JP2009148976A - インクジェットプリンタ及びそのインク加温方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】装置のウォームアップにかかる時間を短縮し、起動後速やかに印刷が可能なインクジェットプリンタ及びそのインク加温方法を提供することである。
【解決手段】インクジェットプリンタは、互いに熱的に分離可能な上流加温タンク21、下流加温タンク31及び上流非加温タンク22、下流非加温タンク32を有する上流タンク20、下流タンク30を有する。該上流タンク20、下流タンク30は、それぞれ電磁弁23、33によって、上流加温タンク21と上流非加温タンク22、下流加温タンク31と下流非加温タンク32とに可逆的に分断可能である。また、上流加温タンク21、下流加温タンク31に、インクを加温するためのヒータ26、36を配置すると共に、インク温度を検出する温度計27、37を設けている。そして、温度計27、37の出力に基づいて、制御装置19によって電磁弁23、33の動作を制御する。
【選択図】 図1

Description

本発明はインクジェットプリンタ及びそのインク加温方法に関し、より詳細には、インクタンク内のインクを加温してウォームアップに要する時間を短縮し、低温環境下でも装置の起動後に記録動作を開始することが可能なインクジェットプリンタの改良に関するものである。
インクジェット式の画像形成装置は、インクジェットヘッドのインク室を種々の方法で加圧し、インク室に形成されたノズルから微小な液滴を吐出して、ノズルに対向する記録媒体上にインク滴を着弾させることで画像が形成されるものとして知られている。かような画像形成装置に於いては、一般に、インクの粘度をインクジェットヘッドが画像形成に好適なインク滴を吐出可能な粘度範囲に収める必要がある。
そのため、低温環境下で画像形成装置を使用する際には、インクの粘度が所定範囲よりも高くなってしまい、インクを加温して所定粘度までインク粘度を低下させる、すなわちウォームアップさせなければならない状況が発生しうる。インクを加温する方法としては、例えば下記特許文献1が開示されている。
特開2004−314346号公報
前述した特許文献1によれば、インク流路の少なくとも一部の近傍に加温用の液体を循環させることでインクを加温することができる。
しかしながら、前記特許文献1に開示された方法では、加温対象がインクタンク内のインク全体であって、ウォームアップに長い時間を要する。このため、ユーザは、画像形成装置の起動後に印刷可能となるまで、長時間待たされることとなる。ウォームアップ時間の短縮の方策としては、ヒータの出力を上げる、インクタンクのインク量を減らす方法が考えられる。しかしながら、前者は消費電カの上昇を招き、後者は頻繁なインク補給が必要となる、電磁弁の開閉を繰り返すことによる寿命が短くなる等、使用上有益なものではない。
したがって本発明は、前記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、インクタンクのインク量を減らさずにウォームアップに要する時間を短縮し、低温環境下でも画像形成装置の起動後に速やかに記録動作を開始することができるインクジェットプリンタ及びそのインク加温方法を提供することである。
すなわち、本発明のインクジェットプリンタは、インクジェットヘッドと、内部にインクを収容するもので、互いに熱的に分離可能な第1の液室及び第2の液室とを有するインクタンクと、前記インクタンクを前記第1の液室と第2の液室とに可逆的に分断可能な分断手段と、前記第1の液室側に配置されて前記インクを加温するためのインク加温手段と、前記第1の液室側に配置されて前記インク温度を検出するインク温度検出手段と、前記インクジェットヘッドと前記第1の液室との間に配設されるインク経路と、前記インク温度検出手段の出力に基づいて、前記分断手段の動作を制御する制御手段と、を具備することを特徴とする。
また、本発明のインクジェットプリンタは、インクジェットヘッドと、内部にインクを収容するもので、互いに熱的に分離可能な第1の液室及び第2の液室とを有するインクタンクと、前記インクタンクを前記第1の液室と第2の液室とに可逆的に分断可能な分断手段と、前記第1の液室側に配設されて前記インクを加温するためのインク加温手段と、前記インクジェットヘッドと前記第1の液室との間に配設されるインク経路と、を具備し、前記分断手段は、前記インクタンク内のインク温度が印刷可能温度よりも低い場合に浮上もしくは沈降し、印刷可能温度よりも高い場合に沈降もしくは浮上する浮沈部材を有することを特徴とする。
更に、本発明のインクジェットプリンタは、インクジェットヘッドと、内部にインクを収容するもので、互いに熱的に分離可能な第1の液室及び第2の液室とを有するインクタンクと、前記インクタンクを前記第1の液室と第2の液室とに可逆的に分断可能な分断手段と、前記第1の液室側に配置されて前記インクを加温するためのインク加温手段と、前記インクジェットヘッドと前記第1の液室との間に配設されるインク経路と、を具備し、前記分断手段は、前記インク温度が印刷可能温度よりも低い場合に前記第1の液室と第2の液室を分断し、前記インク温度が印刷可能温度に達した場合に前記第1の液室と第2の液室とを連通させることを特徴とする。
本発明のインク加温方法は、インクジェットヘッドと、内部にインクを収容するもので、互いに熱的に分離可能な第1の液室及び第2の液室とを有するインクタンクと、前記インクタンクを前記第1の液室と第2の液室とに可逆的に分断可能な分断手段と、前記第1の液室側に配置されて前記インクを加温するためのインク加温手段と、前記第1の液室側に配置されて前記インク温度を検出するインク温度検出手段と、前記インクジェットヘッドと前記第1の液室との間に配設されるインク経路と、を有するインクジェットプリンタに於けるインクタンク内のインク加温方法に於いて、前記分断手段によって、前記インクタンクを第1の液室と第2の液室との連通を分断するステップと、前記インク加温手段によって前記第1の液室内のインクを加温するステップと、前記インク温度検出手段によって前記第1のインクが所定温度にまで加温されたことが検出されたならば、前記第1の液室と第2の液室とを連通させるステップと、を具備することを特徴とする。
本発明によれば、インクタンクのインク量を減らさずにウォームアップに要する時間を短縮し、低温環境下でも画像形成装置の起動後に速やかに記録動作を開始することができるインクジェットプリンタ及びそのインク加温方法を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
初めに、図1乃至図7を参照して、本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態であって、画像形成装置であるインクジェットプリンタの構成を示すブロック図である。
図1に於いて、このインクジェットプリンタ10は、メインインクタンク11と、電磁弁12、13と、インクジェットヘッド14と、記録媒体搬送部16と、汲み上げポンプ18と、制御装置19と、上流タンク20と、下流タンク30と、負圧ポンプ38と、を有して構成される。
前記メインインクタンク11は、液体であるインクを収容するもので、上流加温タンク21とインクチューブにより連通している。電磁弁12は、メインインクタンク11の大気開放状態を制御するための弁である。電磁弁13は、メインインクタンク11と上流加温タンク21の連通状態を制御するための弁である。
上流タンク20は、第1の液室である上流加温タンク21と、第2の液室である上流非加温タンク22と、分断手段である電磁弁23と、上流加温タンク21と上流非加温タンク22の大気連通状態を制御する電磁弁24と、上流加温タンク21のインク液面の位置を検知する液面検知部材(液面検知手段)25と、上流加温タンク21を加熱する加熱手段であるヒータ26と、上流加温タンク21内のインク温度を検知するインク温度検知手段である温度計27と、から構成される。
前記電磁弁23は、上流加温タンク21と上流非加温タンク22とを連通状態、或いは分断状態に、自由に、且つ可逆的に制御することができる。上流加温タンク21はメインインクタンク11、記録ヘッドであるインクジェットヘッド14、及び汲み上げポンプ18とインクチューブを介して接続されており、また下流タンク30よりも鉛直上方に位置している。
インクジェットヘッド14は、上流タンク20と下流タンク30との間の所定の高さに位置しており、対向する記録媒体15に向けて、所定のタイミングで所定量のインク滴17を噴射する。尚、インクジェットヘッド14は、インクの温度が印刷可能温度Tpよりも低いと、インクの粘度が許容範囲を逸脱してしまい、正常な画像形成を行うことができない。ここで、Tpは例えば15℃である。更に、インクジェットヘッド14には、インクの吐出に好適な推奨温度Trが存在する。ここで、Trは例えば25℃である。
記録媒体搬送手段である媒体搬送部16は、インクジェットヘッド14の動作と連動して、記録媒体15を所定の方向に搬送する。インクジェットヘッド14は、インクチューブによって上流加温タンク21及び下流加温タンク31と繋がれている。
下流タンク30は、第1の液室である下流加温タンク31と、第2の液室である下流非加温タンク32と、分断手段である電磁弁33と、下流加温タンク31と下流非加温タンク32の大気連通状態を制御するための電磁弁34と、下流加温タンク31のインク液面の位置を検知する液面検知部材(液面検知手段)35と、下流加温タンク31を加熱する加熱手段であるヒータ36と、下流加温タンク31内のインク温度を検知するインク温度検知手段である温度計37と、から構成される。更に、下流タンク30は、該下流タンク30内の圧力を低下させる負圧ポンプ38と接続されている。
下流加温タンク31は、インクジェットヘッド14、汲み上げポンプ18と、インクチューブで繋がれており、上流タンク20より鉛直下方に位置している。
汲み上げポンプ18は、下流加温タンク31及び上流加温タンク21とインクチューブで接続されており、下流加温タンク31から上流加温タンク21へのインクの汲み上げを行う。
以上の説明から明らかなように、上流加温タンク21、インクジェットヘッド14、下流加温タンク31、汲み上げポンプ18は、インクチューブを媒介にした循環経路をなしている。画像形成動作が実施される時、インクはこの循環経路を循環する。
更に、インクジェットプリンタ10は、制御装置19を搭載している。この制御装置19は、液面センサ25、35、温度計27、37、外部からの印刷ジョブを含めたインクジェットプリンタ10への全ての信号を受信し、それに基づいてインクジェットヘッド12、媒体搬送部16、電磁弁12、13、24、34、分断手段である電磁弁23、33を含めたインクジェットプリンタ10の全ての駆動部分の駆動制御を行う。
次に、インク循環に於ける各部の動作について説明する。
インク非循環時、電磁弁24は閉鎖された状態、電磁弁34は開放された状態であり、汲み上げポンプ18は停止している。これによって、上流タンク20と下流タンク30の間にインクの行き来はなく、インクの非循環状態が実現される。尚、この時、インクジェットヘッド140は、該インクジェットヘッド140と下流タンク30との高低差により負圧となっており、適当なメニスカスが形成されるため、ノズルからのインクの染み出しやノズルヘの空気の侵入は発生しない。
循環開始動作は、次の通りである。
すなわち、電磁弁24を開放すると共に電磁弁34を閉鎖し、負圧ポンプ38を駆動して下流タンク30内を減圧し、汲み上げポンプ18を始動する。これによって、上流タンク20のインクはインクジェットヘッド14を経由して下流タンク30に吸い込まれ、更に、下流タンク30のインクは汲み上げポンプ18によって上流タンク20に戻される。
この時、インクジェットヘッド14のノズルで、インク吐出に好適なメニスカスが形成されるように、上流タンク20、下流タンク30、インクジェットヘッド14の空間的配置や接続インクチューブ長、負圧ポンプの出力が、設定若しくは制御されている。また、汲み上げポンプ18は、液面センサ25、35の出力を参照しながら、上流加温タンク21及び下流加温タンク31が所定の液面範囲外とならないように作動する。例えば、下流加温タンク31のインク量が上流加温タンク21のインク量を下回らないように、下流加温タンク31から上流加温タンク21ヘインクを汲み上げる。汲み上げポンプ18にはインクの逆流防止機構が組み込まれており、上流タンク20から下流タンク30への流れは生じない。
以上のようにして、インク循環がなされる。
インクジェットヘッド14の画像形成動作によって、循環経路内のインクが所定量以下になったことが液面センサ25、35の出カ信号から所定のアルゴリズムにより判定されると、電磁弁12、13が共に開状態となり、メインインクタンク11から上流加温タンク21ヘインクが補給される。これによって、インク循環経路のインク量は常に適正に保たれる。
次に、図2乃至図5のフローチャートを参照して、本実施形態のインクジェットプリンタ10の動作について説明する。
図2は、第1の実施形態のインクジェットプリンタ10の主要な動作を説明するためのフローチャートである。
先ず、ステップS1にて、インクジェットプリンタ10の電源がユーザによって投入される。すると、続くステップS2にて、媒体搬送部16等の初期化動作が行われた後、前述した手順でインク循環が開始される。
次に、ステップS3に於いて、上流加温タンク21内のインク温度Tt1が印刷可能温度Tpよりも低いか否か、或いは下流加温タンク31内のインク温度Tt2がTpよりも低いか否かが判定される。ここで、Tt1、Tt2が、共にTpよりも高ければ、ウォームアップ動作は省略され、ステップS6に移行して印刷可能であると認定される。一方、前記ステップS3にて、環境温度が低い等の原因でTt1或いはTt2がTpよりも低い場合は、ステップS4に移行して印刷は不可能であると認定され、続くステップS5にてウォームアップ動作が実施される。
図3は、図2のフローチャートのステップS5に於けるサブルーチン「ウォームアップ」の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
本サブルーチンに入ると、先ず、ステップS21にて、分断手段である電磁弁によりインクタンクの第1の液室と第2の液室が熱的に分断される。本実施形態では、電磁弁23、33が閉鎖されて、上流非加温タンク22、下流非加温タンク32がインク循環経路から切り離される。同時に、ヒータ26、36が、インクの循環流量、温度、比熱、熱伝導率等のパラメータに基づいて決定される出カによってオン(ON)され、インクの加熱が開始される。以降、ステップS22に於いて、Tt1とTt2が、共にTpよりも高くなるまで、ヒータ26、36による加熱が継続される。
そして、ステップS22に於いて、Tt1とTt2が共にTpよりも高くなったことが判定されると、分断手段がOFFとなって、第1の液室と第2の液室が熱的に連通することになる。すなわち、本実施形態では、電磁弁23、33が開放され、上流非加温タンク22、下流非加温タンク32がインク循環経路と接続される。このとき、ヒータ26、36による加熱は継続されている。その後、本サブルーチンを抜けて図2のフローチャートのステップS6へ移行する。
以上により、ステップS6にて、インクジェットプリンタ10は印刷可能状態となる。
次に、ステップS7にて、温度維持動作が実施される。
図4は、図2のフローチャートのステップS7に於けるサブルーチン「温度維持」の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。
本サブルーチンに入ると、先ず、ステップS31に於いて、Tt1が推奨温度Trより低いか否かが判定されて、Tt1をTrに近付ける処理がなされる。具体的には、Tt1とTrが比較される。その結果、Tt1がTrよりも低い場合、ステップS32に移行して、ヒータ26による加熱が開始、若しくは継続される。一方、Tt1がTrよりも高い場合は、ステップS33に移行してヒータ26による加熱が停止される。
次いで、ステップS34に於いて、Tt2が推奨温度Trより低いか否かが判定されて、Tt2をTrに近付ける処理がなされる。具体的には、Tt2とTrが比較される。そして、Tt2がTrよりも低い場合、ステップS35に移行して、ヒータ36による加熱が開始若しくは継続される。一方、ステップS34にて、Tt2がTrよりも高い場合は、ステップS36に移行して、ヒータ36による加熱が停止される。
こうして、インク循環経路の温度がTrに近付くように制御されると、本サブルーチンを抜けて、図2のフローチャートのステップS8に移行する。
次に、ステップS8に於いて、制御装置19にユーザからの印刷ジョブが入力されているか否かが判定される。ここで、印刷ジョブが入カされていない場合は、ステップS9をスキップしてステップS10へ移行する。一方、ステップS8にて印刷ジョブが入力されている場合は、ステップS9に移行して印刷動作が実施された後、ステップS10に移行する。
続いて、ステップS10では、ユーザによって電源OFF操作が実行されたか否かが判定される。ここで、電源OFF操作が実行されていなかった場合は前記ステップS3に移行する。一方、電源OFF操作が実行されていた場合は、ステップS11に移行して、インクの循環が停止される。そして、ステップS12にて、媒体搬送部16等が所定の位置へ移動される等の終了処理が実施されて電源がOFFとなる。
以上のようにして、インクジェットプリンタ10の印刷動作が行われる。
次に、本実施形態に於けるインクジェットプリンタ10の特徴部分について説明する。
図6は、環境温度が、印刷可能温度Tpよりも低い起動時温度T0でインクジェットプリンタ10が起動された場合のウォームアップ開始時(ステップS21)からの時間的推移を示したもので、(a)はヒータ26、36の出力、(b)は上流加温タンク21内のインク温度Tt1、下流加温タンク31内のインク温度Tt2、及び従来例のタンク温度、(c)は上流タンク20及び下流タンク30の連通状態、のそれぞれの時間的推移を示した特性図である。
図6(b)に示されるように、起動時刻であるt0に於いては、第1の液室、第2の液室である上流加温タンク21、下流加温タンク31、上流非加温タンク22、下流非加温タンク32の温度はT0に等しい。T0がTpよりも低いため、ウォームアップ(ステップS5)が実施されることになり、電磁弁23、33が閉鎖される。これにより、図6(c)に示されるように、上流非加温タンク22、下流非加温タンク32が上流加温タンク21、下流加温タンク31と熱的に分断される。それと共に、図6(a)に示されるように、ヒータ26、36が所定の出力で上流加温タンク21、下流加温タンク31を加温し始める。
これによって、上流加温タンク21、下流加温タンク31のインク温度aは上昇するが、上流非加温タンク22、下流非加温タンク32のインク温度bはT0のまま推移することになる。そして、図6(b)に示されるように、時刻t1にて上流加温タンク21、下流加温タンク31のインク温度aがTpに到達すると、印刷動作が可能になる。それと共に、図6(c)に示されるように、電磁弁23、33が開放されて、上流非加温タンク22、下流非加温タンク32が上流加温タンク21、下流加温タンク31と再び連通することになる。このため、時刻t1以降、上流非加温タンク22、下流非加温タンク32のインク温度bも上昇し始める。このとき、本実施形態では、ヒータ26、36の出力を一定としてあるので、上流非加温タンク22、下流非加温タンク32が上流加温タンク21、下流加温タンク31と連通する時刻t1以降、加温対象の熱容量が増えることとなる。したがって、上流加温タンク21、下流加温タンク31のインク温度aは、温度上昇が緩やかになる。
更に時刻t1以降、加温が続けられ、時刻t3になると、上流加温タンク21、下流加温タンク31と上流非加温タンク22、下流非加温タンク32の温度は、共にTrに達する。インクジェットヘッド14へ供給されるインク温度はTt1と略等しいため、インクジェットプリンタ10による印刷動作は、時刻t1以降に可能となる。
ここで、比較のために、従来例に相当する、電磁弁23、33が常時開放されている状態でのTt1、Tt2の温度推移を説明する。
ヒータ26、36が加熱するインクは、上流加温タンク21、下流加温タンク31のインクに加え、上流非加温タンク22、下流非加温タンク32にも及ぶこととなるので、Tt1、Tt2の温度変化は、電磁弁23、33が閉鎖されている場合のTt1、Tt2に比べて傾きが緩やかになる(図6(b)にcで表される)。この結果、Tt1、Tt2がTpに達するのは、時刻t1よりも遅い時刻t2である。
すなわち、インクジェットプリンタ10がウォームアップを開始してから印刷可能となるまでの時間は、従来例よりも(t2−t1)だけ本実施形態の方が短くなる。上流タンク20、下流タンク30の熱容量は略同じであるので、Tt1、Tt2がTrに達する時刻は、本実施形態と従来例とで差はなく、どちらもt3である。第1の液室である上流加温タンク21及び下流加温タンク31と、第2の液室である上流非加温タンク22及び下流非加温タンク32の体積比率は、インクの密度や比熱、熱伝導度等の物性値、インクジェットヘッド14の単位時間当たりのインク消費量、ヒータ26、36の出力等から決定される。
第1の液室の体積比率が小さい場合、時刻t1、すなわち、装置の起動後印刷可能になるまでに要する時間が相対的に短くなるが、時刻t1から時刻t2の区間が長くなる。時刻t2は、前述したように、インクタンクを第1の液室と第2の液室とに分断しない場合にインク温度がTpとなる時刻であるが、これは分断した場合に於いて第1の液室のインクと第2の液室のインクとを混合した場合に、混合インクが示す温度と一致する。
つまり、時刻t1から時刻t2の区間では、第1の液室のインクと第2の液室のインクとの平均温度はTpを下回っているため、印刷動作により第1の液室のインクが消費され、第2の液室から第1の液室へのインクの導入がヒータの出力を上回ると、第1の液室のインク温度が低下してしまう。したがって、これが回避されるように、第1の液室と第2の液室の体積比率、第1の液室と第2の液室とを繋ぐ経路の寸法等が決定される。
このように、第1の実施形態によれば、装置のウォームアップにかかる時間を短縮し、起動後速やかに印刷を可能にすることができる。
尚、本実施形態では、分断手段である電磁弁を上流タンク20及び下流タンク30の両方に設置したが、これに限られるものではなく、何れか一方にだけ設置するものでも良い。
更に、本実施形態に於けるインク温度制御処理は、必ずしも図2乃至図4のフローチャートに従う必要はない。
例えば、図2のフローチャートに於けるステップS5のサブルーチン「ウォームアップ」の処理動作は、図3のフローチャートに代えて図5のフローチャートを使用しても良い。
すなわち、図3のフローチャートを使用した場合のインク温度制御は、ステップS22に於いて上流加温タンク21及び下流加温タンク31のインク温度が双方ともTpを超えていない場合、電磁弁23、33が両方共閉鎖され、且つ、ヒータ26、36が両方共ONされる。つまり、仮に上流加温タンク21のインク温度がTpを超えており、下流加温タンク31のインク温度がTpを下回っている場合に於いて、下流加温タンク31のヒータ36のみならず、上流加温タンク21のヒータ26までもONになる制御である。
これに対して、図5のフローチャートに於ける制御は、この点が変更されている。
すなわち、図5のサブルーチン「ウォームアップ」に於いて、先ず、ステップS41にて、上流加温タンク21内のインク温度Tt1が印刷可能温度Tpより高いかを否かが判定される。ここで、Tt1がTpより高ければ、ステップS42に移行して、上流タンク20の電磁弁23及びヒータ26がOFF状態に移行、またはOFF状態が維持される。一方、ステップS41にて、Tt1がTpより高くなければ、ステップS43に移行して上流タンク20の電磁弁23及びヒータ26がON状態に移行、またはON状態が維持される。
その後、ステップS44〜S46に於いて、Tt2に関しても前記ステップS41〜S43と同様の制御が行われる。そして、ステップS47に於いて、Tt1とTt2が共にTpより高いか否かが判定される。その結果、Tt1とTt2が共にTpより高くなければ前記ステップS41に移行する。一方、Tt1とTt2が共にTpより高ければ、ステップS48に移行して、ONになっている電磁弁がOFFにされる。そして、ウォームアップ動作が終了して図2のフローチャートのステップS6に移行する。
この図5のフローチャートによる制御方法の方が、それぞれのタンクのインク温度を別々に制御するので、温度の安定性が高くなる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図7は、本発明の第2の実施形態に従ったインクジェットプリンタに於ける上流タンクの概略構成を示すもので、(a)は断熱壁が上がった状態を示す側面図、(b)は(a)の状態を断熱壁に沿って見た断面図、(c)は断熱壁が下がって状態を示す側面図、(d)は(c)の状態を断熱壁に沿って見た断面図である。
尚、以下に述べる第2の実施形態に於いて、インクジェットプリンタの基本的な構成及び動作については、上述した第1の実施形態と同じであるので、説明の重複を避けるため、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明を省略し、主として異なる部分についてのみ説明する。
本第2の実施の形態では、分断手段として、前述した第1の実施形態で使用した電磁弁23の代わりに、鉛直方向に移動可能な断熱壁(隔壁部材)41が移動可能に設けられている。図7(c)及び(d)に示されるように、断熱壁41が下がった状態では、その一端は上流タンク20の底部に接触しており、図7(a)及び(b)に示されるように、断熱壁が上がった状態では、その他端は、上流タンク20のインク液面が最高の状態であっても、インク液面よりも上になるようになっている。
すなわち、インク液面は、断熱壁41によって常に分断されており、断熱壁41の上下動によって液中の連通/分断状態の遷移がなされる。そして、本実施形態に於いては、断熱壁41を上下動可能にする駆動機構として、磁石を用いている。つまり、断熱壁41の側面部の少なくとも一部には金属片42が設けられ、上流タンク20の外部で該金属片に対応する位置に、上流タンク20の側面に沿って上下動可能な磁石43が設けられている。そして、この磁石43は、図示されないリンク機構等を介して、制御装置19の制御動作によって上下動し、断熱壁41を上流タンク20内で上下に移動させている。
図7(a)及び(b)に示されるように、上流タンク20内で断熱壁41が上に上がった状態が、上流加温タンク21と上流非加温タンク22とが連通している状態に対応する。同様に、図7(c)及び(d)に示されるように、上流タンク20内で断熱壁41が下に下りた状態が、上流加温タンク21と上流非加温タンク22とが分断された状態に対応する。
ウォームアップ時には、図7(a)及び(b)に示される状態から、上流タンク20内のインク温度Tt1が徐々に低下していき、インク温度Tt1がTpよりも低くなると、磁石43の動きに応じて断熱壁41が上流タンク20の底面に向かって徐々に沈み始める。そして最終的には、図7(c)及び(d)に示されているように、断熱壁41は上流タンク20の底面に接するように沈み込み、上流タンク20は上流加温タンク21と上流非加温タンク22とに分断される。
この状態でヒータ26を駆動し始める。ヒータ26によって上流加温タンク21のインクが温められても、断熱壁41によって上流タンク20は上流加温タンク21と上流非加温タンク22とに分断されているため、上流加温タンク21内に温度の低いインクが入ることはなく、両者の間でインクのやり取りが行われることはない。
そして、ヒータ26の駆動により前記Tt1がTpよりも高くなると、磁石43の動きに応じて断熱壁41が上流タンク20の上方に向かって徐々に上昇する。これにより、上流非加温タンク22内の温度が低いインクが徐々に上流加温タンク21側に流出して、加温されていく。最終的には、図7(a)及び(b)に示されているように、断熱壁41は上流タンク20の上方に到達する。これによって、上流非加温タンク22は消滅し、分断が解かれることとなる。
ウォームアップ時に、前述した第1の実施形態と同様の連通/分断の切り替えを行うことによって、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
更に、磁石43の上下動をリニアに制御することによって、断熱壁41を細かいピッチで移動させることができる。
また、断熱壁41の駆動方法としては、前述した磁石による駆動機構以外にも適用が可能である。例えば、リニアモータのようなモータを使用しても良いし、断熱壁41の上端に磁性体を設置し、上流タンク20の上部から磁性体を近付ける若しくは離すことで動作させるなどの方法であっても良い。
断熱壁41は熱伝導度が低いものが好ましく、例えば中空の樹脂等が好適である。分断状態に於ける断熱壁41と上流タンク20底部との接触部分は隙間なく密着していることが望ましいが、例え分断が不完全であっても、上流加温タンク21と上流非加温タンク22との間で対流が殆ど起こらない程度に分断できていれば、一定の効果が発揮される。これは他の実施形態でも同様である。
尚、本第2の実施形態では、断熱壁41の動作を鉛直方向に設定したが、これに限られるものではない。
例えば、図8(a)及び(b)に示されるように、断熱壁46の鉛直方向に回転軸45を設け、図示されない駆動部により回転軸45を所定方向に回転させる構成にしても良い。ここでは更に、上流加温タンク21と上流非加温タンク22との境目にストッパ47、47が設置されている。
上流加温タンク21と上流非加温タンク22との分断状態は、図8(b)に示されるように、回転軸45を中心軸として、例えば断熱壁46が反時計回りに回転され、ストッパ47、47に当接されることで実現される。ストッパ47、47はシールも兼ねるため、ゴム等の弾性部材であることが望ましい。
一方、上流加温タンク21と上流非加温タンク22との連通状態は、図8(a)に示されるように、回転軸45を中心軸として、断熱壁46が分断状態から時計回りに、例えば90°回転することで実現することができる。このとき、断熱壁46はストッパ47、47から離れた状態である。
以上のように、断熱壁46の外部駆動手段による機械的動作で分断/連通を制御する方法は様々なものが考えられる。
本第2の実施形態によれば、上流加温タンク21と上流非加温タンク22との連通路を広く取ることができる。
尚、本実施形態では上流タンク20についてのみ説明したが、下流タンク30にも適用可能であるのは勿論である。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図9は、本発明の第3の実施形態に従ったインクジェットプリンタに於ける上流タンクの概略構成を示すもので、(a)浮沈部材が沈んだ状態を示す側面図、(b)は浮沈部材が上がった状態を示す側面図、(c)は蓋部材の構成例を示す平面図、(d)は(c)の蓋部材の一部を示す断面図、(e)は浮沈部材と上流タンク内のインクとの密度と温度との関係を表すグラフである。
尚、以下に述べる第3の実施形態に於いて、インクジェットプリンタの基本的な構成及び動作については、上述した第1の実施形態と同じであるので、説明の重複を避けるため、同一の部分には同一の参照番号を付して、その図示及び説明を省略し、主として異なる部分についてのみ説明する。
上流タンク20内に、蓋部材50と蛇腹部材51により構成される、分断手段である浮沈部材49が設けられている。蛇腹部材51の一端は上流タンク20内の底面部に接続され、他端は蓋部材49の周囲に接続されている。これにより、蓋部材49と蛇腹部材51によって、浮沈部材49は、その内外に分断された領域を構成している。
蓋部材50には、図9(c)に示されるように、少なくとも1つの貫通穴52が形成されている。また、図9(d)に示されるように、蓋部材50の内部で外周部近傍には、例えば円形断面を有する空洞部51が形成されており、この空洞部51内に密度調整剤53が充填されている。
このように構成された蓋部材50は、図9(e)に示されるように、印刷可能温度Tp以下では同温度のインクよりも低密度、Tp以上では同温度のインクよりも高密度となる材質である。温度によるインクの密度変化が大きい場合、蓋部材50としてガラス等の密度の温度依存性が小さい材質を使用することができる。更に、蓋部材50の少なくとも表面は、熱伝導性の低い材質であることが望ましい。また、空洞部51内に充填される密度調整剤53は、空気を含んでも良い。
蛇腹部材51は熱伝導性が低く、弾性も低いゴム、或いはフィルム等で形成されている。材質としては、例えば発泡ポリエチレンなどの発泡プラスチックが好ましい。
ヒータがオフになり、上流加温タンク20内のインク温度Tt1が徐々に低下していき、インク温度Tt1がTpよりも低くなると、図9(e)に示されるように、蓋部材50を構成する材質はインクよりも低密度であるので、インク液面に向かって浮かび始める。その際、インクが貫通穴52を通って蛇腹部材51で囲まれた浮沈部材49内へ入ることで、蓋部材50は円滑に浮き上がることが可能となる。この結果、上流タンク20は浮沈部材49の内部である上流非加温タンク22と、それ以外の上流加温タンク21とに分断される。
そして、ウォームアップ時には、図9(b)に示すように、蓋部材50はインク液面に浮かんだ状態にあり、この状態でヒータ26を駆動し始める。ヒータ26によって上流加温タンク21のインクが温められても、蛇腹部材51により浮沈部材49の側面から熱が入ることはほぼない。また、蓋部材50はインク液面まで浮き上がっているため、貫通穴52を通って上流加温タンク21と上流非加温タンク22との間でインクのやり取りが行われることはない。
ヒータ26の駆動により前記Tt1がTpよりも高くなると、図9(e)に示されるように、インクの密度が蓋部材50の密度よりも低くなるため、蓋部材50は上流タンク20の底面に向かって徐々に沈み始める。蓋部材50が沈み込む過程において、上流非加温タンク内の温度が低いインクは徐々に貫通穴52を介して外部に流出し、加温されていく。そして最終的には図9(a)に示されているように、蓋部材50は上流タンク20の底部へと沈み込む。これによって、上流非加温タンク22は消滅し、分断が解かれることとなる。
図10は、本発明の第3の実施形態の変形例1を示すもので、(a)は上流タンクが連通した状態を示した図、(b)は上流タンクが分断された状態を示した図である。
本変形例1に於ける分断手段は、浮沈部材55と断熱壁58とにより構成される。浮沈部材55は、Tp以下では同温度のインクよりも低密度、Tp以上では同温度のインクよりも高密度となる材質から構成される羽部材57と、上流タンク20の底部及び羽部材57の両方と接続されており、羽部材57を回動させることが可能な回動部材56とから構成される。この場合、断熱壁58は、上流タンク20の側面部の所定の高さに固定されている。羽部材57は、上述の蓋部材50と同様に、内部に密度調整剤を充填することで所定の密度を実現する構成である。
回動部材56は、例えば、蝶番のような構造となっている。図10(b)に示されるようなウォームアップ時、Tt1がTpよりも低い場合は、羽部材57はインクよりも低密度であるのでインクに浮くことになる。しかしながら、羽部材57の一端は回動部材56と繋がって固定端となっているため、自由端となっている他端のみが回動部材56を軸として回転して浮き上がり、断熱壁58と接触する。この結果、断熱壁58と上流タンク20の底部との隙間が羽部材57によって塞がれることとなり、上流非加温タンク22と、それ以外の上流加温タンク21とに分断される。
そして、ウォームアップが進行し、Tt1がTpよりも高くなると、羽部材57の周囲のインクの密度が羽部材57の密度よりも低くなる。したがって、図10(a)に示されるように、羽部材57は回動部材56を軸として上流タンク20の底部へと回転して沈む。これによって、分断は解かれることとなる。羽部材57が沈むには、該羽部材57の下に温度が高く密度の低いインクが存在する必要がある。したがって、これが実現されやすいように、回動部材56の回転軸は上流非加温タンク22に位置すると温度に対する浮沈部材55の動作応答性がよく、好適である。
図11乃至図12は、第3の実施形態の変形例2を示すもので、浮沈部材と上流タンク内のインクとの密度と温度との関係が、図9(e)に示すものとは逆のものを考慮した変形例である。具体的には、図11に示すように、浮沈部材65である羽部材67が、Tp以下では同温度のインクよりも高密度、Tp以上では同温度のインクよりも低密度となる材質から構成される点が上記変形例1と相違する。また、羽部材67とともに浮沈部材65を構成する回動部材66が、上流タンク20の底面ではなく、断熱壁58の下端に形成されている点でも相違している。
羽部材67の外装部材の材質としては、ポリエチレンやポリスチレンといった温度変化に対して密度変化がインクよりも大きいものを選択する。
ウォームアップ時において、Tt1がTpよりも低い場合は、羽部材67はインクよりも高密度であるので図12(b)に示されるように、羽部材67は沈み、その先端を上流タンク20の底面に接触させて、上流非加温タンク22と、上流加温タンク21とに分断している。
そして、ウォームアップが進行し、Tt1がTpよりも高くなると、羽部材57の周囲のインクの密度が羽部材57の密度よりも高くなる。したがって、羽部材67は回動部材66を軸として回動しながら浮き上がっていき、図12(a)に示されるように分断が解かれることとなる。
本第3の実施形態では、外部からの入力なしに、Tpを境にして上流加温タンク21と上流非加温タンク22の連通/分断が自動的に行われるので、扱いが容易である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形実施が可能であるのは勿論である。
更に、前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適当な組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成も発明として抽出され得る。
本発明の第1の実施形態であって、画像形成装置であるインクジェットプリンタの構成を示すブロック図である。 第1の実施形態のインクジェットプリンタ10の主要な動作を説明するためのフローチャートである。 図2のフローチャートのステップS5に於けるサブルーチン「ウォームアップ」の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 図2のフローチャートのステップS7に於けるサブルーチン「温度維持」の詳細な動作を説明するためのフローチャートである。 図2のフローチャートのステップS5に於けるサブルーチン「ウォームアップ」の他の動作例を説明するためのフローチャートである。 環境温度が、印刷可能温度Tpよりも低い起動時温度T0でインクジェットプリンタ10が起動された場合のウォームアップ開始時からの時間的推移を示したもので、(a)はヒータ26、36の出力、(b)は上流加温タンク21内のインク温度Tt1、下流加温タンク31内のインク温度Tt2、及び従来例のタンク温度、(c)は上流タンク20及び下流タンク30の連通状態、のそれぞれの時間的推移を示した特性図である。 本発明の第2の実施形態に従ったインクジェットプリンタに於ける上流タンクの概略構成を示すもので、(a)は断熱壁が上がった状態を示す側面図、(b)は(a)の状態を断熱壁に沿って見た断面図、(c)は断熱壁が下がって状態を示す側面図、(d)は(c)の状態を断熱壁に沿って見た断面図である。 本発明の第2の実施形態の変形例を示した図である。 本発明の第3の実施形態に従ったインクジェットプリンタに於ける上流タンクの概略構成を示すもので、(a)は浮沈部材が沈んだ状態を示す側面図、(b)は浮沈部材が上がった状態を示す側面図、(c)は蓋部材の構成例を示す平面図、(d)は(c)の蓋部材の一部を示す断面図、(e)は浮沈部材と上流タンク内のインクとの密度と温度との関係を表すグラフである。 本発明の第3の実施形態の変形例1を示すもので、(a)は上流タンクが連通した状態を示した図、(b)は上流タンクが分断された状態を示した図である。 本発明の第3の実施形態の変形例2を示すもので、浮沈部材と上流タンク内のインクとの密度と温度との関係を表すグラフである。 本発明の第3の実施形態の変形例2を示すもので、(a)は浮沈部材が上がった状態を示す側面図、(b)は浮沈部材が沈んだ状態を示す側面図である。
符号の説明
10…インクジェットプリンタ、11…メインインクタンク、12、13、23、24、33、34…電磁弁、14…インクジェットヘッド、15…記録媒体、16…記録媒体搬送部、17…インク滴、18…汲み上げポンプ、19…制御装置、20…上流タンク、21…上流加温タンク、22…上流非加温タンク、25、35…液面検知部材、26、36…ヒータ、27、37…温度計、30…下流タンク、31…下流加温タンク、32…下流非加温タンク、38…負圧ポンプ。

Claims (11)

  1. インクジェットヘッドと、
    内部にインクを収容するもので、互いに熱的に分離可能な第1の液室及び第2の液室とを有するインクタンクと、
    前記インクタンクを前記第1の液室と第2の液室とに可逆的に分断可能な分断手段と、
    前記第1の液室側に配置されて前記インクを加温するためのインク加温手段と、
    前記第1の液室側に配置されて前記インク温度を検出するインク温度検出手段と、
    前記インクジェットヘッドと前記第1の液室との間に配設されるインク経路と、
    前記インク温度検出手段の出力に基づいて、前記分断手段の動作を制御する制御手段と、
    を具備することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  2. 前記分断手段は、
    前記第1の液室と第2の液室との間を連通するインク経路と、
    当該インク経路中に形成される電磁弁と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記インク温度検出手段の出力に基づいて、前記電磁弁の開閉を制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  3. 前記分断手段は、
    前記第1の液室と第2の液室との間に挿脱可能な隔壁部材と、
    当該隔壁部材を挿脱させる駆動手段と、
    を有し、
    前記制御手段は、前記インク温度検出手段の出力に基づいて、前記駆動手段を駆動させて、前記隔壁部材を選択的に前記第1の液室と第2の液室との間に挿脱させることを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  4. 前記隔壁部材は、インクタンク面に対して垂直方向に移動可能に構成され、
    前記駆動手段は、前記隔壁部材を前記垂直方向に移動させることで、前記隔壁部材を選択的に前記第1の液室と第2の液室との間に挿脱させることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
  5. 前記隔壁部材は、回動軸を有し、当該回動軸まわりに回動可能に構成され、
    前記駆動手段は、前記隔壁部材を回動させることで、該隔壁部材を選択的に前記第1の液室と第2の液室との間に挿脱させることを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
  6. 前記制御部は、前記インク温度検出手段の出力に基づいて、更にインク温度加温手段の動作を制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
  7. インクジェットヘッドと、
    内部にインクを収容するもので、互いに熱的に分離可能な第1の液室及び第2の液室とを有するインクタンクと、
    前記インクタンクを前記第1の液室と第2の液室とに可逆的に分断可能な分断手段と、
    前記第1の液室側に配設されて前記インクを加温するためのインク加温手段と、
    前記インクジェットヘッドと前記第1の液室との間に配設されるインク経路と、
    を具備し、
    前記分断手段は、前記インクタンク内のインク温度が印刷可能温度よりも低い場合に浮上もしくは沈降し、印刷可能温度よりも高い場合に沈降もしくは浮上する浮沈部材を有することを特徴とするインクジェットプリンタ。
  8. 前記分断手段は、
    更に、前記浮沈部材に設けられ、前記第1の液室と第2の液室とを分断する隔壁部材を有することを特徴とする請求項7に記載のインクジェットプリンタ。
  9. 前記分断手段は、
    更に、前記浮沈部材が当該浮沈部材の一端を回動中心として回動可能とする回動支軸を有することを特徴とする請求項7に記載のインクジェットプリンタ。
  10. インクジェットヘッドと、
    内部にインクを収容するもので、互いに熱的に分離可能な第1の液室及び第2の液室とを有するインクタンクと、
    前記インクタンクを前記第1の液室と第2の液室とに可逆的に分断可能な分断手段と、
    前記第1の液室側に配置されて前記インクを加温するためのインク加温手段と、
    前記インクジェットヘッドと前記第1の液室との間に配設されるインク経路と、
    を具備し、
    前記分断手段は、前記インク温度が印刷可能温度よりも低い場合に前記第1の液室と第2の液室を分断し、前記インク温度が印刷可能温度に達した場合に前記第1の液室と第2の液室とを連通させることを特徴とするインクジェットプリンタ。
  11. インクジェットヘッドと、内部にインクを収容するもので、互いに熱的に分離可能な第1の液室及び第2の液室とを有するインクタンクと、前記インクタンクを前記第1の液室と第2の液室とに可逆的に分断可能な分断手段と、前記第1の液室側に配置されて前記インクを加温するためのインク加温手段と、前記第1の液室側に配置されて前記インク温度を検出するインク温度検出手段と、前記インクジェットヘッドと前記第1の液室との間に配設されるインク経路と、を有するインクジェットプリンタに於けるインクタンク内のインク加温方法に於いて、
    前記分断手段によって、前記インクタンクを第1の液室と第2の液室との連通を分断するステップと、
    前記インク加温手段によって前記第1の液室内のインクを加温するステップと、
    前記インク温度検出手段によって前記第1のインクが所定温度にまで加温されたことが検出されたならば、前記第1の液室と第2の液室とを連通させるステップと、
    を具備することを特徴とするインク加温方法。
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