JPH04211962A - インクジェット記録装置及び記録ヘッドの回復方法 - Google Patents

インクジェット記録装置及び記録ヘッドの回復方法

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JPH04211962A
JPH04211962A JP3053092A JP5309291A JPH04211962A JP H04211962 A JPH04211962 A JP H04211962A JP 3053092 A JP3053092 A JP 3053092A JP 5309291 A JP5309291 A JP 5309291A JP H04211962 A JPH04211962 A JP H04211962A
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recording head
ejection port
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峰夫 金子
Hidemi Kubota
秀美 久保田
Hiroshi Koizumi
寛 小泉
Torachika Osada
虎近 長田
Toshiaki Hirozawa
稔明 広沢
Jiro Moriyama
次郎 森山
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    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/12Embodiments of or processes related to ink-jet heads with ink circulating through the whole print head

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  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Facsimile Heads (AREA)
  • Details Or Accessories Of Spraying Plant Or Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被記録材にインクを吐
出して記録を行なうインクジェット記録装置及び記録ヘ
ッドの回復方法に関する。
【0002】
【従来の技術】プリンタ、複写機、ファクシミリ等の記
録装置は、画像情報に基づいて、紙やプラスチック薄板
等の被記録材上にドットパターンから成る画像を記録し
ていくように構成されている。前記記録装置は、記録方
式により、インクジェット式、ワイヤドット式、サーマ
ル式、レーザービーム式等に分けることができ、そのう
ちのインクジェット式(インクジェット記録装置)は、
インクジェット記録ヘッドの吐出口から記録液(インク
)滴を吐出飛翔させ、これを被記録材に付着させて記録
するように構成されている。
【0003】このインクジェット記録装置は、高速記録
およびフルカラー化が容易であるなどの数多くの長所を
有している。そして、この長所を長期間にわたって充分
に発揮させるために、吐出口の目詰まり等を未然に防ぐ
、あるいは吐出口の目詰まり等を解消する、あるいはヘ
ッド内に侵入したゴミ等の不純物を除去するための回復
動作が行なわれる。以下に従来行なわれている回復動作
について説明する。
【0004】図16は従来のインクジェット記録装置の
記録ヘッドへの回復動作としてのインク供給系の一例を
示す模式図である。図16において、インクを貯留した
貯蔵タンク6と記録ヘッド1の共通液室2とは、第1の
流路11および第2の流路12を介して接続されている
。そして、一方の流路(図示の例では第1の流路11)
には各流路中の気泡や吐出口内(液路)の高粘度インク
を排出するために、インクを循環させる回復ポンプ9が
接続されている。また、各流路11、12にはゴミを捕
捉するためのフィルター16、16が設けられている。 なお、該フィルター16は、記録ヘッド1の吐出部(吐
出口3へ通じる液路など)の近くに設ける方が効果的で
あり、図示の例では、共通液室2の各流路11、12と
の接続部に設けられている。
【0005】以上のように、回復ポンプ9によって共通
液室2の一端からインクが供給され、該共通液室2の他
端からインクを貯蔵タンク6へ循環させる方式は、流路
11、12および共通液室2内の気泡を除去するのに有
効であり、特に、吐出口3の数が多いフルライン記録ヘ
ッドの場合に効果的である。このようなインク供給系で
は、記録動作中には、回復ポンプ9の流路抵抗が大きい
ため、第2の流路12を通して貯蔵タンク6から記録ヘ
ッド1へインクが流れる。
【0006】図17は、従来のインクジェット記録装置
のインク供給系の他の例を示す模式図である。本例では
、メインタンク6の他に貯蔵タンクとしての記録用タン
ク5が設けられ、該記録用タンク5内のインクが一定量
以下になると、回復ポンプ9によって貯蔵タンク6から
インクが補給される。その他のインクの流れは前述のイ
ンク供給系(図16)の場合と同じであるが、本例では
、第2の流路に電磁弁7が設けられ、該電磁弁7を閉じ
て回復ポンプ9を作動させることにより、第1の流路1
1および共通液室2内のインクを貯蔵タンク(記録用タ
ンク)5に戻すことなく、吐出口3から排出することが
できる。また、本例では、フィルター14、14が第1
および第2の流路11、12の途中に接続されている。 さらに、第1の流路11の図示の位置に、補充用の整流
弁8および回復用の整流弁10が接続されている。 なお、符号4は記録ヘッド1の吐出口3が配列された吐
出口面を示し、符号13は貯蔵タンク(記録用タンク)
5の空気抜き弁を示す。
【0007】前述のような従来の各インク供給系におい
ては、回復動作時には第1の流路11から記録ヘッド1
へインクが流れ、記録時には第2の流路12から記録ヘ
ッド1へインクが流れるため、両方の流路11、12に
フィルター16、16または14、14が必要になる。 しかしながら、前記フィルターを通過した微小なゴミが
共通液室2内で絡まり合って該フィルターを通過しない
大きさに成長したものや、共通液室2内の部材が剥離し
たものや、さらには、製造段階で共通液室2内に封入さ
れてしまったゴミなどは、2枚のフィルターの間に挟ま
れているため、共通液室2付近から動くことができず、
そのうちに吐出口3へ通じる液路内に詰まって吐出不良
の原因になる可能性がある。また、吐出口3を高密度化
すると前記フィルターのメッシュも細かくする必要があ
り、その場合圧力損失を防ぐためにフィルター面積を大
きくする必要がある。特に、第1の構造例(図16)で
は、該フィルターを内臓する記録ヘッド1を大きくしな
ければならないという問題があった。
【0008】図18は、従来のインクジェット記録装置
の記録ヘッドへのインク供給系のさらに他の例を示す模
式図である。図18において、記録ヘッド(インクジェ
ット記録ヘッド)101には、インクを貯留可能なイン
ク液室114と該インク液室より流入するインクを吐出
させるための吐出口110が設けられており、吐出口1
10とインク液室114とは吐出エネルギー発生素子(
発熱素子等の電気熱変換体)が配設された液路を介して
連通している。インクを貯蔵するメインタンク102と
記録ヘッド101のインク液室114とは、第1のイン
ク流路116Aおよび第2のインク流路116Bを介し
て接続されている。そして、一方の流路(図示の例では
第1の流路116A)には、記録ヘッド101へインク
を送り込んで該記録ヘッド101内および各インク流路
116A、116B中の気泡や吐出口内(液路)の高粘
度インクを排出するための回復ポンプ103が接続され
ている。また、各インク流路116A、116Bにはゴ
ミを捕捉するためのフィルター117、117が設けら
れている。
【0009】以上のように、回復ポンプ103によって
インク液室114の一端からインクを供給し、該インク
液室114の他端からインクを再びメインタンク102
へ循環させる方式は、各インク流路116A、116B
およびインク液室114内の気泡を除去するのに有効で
あり、特に、吐出口110の数が多いフルライン記録ヘ
ッドの場合に効果的である。このようなインク供給系で
は、記録動作中には、回復ポンプ103の流路抵抗が大
きいため、第2のインク流路116Bを通してメインタ
ンク102から記録ヘッド101へインクが流れる。
【0010】さて、前記回復ポンプ103を作動させて
インクをインク液室114へ循環させる場合、前記気泡
等の除去と同時に、インクの一部が吐出口110から排
出されることにより、液路や吐出口110の目詰まりを
回復する機能も行なわれる。そこで、記録ヘッド101
と対向する側には、図示のように記録ヘッド101と対
面する状態で、吐出口110から排出されるインクを受
けるキャップ104が設けられている。キャップ104
内に排出されたインクは、廃インク流路105を通して
廃インクタンク106へ導かれる。
【0011】図19は、従来のインクジェット記録装置
のインク供給系のさらに他の構造例を示す模式図である
。本構造例では、メインタンク102の他に記録液供給
タンク120が設けられ、該記録液供給タンク120内
のインクが一定量以下になると、回復ポンプ103によ
って、メインタンク102から補充用の整流弁123を
通してインクが補給される。その他のインクの流れは前
述のインク供給系(図18)の場合と同じであるが、本
構造例では、第1のインク流路116Aに回復用の整流
弁122が設けられ、また、第2のインク流路116B
には電磁弁119が設けられている。図19のインク供
給系は、以上の点で図18の構造と相違しているが、そ
の他の部分では実質上同じ構造をしている。
【0012】本構造例によれば、前記電磁弁119を閉
じて回復ポンプ103を作動させることにより、第1の
インク流路116Aおよびインク液室114内のインク
を、記録液供給タンク120に戻すことなく吐出口11
0から排出することもできる。また、図18の場合と同
様、記録ヘッド101と対向する側には、図示のように
記録ヘッド101と対面する状態で、吐出口110から
排出されるインクを受けるキャップ104が設けられて
いる。キャップ104内に排出されたインクは、廃イン
ク流路105を通して廃インクタンク106へ導かれる
。なお、符号121は記録液供給タンク120の空気抜
き弁を示す。
【0013】図20は、図18および図19の従来のイ
ンク供給系における記録ヘッド101とキャップ104
の部分を詳細に示す模式的断面図である。記録ヘッド1
01には、インク液室114と、該インク液室114に
連通する複数の液路112と、各液路112の先端開口
で形成される複数の吐出口110と、各液路112内に
配設された発熱素子等の電気熱変換体111と、が設け
られている。前記電気熱変換体111は、インクを吐出
するために利用される熱エネルギーを発生する吐出エネ
ルギー発生体であり、各液路112内に1個づつ並列に
集積されている。こうして、前記電気熱変換体111を
記録データに応じて駆動することにより、吐出口110
からインクを吐出して記録を行なうインクジェット記録
ヘッド101が構成されている。
【0014】また、このインクジェット記録ヘッド10
1においては、図20中にaで示すように液路112内
に気泡が存在して記録不良となった場合、あるいは、長
時間放置などで液路112の先端部分のインク粘度が高
くなって吐出不良が生じた場合には、回復ポンプ103
を作動させて吐出口110から気泡や高粘度インクなど
を排出する。排出された廃インクは、前述のように、キ
ャップ104で受けられ、さらに廃インクタンク106
へ導かれる。
【0015】前述のように、従来のインクジェット記録
装置においては、回復ポンプ103を作動させて記録ヘ
ッド101内の液路112に圧力をかけることにより、
インクを循環させて該液路112内の気泡や高粘度イン
クを排出する。しかし、その際、液路112の後端部、
すなわち、図20中にbで示すインク液室114との連
通部付近に、ゴミが存在する場合、前記インク圧力によ
って該ゴミを液路112内へ押し込んでしまう可能性が
ある。前記ゴミが液路112内へ押し込まれると、該液
路112へのインク流入がスムーズに行われなくなり、
記録不良が生じ易くなる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図16
に示した従来のインク供給系においては、記録動作中に
は、回復ポンプ9の流路抵抗が大きいため、第2の流路
12を通して貯蔵タンク6から記録ヘッド1へインクが
流れることになり、また、図17に示した従来のインク
供給系においては、回復動作時には第1の流路11から
記録ヘッド1へインクが流れ、記録時には第2の流路1
2から記録ヘッド1へインクが流れるため、両方の流路
11、12にフィルター16、16または14、14が
必要になる。このため、前記フィルターを通過した微小
なゴミが共通液室2内で絡まり合って該フィルターを通
過しない大きさに成長したものや、共通液室2内の部材
が剥離したものや、さらには、製造段階で共通液室2内
に封入されてしまったゴミなどは、2枚のフィルターの
間に挟まれているため、共通液室2付近から動くことが
できず、そのうちに吐出口3へ通じる液路内に詰まって
吐出不良の原因になる可能性がある。また、吐出口3を
高密度化すると前記フィルターのメッシュも細かくする
必要があり、その場合圧力損失を防ぐためにフィルター
面積を大きくする必要がある。特に、図16の構造では
、該フィルターを内臓する記録ヘッド1を大きくしなけ
ればならないという問題があった。
【0017】さらに、図18および図19に示した従来
のインク供給系においても、記録動作中には、回復ポン
プ103の流路抵抗が大きいため、第2のインク流路1
16Bを通してメインタンク102から記録ヘッド10
1へインクが流れることになり、前述した図16および
図17の場合と同様な解決すべき課題があった。また、
インク供給系においては、図20に示すように、回復ポ
ンプ103を作動させて記録ヘッド101内の液路11
2に圧力をかけることにより、インクを循環させて該液
路112内の気泡や高粘度インクを排出するが、従来の
構成では、液路112の後端部、すなわち、図20中に
bで示すインク液室114との連通部付近に、ゴミが存
在する場合、前記回復ポンプ103によるインク圧力に
よって該ゴミを液路112内へ押し込んでしまう可能性
があり、前記ゴミが液路112内へ押し込まれると、該
液路112へのインク流入がスムーズに行われなくなり
、記録不良が生じ易くなるという解決すべき課題があっ
た。
【0018】本発明の目的は、安定したインクの吐出状
態を維持することのできるインクジェット記録装置及び
記録ヘッドの回復方法を提供することにある。本発明の
他の目的は、記録ヘッド内からのゴミの除去を確実に行
なうことのできるインクジェット記録装置及び記録ヘッ
ドの回復方法を提供することにある。本発明の他の目的
は、循環路に逆流防止手段を設けることにより、循環側
のフィルターを取り省くことができ、供給側のフィルタ
ーと循環側のフィルターとの間に存在するゴミを排出で
きないという従来の問題点を解消することのできるイン
クジェット記録装置及び記録ヘッド回復方法を提供する
ことにある。本発明の他の目的は、フィルターの数を減
らすことができ、記録ヘッドの大型化を生じることなく
大面積のフィルターを使用することができ、吐出口を高
密度化するためにフィルターのメッシュを細かくしても
、圧力損失がそれほど大きくならないインクジェット記
録装置及び記録ヘッドの回復方法を提供することにある
。本発明の他の目的は、記録ヘッド内の液路等における
ゴミ詰まりを無くし、安定した信頼性の高い記録を行な
い得るインクジェット記録装置及び記録ヘッドの回復方
法を提供することにある。
【0019】
【課題解決のための手段】本発明は、インクを吐出させ
て被記録材に記録を行なうインクジェット記録装置にお
いて、吐出口よりインクを吐出させて被記録材に記録を
行なう記録手段と、インクを収納するインクタンクと、
前記インクタンクから前記記録手段へインクを導びくた
めの第1のインク路と、前記記録手段から前記インクタ
ンクへインクを導びくための第2のインク路と、前記第
1のインク路に設けられたフィルターと、前記第2のイ
ンク路に設けられたインク逆流防止手段と、を有する構
成とすることにより、上記目的を達成するものである。
【0020】別の本発明は、被記録材にインクを吐出さ
せて記録を行なうインクジェット記録装置において、記
録ヘッドと、インクの貯蔵タンクと、該貯蔵タンクから
記録ヘッドの共通液室へインクを供給可能な供給側流路
と、前記共通液室から貯蔵タンクへインクを循環可能な
循環側流路と、該供給側流路の共通液室へ至る経路中に
設けられたフィルターと、前記循環側流路に設けられた
逆流防止手段と、を有する構成とすることにより、上記
目的を達成するものである。
【0021】別の本発明は、インクを吐出させて被記録
材に記録を行なうインクジェット記録装置において、吐
出口よりインクを吐出させて被記録材に記録を行なう記
録手段と、インクを収納するインクタンクと、前記記録
手段と前記インクタンクとの間でインクを流すためのイ
ンク路と、前記吐出口を閉鎖する閉鎖位置と前記閉鎖位
置から退避して前記吐出口を開放する開放位置とをとり
得るヘッド開閉手段と、回復動作のために前記インクを
前記インク路内で流す際に、前記ヘッド開閉手段を一旦
閉鎖位置へ移動させて前記吐出口を閉鎖させ、その後前
記吐出口からインクが吐出するよう開放位置へ移動させ
る駆動手段と、を有する構成とすることにより、上記目
的を達成するものである。
【0022】別の本発明は、インクを吐出させて被記録
材に記録を行なうインクジェット記録装置において、吐
出口よりインクを吐出させて被記録材に記録を行なう記
録手段と、インクを収納するインクタンクと、前記記録
手段と前記インクタンクとの間でインクを流すためのイ
ンク路と、前記吐出口を閉鎖する閉鎖位置と前記閉鎖位
置から退避して前記吐出口を開放する開放位置とをとり
得るヘッド開閉手段と、回復動作のために前記インクを
前記インク路内で流す際に、前記ヘッド開閉手段を一旦
閉鎖位置へ移動させて前記吐出口を閉鎖させ、その後前
記吐出口からインクが吐出するよう開放位置へ移動させ
る駆動手段と、を有し、前記ヘッド開閉手段は、ヘッド
を覆うキャップと吐出口を押さえる押さえ部材とを有し
ており、前記キャップがヘッドを覆うとともに前記押さ
え部材が前記吐出口を押さえる位置と、前記キャップが
ヘッドを覆うとともに前記押さえ部材が退避して前記吐
出口を開放する位置と、前記キャップがキャッピング位
置から退避するとともに前記押さえ部材が前記吐出口を
開放する位置との3つの位置をとり得る構成とすること
により、上記目的を達成するものである。
【0023】別の本発明は、被記録材にインクを吐出さ
せて記録を行なうインクジェット記録装置において、イ
ンクを貯留可能なインク液室と該インク液室より流入す
るインクを吐出させるための吐出口とを有する記録ヘッ
ドと、前記インク液室にインクを循環させるインク循環
手段と、該インク循環手段作動時に用いられ、前記吐出
口に密着して該吐出口を密閉し得る吐出口密閉手段と、
を有する構成とすることにより、上記目的を達成するも
のである。
【0024】別の本発明は、被記録材にインクを吐出さ
せて記録を行なうインクジェット記録装置において、イ
ンクを貯留可能なインク液室と前記インク液室より流入
するインクを吐出させるための吐出口とを有する記録ヘ
ッドと、前記インク液室にインクを循環させるインク循
環手段と、前記インク循環手段作動時に用いられ、前記
吐出口に密着して該吐出口を密閉し得る吐出口密閉手段
と、前記インク循環手段と前記吐出口密閉手段との併用
による回復動作後に作動して前記吐出口からインクを排
出する回復手段と、を有する構成とすることにより、上
記目的を達成するものである。
【0025】別の本発明は、記録ヘッドに対して回復処
理を行なう回復方法であって、記録ヘッド吐出口面を密
着する部材で密閉した状態で記録ヘッド内のインクを一
方向に移動せしめる構成とすることにより、上記目的を
達成するものである。さらに、別の本発明は、記録ヘッ
ドに対して回復処理を行なう回復方法であって、記録ヘ
ッド吐出口面を密着する部材で密閉した状態で記録ヘッ
ド内のインクを一方向に移動せしめる第1回復行程と、
第1回復行程後、吐出口面を開放して記録ヘッド内から
インクを吐出口を介して排出する第2回復行程と、を有
する構成とすることにより、上記目的を達成するもので
ある。
【0026】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を具体的に説明
する。まず、図1を用いて、本発明を適用したインクジ
ェット記録装置の一実施例の要部構成を説明する。なお
、図1は、本発明を適用したインクジェット記録装置の
要部構成の模式的斜視図である。図1は、フルカラー記
録が可能なライン型のインクジェット記録ヘッドを複数
個(図示の例では4個)備えたインクジェット記録装置
の場合を示す。図1において、1101および1102
は、用紙やプラスチック薄板等の被記録材1103を挟
持し、矢印Fで示す副走査方向(搬送方向)に被記録材
1103を搬送するためのローラ対である。1Bk 、
1Y、1M、1Cは、それぞれ、被記録材1103の略
全幅にわたって吐出口が配列されたフルマルチタイプの
インクジェット記録ヘッドであり、以下、総括的にその
うちの1つを指称する時は(インクジェット)記録ヘッ
ド1001と呼ぶ。
【0027】フルカラー記録の場合は、上記4個の記録
ヘッド1001から吐出されるインク色として、例えば
、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアンが用いられ、
図示の例では、4個のインクジェット記録ヘッド100
1が被記録材搬送方向上流側から(図示下から)この順
序で配置されている。1106は回復系であり、吐出回
復処理に当たっては、ヘッド1001と被記録材110
3との間に侵入して被記録材1103に代わって前記各
記録ヘッド1に対面して、後述するようなヘッド回復処
理を行なう。また、前記各インクジェット記録ヘッド1
001は、ヘッド装着部1107に、相互位置関係を規
制されて装着されている。以上により、本発明を適用し
たインクジェット記録装置、すなわち、インクジェット
記録ヘッド1001を装着するためのヘッド装着部11
07と、前記ヘッド装着部1107に装着された記録ヘ
ッド1001の記録位置へ前記被記録材1103を搬送
するための搬送手段1101、1102と、を有するイ
ンクジェット記録装置の一実施例が構成されている。
【0028】図2は前記インクジェット記録ヘッドの一
実施例を一部を省略して模式的に示した水平断面図であ
り、図3は図2中の線3−3に沿った断面図である。図
2および図3において、インクジェット記録ヘッド10
01は、インクを吐出する複数の吐出口33と、各吐出
口33に通じる液路51と、各液路51に配設され、イ
ンクを吐出するために利用される熱エネルギーを発生す
る電気熱変換体(発熱素子)34と、各液路51に供給
されるインクを貯留するための共通液室32と、を有し
、前記吐出口33からインク滴を吐出して被記録材(用
紙やプラスチック薄板等)1103に画像を記録する。 すなわち、前記インクジェット記録ヘッド1001は、
前記電気熱変換体34によって印加される熱エネルギー
により生じる膜沸騰による気泡の成長によって、吐出口
33よりインクを吐出させ、記録を行なうものである。
【0029】図4は、本発明によるインクジェット記録
装置の第1の実施例のインク供給系を示す模式図でであ
り、図5は図4に示す線5−5に沿った部分断面図であ
る。図4および図5において、インクを貯留した貯蔵タ
ンク36と記録ヘッド1001の共通液室32とは、第
1の流路41および第2の流路42を介して接続されて
いる。そして、一方の流路(図示の例では第1の流路4
1)には各流路中の気泡や吐出口内(液路)の高粘度イ
ンクを排出するためにインクを循環させる回復ポンプ3
9が接続されている。また、前記第1の流路41の回復
ポンプ39が設けられている位置よりも下流側(貯蔵タ
ンク36から記録ヘッド1001方向に対して)と、前
記貯蔵タンク36との間には、さらに第3の流路47が
接続されている。
【0030】前記第1の流路41には、前記流路41が
共通液室32に侵入したゴミを捕捉するためのフィルタ
ー46が設けられている(なお、本実施例では、フィル
ター46として、ポール社製リジメッシュフィルターM
グレード(公称除去率17ミクロン(98%重量)、絶
対除去率45ミクロン)を用いた)。該フィルター46
は、記録ヘッド1001の吐出部(吐出口33へ通じる
液路51など)の近くに設ける方が効果的であり、図示
の例では、共通液室32の流路41との接続部に設けて
いる。図4において、前記第3の流路47は記録動作時
にインクが流れる流路であり、該第3の流路の途中には
、回復ポンプ39の作動時にインクの逆流を防止するた
めの整流弁45が設けられている。また、前記第2の流
路42には、該流路42を通して貯蔵タンク36から共
通液室32へインクが流れることを防止するための整流
弁49が設けられている。
【0031】本実施例によれば、回復ポンプ39を作動
させると、インクは、貯蔵タンク36→第1の流路41
→フィルター46→共通液室32→第2の流路42→貯
蔵タンク36へと流れる。この場合、共通液室32→第
2の流路42→貯蔵タンク36の間にはフィルターが無
いため、フィルターのある流路41、42と比較して流
路抵抗は小さくなり、共通液室32内のゴミはそのほと
んどが貯蔵タンク36へ排出されることになる。なお、
このように、回復ポンプ39によって共通液室32の一
端から記録ヘッド1001へインクが供給され、該共通
液室32の他端からインクを貯蔵タンク36へ循環させ
る方式は、流路41、42および共通液室32内の気泡
を除去するのに有効であり、特に、吐出口33の数が多
いフルライン記録ヘッドの場合に効果的である。
【0032】一方、記録動作時には、インクは、貯蔵タ
ンク36→第3の流路47→第1の流路41→共通液室
32へ流れ、液路51を通して吐出口33からインク滴
として被記録材1103へ吐出されて記録を行なう。な
お、第2の流路42には整流弁49が設けられているの
で、この整流弁49は実際上完全なインクの流入阻止を
行なうことはできないが、記録時にはこの整流弁49を
通過した僅かなインクが該第2の流路42から毛管作用
に応じてヘッド1001へ供給されるのみである。した
がって、ヘッド1001へはゴミは供給されないので、
高速記録やヘッド長尺化には優れた利点がある。すなわ
ち、前記整流弁49は、第2の流路42を通して、貯蔵
タンク36から記録ヘッド1001へ向かうインク流れ
を阻止する逆流防止手段を構成している。
【0033】このような逆流防止手段49を設けたので
、回復動作時および記録動作時とも、第2の流路42か
ら共通液室32へはインクが流れず、このため、貯蔵タ
ンク36および第2の流路42内のゴミが共通液室32
へ流入することは無い。したがって、第2の流路42に
従来設けていたフィルターを省くことができる。一方、
第1の流路41から来たゴミはフィルター46で捕捉さ
れる。また、インク循環経路においてフィルター46の
枚数を従来よりも少なくすることができるため(本実施
例では1枚)、前述の従来例に比べ、大面積のフィルタ
ーを使用することができ、吐出口33を高密度化するこ
とが可能になった。
【0034】以上説明した通り、本発明の一実施例を適
用したインクジェット記録装置、すなわち、被記録材1
103にインクを吐出させて記録を行なうインクジェッ
ト記録装置においては、記録ヘッド1001と、インク
の貯蔵タンク36と、該貯蔵タンク36から記録ヘッド
の共通液室32へインクを供給可能な第1の流路41と
、前記共通液室32から貯蔵タンク36へインクを循環
可能な第2の流路42と、共通液室32へ供給されるイ
ンク中のゴミを除去するフィルター46と、前記第2の
流路に設けられた逆流防止手段49と、を有する構成と
する。これにより、逆流防止手段49と共通液室32と
の間のフィルターを無くしても、記録ヘッド1001内
のゴミ詰まりを防止することができ、記録ヘッド100
1の大型化を生じることなく吐出口33の高密度化を図
り得るインクジェット記録装置が提供された。なお、本
実施例においては、共通液室32と前記逆流防止手段4
9との間は、前記フィルター46よりもインク流体抵抗
が小さい。
【0035】図6は、本発明を適用したインクジェット
記録装置の第2の実施例のインク供給系を示す模式図で
ある。本実施例は、第1の実施例(図4)において、第
2の流路42の整流弁49を電磁弁48に変え、第3の
流路47の整流弁45を電磁弁50に変えたものである
。本実施例のその他の部分は第1の実施例の場合と実質
上同じ構造をしており、それぞれ対応する部分を同一符
号で表示し、それらの詳細説明は省略する。本実施例に
おいては、回復ポンプ39を作動させる時は、電磁弁5
0を閉じるとともに電磁弁48を開き、記録動作時には
、電磁弁50を開くとともに電磁弁48を閉じることに
より、第1の実施例の場合と同じ作用および効果を得る
ことができる。本実施例の利点は、整流弁に替えて電磁
弁を使用するので、順流時の抵抗が小さくなり、逆流時
の抵抗が大きくなることである。したがって、より小さ
なゴミに至るまでヘッド内から除去することができるの
で、ヘッドのゴミ詰まりをより確実に防止することがで
きる。
【0036】図7は、本発明によるインクジェット記録
装置の第3の実施例のインク供給系の模式図である。本
実施例は、メインタンク36の他に貯蔵タンクとしての
記録用タンク35を設けたものである。したがって、記
録用タンク35内のインクが一定量以下になると、回復
ポンプ39の作動によってメインタンク36からインク
が補給されるように構成されている。さらに、本実施例
は、メインタンク36と回復ポンプ39との間に、イン
ク補充用の整流弁38を設けている。回復動作時には、
貯蔵タンク(記録用タンク)35内のインクが、回復ポ
ンプ39の作動により、第1の流路41および第2の流
路42を通して共通液室32へ循環させられる。
【0037】前記第1の流路41には、共通液室32へ
向かう流れのみを許す回復用の整流弁40と、フィルタ
ー44が設けられている。また、前記第2の流路42に
は電磁弁37が設けられている。さらに、前記貯蔵タン
ク35には、記録時にインクを供給するための第3の流
路47が接続されている。この第3の流路47の他端(
下流側端部)は、前記第1の流路41の途中の位置であ
って、前記整流弁40と前記フィルター44との間の位
置に接続されている。また、前記第3の流路47の途中
には、インク供給用の整流弁45が設けられている。 本実施例では、電磁弁37を閉じて回復ポンプ39を作
動させることにより、第1の流路41および共通液室3
2内のインクを貯蔵タンク35に戻すことなく、吐出口
33から排出することができる。なお、符号34は記録
ヘッド1001の吐出口33が配列された吐出口面を示
し、符号43は貯蔵タンク35の空気抜き弁を示す。
【0038】本実施例によれば、回復ポンプ39を作動
させると、インクは、貯蔵タンク(記録用タンク)35
→第1の流路41→フィルター44→共通液室32→第
2の流路42→貯蔵タンク35へと流れる。この場合、
共通液室32→第2の流路42→貯蔵タンク35の間に
はフィルターが無いため、共通液室32内のゴミはその
ほとんどが貯蔵タンク35へ排出される。なお、このよ
うに、回復ポンプ39の作動によって共通液室32の一
端から記録ヘッド1001へインクが供給され、該共通
液室32の他端からインクを貯蔵タンク35へ循環させ
る方式は、流路41、42および共通液室32内の気泡
を除去するのに有効であり、特に、吐出口面34の吐出
口33の数が多いフルライン記録ヘッドの場合に効果的
である。
【0039】一方、記録動作時には、インクは、貯蔵タ
ンク35→第3の流路47→第1の流路41→フィルタ
ー44→共通液室32へ流れ、液路51を通して吐出口
33からインク滴として被記録材1103へ吐出されて
記録が行なわれる。また、第2の流路42には電磁弁3
7が設けられているので、記録時に該電磁弁37を閉じ
ておけば、インクは該第2の流路42からは供給されな
い。すなわち、前記電磁弁37は、第2の流路42を通
して、貯蔵タンク35から記録ヘッド1001へ向かう
インクの流れを阻止する逆流防止手段を構成している。 このような逆流防止手段37を設けたので、逆流のおそ
れが無い時だけ該逆流防止手段37を開くように制御す
れば、第2の流路42から共通液室32へはインクが流
れず、このため、貯蔵タンク35および第2の流路42
内のゴミが共通液室32へ流入することは無い。したが
って、本実施例によっても、第2の流路42にはフィル
ターを設ける必要がない。一方、第1の流路41から記
録ヘッド1001内へ侵入しようとするゴミはフィルタ
ー44で捕捉される。なお、図7中のインク供給用の整
流弁45に替えて、電磁弁を使用することもできる。
【0040】以上説明した図7の構成によっても、本発
明によるインクジェット記録装置、すなわち、被記録材
1103にインクを吐出させて記録を行なうインクジェ
ット記録装置において、記録ヘッド1001と、インク
の貯蔵タンク35と、該貯蔵タンクから記録ヘッドの共
通液室32へインクを供給可能な第1の流路41と、前
記共通液室から貯蔵タンクへインクを循環可能な第2の
流路42と、共通液室へ供給されるインク中のゴミを除
去するフィルター44と、前記第2の流路に設けられた
逆流防止手段37と、を有するインクジェット記録装置
が提供される。このような構成によれば、逆流防止手段
37と共通液室32との間のフィルターを無くしても、
記録ヘッド1001内のゴミ詰まりを防止することがで
き、液路51のゴミ詰まりによるインク吐出不良の確率
を低下させることにより、記録ヘッド1001の信頼性
を高めることができる。さらに、フィルター44の数を
減らすことができ、記録ヘッド1001の大型化を生じ
ることなく吐出口33の高密度化を図ることが可能にな
った。
【0041】さらに他の実施例について説明する。以下
に説明する実施例は、記録ヘッドの回復動作時にヘッド
の吐出口を塞ぐことにより、回復効率を向上させたもの
である。図8は、本発明を適用したインクジェット記録
装置の第4の実施例におけるインク供給系の模式図であ
る。図8において、記録ヘッド(インクジェット記録ヘ
ッド)1001には、インクを貯留可能なインク液室6
4と該インク液室より流入するインクを吐出させるため
の複数の吐出口60が設けられており、吐出口60とイ
ンク液室64とは吐出エネルギー発生素子(発熱素子等
の電気熱変換体)が配設された液路を介して連通してい
る。
【0042】インクを貯蔵するメインタンク52と記録
ヘッド1001のインク液室64とは、第1のインク流
路66Aおよび第2のインク流路66Bを介して接続さ
れており、一方の流路(図示の例では第1の流路66A
)には、記録ヘッド1001へインクを送り込んで該記
録ヘッド1001内および各インク流路66A、66B
中の気泡や吐出口内(液路)の高粘度インクを排出する
ための回復ポンプ53が接続されている。また、各イン
ク流路66A、66Bにはゴミを捕捉するためのフィル
ター67、67が設けられている。
【0043】以上のように、回復ポンプ53の作動によ
ってインク液室64の一端からインクを供給し、該イン
ク液室64の他端からインクを再びメインタンク52へ
循環させるインク循環手段は、各インク流路66A、6
6Bおよびインク液室64内の気泡やゴミ等を除去して
ヘッド1001を回復させるのに有効であり、特に、吐
出口60の数が多いフルライン記録ヘッドの場合に効果
的である。図8に示す第4の実施例のインク供給系では
、記録動作中には、回復ポンプ53の流路抵抗が大きい
ため、第2のインク流路66Bを通してメインタンク5
2から記録ヘッド1001へインクが流れる。前記回復
ポンプ53を作動させてインクをインク液室64へ循環
させる場合、前記気泡等の除去と同時に、インクの一部
が吐出口60から排出されることにより、液路や吐出口
60の目詰まりを回復する機能も行なわれる。
【0044】そこで、記録ヘッド1001と対向する側
には、図示のように記録ヘッド1001と対面する状態
で、吐出口60から排出されるインクを受けるキャップ
54が設けられている。キャップ54内に排出されたイ
ンクは、廃インク流路55を通して廃インクタンク56
へ導かれる。ここで、本発明を適用したインクジェット
記録装置では、前記キャップ54の内部に、記録ヘッド
1001の吐出口60に密着して該吐出口60を密閉し
得る吐出口密閉手段が設けられている。この吐出口密閉
手段は、吐出口面に密着して全ての吐出口60を密閉し
得る蓋を形成する押さえ板57と、前記キャップ54と
該押さえ板57との間に装着され該押さえ板57を吐出
口面の方へ付勢するバネ58とで構成されている。なお
、前記押さえ板57の吐出口面と対向する側は半円柱状
となっており、前記半円柱状の稜線部分で吐出口60を
完全に塞ぐことができる。また、前記押さえ板57の少
なくとも吐出口密閉面は例えばゴム等の密封材質で形成
されている。
【0045】図9および図10は、図8に示した記録ヘ
ッド1001および吐出口密閉手段57、58の詳細構
造を示す断面図であり、図9は吐出口60からインクが
漏れないように吐出口60を密閉した状態を示す(キャ
ッピング位置A)。また、図10は、液路62内等に存
在する気泡等を除去するために、キャップ54によるキ
ャッピングをしたまま吐出口60を開放した状態を示す
(後退位置B)。すなわち、この後退位置Bは、押さえ
板57が吐出口60から離隔して吐出口60を開放する
が、キャップ54はヘッド1001のキャッピングを維
持する位置まで吐出口密閉手段を後退させた状態である
【0046】図9および図10において、記録ヘッド1
001には、インク液室64と、該インク液室64に連
通する複数の液路62と、各液路62の先端開口で形成
される複数の吐出口60と、各液路62内に配設された
発熱素子等の電気熱変換体61と、が設けられている。 なお、前記電気熱変換体61は、インクを吐出するため
に利用される熱エネルギーを発生する吐出エネルギー発
生体であり、各液路62内に1個づつ並列に集積されて
いる。こうして、前記電気熱変換体61を記録データに
応じて駆動することにより、吐出口60からインクを吐
出して記録を行なうインクジェット記録ヘッド1001
が構成される。また、前記押さえ板57は、本実施例の
場合、シリコンゴム等の弾性密封板57a(前述の半円
柱状)とSUS等の剛性の裏板57bとで構成されてい
る。
【0047】次に、吐出口密閉手段の動作について説明
する。回復ポンプ53を作動させる場合は、該回復ポン
プ53の駆動に先立って、キャップ54を記録ヘッド1
001へ接近させ、図9に示すように、押さえ板57を
吐出口面に密着させて吐出口60を密閉する。なお、こ
のキャップ54を駆動するキャップ駆動装置(図13中
の符号204)としては、例えば、モーターを駆動源と
し、このモーターの駆動力をキャップ54へ伝達するラ
ックピニオン等の伝動機構が挙げられる。
【0048】さて、このように吐出口60を密閉した後
、回復ポンプ53を作動させる。この時のインク液室6
4内のインクの流れは図9中に矢印で示す状態となり、
各液路62の後端部bすなわちインク液室64との連通
部b付近では、該液路62と略直角の方向にインクが流
れる。そのため、液路連通部b付近あるいはインク液室
64内のゴミは、液路62へ侵入することなく、循環イ
ンクとともにインク液室64の出口65から第2のイン
ク流路66Bを通して排出される。その後、キャップ5
4を記録ヘッド1001から離反させて吐出口密閉手段
の押さえ板57を吐出口面から離し、図10に示すよう
に吐出口60を開放する。この時、図9および図10に
おいてaで示すような液路62内に存在する気泡は、イ
ンクとともに吐出口60から排出される。
【0049】この図10の状態では、液路62の後端部
あるいはインク液室64内のゴミは除去されているので
、液路62内にゴミが侵入することはない。吐出口60
から排出されキャップ54内に受けられたインクは、前
述のように、廃インク流路55を通して廃インクタンク
56へ導かれる。なお、記録時には、押さえ板57とヘ
ッド1001は被記録材の侵入を可能とするよう図示状
態よりも大きく離隔する。この際には、押さえ板57を
ヘッド1001に対して垂直方向および水平方向に移動
させても良いし、ヘッド1001を移動させても良い。 また、図9および図10の上下は実際の記録装置の上下
方向と一致させる必要は無く、図示の構造はどのような
向きに配置しても使用することができる。
【0050】図11は、本発明を適用したインクジェッ
ト記録装置の第5の実施例のインク供給系を示す模式図
である。本実施例は、図8に示した第4の実施例に加え
て、第2のインク流路66Bの前記インク液室64と前
記フィルター67との間に逆流防止用の整流弁59を設
ける。さらに、回復ポンプ53をバイパスするバイパス
インク流路63を設けて、該バイパスインク流路63に
整流弁68を設けた構造をしている。前述の第4の実施
例では、回復ポンプの作動時に、インク液室64から排
出されたゴミ等が第2のインク流路66Bのフィルター
67の手前に集められることがあり、このフィルター6
7付近に集められたゴミが記録動作時にインク液室64
へ逆流する可能性がある。そこで、本実施例では、イン
ク液室64とフィルター67との間に整流弁59を設け
ることにより、インク液室64へのゴミの逆流を防止し
、記録時の液路62の目詰まりをより完全に防止し得る
構造になっている。
【0051】また、記録時には、第1のインク流路66
Aがインク供給路となることに鑑み、該インク流路66
Aの回復ポンプ53による圧力損失を避けて記録時のイ
ンク供給をスムーズにするため、該回復ポンプ53をバ
イパスするバイパスインク流路63が設けられている。 さらに、回復ポンプ53の動作時に前記バイパスインク
流路63を通してインクが流れないように、前記整流弁
68が設けられている。本実施例は、以上の点で前述の
第4の実施例と相違するが、その他の部分では実質上同
じ構造をしており、それぞれ対応する部分を同一符号で
表示し、それらの詳細説明は省略する。
【0052】本実施例においても、前述の場合と同様、
記録ヘッド1001と対向する側にキャップ54が配設
され、該キャップ54の内部に、記録ヘッド1001の
吐出口60に密着して該吐出口を密閉し得る吐出口密閉
手段が設けられている。この吐出口密閉手段も、前述の
場合と同様、吐出口面に密着して全ての吐出口60を密
閉し得る蓋を形成する押さえ板57と、該押さえ板57
を吐出口面の方へ付勢する圧接用のバネ58とで構成さ
れている。したがって、本実施例によっても、前述の実
施例の場合と同様、回復ポンプ53を作動させる期間の
前半では、前記押さえ板57で吐出口60を密閉した状
態でインクを循環させてインク液室64内のゴミを排出
させる。そして、後半では押さえ板57を開放して吐出
口60からインクを吐出させることにより、液路内のゴ
ミや気泡を除去することができる。
【0053】図12は、本発明を適用したインクジェッ
ト記録装置の第6の実施例のインク供給系を示す模式図
である。本実施例は、図8に示した前述の第4の実施例
の構造に加えて、メインタンク52の他に記録液供給タ
ンク70が設けられ、該記録液供給タンク70内のイン
クが一定量以下になると、回復ポンプ53によって、メ
インタンク52から補充用の整流弁73を通してインク
が補給される。さらに、第1のインク流路66Aに回復
用の整流弁72が設けられ、また、第2のインク流路6
6Bの前記記録液供給タンク70とフィルター67との
間には電磁弁69が設けられている。なお、前記記録液
供給タンク70には、空気抜き弁71が設けられている
。図12に示した前述の第6の実施例のインク供給系は
、以上の点で図8に示した第4の実施例と相違している
が、その他の部分では実質上同じ構造をしており、それ
ぞれ対応する部分を同一符号で表示し、それらの詳細説
明は省略する。
【0054】本実施例においては、前記電磁弁69を閉
じて回復ポンプ53を作動させることにより、第1のイ
ンク流路66Aおよびインク液室64内のインクを、記
録液供給タンク70に戻すことなく吐出口60から排出
することもできる。この図12に示した構成においても
、前述の各実施例の場合と同様、記録ヘッド1001と
対向する側にキャップ54が配設され、該キャップ54
の内部に、記録ヘッド1001の吐出口60に密着して
該吐出口を密閉し得る吐出口密閉手段が設けられている
。この吐出口密閉手段も、前述の場合と同様、吐出口面
に密着して全ての吐出口60を密閉し得る蓋を形成する
押さえ板57と、該押さえ板57を吐出口面の方へ付勢
する圧接用のバネ58とで構成されている。
【0055】したがって、本実施例によっても、前述の
各実施例の場合と同様、回復ポンプ53を作動させる期
間の前半では、前記押さえ板57で吐出口60を密閉し
た状態でインクを循環させてインク液室64内のゴミを
排出させる。また、、後半では、押さえ板57を開放し
て吐出口60からインクを吐出させることにより、液路
内のゴミや気泡を確実に除去することができた。前述の
第5の実施例および第6の実施例によっても、前述の第
4の実施例で図9および図10を参照して説明したのと
同様、記録ヘッド1001の液路62の入口付近(図9
中のb位置近傍)に存在するゴミが、回復ポンプ作動時
に該液路62内へ押し込まれて、記録不良の原因となる
ことを、効果的に防止することができた。同時に、液路
62内の気泡やゴミ等の異物も、インクとともに吐出口
60から排出させることができ、一層確実な回復動作を
行なうことが可能となり、インクジェット記録ヘッドの
信頼性および記録動作の安定性を向上させることができ
た。
【0056】ここで、図13を用いて前述の第4の実施
例〜第6の実施例のインクジェット記録装置の概略機能
構成を示す機能ブロック図について説明する。図中20
0は装置全体の制御を行なう制御部で、例えばマイクロ
プロセッサ等のCPU、図14のフローチャートで示し
たCPUの制御プログラムや各種データを格納している
ROM、前記CPUのワークエリアとして使用されると
ともに、各種データの一時保存等を行なうRAM等を備
えている。この制御部200から発せられる制御信号に
よって、記録信号発生装置201、回復ポンプ駆動制御
回路202、及びキャップ駆動装置制御回路203を介
して、ヘッド1001、回復ポンプ53、キャップ駆動
装置204及びキャップ54の駆動制御が行なわれる。
【0057】また、図14は前述の第4の実施例〜第6
の実施例の回復動作の操作手順を示すフローチャートで
ある。まずステップ1(S1)で、記録回復動作が必要
か否か判断される。そして不要であると判断されたらス
テップ2(S2)で記録が続行される。また必要である
と判断されたらステップ3(S3)〜ステップ9(S9
)に示す回復動作を行なう。まずステップ3(S3)で
回復操作スイッチをONして、キャッピング位置Aまで
キャップ54を移動させる(ステップ4)。次いで、ス
テップ5(S5)で回復ポンプ53をA秒間(本実施例
では例えば約0.5秒間)駆動して、インクをインク循
環経路内で循環させる。次いでステップ6(S6)でキ
ャップ54を後退位置Bまで後退させる。
【0058】次いでこの状態で、回復ポンプ53をB秒
間(本実施例では例えば約0.2秒間)駆動して、イン
クをヘッド1001の吐出口110から吐出させる(ス
テップ7)。次いでステップ8でキャップ54をさらに
駆動して、後退位置Cまで後退させる。これによって回
復動作が終了して(ステップ9)、記録が再開される(
ステップ10)。なお、ここで念のために説明すると、
キャッピング位置Aは、キャップ54がヘッドをキャッ
ピングするとともに押さえ部材57によって吐出口11
0を押さえている状態(吐出口110を閉鎖している状
態)、後退位置Bはキャップ54がヘッドをキャッピン
グするとともに吐出口110の押さえ部材57による押
さえを解除している状態(吐出口110を開放している
状態)、後退位置Cはヘッドキャップを開放するととも
に吐出口110も開放している状態である。
【0059】次に図15を参照して第7の実施例を説明
する。この第7の実施例は、前述の第1の実施例と第4
の実施例を組み合わせたものであって、本実施例によれ
ば、インクを無駄に消費することなく、しかもより確実
にヘッドの回復動作を行なうことができる。なお、前述
の実施例と同様の機能を果たす部材には、同一符号を付
して説明を援用する。図15に示す通り、本実施例は第
1の実施例に示したインクジェット記録装置に、ヘッド
キャップ54とヘッド押さえ板57を設けたものである
。なお、本実施例においては、回復動作時にキャップを
後退位置Bに位置させるタイミングは、ヘッド1001
内のインクがタンク36へ到達した後である。そしてヘ
ッドキャップ54とヘッド押さえ板57は前述の第3の
実施例で示した通りの動作を行なうものである。図15
の実施例によれば、フィルターの数を減少させることが
できるとともに、インクを無駄に吐出させることなく、
ヘッドの回復動作を行なうことができる。
【0060】なお、以上の各実施例では、本発明をライ
ンタイプの記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置
に適用する場合について説明したが、本発明は、キャリ
ッジに搭載されて被記録材上を移動するシリアル方式の
記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置においても
、同様に実施することができ、同様の効果を得ることが
できた。
【0061】以上の説明から明らかなように、前述の実
施例によれば、被記録材にインクを吐出させて記録を行
なうインクジェット記録装置において、記録ヘッドと、
インクの貯蔵タンクと、該貯蔵タンクから記録ヘッドの
共通液室へインクを供給可能な供給側流路と、前記共通
液室から貯蔵タンクへインクを循環可能な循環側流路と
、該供給側流路の共通液室へ至る経路中に設けられたフ
ィルターと、前記循環側流路に設けられた逆流防止手段
と、を有し、該共通液室と逆流防止手段との間は、該フ
ィルターよりもインク流体抵抗が小さい構成としたので
、逆流防止手段と共通液室との間の流体抵抗を該フィル
ターよりも小さくし、記録ヘッド内のゴミ詰まりを防止
することができ、記録ヘッドの大型化を生じることなく
吐出口の高密度化を図り得るインクジェット記録装置を
提供することができる。
【0062】さらに、前述の実施例によれば、被記録材
にインクを吐出させて記録を行なうインクジェット記録
装置において、インクを貯留可能なインク液室と該イン
ク液室より流入するインクを吐出させるための吐出口と
を有する記録ヘッドと、前記インク液室にインクを循環
させるインク循環手段と、該インク循環手段作動時に用
いられ、前記吐出口に密着して該吐出口を密閉し得る吐
出口密閉手段と、を有する構成としたので、記録ヘッド
内の液路等におけるゴミ除去効果を向上させ、安定した
信頼性の高い記録を行ない得るインクジェット記録装置
を提供することができる。また、前述の実施例によれば
、記録ヘッドに対して回復処理を行なう回復方法であっ
て、記録ヘッド吐出口面を密着する部材で密閉した状態
で記録ヘッド内のインクを一方向に移動せしめる構成と
したので、記録ヘッド内の液路等におけるゴミ除去効果
を向上させ、安定した信頼性の高い記録を行ない得る記
録ヘッドの回復方法を提供することができる。
【0063】なお、本発明は、インクジェット記録装置
であれば、例えば、ピエゾ素子等の電気機械変換体等を
用いる記録手段(記録ヘッド)を使用するものに適用で
きるが、中でも、インク吐出を行なわせるために利用さ
れるエネルギーとして熱エネルギーを発生する手段(例
えば、電気熱変換体やレーザー光等)を備え、前記熱エ
ネルギーによりインクの状態変化を生起させる方式のイ
ンクジェット記録ヘッドを用いるインクジェット記録装
置において、優れた効果をもたらすものである。かかる
方式によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できる
からである。
【0064】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうのが好ましい。この方式は、所謂オンデマンド型
、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、
特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保
持されているシートや液路に対応して配置されている電
気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える
急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印
加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを発
生せしめ、記録手段(記録ヘッド)の熱作用面に膜沸騰
させて、結果的にこの駆動信号に一対一対応し液体(イ
ンク)内の気泡を形成出来るので有効である。
【0065】この気泡の成長、収縮により吐出用開口を
介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの
滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即
時適切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性
に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。尚、上記熱作
用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第43131
24号明細書に記載されている条件を採用すると、更に
優れた記録を行なうことができる。
【0066】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成としても本発明は有効である。すなわち、記録ヘッ
ドの形態がどのようなものであっても、本発明によれば
、記録を確実に効率よく行なうことができるようになる
からである。
【0067】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても、本発明は有効に適用できる。そのよ
うな記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組み合わせ
によってその長さを満たす構成や、一体的に形成された
1個の記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。加え
て、上例のようなシリアルタイプのものでも、装置本体
に固定された記録ヘッド、あるいは装置本体に装着され
ることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのイ
ンクの供給が可能になる交換自在のチップタイプの記録
ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一体的にインクタン
クが設けられたカートリッジタイプの記録ヘッドを用い
た場合にも本発明は有効である。
【0068】また、本発明に記録装置の構成として設け
られる、記録ヘッドに対しての回復手段、予備的な補助
手段等を付加することは本発明の効果を一層安定できる
ので好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、
記録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニン
グ手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは
別の加熱素子或はこれらの組み合わせによる予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出モードを行なう
ことも安定した記録を行なうために有効である。
【0069】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば、単色のインクに対応して1個
のみが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複
数のインクに対応して複数個数設けられるものであって
もよい。すなわち、例えば、記録装置の記録モードとし
ては、黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、
記録ヘッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせに
よるか、いずれでもよいが、異なる色の複色カラー又は
、混色によるフルカラーの少なくとも一つを備えた装置
にも本発明は極めて有効である。
【0070】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化もしくは液化するも
の、あるいは、インクジェット方式では、インク自体を
30℃以上70℃以下の範囲内で温度調整を行ってイン
クの粘性を安定吐出範囲にあるように温度制御するもの
が一般的であるから、使用記録信号付与時にインクが液
状をなすものであればよい。加えて、積極的に熱エネル
ギーによる昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで防止する
か、または、インクの蒸発防止を目的として放置状態で
固化するインクを用いるかして、いずれにしても、熱エ
ネルギーの記録信号に応じた付与によってインクが液化
し、液状インクが吐出されるものや、記録媒体に到達す
る時点ではすでに固化し始めるもの等のような、熱エネ
ルギーによって初めて液化する性質のインクを使用する
場合も本発明は適用可能である。
【0071】このような場合のインクは、特開昭54−
56847号公報あるいは特開昭60−71260号公
報に記載されるような、多孔質シート凹部または貫通孔
に液状または固形物として保持された状態で、電気熱変
換体に対して対向するような形態としてもよい。本発明
においては、上述した各インクに対して最も有効なもの
は、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0072】さらに加えて、本発明によるインクジェッ
ト記録装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理
機器の画像出力端末として用いられるものの他、リーダ
等と組み合わせた複写装置、さらには送受信機能を有す
るファクシミリ装置の形態を採るもの等であってもよい
【0073】
【発明の効果】以上の説明から明らかなごとく、本発明
によれば、インクを吐出させて被記録材に記録を行なう
インクジェット記録装置において、吐出口よりインクを
吐出させて被記録材に記録を行なう記録手段と、インク
を収納するインクタンクと、前記インクタンクから前記
記録手段へインクを導びくための第1のインク路と、前
記記録手段から前記インクタンクへインクを導びくため
の第2のインク路と、前記第1のインク路に設けられた
フィルターと、前記第2のインク路に設けられたインク
逆流防止手段と、を有する構成としたので、記録ヘッド
内への不純物の侵入を防止することができ、安定したイ
ンクの吐出状態を維持することができるインクジェット
記録装置を提供することができる。
【0074】別の本発明によれば、被記録材にインクを
吐出させて記録を行なうインクジェット記録装置におい
て、記録ヘッドと、インクの貯蔵タンクと、該貯蔵タン
クから記録ヘッドの共通液室へインクを供給可能な供給
側流路と、前記共通液室から貯蔵タンクへインクを循環
可能な循環側流路と、該供給側流路の共通液室へ至る経
路中に設けられたフィルターと、前記循環側流路に設け
られた逆流防止手段と、を有する構成としたので、記録
ヘッド内への不純物の侵入を防止することができ、安定
したインクの吐出状態を維持することができるインクジ
ェット記録装置を提供することができる。
【0075】別の本発明によれば、インクを吐出させて
被記録材に記録を行なうインクジェット記録装置におい
て、吐出口よりインクを吐出させて被記録材に記録を行
なう記録手段と、インクを収納するインクタンクと、前
記記録手段と前記インクタンクとの間でインクを流すた
めのインク路と、前記吐出口を閉鎖する閉鎖位置と前記
閉鎖位置から退避して前記吐出口を開放する開放位置と
をとり得るヘッド開閉手段と、回復動作のために前記イ
ンクを前記インク路内で流す際に、前記ヘッド開閉手段
を一旦閉鎖位置へ移動させて前記吐出口を閉鎖させ、そ
の後前記吐出口からインクが吐出するよう開放位置へ移
動させる駆動手段と、を有する構成としたので、記録ヘ
ッド内の不純物の除去効果を向上させることができ、安
定したインクの吐出状態を維持することができるインク
ジェット記録装置を提供することができる。
【0076】別の本発明によれば、インクを吐出させて
被記録材に記録を行なうインクジェット記録装置におい
て、吐出口よりインクを吐出させて被記録材に記録を行
なう記録手段と、インクを収納するインクタンクと、前
記記録手段と前記インクタンクとの間でインクを流すた
めのインク路と、前記吐出口を閉鎖する閉鎖位置と、前
記閉鎖位置から退避して前記吐出口を開放する開放位置
とをとり得るヘッド開閉手段と、回復動作のために前記
インクを前記インク路内で流す際に、前記ヘッド開閉手
段を一旦閉鎖位置へ移動させて前記吐出口を閉鎖させ、
その後前記吐出口からインクが吐出するよう開放位置へ
移動させる駆動手段と、を有し、前記ヘッド開閉手段は
、ヘッドを覆うキャップと吐出口を押さえる押さえ部材
とを有しており、前記キャップがヘッドを覆うとともに
前記押さえ部材が前記吐出口を押さえる位置と、前記キ
ャップがヘッドを覆うとともに前記押さえ部材が退避し
て前記吐出口を開放する位置と、前記キャップがキャッ
ピング位置から退避するとともに前記押さえ部材が前記
吐出口を開放する位置との3つの位置をとり得る構成と
したので、記録ヘッド内の不純物の除去効果を向上させ
ることができ、安定したインクの吐出状態を維持するこ
とができるインクジェット記録装置を提供することがで
きる。
【0077】別の本発明によれば、被記録材にインクを
吐出させて記録を行なうインクジェット記録装置におい
て、インクを貯留可能なインク液室と該インク液室より
流入するインクを吐出させるための吐出口とを有する記
録ヘッドと、前記インク液室にインクを循環させるイン
ク循環手段と、該インク循環手段作動時に用いられ、前
記吐出口に密着して該吐出口を密閉し得る吐出口密閉手
段と、を有する構成としたので、記録ヘッド内の不純物
の除去効果を向上させることができ、安定したインクの
吐出状態を維持することができるインクジェット記録装
置を提供することができる。
【0078】別の本発明によれば、被記録材にインクを
吐出させて記録を行なうインクジェット記録装置におい
て、インクを貯留可能なインク液室と前記インク液室よ
り流入するインクを吐出させるための吐出口とを有する
記録ヘッドと、前記インク液室にインクを循環させるイ
ンク循環手段と、前記インク循環手段作動時に用いられ
、前記吐出口に密着して該吐出口を密閉し得る吐出口密
閉手段と、前記インク循環手段と前記吐出口密閉手段と
の併用による回復動作後に作動して前記吐出口からイン
クを排出する回復手段と、を有する構成としたので、記
録ヘッド内の不純物の除去効果を向上させることができ
、安定したインクの吐出状態を維持することができるイ
ンクジェット記録装置を提供することができる。
【0079】別の本発明によれば、記録ヘッドに対して
回復処理を行なう回復方法であって、記録ヘッド吐出口
面を密着する部材で密閉した状態で記録ヘッド内のイン
クを一方向に移動せしめる構成としたので、記録ヘッド
内の不純物の除去効果を向上させることができ、安定し
たインクの吐出状態を維持することができる記録ヘッド
の回復方法を提供することができる。さらに、別の本発
明によれば、記録ヘッドに対して回復処理を行なう回復
方法であって、記録ヘッド吐出口面を密着する部材で密
閉した状態で記録ヘッド内のインクを一方向に移動せし
める第1回復行程と、第1回復行程後、吐出口面を開放
して記録ヘッド内からインクを吐出口を介して排出する
第2回復行程と、を有する構成としたので、記録ヘッド
内の不純物の除去効果を向上させることができ、安定し
たインクの吐出状態を維持することができる記録ヘッド
の回復方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるインクジェット記録装置の一実施
例の要部を示す模式的斜視図である。
【図2】図1中の記録ヘッドの水平断面図である。
【図3】図2中の線3−3に沿った断面図である。
【図4】本発明を適用したインクジェット記録装置の第
1の実施例のインク供給系を示す模式図である。
【図5】図4中の線5−5に沿った断面図である。
【図6】本発明を適用したインクジェット記録装置の第
2の実施例のインク供給系を示す模式図である。
【図7】本発明を適用したインクジェット記録装置の第
3の実施例のインク供給系を示す模式図である。
【図8】本発明を適用したインクジェット記録装置の第
4の実施例のインク供給系を示す模式図である。
【図9】図8に示した記録ヘッドおよびキャップの吐出
口密閉時の状態を示す詳細断面図である。
【図10】図8に示した記録ヘッドおよびキャップの吐
出口開放時の状態を示す詳細断面図である。
【図11】本発明を適用したインクジェット記録装置の
第5の実施例のインク供給系を示す模式図である。
【図12】本発明を適用したインクジェット記録装置の
第6の実施例のインク供給系を示す模式図である。
【図13】上記第4の実施例〜第6の実施例の制御系の
ブロック図である。
【図14】図13の制御系の回復動作のフローチャート
である。
【図15】本発明を適用したインクジェット記録装置の
第7の実施例のインク供給系を示す模式図である。
【図16】従来のインクジェット記録装置のインク供給
系の第1の構成例を示す模式図である。
【図17】従来のインクジェット記録装置のインク供給
系の第2の構成例を示す模式図である。
【図18】従来のインクジェット記録装置のインク供給
系の第3の構成例を示す模式図である。
【図19】従来のインクジェット記録装置のインク供給
系の第4の構成例を示す模式図である。
【図20】図18に示した記録ヘッドおよびキャップの
構造を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
32        共通液室 33        吐出口 34        吐出口面 35        インクの貯蔵タンク36    
    インクの貯蔵タンク37        逆流
防止手段(電磁弁)39        回復ポンプ 41        第1の流路 42        第2の流路 44        フィルター 45        整流弁 46        フィルター 47        第3の流路 48        逆流防止手段(電磁弁)49  
      逆流防止手段(整流弁)50      
  電磁弁 51        液路(記録ヘッド)52    
    インクの貯蔵タンク(メインタンク)53  
      回復ポンプ 54        キャップ 57        押さえ部材(押さえ板)58  
      バネ 59        整流弁 60        吐出口 61        電気熱変換体 62        液路(記録ヘッド)64    
    インク液室 66A      インク流路 66B      インク流路 67        フィルター 70        記録用のインク供給タンク200
      記録装置制御回路 201      記録信号発生装置 202      回復ポンプ駆動制御回路203  
    キャップ駆動装置制御回路204      
キャップ駆動装置 1101    記録ヘッド 1103    被記録材 1106    回復系

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】    インクを吐出させて被記録材に記
    録を行なうインクジェット記録装置において、吐出口よ
    りインクを吐出させて被記録材に記録を行なう記録手段
    と、インクを収納するインクタンクと、前記インクタン
    クから前記記録手段へインクを導びくための第1のイン
    ク路と、前記記録手段から前記インクタンクへインクを
    導びくための第2のインク路と、前記第1のインク路に
    設けられたフィルターと、前記第2のインク路に設けら
    れたインク逆流防止手段と、を有することを特徴とする
    インクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】    前記記録手段は、インクジェット
    記録ヘッドであって、熱エネルギーを利用してインクを
    吐出させるための電気熱変換体を有することを特徴とす
    る請求項1のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】    前記記録手段は、インクジェット
    記録ヘッドであって、電気熱変換体が発する熱エネルギ
    ーにより生ずる膜沸騰による気泡の成長によって吐出口
    からインクを吐出させることを特徴とする請求項1のイ
    ンクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】    被記録材にインクを吐出させて記
    録を行なうインクジェット記録装置において、記録ヘッ
    ドと、インクの貯蔵タンクと、該貯蔵タンクから記録ヘ
    ッドの共通液室へインクを供給可能な供給側流路と、前
    記共通液室から貯蔵タンクへインクを循環可能な循環側
    流路と、該供給側流路の共通液室へ至る経路中に設けら
    れたフィルターと、前記循環側流路に設けられた逆流防
    止手段と、を有することを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  5. 【請求項5】    前記共通液室と前記逆流防止手段
    との間は、前記フィルターよりもインク流体抵抗が小さ
    いことを特徴とする請求項4のインクジェット記録装置
  6. 【請求項6】    前記記録ヘッドが、熱エネルギー
    を利用してインクを吐出する記録ヘッドであって、熱エ
    ネルギーを発生するための電気熱変換体を備えているイ
    ンクジェット記録ヘッドであることを特徴とする請求項
    4のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】    前記電気熱変換体によって印加さ
    れる熱エネルギーにより生じる膜沸騰による気泡の成長
    によって、吐出口よりインクを吐出させることを特徴と
    する請求項6のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】    インクを吐出させて被記録材に記
    録を行なうインクジェット記録装置において、吐出口よ
    りインクを吐出させて被記録材に記録を行なう記録手段
    と、インクを収納するインクタンクと、前記記録手段と
    前記インクタンクとの間でインクを流すためのインク路
    と、前記吐出口を閉鎖する閉鎖位置と、前記閉鎖位置か
    ら退避して前記吐出口を開放する開放位置とをとり得る
    ヘッド開閉手段と、回復動作のために前記インクを前記
    インク路内で流す際に、前記ヘッド開閉手段を一旦閉鎖
    位置へ移動させて前記吐出口を閉鎖させ、その後前記吐
    出口からインクが吐出するよう開放位置へ移動させる駆
    動手段と、を有することを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  9. 【請求項9】    前記ヘッド開閉手段は、回復動作
    時に前記閉鎖位置で前記吐出口を塞ぐ時間の方が、前記
    開放位置に存して前記吐出口よりインクの吐出を許容す
    る時間よりも長いことを特徴とする請求項8のインクジ
    ェット記録装置。
  10. 【請求項10】  前記ヘッド開閉手段は、ヘッドを覆
    うキャップと吐出口を押さえる押さえ部材とを有してお
    り、前記キャップがヘッドを覆うとともに前記押さえ部
    材が前記吐出口を押さえる位置と、前記キャップがヘッ
    ドを覆うとともに前記押さえ部材が退避して前記吐出口
    を開放する位置と、前記キャップがキャッピング位置か
    ら退避するとともに前記押さえ部材が前記吐出口を開放
    する位置との3つの位置をとり得ることを特徴とする請
    求項8のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】  被記録材にインクを吐出させて記録
    を行なうインクジェット記録装置において、インクを貯
    留可能なインク液室と該インク液室より流入するインク
    を吐出させるための吐出口とを有する記録ヘッドと、前
    記インク液室にインクを循環させるインク循環手段と、
    該インク循環手段作動時に用いられ、前記吐出口に密着
    して該吐出口を密閉し得る吐出口密閉手段と、を有する
    ことを特徴とするインクジェット記録装置。
  12. 【請求項12】  前記記録ヘッドが、熱エネルギーを
    利用してインクを吐出するインクジェット記録ヘッドで
    あって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を
    備えていることを特徴とする請求項11のインクジェッ
    ト記録装置。
  13. 【請求項13】  前記インクジェット記録ヘッドが、
    電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生
    じる膜沸騰による気泡の成長によって、吐出口よりイン
    クを吐出させることを特徴とする請求項11のインクジ
    ェット記録装置。
  14. 【請求項14】  被記録材にインクを吐出させて記録
    を行なうインクジェット記録装置において、インクを貯
    留可能なインク液室と前記インク液室より流入するイン
    クを吐出させるための吐出口とを有する記録ヘッドと、
    前記インク液室にインクを循環させるインク循環手段と
    、前記インク循環手段作動時に用いられ、前記吐出口に
    密着して該吐出口を密閉し得る吐出口密閉手段と、前記
    インク循環手段と前記吐出口密閉手段との併用による回
    復動作後に作動して前記吐出口からインクを排出する回
    復手段と、を有することを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  15. 【請求項15】  前記記録ヘッドが、熱エネルギーを
    利用してインクを吐出するインクジェット記録ヘッドで
    あって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を
    備えていることを特徴とする請求項14のインクジェッ
    ト記録装置。
  16. 【請求項16】  前記インクジェット記録ヘッドが、
    電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生
    じる膜沸騰による気泡の成長によって、吐出口よりイン
    クを吐出させることを特徴とする請求項14のインクジ
    ェット記録装置。
  17. 【請求項17】  前記回復手段は、加圧ポンプによる
    加圧回復機構を有することを特徴とする請求項14のイ
    ンクジェット記録装置。
  18. 【請求項18】  記録ヘッドに対して回復処理を行な
    う回復方法であって、記録ヘッド吐出口面を密着する部
    材で密閉した状態で記録ヘッド内のインクを一方向に移
    動せしめることを特徴とする記録ヘッドの回復方法。
  19. 【請求項19】  前記記録ヘッドが、熱エネルギーを
    利用してインクを吐出するインクジェット記録ヘッドで
    あって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を
    備えていることを特徴とする請求項18の記録ヘッドの
    回復方法。
  20. 【請求項20】  前記インクジェット記録ヘッドが、
    電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生
    じる膜沸騰による気泡の成長によって、吐出口よりイン
    クを吐出させることを特徴とする請求項18の記録ヘッ
    ドの回復方法。
  21. 【請求項21】  記録ヘッドに対して回復処理を行な
    う回復方法であって、記録ヘッド吐出口面を密着する部
    材で密閉した状態で記録ヘッド内のインクを一方向に移
    動せしめる第1回復行程と、第1回復行程後、吐出口面
    を開放して記録ヘッド内からインクを吐出口を介して排
    出する第2回復行程と、を有することを特徴とする記録
    ヘッドの回復方法。
  22. 【請求項22】  前記記録ヘッドが、熱エネルギーを
    利用してインクを吐出するインクジェット記録ヘッドで
    あって、熱エネルギーを発生するための電気熱変換体を
    備えていることを特徴とする請求項21の記録ヘッドの
    回復方法。
  23. 【請求項23】  前記インクジェット記録ヘッドが、
    電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより生
    じる膜沸騰による気泡の成長によって、吐出口よりイン
    クを吐出させることを特徴とする請求項22の記録ヘッ
    ドの回復方法。
  24. 【請求項24】  前記回復手段は、加圧ポンプによる
    加圧回復機構を有することを特徴とする請求項21の記
    録ヘッドの回復方法。
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