JP2006068904A - 液滴吐出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のノズルを有する記録ヘッド1、インクタンク7、ポンプ8、記録ヘッド1の共通液室2とポンプ8を接続する第1、第2供給路L1,L2、インク排出口5とインクタンク7を連通する還流路L3を有し、第1、第2供給路L1,L2に第1、第2フィルタF1,F2を設け、第2供給路L2,還流路L3に第1、第2制御弁B1,B2を設ける。第1制御弁B1=閉、第2制御弁B2=開で循環経路aとなり、インクは共通液室2を循環してインクタンク7に戻るように流れる。また、第1制御弁B1=開,第2制御弁B2=閉で加圧経路bとなり、インクは記録ヘッド1のノズルから排出される。
【選択図】図1
Description
液室の壁の一部を薄い振動板とし、これに対応して電気機械変換素子としての圧電素子を配置し、電圧印加に伴って発生する圧電素子の変形により振動板を変形させることで液室内の圧力を変化させてインク滴を吐出させるピエゾ(圧電)型のもの、液室内部に発熱体素子を配置し、通電による発熱体の加熱によって気泡を発生させ、気泡の圧力によってインク滴を吐出させるサーマル型のもの、液室の壁面を形成する振動板と、この振動板に対向して配置された液室外の個別電極とを備え、振動板と電極との間に電界を印加することで発生する静電力により振動板を変形させて、液室内の圧力/体積を変化させることによりノズルからインク滴を吐出させる静電型のもの等が知られている。
そこで、共通液室の両端にインク供給/排出口を設けて、共通液室内を循環させて充填性を高める方式が提案されている。これは、インクを共通液室の両側から供給することで、吐出時のインク供給量を十分に確保する目的もある。
ノズルからインクを排出しないので、比較的インク管理がし易くインク再利用が容易な面と、ノズルを通さないので共通液室の気泡が抜け易く、インク再利用の面と共通液室の充填性を確保するのに有効である。
通常の記録状態では、キャップ部材104は吐出エレメント101の記録動作を阻害しない適宜の位置に設定されると共に、第1弁部材B1及び第2弁部材B2が閉状態に保たれ、吐出エレメント101にインクがインクタンク106より毛管現象により供給される。吐出エレメント101の吐出回復処理を行う時には、キャップ部材104が吐出エレメント101に装着され、まず、第1弁部材B1が開状態、第2弁部材B2が閉状態に保たれ、その状態でポンプ107を駆動して、インクタンク106よりインク供給経路にインクを圧送し、インクタンク106→ポンプ107→インク供給路108A→吐出エレメント101→インク供給路109B→インクタンク106の順序でインクを循環させることにより、インク供給路108Aと109Bと、吐出エレメント1内の気泡を取り除き、次に、第1弁部材B1を閉状態にすることで、吐出エレメント101へ圧送されたインクを供給してノズルより強制的にインクを噴出させる。この時、吐出不良の要因となった微小のゴミ、インクの溶媒の揮発によってできる増粘インク、インク中に含まれる気泡などは吐出エレメント101から排出される。このようにして、ノズルより噴出したインクはキャップ部材104に受容され、廃液吸収体105へと導かれる。
フィルタのヘッド側に捕らえられる気泡や増粘したインクは、基本的にはヘッド内からの流出なので不純物は少ないと言えるが、これの吐出時には、再びヘッドへ流入する流れになるため、個別液室まで流入し、噴射を不安定にする原因になる。
以下、本発明の液滴吐出装置を適用した実施例のインクジェット記録装置について、図1〜図7を参照して説明する。
インクジェット記録装置は、図1に示すインク供給系を備えた記録ヘッド1と、図示しない用紙搬送機構を有し、記録ヘッド1は記録用紙の全幅に亘る多数の個別ヘッドを備えたフルラインタイプであるものとする。
記録ヘッド1には、第1〜第3のインク流路が接続されており、第1のインク流路は共通液室2の一端に設けられた第1インク供給口3からポンプ8に接続された第1供給路L1であり、第2のインク流路は第1供給路L1から分岐し、共通液室2の他端寄りに設けられた第2インク供給口4に接続された第2供給路L2である。また、第3のインク流路は共通液室2の他端に設けられたインク排出口5からインクタンク7に接続された還流路L3である。第1、第2供給路L1,L2、還流路L3によってインクを循環する経路が形成される。
インクを循環する経路中には、インクを貯蔵するインクタンク7と、インクタンク7からヘッド1へインクを加圧するポンプ8が設けられており、記録ヘッド1のインク排出口5から排出されたインクは還流路L3を経由してインクタンク7に還流する。
また、記録ヘッド1のノズルから吐出されたインクを受けるためのキャップ6と、キャップに排出された廃インクを吸収する廃液吸収体9が設けられている。
具体的には、第1制御弁B1=閉、第2制御弁B2=開で循環経路aとなり、インクは共通液室2を循環してインクタンク7に戻るように流れる。ノズル方向へも圧力が掛かるので個別液室の充填も行われるが、ノズルは径が小さく流体抵抗が大きいので、インクの大部分は共通液室2を循環するだけである。循環したインクは再利用できるので、大量のインクをある程度速い流速で流しても良く、共通液室2の気泡排出効果が高い。
また、第1制御弁B1=開,第2制御弁B2=閉で加圧経路bとなり、インクは記録ヘッド1のノズルから排出される。個別液室の充填性を上げるには、この経路のインクの流れも必要になる。
ここで、実施例1のインクジェット記録装置の特徴は、第1フィルタF1、第2フィルタF2はインクタンク7からヘッド1に流れる方向だけにインクが流れることである。
これにより、循環経路aで加圧した場合に記録ヘッド1から出てくる気泡や不純物が第2フィルタF2に捕まり、記録ヘッド1が吐出動作時に上記気泡や不純物を記録ヘッド1に逆流させることがなくなる。したがって、気泡巻き込み等による不安定な噴射の起こる確率を下げることができ、信頼性の高いインクジェット記録装置が提供できる。
実施例2のインクジェット記録装置は、図1に示す実施例1のインクジェット記録装置において、第2インク供給口4がインク排出口5によって兼用されている。そして、第2供給路L2は第1供給路L1から分岐し、第2供給路L2の途中の第1制御弁B1、第2フィルタを経由して環流路L3に合流する。
これにより、共通液室2の一端に設けられた第1インク供給口3から流入し、他端のインク排出口5から排出され、インクタンク7へ還流する循環経路aと、共通液室2の一端に設けられた第1インク供給口3及び他端のインク排出口5から流入されたインクをノズルから吐出する加圧経路bを形成している。つまり、この場合はインク排出口5が第2インク供給口として使用される。
本発明は、実施例2のように、記録ヘッド1において循環用のインク排出口が第2インク流路のためのインク供給口を兼ねる構成としても良い。
具体的には、第1制御弁B1=閉、第2制御弁B2=開で循環経路aとなり、インクは共通液室2を循環してインクタンク7に戻るように流れる。
また、第1制御弁B1=開,第2制御弁B2=閉で加圧経路bとなり、インクは記録ヘッド1のノズルから排出される。
これにより、気泡巻き込み等による不安定な噴射の起こる確率を下げることができるので、信頼性の高いインクジェット記録装置が提供できる。
実施例3のインクジェット記録装置のインク供給系では、実施例2のインク供給系において、第2制御弁B2を使用せずに第1制御弁B1のみを使用し、第2制御弁B2に代えて、逆並列接続した第1逆止弁B3,第2逆止弁B4を用い、第1逆止弁B3には第2フィルタF2を接続し、図3に示すように配置することで、流路の流れを制御している。電気配線の必要な制御弁(第2制御弁B2)を少なくすることは、コスト上有利になる。
第1制御弁B1の動作は、第1制御弁1=閉の場合に循環経路aとなり、第1制御弁1=開の場合に加圧経路bとなる。
これにより、記録ヘッド1の共通液室2へ流入する流れは第1フィルタF1を通って不純物が除去され、循環経路aで記録ヘッド1から排出される流は同じフィルタは通らず、第1フィルタF1に気泡や不純物が捕らわれて、吐出時に逆流することはない。したがって、気泡巻き込み等による不安定な噴射の起こる確率を下げることができるので、信頼性の高いインクジェット記録装置を提供することができる。
実施例4のインク供給系では、実施例3のインク供給系に追加して、循環経路aの排出側にも第3フィルタF3を設けている。第3フィルタF3を設置する位置は、加圧経路bを形成した場合に逆流しない経路である必要があり、図4に示す位置がこれにあたる。
記録ヘッド1からインクタンク7への排出経路にもフィルタを設けることにより、インク経路全体の不純物を抑えることができ、不安定吐出の確率を下げることができる。
図5に示す初期充填方法においては、図5(A)の状態は循環経路aで先に共通液室2のインク充填を行い、続いて、図5(B)に示すように加圧経路bでインク充填を実施している。
図6に示す初期充填方法においては、図6(A)の状態は加圧経路bで先に共通液室2の充填を行い、続いて、図6(B)に示すように循環経路aでインク充填を実施している。
図5(A)の記載から分るように、先に循環経路aで充填すると、第2フィルタF2の周辺経路(図中、太線で示す)が未充填で残される。この場合に、次に図5(B)で示すように、加圧経路bで充填したとしても、未充填経路の空気を既に充填されている記録ヘッドを通してノズルから排出しなければならない。これは非常に難しく、共通液室2や幾つかの個別液室にも気泡が残り易い。なぜなら、インクが既に充填されているところでは、毛管力が働かないからである。
つまり、実施例6の加圧充填では、初期充填の時に、加圧経路bの充填を先に行い、続いて循環経路aの充填をすることで充填性を高くすることができる。
充填後に気泡をノズルから排出するのは難しいので、前記と同様に先に加圧経路bでインクを流して少なくとも共通液室までは気泡を押し流す。共通液室の気泡は循環経路aのインクの流れで排出しやすいので、記録ヘッドから気泡を排除することが可能である。回復動作の主な目的は、ノズル周辺の増粘インクの排出等であるが、記録ヘッドへの気泡混入を考慮して加圧経路b、循環経路aの順序で回復動作することが好ましい。
前記したように、吐出時は加圧経路bを選択するので、経路を切り替えた後に少しだけポンプ8を駆動させてインクを排出すれば良い。
実施例7のインクジェット記録装置の記録ヘッド1は、インクの吐出方式がバブル方式であり、シリコン基板10に貫通した共通液室2を構成する溝の両側に、図示しない発熱抵抗体を並べている。記録ヘッド1の共通液室2へのインク供給/排出口は図7に示すように3つ設けている。つまり、共通液室2の一端に第1インク供給口3、共通液室2の他端にインク排出口5を設け、第2インク供給口4はその間に設けたことを特徴としている。また、ノズル面に多数形成された各ノズルに対してインク供給を確保するために第2インク供給口4はインク排出口5の方に近く配置するのが好ましい。
つまり、循環経路の第1インク供給口3、第2インク供給口4、インク排出口5は共通液室2のできるだけ端部寄りに配置して、図7のように袋小路の構成をできるだけ避けてインクが淀みなく流れるようにする。これにより、確実な共通液室2に対するインクの充填が確保できて、信頼性の高いインクジェット記録装置を提供することができる。
Claims (8)
- 記録液体を吐出する複数のノズルを有する液滴吐出ヘッドと、該液滴吐出ヘッドに供給する記録液体を貯留するタンクと、前記液滴吐出ヘッドとタンクを連通する流路と、前記タンク内の記録液体を前記液滴吐出ヘッドへ供給するポンプを有する液滴吐出装置において、
前記流路は、前記タンクから前記液滴吐出ヘッドへ記録液体を供給する複数の供給路及び前記液滴吐出ヘッドから前記タンクへ記録液体を還流する還流路からなる循環経路を有し、前記複数の供給路にはそれぞれフィルタを配置すると共に、該フィルタを通過する記録液体の流れの方向は、前記インクタンクから前記液滴吐出ヘッドへ向う一定方向であることを特徴とする液滴吐出装置。 - 前記還流路には逆止弁を設けることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出装置。
- 前記還流路にフィルタを設けることを特徴とする請求項1または2に記載の液滴吐出装置。
- 前記タンクは前記液滴吐出ヘッドよりも低い位置に設置され、水頭差により記録液体に負圧を発生させることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の液滴吐出装置。
- 前記液滴吐出ヘッドに対する記録液体の初期充填時に、前記複数の供給路を用いて加圧充填を行った後、前記循環経路を用いて記録液体を循環させることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の液滴吐出装置。
- 前記液滴吐出ヘッドの機能回復動作時に、前記複数の供給路を用いて加圧充填を行った後、前記循環経路を用いて記録液体を循環させることを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の液滴吐出装置。
- 前記循環経路を用いて記録液体を循環させた後、前記複数の供給路を用いて加圧充填を行うことを特徴とする請求項5または6に記載の液滴吐出装置。
- 前記循環経路を用いて記録液体を循環する時は、前記共通液室の一端に設けられた供給口から流入させると共に他端に設けられた排出口から排出させ、前記複数の供給路を用いて加圧充填する時は、前記共通液室の一端に設けられた供給口と、該供給口と前記排出口の間に設けられた供給口から供給することを特徴とする請求項1乃至7いずれかに記載の液滴吐出装置。
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