JP4561276B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録装置に係り、詳細には、インクを循環するための循環路を通して供給されるインクをインクジェット記録ヘッドから吐出し印字を行うインクジェット記録装置に関する。
記録ヘッドからインク滴を吐出して記録媒体に印字を行うインクジェット記録装置では、記録媒体を搬送しながらその搬送方向と直交する方向へ記録ヘッドを往復移動させて1ラインずつ印字を行うシリアルスキャンと呼ばれる印字方式が主にパーソナルユースで広く使用されている。また近年では、記録媒体の搬送方向と直交する方向(幅方向)に沿って多数のインク吐出口(ノズル)を配列した記録媒体幅対応の非走査型の記録ヘッドを用い、記録媒体を連続搬送しつつ印字を行うことにより、印字速度を向上させてオフィスユースにも対応可能とした、いわゆるフルラインヘッド式のインクジェット記録装置が製品化されている。
これらのインクジェット記録装置では、インクの乾燥やインク中の異物等によるノズル詰まりを防止するために、外部からノズルに負圧を掛けてノズル内のインクを吸引するバキューム動作(メンテナンス)を行っている。ただし、上記のようなフルラインタイプの記録ヘッドでは、ノズル数の増加に伴い、バキューム動作時のインク消費量が多くなってランニングコストの上昇を招くため、記録ヘッドに供給するインクを循環路で循環させ、その循環路に設けたフィルタでインク中の異物等を取り除くことにより、ノズル詰まりが起こりにくくなるようにしてバキューム回数を低減できるようにし、ランニングコストの上昇を抑えるようにしているものがある。
また、このように記録ヘッドに供給するインクを循環路で循環させる技術としては、電界を印加することで粘度が変化する電気粘性流体からなるインク(記録体)を循環路(供給流路)で循環させ、ノズルの下流側に設けた電極でインクに電界を印加し増粘させることにより、ノズルからのインク吐出を可能にしたもの(例えば、特許文献1参照)、又は、インク供給源(インク溜め)から延出された複数の共通流路の先端側にループ用流路を連通させて循環路を構成し、インク供給源から各共通流路へのインク充填時に、ループ用流路に接続された吸引路からポンプで吸引することにより、各共通流路にインクを迅速に充填できるようにしたもの(例えば、特許文献2参照)、又は、パージ動作を行う際にノズルからインクを排出するためのパージチャネルを、ノズルへのインク供給路となるインク流路に連通させて設け、これらのインク流路とパージチャネルによりインクの循環路を構成しているものがある(例えば、特許文献3参照)。
特開平2−212147号公報 特開2000−25218号公報 特開平3−150165号公報
ところで、上述した循環型のインクジェット記録装置に搭載される記録ヘッドでは、ノズルの目詰まりを回復するためには、循環路のノズルより下流側の流路断面積をノズルの断面積より大きくする必要がある。一方、インク吐出効率を高めるためには、下流側に絞り等を設けて流路断面積を極力小さくする必要がある。この2つの事柄は相反する問題であり、設計上の課題となっている。
これに対し、上述した特許文献1の技術では、循環路の流路断面積が流路全長に亘ってほぼ同じにされており、インクを増粘させて吐出エネルギーを発生させる電極の近傍等でも、特にインク吐出効率を考慮した構造にはなっていない。また、ノズルのメンテナンスを考慮した動作や構成も採られていない。
特許文献2の技術の場合、ノズル及び加圧室は共通流路から分岐しており、さらに、アクチュエータ(振動板)からインクに伝達される吐出エネルギーの伝達効率を高めるために、加圧室と共通流路を連通させる供給路を狭めているが、これでは流路構造が複雑化してインク中に発生した気泡の排出性が悪化する。また、インク供給源から各共通流路へインクを充填するときのみ、循環路から分岐した吸引路にポンプを接続してインクを吸引し各共通流路及び循環路にインクを行き渡らせるようにしているため、例えばメンテナンス時やインク吐出時にインクを循環路で循環させるようなことはできない。
また、特許文献3の技術では、パージ動作時にはインク流路からパージチャネルへとインクが流動されるが、インク吐出時にはインクを循環させておらず、また、特許文献1と同様に、インク吐出効率を考慮した構造にはされていない。
本発明は上記事実を考慮して、循環型のインクジェット記録ヘッドにおけるノズルの目詰まり回復とインク吐出効率の向上とを両立させることができるインクジェット記録装置を提供することを課題とする。
上記目的を達成するために請求項1、2、3に記載の発明は、記録媒体にインクを吐出して印字を行うインクジェット記録ヘッドと、前記インクジェット記録ヘッドに供給するインクが貯留されるインク貯留手段と、前記インクジェット記録ヘッドと前記インク貯留手段に接続され、インク貯留手段から流入されたインクをインクジェット記録ヘッドへ供給しつつ循環させるための循環路と、前記循環路に設けられ、循環路内のインクを循環させる循環手段と、前記循環路における前記インクジェット記録ヘッドよりもインク流動方向上流側で且つインクジェット記録ヘッドと前記循環手段の間に設けられ、インクを通過させることでインク中の異物をトラップするフィルタユニットと、前記インクジェット記録ヘッドに設けられ、前記循環路の上流側からインクが流入されるとともにその流入されたインクを循環路の下流側へ流出させるインク流路と、前記インク流路に連通されたインク吐出口と、前記インク流路に前記インク吐出口よりもインク流動方向下流側に設けられ、インク流路内のインクに吐出エネルギーを印加するエネルギー印加手段と、前記インク流路に前記エネルギー印加手段よりもインク流動方向下流側に設けられ、インク流路の断面積を狭める絞り部と、を備え、印字動作時には前記循環路内のインクを順方向へ循環させ、前記インクジェット記録ヘッドのメンテナンス時には循環路内のインクを印字動作時とは逆方向へ循環させることを特徴としている。
請求項1、2、3に記載の発明では、インクジェット記録ヘッドに循環路を通してインクが供給され、この循環路では、インクジェット記録ヘッドがインクを吐出し印字を行うときにインクが循環される。インクジェット記録ヘッドに設けられたインク流路では、循環路の上流側からインクが流入されて流路内がインクで充填されるとともにその流入されたインクは循環路の下流側へ流出される。また、インク流路に連通されたインク吐出口には、インクがインク流路内の圧力によって流入し充填される。
この状態で、エネルギー印加手段が駆動すると、インク流路内のインクに吐出エネルギーが印加され、そのエネルギーがインク吐出口に充填されたインクに及んで、インク吐出口からインクが吐出される。
このインク吐出動作では、例えばエネルギー印加手段がインク吐出口よりもインク流動方向上流側に設けられた場合と比較して、インク流動方向下流側に設けられた絞り部では、インクの流動時(循環時)よりもエネルギー印加時の方が流体抵抗が大きくなる。これにより、エネルギー印加手段により印加されたエネルギーは、インク吐出口側へより大きく加えられるようになり、インク吐出効率が向上してインクを吐出するための消費エネルギーを抑えることができる。
また、インクの吐出後は、インクが循環路を循環してインク流路内では上流側から下流側へ流動していることにより、インク吐出口にインクが迅速に再充填される。これにより、エネルギー印加手段の駆動周波数が高められるようになり、インク吐出での駆動速度を向上させて印字速度を高めることができる。
また、インクジェット記録ヘッドのメンテナンス時には、循環路内のインクを印字動作時とは逆方向へ循環させることにより、インク吐出口及び絞り部で目詰まりが発生した場合に、その目詰まり発生させた異物等をインクジェット記録ヘッド内から循環路へ排出することができる。これにより、インク吐出口及び絞り部での目詰まりを確実に解消することができる。また、循環路へ排出された異物等は、循環路に設けられたフィルタユニットによってインク中から取り除かれるため、印字動作時に循環路内のインクを元の方向へ循環させても、異物等がインクジェット記録ヘッドに逆戻りしてインク吐出口及び絞り部で目詰まりを発生させることはない。
したがって、循環型のインクジェット記録ヘッドにおけるインク吐出口の目詰まり回復とインク吐出効率の向上とを両立させることができる。
請求項4に記載の発明は、前記循環路に、インクを通過させることでインク中の気泡をトラップする気泡トラップ手段が設けられていることを特徴としている。
請求項4に記載の発明では、循環路内に進入した気泡を気泡トラップ手段によりトラップして除去することができるため、循環路内での気泡の循環を防いでインクジェット記録ヘッドによるインクの吐出を安定させることができる。
請求項5に記載の発明は、前記気泡トラップ手段が前記フィルタユニットに一体化されていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明では、気泡トラップ手段をフィルタユニットに一体化することにより、それぞれを個別に構成して循環路に取り付ける場合に比べて、循環路の流路構成を簡素化することができ、また、気泡トラップ手段及びフィルタユニットの構成も簡素化することができる。
請求項1、2、3に記載の発明は、前記フィルタユニットは、前記循環路内のインクが前記順方向及び前記逆方向の何れの方向へ循環されてもトラップした異物を内部に保持可能な保持手段を有することを特徴としている。
請求項1、2、3に記載の発明では、フィルタユニットがトラップした異物は、循環路内のインク循環が正逆方向に切り換えられても保持手段により保持されるため、循環路へ流出することが防止される。
求項1に記載の発明は、前記保持手段は、前記フィルタユニット内に設けられ、インクが前記順方向へ循環されるときにはインクの流動圧力によって一方が開放されて他方が閉止され、インクが前記逆方向へ循環されるときにはインクの流動圧力によって一方が閉止されて他方が開放される逆止弁構造の一対のフィルタと、前記一対のフィルタの間に設けられトラップした異物を収容する収容部と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明では、保持手段を、逆止弁構造の一対のフィルタと、一対のフィルタの間に設ける収容部とによって実現することができ、このような逆止弁構造の一対のフィルタを有する保持手段であれば、駆動機構等が不要であり構成を簡素化することができる。
請求項2に記載の発明は、前記保持手段は、前記フィルタユニット内に設けられ、インクが前記順方向へ循環されるときには一方が開放されて他方が閉止され、インクが前記逆方向へ循環されるときには一方が閉止されて他方が開放される開閉構造の一対のフィルタと、前記一対のフィルタの間に設けられトラップした異物を収容する収容部と、を有することを特徴としている。
請求項2に記載の発明では、保持手段を、開閉構造の一対のフィルタと、一対のフィルタの間に設ける収容部とによって実現することができ、このような開閉構造の一対のフィルタを有する保持手段であれば、フィルタの開閉を制御することでインクの流動圧力等にフィルタの開閉状態が影響されることはないため、トラップした異物を確実に保持しておくことができる。
請求項3に記載の発明は、前記保持手段は、前記フィルタユニット内に設けられた2つの分割流路と、前記2つの分割流路の途中に設けられて各分割流路を閉塞する1つのフィルタと、前記2つの分割流路を選択的に開通及び閉鎖する開閉手段と、を有することを特徴としている。
請求項3に記載の発明では、保持手段を、フィルタユニット内に設ける2つの分割流路と、各分割流路を閉塞する1つのフィルタと、2つの分割流路を選択的に開通及び閉鎖する開閉手段とによって実現することができ、このような2つの分割流路を選択的に開通及び閉鎖する保持手段であれば、2つの分割流路の開閉を制御することでトラップした異物がインクの流動圧力等に影響されることはないため、トラップした異物を確実に保持しておくことができる。
請求項6に記載の発明は、前記フィルタユニットが前記循環路に着脱可能とされていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明では、フィルタユニットを循環路に着脱可能に構成することにより、容易に交換できるようになる。そのため、トラップした異物の量が多くなってトラップ機能に支障が出る前に、定期的に交換することにより、循環路内のインクを常にクリーンな状態に保つことができる。
本発明のインクジェット記録装置は上記構成としたので、循環型のインクジェット記録ヘッドにおけるノズルの目詰まり回復とインク吐出効率の向上とを両立させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係るインクジェット記録ヘッド及びインクジェット記録装置について説明する。
(第1の実施形態)
図1に示される本実施形態のインクジェット記録ヘッド10は、扁平な直方体状で、矢印Wで示される長手方向(幅方向)が用紙幅に対応した非走査型のフルラインヘッドとされており、図示のように4層に積層された圧電素子基板12、樹脂膜14、流路基板16、及び、ノズル基板18を備えている。
流路基板16の内部には、矢印Lで示される短手方向の一端側(図1では後端側)に、長手方向に略沿って延出された共通給液流路20が形成されており、他端側(図1では前端側)に、長手方向に略沿って延出された共通排液流路22が形成されている。
共通給液流路20には、共通給液流路20の底面から下方へ向けて、流路基板16、樹脂膜14、及び圧電素子基板12を貫通し、共通給液流路20とインクジェット記録ヘッド10の外部を連通させる流入路36が接続形成されている。圧電素子基板12の下面に開口形成されたこの流入路36の流入口(図示省略)には、インクジェット記録ヘッド10にインクを供給するための給液管106の一端が接続されている。
共通排液流路22には、共通排液流路22の底面から下方へ向けて、流路基板16、樹脂膜14、及び圧電素子基板12を貫通し、共通排液流路22とインクジェット記録ヘッド10の外部を連通させる流出路38が接続形成されている。圧電素子基板12の下面に開口形成されたこの流出路38の流出口(図示省略)には、インクジェット記録ヘッド10からインクを排出するための排液管108の一端が接続されている。
共通給液流路20と共通排液流路22の間には、短手方向に沿って延設された複数の隔壁部24により仕切られた複数の個別流路26が形成されており、これら複数の個別流路26と、共通給液流路20及び共通排液流路22は連通されている。
各個別流路26の底面における中央部には、矩形状の開口28がそれぞれ形成されている。各開口28には、流路基板16よりも下層に位置する圧電素子基板12に実装された複数の圧電素子30が対応して配置されており、各圧電素子30は、圧電素子基板12と流路基板16の間に設けられた樹脂膜14の下面にそれぞれ接触配置されている。この樹脂膜14が保護層となり、各圧電素子30は各個別流路26に充填されるインクによる腐食から保護される。
流路基板16の上層に位置するノズル基板18には、各個別流路26に対応するとともに長手方向に沿って配置された複数のノズル32が形成されている。
このノズル32は、図2に示されるように、圧電素子30よりも共通給液流路20側(インクの流動方向での上流側)に配置されている。また、個別流路26には、圧電素子30よりも共通排液流路22側(インクの流動方向での下流側)に絞り部34が設けられている。この絞り部34は、インクの流動方向における上流側が、個別流路26の流路断面積(最大断面積)から徐々に縮小されて最小断面積に至るテーパー状に形成されており、その最小断面積がノズル32の断面積よりも大きくされている。
次に、上記の構成とされたインクジェット記録ヘッド10を備える本実施形態のインクジェット記録装置について説明する。
図3に示されるように、本実施形態のインクジェット記録装置100には、液体インクを貯留するインクタンク102が設けられている。インクタンク102には、インク供給管104の一端が接続されており、インクタンク102に貯留されたインクはこのインク供給管104へ流入可能とされる。
インク供給管104の他端には、上述した給液管106の他端と排液管108の他端がそれぞれ接続されている。これらのインク供給管104、給液管106及び排液管108の接続部110は図示のように三又とされ、また、給液管106と排液管108が接続されることで、給液管106と排液管108とにより循環路112が構成されている。
給液管106の途中には、接続部110を介してインク供給管104から給液管106へ流入されたインクをインクジェット記録ヘッド10側へ流動させるインク循環用のポンプ114が接続されている。排液管108の接続部110近傍には、制御弁116が接続されており、この制御弁116は、排液管108の接続部110側を閉塞して排液管108とインク供給管104の連通状態を遮断し循環路112を大気開放する、又は、排液管108の接続部110側を開放して排液管108とインク供給管104の連通状態とし循環路112の大気開放を停止する切り替え動作をする。
また、給液管106におけるポンプ114とインクジェット記録ヘッド10の間、及び、排液管108におけるインクジェット記録ヘッド10と制御弁116の間には、インク中に存在する異物や気泡等を捕らえてインク中から取り除くフィルタユニット118、120が接続されている。これらのフィルタユニット118、120は、各管に着脱可能とされて交換できるよう構成されている。
また、インクジェット記録装置100には、装置の各駆動部を制御したり装置全体の動作を制御する制御部122が設けられている。制御部122には、インクジェット記録ヘッド10、ポンプ114、及び制御弁116が接続されており、この制御部122により、インクジェット記録ヘッド10は各圧電素子30が個別に駆動制御されて各ノズル32からのインク滴の吐出が制御され、ポンプ114は駆動及び駆動停止が制御され、制御弁116は循環路112の大気開放及びその停止が制御される。
次に、上記の構成とされた本実施形態のインクジェット記録装置100によるインクジェット記録ヘッド10へのインクの供給(充填)動作、循環路112でのインク循環動作、印字動作、及び、メンテナンス動作について説明する。
インクジェット記録装置100では、インクタンク102に貯留されたインクを循環路112とインクジェット記録ヘッド10に充填させる際に、制御部122が制御弁116を制御してインク供給管104と排液管108の連通状態を遮断し循環路112を大気開放させ、循環路112の大気開放後にポンプ114を駆動させる。
ポンプ114が駆動されると、インクタンク102からインク供給管104へインクが流入し、そのインクは、給液管106を通ってインクジェット記録ヘッド10へ供給される。さらに、インクジェット記録ヘッド10へ供給されたインクが排液管108へ流入し、インクがインクジェット記録ヘッド10と循環路112の全域に行き渡ると、制御部122は制御弁116を制御して排液管108をインク供給管104と連通状態にし、循環路112の大気開放を停止させる。
ここで、インクジェット記録ヘッド10内では、図1に示されるように、給液管106から流入路36へインクが流入し、そのインクは共通給液流路20を通って各個別流路26に流入する。さらに、各個別流路26に流入したインクは、共通排液流路22を通り、流出路38から排液管108へ流出される。このように、各個別流路26では、循環路112の上流側からインクが流入されて流路内がインクで充填されるとともにその流入されたインクは循環路112の下流側へ流出される。また、個別流路26に連通されたノズル32には、インクが個別流路26内の圧力によって流入し充填され、図2(A)、(B)に示されるように所定の液面位置に静止する。
これにより、循環路112とインクジェット記録ヘッド10にインクが充填される。なお、このインク充填では、インクジェット記録ヘッド10のノズル形成面10Aに図示しないバキューム装置を密着させ、そのバキューム装置によりノズル32に負圧を掛けて吸引するバキューム動作を併用してもよい。
インク充填後は、ポンプ114の駆動が継続され、インクが循環路112で循環されつつインクジェット記録ヘッド10に常に供給される。また、インク中に存在する異物や気泡等は、循環路112の途中に設けられたフィルタユニット118、120により捕らえてインク中から取り除かれる。
インクジェット記録装置100による印字動作では、制御部122に印字命令が入力されると、制御部122は印字データに基づいてインクジェット記録ヘッド10の各圧電素子30を駆動制御する。駆動された圧電素子30は、図4に示されるように、樹脂膜14を押圧し個別流路26内へ膨出するよう変形して個別流路26に充填されたインクを加圧する。この加圧により、インクに吐出エネルギーが印加されてノズル32からインク滴idが吐出される。
そして、ノズル32から吐出されるインク滴idは、図3に示されるように、インクジェット記録ヘッド10のノズル形成面10A側に位置して所定の方向へ搬送される用紙Pに着弾する。これにより、インクジェット記録装置100によって用紙Pに画像が記録される。また、インクジェット記録ヘッド10からのインク吐出により消費された分のインクは、インクタンク102から供給されるインクにより循環路112に補充される。
また、インクジェット記録装置100のメンテナンス動作では、制御部122は、循環路112内のインクが上記の印字動作時とは逆方向へ循環されるようポンプ114を駆動制御する。これにより、図5に示されるように、循環路112内ではインクが印字動作時とは逆方向へ循環される。
ここで、ノズル32や絞り部34で目詰まりが発生した場合には、循環路112内のインクが印字動作時とは逆方向へ循環されることにより、その目詰まりを発生させた異物等は、インクジェット記録ヘッド10内から給液管106へ排出され、給液管106に設けられたフィルタユニット118を通過することでインク中から取り除かれる。
次に、上述したインクジェット記録ヘッド10を備えるインクジェット記録装置100による作用について説明する。
本実施形態では、インクジェット記録ヘッド10に循環路112を通してインクが供給され、インクジェット記録装置100による印字動作では、ポンプ114が駆動されて循環路112内のインクが所定の方向へ循環される。この状態で、インクジェット記録ヘッド10の圧電素子30を駆動し、圧電素子30によって樹脂膜14を押圧し個別流路26内のインクを加圧すると(吐出エネルギー印加)、その圧力はノズル32に充填されたインクに及んで、ノズル32からインク滴idが吐出される。
このインク吐出動作では、例えば従来のように圧電素子等の駆動源(エネルギー印加手段)がノズルよりもインク流動方向上流側に設けられた場合に比べ、インク流動方向下流側に設けられた絞り部34では、インクの流動時(循環時)よりも加圧時の方が流体抵抗が大きくなる。これにより、圧電素子30により発生された圧力は、ノズル32側へより大きく加えられるようになる。したがって、インク吐出効率が向上しインクを吐出するための消費エネルギーを抑えることができる。
また、インクの吐出後は、インクが循環路112を循環して個別流路26内では上流側から下流側へ流動していることにより、例えば従来のように印字動作時にインクを循環させていない場合と比べ、ノズル32へのインク再充填速度が高められる。したがって、圧電素子30の駆動周波数が高められるようになり、インク吐出での駆動速度を向上させて印字速度を高めることができる。
また、本実施形態のインクジェット記録ヘッド10では、ノズル32よりも印字動作時のインク流動方向下流側に圧電素子30を配置し、さらに圧電素子30よりもインク流動方向下流側に絞り部34を設けることにより、上述したようにインク吐出効率の向上を実現できているが、このような構成のインクジェット記録ヘッドでは、メンテナンス時に循環路112内のインクを印字動作時と同じ方向へ循環させると、絞り部34では、目詰まり発生要因の異物等が下流側へ流出しにくくなり、また、ノズル32から流出された異物等は絞り部34で詰まりを起こし易くなるため、それらの目詰まりを解消できない恐れがある。
これに対し、本実施形態では、メンテナンス時に循環路112内のインクを印字動作時とは逆方向へ循環させることにより、ノズル32及び絞り部34で目詰まりが発生した場合に、その目詰まり発生させた異物等をインクジェット記録ヘッド10内から循環路112(給液管106)へ排出することができる。これにより、ノズル32及び絞り部34での目詰まりを確実に解消することができる。また、循環路112へ排出された異物等は、循環路112の給液管106に設けられたフィルタユニット118によってインク中から取り除かれるため、印字動作時に循環路112内のインクを元の方向へ循環させても、異物等がインクジェット記録ヘッド10に逆戻りしてノズル32及び絞り部34で目詰まりを発生させることはない。
したがって、本実施形態のインクジェット記録装置100では、循環型のインクジェット記録ヘッド10におけるノズル32の目詰まり回復とインク吐出効率の向上とを両立させることができる。
第2〜第4の実施形態は、第1の実施形態に係るインクジェット記録装置100において、循環路112内のインクが順方向及び逆方向の何れに循環された場合でも、インク中から異物等を取り除くことができるフィルタユニットの具体例を示したものであり、以下、第2〜第4の実施形態に係るフィルタユニットの構成及びインク中の異物等をトラップする動作について説明する。なお、第2〜第4の実施形態で説明するフィルタユニットは全て、循環路112の給液管106及び排液管108の何れにも取り付けることができるが、以下では、給液管106に取り付けるフィルタユニットを用いて説明する。
(第2の実施形態)
図6に示されるように、第2実施形態のフィルタユニット130は、内部が空洞とされた扁平ケース状のユニット本体132を備えている。ユニット本体132の両側面には連結口134A、134Bが形成されており、これらの連結口134A、134Bにそれぞれ給液管106が差し込まれることにより、フィルタユニット130は給液管106の途中に取り付けられている。また、給液管106を連結口134A、134Bに連結及び連結解除することによって、フィルタユニット130は給液管106の途中に容易に着脱できるようにされている。
ユニット本体132内には、2枚のフィルタ136A、136Bが所定の間隔を置いて配置されている。このフィルタ136A、136Bによって、ユニット本体132内の空間は、フィルタ136A、136Bの間に区画形成されて異物等を収容する収容室138と、収容室138の両隣に形成されたインク流出入室140A、140Bとの3室に分割されている。また、インク流出入室140A、140Bは、連結口134A、134Bに差し込まれた給液管106と連通され、これにより、インク流出入室140A、140Bには給液管106からインクが流入され、又、インク流出入室140A、140Bから給液管106へインクが流出される。
フィルタ136A、136Bは、ユニット本体132内を流動するインクの圧力によって開閉する逆止弁構造とされている。この逆止弁構造として、本実施形態では、フィルタ136A、136Bは図示しない枠状のフレームによって囲われており、そのフレームの上端部がユニット本体132の上部内壁面に回動可能に軸支されて、フレームと共に開閉する構造されている。また、ユニット本体132の下部内壁面には、フィルタ136A、136Bに対応するストッパー142A、142Bが設けられている。フィルタ136A、136Bは、このストッパー142A、142Bに先端部(下端部)の外縁を密着させることで閉止状態となり、インク流出入室140A、140B側へは開放せずに収容室138側だけに開放する。
本実施形態のフィルタユニット130は以上の構成とされており、このフィルタユニット130では、図6(A)に示されるように、循環路112内のインクが印字動作時に順方向へ循環されると(矢印A方向)、インク流出入室140Aから収容室138側へ流動するインクの圧力によってフィルタ136Aが開放する。また、フィルタ136Bは、収容室138からインク流出入室140B側へ流動するインクの圧力によって閉止状態に保持される。ここで、開放されたフィルタ136Aはフィルタ機能を果たさないため、上流側となるポンプ114側の給液管106からフィルタユニット130内へ運ばれた異物Cは、インク流出入室140Aを通過して収容室138に入り、フィルタ136Bにトラップされる。
また、図6(B)に示されるように、循環路112内のインクがメンテナンス時に逆方向へ循環されると(矢印B方向)、インク流出入室140Bから収容室138側へ流動するインクの圧力によってフィルタ136Bが開放し、フィルタ136Aは、収容室138からインク流出入室140A側へ流動するインクの圧力によって閉止状態に保持される。この場合、印字動作時とは逆に、開放されたフィルタ136Bがフィルタ機能を果たなくなるため、この逆方向の循環では上流側となるインクジェット記録ヘッド10側の給液管106からフィルタユニット130内へ運ばれた異物Cは、インク流出入室140Bを通過して収容室138に入り、フィルタ136Aにトラップされる。
また、収容室138内に収容された異物Cは、インクの流動方向が変わると、そのインクの流動圧力を受けて収容室138内をインク流動方向へ移動する。しかし、移動先に存在するフィルタ136A又はフィルタ136Bは閉止されているため、そのフィルタ136A又はフィルタ136Bにトラップされて収容室138内からインク流出入室140A、140Bへ流出することはない。
このように、本実施形態のフィルタユニット130では、循環路112内のインク循環が正逆方向に切り換えられても、インク中に存在する異物を確実にトラップすることができ、また、トラップした異物等を循環路112へ流出させることはない。また、このフィルタユニット130は、循環路112に着脱可能に構成されているため、容易に交換することができる。そのため、収容した異物の量が多くなってフィルタ136A、136Bの開閉に支障が出る前に、定期的に交換することにより、循環路112内のインクを常にクリーンな状態に保つことができる。
また、本実施形態のフィルタユニット130では、循環路112内のインクが順方向及び逆方向の何れの方向へ循環されてもトラップした異物を内部に保持することができ、このような保持機構(保持手段)を、逆止弁構造の一対のフィルタ136A、136Bと、一対のフィルタ136A、136Bの間に設けた収容室138とによって実現できている。このような逆止弁構造の一対のフィルタ136A、136Bを有する保持機構であれば、駆動機構等が不要であり構成を簡素化することができる。
(第3の実施形態)
図7に示されるように、第3実施形態のフィルタユニット150は、内部が空洞とされた矩形箱状のユニット本体152を備えている。ユニット本体152の下面には連結口154A、154Bが形成されており、これらの連結口154A、154Bにそれぞれ給液管106が差し込まれることにより、フィルタユニット150は給液管106の途中に取り付けられている。また、第2実施形態のフィルタユニット130と同様に、給液管106を連結口154A、154Bに連結及び連結解除することによって、フィルタユニット150が給液管106の途中に着脱可能とされている。
このユニット本体152内にも、2枚のフィルタ156A、156Bが所定の間隔を置いて配置されている。ユニット本体152内の空間は、フィルタ156A、156Bの間に形成された異物等を収容する収容室158、収容室158の両隣に形成されたインク流出入室160A、160Bに分割され、インク流出入室160A、160Bには、連結口154A、154Bに差し込まれた給液管106を通してインクが流出入可能とされている。
ユニット本体152の側面上部には、ユニット本体152内に充填されたインクの液面高さを制御する制御弁162が接続されている。この制御弁162によって、ユニット本体152内に充填されたインクiは一定以上の液面高さを保持するよう制御され、また、ユニット本体152内の上部には空気溜まりARが形成される。
フィルタ156A、156Bは、図示しない移動機構により、ユニット本体152の上面に形成されたスリット164A、164Bを通して上下に移動するよう構成されている。このフィルタ156A、156Bは、下降位置では、上端部がスリット164A、164Bを塞いでユニット本体152内の気密性を保つとともに、下端縁がユニット本体132内の底面に密着して閉止状態となる。また、上昇位置では、下端縁がインクiの液面高さよりも少し高い位置に停止されて開放状態となる。
本実施形態のフィルタユニット150は以上の構成とされており、このフィルタユニット150では、通常は、フィルタ156A、156Bが共に閉止状態とされており、印字動作時には、図7(A)に示されるように、フィルタ156Bは閉止状態のままとされ、フィルタ156Aが開放される。これにより、循環路112内のインクが順方向へ循環されると(矢印A方向)、ポンプ114側の給液管106からフィルタユニット150内へ運ばれた異物Cは、インク流出入室160Aを通過して収容室158に入り、フィルタ156Bにトラップされる。
また、メンテナンス時には、図7(B)に示されるように、フィルタ156Aが閉止された後にフィルタ156Bが開放される。これにより、循環路112内のインクが逆方向へ循環されると(矢印B方向)、インクジェット記録ヘッド10側の給液管106からフィルタユニット150内へ運ばれた異物Cは、インク流出入室160Bを通過して収容室158に入り、フィルタ156Aにトラップされる。
また、収容室158内に収容された異物Cは、インクの流動方向が変わると、そのインクの流動圧力を受けて収容室138内をインク流動方向へ移動する。しかし、移動先に存在するフィルタ156A又はフィルタ156Bは、インクの流動方向が変わる前に閉止されるため、そのフィルタ136A又はフィルタ136Bにトラップされて収容室158内からインク流出入室160A、160Bへ流出することはない。
また、このフィルタユニット150では、制御弁162により、ユニット本体132内に充填されたインクiの液面高さを一定に保って空気溜まりARを形成しているため、インクジェット記録ヘッド10のノズル形成面10Aやインクカートリッジ(インクタンク102)から循環路112内へ気泡が進入した場合には、その気泡Dはフィルタユニット150内に入り込むとインクi中から空気溜まりARへ排出されて消滅する。
このように、本実施形態のフィルタユニット150では、第2実施形態のフィルタユニット130と同じ効果が得られ、さらに、循環路112内に進入した気泡をトラップして除去することができるため、循環路112内での気泡の循環を防いでインクジェット記録ヘッド10によるインクの吐出を安定させることができる。
また、本実施形態では、上記のように循環路112内の気泡をトラップする機構(気泡トラップ手段)がフィルタユニットに一体化されていることにより、それぞれを個別に構成して循環路112に取り付ける場合に比べて、循環路112の流路構成を簡素化することができる。また、気泡トラップ手段及びフィルタユニットの構成も簡素化することができる。
また、本実施形態では、トラップした異物をフィルタユニット150内に保持する保持機構を、開閉構造の一対のフィルタ156A、156Bと、一対のフィルタ156A、156Bの間に設けた収容室158とによって実現できている。このような開閉構造の一対のフィルタ156A、156Bを有する保持機構であれば、フィルタ156A、156Bの開閉を制御することでインクの流動圧力等にフィルタ156A、156Bの開閉状態が影響されることはないため、トラップした異物を確実に保持しておくことができる。
(第4の実施形態)
図8に示されるように、第4実施形態のフィルタユニット170は、内部が空洞とされた扁平ケース状のユニット本体172を備えている。このフィルタユニット170は、第1実施形態と同様に、ユニット本体172の両側面に形成された連結口174A、174Bに給液管106が差し込まれることで、給液管106の途中に取り付けられており、その給液管106を通してユニット本体172内にインクが流出入可能とされている。また、給液管106を連結口174A、174Bに連結及び連結解除することによって、給液管106の途中に着脱できるようにされている。
ユニット本体172内の中央には、左右方向に沿って延出された流路分割部材176が設けられている。ユニット本体172内に形成されたインク流路は、この流路分割部材176によって一部が上下に2分割されている(分割流路部184A、184B)。
流路分割部材176の中央部には、スリット178が形成されている。スリット178には、1枚のフィルタ180がインク流路を塞ぐようように差し込まれて取り付けられており、ユニット本体172内のインク流路は、このフィルタ180によってさらに左右に2分割されている。
また、流路分割部材176の左右側端部には、上記の上下に分割された2つの分割流路部184A、184Bを開通及び閉鎖する流路開閉部材182A、182Bが設けられている。流路開閉部材182A、182Bは、図示しない移動機構によって、図8(A)、(B)に示されるように、一方の流路を開通させたときには他方の流路を閉鎖する2つの位置に移動可能とされている。
本実施形態のフィルタユニット170は以上の構成とされており、このフィルタユニット170では、通常は、流路開閉部材182A、182Bが互いに逆の位置(図8の場合では一方が上側で他方が下側)に配置されており、印字動作時には、例えば図8(A)に示されるように、流路開閉部材182A、182Bが共に下側に配置されて上側の分割流路部184Aが開通される。これにより、循環路112内のインクが順方向へ循環されると(矢印A方向)、ポンプ114側の給液管106からフィルタユニット170内へ運ばれた異物C1は、分割流路部184Aに入り込み、フィルタユニット170にトラップされる。
また、メンテナンス時には、図8(B)に示されるように、流路開閉部材182A、182Bが共に上側に配置されて下側の分割流路部184Bが開通される。これにより、循環路112内のインクが逆方向へ循環されると(矢印B方向)、インクジェット記録ヘッド10側の給液管106からフィルタユニット170内へ運ばれた異物C2は、分割流路部184Bに入り込み、フィルタユニット170にトラップされる。
また、インク循環が停止される際は、流路開閉部材182Aが上側に、流路開閉部材182ABが下側に配置され、フィルタユニット170にトラップされた異物C1、C2は、分割流路部184A、184B内に収容された状態となり、フィルタユニット170にトラップされた異物が循環路112へ流出することはない。
このように、本実施形態のフィルタユニット170でも、第1実施形態のフィルタユニット130と同じ効果が得られ、さらに、1枚のフィルタ180でもインク循環方向の正逆切り換えに対応できるため、構成を簡素化することができる。また、フィルタ180にトラップされた異物は、インク循環時に分割流路部184A、184Bが開通されたときにはインクの流動圧力によってフィルタ180に押し付けられ、また、インク循環時に分割流路部184A、184Bが閉鎖されたとき、及び、インク循環停止時には、インクの流動圧力が加わることはない。そのため、このフィルタユニット170では、分割流路部184A、184B内での異物の移動が少なくされ、異物をより確実にトラップしておくことができる。
以上、本発明を上述した第1〜第4の実施形態により詳細に説明したが、本発明はそれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の形態が実施可能である。
例えば、インク流路内のインクに吐出エネルギーを印加するエネルギー印加手段は、上述したように、電圧を印加することで変形する圧電素子の他に、電圧を印加することで発熱する発熱素子等を用いることもできる。
本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録ヘッドの外観とその内部構成を部分破断にて示す斜視図である。 (A)は図1のインクジェット記録ヘッドにおける個別流路付近を模式的に示す縦断面図、(B)は(A)の2(B)部を拡大した拡大図、(C)は(A)の2(C)部を拡大した拡大図である。 本発明の第1の実施形態に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す構成図である。 (A)は図2(A)に対応するインク吐出時におけるインクジェット記録ヘッドの個別流路付近を模式的に示す縦断面図、(B)は(A)の4(B)部を拡大した拡大図、(C)は(A)の4(C)部を拡大した拡大図である。 図3のインクジェット記録装置におけるメンテナンス時のインク循環方向を示す説明図である。 本発明の第2の実施形態に係るフィルタユニット1の概略構成を示す構成図である。 本発明の第3の実施形態に係るフィルタユニット1の概略構成を示す構成図である。 本発明の第4の実施形態に係るフィルタユニット1の概略構成を示す構成図である。
符号の説明
10 インクジェット記録ヘッド
26 個別流路(インク流路)
30 圧電素子(エネルギー印加手段)
32 ノズル(インク吐出口)
34 絞り部
100 インクジェット記録装置
102 インクタンク(インク貯留手段)
106 給液管(循環路)
108 排液管(循環路)
110 接続部(循環路)
112 循環路
114 ポンプ(循環手段)
118、120 フィルタユニット
130 フィルタユニット
136A、136B フィルタ(逆止弁構造の一対のフィルタ)
138 収容室
150 フィルタユニット
156A、156B フィルタ(開閉構造の一対のフィルタ)
158 収容室
170 フィルタユニット
184A、184B 分割流路部(2つの分割流路)
180 フィルタ
182A、182B 流路開閉部材(開閉手段)
id インク滴

Claims (6)

  1. 記録媒体にインクを吐出して印字を行うインクジェット記録ヘッドと、
    前記インクジェット記録ヘッドに供給するインクが貯留されるインク貯留手段と、
    前記インクジェット記録ヘッドと前記インク貯留手段に接続され、インク貯留手段から流入されたインクをインクジェット記録ヘッドへ供給しつつ循環させるための循環路と、
    前記循環路に設けられ、循環路内のインクを循環させる循環手段と、
    前記循環路における前記インクジェット記録ヘッドよりもインク流動方向上流側で且つインクジェット記録ヘッドと前記循環手段の間に設けられ、インクを通過させることでインク中の異物をトラップするフィルタユニットと、
    前記インクジェット記録ヘッドに設けられ、前記循環路の上流側からインクが流入されるとともにその流入されたインクを循環路の下流側へ流出させるインク流路と、
    前記インク流路に連通されたインク吐出口と、
    前記インク流路に前記インク吐出口よりもインク流動方向下流側に設けられ、インク流路内のインクに吐出エネルギーを印加するエネルギー印加手段と、
    前記インク流路に前記エネルギー印加手段よりもインク流動方向下流側に設けられ、インク流路の断面積を狭める絞り部と、
    を備え、
    印字動作時には前記循環路内のインクを順方向へ循環させ、前記インクジェット記録ヘッドのメンテナンス時には循環路内のインクを印字動作時とは逆方向へ循環させ、
    前記フィルタユニットは、前記循環路内のインクが前記順方向及び前記逆方向の何れの方向へ循環されてもトラップした異物を内部に保持可能な保持手段を有し、
    前記保持手段は、前記フィルタユニット内に設けられ、インクが前記順方向へ循環されるときにはインクの流動圧力によって一方が開放されて他方が閉止され、インクが前記逆方向へ循環されるときにはインクの流動圧力によって一方が閉止されて他方が開放される逆止弁構造の一対のフィルタと、前記一対のフィルタの間に設けられトラップした異物を収容する収容部と、を有するインクジェット記録装置。
  2. 記録媒体にインクを吐出して印字を行うインクジェット記録ヘッドと、
    前記インクジェット記録ヘッドに供給するインクが貯留されるインク貯留手段と、
    前記インクジェット記録ヘッドと前記インク貯留手段に接続され、インク貯留手段から流入されたインクをインクジェット記録ヘッドへ供給しつつ循環させるための循環路と、
    前記循環路に設けられ、循環路内のインクを循環させる循環手段と、
    前記循環路における前記インクジェット記録ヘッドよりもインク流動方向上流側で且つインクジェット記録ヘッドと前記循環手段の間に設けられ、インクを通過させることでインク中の異物をトラップするフィルタユニットと、
    前記インクジェット記録ヘッドに設けられ、前記循環路の上流側からインクが流入されるとともにその流入されたインクを循環路の下流側へ流出させるインク流路と、
    前記インク流路に連通されたインク吐出口と、
    前記インク流路に前記インク吐出口よりもインク流動方向下流側に設けられ、インク流路内のインクに吐出エネルギーを印加するエネルギー印加手段と、
    前記インク流路に前記エネルギー印加手段よりもインク流動方向下流側に設けられ、インク流路の断面積を狭める絞り部と、
    を備え、
    印字動作時には前記循環路内のインクを順方向へ循環させ、前記インクジェット記録ヘッドのメンテナンス時には循環路内のインクを印字動作時とは逆方向へ循環させ、
    前記フィルタユニットは、前記循環路内のインクが前記順方向及び前記逆方向の何れの方向へ循環されてもトラップした異物を内部に保持可能な保持手段を有し、
    前記保持手段は、前記フィルタユニット内に設けられ、インクが前記順方向へ循環されるときには一方が開放されて他方が閉止され、インクが前記逆方向へ循環されるときには一方が閉止されて他方が開放される開閉構造の一対のフィルタと、前記一対のフィルタの間に設けられトラップした異物を収容する収容部と、を有するインクジェット記録装置。
  3. 記録媒体にインクを吐出して印字を行うインクジェット記録ヘッドと、
    前記インクジェット記録ヘッドに供給するインクが貯留されるインク貯留手段と、
    前記インクジェット記録ヘッドと前記インク貯留手段に接続され、インク貯留手段から流入されたインクをインクジェット記録ヘッドへ供給しつつ循環させるための循環路と、
    前記循環路に設けられ、循環路内のインクを循環させる循環手段と、
    前記循環路における前記インクジェット記録ヘッドよりもインク流動方向上流側で且つインクジェット記録ヘッドと前記循環手段の間に設けられ、インクを通過させることでインク中の異物をトラップするフィルタユニットと、
    前記インクジェット記録ヘッドに設けられ、前記循環路の上流側からインクが流入されるとともにその流入されたインクを循環路の下流側へ流出させるインク流路と、
    前記インク流路に連通されたインク吐出口と、
    前記インク流路に前記インク吐出口よりもインク流動方向下流側に設けられ、インク流路内のインクに吐出エネルギーを印加するエネルギー印加手段と、
    前記インク流路に前記エネルギー印加手段よりもインク流動方向下流側に設けられ、インク流路の断面積を狭める絞り部と、
    を備え、
    印字動作時には前記循環路内のインクを順方向へ循環させ、前記インクジェット記録ヘッドのメンテナンス時には循環路内のインクを印字動作時とは逆方向へ循環させ、
    前記フィルタユニットは、前記循環路内のインクが前記順方向及び前記逆方向の何れの方向へ循環されてもトラップした異物を内部に保持可能な保持手段を有し、
    前記保持手段は、前記フィルタユニット内に設けられた2つの分割流路と、前記2つの分割流路の途中に設けられて各分割流路を閉塞する1つのフィルタと、前記2つの分割流路を選択的に開通及び閉鎖する開閉手段と、を有するインクジェット記録装置。
  4. 前記循環路に、インクを通過させることでインク中の気泡をトラップする気泡トラップ手段が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記気泡トラップ手段が前記フィルタユニットに一体化されていることを特徴とする請求項4記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記フィルタユニットが前記循環路に着脱可能とされていることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項記載のインクジェット記録装置。
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