部材を介して前記第2のポンプ室と区画された容積可変の第2の作動流体室の圧力変化に応じて変位してポンプ駆動する第2のポンプと、
    前記第1の作動流体室と前記第2の作動流体室とを連通させる連通流路と、
    該連通流路を介して前記第1の作動流体室と前記第2の作動流体室との間で前記作動流体を移動させる移動手段と
    を備えることを特徴とする液体供給装置。
  2. 前記第1の液体供給流路と前記第2の液体供給流路は、互いに下流側で合流して合流流路を構成し、
    該合流流路に下流側から付与される負圧を蓄圧可能なバルブをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の液体供給装置。
  3. 前記第1の変位部材を前記第1のポンプ室の容積を減少させる方向に付勢する第1の付勢手段と、
    前記第2の変位部材を前記第2のポンプ室の容積を増加させる方向に付勢する第2の付勢手段と、
    前記第1の作動流体室と前記第2の作動流体室とを大気開放可能な大気開放手段と
    をさらに備え、
    前記作動流体として空気を用いたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体供給装置。
  4. 前記移動手段は、前記第1の作動流体室と前記第2の作動流体室との間で前記作動流体を往復移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体供給装置。
  5. ターゲットに対して液体を噴射する液体噴射ヘッドと、
    該液体噴射ヘッドに液体を供給する請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の液体供給装置と
    を備えることを特徴とする液体噴射装置。
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