JP2012056183A - インクジェット型画像形成装置 - Google Patents

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Asayo Nishimura
亜紗代 西村
Tomiyuki Okada
富行 岡田
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Abstract

【課題】本発明は、インク循環経路に循環させるインクの粘度差に起因するオーバフロー等の不具合をなくすことができるインクジェット型画像形成装置並びにそのインク循環方法を提供する。
【解決手段】インクジェット型画像形成装置10において、インクジェット型プリントヘッド2と、プリントヘッド2にインクを供給し、この供給されたインクを回収して循環させるインク循環経路701〜705と、インク循環経路701〜705のインク供給側に配設され、インクを貯溜する第1のタンク71と、インク循環経路701〜705のインク回収側に配設され、インクを貯溜する第2のタンク72と、インク循環経路内を経路外に対して閉じ、インク循環経路701〜705内を加圧し、インク循環経路内のインクを強制循環させるインク強制循環手段とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、インクジェット型画像形成装置に関し、特にプリントヘッドにインクを循環させるインク循環方式を採用するインクジェット型画像形成装置に関する。更に、本発明は、インクジェット型画像形成装置のインク循環方法に関する。
価格が安く高速カラー印刷が可能なインクジェットプリンタの普及が目覚ましい。インクジェットプリンタは、パーソナルコンピュータ等の端末に接続され、この端末において製作された文字、イラスト、記号等の画像データを取り込み、用紙に印刷を行う。また、スキャナやファクシミリと一体化された複合型インクジェットプリンタにおいては、スキャナユニットから取り込んだ画像データの印刷を行うことができ、或いはファクシミリにより転送された画像データの印刷を行うことができる。
インクジェットプリンタにおいては、インクの用紙への滲みを防止し、プリント画質を向上するために、高粘度を有するインクが使用される傾向にある。プリント画質を向上することができる反面、下記特許文献1に記載されるように、自重落下方式を採用するインクジェットプリンタにおいて、高粘度を有するインクが移送経路中に流れにくく停滞し、インク貯溜部から記録ヘッドへのインクのスムーズな移送が困難である課題が知られている。
この特許文献1に係るインクジェットプリンタは、インク貯溜部と記録ヘッドとの間にインクの中間貯溜部を備え、この中間貯溜部に貯溜されるインクの液面にかかる圧力を大気圧に維持する圧力維持機構を備えている。このインクジェットプリンタは、中間貯溜部から記録ヘッドに均一な圧力によってインクを押し出すことにより、上記課題を解決している。
一方、インクジェットプリンタにおいて良好な印刷結果を得るために、印刷に使用されるインクの性能を保証する温度範囲が定められている。このようなインクの性能を保証するには、自重落下方式とは異なり、インクを常時循環させ、この循環されるインクの温度範囲を一定の範囲内に調整可能であるインク循環方式を採用するインクジェットプリンタが有効である。
この種のインクジェットプリンタは、インク循環経路と、インク循環経路に配設されプリントヘッドに供給するインクを貯溜する第1のタンクと、インク循環経路に配設されプリントヘッドから回収された余剰インクを貯溜する第2のタンクと、インク循環経路に循環されるインクを温める加熱器と、循環されるインクを冷やす冷却器とを備えている。また、第2のタンクにはインクを補充するインクボトルが接続されている。インクの温度が低すぎて、インクの性能を保証する温度範囲を逸脱するときには、加熱器を用いてインクが温められる。また、インクの温度が高すぎて、インクの性能を保証する温度範囲を逸脱するときには、冷却器を用いてインクが冷却される。インク循環方式を採用するインクジェットプリンタにおいては、加熱器並びに冷却器を用いてインク温度を調整することができるので、インクの性能を最大限に抽出し、印刷画質を高め、良好な印刷結果を得ることができる。
特開2004−188857号公報
しかしながら、前述のインク循環方式を採用するインクジェットプリンタにおいては、以下の点について配慮がなされていなかった。インク循環方式を採用するインクジェットプリンタにおいて、前述の特許文献1に記載されるような高粘度を有するインクを用いた場合、第1のタンクからプリントヘッド、第2のタンクを通過し、再度第1のタンクに循環されるインク循環経路中、プリントヘッド、加熱器、冷却器等を追加すると部分的にインク温度に変化が生じ、インク循環経路の各所のインクの粘度に変化を生じるので、インクの粘度差を無視することができない状態になる。
インク循環経路において、プリントヘッドに供給されるインクの粘度が低く、プリントヘッドから回収されるインクの粘度が高い場合には、プリントヘッドからのインク漏れが生じる。インク循環経路において、タンクから供給されるインクの粘度が高く、タンクに循環(回収)されるインクの粘度が低い場合には、タンクからインクが溢れ出すオーバフローが生じる。特に、インクジェットプリンタを設置した環境の温度が低く、インクの粘度が高い状況において、インクジェットプリンタを起動した直後のウォームアップ動作時に、第1のタンクに貯溜されたインクの粘度は高いにもかかわらず、加熱器を通して第1のタンクに循環されるインクの粘度が加熱直後によって極端に低くなる。このため、第1のタンクにおいてオーバフローを招く恐れがあった。
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。従って、本発明は、インク循環経路に循環させるインクの粘度差に起因するオーバフロー等の不具合をなくすことができるインクジェット型画像形成装置を提供することである。更に、本発明は、このインクジェット型画像形成装置のインク循環方法を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の実施例に係る第1の特徴は、インクジェット型画像形成装置において、インクジェット型プリントヘッドと、プリントヘッドにインクを供給し、この供給されたインクを回収して循環させるインク循環経路と、インク循環経路のインク供給側に配設され、インクを貯溜する第1のタンクと、インク循環経路のインク回収側に配設され、インクを貯溜する第2のタンクと、インク循環経路内を経路外に対して閉じ、インク循環経路内を加圧し、インク循環経路内のインクを強制循環させるインク強制循環手段とを備える。
実施例に係る第2の特徴は、インクジェット型画像形成装置において、インクを貯溜し、第2のタンクにインクを補充するインクボトルと、インク循環経路のプリントヘッドと第2のタンクとの間を閉じ、第2のタンクとインクボトルとの間の経路を開放し、第2のタンク内を減圧にしてインクボトルのインクを第2のタンク内に引き込むインク強制引込手段とを更に備える。
実施例に係る第3の特徴は、インクジェット型画像形成装置において、第2のタンクはプリントヘッド内、インク循環経路内及び第1のタンク内に循環されるインクの大半を貯溜する容積を有し、インク循環経路の第2のタンクから第1のタンクまでの間に配設され、循環されるインクを加熱する第1の加熱手段と、第2のタンク内にインクの大半を貯留し、この貯溜されたインクをインク循環経路を通して第1のタンクに循環させるとともに、この循環中に第1の加熱手段を用いてインクを加熱する貯溜循環制御手段とを更に備える。
実施例に係る第4の特徴は、インクジェット型画像形成装置において、第2のタンクに配設され、第2のタンク内に貯溜されたインクを貯溜循環制御手段からの制御に従い加熱する第2の加熱手段を更に備える。
実施例に係る第5の特徴は、インクジェット型画像形成装置において、インク強制循環手段又はインク強制引込手段が、第2のタンクに連接され、この第2のタンク内を加圧又は減圧し、この第2のタンク内の圧力を調整する圧力調整器を備えることである。
実施例に係る第6の特徴は、インクジェット型画像形成装置のインク循環方法において、インクジェット型プリントヘッドにヘッドキャップを装着し、プリントヘッドのインク吐出部を閉じるステップと、プリントヘッドにインクを供給しこの供給されたインクを回収して循環させるインク循環経路において、そのインク供給側に配設されインクを貯溜する第1のタンクに連接された大気開放弁を閉じるステップと、インク循環経路のインク回収側に配設されインクを貯溜する第2のタンクに連接された大気開放弁を閉じるステップと、第2のタンクとそれにインクを補充するインクボトルとの経路に配設された補充量調整弁を閉じるステップとを備え、インク循環経路内を経路外に対して閉じるステップと、インク循環経路内を閉じた後に、第2のタンク内を加圧し、第2のタンクに貯溜されたインクをインク循環経路を通して第1のタンクに強制循環させるステップとを備える。
本発明の実施例に係る第1の特徴によれば、インク強制循環手段を備えたので、インク循環経路に循環させるインクの粘度差に起因するオーバフロー等の不具合をなくすことができるインクジェット型画像形成装置を提供することができる。
第2の特徴によれば、インク強制引込手段を備えたので、インクボトルから第2のタンクへのインクの補充を促進することができるインクジェット型画像形成装置を提供することができる。
第3の特徴によれば、貯溜循環制御手段を備えたので、第2のタンク内に貯溜した大半のインクを第1の加熱手段を用いて温めてから第1のタンクに循環させ、インク循環経路に循環させるインクの粘度差に起因するオーバフロー等の不具合をなくすことができるインクジェット型画像形成装置を提供することができる。
第4の特徴によれば、第2のタンク内に貯溜された大半のインクを加熱する第2の加熱手段を備えたので、インク循環経路に循環させるインクの粘度差に起因するオーバフロー等の不具合をより一層なくすことができるインクジェット型画像形成装置を提供することができる。
第5の特徴によれば、圧力調整器を備え、この圧力調整器を用いてインク強制循環手段又はインク強制引込手段を構築することができるので、簡易な構造を有するインクジェット型画像形成装置を提供することができる。
第6の特徴によれば、インク循環経路内に強制的にインクを循環させることができるので、インクの粘度差に起因するオーバフロー等の不具合をなくすことができるインクジェット型画像形成装置のインク循環方法を提供することができる。
本発明の実施例1に係るインクジェット型画像形成装置のプリント機構を示す概略図である。 実施例1に係るインクジェット型画像形成装置のインク循環システムの構成図である。 図2に示すインク循環システムに組み込まれるインク強制循環機構(インク強制循環手段)の要部を示す構成図である。 図2に示すインク循環システムに組み込まれるインク強制引込機構(インク強制引込手段)の要部を示す構成図である。 (A)は図2に示すインク循環システムに組み込まれる貯溜循環制御機構(貯溜循環制御手段)の非貯溜状態における要部を示す構成図であり、(B)は貯溜循環制御機構の貯溜状態における要部を示す構成図である。 実施例1に係るインクジェット型画像形成装置において図5に示す貯溜循環制御機構の変形例を示す構成図である。 実施例1に係るインクジェット型画像形成装置において図2及び図3に示すインク強制循環機構並びに図2及び図4に示すインク強制引込機構の動作を説明するフローチャートである。 (A)乃至(C)は実施例1に係るインクジェット型画像形成装置において図2及び図5に示す貯溜循環制御機構の動作を説明するフローチャートである。 本発明の実施例2に係るインクジェット型画像形成装置のインク循環システムの構成図である。 実施例2に係るインクジェット型画像形成装置においてインク循環システムに組み込まれる冷却器の概略斜視図である。 (A)及び(B)は実施例2に係るインクジェット型画像形成装置において冷却器及び加熱器の動作を説明するフローチャートである。 実施例2に係るインク循環システムにおいてインク循環経路に流れるインクの温度と時間との関係を示す図である。 実施例2に係るインク循環システムに組み込まれる冷却器の変形例を示す概略斜視図である。 (A)及び(B)は本発明の実施例3に係るインクジェット型画像形成装置に組み込まれる冷却器の概略側面図である。 (A)は実施例3に係るインクジェット型画像形成装置においてインク循環システムに組み込まれる冷却器の変形例1を示す概略側面図であり、(B)実施例3に係るインクジェット型画像形成装置においてインク循環システムに組み込まれる冷却器の変形例2を示す概略側面図である。 実施例3に係るインクジェット型画像形成装置においてインク循環システムに組み込まれる加熱器を示す概略側面図である。
次に、図面を参照して、本発明の実施例を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる。
また、以下に示す実施例はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
(実施例1)
本発明の実施例1は、インク循環方式を採用するカラーインクジェット型画像形成装置に本発明を適用した例を説明するものである。なお、実施例1及びそれ以降に説明する実施例は、理解を容易にするために、1色分のインク例えばブラックインクのインク循環システムについて説明する。それ以外の色、具体的にはシアンインク、マゼンダインク、イエローインクのそれぞれのインク循環システムは、その構成や説明を省略するが、同様の構成をインクジェット型画像形成装置に採用している。つまり、カラーインクジェット型画像形成装置には4色分のインクを各々独立に循環させる4つのインク循環システムが組み込まれている。また、本発明は、必ずしもカラーインクジェット型画像形成装置にのみ適用されるのではなく、グレースケールを含むモノクロインクジェット型画像形成装置にも適用可能である。
[インクジェット型画像形成装置の装置構成]
図1に示すように、実施例1に係るインク循環方式を採用するインクジェット型画像形成装置10は、プリントする用紙を供給し、この用紙にプリントを行い、このプリントされた用紙を排出する用紙搬送機構を有する。インクジェット型画像形成装置10において、符号を付けていない筐体の左側側面にはこの筐体から外側に突出する着脱自在の給紙台101が配設され、筐体内部には複数の給紙トレイ102、103、104及び105が配設されている。これらの給紙台101及び給紙トレイ102〜105には未プリント(印刷前)の用紙が格納されている。また、インクジェット型画像形成装置10の筐体の左側上部には排紙台110が配設されている。排紙台110にはプリント済み(印刷後)の用紙が排出される。
インクジェット型画像形成装置10は、給紙台101等から供給される用紙の搬送方向に対して直交する方向に多数のノズルが配列されたプリントヘッド2を複数備えている。それぞれのプリントヘッド2は、ブラックインク、シアンインク、マゼンダインク、イエローインクを吐出し、ライン単位においてプリントを行う。実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10は、インクジェット方式を採用するカラーインクジェット型画像形成装置である。
実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10は、更にインク循環システム7及び制御部6を備えている。インク循環システム7に関しては後に詳述する。制御部6は、インクジェット型画像形成装置10の用紙搬送機構、インク循環システム7等の大半のユニットの制御を行う。制御部6は、その装置構成(ハードウエア)を省略するが、操作パネルや外部端末(例えばパーソナルコンピュータ)から入力される動作情報、各種センサから出力される検出情報等に基づき各種ユニットの動作を制御する中央演算処理ユニット(CPU)と、このCPUによって処理され各種ユニットの動作を制御するプログラムが格納される記憶装置とを少なくとも備えている。
なお、実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10は、ライン単位においてプリントを行う方式だけに限定されるものではなく、ライン方向に走査してプリントを行うシリアル方式に適用してもよい。
[インクジェット型画像形成装置のプリント動作]
前述の図1に示すインクジェット型画像形成装置10のプリント動作は、前述の制御部6を用いて以下の通り実行される。まず最初に、給紙台101、給紙トレイ102〜105のいずれかから供給された未プリント状態の用紙は、特に符号を付していないが、ローラ等により構築される駆動機構によって筐体内の給紙系搬送路に沿って搬送され、レジスト部121に導かれる。レジスト部121は、搬送された用紙の供給方向先端の位置合わせ、斜行修正等を行う機能を有し、給紙系搬送路に対して垂直方向に配設された一対のレジストローラを備えている。レジスト部121に搬送された用紙はここで一旦停止された後、所定のタイミングにおいてプリントヘッド2が配列されたプリントユニット(印刷部)の方向に搬送される。
プリントヘッド2に給紙系搬送路を介して対向する領域には環状の搬送ベルト3、プラテンプレート4及び吸引装置5が配設されている。搬送ベルト3は、プリント条件により定められる速度においてプラテンプレート4上を走行し、用紙の搬送を行う。吸引装置5を用いて搬送ベルト3の図示しないベルト穴及びプラテンプレート4の図示しない吸引孔を通じて用紙が吸引され、用紙の搬送は搬送ベルト3の表面に吸着された状態において行われる。搬送ベルト3を用いて搬送される用紙に対してプリントヘッド2は各色インクを吐出し、カラープリント、モノクロプリント又はグレースケールプリントが行われる。
プリント済みの用紙は、駆動機構によって排紙系搬送路に沿って搬送され、片面プリントの場合にはそのまま排紙台110に導かれて排紙される。また、両面プリントの場合には、片面プリント済みの用紙が排紙系搬送路から切換機構122を通してスイッチバック経路111に導かれ、この用紙はプリント面を反転させて再び給紙系搬送路に戻される。片面プリントの場合と同様に、給紙系搬送路に戻された用紙は、レジスト部121からプリントユニットに搬送され、ここでプリントを行った後、排紙系経路を通して排紙台110に排紙される。
[インク循環システムの構成]
実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10は、図2に示すインク循環システム7を備えている。このインク循環システム7は、前述の図1において説明したインクジェット型プリントヘッド2と、プリントヘッド2にインクを供給し、この供給されたインクを回収して循環させるインク循環経路701、702、703、704及び705と、インク循環経路701のインク供給側に配設され、インクを貯溜する第1のタンク(上流タンク又は第1のサブタンク)71と、インク循環経路702のインク回収側に配設され、インクを貯溜する第2のタンク(下流タンク又は第2のサブタンク)72と、インク循環経路701〜705内をインク循環経路701〜705外に対して閉じ、第2のタンク72内を加圧し、インク循環経路701〜705内のインクを強制循環させるインク強制循環機構(インク強制循環手段)とを備えている。
更に、インクジェット型画像形成装置10は、インクを貯溜し、第2のタンク72にインクを補充するインクボトル73と、インク循環経路701〜705のプリントヘッド2と第2のタンク72との間(インク循環経路702)を閉じ、第2のタンク72とインクボトル73との間のインク補充経路706を開放し、第2のタンク72内を減圧にしてインクボトル73のインクを第2のタンク72内に引き込むインク強制引込機構(インク強制引込手段)とを備えている。
更に加えて、インクジェット型画像形成装置10は、プリントヘッド2内、インク循環経路701〜705内及び第1のタンク71内に循環されるインクの大半を貯溜する容積を有する第2のタンク72と、インク循環経路701〜705の第2のタンク72から第1のタンク71までの間(インク循環経路703〜705)に配設され、循環されるインクを加熱する第1の加熱器(第1の加熱手段)76と、第2のタンク72内にインクの大半を貯留し、この貯溜されたインクをインク循環経路703〜705を通して第1のタンク71に循環させるとともに、この循環中に第1の加熱器76を用いてインクを加熱する貯溜循環制御機構(貯溜循環制御手段)とを備えている。
第1のタンク71には、第1の加熱器76及び冷却器77を通過し、良好なプリント結果を得ることができる温度に調整されたインクが循環し貯溜される。この第1のタンク71には大気開放経路711が接続され、この大気開放経路711には制御部6によって開閉動作が制御される大気開放弁712が配設されている。この大気開放弁712の開閉動作に基づき、第1のタンク71に貯溜され循環されるインクの圧力が調整される。第1のタンク71はプリントヘッド2に供給されるインクの流量並びに圧力を一定に保持する機能を有している。第1のタンク71はインク循環経路701の一端に接続されている。インク循環経路701の他端はインク分配器21を通してプリントヘッド2に接続されている。
また、第1のタンク71には第1の液面検出センサ713が配設されている。第1の液面検出センサ713は制御部6に接続され、この第1の液面検出センサ713を用いて第1のタンク71内に貯溜されたインクの上限量(図3等に符号200を付したインク液面)を検出することができる。
インク分配器21は、第1のタンク71からインク循環経路701を通して複数のプリントヘッド2のそれぞれに均等にインクを供給する機能を有する。また、複数のプリントヘッド2のそれぞれはインク集配器22を通してインク循環経路702の一端に接続され、このインク循環経路702の他端は第2のタンク72に接続されている。インク集配器22は、プリントヘッド2において使用されない余剰のインクを回収し、第2のタンク72に循環する機能を有する。
実施例1において、プリント動作に使用される直前の最も正確なインク温度を測定するために、インク分配器21には温度センサ210が配設されている。温度センサ210を用いて測定されたインク温度は制御部6に送られる。なお、温度センサ210の配置は、必ずしもインク分配器21に限定されるものではなく、例えばインク集配器22であってもよい。
複数のプリントヘッド2のそれぞれのインク吐出ノズルが配列されたノズル面側には、ヘッドキャップ23が配設されている。このヘッドキャップ23はヘッドキャップ駆動部24を通して制御部6に接続されている。ヘッドキャップ23は、必要に応じてプリントヘッド2のノズル面を塞ぎ、インクの吐き出しを停止させるとともに、インク循環経路701及び702内を経路外に対して閉じる機能を有する。ヘッドキャップ23の動作は、制御部6からの制御信号に基づき、ヘッドキャップ駆動部24によって実行される。
第2のタンク72にはプリントヘッド2においてプリントに使用されなかった余剰のインクが回収され貯溜される。第2のタンク72には、圧力調整経路707を通して、第2のタンク72内の圧力を調整する圧力調整器74が接続されている。圧力調整器74は、必ずしもこの構成に限定されるものではないが、実施例1において、簡易な構成を有しかつ製作費用を減少することができる、伸縮動作に伴い加圧又は減圧を行うベローズ機構により構成されている。圧力調整器74は、制御部6に接続され、この制御部6からの制御信号に基づき圧力調整を行う。この圧力調整器74は、本来、プリントヘッド2に適正な負圧を掛ける負圧調整器として配設されているが、実施例1においてはインク強制循環機構、インク強制引込機構のそれぞれを構築する構成として兼用されている。また、圧力調整経路707には大気開放経路708が接続され、この大気開放経路708には制御部6によって開閉動作が制御される大気開放弁724が配設されている。第2のタンク72は、通常動作においては基本的に第1のタンク71と同様に、循環されるインクの流量並びに圧力(ここでは負圧)を一定に保持する機能を有している。
第2のタンク72には第2の液面検出センサ725及び第3の液面検出センサ726が配設されている。第2の液面検出センサ725及び第3の液面検出センサ726はいずれも制御部6に接続されている。第2の液面検出センサ725は、通常のプリント動作状態において、第2のタンク72内に貯溜されたインクの上限量(図3等においてインク液面200)を検出する。第3の液面検出センサ726は、貯溜循環制御機構の動作状態において、第2のタンク72内に貯溜されたインクの上限量(同様に図3等においてインク液面200)を検出する。
また、第2のタンク72にはインク補充経路706を通してインクボトル73が接続されている。インク補充経路706には制御部6によって開閉動作が制御される補充量調整弁722が配設されている。インクボトル73は循環されるインク量が減少した場合にインクを補充する機能を持つ。
第2のタンク72にはインク循環経路703の一端が接続され、他端はインク循環ポンプ75に接続されている。インク循環ポンプ75は、第2のタンク72に回収され貯溜されたインクをインク循環経路704及び705を通し、更にインク循環経路704と705との間に配設された第1の加熱器76及び冷却器77を通して第1のタンク71に押し上げ循環させる機能を有する。第1の加熱器76には実施例1において例えば熱電ヒータを実用的に使用することができる。詳細な構成を図示していないが、冷却器77には、例えば後述する実施例2において説明する冷却フィン(771)及び冷却ファン(772)を実用的に使用することができる。
ここで、図2に示すインク循環システム7は1色分である。実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10はカラーインクジェット型画像形成装置であるので、図示しないが同様のインク循環システム7は他に3つ組み込まれ、インクジェット型画像形成装置10には合計4個のインク循環システム7が組み込まれている。
[インク循環システムのインク循環動作]
図2に示すインク循環システム7の全体のインク循環動作は以下の通りである。
まず、第1のタンク71に貯溜されたインクがインク循環経路701、インク分配器21のそれぞれを通してプリントヘッド2に供給される。第1のタンク71に貯溜されているインクは、第1の加熱器76又は冷却器77を通して循環されたインクであり、良好なプリント結果を得られる温度に調整されている。
プリントヘッド2においては用紙にプリントを行うために供給されたインクが消費される。プリントに使用されなかった余剰のインクはインク集配器22を通して回収され、この回収されたインクはインク循環経路702を通して第2のタンク72に回収され貯溜される。
第2のタンク72に貯溜されたインクはインク循環経路703を通して逐次インク循環ポンプ75に送られる。インク循環ポンプ75は、インク循環経路704を通して第1の加熱器76及び冷却器77にインクを強制的に循環する。図示しない温度検出センサを用いてインクの温度が測定され、インク温度が低く、良好なプリント結果を得ることができない場合には、制御部6は第1の加熱器76を駆動し、循環されるインクを温める。インク温度が高く、やはり良好なプリント結果を得ることができない場合には、制御部6は冷却器77を駆動し、循環されるインクを冷やす。
第1の加熱器76又は冷却器77を用いて温度が調整されたインクは、インク循環経路705を通して第1のタンク71に送られ回収されるとともに、再度プリントヘッド2に供給するために貯溜される。
ここで、インク循環システム7において、第1のタンク71内に貯溜されたインク量は第1の液面検出センサ713を用いて管理されている。プリント動作が継続して実行され、インクが消費されることによって第1のタンク71に貯溜されたインク量が減少し規定値に満たない場合には、制御部6は補充量調整弁722を開き、インクボトル73からインク補充経路706を通して第2のタンク72にインクの補充が行われる。
[インク循環システムのインク強制循環機構]
前述のインク循環システム7のインク強制循環機構は、図2及び図3に示すように、インクが循環される経路内となるインク循環経路701〜705、このインク循環経路701〜705中に配設された第1のタンク71、インク分配器21、プリントヘッド2、インク集配器22、第2のタンク72及びインク循環ポンプ75と、第2のタンク72内を加圧する圧力調整器74、圧力調整経路707と、第2のタンク72内の加圧されたインクを強制的に循環させるインク循環ポンプ75と、大気開放弁712、ヘッドキャップ駆動部24、補充量調整弁722、大気開放弁724、圧力調整器74、インク循環ポンプ75の動作を制御して第2のタンク72内の加圧されたインクの強制循環を実行する制御部6とを備えている。
ここで、インク循環システム7のインク循環経路内(単に、「経路内」と表記する場合がある。)とは、インク循環経路701−705内、第1のタンク71内、インク分配器21内、プリントヘッド2内、インク回収器22内、第2のタンク72内、インク循環ポンプ75内、第1の加熱器76内の少なくとも1つであって、インクが実際に循環される経路の内側という意味で使用されている。インク循環経路外(単に、「経路外」と表記する場合がある。)とはインク循環経路内の外側であって概ねインク循環システム7の外部という意味で使用され、大気は経路外に属している。
インク強制循環機構において、第1のタンク71に接続された大気開放経路711中の大気開放弁712を閉じることによって、第1のタンク71における経路内と経路外とのパス経路を遮断し、第1のタンク71を経路外に対して密閉することができる。また、インク強制循環機構において、ヘッドキャップ23はプリントヘッド2のノズル面を塞ぎ、プリントヘッド2における経路内と経路外とのパス経路を遮断し、プリントヘッド2を経路外に対して密閉することができる。
インク強制循環機構において、圧力調整器74は、図3に示すように、圧力調整経路707を通して第2のタンク72に接続されているので、大気開放経路708の大気開放弁724を閉じ、圧力調整器74を制御部6からの制御信号に基づき伸状態から縮状態に移行することによって加圧力を発生させ、この加圧力によって第2のタンク72内を加圧することができる。
また、インク強制循環機構において、インク補充経路706中の補充量調整弁722を閉じることによって、第2のタンク72とインクボトル73との経路は遮断され、第2のタンク72を経路外に対して密閉することができる。
[インク循環システムのインク強制引込機構]
前述のインク循環システム7のインク強制引込機構は、図2及び図4に示すように、インク循環経路702に配設され、制御部6によって開閉動作が制御され、このインク循環経路702を閉じる開閉弁721と、インク補充経路706に配設され、制御部6によって開閉動作が制御され、このインク補充経路706を開放する補充量調整弁722と、大気開放経路708に配設され、制御部6によって開閉動作が制御され、この大気開放経路708を閉じる大気開放弁724と、第2のタンク72内を減圧する圧力調整器74と、開閉弁721、補充量調整弁722を制御してインクボトル73に貯溜されたインクを第2のタンク72内に引き込む制御を行う制御部6とを備えている。
インク強制引込機構において、圧力調整器74は、図4に示すように、圧力調整経路707を通して第2のタンク72に接続されているので、大気開放経路708の大気開放弁724を閉じ、制御部6からの制御信号に基づき、インク強制循環機構の動作に対して圧力調整器74に逆の動作を行いつまり縮状態から伸状態に移行することによって減圧力を発生させ、この減圧力によって第2のタンク72内を減圧することができる。
インク強制引込機構においては、インク補充経路706中の補充量調整弁722を開くことによって、インクボトル73と第2のタンク72との経路が繋がり、水頭差に加えて第2のタンク72内を減圧することによって、インクボトル73から第2のタンク72へのインクの補充を促進することができる。
[インク循環システムの貯溜循環制御機構]
前述のインク循環システム7の貯溜循環制御機構は、図2、図5(A)及び図5(B)に示すように、第2のタンク72内にインクの大半を貯留する第1のタンク71の大気開放経路711に配設された大気開放弁712、プリントヘッド2のノズル面を塞ぐヘッドキャップ23、それを駆動するヘッドキャップ駆動部24、インク循環経路702に配設された開閉弁721、インク補充経路706に配設された補充調整弁722、第2のタンク72に接続された大気開放経路708に配設された大気開放弁724と、第2のタンク72に貯溜されたインクをインク循環経路703〜705を通して第1のタンク71に循環させるインク循環ポンプ75と、インクを加熱する第1の加熱器76と、これらを制御する制御部6とを備えている。
第2のタンク72は、インク循環システム7の大半のインクを貯溜するので、第1のタンク71の容積に比べて大きな容積を有している。
貯溜循環制御機構においては、インク循環システム7の大半のインクを一旦第2のタンク72に集めて貯溜し、この第2のタンク72に貯溜されたインクを第1の加熱器76を用いて温めインクの粘度を下げてから第1のタンク71に循環させることができる。
[インク強制循環機構及びインク強制引込機構の動作]
前述の実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10において、インク循環システム7のインク強制循環機構及びインク強制引込機構の動作は、図7に示すように、以下の手順に従い行われる。この動作の説明においては、図1乃至図4に示すインクジェット型画像形成装置10、インク循環システム7、インク強制循環機構及びインク強制引込機構の構成が適宜参照される。
まず最初に、インクジェット型画像形成装置10の主電源が投入され、ウォームアップ動作が開始されるとともに、インク循環システム7のインク循環動作の開始が指示される(S1)。この指示は制御部6から行われる。
インク循環動作が開始されると、インクの初期充填が必要か否かを判断する(S2)。実施例1において、この判断は図2乃至図4に示す第2のタンク72に配設された第2の液面検出センサ725を用いて行われる。第2のタンク72内のインク液面200が第2の液面検出センサ725まで達していない場合、制御部6はインク初期充填が必要であると判断し、制御部6は、補充量調整弁722を開き、インクボトル73からインク補充経路706を通して第2のタンク72にインクを補充する。インクの補充はインク液面200が第2の液面検出センサ725に達するまで行われる(S14)。
インクの初期充填が完了した後、又はインクの初期充填が必要ないと判断された場合、インク温度が測定され、インク温度が下限温度よりも低いか否かを判断する(S3)。プリントヘッド2のインク吐出ノズルから最適な状態においてインクを吐き出すことができる下限温度は例えば25℃(T1)であり、又上限温度は例えば45℃である。下限温度を下回ると、インクの粘性が高くなる。インク温度は実施例1においてインク分配器21に配設された温度センサ210を用いて測定され、この温度センサ210を用いて測定された温度と下限温度との比較は制御部6によって行われる。
インク温度が下限温度よりも高い(インク温度>T1)場合、インク循環システム7において通常のインク循環動作が行われる(S13)。インク温度が下限温度よりも低い(インク温度<T1)場合、インク循環システム7においてインク強制循環機構の駆動が開始される。
まず、制御部6からヘッドキャップ駆動部24に駆動制御信号が送信され、プリントヘッド2のノズル面にヘッドキャップ23が装着される(S4)。引き続き、第1のタンク71に接続された大気開放経路711の大気開放弁712及び第2のタンク72に接続された大気開放経路708の大気開放弁724が閉じられ(S5)、インク循環経路702の開閉弁721が開かれる。これらの弁の開閉動作は制御部6によって実行される。これらの動作によって、インク循環システム7において、インク循環経路701〜705内が経路外に対して閉じられる。
このインク循環経路701〜705内が閉じられた状態において、インク循環ポンプ75を稼働し、インクの循環が行われる(S6)とともに、圧力調整器74を伸状態から縮状態に動作(収縮)させ、第2のタンク72内が加圧される(S7)。つまり、第2のタンク72内に貯溜されたインクを加圧した状態において強制的に循環することができる。第2のタンク72から加圧され強制的に循環されるインクはインク循環経路704から705に至る段階において第1の加熱器76によって温められる。インク循環ポンプ75、圧力調整器74、第1の加熱器76の動作は制御部6によって制御がなされる。
インク温度は引き続き測定され、インク温度が下限温度よりも低いと判断される(S8)と、インクの加圧を伴う強制的な循環が引き続き行われる。インク温度が上昇し下限温度よりも高くなった(インク温度>T1)場合、圧力調整器74を縮状態から伸状態に動作(拡張)させ、第2のタンク72内の加圧の停止がなされる(S9)。引き続き、第1のタンク71に接続された大気開放経路711の大気開放弁712及び第2のタンク72に接続された大気開放経路708の大気開放弁724が開かれ(S10)、ヘッドキャップ23のプリントヘッド2からの待避が行われる(S11)。つまり、インク循環システム7においてインク強制循環機構の駆動が停止される。
プリントヘッド2において、ノズル面のメンテナンス動作の実行が行われる(S12)。この後、インク循環システム7において通常のインク循環動作が行われる(S13)。
このように、実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10においては、インク循環システム7にインク強制循環機構を備え、インク循環経路701〜705内を経路外に対して閉じ、特に第1のタンク71に接続された大気開放経路711の大気開放弁712を閉じて第1のタンク71を密閉状態に維持し、インクを強制的に循環させたので、インク循環経路701〜705に循環させるインクの粘度差、特に第1のタンク71からインク循環経路701を通して供給されるインクの粘度(高い)とインク循環経路705を通して第1のタンク71に循環されるインクの粘度(低い)との差に起因するインクのオーバフローを防止することができる。更に、インク強制循環機構においては、圧力調整器74を用いて第2のタンク72内を加圧することができるので、インクの循環を助長し、粘度の高いインクの循環速度を高めることができるので、インクジェット型画像形成装置10のウォームアップ時間を短縮することができる。
一方、前述のステップS14において、インクの粘度が高く、又はインク温度や環境温度が低くてインクの粘度が高く、水頭差だけではインクの流動性悪くてインクボトル73から第2のタンク72にインクが補充されず、インクの初期充填が完了しない場合にはインク強制引込機構の駆動が開始される。
インク強制引込機構においては、まず第2のタンク72に接続される大気開放経路708の大気開放弁724が開かれる(S15)。更に、圧力調整器74を伸状態から縮状態に動作(収縮)させておき(S16)、第2のタンク72に接続されたインク循環経路702の開閉弁721と第2のタンク72に接続される大気開放経路708の大気開放弁724を閉じ(S17)、この状態において、インク補充経路706の補充量調整弁722が開き(S18)、圧力調整器74を縮状態から伸状態に動作(拡張)させることで第2のタンク72内が減圧される(S19)。第2のタンク72内が減圧されているので、インクボトル73から第2のタンク72内にインクが強制的に引き込まれ、初期充填を完了させることができる。なお、各種弁の開閉動作並びに圧力調整器74の動作は制御部6によって制御される。
そして、ステップS14の判断が再度実行される。
このように、実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10においては、インク循環システム7にインク強制引込機構を備え、第2のタンク72内を減圧にしてインクボトル73から第2のタンク72に強制的にインクを引き込み補充することができるので、インクの補充時間を速め、ウォームアップ時間を短縮することができる。
[貯溜循環制御機構の動作]
前述の実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10において、インク循環システム7の貯溜循環制御機構の動作は、図8に示すように、以下の手順に従い行われる。この動作の説明においては、図1、図2及び図5に示すインクジェット型画像形成装置10、インク循環システム7及び貯溜循環制御機構の構成が適宜参照される。
1. 貯溜循環制御機構の第1の動作例
図8(A)に示すように、インクジェット型画像形成装置10において、制御部6から電源オフの指示がなされる(S20)。インク循環システム7においては、プリントヘッド2のノズル面にヘッドキャップ23が装着され、インク循環ポンプ75の動作が停止され、更に第1のタンク71に接続された大気開放経路711の大気開放弁712及び第2のタンク72に接続された大気開放経路724の大気開放弁724が開かれる(S21)。これらヘッドキャップ23の装着動作、インク循環ポンプ75の停止動作、各種弁の開閉動作は制御部6によって制御される。
インク循環ポンプ75の動作が停止され、第1のタンク71及び第2のタンク72に大気開放がなされたので、水頭差によってインク循環システム7の大半のインクが第2のタンク72内に貯溜される。ここで、第2のタンク72に配設された第3の液面検出センサ726が使用され、第2のタンク72内にインク循環システム7の大半のインクが貯溜されたか否かが監視される(S22)。第3の液面検出センサ726は、第2のタンク72内に貯溜されたインク液面200を検出し、図5(A)に示す状態から図5(B)に示す状態になったときに大半のインクが第2のタンク72内に貯溜されたことになる。
第3の液面検出センサ726の検出結果は制御部6に送信される。引き続き、制御部6は、第1のタンク71に接続された大気開放経路711の大気開放弁712を閉じ(S23)、インクジェット型画像形成装置10の主電源をオフ状態とする(S24)。
図8(C)に示すように、インクジェット型画像形成装置10の主電源が投入され、ウォームアップ動作が開始されるとともに、インク循環システム7のインク循環動作の開始が指示される(S30)。この指示は制御部6から行われる。
第1の加熱器76を用いて(又は冷却器77を用いて)温度調節が行われるとともに、インク循環ポンプ75の動作が開始される(S31)。インク循環ポンプ75の動作が開始されると、第2のタンク72内に一旦貯溜された大半のインクが逐次インク循環ポンプ75、第1の加熱器76を通して第1のタンク71に供給され、第1のタンク71においてインクの貯溜が行われる。
第1のタンク71においては、第1の液面検出センサ713を用いてインク液面200が監視される(S32)。第1のタンク71に一定量のインクが貯溜されると、第2のタンク72に接続された大気開放経路708の大気開放弁が閉じられ(S33)、通常のインク循環動作がなされる(S34)。
インク温度が測定され、インク温度が下限温度よりも低いか否かが判断される(S35)。インク温度は実施例1においてインク分配器21に配設された温度センサ210を用いて測定され、この温度センサ210を用いて測定された温度と下限温度との比較は制御部6によって行われる。
インク温度が下限温度よりも高い(インク温度>T1)場合、インク循環システム7は待機状態に移行する(S37)。インク温度が下限温度よりも低い(インク温度<T1)場合、インク循環システム7において、プリントヘッド2からヘッドキャップ23を待避させ、プリントヘッド2にインクが吐出さない程度の振動を付与し、プリント動作直前に使用されるインクを温める。
実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10においては、インク循環システム7に貯溜循環制御機構を備え、インク循環経路701〜705の大半のインクを第2のタンク72内に貯溜し、この貯溜されたインクを第1の加熱器76によって温めて第1のタンク71に循環させ貯溜させるので、特に第1のタンク71からインク循環経路701を通して供給されるインクの粘度(高い)とインク循環経路705を通して第1のタンク71に循環されるインクの粘度(低い)との差に起因するインクのオーバフローを防止することができる。更に、貯溜循環制御機構においては、インク循環経路701〜705の全域に渡ってインクを温めインクの粘度差を減少するのではなく、第2のタンク72と第1のタンク71との間の一部の経路においてしかも既存の第1の加熱器76を用いてインクを温めインクの粘度を下げていることができる。この結果、インク循環システム7の構成を簡素化することができ、インクジェット型画像形成装置10の構成を簡素化することができる。
2. 貯溜循環制御機構の第2の動作例
図8(B)に示すように、インクジェット型画像形成装置10において、制御部6から電源オフの指示がなされる(S25)。インク循環システム7においては、プリントヘッド2のノズル面にヘッドキャップ23が装着され、インク循環ポンプ75の動作が停止され、更に第1のタンク71に接続された大気開放経路711の大気開放弁712及び第2のタンク72に接続された大気開放経路724の大気開放弁724が開かれる(S26)。これらヘッドキャップ23の装着動作、インク循環ポンプ75の停止動作、各種弁の開閉動作は制御部6によって制御される。この後、インクジェット型画像形成装置10の主電源がオフ状態とされる(S27)。
インクジェット型画像形成装置10の主電源が投入された後のステップは前述の貯溜循環制御機構の第1の動作例と同様である。また、この実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10の貯溜循環制御機構の第2の動作例においては、貯溜循環制御機構の第1の動作例と同様の作用効果を奏することができる。
[貯溜循環制御機構の変形例]
実施例1の変形例に係るインクジェット型画像形成装置10のインク循環システム7は、図6に示すように、第2のタンク72に、その内部に貯溜されたインクを貯溜循環制御機構からの制御に従い加熱する第2の加熱器(第2の加熱手段)727を備えている。この変形例において、第2の加熱器727は、第2のタンク72の直下に配設され、例えば電熱ヒータを用いて構成されている。第2の加熱器727は、貯溜循環制御機構を構築する制御部6に接続され、この制御部6を用いて加熱動作を制御している。
なお、第2の加熱器727は、第2のタンク72の直下に配置されることに限定されるものではなく、第2のタンク72の側面の一部、側面の全域、直下及び側面のいずれかに配設してもよい。また、インク循環システム7において、ここでは第1の加熱器76と第2の加熱器727とが併用されているが、第2の加熱器727のみが配設されていてもよい。
実施例1の変形例に係るインクジェット型画像形成装置10においては、インク循環システム7の容積が大きく大半のインクを一旦貯溜する第2のタンク72に第2の加熱器727を配設したので、ウォームアップ動作直後の第2のタンク72に貯溜されたインクを効率良く温めることができる。従って、第1のタンク71から供給されるインクの粘度と第1のタンク71に供給されるインクの粘度との差に起因するインクのオーバフローをより一層防止することができる。
[実施例1の特徴]
以上説明したように、実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10においては、インク循環システム7にインク強制循環機構を備えたので、インク循環経路701〜705等に循環させるインクの粘度差に起因する第1のタンク71のインクのオーバフローを防止することができる。更に、インク循環システム7の第2のタンク72、圧力調整器74等の既存の大半の構成を利用し、制御部6の制御方式を改良することによって、インク強制循環機構を構築することができるので、特別な構成の組み込みを必要とせず、インクジェット型画像形成装置の構造を簡素化することができる。
また、実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10においては、インク循環システム7にインク強制引込機構を備えたので、インクボトル73から第2のタンク72に補充されるインクの粘度差に起因する補充不足を解消することができる。特に、インクの補充速度を高めることができるので、ウォームアップ動作速度の高速化を実現することができる。更に、インク循環システム7の第2のタンク72、圧力調整器74等の既存の大半の構成を利用し、制御部6の制御方式を改良することによって、インク強制引込機構を構築することができるので、特別な構成の組み込みを必要とせず、インクジェット型画像形成装置の構造を簡素化することができる。
また、実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10においては、インク循環システム7に貯溜循環制御機構を備えたので、インク循環経路701〜705等に循環させるインクの粘度差に起因する第1のタンク71のインクのオーバフローを防止することができる。更に、インク循環システム7の第2のタンク72、第1の加熱器76等の既存の大半の構成を利用し、制御部6の制御方式を改良することによって、貯溜循環制御機構を構築することができるので、特別な構成の組み込みを必要とせず、インクジェット型画像形成装置の構造を簡素化することができる。
なお、実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10においては、インク強制循環機構、インク強制引込機構及び貯溜循環制御機構が併用されているが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、インク強制循環機構、インク強制引込機構、貯溜循環制御機構のいずれか1つ又は2つを組み合わせたインクジェット型画像形成装置に適用可能である。
(実施例2)
本発明の実施例2は、前述の実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10において、低温度時のウォームアップ動作時間を短縮しつつ、消費電力を減少することができる例を説明するものである。
[インク循環システム及び冷却器の構成]
図9に示すように、実施例2に係るインクジェット型画像形成装置10及びそのインク循環システム7は、基本的には前述の実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10及びそのインク循環システム7と同様である。実施例2に係るインク循環システム7の冷却器77は、同図9及び図10に示すように、冷却フィン771と、冷却ファン772とを備えている。
冷却器77の冷却フィン771は、インク循環経路704、705のそれぞれに接続され、各色インク循環経路7711〜7714が内部に組み込まれ(埋設され)、複数のフィン7710が配列された符号を省略する冷却ブロックを備えている。各色インク循環経路7711は例えばブラックインクが循環され、各色インク循環経路7712は例えばイエローインクが循環され、各色インク循環経路7713は例えばマゼンダインクが循環され、各色インク循環経路7714は例えばシアンインクが循環されている。フィン7710及び冷却ブロックは例えば熱伝導性に優れたアルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属材料を用いて製作されている。
冷却フィン771の各色インク循環経路7711〜7714の近傍には温度センサ775が配設され、各色インク循環経路7711〜7714のそれぞれに流れるインクの温度が測定されている。温度センサ775は制御部6(前述の図2参照)に接続され、温度センサ775の測定結果に基づき、制御部6を用いてインク温度が監視されている。
冷却ファン772は、各色インク循環経路7711〜7714に交差する方向において冷却フィン771に対向して配設され、図示しない電動モータ及びそれによって回転する回転翼を有する。この冷却ファン772は制御部6に接続され、制御部6によって冷却ファン772の動作の制御がなされている。
実施例2に係る冷却ファン772は、本来、インク循環システム7において、インク温度が上限温度を越える場合に、インクを冷却するために使用されるが、環境温度を利用してインクを温めるためにも使用される。例えば、冬季の印刷室に設置されたインクジェット型画像形成装置10の環境温度は低いので、印刷室に暖房を入れ、インクジェット型画像形成装置10の電源を投入し、インクジェット型画像形成装置10のウォームアップ動作が終了した後にプリント動作が実行される。通常、印刷室に使用される暖房設備において消費される電力は高く、比熱の低い空気を温めることから、環境温度の上昇はインクの温度上昇よりも速い。冷却ファン772は、この環境温度の上昇が速い点に着目し、温められた空気を冷却フィン771に送ることによって、各色インク循環経路7711〜7714に循環されるインクを温める。
冷却ファン772の近傍には環境温度を測定するための環境温度センサ776が配設されている。この環境温度センサ776は制御部6に接続され、環境温度センサ776の測定結果に基づき、制御部6によって冷却ファン772の動作の制御がなされている。
[冷却器の動作]
前述の実施例2に係るインクジェット型画像形成装置10において、インク循環システム7の冷却器77の動作は、図11に示すように、以下の手順に従い行われる。この動作の説明においては、図9及び図10に示すインクジェット型画像形成装置10のインク循環システム7及び冷却器77の構成が適宜参照される。
図11(A)に示すように、インクジェット型画像形成装置10のインク循環システム7において、ウォームアップ動作が開始された後、制御部6から印刷動作の指示がなされる(S40)。
インク温度が測定され、プリントヘッド2の近傍においてインク温度(プリント直前又はプリント直後のインク温度)が下限温度(T1)よりも低いか否かが判断される(S41)。インク温度は実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10と同様に、インク分配器21に配設された温度センサ210を用いて測定され、この温度センサ210を用いて測定された温度と下限温度との比較は制御部6によって行われる。
インク温度が下限温度よりも高い(インク温度>T1)場合、プリント動作が開始される(S42)。インク温度が下限温度よりも低い(インク温度<T1)場合、インク温度が下限温度よりも高くなるまで、印刷動作は開始されない。
一方、図11(B)に示すように、インクジェット型画像形成装置10の主電源が投入される(S43)と、インク温度に対して環境温度が高いか否かが判断される(S44)。環境温度は環境温度センサ776を用いて測定され、インク温度は冷却器77の冷却フィン771に配設された温度センサ775を用いて測定される。ここで、インク温度は、印刷下限インク温度が判断の基準として設定され、例えば25℃に設定される。インク分配器21に配設された温度センサ210においては、プリントヘッド2の動作によってインク温度の上昇が生じる可能性があるので、インク温度を正確に測定するために、冷却器77に配設された温度センサ775がインク温度の測定に使用される。なお、インク循環速度が速い場合にはプリントヘッド2の動作に基づくインク温度の上昇が小さいので、インク温度の測定は温度センサ210を使用してもよい。
環境温度がインク温度に比べて高い場合、冷却器77の冷却ファン772が稼働され、印刷室内の暖かい空気を利用しその熱エネルギが冷却フィン771を通して循環されるインクに伝えられる(S48)。併せて、第1の加熱器76が稼働され、循環されるインクが温められる。
環境温度がインク温度に比べて低い場合、又は冷却ファン772及び第1の加熱器76の稼働によって低くなった場合、冷却器77の冷却ファン772の稼働は停止される(S45)。
次に、標準下限インク温度に対してプリントヘッド2の近傍のインク温度が高いか否かが判断される(S46)。標準下限インク温度は、インク循環システム7の稼働中において最適なプリント画質を得るためのインク温度であり、例えば35℃に設定されている。標準下限インク温度は冷却器77に配設された温度センサ725を用いて測定され、プリントヘッド2の近傍のインク温度は温度センサ210を用いて測定される。判断はそれらの測定結果に基づき、制御部6が行う。
プリントヘッド2の近傍のインク温度が高い場合、第1の加熱器76の稼働は停止される(S47)。プリントヘッド2の近傍のインク温度が低い場合、第1の加熱器76を稼働し、インクが温められる(S48)。
図12はインク温度と時間との関係を示す図である。図12中、横軸は電源投入からの経過時間(分)を示し、縦軸はインク温度(℃)を示す。データD1は環境温度であり、ここでは印刷室内の設定温度が22℃に設定されている。環境温度は、比熱の低い空気を温めるので、短時間において設定温度まで上昇する。データD3は、第1の加熱器76のみを用いてインクを温めた場合において、時間経過に伴うインク温度の上昇を示している。データD2は、実施例2に係るインクジェット型画像形成装置10において、冷却器77の冷却ファン772を稼働し、環境温度を利用しつつ、第1の加熱器76を用いてインクを温めた場合において、時間経過に伴うインク温度の上昇を示している。
図12から明らかなように、実施例2に係るインクジェット型画像形成装置10においては、冷却ファン772を稼働し環境温度を利用することによって、短時間でインクを標準下限インク温度まで温めることができる。従って、ウォームアップ動作の時間を短縮することができる。更に、環境温度は暖房設備を用いて温められ、これを利用してインク温度を温められるので、インクジェット型画像形成装置10のインクを温めるための消費電力を減少することができる。
[実施例2の特徴]
以上説明したように、実施例2に係るインクジェット型画像形成装置10においては、環境温度センサ776と、環境温度を利用してインクを温める冷却ファン772と、環境温度の測定結果に基づき冷却ファン772の動作を制御する制御部6とを備え、環境温度を利用してインクを温めることができるので、ウォームアップ動作時間を短縮することができ、かつ消費電力を減少することができる。更に、インク循環システム7の既存の大半の構成を利用し、制御部6の制御方式を改良するだけで、特別な構成の組み込みを必要とせず、インクジェット型画像形成装置の構造を簡素化することができる。
なお、実施例2に係るインクジェット型画像形成装置10においては、前述の実施例1に係るインクジェット型画像形成装置10と組み合わせることができる。
[変形例]
実施例2の変形例に係るインクジェット型画像形成装置10は、図13に示すように、環境温度センサ776に冷却器77を介在して対向する領域に第2の温度環境センサ777を備える。この第2の温度環境センサ777は、第1の加熱器76側に配設され、制御部6に接続されている。この第2の温度環境センサ777は第1の加熱器76側の環境温度を測定する。この測定された環境温度が環境温度センサ776を用いて測定された環境温度に対して高い場合、冷却ファン772の回転方向が逆転され、インクが冷やされる。冷却ファン772のこの稼働の制御は制御部6によって行われる。
(実施例3)
本発明の実施例3は、前述の実施例1又は実施例2に係るインクジェット型画像形成装置10において、インク循環システム7のインク加熱効率並びにインク冷却効率を向上することができる例を説明するものである。
[インク循環システム、第1の加熱器及び冷却器の構成]
実施例3に係るインクジェット型画像形成装置10及びそのインク循環システム7においては、図14(A)に示すように、第1の加熱器76に各色インク供給経路7711〜7714が組み込まれ、第1の加熱器76を稼働してインクを温める場合には第1の加熱器76から冷却器77が離間され、図14(B)に示すように、冷却器77を稼働してインクを冷やす場合には第1の加熱器76に冷却器77が近接又は接触するようになっている。冷却器77の冷却フィン771、冷却ファン772のそれぞれは、各色インク供給経路7711〜7714の延伸方向に沿って配列されている。
第1の加熱器76を用いてインクを加熱する場合、冷却器77が各色インク供給経路7711〜7714に近接していると、冷却器77を通じて熱エネルギが放出されてしまうので、冷却器77が各色インク供給経路7711〜7714から離間されている方が、加熱効率が良い。一方、冷却器77を用いてインクを冷却する場合、冷却器77が各色インク供給経路7711〜7714に近接している方が、冷却効率が良い。
[実施例3の特徴]
このように実施例3に係るインクジェット型画像形成装置10においては、第1の加熱器76に対して冷却器77を離間並びに近接することができるように構成することによって、インクの加熱効率並びにインク冷却効率を向上することができる。
[変形例1]
図15(A)に示すように、実施例3の変形例1に係るインクジェット型画像形成装置10は、実施例3に係るインクジェット型画像形成装置10を具現化したものであり、第1の加熱器76に対して冷却器77が離間又は近接(或いは接触)する駆動機構を備えている。この駆動機構は、冷却器77の冷却フィン771の側面(ここでは、冷却ファン772に対向する上面)に配設されたラックギア7717と、このラックギア7717に噛み合うピニオンギア7716と、ピニオンギア7716を回転させる電動モータ7715と、電動モータ7715の動作を制御する制御部6とを備えている。
変形例1に係るインクジェット型画像形成装置10は、実施例3に係るインクジェット型画像形成装置10により得られる作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
[変形例2]
図15(B)に示すように、実施例3の変形例2に係るインクジェット型画像形成装置10は、実施例3に係るインクジェット型画像形成装置10を具現化したものであり、第1の加熱器76に対して冷却器77が離間又は近接(或いは接触)する駆動機構を備えている。この駆動機構は、冷却器77の冷却フィン771の側面(ここでは、冷却ファン772に対向する上面側)に配設された回転軸7718と、回転軸7718を中心に冷却器77の冷却フィン771を回転させる電動モータ7715と、電動モータ7715の動作を制御する制御部6とを備えている。
変形例2に係るインクジェット型画像形成装置10は、実施例3に係るインクジェット型画像形成装置10により得られる作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
[変形例3]
実施例3の変形例3に係るインクジェット型画像形成装置10は、実施例3に係るインクジェット型画像形成装置10において、第1の加熱器76の構成を変えた例を説明するものである。
図16に示すように、第1の加熱器76は、各色インク供給経路7711〜7714が組み込まれた発熱部761と、この発熱部761に装着されるコイル部762とを備えている。コイル部762は、変動磁界発生装置(IH)であり、絶縁性支持体に1組の誘導コイルが配設されたものである。コイル部762は制御部6に接続され、この制御部6によって第1の加熱器76の加熱動作が制御されている。
なお、実施例3に係るインクジェット型画像形成装置10は、前述の実施例1又は実施例2に係るインクジェット型画像形成装置10のすくなとも一方と組み合わせることができる。
(その他の実施例)
上記のように、本発明を実施例1乃至実施例3によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものでない。本発明は様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術に適用することができる。例えば、本発明は、カラーインクジェット型画像形成装置に限定されるものではなく、モノクロインクジェット型画像形成装置にも適用可能である。また、本発明は、スキャナ機能やファクシミリ機能を備えた複合型のインクジェット型画像形成装置に適用可能である。
本発明は、インク循環経路に循環させるインクの粘度差に起因するオーバフロー等の不具合をなくすことができるインクジェット型画像形成装置並びにそのインク循環方法に広く適用可能である。
2…プリントヘッド、21…インク分配器、22…インク回収器、23…ヘッドキャップ、24…ヘッドキャップ駆動部、6…制御部、7…インク循環システム、10…インクジェット型画像形成装置、71…第1のタンク、72…第2のタンク、73…インクボトル、74…圧力調整器、75…インク循環ポンプ、76…第1の加熱器、77…冷却器、771…冷却フィン、772…冷却ファン、701〜705…インク循環経路、727…第2の加熱器。

Claims (5)

  1. インクジェット型プリントヘッドと、
    前記プリントヘッドにインクを供給し、この供給されたインクを回収して循環させるインク循環経路と、
    前記インク循環経路のインク供給側に配設され、前記インクを貯溜する第1のタンクと、
    前記インク循環経路のインク回収側に配設され、前記インクを貯溜する第2のタンクと、
    前記インク循環経路内を経路外に対して閉じ、前記インク循環経路内を加圧し、前記インク循環経路内の前記インクを強制循環させるインク強制循環手段と、
    を備えたことを特徴とするインクジェット型画像形成装置。
  2. 前記インクを貯溜し、前記第2のタンクに前記インクを補充するインクボトルと、
    前記インク循環経路の前記プリントヘッドと前記第2のタンクとの間を閉じ、前記第2のタンクと前記インクボトルとの間の経路を開放し、前記第2のタンク内を減圧にして前記インクボトルのインクを前記第2のタンク内に引き込むインク強制引込手段と、
    を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット型画像形成装置。
  3. 前記第2のタンクは前記プリントヘッド内、前記インク循環経路内及び前記第1のタンク内に循環される前記インクの大半を貯溜する容積を有し、
    前記インク循環経路の前記第2のタンクから前記第1のタンクまでの間に配設され、循環される前記インクを加熱する第1の加熱手段と、
    前記第2のタンク内に前記インクの大半を貯留し、この貯溜された前記インクを前記インク循環経路を通して前記第1のタンクに循環させるとともに、この循環中に前記第1の加熱手段を用いて前記インクを加熱する貯溜循環制御手段と、
    を更に備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のインクジェット型画像形成装置。
  4. 前記第2のタンクに配設され、前記第2のタンク内に貯溜された前記インクを前記貯溜循環制御手段からの制御に従い加熱する第2の加熱手段を更に備えたことを特徴とする請求項3に記載のインクジェット型画像形成装置。
  5. 前記インク強制循環手段又は前記インク強制引込手段は、前記第2のタンクに連接され、この第2のタンク内を加圧又は減圧し、この第2のタンク内の圧力を調整する圧力調整器を備えたことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載のインクジェット型画像形成装置。
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