JP6617708B2 - インクジェットヘッドの気泡除去方法及びインクジェットヘッドの気泡除去装置 - Google Patents

インクジェットヘッドの気泡除去方法及びインクジェットヘッドの気泡除去装置 Download PDF

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Description

本発明はインクジェットヘッドの気泡除去方法及びインクジェットヘッドの気泡除去装置に関し、詳しくは、フィルターを備えたインク貯留室内の残留気泡を効率的に除去できると共にノズルからの廃棄インク量を低減することができるインクジェットヘッドの気泡除去方法及びインクジェットヘッドの気泡除去装置に関する。
インクジェットヘッドは、ノズル面を下向きにして使用されることが多いため、インクの初期導入時にヘッド内に気泡が流入したり、ノズルから気泡を巻き込んだりした場合、圧力室と連通するインク貯留室内の天井面に気泡が残留してしまう。
この対策として、特許文献1には、インクジェットヘッドの液流入口から液流出口にインクを循環させることにより、インク貯留室内の気泡を高い位置に配置された液流出口から排出できることが記載されている。しかし、高解像度に伴って小さなインク滴を吐出するためにノズルも小径化しており、微細なごみや気泡でもノズルのつまりが生じ、吐出不良が起こる恐れがある。そこで、特許文献2には、インク貯留室内にゴミ等を除去するためのフィルターを備えると共に、フィルターの上部に外部とジョイント部材を介して連通するインク排出流路を備えることによって、ごみ等がノズルに詰まることに起因する吐出不良を防止できることが開示されている。しかしながら、インク貯留室がフィルターを挟んで上流側と下流側とに分けられているため、フィルターよりも圧力室に近い下流側に残留する気泡を十分に除去することはできない。
そこで、ジョイント部材のポートを閉じ、インク流入ポートからインクを加圧流入させることにより、ノズルから気泡と共にインクをパージして気泡除去を図る方法がある。しかし、気泡を完全に除去しようとすると、気泡除去の度に大量のインクが廃棄されると共に強い圧力をかける必要があるため、ヘッドの耐久性の点において問題がある。
この問題を解決するため、特許文献3では、インク流入路及びインク排出路の他に、フィルターを介して該フィルターの下流側と連通する泡抜き路をインク貯留室に設け、インク流入路からインクを加圧流入させ、フィルターを通して泡抜き路から排出させることにより、フィルターよりも下流側に残留する気泡の除去を図っている。
特開2006−175651号公報 特開2009−202490号公報 特開2012−218398号公報
しかしながら、例えばごみ等や気泡をフィルターによってより多く除去しようとすると、フィルターの圧力損失が大きくなり、泡抜き路から下流側に残留する気泡を排出させようとした場合、フィルターの圧力損失を考慮して高い圧力をかける必要が生じ、ヘッドの耐久性やポンプの耐久性の観点で問題がある。
そこで本願発明者は、フィルターの下流側インク室内におけるインクの流れによって気泡を除去できることに着目し、本発明に至った。
そこで、本発明は、フィルターを備えたインク貯留室内の残留気泡を効率的に除去できると共に、ノズルからの廃棄インク量を低減することができるインクジェットヘッドの気泡除去方法及びインクジェットヘッドの気泡除去装置を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
ノズルと連通する圧力室と、前記圧力室に連通するインク貯留室と、前記インク貯留室に配置されるフィルターとを備え、前記インク貯留室が、前記フィルターを挟んで、前記圧力室から遠い上流側インク室と前記圧力室から近い下流側インク室とに分かれているインクジェットヘッドの気泡除去方法であって、
前記上流側インク室の上部に、インク流入用の第1インクポート及びインク排出用の第2インクポートを設けると共に、前記下流側インク室内の上部に前記フィルターを介することなくインク排出用の第3インクポートを設け、
前記下流側インク室の前記第3インクポートから離れた位置で、前記第1インクポートから前記第3インクポートに向かうインクの流れが滞留する部位に、前記フィルターを介して連通するインク流入用の第4インクポートを更に設け、
前記第1インクポート及び前記第2インクポートに連通する各々の流路を開け、且つ前記第3インクポート及び前記第4インクポートに連通する各々の流路を閉じ、前記第1インクポートから前記上流側インク室にインクを流入させ、前記第2インクポートからインクを排出させることにより、前記上流側インク室内の気泡を除去し、
次いで、前記第2インクポートに連通する流路を閉じ、且つ前記第3インクポートに連通する流路を開け、前記第1インクポートからインクを流入させ、前記上流側インク室から前記フィルターを介して前記下流側インク室に向かってインクを流し、該下流側インク室内を前記第3インクポートに向かって流れるインクを該第3インクポートから排出させることにより、前記下流側インク室内の気泡を除去し、
次いで、前記第1インクポート及び前記第2インクポートに連通する各々の流路を閉じ、前記第4インクポートに連通する流路を開け、該第4インクポートから前記下流側インク室に流入させたインクを前記第3インクポートから排出させることにより、前記第3インクポートに向かうインクの流れが滞留する部位に存在する気泡を除去するインクジェットヘッドの気泡除去方法。
2.
ノズルと連通する圧力室と、前記圧力室に連通するインク貯留室と、前記インク貯留室に配置されるフィルターとを備え、前記インク貯留室が、前記フィルターを挟んで、前記圧力室から遠い上流側インク室と前記圧力室から近い下流側インク室とに分かれているインクジェットヘッドの気泡除去方法であって、
前記上流側インク室の上部に、インク流入用の第1インクポート及びインク排出用の第2インクポートを設けると共に、前記下流側インク室内の上部に前記フィルターを介することなくインク排出用の第3インクポートを設け、
前記第1インクポートに連通する流路を開け、前記第2インクポートに連通する流路を閉じ、且つ前記第3インクポートに連通する流路を開け、前記第1インクポートからインクを流入させ、前記上流側インク室から前記フィルターを介して前記下流側インク室に向かってインクを流し、該下流側インク室内を前記第3インクポートに向かって流れるインクを該第3インクポートから排出させることにより、前記下流側インク室内の気泡を除去し、
次いで、前記第1インクポート及び前記第2インクポートに連通する各々の流路を開け、且つ前記第3インクポートに連通する流路を閉じ、前記第1インクポートから前記上流側インク室にインクを流入させ、前記第2インクポートからインクを排出させることにより、前記上流側インク室内の気泡を除去するインクジェットヘッドの気泡除去方法。
3.
前記下流側インク室の前記第3インクポートから離れた位置で、前記第1インクポートから前記第3インクポートに向かうインクの流れが滞留する部位に、前記フィルターを介して連通するインク流入用の第4インクポートを更に設け、
前記第1インクポートに連通する流路を開け、前記第2インクポートに連通する流路を閉じ、且つ前記第3インクポートに連通する流路を開け、前記第1インクポートからインクを流入させ、前記上流側インク室から前記フィルターを介して前記下流側インク室に向かってインクを流し、該下流側インク室内を前記第3インクポートに向かって流れるインクを該第3インクポートから排出させることにより、前記下流側インク室内の気泡を除去し、
次いで、前記第1インクポート及び前記第2インクポートに連通する各々の流路を開け、且つ前記第3インクポートに連通する流路を閉じ、前記第1インクポートから前記上流側インク室にインクを流入させ、前記第2インクポートからインクを排出させることにより、前記上流側インク室内の気泡を除去し、
次いで、前記第1インクポート及び前記第2インクポートに連通する各々の流路を閉じ、前記第4インクポートに連通する流路を開け、該第4インクポートから前記下流側インク室に流入させたインクを前記第3インクポートから排出させることにより、前記第3インクポートに向かうインクの流れが滞留する部位に存在する気泡を除去する前記2記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
4.
前記インク貯留室に流入させるインクの圧力P〔kPa〕は、ノズルメニスカスブレイク圧力をPMN、前記フィルターの圧力損失をRとしたとき、
P≦PMN+R
の関係を満たす前記1〜3の何れかに記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
5.
前記インク貯留室に流入させるインクの圧力P〔kPa〕は、
P>7−R
の関係を満たす前記1〜4の何れかに記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
6.
ノズルと連通する圧力室と、前記圧力室に連通するインク貯留室と、前記インク貯留室に配置されるフィルターとを備え、前記インク貯留室が、前記フィルターを挟んで、前記圧力室から遠い上流側インク室と前記圧力室から近い下流側インク室とに分かれているインクジェットヘッドの気泡除去装置であって、
前記上流側インク室の上部に、インク流入用の第1インクポート及びインク排出用の第2インクポートを設けると共に、前記下流側インク室内の上部に前記フィルターを介することなくインク排出用の第3インクポートを設け、
前記下流側インク室の前記第3インクポートから離れた位置で、前記第1インクポートから前記第3インクポートに向かうインクの流れが滞留する部位に、前記フィルターを介して連通するインク流入用の第4インクポートを更に設け、
前記インク貯留室に送液ポンプを介して供給されるインクを貯留するインクタンクを備え、
該インクタンクは第1のインク供給管を介して前記第1インクポートに接続されると共に、第1のインク排出管及び第2のインク排出管を介してそれぞれ前記第2インクポート及び第3インクポートに接続され、
前記第4インクポートと連通して前記インクタンクからのインクを流入させる第2のインク供給管を設け、
前記第1のインク供給管、前記第1のインク排出管及び前記第2のインク排出管には、第1開閉弁、第2開閉弁及び第3開閉弁が各々設けられ、
前記第2のインク供給管には第4開閉弁が設けられ、
前記送液ポンプ、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、前記第3開閉弁及び前記第4開閉弁を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を開けると共に前記第3開閉弁を閉じ、前記送液ポンプを駆動させて、前記第1インクポートから前記上流側インク室に流入させたインクを前記第2インクポートから排出させて前記上流側インク室内の気泡を除去する第1の制御動作を行い、
前記第1の制御動作終了後、前記第1開閉弁を開けたままで前記第2開閉弁を閉じ、前記第3開閉弁を開けて、前記送液ポンプを駆動させて、前記第1インクポートから流入させたインクを前記上流側インク室及び前記下流側インク室を通って前記第3インクポートから排出させて前記下流側インク室内の気泡を除去する第2の制御動作を行うように制御し、
前記第2の制御動作終了後、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉じると共に前記第3開閉弁及び前記第4開閉弁を開け、前記送液ポンプを駆動させて、前記第4インクポートから前記下流側インク室に流入させたインクを前記第3インクポートから排出させるように、前記送液ポンプ、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、前記第3開閉弁及び前記第4開閉弁を制御するインクジェットヘッドの気泡除去装置。
7.
ノズルと連通する圧力室と、前記圧力室に連通するインク貯留室と、前記インク貯留室に配置されるフィルターとを備え、前記インク貯留室が、前記フィルターを挟んで、前記圧力室から遠い上流側インク室と前記圧力室から近い下流側インク室とに分かれているインクジェットヘッドの気泡除去装置であって、
前記上流側インク室の上部に、インク流入用の第1インクポート及びインク排出用の第2インクポートを設けると共に、前記下流側インク室内の上部に前記フィルターを介することなくインク排出用の第3インクポートを設け、
前記インク貯留室に送液ポンプを介して供給されるインクを貯留するインクタンクを備え、
該インクタンクは第1のインク供給管を介して前記第1インクポートに接続されると共に、第1のインク排出管及び第2のインク排出管を介してそれぞれ前記第2インクポート及び前記第3インクポートに接続され、
前記第1のインク供給管、前記第1のインク排出管及び前記第2のインク排出管には、第1開閉弁、第2開閉弁及び第3開閉弁が各々設けられ、
前記送液ポンプ、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁及び前記第3開閉弁を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記第1開閉弁を開け、前記第2開閉弁を閉じ、前記第3開閉弁を開けて、前記送液ポンプを駆動させて、前記第1インクポートから流入させたインクを前記上流側インク室及び前記下流側インク室を通って前記第3インクポートから排出させて前記下流側インク室内の気泡を除去する第2の制御動作を行い、
前記第2の制御動作終了後、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を開けると共に前記第3開閉弁を閉じ、前記送液ポンプを駆動させて、前記第1インクポートから前記上流側インク室に流入させたインクを前記第2インクポートから排出させて前記上流側インク室内の気泡を除去する第1の制御動作を行うように制御するインクジェットヘッドの気泡除去装置。
8.
前記下流側インク室の前記第3インクポートから離れた位置で、前記第1インクポートから前記第3インクポートに向かうインクの流れが滞留する部位に、前記フィルターを介して連通するインク流入用の第4インクポートを更に設け、
前記第4インクポートと連通して前記インクタンクからのインクを流入させる第2のインク供給管を設け、
前記第2のインク供給管には第4開閉弁が設けられ、
前記送液ポンプ、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、前記第3開閉弁及び前記第4開閉弁を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、前記第1の制御動作終了後、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉じると共に前記第3開閉弁及び前記第4開閉弁を開け、前記送液ポンプを駆動させて、前記第4インクポートから前記下流側インク室に流入させたインクを前記第3インクポートから排出させるように、前記送液ポンプ、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、前記第3開閉弁及び前記第4開閉弁を制御する前記7記載のインクジェットヘッドの気泡除去装置。
9.
前記第4インクポートは、前記下流側インク室において、前記第1インクポートから前記第3インクポートに向かうインクの流れが滞留する部位に配置されている前記6又は8記載のインクジェットヘッドの気泡除去装置。
10.
前記インクタンクは、該タンクの底板までは到達しない仕切り板によってインク返送室とインク供給室に仕切られており、該インク返送室にインク排出管が接続され、該インク供給室にインク供給管が接続されている前記6〜9の何れかに記載のインクジェットヘッドの気泡除去装置。
本発明に係るインクジェットヘッドの気泡除去方法を実施するための第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの気泡除去装置の一例を示す概略構成図 図1に使用されているインクジェットヘッドの一例を示す部分拡大断面図 第1の実施形態におけるインクジェットヘッドの気泡除去装置の気泡除去動作を説明するフローチャート 第1の実施形態における気泡除去動作時のインク貯留室内のインク及び気泡の様子を説明する説明図 本発明に係るインクジェットヘッドの気泡除去方法を実施するための第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの気泡除去装置の一例を示す概略構成図 第2の実施形態におけるインクジェットヘッドの気泡除去装置の気泡除去動作を説明するフローチャート 第2の実施形態における気泡除去動作時のインク貯留室内のインク及び気泡の様子を説明する説明図 ノズルパージ動作を説明するフローチャート
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明に係るインクジェットヘッドの気泡除去方法を実施するための第1の実施形態に係るインクジェットヘッドの気泡除去装置の一例を示す概略構成図、図2は、図1に使用されているインクジェットヘッドの一例を示す部分拡大断面図である。
図1において、インクジェットヘッド1は、ヘッドチップ2と、このヘッドチップ2に接着された基板3と、基板3を挟んでヘッドチップ2と反対側の面に接着されたマニホールド4とを有している。ヘッドチップ2において、基板3と反対側の面には、ノズル22を有するノズルプレート21が接着されている。
また、気泡除去装置は、インクジェットヘッド1に供給されるインクタンク5を有している。インクジェットヘッド1とインクタンク5は、インク供給管6を介してインクジェットヘッド1にインクを供給可能に連通され、また、インク排出管7を介してインクジェットヘッド1からインクを返送可能に連通されている。
インクタンク5は、格別限定されるわけではないが、タンクの底板までは到達しない仕切り板50によってインク返送室51とインク供給室52に仕切られていることが好ましい。インク返送室51にインク排出管7が接続され、インク供給室52にインク供給管6が接続されている。
仕切り板50は、インク返送室51に返送されてきたインク中の気泡が再度インク供給管6から供給されないように、インクを十分に脱気するために設けられる。タンクの底板までは到達しないような仕切り板にすれば、気泡自体は浮力が高いので、仕切り板50の下を通過してインク供給室52に送られることが制限されるので好ましい。このような態様は、インクを循環使用する場合に好ましい。
なお、本実施形態に示すインクジェットヘッド1は、ノズル面が図1、図2中の下側に向くように設置されて使用されるものを示している。そして、本明細書において、「上」又は「下」は、図1、図2に示す使用状態を基準とする。従って、図1、図2中の上側が「上」、図1、図2中の下側が「下」である。
ヘッドチップ2は、図2に示すように、圧力室23を有している。圧力室23の数は特に問わず、少なくとも1つあればよい。本実施形態に示すヘッドチップ2は、図1、図2中のX方向に沿って配列された複数の圧力室23を有している。X方向はヘッドチップ2の長手方向を示している。圧力室23は、内部のインクに吐出圧力を付与することにより、圧力室23の一端に連通するノズル22から液滴を吐出させる。圧力室23の他端は、ヘッドチップ2の基板3側の端面に開口している。
圧力室23内のインクに吐出圧力を付与するための具体的な手段は問わず、公知の技術を適用することができる。本実施形態は、隣り合う圧力室23、23を隔てている隔壁24が圧電素子によって形成されたヘッドチップ2を例示している。隔壁24は、相反する2つの面に形成された不図示の駆動電極に電圧が印加されることによってせん断変形する。圧力室23の両側の隔壁24、24がせん断変形することにより、圧力室23は膨張又は収縮する。これにより、インクに吐出圧力が付与され、ノズル22から液滴が吐出される。
基板3は、例えばガラス基板であり、ヘッドチップ2の各隔壁24の駆動電極に電圧を印加するための不図示の配線を有している。基板3は、圧力室23の他端が開口しているヘッドチップ2の端面に接着されている。基板3の大きさは、ヘッドチップ2の端面よりも大きい。このため、基板3の外周は、ヘッドチップ2よりも外側にはみ出している。基板3には、ヘッドチップ2の圧力室23に連通して、圧力室23にインクを流入させるための貫通孔31が形成されている。
マニホールド4は、合成樹脂によって、一面に開口部4aを有する横長の箱型に形成され、開口部4aを塞ぐように基板3に接着されている。マニホールド4の内部空間によって、後述するインクタンク5から供給されるインクが貯留されるインク貯留室41が構成される。インク貯留室41は、基板3の貫通孔31を介してヘッドチップ2の全ての圧力室23と連通している。従って、インク貯留室41内のインクは、貫通孔31を介して各圧力室23に共通に供給される。
インク貯留室41に、例えばメッシュ状の金属や樹脂の多孔質体によって形成されたフィルター42が配置されている。フィルター42は、インク中に含まれる夾雑物が圧力室23へ流入することを阻止する。フィルター42は、インク貯留室41を図1中の上下に二分するように、基板3とほぼ平行に配置され、インク貯留室41内に固定されている。これにより、インク貯留室41は、フィルター42を挟んで、圧力室23から遠い上流側インク室411と、圧力室23から近い下流側インク室412とに分けられている。
本発明においては、このフィルター42は、インク供給の際の圧力損失要素として機能する。
圧力損失要素は、液体のポンプ循環においては、インクの供給配管の長さや、該供給配管の曲り部の数、開閉弁などのフィッテイング数などが考えられるが、フィルターの圧力損失と比較すれば無視できる程度である。
下流側インク室412には、内部に気体が封入されたダンパー部材43が配置されている。ダンパー部材43は、可撓膜によって形成されたダンパー面431(図2参照)が基板3と対面するように、基板3から所定の距離をおいて配置されている。ダンパー部材43は、インクの吐出時に圧力室23からインク貯留室41に伝播する圧力波を吸収する。これにより、圧力室23内で発生した圧力波が、インク貯留室41を介して他の圧力室23に与える影響を低減することができる。
インク貯留室41において、上流側インク室411には、第1インクポート44及び第2インクポート45が設けられている。
第1インクポート44は、インク貯留室41にインクを流入させるためのポートである。第1インクポート44には接続部441が上方に向けて立ち上げられている。接続部441はインク供給管6と連通している。本実施形態において、インク供給管6は第1のインク供給管である。
第2インクポート45は、第1インクポート44から上流側インク室411内に流入させたインクを、該インク中の気泡と共に排出させるためのポートである。第2インクポート45には接続部451が上方に向けて立ち上げられている。
接続部451はインク排出管7と連通している。具体的には、インク排出管7は、インクジェットヘッド1側の端部が2つの分岐管7a、7bに分かれている。第2インクポート45の接続部451は、このうちの分岐管7aに連通している。本実施形態において、インク排出管7の分岐管7aは第1のインク排出管である。
第2インクポート45から接続部451、分岐管7a及びインク排出管7を通ってインクタンク5に至る流路の内径は、第2インクポート45の開口径と同一又は該開口径よりも大きい。このため、第2インクポート45に連通する流路の圧力損失が大きくなることはなく、インク及び該インク中の気泡の排出を円滑に行うことができる。
また、第2インクポート45の開口径は、第1インクポート44の開口径と同一又は第1インクポート44の開口径よりも大きいことが好ましい。これにより、第1インクポート44から流入させたインクを第2インクポート45から円滑に排出させることができる。
第1インクポート44と第2インクポート45は、図1に示すように、上流側インク室411の長手方向の両端部に配置されていることが好ましい。具体的には、本実施形態において、第1インクポート44は、上流側インク室411の図1中の左側の端部の上面に開口し、第2インクポート45は、上流側インク室411の図1中の右側の端部の上面に開口している。これにより、第1インクポート44から上流側インク室411に流入させたインクを、第2インクポート45に向けて、上流側インク室411内の全体に亘って効率良く流すことができる。従って、上流側インク室411内にインクが滞留する部位が形成されにくく、インク中の気泡をより効率良く除去することができる。
インク貯留室41において、下流側インク室412には、第3インクポート46が設けられている。第3インクポート46は、第1インクポート44から上流側インク室411を通って下流側インク室412内に流入させたインクを、該インク中の気泡と共に排出させるためのポートである。上流側インク室411と下流側インク室412との間にはフィルター42が配置されているため、第3インクポート46からインクを排出させる際、インクは必ずフィルター42を通って下流側インク室412内に流入する。これにより、フィルター42内に残留する気泡も下流側インク室412に排出され、第3インクポート46から除去することができる。
第3インクポート46には、接続部461が上方に向けて立ち上げられている。接続部461はインク排出管7と連通している。具体的には、第3インクポート46の接続部461は、インク排出管7の分岐管7bに連通している。本実施形態において、インク排出管7の分岐管7bは第2のインク排出管である。
第3インクポート46から接続部461、分岐管7b及びインク排出管7を通ってインクタンク5に至る流路の内径は、第3インクポート46の開口径と同一又は該開口径よりも大きい。このため、第3インクポート46に連通する流路の圧力損失が大きくなることはなく、インク及び該インク中の気泡の排出を円滑に行うことができる。
第3インクポート46は、フィルター42によって覆われていない。従って、第3インクポート46は、フィルターを介することなく、下流側インク室412と連通している。これにより、下流側インク室412のインク及びインク中の気泡が第3インクポート46から排出される際、フィルターによる圧力損失を受けない。このため、インクをマニホールド4内へ流入させる時の流入圧力を高くすることなく、インク及びインク中の気泡を効率良く排出させることができる。
さらに言及すれば、本発明では、送液ポンプ61によって第1インクポート44に送られるインクの圧力Pが、フィルターの圧力損失や、ノズル22のノズルメニスカスブレイク圧力、その他の無視できない圧力損失を考慮して決定されることが好ましい。本発明では、インクの無駄を防止する観点から、ノズル22のノズルメニスカスブレイク圧力は十分考慮されなければならない。
なお、本発明におけるインクの圧力Pは、送液ポンプ61の駆動によってマニホールド4内へ流入させるインクの流入圧力のことであり、第1インクポート44(後述する第4インクポート47がある場合は合算で)の上の流路において計測される。
また、第3インクポート46の下流において、例えば図1の符号72のような開閉弁を設ける場合、フィルター42の圧力損失に加えて開閉弁の圧力損失が生じる。従って、開閉弁を設ける場合は、開閉弁の圧力損失を加えた圧力を設定することがより好ましい。
さらに、インクの圧力Pは、インクタンク5とインクジェットヘッド1の水頭差によっても変化する。本発明におけるインクの圧力Pは、インクタンク5とインクジェットヘッド1との水頭差を0とした場合の圧力とする。
また、第3インクポート46の開口径は、一つのノズル22の開口径よりも大きいことが好ましい。このような構成にすると、下流側インク室412に流入したインクは、ノズル22から排出されるよりも、第3インクポート46から円滑に排出され易くなる。従って、気泡除去時に、ノズル22から排出される廃棄インク量を低減することができる。
なお、ノズル22の開口径とは、ノズル22の吐出方向先端の開口径のことである。ノズル22の吐出方向先端の開口形状が円形の場合はその直径を指し、円形でない場合は、ノズル22の吐出方向先端の開口面積と同じ面積の円に置き換えた場合のその円の直径とする。
気泡除去のために第1インクポート44からインクを流入させて第3インクポート46から排出させる際、第1インクポート44からインク貯留室41内に流入させるインクの圧力Pは、ノズルメニスカスブレイク圧力をPMN、フィルター42の圧力損失をRとしたとき、P≦PMN+R[kPa]の関係を満たすことが好ましい。これにより、下流側インク室412内に流入したインクが第3インクポート46から排出される際、ノズル22からも排出されることがなくなり、廃棄インク量を実質的にゼロにすることができる。
また、このインクの圧力Pの下限は、インクがフィルター42を通過し得る圧力であるフィルターメニスカスブレイク圧力PMFよりも大きい圧力である必要がある。具体的には、P>7−R[kPa]の関係を満たすことが好ましい。これにより、第1インクポート44から上流側インク室411内に流入させたインクを、フィルター42を通って下流側インク室412に、迅速に流入させることができる。従って、気泡除去動作を早期に完了させることができる。
第3インクポート46の開口径は、第1インクポート44の開口径と同一又は第1インクポート44の開口径よりも大きいことが好ましい。これにより、第1インクポート44から流入させたインクを第3インクポート46から円滑に排出させることができる。
また、第3インクポート46は、第2インクポート45よりも第1インクポート44から遠い下流側インク室412の端部に配置されていることが好ましい。具体的には、本実施形態において、下流側インク室412は、上流側インク室411の第2インクポート45側の端部よりも外側にはみ出した延長部412aを有している。そして、第3インクポート46は、延長部412aの上面に開口している。
これにより、フィルター42を通って下流側インク室412内に流入したインクを、第3インクポート46に向けて、下流側インク室412内の全体に亘って効率良く流すことができる。従って、下流側インク室412内にインクが滞留する部位が形成されにくく、インク中の気泡をより効率良く除去することができる。
さらに、第3インクポート46は、フィルター42の下面421と同一高さ、又は、該下面421よりも高い位置に配置されていることが好ましい。これにより、フィルター42と第3インクポート46との間に、フィルター42の下面421に付着した気泡の排出を妨げる堰となる段部が形成されないため、気泡の排出性をより高めることができる。なお、高さとは、マニホールド4の開口部4aからの離間距離である。
ところで、フィルター42の面積は、第1インクポート44の開口面積よりも十分に広いことが好ましい。これにより、第1インクポート44から流入させたインクを第3インクポート46から排出させる際、インク中に含まれるゴミがフィルター42に付着することがあっても、フィルター42を通って下流側インク室412に向かうインクの流れが直ちに阻害されることはない。
インク供給管6の途中には、インクタンク5内のインクをインクジェットヘッド1に供給する送液ポンプ61と、第1インクポート44に連通する流路の開閉を電気的に行う第1開閉弁62とが接続されている。また、インク排出管7の分岐管7aの途中には、第2インクポート45に連通する流路の開閉を電気的に行う第2開閉弁71が接続されている。さらに、インク排出管7の分岐管7bの途中には、第3インクポート46に連通する流路の開閉を電気的に行う第3開閉弁72が接続されている。
インク排出管7の途中には、第2インクポート45及び第3インクポート46から排出されたインク中の気泡を検出する気泡検出センサー73が接続されている。
気泡検出センサー73としては、例えば電極式センサー、光学式センサーなどを使用することができる。電極式気泡センサーは、たとえば2つの電極間に流れる微少電流を測定し、検知部が液体で充満している時と、気泡が混じった時とで流れる電流値の差を監視することで検知することができる。気泡を含まない液体が充満している側の検知部は、気泡の含まれないインクが好ましいので、インク供給管6内のインクを検知することも好ましいことである。
図1に示すように、気泡検出センサー73は、分岐管7a、7bよりも下流側のインク排出管7の途中に接続されていることが好ましい。これによれば、一つの気泡検出センサー73で、第2インクポート45及び第3インクポート46のいずれから排出されたインク中の気泡も検出できるため、構造を簡素化できる。しかし、図示しないが、分岐管7a、7bにそれぞれ気泡検出センサーを設けるようにしてもよい。
送液ポンプ61及び第1開閉弁62、第2開閉弁71及び第3開閉弁72は、制御装置8に電気的に接続されている。制御装置8は、インク貯留室41内の気泡除去時、予め記憶されている所定のプログラムに従って、送液ポンプ61の駆動(ON/OFF)及び第1開閉弁62、第2開閉弁71、第3開閉弁72の開閉を制御する。
また、気泡検出センサー73の検出信号は制御装置8に入力される。制御装置8は、気泡除去時に送液ポンプ61の駆動を開始させた後、気泡検出センサー73から入力される検出信号を所定の時間間隔毎に監視し、インク貯留室41から排出されたインク中の気泡の有無を判断する。
次に、第1の実施形態に示す気泡除去装置の気泡除去動作の一例について、さらに図3、図4を参照して説明する。図3は、気泡除去動作を説明するフローチャート、図4は、気泡除去動作時のインク貯留室41内のインク及び気泡の様子を説明する説明図である。
なお、気泡除去動作は、インク貯留室41が空の状態からインクを充填させるインクの初期導入時や、インクジェットヘッド1のメンテナンス時に行われる。以下の説明では、インクの初期導入時に気泡除去動作を行う場合について説明するが、メンテナンス時にも同様に行うことができる。
初期状態において、インク貯留室41は空の状態である。制御装置8は、気泡除去動作を行う際に、全ての開閉弁62、71、72を開け、全てのインクポート44、45、46に連通する各流路を開放する。また、フラグa=0に設定する。
まず、制御装置8はフラグaを確認する(S101)。このとき、フラグa=0であるため、制御装置8は、第3開閉弁72を閉じて第3インクポート46に連通する流路を閉鎖させる(S102)。
次いで、制御装置8は送液ポンプ61の駆動を開始させ、インク貯留室41内へインクを供給させる(S103)。これにより、インクタンク5内のインクは、所定の圧力で第1インクポート44から上流側インク室411内に流入する(図4(a))。
第1インクポート44から上流側インク室411内に流入したインクは、上流側インク室411内の全体に亘って流れ、第2インクポート45から分岐管7a及びインク排出管7を通ってインクタンク5に戻される。そして、送液ポンプ61が駆動している間、インクタンク5から上流側インク室411を通ってインクタンク5に再び戻されるインクの循環が行なわれる。この過程で、上流側インク室411内の気泡B1は、インクの循環流によって第2インクポート45から効率良く排出される(図4(b))。
第2インクポート45からインク排出管7を通ってインクタンク5に戻されるインク中の気泡B1は、気泡検出センサー73によって検出される。制御装置8は、気泡検出センサー73からの検出信号を、気泡除去時に送液ポンプ61の駆動を開始させた後、所定の時間間隔毎に監視している。この時間間隔は、送液ポンプ61の駆動を開始させてから、上流側インク室411内又は下流側インク室412内から気泡が除去されるであろうと想定される時間間隔に予め設定されている。そして、制御装置8は、インク排出管7内のインク中の気泡B1が気泡検出センサー73によって検出されなくなるまで、送液ポンプ61の駆動を継続させ、上流側インク室411内のインクを循環させる(S104)。
インク排出管7内を流れるインク中の気泡B1が気泡検出センサー73によって検出されなくなると、制御装置8は送液ポンプ61の駆動を停止させ、インク貯留室41へのインク供給を停止させる(S105)。
その後、制御装置8はフラグa=1を設定し(S106)、全ての開閉弁62、71、72を開けた後(S107)、ステップS101からの処理に戻る。
そして、再度のステップS101においてフラグa=1であるため、制御装置8は、第2開閉弁71のみを閉じて第2インクポート45に連通する流路のみ閉鎖させる(S108)。
その後、制御装置8は再び送液ポンプ61の駆動を開始させ、インク貯留室41内へインクを供給させる(S109)。このとき、第2インクポート45に連通する流路は閉鎖されているため、第1インクポート44から上流側インク室411に流入したインクは、フィルター42を通って下流側インク室412に流入する。下流側インク室412に流入したインクは、第3インクポート46から分岐管7b及びインク排出管7を通ってインクタンク5に戻され、インク貯留室41とインクタンク5との間でインクが循環される。
制御装置8は送液ポンプ61の駆動を継続して、インクを第1インクポート44に供給し続けることにより、第3インクポート46からインクを排出させ続ける。そして、送液ポンプ61が駆動している間、インクタンク5から上流側インク室411及び下流側インク室412を通ってインクタンク5に再び戻されるインクの循環が行なわれる。これにより、インクは、インク貯留室41とインクタンク5との間で循環される。この過程で、下流側インク室412内の気泡B2は、インクの循環流によって第3インクポート46から効率良く排出される(図4(c))。
本発明の好ましい態様では、第3インクポート46の開口径は、一つのノズル22の開口径よりも大きく形成されているので、下流側インク室412内に流入したインクは、ノズル22から排出されるよりも、第3インクポート46から円滑に排出され易くなる。このため、下流側インク室412内の気泡B2を除去する際、ノズル22から大量のインクが無駄に排出されることがなく、廃棄インク量は低減される。
また、第1インクポート44からインク貯留室41内に流入させるインクの圧力Pを、P≦PMN+R[kPa]の関係を満たすようにすれば、下流側インク室412内に流入したインクが第3インクポート46から排出される際、ノズル22から排出されることがなくなり、廃棄インク量を実質的にゼロにすることができる。
また、このインクの圧力Pを、P>7−R[kPa]の関係を満たすようにすれば、上流側インク室411内に流入させたインクを、フィルター42を通って下流側インク室412に、迅速に流入させることができる。従って、気泡除去動作を早期に完了させることができる。
制御装置8は、上流側インク室411内の気泡の除去時と同様に、下流側インク室412内の気泡の除去時にも、気泡検出センサー73からの検出信号を所定の時間間隔毎に監視している。そして、インク排出管7内を流れるインク中の気泡B2が検出されなくなるまで、送液ポンプ61の駆動は継続される(S110)。
インク排出管7内を流れるインク中の気泡B1が気泡検出センサー73によって検出されなくなると、制御装置8は送液ポンプ61の駆動を停止させ、インク貯留室41へのインク供給を停止させる(S111)。
その後、制御装置8は全ての開閉弁62、71、72を閉じ、全てのインクポート44、45、46に連通する各流路を閉鎖させる(S112)。
以上の動作により、インク貯留室41の上流側インク室411及び下流側インク室412にインクが充填される。ノズル22から無駄に排出される廃棄インク量は低減され、インク貯留室41内の残留気泡は効率的に除去される。
下流側インク室412内の気泡を除去する際、第1インクポート44から上流側インク室411に流入したインクは、必ずフィルター42を通って下流側インク室412に流入するので、フィルター42の内部に残留する気泡も除去することができる。
気泡除去動作は、本実施形態に示したように、インク貯留室41の上流側インク室411内の気泡B1を除去した後に、下流側インク室412内の気泡B2を除去することが好ましい。これによれば、少ないインク循環量で、より効率的に残留気泡を除去することができる。
(第2の実施形態)
図5は、本発明に係るインクジェットヘッドの気泡除去方法を実施するための第2の実施形態に係るインクジェットヘッドの気泡除去装置の一例を示す概略構成図である。図1と同一符号の部位は同一構成の部位であり、それらの詳細な説明は図1の説明を援用できるため省略する。
第2の実施形態は、上述した第3インクポート46を使用した気泡除去動作ではインク貯留室41内の気泡を十分に除去できない場合や迅速に除去できない場合に特に好ましく適用することができる。
第2の実施形態において、インクジェットヘッド1のマニホールド4には、インク貯留室41にインクを流入させる第4インクポート47が追加されている。第4インクポート47は、下流側インク室412内にインクを流入させるポートである。第4インクポート47には接続部471が上方に向けて立ち上げられている。
接続部471はインク供給管6と連通している。具体的には、インク供給管6は、インクジェットヘッド1側の端部が2つの分岐管6a、6bに分かれている。本実施形態において、第4インクポート47の接続部471は、このうちの分岐管6bに連通している。また、第1インクポート44の接続部441は、分岐管6aに連通している。第1開閉弁62は分岐管6aの途中に接続されている。本実施形態において、インク供給管6の分岐管6aは第1のインク供給管であり、分岐管6bは第2のインク供給管である。
分岐管6bの途中には、第4インクポート47に連通する流路の開閉を電気的に行う第4開閉弁63が接続されている。第4開閉弁63は制御装置8に電気的に接続され、制御装置8によって制御される。
第4インクポート47は、上流側インク室411を介することなく、下流側インク室412と連通している。これにより、第4インクポート47から第3インクポート46に向かうインクの流速を、第1インクポート44から第3インクポート46に向かうインクの流速よりも速くすることができる。インクが第4インクポート47から下流側インク室412に流入する場合の流路は、インクが上流側インク室411を通って下流側インク室412に流入する場合の流路よりも遥かに狭いからである。このため、第1インクポート44からインクを流入させる場合に比べて、下流側インク室412内の気泡をより確実且つ効率的に除去することができる。
第4インクポート47は、第3インクポート46とは異なり、フィルター48によって覆われている。従って、第4インクポート47は、フィルター48を介して下流側インク室412と連通している。このため、第4インクポート47に供給されたインクは、必ずフィルター48を通って下流側インク室412内に流入する。
フィルター48は、フィルター42とは別のフィルターを使用してもよいし、フィルター42と同一のフィルターを使用してもよい。
フィルター48がフィルター42とは別のフィルターである場合、フィルター42の圧力損失よりも小さい圧力損失を有するフィルター48を使用することが可能であり、また好ましい。インクの流入圧力を大きくしなくても、第4インクポート47から下流側インク室412内に流入するインクの流速をより速くすることができるため、下流側インク室412内の気泡をより一層確実且つ効率的に除去することができる。
フィルター48がフィルター42と同一のフィルターである場合、フィルター42が第4インクポート47を覆うように、第4インクポート47に向けてフィルター42の端部を延長させるだけでフィルター48を構成することができる。このため、構造を簡素にでき、また、組立も容易である。
第4インクポート47は、下流側インク室412において、第1インクポート44から第3インクポート46に向かうインクの流れが滞留する部位に配置されることが好ましい。これによれば、第1インクポート44から流入させたインクを第3インクポート46から排出させた際に上記滞留部位に残留する気泡も確実に除去することができる。
具体的には、本実施形態において、第4インクポート47は、第1インクポート44よりも第3インクポート46から遠い下流側インク室412の端部に配置されている。より具体的には、下流側インク室412は、上流側インク室411の第1インクポート44側の端部よりも外側にはみ出した延長部412bを有している。そして、第4インクポート47は、延長部412bの上面に開口している。従って、第4インクポート47は、インク貯留室41の図中X方向に沿う長手方向において、第3インクポート46と反対側の端部に配置されている。
これにより、第4インクポート47から下流側インク室412内に流入したインクは、下流側インク室412内の全体に亘って効率良く流れ、第3インクポート46から排出されるので、下流側インク室412内に淀みが形成されにくくすることができ、気泡をより確実に除去することができる。
本実施形態において、第3インクポート46の開口径は、第4インクポート47の開口径と同一又は第4インクポート47の開口径よりも大きいことが好ましい。これにより、第4インクポート47から下流側インク室412内に流入させたインクを第3インクポート46から円滑に排出させることができる。
次に、第2の実施形態に示す気泡除去装置の気泡除去動作の一例について、さらに図6、図7を参照して説明する。図6は、気泡除去動作を説明するフローチャート、図7は、第2の実施形態における気泡除去動作時のインク貯留室41内のインク及び気泡の様子を説明する図である。
なお、以下の説明では、インクの初期導入時に気泡除去動作を行う場合について説明するが、メンテナンス時にも同様に行うことができる。
初期状態において、インク貯留室41は空の状態である。制御装置8は、気泡除去動作を開始する際に、全ての開閉弁62、63、71、72を開け、全てのインクポート44、45、46、47に連通する各流路を開放する。また、フラグa=0に設定する。
まず、制御装置8はフラグaを確認する(S201)。このとき、フラグa=0であるため、制御装置8は、第3開閉弁72及び第4開閉弁63を閉じて第3インクポート46及び第4インクポート47に連通する各流路を閉鎖させる(S202)。
次いで、制御装置8は送液ポンプ61の駆動を開始させ、インク貯留室41内へインクを供給させる(S203)。これにより、インクタンク5内のインクは、第1の実施形態と同様、所定の圧力で第1インクポート44から上流側インク室411内に流入し、第2インクポート45から排出される。この過程で上流側インク室411内の気泡が除去される。
この後、制御装置8は、図3に示した第1の実施形態における気泡除去動作のステップS103からS106と同様に、第2インクポート45からインク排出管7を通ってインクタンク5に戻されるインク中の気泡が気泡検出センサー73によって検出されなくなるまで第1インクポート44へのインク供給を継続させ、インク貯留室41とインクタンク5との間でインクを循環させる(S204)。
気泡が検出されなくなったら、制御装置8は、送液ポンプ61の駆動を停止させてインク供給を停止させる(S205)。その後、制御装置8はフラグa=1を設定し(S206)、全ての開閉弁62、63、71、72を開けた後(S207)、ステップS201からの処理に戻る。
そして、再度のステップS201においてフラグa=1であるため、制御装置8は、第2開閉弁71及び第4開閉弁63を閉じて、第2インクポート45及び第4インクポート47に連通する流路を閉鎖させる(S208、S209)。
その後、制御装置8は再び送液ポンプ61の駆動を開始させ、インク貯留室41内へインクを供給させる(S210)。このとき、制御装置8は、気泡検出センサー73の検出信号を参照することなく、第1インクポート44へのインク供給を、予め設定された所定の時間継続させる。これにより、第1の実施形態と同様、第1インクポート44から上流側インク室411に流入したインクは、フィルター42を通って下流側インク室412に流入する。下流側インク室412に流入したインクは、第3インクポート46から分岐管7b及びインク排出管7を通ってインクタンク5に戻され、インク貯留室41とインクタンク5との間でインクが循環される。
所定の時間が経過したら、制御装置8は送液ポンプ61の駆動を停止させ、インク供給を停止させる(S211)。
次いで、制御装置8は、第4開閉弁63を開けて第4インクポート47を開放させ、さらに第1開閉弁62を閉じて第1インクポート44に連通する流路を閉鎖させる(S212)。
その後、制御装置8は再び送液ポンプ61の駆動を開始させ、インク貯留室41内へインクを供給させる(S213)。
このとき、インクは第4インクポート47から下流側インク室412に流入し、第3インクポート46から排出される。インクは上流側インク室411を通らないため、下流側インク室412内を速い流速で循環し、下流側インク室412内に残留する気泡B2が除去される(図7)。特に、フィルター42の下面421に付着しているインクも、速い流速のインクによって第3インクポート46から確実に排出させることができる。
また、本実施形態において、第4インクポート47は、下流側インク室412において、第1インクポート44から第3インクポート46に向かうインクの流れが滞留する部位に配置されているので、第1インクポート44の真下付近に残留する気泡も確実に除去することができる。
制御装置8は、第4インクポート47にインクを供給している間、気泡検出センサー73からの検出信号を所定の時間間隔毎に監視している。そして、インク排出管7内を流れるインク中の気泡B2が検出されなくなるまで、送液ポンプ61の駆動は継続される(S214)。
インク排出管7内を流れるインク中の気泡B2が気泡検出センサー73によって検出されなくなると、制御装置8は送液ポンプ61の駆動を停止させ、インク貯留室41へのインク供給を停止させる(S215)。
その後、制御装置8は全ての開閉弁62、63、71、72を閉じ、全てのインクポート44、45、46、47に連通する各流路を閉鎖させる(S216)。
以上の動作により、インク貯留室41の上流側インク室411及び下流側インク室412にインクが充填される。第1の実施形態と同様、ノズル22から無駄に排出される廃棄インク量は低減され、インク貯留室41内の残留気泡はより効率的に除去される。
なお、図6に示した気泡除去動作のフローチャートのステップS214において、気泡が検出された場合、制御装置8は、一旦送液ポンプ61の駆動を停止させると共に、第1開閉弁62を開けて第1インクポート44に連通する流路を開放させた後、ステップS209に戻って、第1インクポート44から第3インクポート46に向けてインクを循環させるようにしてもよい。この場合は、気泡除去終了までに要する時間が長くなるが、より確実に気泡を除去することができる。
また、図6に示した気泡除去動作のフローチャートのステップS210において、制御装置8は、インクを予め設定された所定の時間継続して供給させるのではなく、気泡検出センサー73の検出信号を参照し、気泡が検出されなくなるまで、第1インクポート44から第3インクポート46に向けてインクを循環させるようにしてもよい。この場合は、より確実に気泡を除去することができる。
さらに、図6に示した気泡除去動作のフローチャートのステップS207において、ステップS201に戻る前に行っているが、ステップS201の判断後に行ってもよい。更に、全ての開閉弁62、63、71、72を開放しているが、第2開閉弁71のみを開放して、第3インクポート46に向けてインクを循環させるようにしてもよい。
なお、図3に示した気泡除去動作のフローチャートのステップS107において、ステップS101に戻る前に行っているが、ステップS101の判断後に行ってもよい。更に、全ての開閉弁62、63、71を開放しているが、第2開閉弁71のみを開放して、第3インクポート46に向けてインクを循環させるようにしてもよい。
また、第1の実施形態において、図3に示した気泡除去フローチャートのステップS102〜S104とステップS108〜S110を入れ替えてもよいし、第2の実施形態において、図6に示した気泡除去フローチャートのステップS202〜S204とステップS208〜S214とを入れ替えてもよい。
更に、ステップS202〜S204とステップS208〜S210を入れ替えてもよい。この時、ステップS210は、前述した、所定の時間継続してインクを供給させるのではなく、気泡検出センサー73の検出信号を参照するようにしてもよい。
また、第1の実施形態及び第2の実施形態において、第2インクポート45及び又は第3インクポート46から排出されたインクは、インクタンク5とは別のインクタンクに戻して脱気後、循環再使用することができるように構成してもよい。
インク貯留室41内の気泡B1、B2を除去した後は、ノズル22からインクを排出させるノズルパージを行うことができる。これにより、圧力室23内やノズル22内に残留している気泡も除去することができる。インク貯留室41内の気泡除去を行なった後であるため、パージのみでインク貯留室41内の気泡を除去する場合に比べて、パージに要する時間は短く、パージに伴うインク廃棄量は少なくて済むことが実験により確認された。
第1の実施形態におけるノズルパージ動作の一例について図8を用いて説明する。
初期状態において、全ての開閉弁62、71、72は閉じている。そこで、制御装置8は、第1開閉弁62のみを開け、第1インクポート44に連通する流路だけ開放させる(S301)。
次いで、制御装置8は送液ポンプ61を駆動させ、インクタンク5内のインクを、所定の圧力で第1インクポート44からインク貯留室41内に流入させる。これにより、第1インクポート44からインク貯留室41内に流入したインクは、基板3の貫通孔31を通って各圧力室23に流入し、残留気泡と共にノズル22からパージされる(S302)。
このときのインクの圧力Pは、ノズルメニスカスブレイク圧力PMN及びフィルターメニスカスブレイク圧力PMFよりも大きい圧力である。インクの圧力Pが小さいと、ノズルパージの終了までに時間がかかるため、具体的には、10kPa以上とすることが好ましい。インクの圧力Pの上限は、インクジェットヘッド1の耐久圧力以下とされるが、具体的には50kPa以下とすることが好ましい。
第1インクポート44へのインクの供給は所定時間継続される。その間、ノズル22からインクがパージされ続ける(S303)。予め設定された時間が経過したら、制御装置8は送液ポンプ61の駆動を停止させ、インクの供給を停止させてパージを終了させる(S304)。
第1の実施形態におけるノズルパージ動作の一例について説明したが、第2の実施形態についても、気泡除去動作後は、第1の実施形態と同様にノズルパージを行ってもよい。
なお、近年では例えば、インクジェットヘッドを記録媒体の幅方向に複数配置したラインヘッドを用いることで高速化できることが知られている。複数のインクジェットヘッドを有する場合、送液ポンプと複数のインクジェットヘッドとを連通させて加圧することによって装置構成を簡素化することができるが、複数のインクジェットヘッドに設けられたフィルターの圧力損失を考慮して、圧力をかけて気泡を除去しようとすると、送液ポンプへの負荷がより顕著となる。このような場合においても本発明を好適に用いることができる。
また、複数のインクジェットヘッドを用いる例としてラインヘッドを挙げたが、これに限定されないことは言うまでもない。例えば複数のインクジェットヘッドを配置したスキャン型ヘッドでも良い。
1:インクジェットヘッド
2:ヘッドチップ
21:ノズルプレート
22:ノズル
23:圧力室
24:隔壁
3:基板
31:貫通孔
4:マニホールド
4a:開口部
41:インク貯留室
411:上流側インク室
412:下流側インク室
412a:延長部
42:フィルター
421:下面
43:ダンパー部材
431:ダンパー面
44:第1インクポート
441:接続部
45:第2インクポート
451:接続部
46:第3インクポート
461:接続部
47:第4インクポート
471:接続部
48:フィルター
5:インクタンク
50:仕切り板
6:インク供給管
6a、6b:分岐管
61:送液ポンプ
62:第1開閉弁
63:第4開閉弁
7:インク排出管
7a、7b:分岐管
71:第2開閉弁
72:第3開閉弁
73:気泡検出センサー
8:制御装置
B1、B2:気泡

Claims (10)

  1. ノズルと連通する圧力室と、前記圧力室に連通するインク貯留室と、前記インク貯留室に配置されるフィルターとを備え、前記インク貯留室が、前記フィルターを挟んで、前記圧力室から遠い上流側インク室と前記圧力室から近い下流側インク室とに分かれているインクジェットヘッドの気泡除去方法であって、
    前記上流側インク室の上部に、インク流入用の第1インクポート及びインク排出用の第2インクポートを設けると共に、前記下流側インク室内の上部に前記フィルターを介することなくインク排出用の第3インクポートを設け、
    前記下流側インク室の前記第3インクポートから離れた位置で、前記第1インクポートから前記第3インクポートに向かうインクの流れが滞留する部位に、前記フィルターを介して連通するインク流入用の第4インクポートを更に設け、
    前記第1インクポート及び前記第2インクポートに連通する各々の流路を開け、且つ前記第3インクポート及び前記第4インクポートに連通する各々の流路を閉じ、前記第1インクポートから前記上流側インク室にインクを流入させ、前記第2インクポートからインクを排出させることにより、前記上流側インク室内の気泡を除去し、
    次いで、前記第2インクポートに連通する流路を閉じ、且つ前記第3インクポートに連通する流路を開け、前記第1インクポートからインクを流入させ、前記上流側インク室から前記フィルターを介して前記下流側インク室に向かってインクを流し、該下流側インク室内を前記第3インクポートに向かって流れるインクを該第3インクポートから排出させることにより、前記下流側インク室内の気泡を除去し、
    次いで、前記第1インクポート及び前記第2インクポートに連通する各々の流路を閉じ、前記第4インクポートに連通する流路を開け、該第4インクポートから前記下流側インク室に流入させたインクを前記第3インクポートから排出させることにより、前記第3インクポートに向かうインクの流れが滞留する部位に存在する気泡を除去するインクジェットヘッドの気泡除去方法。
  2. ノズルと連通する圧力室と、前記圧力室に連通するインク貯留室と、前記インク貯留室に配置されるフィルターとを備え、前記インク貯留室が、前記フィルターを挟んで、前記圧力室から遠い上流側インク室と前記圧力室から近い下流側インク室とに分かれているインクジェットヘッドの気泡除去方法であって、
    前記上流側インク室の上部に、インク流入用の第1インクポート及びインク排出用の第2インクポートを設けると共に、前記下流側インク室内の上部に前記フィルターを介することなくインク排出用の第3インクポートを設け、
    前記第1インクポートに連通する流路を開け、前記第2インクポートに連通する流路を閉じ、且つ前記第3インクポートに連通する流路を開け、前記第1インクポートからインクを流入させ、前記上流側インク室から前記フィルターを介して前記下流側インク室に向かってインクを流し、該下流側インク室内を前記第3インクポートに向かって流れるインクを該第3インクポートから排出させることにより、前記下流側インク室内の気泡を除去し、
    次いで、前記第1インクポート及び前記第2インクポートに連通する各々の流路を開け、且つ前記第3インクポートに連通する流路を閉じ、前記第1インクポートから前記上流側インク室にインクを流入させ、前記第2インクポートからインクを排出させることにより、前記上流側インク室内の気泡を除去するインクジェットヘッドの気泡除去方法。
  3. 前記下流側インク室の前記第3インクポートから離れた位置で、前記第1インクポートから前記第3インクポートに向かうインクの流れが滞留する部位に、前記フィルターを介して連通するインク流入用の第4インクポートを更に設け、
    前記第1インクポートに連通する流路を開け、前記第2インクポートに連通する流路を閉じ、且つ前記第3インクポートに連通する流路を開け、前記第1インクポートからインクを流入させ、前記上流側インク室から前記フィルターを介して前記下流側インク室に向かってインクを流し、該下流側インク室内を前記第3インクポートに向かって流れるインクを該第3インクポートから排出させることにより、前記下流側インク室内の気泡を除去し、
    次いで、前記第1インクポート及び前記第2インクポートに連通する各々の流路を開け、且つ前記第3インクポートに連通する流路を閉じ、前記第1インクポートから前記上流側インク室にインクを流入させ、前記第2インクポートからインクを排出させることにより、前記上流側インク室内の気泡を除去し、
    次いで、前記第1インクポート及び前記第2インクポートに連通する各々の流路を閉じ、前記第4インクポートに連通する流路を開け、該第4インクポートから前記下流側インク室に流入させたインクを前記第3インクポートから排出させることにより、前記第3インクポートに向かうインクの流れが滞留する部位に存在する気泡を除去する請求項2記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
  4. 前記インク貯留室に流入させるインクの圧力P〔kPa〕は、ノズルメニスカスブレイク圧力をPMN、前記フィルターの圧力損失をRとしたとき、
    P≦PMN+R
    の関係を満たす請求項1〜3の何れかに記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
  5. 前記インク貯留室に流入させるインクの圧力P〔kPa〕は、
    P>7−R
    の関係を満たす請求項1〜4の何れかに記載のインクジェットヘッドの気泡除去方法。
  6. ノズルと連通する圧力室と、前記圧力室に連通するインク貯留室と、前記インク貯留室に配置されるフィルターとを備え、前記インク貯留室が、前記フィルターを挟んで、前記圧力室から遠い上流側インク室と前記圧力室から近い下流側インク室とに分かれているインクジェットヘッドの気泡除去装置であって、
    前記上流側インク室の上部に、インク流入用の第1インクポート及びインク排出用の第2インクポートを設けると共に、前記下流側インク室内の上部に前記フィルターを介することなくインク排出用の第3インクポートを設け、
    前記下流側インク室の前記第3インクポートから離れた位置で、前記第1インクポートから前記第3インクポートに向かうインクの流れが滞留する部位に、前記フィルターを介して連通するインク流入用の第4インクポートを更に設け、
    前記インク貯留室に送液ポンプを介して供給されるインクを貯留するインクタンクを備え、
    該インクタンクは第1のインク供給管を介して前記第1インクポートに接続されると共に、第1のインク排出管及び第2のインク排出管を介してそれぞれ前記第2インクポート及び第3インクポートに接続され、
    前記第4インクポートと連通して前記インクタンクからのインクを流入させる第2のインク供給管を設け、
    前記第1のインク供給管、前記第1のインク排出管及び前記第2のインク排出管には、第1開閉弁、第2開閉弁及び第3開閉弁が各々設けられ、
    前記第2のインク供給管には第4開閉弁が設けられ、
    前記送液ポンプ、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、前記第3開閉弁及び前記第4開閉弁を制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を開けると共に前記第3開閉弁を閉じ、前記送液ポンプを駆動させて、前記第1インクポートから前記上流側インク室に流入させたインクを前記第2インクポートから排出させて前記上流側インク室内の気泡を除去する第1の制御動作を行い、
    前記第1の制御動作終了後、前記第1開閉弁を開けたままで前記第2開閉弁を閉じ、前記第3開閉弁を開けて、前記送液ポンプを駆動させて、前記第1インクポートから流入させたインクを前記上流側インク室及び前記下流側インク室を通って前記第3インクポートから排出させて前記下流側インク室内の気泡を除去する第2の制御動作を行うように制御し、
    前記第2の制御動作終了後、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉じると共に前記第3開閉弁及び前記第4開閉弁を開け、前記送液ポンプを駆動させて、前記第4インクポートから前記下流側インク室に流入させたインクを前記第3インクポートから排出させるように、前記送液ポンプ、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、前記第3開閉弁及び前記第4開閉弁を制御するインクジェットヘッドの気泡除去装置。
  7. ノズルと連通する圧力室と、前記圧力室に連通するインク貯留室と、前記インク貯留室に配置されるフィルターとを備え、前記インク貯留室が、前記フィルターを挟んで、前記圧力室から遠い上流側インク室と前記圧力室から近い下流側インク室とに分かれているインクジェットヘッドの気泡除去装置であって、
    前記上流側インク室の上部に、インク流入用の第1インクポート及びインク排出用の第2インクポートを設けると共に、前記下流側インク室内の上部に前記フィルターを介することなくインク排出用の第3インクポートを設け、
    前記インク貯留室に送液ポンプを介して供給されるインクを貯留するインクタンクを備え、
    該インクタンクは第1のインク供給管を介して前記第1インクポートに接続されると共に、第1のインク排出管及び第2のインク排出管を介してそれぞれ前記第2インクポート及び前記第3インクポートに接続され、
    前記第1のインク供給管、前記第1のインク排出管及び前記第2のインク排出管には、第1開閉弁、第2開閉弁及び第3開閉弁が各々設けられ、
    前記送液ポンプ、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁及び前記第3開閉弁を制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、前記第1開閉弁を開け、前記第2開閉弁を閉じ、前記第3開閉弁を開けて、前記送液ポンプを駆動させて、前記第1インクポートから流入させたインクを前記上流側インク室及び前記下流側インク室を通って前記第3インクポートから排出させて前記下流側インク室内の気泡を除去する第2の制御動作を行い、
    前記第2の制御動作終了後、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を開けると共に前記第3開閉弁を閉じ、前記送液ポンプを駆動させて、前記第1インクポートから前記上流側インク室に流入させたインクを前記第2インクポートから排出させて前記上流側インク室内の気泡を除去する第1の制御動作を行うように制御するインクジェットヘッドの気泡除去装置。
  8. 前記下流側インク室の前記第3インクポートから離れた位置で、前記第1インクポートから前記第3インクポートに向かうインクの流れが滞留する部位に、前記フィルターを介して連通するインク流入用の第4インクポートを更に設け、
    前記第4インクポートと連通して前記インクタンクからのインクを流入させる第2のインク供給管を設け、
    前記第2のインク供給管には第4開閉弁が設けられ、
    前記送液ポンプ、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、前記第3開閉弁及び前記第4開閉弁を制御する制御装置を備え、
    前記制御装置は、前記第1の制御動作終了後、前記第1開閉弁及び前記第2開閉弁を閉じると共に前記第3開閉弁及び前記第4開閉弁を開け、前記送液ポンプを駆動させて、前記第4インクポートから前記下流側インク室に流入させたインクを前記第3インクポートから排出させるように、前記送液ポンプ、前記第1開閉弁、前記第2開閉弁、前記第3開閉弁及び前記第4開閉弁を制御する請求項7記載のインクジェットヘッドの気泡除去装置。
  9. 前記第4インクポートは、前記下流側インク室において、前記第1インクポートから前記第3インクポートに向かうインクの流れが滞留する部位に配置されている請求項6又は8記載のインクジェットヘッドの気泡除去装置。
  10. 前記インクタンクは、該タンクの底板までは到達しない仕切り板によってインク返送室とインク供給室に仕切られており、該インク返送室にインク排出管が接続され、該インク供給室にインク供給管が接続されている請求項6〜9の何れかに記載のインクジェットヘッドの気泡除去装置。
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