JP2011161827A - 流体噴射装置及びワイピング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ワイピングに伴う流体の消費を抑制しつつ、ドット抜けの発生を抑制することができる流体噴射装置及びワイピング方法を提供する。
【解決手段】プリンターは、インクを噴射するノズル25が設けられた流体噴射ヘッド24と、流体噴射ヘッド24におけるノズル25のノズル開口25aが形成されたノズル形成面24aをワイピングするワイパー44と、ワイピング時に流体噴射ヘッド24内のインクに対して加圧を行うことで、ノズル25内に形成された凹形状の液面Sfの曲率をノズル25内において変化させる加圧機構30とを備える。
【選択図】図5

Description

本発明は、流体噴射装置及び該流体噴射装置のワイピング方法に関する。
従来、媒体に対して流体を噴射する流体噴射装置として、インクジェット式プリンターが広く知られている。このプリンターは、流体噴射ヘッドに形成されたノズルからインク(流体)を噴射することで、用紙(媒体)に印刷処理を施すようになっている。
こうしたプリンターにおいては、流体噴射ヘッドのノズルから安定してインク滴を噴射するために、ノズル内の液面の背圧となる流体噴射ヘッド内のインクの圧力を、常時は大気圧より低い負圧に保持するようにしていた。また、こうしたプリンターにおいては、ノズル開口が形成された流体噴射ヘッドのノズル形成面に付着した付着物(増粘したインクや紙粉等)を摺接により除去するワイピングを行うためのワイパーを備えたものがあった(例えば、特許文献1,2)。
特許文献1のプリンターにおいては、ノズル形成面に対してワイパーの前表面が先行して摺接することによりノズル内からインクを引き出した後に、その引き出されたインクに溶解された付着物をノズル形成面に対して後から摺接するワイパーの後表面で掻き取るようにしていた。
また、特許文献2のプリンターにおいては、加圧によってノズル内のインクをノズル形成面に滲み出させた後にワイピングを行うことで、付着物をインクに溶解させて除去するようにしていた。
特開2001−063077号公報 特開2008−221534号公報
ところで、特許文献1のように、ワイピング時にノズル内からインクが引き出されたときには、ノズルの上流側から毛管力によってインクが供給されるようになっている。しかし、ノズル内の液面の背圧は常時は負圧となっているため、特にワイピングを高速で行った場合にはインクの供給が間に合わず、ノズル内に気泡が混入したり液面位置が大きく後退したりして、ドット抜けを招いてしまうという問題があった。
一方、特許文献2のプリンターのように、ノズル内の液面の背圧を正圧にすると、ノズル内からインクが引き出された場合もインクの供給が速やかに行われ、ドット抜けの発生は抑制される。しかし、ワイパーがノズル形成面に滲み出した液面に接触すると、背圧が正圧であるためにワイパーを伝って継続的にインクが流出し続け、インクが無駄に消費されてしまうという問題があった。
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ワイピングに伴う流体の消費を抑制しつつ、ドット抜けの発生を抑制することができる流体噴射装置及びワイピング方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の流体噴射装置は、流体を噴射するノズルが設けられた流体噴射ヘッドと、該流体噴射ヘッドにおける前記ノズルのノズル開口が形成されたノズル形成面をワイピングするワイパーと、前記ワイピング時に前記流体噴射ヘッド内の前記流体に対して加圧を行うことで、前記ノズル内に形成された凹形状の液面の曲率を前記ノズル内において変化させる加圧機構とを備える。
この構成によれば、ワイピング時には加圧機構が流体噴射ヘッド内の流体に対して加圧を行うので、ワイパーがノズル内から流体を引き出した場合には、速やかにノズル内にインクが供給される。これにより、ドット抜けの発生を抑制することができる。そして、加圧機構による圧力変化は、液面の境界の位置を移動させることなく、ノズル内において液面の曲率を変化させる程度の微少な範囲で行われる。そのため、ワイパーが液面と接触するのは、ワイパーがノズル内に入り込んで通過するまでの短い時間であるので、流体の継続的な流出を招くことがない。したがって、ワイピングに伴う流体の消費を抑制しつつ、ドット抜けの発生を抑制することができる。
本発明の流体噴射装置において、前記加圧機構は、加圧前後で前記液面の境界の位置を保持するとともに前記液面の中央付近が前記ノズル開口から膨出しない範囲で前記加圧を行う。
この構成によれば、加圧機構は、加圧前後で液面の境界の位置を保持するとともに液面の中央付近がノズル開口から膨出しない範囲で加圧を行うので、液面がノズル開口から突出してワイパーと過度に接触するのを抑制することができる。
本発明の流体噴射装置において、前記ノズルの前記ノズル開口付近には撥水処理が施され、前記加圧機構は、前記液面の背圧となる前記流体噴射ヘッド内の前記流体の圧力が、前記液面と接する気体の圧力以上となるように前記加圧を行う。
この構成によれば、ノズル開口付近には撥水処理が施されているので、液面は撥水処理が施された撥水処理部よりも内側に後退する。したがって、液面の背圧となる流体噴射ヘッド内の流体の圧力を液面と接する気体の圧力以上としてノズル内に凸形状の液面を形成しても、液面がノズル開口から突出してワイパーと過度に接触するのを抑制することができる。そして、このように液面の背圧を正圧にすることにより、ドット抜けの発生をより抑制することができる。
本発明の流体噴射装置において、前記凹形状の液面は、該液面の境界が前記ノズル開口に接するとともに、該液面の中央付近が前記ノズル内に引き込まれた態様となるように前記ノズル内に形成される。
この構成によれば、凹形状の液面は、該液面の境界が前記ノズル開口に接するとともに、該液面の中央付近がノズル内に引き込まれた態様となるようにノズル内に形成されるので、液面がノズル開口から突出することがない。
本発明の流体噴射装置は、前記流体噴射ヘッド内の前記流体に対して減圧を行う減圧機構をさらに備え、前記加圧機構は、前記減圧時よりも前記液面の曲率が小さくなるように前記加圧を行う。
この構成によれば、加圧機構は、減圧時よりも液面の曲率が小さくなるように加圧を行うので、ワイピング時の流体噴射ヘッド内の流体の圧力を液面に接する気体の圧力に近づけることができる。これにより、ワイピングに伴う流体の消費を抑制しつつ、ドット抜けの発生を抑制することができる。
上記目的を達成するために、本発明のワイピング方法は、流体を噴射するノズルが設けられた流体噴射ヘッドにおける前記ノズルのノズル開口が形成されたノズル形成面をワイピングするワイピング方法であって、前記流体噴射ヘッド内の前記流体を加圧することで、前記ノズル内に形成された凹形状の液面の曲率を前記ノズル内において変化させた状態で、前記ノズル形成面をワイピングするワイピング工程を備える。
この構成によれば、ワイピング時には流体噴射ヘッド内の流体が加圧されるので、ワイパーがノズル内から流体を引き出した場合には、速やかにノズル内にインクが供給される。これにより、ドット抜けの発生を抑制することができる。そして、加圧による圧力変化は、ノズルと接触する液面の境界の位置を移動させることなく、ノズル内において液面の曲率を変化させる程度の微少な範囲で行われる。そのため、ワイパーが液面と接触するのは、ワイパーがノズル内に入り込んで通過するまでの短い時間であるので、流体の継続的な流出を招くことがない。したがって、ワイピングに伴う流体の消費を抑制しつつ、ドット抜けの発生を抑制することができる。
第1実施形態におけるインクジェット式プリンターの概略構成を示す模式図。 ワイピング装置の概略構成を示す断面図。 制御装置の電気的構成を示すブロック図。 差圧弁の構成及び作用を説明するための断面図で、(a)は閉弁時、(b)は開弁時を示す。 第1実施形態におけるノズル内の液面位置を示す模式図で、(a)は減圧時、(b)は加圧時の状態を示す。 ワイピング処理を示すフローチャート。 第2実施形態におけるノズル内の液面位置を示す模式図で、(a)は減圧時、(b)は加圧時の状態を示す。
(第1実施形態)
以下、本発明を流体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター(以下、単に「プリンター」という)に具体化した第1実施形態を図1〜図6を参照しながら説明する。なお、以下の説明において、「前後方向」、「左右方向」、「上下方向」をいう場合は各図中に矢印で示す前後方向、左右方向、上下方向をそれぞれ示すものとする。
図1に示すように、プリンター11は、媒体としての用紙Pを搬送する搬送機構12と、用紙Pに印刷処理を施すラインヘッド13と、ラインヘッド13に流体としてのインクを供給するインク供給ユニット14と、メンテナンスユニット15とを備えている。
搬送機構12は、一対の給紙ローラー16と、無端状の搬送ベルト17と、駆動ローラー18と、従動ローラー19と、駆動ローラー18に接続された駆動モーター20と、一対の排紙ローラー21とを備えている。搬送ベルト17は、駆動ローラー18及び従動ローラー19に巻き掛けられ、駆動モーター20の駆動によって駆動ローラー18が図1における時計回り方向に回転すると周回移動する。そして、給紙ローラー16、搬送ベルト17及び排紙ローラー21によって用紙Pを搬送方向Xに沿って搬送するようになっている。なお、搬送ベルト17は、少なくとも用紙Pの幅方向(前後方向)の両端を支持するように複数本(例えば2本)設けられているとともに、前後方向に並ぶ搬送ベルト17の間にメンテナンスユニット15が配置されている。
ラインヘッド13は、支持部22と、支持部22に支持された流体噴射ヘッド24とを備えている。流体噴射ヘッド24には、インクを噴射するためのノズル25が複数設けられている。そして、流体噴射ヘッド24の下面(底面)からなるノズル形成面24aには、複数のノズル25のノズル開口25aが形成されている。
なお、ラインヘッド13及びインク供給ユニット14は、例えばシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の4色のカラー印刷を行う場合には、色毎に4組設けられる。そして、支持部22に支持された4つのラインヘッド13から、搬送される用紙Pに4色のインク滴を重ね打つことによって印刷処理が実行される。
インク供給ユニット14は、インクを収容したインクカートリッジ26と、インクカートリッジ26から流体噴射ヘッド24側に向けてインクを供給する流体供給路を構成する弾性変形可能なインク供給チューブ27と、インクを加圧供給するための加圧ポンプ28とを備えている。なお、インクカートリッジ26は図示しないカートリッジホルダーに着脱可能に装着されることで、インク供給チューブ27に接続される。また、インク供給チューブ27の途中位置には、減圧機構としても機能する差圧弁29と加圧機構30とが設けられている。
図1において二点鎖線で囲んだ部分の拡大断面図に示すように、流体噴射ヘッド24内には、上流側が図示しないインク流路を通じてインク供給チューブ27に連通する一方、下流側がノズル25に連通するキャビティ31が形成されている。キャビティ31の上側の壁面は振動板32によって構成されているとともに、振動板32の上面側には、キャビティ31の上方となる位置に圧電素子33が配設されている。また、ノズル25は流体噴射ヘッド24の下面を構成するノズルプレート34を貫通することで形成されている。
振動板32は上下方向に振動可能に貼り付けられているとともに、圧電素子33は駆動信号を受けて伸縮することで、振動板32を上下方向に振動させるようになっている。また、振動板32が上下方向に振動すると、キャビティ31の容積が拡縮するようになっている。そして、キャビティ31の容積が縮小されると、インク供給チューブ27を介してキャビティ31内に供給されたインクがノズル25からインク滴として噴射されるようになっている。
なお、ノズル25はインクとの親和性(濡れ性)が高くなるように形成されている。そのため、ノズル25内には、凹形状の液面Sf(メニスカス)が形成されている。ここで、メニスカスとは、流体(インク)が固体表面(ノズル25やノズル形成面24a)と接するときに、両者の分子間に働く付着力と流体分子間の凝集力の大小関係で生じる湾曲した流体表面のことをいう。
次に、メンテナンスユニット15について説明する。
メンテナンスユニット15は、加圧機構30と、流体噴射ヘッド24のノズル形成面24aをキャッピングするためのキャッピング装置35と、ノズル形成面24aをワイピングするためのワイピング装置36(図2参照)と、制御装置100(図3参照)とを備えている。加圧機構30、キャッピング装置35及びワイピング装置36はそれぞれ流体噴射ヘッド24毎に設けられている。
加圧機構30は、回動軸30a及び回動軸30aとともに回動するカム部材30bを備えている。加圧機構30は、カム部材30bが回動軸30aの正方向への回動に伴ってインク供給チューブ27を押し潰すことで、インク供給チューブ27内及び流体噴射ヘッド24内のインクを加圧するようになっている。また、加圧機構30のカム部材30bが逆方向に回動して元の位置に戻ると、加圧が解除されるようになっている。
キャッピング装置35は、ノズル25の乾燥を防止するためのキャッピングに用いられる他、インクカートリッジ26内のインクをノズル25から吸引することで、気泡や増粘したインクなどを排出させる吸引クリーニングを実行する際に用いられる。さらに、キャッピング装置35は、インクカートリッジ26内のインクを加圧ポンプ28でノズル25から排出させる加圧クリーニングの際にも、ノズル25から排出されるインクを受容するために用いられる。
図1に示すように、キャッピング装置35は、有底四角箱状のキャップ37と、キャップ37を昇降させる昇降機構38と、吸引ポンプ39とを備えている。そして、昇降機構38によって上方に移動したキャップ37がノズル形成面24aに当接した状態で吸引ポンプ39が駆動されると、ノズル25からインクが排出される吸引クリーニングが実行される。
ワイピング装置36は、ノズル形成面24aを払拭して紙粉やインク等の付着物を除去するためのワイピングを実行する際に用いられる。
図2に示すように、ワイピング装置36は、ホルダー40と、前後方向に沿って延びるようにホルダー40に架設されたリードスクリュー41と、リードスクリュー41を回転させるためのモーター42と、支持部材43と、ゴムなどの弾性体からなる板状のワイパー44とを備えている。ワイパー44は支持部材43上に立設される態様で支持されるとともに、支持部材43はリードスクリュー41に支持されている。また、支持部材43の上面側には、貯留凹部45が形成されている。
ワイピング装置36は、昇降機構38によってワイパー44がノズル形成面24aに当接する位置まで上昇移動することが可能となっている。ワイパー44がノズル形成面24aに当接した状態でモーター42が駆動されると、リードスクリュー41が回転し、支持部材43とともにワイパー44が前後方向に沿って移動する過程で、ノズル形成面24aに摺接する。これにより、ノズル形成面24aを払拭により清掃するワイピングが実行される。このとき、ノズル形成面24aから払拭されたインクや紙粉はワイパー44を伝って流下し、貯留凹部45に貯留される。
次に、制御装置100及びメンテナンスユニット15の電気的構成について説明する。
図3に示すように、制御装置100は選択手段として機能するCPU150、ROM151、RAM152及び不揮発性メモリー153を備えている。ROM151には、CPU150により実行される制御プログラム等が記憶されている。また、RAM152には、CPU150の演算結果や制御プログラムを実行して処理する各種データなどが一時的に記憶されるようになっている。また、書き換え可能な不揮発性メモリー153には、プリンター11の動作履歴などが記憶されるようになっている。
また、制御装置100はモーター駆動回路154〜157をさらに備え、これらはバス160を介してCPU150、ROM151、RAM152及び不揮発性メモリー153と互いに接続されている。そして、CPU150は、メンテナンスユニット15の駆動制御を行う。なお、制御装置100は、プリンター11全体の動作を制御する制御装置と兼用してもよい。
具体的には、CPU150は、モーター駆動回路154を介して加圧機構30の回動軸30aを回動させるためのモーター46を駆動制御する。また、CPU150は、モーター駆動回路155を介してキャッピング装置35の吸引ポンプ39を駆動するためのポンプモーター47を駆動制御するとともに、モーター駆動回路156を介してキャップ37及びワイパー44を昇降させるために昇降機構38のモーター48を駆動制御する。また、CPU150は、モーター駆動回路157を介してワイピング装置36のワイパー44を前後方向に移動させるためのモーター42を駆動制御する。
次に、差圧弁29について説明する。差圧弁29は大気圧とインク圧との差圧を利用して開閉するダイアフラム式の自己封止弁で、インクカートリッジ26と加圧機構30との間に配置されている。
図4(a)に示すように、差圧弁29は、定形性を有する流路形成部材50を有している。流路形成部材50の一端(図4における左端)にはインクカートリッジ26に連通する上流側のインク供給チューブ27と接続される接続部51が設けられる。一方、流路形成部材50の右端には流体噴射ヘッド24に連通する下流側のインク供給チューブ27と接続される接続部52が設けられる。また、流路形成部材50の一面側(図4における上面側)には平面視円形状の凹部50aが形成されるとともに、凹部50aの内底面において中心から左方に偏心した位置には、円錐台形状をなす凸部50bが一つ形成されている。そして、この凸部50bの上端面に凹部50a内への開口が形成されるように、接続部51内には上流側のインク供給チューブ27と凹部50a内とを連通させる流入路51aが形成されている。一方、接続部52内には、下流側のインク供給チューブ27と凹部50a内とを連通させる流出路52aが形成されている。
流路形成部材50の上面側には、凹部50aの開口を封止するように可撓性を有するフィルム部材53が撓みを有した状態で固着されている。また、フィルム部材53の凹部50a内に臨む内面側の略中央部には、凹部50aの開口面積よりも面積の小さい円板状の押圧板54が固着されている。そして、フィルム部材53と凹部50aとによって、圧力室55が囲み形成されている。
圧力室55内には、基台部56と、この基台部56に傾動自在に支持されたアーム部材57と、アーム部材57の一端側(左端側)を、凸部50b側に向けて付勢する付勢ばね58とが収容されている。アーム部材57は、常時は付勢ばね58の付勢力を受けて、一端側が凸部50bの上端面に設けられた流入路51aの開口を封止するとともに、他端側(右端側)が押圧板54を上方に向けて押し上げた状態となっている。
これにより、フィルム部材53が圧力室55の内容積を拡大する方向に撓み変位され、圧力室55及びその下流域に位置する流体噴射ヘッド24内は負圧となる。また、流入路51aには、加圧ポンプ28によってインクが加圧状態で供給されるとともに、常には付勢ばね58の付勢力を受けたアーム部材57の一端側によって、圧力室55内への流入が抑制された状態となっている。
そして、ノズル25からの噴射又は流出によりインクが消費されると、圧力室55内の負圧が増し、図4(b)に示すように、フィルム部材53が付勢ばね58の付勢力に抗して圧力室55の内容積を減少させる方向に撓み変位する。すると、アーム部材57の他端側が押圧板54を介してフィルム部材53に押圧されて傾動し、一端側が流入路51aの開口を開放するので、流入路51aを通じて圧力室55内に加圧されたインクが流入する。
そして、インクの流入に伴って圧力室55内の負圧が減少すると、アーム部材57及びフィルム部材53は再び付勢ばね58の付勢力によって元の位置に復帰する。したがって、流体噴射ヘッド24には消費量に応じたインクが供給されるようになっている。
このように、差圧弁29が定常状態となる閉弁状態にあるとき、圧力室55及びその下流側に位置する流体噴射ヘッド24内は負圧となっている。プリンター11においては、重力によるインクの落下を防ぐとともに噴射動作を安定させるために、差圧弁29によって流体噴射ヘッド24内のインクの圧力(以下、これを「背圧」という)を−1kPa程度の負圧に保持している。
すなわち、本実施形態において、流体噴射ヘッド24内のインクは、インクの噴射動作に備えて減圧され、図5(a)に示すようにノズル25内に凹形状の液面Sfが形成された状態が定常状態とされる。なお、図5(a)の部分拡大図には、差圧弁29によって流体噴射ヘッド24内が−1kPa程度に減圧されている場合(以下、これを「減圧時」という)の液面位置を示している。
定常状態において、液面Sfは、液面Sfの境界がノズル開口25aに接するとともに、液面Sfの中央付近がノズル25内に引き込まれた態様となるようにノズル25内に形成されている。そして、液面Sfの境界がノズル開口25aにクリップされることにより、背圧が所定範囲内で変化しても、液面Sfの境界の位置は変化することなく、曲率のみが変化する状態となっている。なお、「クリップされる」とは、液面Sfが形状や表面状態などが変化する部分に引っかかり、平坦な部分よりも液面位置が移動しにくくなっている状態をいう。また、定常状態においては、ノズル25内に形成された液面Sfの曲率は、背圧が液面Sfと接する気体の圧力(本実施形態では大気圧)と等しい場合よりも大きくなる。なお、背圧は、液面Sfと接する気体の圧力に対する差圧(ゲージ圧)として表示される。
次に、本実施形態におけるワイピングについて説明する。
ワイピング時には、付着物を掻き取るために、先端が弾性変形した状態でワイパー44がノズル形成面24aに対して摺接する。そのため、ワイパー44がノズル開口25aを通過する際にノズル25内に入り込み、インクの液面Sfと接触することがある。このとき、ワイパー44のインクとの間に働く付着力(濡れ性)が大きいと、ワイパー44によってノズル25内のインクが引き出される。なお、ワイパー44がインクと親和性の高い材料や表面荒さが荒い材料で構成されている場合や、ワイパー44に掻き取った増粘インクや紙粉等が付着している場合には、インクとの間に働く付着力が大きくなる。
ワイピング時にノズル25内からインクが引き出されると、ノズル25の上流側にあるキャビティ31から毛管力によってインクが供給されるようになっている。しかし、インクの背圧は常時は負圧に保持されているため、特にワイピングを高速で行った場合にはインクの供給が間に合わず、ノズル25内に気泡が混入したり液面位置が大きく内側に後退したりすることがある。こうした気泡の混入や液面位置の後退は印刷処理を行った場合にドット抜けを招く要因となる。
ワイピングに伴うドット抜けは、インクの流出に対して毛管力によるインクの供給が間に合わないことが要因となるため、背圧が低いほど発生しやすく、背圧が高いほど発生しにくいといえる。しかし、背圧が正圧の状態でワイパー44が液面Sfに接触すると、継続的にインクが滲出し続けてインクが無駄に消費されてしまうことがある。そのため、ドット抜けとインクの消費をともに抑制するためには、ワイピング時に背圧を大気圧と等しくするのが好ましい。
そこで、プリンター11においては、休止時やインクを噴射する印刷処理時には流体噴射ヘッド24内を差圧弁29によって減圧する一方、ワイピング時には加圧機構30によって流体噴射ヘッド24内の減圧されたインクに対して加圧を行い、ノズル25内に形成された凹形状の液面Sfの曲率をノズル25内において変化させるようにしている。
なお、以下の説明において、上述した流体噴射ヘッド24の定常状態を「減圧時」という一方、流体噴射ヘッド24内の減圧されたインクに対して加圧機構30による加圧を行った状態を「加圧時」という。そして、加圧時には、背圧を大気圧に近づけるとともにワイパー44と液面Sfとの過度の接触を抑制するため、加圧前後で液面Sfの境界の位置を保持するとともに液面Sfの中央付近がノズル開口25aから膨出しない範囲で加圧を行う。
なお、背圧が大気圧と等しい場合、液面Sfは毛管力とノズル25の濡れ性によって凹形状となるので、背圧が大気圧よりもやや大きい正圧になったときに、液面Sfは曲率ゼロの平面形状になる。したがって、加圧時の背圧が減圧時の背圧よりも大きく、かつ、大気圧以下となるように加圧力を調整した場合には、加圧時の液面Sfは減圧時と同じく凹形状であるが、減圧時よりも曲率が小さくなる。なお、加圧時の背圧が大気圧を上回っても、液面Sfが凸形状になってノズル開口25aから膨出しなければよいので、加圧時の液面Sfは減圧時よりも曲率の小さい凹形状であってもよいし、平面形状であってもよい。
次に、CPU150によるワイピング実行処理について図6を参照しつつ説明する。
図6に示すように、制御装置100がワイピング実行命令を受け取ると、ステップS11の上昇工程として、CPU150が昇降機構38のモーター48を正方向に駆動制御してワイパー44をノズル形成面24aに当接する位置まで上昇させる。次に、ステップS12の加圧工程として、CPU150が加圧機構30のモーター46を正方向に駆動制御してカム部材30bを正方向(図5における時計回り方向)に回動させる。これにより、流体噴射ヘッド24内のインクが加圧され、図5(b)に示すようにノズル25内の液面Sfの曲率が減圧時よりも小さくなる。このとき、液面Sfの境界の位置を保持するとともに液面Sfの中央付近がノズル開口25aから膨出しないようにモーター46の駆動量が調整される。
次に、ステップS13の摺接工程(ワイピング工程)として、CPU150がワイピング装置36のモーター42を駆動制御してワイパー44を前後方向(図5において紙面と直交する方向)に移動させる。これにより、流体噴射ヘッド24内のインクを加圧することで、ノズル25内に形成された凹形状の液面Sfの曲率をノズル25内において変化させた状態で、ノズル形成面24aのワイピングが行われる。
そして、ワイパー44がノズル形成面24aに摺接する過程で、ノズル25から引き出したインクでノズル形成面24aを濡らして付着物をインクに溶解させつつ、ノズル形成面24aを払拭する。すると、ワイパー44が液面Sfに接触するとき、背圧は減圧時よりも高くなっているので、速い速度でワイパー44が前後方向に移動した場合でも、ワイパー44のインクの引き出しに伴ってノズル25内に速やかにインクが供給される。
次に、ステップS14の加圧解除工程として、加圧機構30のモーター46を逆方向に駆動制御してカム部材30bを加圧工程と反対方向(図5における反時計回り方向)に回動させる。なお、加圧工程において回動軸30aを180度回動させる場合には、加圧解除工程において、加圧工程と同方向に回動軸30aを180度回動させてもよい。これにより、加圧が解除されて背圧は−1kPa程度の負圧に戻る。
最後に、ステップS15の下降工程として、CPU150が昇降機構38のモーター48を逆方向に駆動制御してワイパー44を元の位置まで下降させ、処理を終了する。
以上説明した実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)ワイピング時には加圧機構30が流体噴射ヘッド24内のインクに対して加圧を行うので、ワイパー44がノズル25内からインクを引き出した場合には、速やかにノズル25内にインクが供給される。これにより、高速でワイピングを行った場合にも、ドット抜けの発生を抑制することができる。そして、加圧機構30による背圧の圧力変化は、液面Sfの境界の位置を移動させることなく、ノズル25内において液面Sfの曲率を変化させる程度の微少な範囲で行われる。そのため、ワイパー44が液面Sfと接触するのは、ワイパー44がノズル25内に入り込んで通過するまでの短い時間であるので、インクの継続的な流出を招くことがない。したがって、ワイピングに伴うインクの消費を抑制しつつ、ドット抜けの発生を抑制することができる。
(2)加圧機構30は、液面Sfがノズル開口25aから膨出しない範囲で加圧を行うので、液面Sfがノズル開口25aから突出してワイパー44と過度に接触するのを抑制することができる。
(3)凹形状の液面Sfは、液面Sfの境界がノズル開口25aに接するとともに、液面Sfの中央付近がノズル25内に引き込まれた態様となるようにノズル25内に形成されるので、液面Sfがノズル開口25aから突出することがない。
(4)加圧機構30は、減圧時よりも液面Sfの曲率が小さくなるように加圧を行うので、ワイピング時の背圧(流体噴射ヘッド24内のインクの圧力)を大気圧(液面Sfに接する気体の圧力)に近づけることができる。これにより、ワイピングに伴うインクの消費を抑制しつつ、ドット抜けの発生を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を図7に基づいて説明する。
本実施形態のプリンター11においては、図7に示すように、流体噴射ヘッド24のノズル形成面24a及びノズル25のノズル開口25a付近に撥水処理が施されている。なお、撥水処理が施された図7において太線で示す部分を撥水処理部Wcという。そのため、ノズル25内の液面Sfは図7(a)に示すように撥水処理部Wcよりも内側に後退し、液面Sfの境界は撥水処理部Wcの端部(上端部)に形成される。
そのため、本実施形態においては、背圧が大気圧以上となって、図7(b)に示すように凸形状の液面Sfが形成される場合にも、液面Sfがノズル開口25aから膨出しない範囲で加圧を行うことができる。
以上説明した実施形態によれば、上記(1),(2),(4)と同様の作用効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(5)ノズル開口25a付近には撥水処理が施されているので、液面Sfは撥水処理が施された撥水処理部Wcよりもノズル25の内側に後退する。したがって、背圧を大気圧以上としてノズル25内に凸形状の液面Sfを形成しても、液面Sfがノズル開口25aから突出してワイパー44と過度に接触するのを抑制することができる。そして、このように液面Sfの背圧を正圧にすることにより、ドット抜けの発生をより抑制することができる。
なお、上記実施形態は以下のような別の実施形態に変更してもよい。
・第2実施形態においては、減圧時の凹形状の液面Sfの曲率に対して、加圧時の凸形状の液面Sfの曲率が大きくなってもよい。
・インク供給チューブ27の差圧弁29と加圧機構30との間に、任意のタイミングで開閉制御が可能な開閉弁を設けてもよい。この場合には、吸引クリーニングや加圧クリーニングの際に、開閉弁を閉弁状態とした後に吸引や加圧を行い、インク流路内の圧力を高めた状態で開閉弁を開弁状態とすることで、インクの流速を増し、気泡の排出性を向上させることができる。また、加圧機構30による加圧を行う際に開閉弁を閉弁状態とすることで、加圧力が上流側に及ぶのを抑制し、下流側に加圧力を集中させることができる。
・差圧弁29を備えなくてもよい。この場合にも、ノズル25内には流体の種類とノズル25の濡れ性によって凹形状の液面が形成される場合がある。また、インクカートリッジ26(図示しないカートリッジホルダ)を流体噴射ヘッド24よりも低い位置に配置することで、水頭差によって流体噴射ヘッド24内を負圧にすることもできる。
・圧電素子やポンプ、ピストンなどを備えた加圧機構を採用してもよい。この場合には、流体供給路を弾性変形しにくい剛体の管路から構成することができる。これにより、加圧に伴う圧力変動を、管路の弾性変形で吸収することなく流体噴射ヘッド24内に伝播させることができる。
・1つのインクカートリッジ26から複数の流体噴射ヘッド24にインクを供給している場合には、加圧機構30をインクカートリッジ26に接続される単数の流体供給路(インク供給チューブ27)に設けてもよいし、加圧機構30を流体噴射ヘッド24毎に設けてもよい。
・インクカートリッジ26は着脱されないインクタンクとしてもよい。
・流体噴射ヘッド24やノズル25の数は任意に設定することができる。
・プリンター11は、長尺の流体噴射ヘッドを備えるフルラインタイプのラインヘッド式プリンターや、ラテラル式プリンター、あるいはシリアル式プリンターとして実現してもよい。
・上記実施形態では、流体噴射装置をインクジェット式プリンターに具体化したが、インク以外の他の流体を噴射したり吐出したりする流体噴射装置を採用してもよく、微小量の液滴を吐出させる液体噴射ヘッド等を備える各種の液体噴射装置に流用可能である。なお、液滴とは、上記液体噴射装置から吐出される液体の状態をいい、粒状、涙状、糸状に尾を引くものも含むものとする。また、ここでいう液体とは、液体噴射装置が噴射させることができるような材料であればよい。例えば、物質が液相であるときの状態のものであればよく、粘性の高い又は低い液状態、ゾル、ゲル水、その他の無機溶剤、有機溶剤、溶液、液状樹脂、液状金属(金属融液)のような流状態、また物質の一状態としての液体のみならず、顔料や金属粒子などの固形物からなる機能材料の粒子が溶媒に溶解、分散又は混合されたものなどを含む。また、液体の代表的な例としては上記実施形態で説明したようなインクや液晶等が挙げられる。ここで、インクとは一般的な水性インク及び油性インク並びにジェルインク、ホットメルトインク等の各種液体組成物を包含するものとする。液体噴射装置の具体例としては、例えば液晶ディスプレイ、EL(エレクトロルミネッセンス)ディスプレイ、面発光ディスプレイ、カラーフィルタの製造などに用いられる電極材や色材などの材料を分散又は溶解のかたちで含む液体を噴射する液体噴射装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を噴射する液体噴射装置、精密ピペットとして用いられ試料となる液体を噴射する液体噴射装置、捺染装置やマイクロディスペンサ等であってもよい。さらに、時計やカメラ等の精密機械にピンポイントで潤滑油を噴射する液体噴射装置、光通信素子等に用いられる微小半球レンズ(光学レンズ)などを形成するために紫外線硬化樹脂等の透明樹脂液を基板上に噴射する液体噴射装置、基板などをエッチングするために酸又はアルカリ等のエッチング液を噴射する液体噴射装置を採用してもよい。そして、これらのうち何れか一種の噴射装置に本発明を適用することができる。
さらに、上記実施形態及び各変形例から把握される技術的思想を以下に記載する。
(イ)流体を噴射するノズルが設けられた流体噴射ヘッドと、
該流体噴射ヘッドにおける前記ノズルのノズル開口が形成されたノズル形成面をワイピングするワイパーと、
前記流体の噴射に備えて前記流体噴射ヘッド内の前記流体に対して減圧を行うことで、前記ノズル内に凹形状の液面を形成させる減圧機構と、
前記ワイピング時に前記流体噴射ヘッド内の前記流体に対して加圧を行うことで、前記減圧によって形成された前記液面の曲率を前記ノズル内において変化させる加圧機構とを備えることを特徴とする流体噴射装置。
この構成によれば、ワイピング時には加圧機構が流体噴射ヘッド内の流体に対して加圧を行うので、ワイパーがノズル内から流体を引き出した場合には、速やかにノズル内にインクが供給される。これにより、ドット抜けの発生を抑制することができる。そして、加圧機構による圧力変化は、液面の境界の位置を移動させることなく、ノズル内において液面の曲率を変化させる程度の微少な範囲で行われる。そのため、ワイパーが液面と接触するのは、ワイパーがノズル内に入り込んで通過するまでの短い時間であるので、流体の継続的な流出を招くことがない。したがって、ワイピングに伴う流体の消費を抑制しつつ、ドット抜けの発生を抑制することができる。
(ロ)流体を噴射するノズルが設けられた流体噴射ヘッドにおける前記ノズルのノズル開口が形成されたノズル形成面をワイピングするワイピング方法であって、
前記流体噴射ヘッド内の前記流体は、前記流体の噴射に備えて減圧され、前記ノズル内に凹形状の液面が形成された状態が定常状態とされ、
該定常状態にある前記流体噴射ヘッド内の前記流体を加圧することで、前記減圧によって形成された前記液面の曲率を前記ノズル内において変化させた状態で、前記ノズル形成面をワイピングするワイピング工程を備えることを特徴とするワイピング方法。
この構成によれば、ワイピング時には流体噴射ヘッド内の流体が加圧されるので、ワイパーがノズル内から流体を引き出した場合には、速やかにノズル内にインクが供給される。これにより、ドット抜けの発生を抑制することができる。そして、加圧による圧力変化は、ノズルと接触する液面の境界の位置を移動させることなく、ノズル内において液面の曲率を変化させる程度の微少な範囲で行われる。そのため、ワイパーが液面と接触するのは、ワイパーがノズル内に入り込んで通過するまでの短い時間であるので、流体の継続的な流出を招くことがない。したがって、ワイピングに伴う流体の消費を抑制しつつ、ドット抜けの発生を抑制することができる。
(ハ)流体を噴射するノズルが設けられた流体噴射ヘッドを有する流体噴射装置に用いられるメンテナンスユニットであって、
前記流体噴射ヘッドにおける前記ノズルのノズル開口が形成されたノズル形成面をワイピングするワイパーと、
前記ワイピング時に前記流体噴射ヘッド内の前記流体に対して加圧を行うことで、前記ノズル内に形成された凹形状の液面の曲率を前記ノズル内において変化させる加圧機構とを備えることを特徴とするメンテナンスユニット。
この構成によれば、ワイピング時には加圧機構が流体噴射ヘッド内の流体に対して加圧を行うので、ワイパーがノズル内から流体を引き出した場合には、速やかにノズル内にインクが供給される。これにより、ドット抜けの発生を抑制することができる。そして、加圧機構による圧力変化は、液面の境界の位置を移動させることなく、ノズル内において液面の曲率を変化させる程度の微少な範囲で行われる。そのため、ワイパーが液面と接触するのは、ワイパーがノズル内に入り込んで通過するまでの短い時間であるので、流体の継続的な流出を招くことがない。したがって、ワイピングに伴う流体の消費を抑制しつつ、ドット抜けの発生を抑制することができる。
11…流体噴射装置としてのプリンター、24…流体噴射ヘッド、24a…ノズル形成面、25…ノズル、25a…ノズル開口、44…ワイパー、29…減圧機構として機能する差圧弁、30…加圧機構、Sf…液面。

Claims (6)

  1. 流体を噴射するノズルが設けられた流体噴射ヘッドと、
    該流体噴射ヘッドにおける前記ノズルのノズル開口が形成されたノズル形成面をワイピングするワイパーと、
    前記ワイピング時に前記流体噴射ヘッド内の前記流体に対して加圧を行うことで、前記ノズル内に形成された凹形状の液面の曲率を前記ノズル内において変化させる加圧機構とを備えることを特徴とする流体噴射装置。
  2. 前記加圧機構は、加圧前後で前記液面の境界の位置を保持するとともに前記液面の中央付近が前記ノズル開口から膨出しない範囲で前記加圧を行うことを特徴とする請求項1に記載の流体噴射装置。
  3. 前記ノズルの前記ノズル開口付近には撥水処理が施され、
    前記加圧機構は、前記液面の背圧となる前記流体噴射ヘッド内の前記流体の圧力が、前記液面と接する気体の圧力以上となるように前記加圧を行うことを特徴とする請求項2に記載の流体噴射装置。
  4. 前記凹形状の液面は、該液面の境界が前記ノズル開口に接するとともに、該液面の中央付近が前記ノズル内に引き込まれた態様となるように前記ノズル内に形成されることを特徴とする請求項2に記載の流体噴射装置。
  5. 前記流体噴射ヘッド内の前記流体に対して減圧を行う減圧機構をさらに備え、
    前記加圧機構は、前記減圧時よりも前記液面の曲率が小さくなるように前記加圧を行うことを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載の流体噴射装置。
  6. 流体を噴射するノズルが設けられた流体噴射ヘッドにおける前記ノズルのノズル開口が形成されたノズル形成面をワイピングするワイピング方法であって、
    前記流体噴射ヘッド内の前記流体を加圧することで、前記ノズル内に形成された凹形状の液面の曲率を前記ノズル内において変化させた状態で、前記ノズル形成面をワイピングするワイピング工程を備えることを特徴とするワイピング方法。
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