JP6565767B2 - インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの気泡除去方法 - Google Patents

インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの気泡除去方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6565767B2
JP6565767B2 JP2016072940A JP2016072940A JP6565767B2 JP 6565767 B2 JP6565767 B2 JP 6565767B2 JP 2016072940 A JP2016072940 A JP 2016072940A JP 2016072940 A JP2016072940 A JP 2016072940A JP 6565767 B2 JP6565767 B2 JP 6565767B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
flow path
pressure
storage chamber
flow
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016072940A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2017177751A (ja
Inventor
一樹 比江島
一樹 比江島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2016072940A priority Critical patent/JP6565767B2/ja
Publication of JP2017177751A publication Critical patent/JP2017177751A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6565767B2 publication Critical patent/JP6565767B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/12Embodiments of or processes related to ink-jet heads with ink circulating through the whole print head

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

本発明はインクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの気泡除去方法に関し、詳しくは、インクジェットヘッドにおける圧力室回りの残留気泡を効率的に除去できるインクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの気泡除去方法に関する。
一般的なプリンタ(インクジェット記録装置)においては、2ポートによりインクジェットヘッドを接続している。複数の圧力室に対して共通に注入するインクを貯留するインク貯留室(共通インク室ともいう。)から圧力室に注入したインクを再びインク貯留室に戻すインク循環機構を備えたインクジェットヘッドにおいては、プリンタに接続する2ポートは、インクの循環のために、インク貯留室にインクを供給するインク供給管と、圧力室を経たインクをインク貯留室から回収するインク回収管となっている(特許文献1)。
一方、インク循環機構を有さず、圧力室に注入したインクをインク貯留室に戻すことをしないインクジェットヘッドにおいては、インク貯留室の天井面付近に残留した気泡を除去するための泡抜きポートを備えたものがある(特許文献2)。この場合には、プリンタに接続する2ポートは、インク貯留室にインクを供給するインク供給管と、泡抜きポートとなっている
特表2015−509454号公報 特開2009−202490号公報
ところで、特許文献1に記載のインクジェットヘッドにおいては、インク供給管から混入しインク貯留室の天井面付近に残留した気泡が、圧力室内やノズルに侵入するおそれがある。このような気泡はノズルからのインク吐出に影響を与え、一時的にインクの吐出が不能となってしまう可能性がある。
特許文献2に記載のインクジェットヘッドにおいては、泡抜きポートによりインク貯留室の天井面付近に残留した気泡を除去してはいるが、圧力室内やノズルに気泡が侵入してしまったときには、インク循環機構を有さないため、この気泡を除去することは困難である。
特許文献1に記載のようなインクジェットヘッドに泡抜きポートを設けたインクジェットヘッドも提案されているが、インク供給管、インク回収管及び泡抜きポートの3ポートを有するインクジェットヘッドとなってしまう。3ポートを有するインクジェットヘッドでは、プリンタへの接続が一般的なプリンタよりも煩雑であり、また、各ポートの圧力制御が困難である。さらに、インクジェットヘッドの重量が増加するため、特にスキャン型プリンタにおいては、キャリッジ重量の増加によりプリント性能が低下してしまう。
そこで、本発明は、インク供給管及びインク回収管の2ポートによりインクジェットヘッドを接続する一般的なプリンタに使用することができ、インクジェットヘッドにおける圧力室回りの残留気泡を効率的に除去できるインクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの気泡除去方法を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
インク貯留室と、
前記インク貯留室内にインクを供給する流路をなすインク供給管と、
前記インク貯留室内からインクを回収する流路をなすインク回収管と、
前記インク貯留室に注入孔を介して連通し、電圧の印加によって容積変動を生ずる少なくとも1つの圧力室と、
前記圧力室に連通し、該圧力室内のインクを外部に吐出させるノズルと、
前記圧力室に連通し、該圧力室内のインクを排出させて前記インク回収管に合流点で合流させる流路をなす排出路と、
前記インク供給管から前記インク回収管の前記合流点に至る主流路の流路抵抗と、前記注入孔から前記圧力室及び前記排出路を経て前記合流点に至る副流路の流路抵抗との相対関係を調整する圧力損失調整手段とを備え、
前記圧力損失調整手段により、前記主流路の流路抵抗と、前記副流路の流路抵抗とを均衡させることにより、前記インク供給管内のインク圧力によって、前記主流路及び前記副流路の両方にインクを流すことを特徴とするインクジェットヘッド。
2.
前記インク回収管と前記排出路との合流点よりも下流側に吸引ポンプを備え、この吸引ポンプにより負圧を生じさせることにより、前記インク供給管内のインク圧力によって、前記主流路及び前記副流路の両方にインクを流すことを特徴とする前記1記載のインクジェットヘッド。
3.
前記圧力損失調整手段は、前記インク回収管の流路断面積を部分的に狭める流量調整部材であることを特徴とする前記1又は2記載のインクジェットヘッド。
4.
前記排出路には、逆止弁が設けられていることを特徴とする前記1〜3の何れかに記載のインクジェットヘッド。
5.
前記圧力損失調整手段は、前記排出路に設けられ前記合流点側にインクを吸引する吸引ポンプであることを特徴とする前記4記載のインクジェットヘッド。
6.
前記インク供給管から前記注入孔に至るインクが通過するフィルターを備えていることを特徴とする前記1〜5の何れかに記載のインクジェットヘッド。
7.
前記排出路は、前記インク回収管に対して、合流箱によって合流していることを特徴とする前記1〜6の何れかに記載のインクジェットヘッド。
8.
前記排出路は、前記インク回収管に対して、合流箱によって合流しており、
前記合流箱内に、前記流量調整部材が配置されていることを特徴とする前記3記載のインクジェットヘッド。
9.
前記インク貯留室と前記排出路とを隔てる隔壁を有し、
前記隔壁は、前記インク貯留室から前記インク回収管に向かうインクの流れに沿って傾斜していることを特徴とする前記1〜8の何れかに記載のインクジェットヘッド。
10.
前記隔壁には、前記インク貯留室と前記排出路とを連通させる連通路が設けられ、
前記連通路は、前記主流路において前記注入孔の下流側に位置していることを特徴とする前記9記載のインクジェットヘッド。
11.
前記1〜10の何れかに記載のインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドに移送されるインクが貯蔵されるインクタンクと、
前記インクタンク内のインクを前記インクジェットヘッドに移送するインク移送手段とを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
12.
インク貯留室と、
前記インク貯留室内にインクを供給する流路をなすインク供給管と、
前記インク貯留室内からインクを回収する流路をなすインク回収管と、
前記インク貯留室に注入孔を介して連通し、電圧の印加によって容積変動を生ずる少なくとも1つの圧力室と、
前記圧力室に連通し、該圧力室内のインクを外部に吐出させるノズルと、
前記圧力室に連通し、該圧力室内のインクを排出させて前記インク回収管に合流点で合流させる流路をなす排出路と、
前記インク供給管から前記インク回収管の前記合流点に至る主流路の流路抵抗と、前記注入孔から前記圧力室及び前記排出路を経て前記合流点に至る副流路の流路抵抗との相対関係を調整する圧力損失調整手段とを備えたインクジェットヘッドを用いて、
前記圧力損失調整手段により、前記主流路の流路抵抗と、前記副流路の流路抵抗とを均衡させることにより、前記インク供給管内のインク圧力によって、前記主流路及び前記副流路の両方にインクを流すことを特徴とするインクジェットヘッドの気泡除去方法。
13.
前記インク回収管と前記排出路との合流点よりも下流側に吸引ポンプを設け、この吸引ポンプにより負圧を生じさせることにより、前記インク供給管内のインク圧力によって、前記主流路及び前記副流路の両方にインクを流すことを特徴とする前記12記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
14.
前記圧力損失調整手段として、前記インク回収管の流路断面積を部分的に狭める流量調整部材を用いることを特徴とする前記12又は13記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
15.
前記排出路に、逆止弁を設けることを特徴とする前記12〜14の何れかに記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
16.
前記圧力損失調整手段として、前記排出路に、前記合流点側にインクを吸引する吸引ポンプを設けることを特徴とする前記15記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
17.
前記インク供給管から前記注入孔に至るインクが通過するフィルターを設けることを特徴とする前記12〜16の何れかに記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
18.
前記排出路を、前記インク回収管に対して、合流箱によって合流させることを特徴とする前記12〜17の何れかに記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
19.
前記排出路を、前記インク回収管に対して合流箱によって合流させ、
前記合流箱内に、前記流量調整部材を配置することを特徴とする前記14記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
20.
前記インク貯留室から前記インク回収管に向かうインクの流れに沿って傾斜させた隔壁により、前記インク貯留室と前記排出路とを隔てることを特徴とする前記12〜19の何れかに記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
21.
前記主流路において前記注入孔の下流側に位置させて、前記隔壁に、前記インク貯留室と前記排出路とを連通させる連通路を設けることを特徴とする前記20記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
本発明によれば、インク供給管及びインク回収管の2ポートによりインクジェットヘッドを接続する一般的なプリンタに使用することができ、インクジェットヘッドにおける圧力室回りの残留気泡を効率的に除去できるインクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの気泡除去方法を提供することができる。
本発明に係るインクジェット記録装置の一例を示す要部概略構成図 本発明に係るインクジェットヘッドにおけるインクの流路を示す流路図 図1に示すインクジェットヘッドの部分を破断して示す拡大斜視図 図1に示すインクジェットヘッドの部分を破断して示す拡大斜視図 第1流出管を一部切欠した状態を示す流量調整部材の一例を示す斜視図 本発明に係るインクジェットヘッドの他の一例を一部断面で示す概略構成図 本発明に係るインクジェットヘッドのさらに他の一例を一部断面で示す概略構成図 本発明に係るインクジェットヘッドのさらに他の一例を一部断面で示す概略構成図 本発明に係るインクジェットヘッドのさらに他の一例を一部断面で示す概略構成図
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
(インクジェット記録装置)
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の一例を示す要部概略構成図であり、インクジェットヘッドを一部断面で示している。
インクジェット記録装置100は、図示しない搬送手段によって一定方向(副走査方向)に搬送される記録媒体上に、インクジェットヘッド1からインクを吐出して画像を記録するものである。インクジェットヘッド1は、図示しないキャリッジに搭載され、該キャリッジが副走査方向に直交する主走査方向に沿って移動する過程で、ノズルから記録媒体に向けてインクを吐出する。本実施形態に示すインクジェット記録装置100では、水平方向に主走査を行い、ノズルからのインク吐出方向が鉛直方向下向きとなるようにインクジェットヘッド1が設置されている。
図1では、1つのインクジェットヘッド1のみを示しているが、一般にインクジェット記録装置100には、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、K(ブラック)等の各色インク用の複数のインクジェットヘッド1が搭載される。本実施形態に示すインクジェット記録装置100においては、インクを貯蔵するインクタンク101とインクジェットヘッド1のインク貯留室41とが、インク移送管102及びインク返送管103によって連通している。
インク移送管102の途中には、インクジェット記録装置100の制御部104によって駆動制御される循環ポンプ105が設けられている。この循環ポンプ105が駆動することにより、インクタンク101内のインクが、インク移送管102を介してインクジェットヘッド1に供給される。また、循環ポンプ105が駆動することにより、インクジェットヘッド1内のインク(気泡等を含むインク)が、インク返送管103を介してインクタンク101に戻される。このインクジェット記録装置100において、インク移送管102、制御部104及び循環ポンプ105は、インクタンク101内のインクをインクジェットヘッド1に移送するインク移送手段を構成している。
インクタンク101は、格別限定されないが、タンクの底面に到達しない仕切り板101aによって、インク移送室101bとインク返送室101cとに仕切ることが好ましい。この場合、インク移送室101b内にインク移送管102の一端部を配置し、また、インク返送室101c内にインク返送管103の一端部を配置する。仕切り板101aは、インク返送室101cに返送されてきたインク中の気泡が再度インク移送管102に流入しないように、インクを十分に脱気するために設けられる。気泡自体は浮力が高いので、気泡が仕切り板101aの下側を通過してインク移送室101bに流入することが制限される。このような態様は、インクを循環使用する場合に好ましい態様である。
(インクジェットヘッド)
次に、図1に示した本発明に係るインクジェットヘッド1の具体的構成について説明する。
本実施形態に示すインクジェットヘッド1は、インク吐出面1Sが鉛直方向下側に向くように設置されて使用される。なお、本明細書において、「上」及び「下」は、「鉛直方向上側」及び「鉛直方向下側」を意味し、図1の使用状態を示す側面図における上側及び下側に対応する。
インクジェットヘッド1は、インク貯留室41を構成するインクマニホールド4と、このインクマニホールド4に接着された基板3と、基板3を挟んでインクマニホールド4の反対側の面(下面)に接着されたヘッドチップ2とを有して構成されている。基板3は、例えばガラス基板である。ヘッドチップ2には、複数の圧力室23が形成されている。各圧力室23は、インク貯留室41に注入孔31aを介して連通し、電圧の印加によって容積変動を生ずる。また、ヘッドチップ2において、基板3の反対側の面(下面)には、各圧力室23に対応されたノズル22を有するノズルプレート21が接着されている。このノズルプレート21の下面部がインク吐出面1Sとなる。ノズル22は、圧力室23に連通しており、圧力室23内のインクを外部に吐出させる。
インクマニホールド4は、合成樹脂等によって、下面に開口部4aを有する横長の箱型に形成されている。このインクマニホールド4には、下面の開口部4aを塞ぐように、基板3が接着されている。インクマニホールド4の内部空間は、インクタンク101から供給されるインクが貯留されるインク貯留室41となる。
図2は、このインクジェットヘッドにおけるインクの流路を示す流路図である。
インク貯留室41には、図1及び図2に示すように、このインク貯留室41内にインクを供給する流路をなすインク供給管5aが連設されている。このインク供給管5aは、圧力室23から遠い側(上側)において、インク貯留室41に連通されている。このインク供給管5aの上端側には、接続部7aが設けられている。この接続部7aは、インクジェット記録装置100側の接続部106aに着脱可能に接続される。インクジェット記録装置100側の接続部106aは、インク移送管102に連通している。これにより、インクジェットヘッド1は、インクジェット記録装置100からのインクの移送が可能となる。
また、インク貯留室41には、このインク貯留室41内からインクを回収する流路をなすインク回収管5bが連設されている。このインク回収管5bは、圧力室23から遠い側(上側)において、インク貯留室41に連通されている。このインク回収管5bの上端側には、接続部7bが設けられている。この接続部7bは、インクジェット記録装置100側の接続部106bに着脱可能に接続される。インクジェット記録装置100側の接続部106bは、インク返送管103に連通している。これにより、インクジェットヘッド1は、インクジェット記録装置100へのインクの返送が可能となる。
このインクジェットヘッド1において、インク供給管5aから、回収管5bの後述する合流点46に至る流路が、主流路F1となる。
インク供給管5aとインク回収管5bとは、インク貯留室41の長手方向の両端部に離して配置することが好ましい。本実施形態におけるインク供給管5aは、インクマニホールド4の上面における図1中の左側の端部に配置され、また、インク回収管5bは、インクマニホールド4の上面における図1中の右側の端部に配置されている。これにより、インク供給管5aからインク貯留室41に供給されたインクを、インク回収管5bに向けて、インク貯留室41内の全体に亘って流すことができる。従って、インク貯留室41内にインクが滞留する部位が形成されにくく、インク中の気泡をより効率良く除去することができる。
インクマニホールド4内には、インク貯留室41に隣接して、インク排出室412が設けられている。このインク排出室412は、後述する排出路423の一部となる。このインク排出室412は、インク貯留室41に対しては、隔壁45によって分離されている。この隔壁45は、インクマニホールド4に一体的に形成することができる。
図3及び図4は、図1に示すインクジェットヘッドの部分を破断して示す拡大斜視図である。
インク貯留室41は、図3及び図4に示すように、各圧力室23に対応して基板3に形成された注入孔31aを介して、ヘッドチップ2の全ての圧力室23と連通している。インク貯留室41内のインクは、各注入孔31aを介して全ての圧力室23に共通に注入される。
ヘッドチップ2に形成された圧力室23は、その数は特に問わない。本実施形態に示すヘッドチップ2は、複数の圧力室23が、ヘッドチップ2の長手方向である図3図中X方向に沿う複数列に配列されている。圧力室23は、内部のインクに吐出圧力を付与し、圧力室23の下端部に連通するノズル22からインクを吐出させる。
圧力室23内のインクに吐出圧力を付与するための具体的な手段は問わず、公知の手段を採用することができる。本実施形態では、隣り合う圧力室23、23は、圧電素子により形成された駆動壁24によって隔てられている。駆動壁24は、圧力室23内に臨む面に形成された図示しない駆動電極に、例えば制御部104から基板3に形成された図示しない配線を経て所定電圧の駆動電圧が印加されることによって、せん断変形する。圧力室23の両側の駆動壁24、24がせん断変形することにより、圧力室23内は膨張又は収縮する。これにより、圧力室23内のインクに圧力が付与され、ノズル22からインクが吐出される。
そして、各圧力室23には、図2〜図4に示すように、これら圧力室23内のインクを排出させてインク回収管5bに合流点46で合流させる流路をなす排出路423が連通されている。すなわち、各圧力室23の下端側には、ノズル22の側方に位置して、排出溝422への連通部が形成されている。この排出溝422は、図3に示すように、ノズルプレート21の上面に各圧力室23内に対応して形成された溝であり、上面側が基板3によって閉蓋されることにより、流路を構成している。この排出溝422は、共通排出溝421に連通している。この共通排出溝421は、ヘッドチップ2の下面(又はノズルプレート21の上面)に、圧力室23の配列方向(X方向)に形成された溝である。共通排出溝421は、ヘッドチップ2(又はノズルプレート21)に形成された溝がノズルプレート21(又はヘッドチップ2)によって閉蓋されることにより、各排出溝422に連通した流路として構成されている。なお、この共通排出溝421は、圧力室23の列を挟んで、圧力室23の一列あたり2本を互いに平行に形成してもよい。
インク貯留室41内から各注入孔31aに注入されたインクは、対応する各圧力室23内に至る。これら圧力室23内のインクは、一部がノズル22から外部(記録媒体側)に吐出される。圧力室23内のインクの残部は、図3に示すように、排出溝422を経て、共通排出溝421に至る。そして、共通排出溝421に至ったインクは、図4に示すように、基板3に形成された排出孔31bを経て、インク排出室412に至る。
なお、このインクジェットヘッド1においては、各圧力室23内から各排出溝422及び共通排出溝421を経てインク排出室412に至る流路が形成されていることを考慮して、この条件においてノズル22からのメニスカスブレイクが生じないように、循環ポンプ105が与える圧力等の条件が決定される。
図1及び図2に示すように、インク排出室412には、このインク排出室412内からインクを排出する流路をなすインク排出管5cが連設されている。このインク排出管5cの上端側は、インク回収管5bに合流している。インク回収管5bとインク排出管5cとは、合流箱47に接続されることによって合流している。合流箱47は、合成樹脂材料や金属材料から一体的に構成することができ、内部に合流点46となる空間が形成されている。
合流箱47の外面には、合流点46に至る第1乃至第3の開口部48a,48b,48cが形成されている。第1の開口部48aから合流点46を経て第3の開口部48cに至る流路は、インク回収管5bの中途部に介在される。実装状態としては、インク回収管5bを中途部において上流側及び下流側に分け、上流側を第1の開口部48aに接続させ、下流側を第3の開口部48cに接続させることになる。そして、第2の開口部48bには、インク排出管5cを接続させる。
このインクジェットヘッド1において、排出溝422から、共通排出溝421、排出孔31b、インク排出室412及びインク排出管5cを経て、合流点46に至る流路が、排出路423となる。そして、各注入孔31aから各圧力室23を経て、排出路423(排出溝422から合流点46)までが、副流路F2となる。
このように、本実施形態に示すインクジェットヘッド1は、インク回収管5b及びインク排出管5cが合流箱47によって合流されているため、インクジェット記録装置100側の配管等との接続部位は、インク供給管5a(接続部7a)及びインク回収管5b(接続部7b)の2箇所のみで済む。従って、インクジェット記録装置100側の配管等との接続部位の数は、一般的なインクジェットヘッドに対して増加せず、接続作業が煩雑化することはない。
また、本実施形態に示すインクジェットヘッド1は、インク供給管5a(接続部7a)及びインク回収管5b(接続部7b)の2箇所のみで、インクジェット記録装置100側の接続部106a、106bと接続される構造であるため、循環機構を備えた既設のインクジェット記録装置のインクジェットヘッドとの互換性を備えている。すなわち、一般に、インクマニホールド4内のインクを循環させる循環機構を有するインクジェット記録装置は、各インクジェットヘッドに対して、インクの供給部及び回収部の2箇所で配管接続する構造となっている。そのため、本実施形態のインクジェットヘッド1によれば、既設装置を設計変更する必要なく、接続部7a、7bの2箇所のみの接続によって交換及び設置が可能である。
ところで、排出路423は各圧力室23の全てを通過する流路として形成されているため、圧力室23の高密度化に伴い、全ての排出溝422から共通排出溝421に合流した排出路423全体の流路抵抗は大きくなっている。従って、インク排出管5cをインク回収管5bに合流させても、多くのインクはインク供給管5aからインク回収管5bを経る主流路F1を流れてしまい、各注入孔31aから排出路423に至る副流路F2の流量は小さい。
そこで、このインクジェットヘッド1は、主流路F1の流路抵抗と副流路F2の流路抵抗との相対関係を調整する圧力損失調整手段を備えている。この圧力損失調整手段は、副流路F2の流路抵抗に相当する圧力損失ΔPを、主流路F1に付与する。または、圧力損失調整手段は、副流路F2の流路抵抗を減らして、主流路F1の流路抵抗に相当するものにする。
副流路F2の流路抵抗は、全ての注入孔31a、全ての各圧力室23、全ての排出溝422及び共通排出溝421を含む排出路423全体における流路径、流路長、屈曲部の数、流速などによって決まる流路抵抗である。これら排出溝422及び共通排出溝421は、流路径が極めて細いうえに流路長が長いので、大きな流路抵抗を生じさせている。
このインクジェットヘッド1においては、圧力損失調整手段により、主流路F1の流路抵抗と、副流路F2の流路抵抗とを均衡させることにより、インク供給管5a内のインク圧力P0によって、主流路F1及び副流路F2の両方に均等にインクを流すことができる。
圧力損失調整手段の一例を図5に示す。図5は、圧力損失調整手段の一例が設けられたインク回収管5bを一部破断した状態を示す斜視図である。
圧力損失調整手段としては、例えば、図5(a)に示すように、インク回収管5bの流路断面積を部分的に狭める流量調整部材9を用いることができる。この流量調整部材9は、インク回収管5b内に保持され、インク回収管5bの内径を部分的に狭くする部材である。
この実施形態の流量調整部材9は、小径部91の両端側に、該小径部91よりも大径な大径部92、92を同軸状に一体に形成したものである。流量調整部材9の材質は特に限定されないが、インクの非浸透性、インク回収管5bへの挿入し易さ及びインクに対する耐腐食性に優れるステンレス等の金属、セラミックス、合成樹脂が挙げられる。
大径部92、92の外径は、その外周面がインク回収管5bの内周面に密接し得る大きさに形成されている。従って、流量調整部材9は、インク回収管5b内に挿入された後、大径部92、92がインク回収管5bの内周面に密接することによって、インク回収管5b内の所定位置に保持される。
インクが流入する側の大径部92の外周面の一部には、軸方向に沿って延びる溝部93が形成されている。この溝部93によって、インク回収管5bの内壁と小径部91との間には、インク中の気泡が流入し、この空気が閉じ込められる。この空気は、インク回収管5b内のインクと接しているため、ダンパーの役割を果たす。ダンパーの役割とは、キャリッジの振動をヘッド内部に伝播させないことである。なお、インクの脱気をしている場合には、インク回収管5bの内壁と小径部91との間の空気は減ってゆくが、この空気は、チューブのガス透過性により充填される。
流量調整部材9には、小径部91と大径部92、92に亘って縦貫する流路孔94が形成されている。大径部92、92はインク回収管5bの内周面に密接するため、この流量調整部材9が配置された部位におけるインク回収管5bの流路は、この流路孔94のみとなる。従って、流量調整部材9は、この流路孔94によってインク回収管5bの流路断面積を部分的に狭め、インク回収管5b内を流れるインクの圧力を損失させる。
この流量調整部材9によって付与される圧力損失ΔPは、副流路F2の流路抵抗に相当する圧力損失ΔPであり、流路孔94の内径によって調整される。この圧力損失ΔPにより、主流路F1の流路抵抗と、副流路F2の流路抵抗とが均衡される。すなわち、インク供給管5a内のインク圧力P0は、主流路F1の合流点46の直前において圧力P1に減圧され、副流路F2の合流点46の直前における圧力P2にほぼ等しいものとなる。また、インク供給管5a内のインク圧力P0は、循環ポンプ105が与える圧力にほぼ等しい。副流路F2の圧力P2は、ノズル22からのメニスカスブレイクが生じないように、メニスカスブレイクが生じる圧力Pxより小さく設定される。
なお、以下の場合に限定されないことは言うまでもないが、例えば、P0=−2kPaとした場合に、P2=−12kPaとなるように合流後の減圧を実施し、P1=−12kPaとなるような圧力損失ΔP(流路構成によるが、例えば10kPa)を与えることにより、主流路F1及び副流路F2の両方に均等にインクを流しつつ循環をさせることができる。すなわち、〔P1=(P0−ΔP)=P2<Px〕となる。この結果、インク供給管5a内のインク圧力P0によって、主流路F1及び副流路F2の両方に均等にインクを流すことができる。また、圧力P2は、例えばノズルの吐出不良等が生じると変動する場合がある。したがって、主流路F1の流路抵抗と、副流路F2の流路抵抗とが均衡するとは、本願発明の効果を奏する範囲で圧力P1と圧力P2とがほぼ等しい(±10%)ことを示す。
なお、インク圧力P0は、インク供給管5aにT字分岐を設け、分岐させた先においてマノメータにより測定することができる。圧力P1は、インク回収管5b(流量調整部材9より下流、合流点46より上流)にT字分岐を設け、分岐させた先においてマノメータにより測定することができる。圧力P2は、インク排出管5c(合流点46より上流)にT字分岐を設け、分岐させた先においてマノメータにより測定することができる。
流量調整部材9の流路孔94の具体的な内径は、排出溝422及び共通排出溝421などの圧力損失要素による圧力損失を考慮して、インク回収管5bの圧力損失が所望の圧力損失となるように適宜調整される。例えば、インク回収管5bから回収されるインク流量と、各排出溝422及び共通排出溝421を経てインク排出管5cから排出されるインク流量とが均一になるように、流量調整部材9の流路孔94の内径を調整すれば、主流路F1及び副流路F2の両方に均等にインクを流すことができる。これにより、インク貯留室41内(主流路F1)と、各圧力室23内、排出溝422及び共通排出溝421内(副流路F2)とに、迅速にインクを貯留させることができるため、特にインクの初期導入の際に好ましい態様である。
このインクジェットヘッド1及びこれを備えたインクジェット記録装置100によれば、インク供給管5aからインクを供給するだけで、インク貯留室41内の残留気泡を主流路F1を経てインク回収管5bから排出させるのみならず、圧力室23回りの残留気泡をも、副流路F2を経てインク排出管5cから排出させることができる。よって、インクマニホールド4内の全体(インク貯留室41内及び圧力室23回り)の残留気泡を効率的に除去することができる。
また、このインクジェットヘッド1及びこれを備えたインクジェット記録装置100によれば、画像記録中にインクタンク101との間でインクを循環させた際に、圧力室23回りのインクをも、副流路F2を経て効率よく循環させることができる。このため、画像記録中にノズル22から引き込まれた気泡も迅速に排出させることができる。また、沈降し易い粒子や顔料等が含まれているインクを使用する場合には、画像記録中の各排出溝422及び共通排出溝421における粒子や顔料等の沈降を効果的に抑制して、インクの濃度偏差を抑制することができる。
なお、流量調整部材9の流路孔94の内径を調整することにより、インク回収管5bから回収されるインク流量(主流路F1)と、各排出溝422及び共通排出溝421を経てインク排出管5cから排出されるインク流量(副流路F2)とを異ならせることもできる。例えば、流量調整部材9の流路抵抗を高くして、インク回収管5bから回収されるインク流量(主流路F1)よりも、各排出溝422及び共通排出溝421を経てインク排出管5cから排出されるインク流量(副流路F2)の方を多くする(副流路F2の流速を上げる)ことにより、圧力室23回りに付着した取り除きにくい気泡もより容易に除去することができる。また、逆に、流量調整部材9の流路抵抗を低くして、副流路F2よりも主流路F1の方の流量を多くする(主流路F1の流速を上げる)こともできる。この場合には、主流路F1内の特に天井面や角部に付着した気泡を容易に除去することができる。また、この場合には、インクマニホールド4内に圧力室22の上方に位置するダンパー部材(MF(Manifold)ダンパー部材)を設けた場合にも、このダンパー部材回りに残留し易い気泡を容易に除去することができる。
なお、流量調整部材9を予め合流箱47内に保持させておけば、この合流箱47をインク回収管5bに介在接続させるだけで、インク回収管5bに所望の圧力損失を付与することができる。また、流量調整部材9を変更、交換したいときには、合流箱47ごと交換することができ、迅速、容易な交換を行うことができる。さらに、流量調整部材9の近傍に夾雑物が付着して汚損してしまった場合等にも、合流箱47を交換することにより、迅速、容易に清冽な状態とすることができる。
なお、図5(a)に示す流量調整部材9はあくまで一例であり、具体的な構造は図5(a)に示したものに何ら限定されない。例えば、大径部92は、インクの流出側のみに設けられるだけでもよい。また、流量調整部材9にダンパーの役割を持たせる必要がない場合には、小径部91はなくてもよい。
また、流量調整部材9にダンパーの役割を持たせる必要がない場合や、大量の気泡が主流路F1を流れる可能性がある場合には、図5(b)に示すように、流量調整部材9の長さを短くし、流路孔94の長さを短くするとよい。図5(b)に示す流量調整部材9は、インク回収管5bの内壁に沿う円筒部95と、この円筒部95の一端部を閉蓋する円盤部96とを有して一体的に構成されている。円盤部96の中央部には、流路孔94が形成されている。このように流量調整部材9の流路孔94の長さを短くすることにより、流路孔94内に気泡が入ったときの流路抵抗の変動を抑え、流速のばらつきを抑えることができる。図5(a)に示した流量調整部材9の流路孔94の長さは、例えば14mm程度であるが、図5(b)に示した流量調整部材9の流路孔94の長さは、例えば0.5mm程度である。流路孔94の長さを0.5mm程度にすることにより、気泡による流路抵抗の変動を抑えることができる。
インク排出管5cには、図1及び図2に示すように、逆止弁8を設けてもよい。この逆止弁8は、インク排出室412から合流点46に向けたインクの流出を許容し、その反対方向のインクの流れを阻止するように機能する。例えば、インク中に含まれる夾雑物によって各排出溝422及び共通排出溝421が目詰まりし、副流路F2の圧力P2が下がると、インク貯留室41内の主流路F1の圧力P1との間に圧力差が生じる。この場合に、インク回収管5bから回収されたインクが、合流点46を経てインク排出管5cに逆流する虞がある。インク排出管5cに逆止弁8を設けることにより、インクの逆流によって各排出溝422及び共通排出溝421に気泡や夾雑物が戻ることを防止することができる。
なお、この逆止弁8も圧力損失要素の一つであるため、逆止弁のクラッキング圧力(開弁圧)は低いほうがよく、ノズル22からのメニスカスブレイクが生じる圧力Px(例えば5kPa程度)よりも低いことが必要である。また、ノズル22からのメニスカスブレイクを確実に防止するには、循環ポンプ105による加圧をせずに、インク返送管103に(インク回収管5bと排出路423との合流点46よりも下流側に)吸引ポンプを設け、この吸引ポンプが生じさせる負圧のみによりインクを循環させるようにしてもよい。この場合にも、インクは、インク供給管100内のインク圧力によって主流路F1及び副流路F2の両方に循環しているといえる。
(気泡除去方法)
次に、このように構成されたインクジェットヘッド1において、インクの初期導入時にインク貯留室41の残留気泡を除去する方法について、図1及び図2を用いて説明する。インクジェット記録装置100における気泡除去動作は、例えば制御部104に予め記憶された所定のプログラムに従って循環ポンプ105の駆動が制御されることによって行われる。
まず、制御部104は循環ポンプ105を駆動させ、インクタンク101内のインクをインク供給管5aからインクマニホールド4内のインク貯留室41に所定の圧力で流入させる。インク貯留室41に流入したインクは、インク貯留室41を通ってインク回収管5bに向けて主流路F1を流れる。
ここで、インク回収管5bには、副流路F2(各排出溝422及び共通排出溝421や逆止弁8等を含む流路)の圧力損失分ΔPが考慮された流量調整部材9が設けられているため、インク回収管5bから回収されるインクは、流量調整部材9で一部が止められ、インクの圧力は一部損失する。この損失分の圧力ΔPは、流路孔94の内径が適切に調整されることにより、インクが副流路F2を通過し得る圧力である。従って、インク貯留室41内の主流路F1を流れるインクの一部は、副流路F2にも流れ込む。
これにより、インク貯留室41には、主流路F1を通ってそのままインク回収管5bから回収されるインクの流れと、各圧力室23に注入され、副流路F2を通ってインク排出管5cから排出されるインクの流れとが同時に形成される。
従って、インク貯留室41に供給されたインクは、インク回収管5bとインク排出管5cの両方から流出する。このとき、インク貯留室41内の残留気泡は、インクと共にインク回収管5bから回収され、各圧力室23回りの残留気泡は、インクと共にインク排出管5cから排出される。
制御部104は、循環ポンプ105の駆動を、予め設定された所定時間継続した後に停止させる。この他、例えばインク返送管103にインク中の気泡を検出するセンサーを設け、このセンサーが配管内を流れるインク中の気泡を検出しなくなった際に、循環ポンプ105の駆動を停止させるようにしてもよい。これにより、気泡除去動作は終了し、インク貯留室41及びインク排出室412はインクで満たされる。
このように、このインクジェットヘッド1は、インクをインク貯留室41に供給するだけで、主流路F1を通ってインク回収管5bからインクを回収するのみならず、副流路F2を通ってインク排出管5cからもインクを排出することができる。気泡除去のために開閉弁等を操作して主流路F1及び副流路F2に個別にインクを流す必要がないため、インクジェットヘッド1の構造を複雑にすることなく、インク貯留室41内及び各圧力室23回りの残留気泡を効率的に除去することができる。
また、インク貯留室41内及び各圧力室23回りの両方から気泡を含むインクを流出させることができるため、インク貯留室41内及び各圧力室23回りで個別に行う場合に比べて、気泡除去にかかる時間を短縮できると共に、気泡除去のためのインク消費量も抑えることができる。
以上の気泡除去動作は、インクの初期導入時に限らず、記録媒体上への画像記録時にも実施することができる。すなわち、画像記録時、循環ポンプ105を駆動させておくことにより、インク貯留室41内のインクのみならず、各圧力室23回りのインクも循環させることができる。これにより、インク循環によって、画像記録中でも気泡が除去されるのみならず、濃度偏差のない均質なインクを各圧力室23に供給することができる。このため、より高品質の画像を形成することができる。
(圧力損失調整手段の他の実施形態)
本発明において、インク回収管5bに設ける圧力損失調整手段は、以上説明した流量調整部材9に限定されない。例えば、図示しないが、インク回収管5bに流量調整弁を設け、インク回収管5bの流路断面積を部分的に狭めることによって圧力損失ΔPを付与するようにしてもよい。流量調整弁の開度を適宜調整することによって、インク回収管5bに適切な圧力損失ΔPを付与することができる。また、インク回収管5bに設ける圧力損失調整手段は、逆止弁であってもよい。さらに、インク回収管5bを可撓管によって形成した場合には、インク回収管5bの外側から挟着部材等を用いて流路断面積を部分的に狭めることによって圧力損失ΔPを付与するようにしてもよい。
さらに、圧力損失調整手段は、図1、図5に示した流量調整部材9のようにインク回収管5b(主流路F1)に設けられるものに限定されず、図6に示すように、インク排出管5c(副流路F2)に設けることもできる。図6は、本発明に係るインクジェット記録装置の他の一例を示す要部概略構成図であり、インクジェットヘッドを一部断面で示している。図1と同一符号の部位は同一構成の部位であるため、これらの説明は上記説明を援用し、ここでは省略する。
図6における圧力損失調整手段は、インク排出管5cに設けられた吸引ポンプ10によって構成されている。吸引ポンプ10は、制御部104の制御によって駆動され、インク排出管5c内のインクを合流点46側に強制的に吸引する。これにより、副流路F2の圧力損失が小さくなり、主流路F1の圧力損失が、副流路F2の圧力損失に対して相対的に大きくなったことになる。これにより、各排出溝422及び共通排出溝421による圧力損失によってインクが流れにくい副流路F2のインクの流量を増大させる。このときの吸引ポンプ10の駆動量(吸引量)は、インク貯留室41に供給されたインクの一部が副流路F2にも流れるように、制御部104によって適切に調整される。このように吸引ポンプ10を設ける場合には、インク排出管5cには逆止弁8を設けることが好ましい。
このような吸引ポンプ10を設けたインクジェットヘッド1によれば、インクをインク貯留室41に供給するだけで、主流路F1を通ってインク回収管5bからインクを回収するのみならず、副流路F2を通ってインク排出管5cからもインクを排出することができるので、流量調整部材9を設けた場合と同様に、インク貯留室41内及び各圧力室23回りの残留気泡を効率的に除去することができる効果が得られる。また、流路の圧力調整を、合流後の循環ポンプを用いた減圧により行う場合には、副流路F2のノズル22から合流点46までの流路抵抗が大きいため、加圧による循環よりも大きい差圧で循環させることができる。例えば、式で表すと〔(P1+ΔP)=P0>Px, P1=P2〕となる。
また、吸引ポンプ10は、駆動量を制御することによってインク流量を適宜調整可能である。このため、吸引ポンプ10の駆動量の調整により、インク回収管5bから回収されるインク流量とインク排出管5cから排出されるインク流量とを均一化するのみならず、インク回収管5bよりもインク排出管5cから排出されるインク流量を多くする等のように、インク回収管5bとインク排出管5cからそれぞれ流出するインク流量を異ならせることも容易に行うことができる。
さらに、吸引ポンプ10の駆動によって、各排出溝422内及び共通排出溝421内には負圧が発生するため、インクの初期導入時にノズル22から無駄にインクが排出されることを抑制できる効果もある。
なお、このように吸引ポンプ10を設ける場合には、インク排出管5cの内径を、インク回収管5bの内径よりも細くすることも好ましい。インク排出管5cの内径を細くすると、吸引ポンプ10の駆動時に、各排出溝422内及び共通排出溝421内の圧力変動を抑えることができ、インク流量の調整が容易となる。
(フィルター)
インクマニホールド4内には、図6に示すように、例えばメッシュ状の金属や樹脂の多孔質体等によって形成されたフィルター43を、インク貯留室41を上下に二分するように配置してもよい。これにより、インク貯留室41は、フィルター43を挟んで、各圧力室23から遠い部分と、各圧力室23に近い部分とに分けられる。このフィルター43は、インク供給管5aからインク貯留室41に供給されたインク中に含まれる気泡や夾雑物が、各圧力室23に侵入することを阻止する。
本発明において、このフィルター43は、インク貯留室41に供給されたインクが、各圧力室23に注入される際の圧力損失要素の一つである。なお、循環ポンプ105は、このフィルター43及び配管の長さや配管の曲り部の数等の圧力損失要素による圧力損失ΔPを上回る圧力P0を発生する。
(インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置の他の実施形態(1))
図6に示すインクジェットヘッド1及びインクジェット記録装置100において、インク排出管5cに吸引ポンプ10を設けることに加えて、例えば、インク回収管5bに流量調整部材9を設け、気泡除去時にこれらを併用することも好ましい。インク回収管5bに設けた流量調整部材9によって圧力損失が付与されるため、それだけ吸引ポンプ10の駆動量を低減することができる。これにより、吸引ポンプ10は低容量のポンプで済み、イニシャルコスト及びランニングコストを低減できる。
このようにインク回収管5bの流量調整部材9とインク排出管5cの吸引ポンプ10とを併用する場合には、インク回収管5bに流量調整部材9を設けるのみの場合に比べ、インク回収管5bに付与する圧力損失ΔPを小さく設定することもできる。例えば、流量調整部材9は、吸引ポンプ10と併用しない場合に比べて、流路孔94の内径を大きくすることができる。このため、狭い流路孔94では流れにくい高粘度インクの使用も可能となり、使用可能なインクの種類を広げることができる。
(インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置の他の実施形態(2))
インクマニホールド4内には、図7に示すように、排出路423を複数設けてもよい。図7は、本発明に係るインクジェット記録装置のさらに他の一例を示す要部概略構成図であり、インクジェットヘッドを一部断面で示している。図1と同一符号の部位は同一構成の部位であるため、これらの説明は上記説明を援用し、ここでは省略する。
すなわち、インクマニホールド4内のヘッドチップ2の長手方向一方側及び他方側に、それぞれ隔壁45,45を設け、インク貯留室41の両側に、2つのインク排出室412,412を設ける。そして、各インク排出室412,412を経由する一方及び他方の2つの排出路423,423を設けることができる。一方の排出路423は、前述した実施形態における排出路423と同一のものである。他方の排出路423も、前述した実施形態における排出路423と同様に構成することができる。
すなわち、一方のインク排出室412には、前述のように、このインク排出室412内からインクを排出する流路をなす一方のインク排出管5cを連設する。同様に、他方のインク排出室412にも、このインク排出室412内からインクを排出する流路をなす他方のインク排出管5cを連設する。そして、これらインク排出管5c,5cの上端側を、それぞれインク回収管5bに合流させる。
各インク排出管5c,5cとインク回収管5bとは、前述した実施形態と同様に合流箱47に接続することによって合流させることができる。
合流箱47の外面には、合流点46に至る第1乃至第4の開口部48a,48b,48c,48dが形成されている。第1の開口部48aから合流点46を経て第3の開口部48cに至る流路は、インク回収管5bの中途部に介在される。実装状態としては、インク回収管5bを中途部において上流側及び下流側に分け、上流側を第1の開口部48aに接続させ、下流側を第3の開口部48cに接続させることになる。そして、第2の開口部48bには、一方のインク排出管5cを接続させる。第4の開口部48dには、他方のインク排出管5cを接続させる。
この実施形態においては、排出路423,423は、各注入孔31aから各圧力室23を経て、ヘッドチップ2の長手方向一方側及び他方側に分かれて、両側の排出孔31b,31bを経て合流点46に至るインクの経路となる。すなわち、圧力室23内から共通排出溝421に至ったインクは、ヘッドチップ2の長手方向一方側及び他方側に分かれ、それぞれ排出孔31b,31bに至る。各排出孔31b,31bに至ったインクは、これら排出孔31b,31bを通って、一方及び他方のインク排出室412,412を経て、一方及び他方のインク排出管5c,5cに至る。
このように排出路423を複数設けた場合には、各圧力室23から各排出孔31bに至る距離を短くすることができるので、排出路423全体の流路抵抗を低く抑えることができ、副流路F2の流路抵抗を低く抑えることができる。
なお、前述した各実施態様において、主流路F1と副流路F2との合流は、インクマニホールド4内で行うようにしてもよい。インクマニホールド4内で合流させることにより、従来のインクジェットヘッドと外形形状に違いのないインクジェットヘッドを構成することができる。
(インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置の他の実施形態(3))
前述の各実施形態においては、インク貯留室41及びインク排出室412は、それぞれインクマニホールド4内に構成され、隔壁45によって分離されている。この隔壁45は、図8に示すように、インク貯留室41からインク回収管5bに向かう主流路F1に沿って傾斜させてもよい。この場合には、インク排出室412においても、隔壁45は、副流路F2に沿って傾斜されたものとなる。
図8は、本発明に係るインクジェット記録装置のさらに他の一例を示す要部概略構成図であり、インクジェットヘッドを一部断面で示している。図1と同一符号の部位は同一構成の部位であるため、これらの説明は上記説明を援用し、ここでは省略する。
このように隔壁45を傾斜させることにより、各流路F1,F2の流れが円滑になり、インク貯留室41内及び各圧力室23回りの残留気泡を効率的に除去することができる。
さらに、インク貯留室41内及びインク排出室412内に気泡が残留し得るような段差部をなくし、各流路F1,F2に沿う滑らかな形状とすることにより、インク貯留室41内及びインク排出室412内に気泡が残留することを防止し、また、気泡が残留してもその除去を容易に行うことができる。
(インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置の他の実施形態(4))
また、インク排出室412は、図9に示すように、インク貯留室41に対して隔壁45によって分離されることなく、隔壁45に設けた連通路424によってインク貯留室41に連通しているものとしてもよい。この場合には、隔壁45は、インク貯留室41からインク回収管5bに向かう主流路F1に沿って傾斜させる。また、隔壁45は、副流路F2の流れの方向にも沿うように傾斜させることが好ましい。
図9は、本発明に係るインクジェット記録装置のさらに他の一例を示す要部概略構成図であり、インクジェットヘッドを一部断面で示している。図1と同一符号の部位は同一構成の部位であるため、これらの説明は上記説明を援用し、ここでは省略する。
この場合には、連通路424は、主流路F1において各注入孔31aの下流側に位置させることが好ましい。すなわち、連通路424は、基板3の近傍に位置することになり、隔壁45の下側(基板3側)に形成される。
この場合には、インクをインク貯留室41に供給するだけで、主流路F1を通ってインク回収管5bからインクを回収するのみならず、副流路F2を通ってインク排出管5cからもインクを排出することができ、さらに、主流路F1の一部の流れF3が連通路424を経て排出路423の副流路F2に合流する。
このとき、連通路424を経て副流路F2に合流する主流路F1の一部の流れF3は、インク排出室412において副流路F2の流れを加速する作用を有するので、各圧力室23回りの残留気泡の除去を促進する効果を発揮する。
前述のように、インク供給管内のインク圧力をP0(図2参照)、主流路F1の圧力をP1、副流路F2の圧力をP2、副流路F2における圧力損失をΔP、ノズル22からのメニスカスブレイクが生じる圧力をPxとすると、〔P1=(P0−ΔP)=P2<Px〕である。ここで、連通路424からインク排出室412に流入する流れF3の圧力をP3とすると、〔P3<P2=P1=(P0−ΔP)<Px〕となっている必要がある。流れF3の圧力P3が、副流路F2の圧力P2よりも大きいと、基板3に設けられた排出孔31bから圧力室23側にインクが逆流する虞があるからである。
なお、以上説明した各実施形態のインクジェット記録装置100においては、インクジェットヘッド1とインクタンク101との間でインクを循環させているが、本発明はこれに限定されない。例えば、残留気泡をインクの初期導入時に除去するだけでよい場合には、図示しないが、インク回収管5b及びインク排出管5cから流出したインクを、インクタンク101に戻さずに、廃インクタンクに排出させるように構成してもよい。
1:インクジェットヘッド
2:ヘッドチップ
21:ノズルプレート
22:ノズル
23:圧力室
3:基板
31a:注入孔
31b:排出孔
4:インクマニホールド
41:インク貯留室
412:インク排出室
421:共通排出溝
422:排出溝
423:排出路
424:連通路
43:フィルター
45:隔壁
46:合流点
47:合流箱
5a:インク供給管
5b:インク回収管
5c:インク排出管
8:逆止弁
9:流量調整部材
10:吸引ポンプ(流量調整部材)
F1:主流路
F2:副流路
100:インクジェット記録装置
101:インクタンク
102:インク移送管
103:インク返送管
104:制御部
105:循環ポンプ

Claims (21)

  1. インク貯留室と、
    前記インク貯留室内にインクを供給する流路をなすインク供給管と、
    前記インク貯留室内からインクを回収する流路をなすインク回収管と、
    前記インク貯留室に注入孔を介して連通し、電圧の印加によって容積変動を生ずる少なくとも1つの圧力室と、
    前記圧力室に連通し、該圧力室内のインクを外部に吐出させるノズルと、
    前記圧力室に連通し、該圧力室内のインクを排出させて前記インク回収管に合流点で合流させる流路をなす排出路と、
    前記インク供給管から前記インク回収管の前記合流点に至る主流路の流路抵抗と、前記注入孔から前記圧力室及び前記排出路を経て前記合流点に至る副流路の流路抵抗との相対関係を調整する圧力損失調整手段とを備え、
    前記排出路には、逆止弁が設けられ、
    前記圧力損失調整手段により、前記主流路の流路抵抗と、前記副流路の流路抵抗とを均衡させることにより、前記インク供給管内のインク圧力によって、前記主流路及び前記副流路の両方にインクを流すことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記圧力損失調整手段は、前記排出路に設けられ前記合流点側にインクを吸引する吸引ポンプであることを特徴とする請求項記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記インク貯留室と前記排出路とを隔てる隔壁を有し、
    前記隔壁は、前記インク貯留室から前記インク回収管に向かうインクの流れに沿って傾斜していることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。
  4. インク貯留室と、
    前記インク貯留室内にインクを供給する流路をなすインク供給管と、
    前記インク貯留室内からインクを回収する流路をなすインク回収管と、
    前記インク貯留室に注入孔を介して連通し、電圧の印加によって容積変動を生ずる少なくとも1つの圧力室と、
    前記圧力室に連通し、該圧力室内のインクを外部に吐出させるノズルと、
    前記圧力室に連通し、該圧力室内のインクを排出させて前記インク回収管に合流点で合流させる流路をなす排出路と、
    前記インク供給管から前記インク回収管の前記合流点に至る主流路の流路抵抗と、前記注入孔から前記圧力室及び前記排出路を経て前記合流点に至る副流路の流路抵抗との相対関係を調整する圧力損失調整手段とを備え、
    前記インク貯留室と前記排出路とを隔てる隔壁を有し、
    前記隔壁は、前記インク貯留室から前記インク回収管に向かうインクの流れに沿って傾斜しており、
    前記圧力損失調整手段により、前記主流路の流路抵抗と、前記副流路の流路抵抗とを均衡させることにより、前記インク供給管内のインク圧力によって、前記主流路及び前記副流路の両方にインクを流すことを特徴とするインクジェットヘッド。
  5. 前記隔壁には、前記インク貯留室と前記排出路とを連通させる連通路が設けられ、
    前記連通路は、前記主流路において前記注入孔の下流側に位置していることを特徴とする請求項3又は4記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記インク回収管と前記排出路との合流点よりも下流側に吸引ポンプを備え、この吸引ポンプにより負圧を生じさせることにより、前記インク供給管内のインク圧力によって、前記主流路及び前記副流路の両方にインクを流すことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のインクジェットヘッド。
  7. 前記圧力損失調整手段は、前記インク回収管の流路断面積を部分的に狭める流量調整部材であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のインクジェットヘッド。
  8. 前記インク供給管から前記注入孔に至るインクが通過するフィルターを備えていることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記排出路は、前記インク回収管に対して、合流箱によって合流していることを特徴とする請求項1〜の何れかに記載のインクジェットヘッド。
  10. 前記排出路は、前記インク回収管に対して、合流箱によって合流しており、
    前記合流箱内に、前記流量調整部材が配置されていることを特徴とする請求項記載のインクジェットヘッド。
  11. 請求項1〜10の何れかに記載のインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドに移送されるインクが貯蔵されるインクタンクと、
    前記インクタンク内のインクを前記インクジェットヘッドに移送するインク移送手段とを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  12. インク貯留室と、
    前記インク貯留室内にインクを供給する流路をなすインク供給管と、
    前記インク貯留室内からインクを回収する流路をなすインク回収管と、
    前記インク貯留室に注入孔を介して連通し、電圧の印加によって容積変動を生ずる少なくとも1つの圧力室と、
    前記圧力室に連通し、該圧力室内のインクを外部に吐出させるノズルと、
    前記圧力室に連通し、該圧力室内のインクを排出させて前記インク回収管に合流点で合流させる流路をなす排出路と、
    前記インク供給管から前記インク回収管の前記合流点に至る主流路の流路抵抗と、前記注入孔から前記圧力室及び前記排出路を経て前記合流点に至る副流路の流路抵抗との相対関係を調整する圧力損失調整手段とを備え、前記排出路に、逆止弁を設けたインクジェットヘッドを用いて、
    前記圧力損失調整手段により、前記主流路の流路抵抗と、前記副流路の流路抵抗とを均衡させることにより、前記インク供給管内のインク圧力によって、前記主流路及び前記副流路の両方にインクを流すことを特徴とするインクジェットヘッドの気泡除去方法。
  13. 前記圧力損失調整手段として、前記排出路に、前記合流点側にインクを吸引する吸引ポンプを設けることを特徴とする請求項12記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
  14. 前記インク貯留室から前記インク回収管に向かうインクの流れに沿って傾斜させた隔壁により、前記インク貯留室と前記排出路とを隔てることを特徴とする請求項12又は13記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
  15. インク貯留室と、
    前記インク貯留室内にインクを供給する流路をなすインク供給管と、
    前記インク貯留室内からインクを回収する流路をなすインク回収管と、
    前記インク貯留室に注入孔を介して連通し、電圧の印加によって容積変動を生ずる少なくとも1つの圧力室と、
    前記圧力室に連通し、該圧力室内のインクを外部に吐出させるノズルと、
    前記圧力室に連通し、該圧力室内のインクを排出させて前記インク回収管に合流点で合流させる流路をなす排出路と、
    前記インク供給管から前記インク回収管の前記合流点に至る主流路の流路抵抗と、前記注入孔から前記圧力室及び前記排出路を経て前記合流点に至る副流路の流路抵抗との相対関係を調整する圧力損失調整手段とを備え、前記インク貯留室から前記インク回収管に向かうインクの流れに沿って傾斜させた隔壁により、前記インク貯留室と前記排出路とを隔てたインクジェットヘッドを用いて、
    前記圧力損失調整手段により、前記主流路の流路抵抗と、前記副流路の流路抵抗とを均衡させることにより、前記インク供給管内のインク圧力によって、前記主流路及び前記副流路の両方にインクを流すことを特徴とするインクジェットヘッドの気泡除去方法。
  16. 前記主流路において前記注入孔の下流側に位置させて、前記隔壁に、前記インク貯留室と前記排出路とを連通させる連通路を設けることを特徴とする請求項14又は15記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
  17. 前記インク回収管と前記排出路との合流点よりも下流側に吸引ポンプを設け、この吸引ポンプにより負圧を生じさせることにより、前記インク供給管内のインク圧力によって、前記主流路及び前記副流路の両方にインクを流すことを特徴とする請求項12〜16の何れかに記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
  18. 前記圧力損失調整手段として、前記インク回収管の流路断面積を部分的に狭める流量調整部材を用いることを特徴とする請求項12〜17の何れかに記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
  19. 前記インク供給管から前記注入孔に至るインクが通過するフィルターを設けることを特徴とする請求項12〜18の何れかに記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
  20. 前記排出路を、前記インク回収管に対して、合流箱によって合流させることを特徴とする請求項12〜19の何れかに記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
  21. 前記排出路を、前記インク回収管に対して合流箱によって合流させ、
    前記合流箱内に、前記流量調整部材を配置することを特徴とする請求項18記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
JP2016072940A 2016-03-31 2016-03-31 インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの気泡除去方法 Active JP6565767B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016072940A JP6565767B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの気泡除去方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016072940A JP6565767B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの気泡除去方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017177751A JP2017177751A (ja) 2017-10-05
JP6565767B2 true JP6565767B2 (ja) 2019-08-28

Family

ID=60008197

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016072940A Active JP6565767B2 (ja) 2016-03-31 2016-03-31 インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの気泡除去方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6565767B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021118574A1 (en) * 2019-12-12 2021-06-17 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Printing fluid circulation in a printing device

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020090015A (ja) * 2018-12-05 2020-06-11 コニカミノルタ株式会社 液体収容タンク及び液滴吐出ヘッド
JP7404811B2 (ja) 2019-11-26 2023-12-26 ブラザー工業株式会社 液体噴射ヘッド
JP7404812B2 (ja) 2019-11-26 2023-12-26 ブラザー工業株式会社 液体噴射ヘッド
CN113619287B (zh) * 2021-08-06 2022-08-16 深圳市高创自动化技术有限公司 一种高精度且成本低的循环点油墨装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009023289A (ja) * 2007-07-23 2009-02-05 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出装置
KR101430934B1 (ko) * 2008-04-29 2014-08-18 삼성전자 주식회사 잉크젯 화상형성장치와 잉크 유동 제어방법
JP5975204B2 (ja) * 2012-02-28 2016-08-23 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置
CN203198405U (zh) * 2013-04-11 2013-09-18 杭州宏华数码科技股份有限公司 用于喷墨打印机的内循环喷头
JP5846237B2 (ja) * 2014-04-01 2016-01-20 セイコーエプソン株式会社 液体噴射装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021118574A1 (en) * 2019-12-12 2021-06-17 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Printing fluid circulation in a printing device

Also Published As

Publication number Publication date
JP2017177751A (ja) 2017-10-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6597777B2 (ja) インクジェットヘッド、インクジェットヘッドの気泡除去方法及びインクジェット記録装置
JP6565767B2 (ja) インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの気泡除去方法
JP6881461B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP6968592B2 (ja) 液体吐出ヘッド
JP6617708B2 (ja) インクジェットヘッドの気泡除去方法及びインクジェットヘッドの気泡除去装置
JP2009285900A (ja) ライン型ヘッドユニット
JP5882005B2 (ja) 液体噴射ヘッド及び液体噴射装置
JP4617799B2 (ja) インクジェット記録ヘッドのメンテナンス方法及びインクジェット記録装置
JP2008137385A (ja) チェックバルブ兼用のフィルタを備えるプリントヘッドリザーバ
JP6579018B2 (ja) インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの気泡除去方法
JP4970100B2 (ja) インクジェットヘッド
JP2018075795A (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP6686805B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP7036113B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP6776622B2 (ja) インクジェットヘッド、合流部材及びインクジェット記録装置
JP2005014566A (ja) インクジェット記録装置
JP6707990B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP2007290182A (ja) 画像形成装置と記録ヘッドのインクの排出方法
JP7031143B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP6686814B2 (ja) インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの製造方法
JP2009078395A (ja) インクフィルタ装置
JP6708014B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置
JP5246599B2 (ja) 画像形成装置
JP2023088342A (ja) 液滴吐出ヘッド及び液滴吐出装置
JP2009107163A (ja) インクジェット式記録装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180619

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190306

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190402

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190702

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190715

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6565767

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150