JP3414559B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3414559B2 JP27217495A JP27217495A JP3414559B2 JP 3414559 B2 JP3414559 B2 JP 3414559B2 JP 27217495 A JP27217495 A JP 27217495A JP 27217495 A JP27217495 A JP 27217495A JP 3414559 B2 JP3414559 B2 JP 3414559B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に関し、特にフィルタ室を有するインクジェット
記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、インク滴を
吐出するための複数のノズルと、各ノズルに対応して設
けた電気機械変換素子や発熱抵抗体などのアクチュエー
タとを備えたインクジェットヘッドを用いて、記録信号
に応じてノズルからインク滴を記録材(インク滴が付着
するもの)に吐出することによって、高速、高密度、高
品質の記録を行なうものである。
【0003】このようなインクジェット記録装置におい
ては、ノズルからインク滴を吐出するための液室内にイ
ンク以外の例えば気泡、ゴミ等が存在すると、ノズルの
目詰りが発生したり、インク滴の吐出特性(噴射特性)
が変動してしまい、例えば、複数の加圧液室を有し、複
数のノズルからインク滴を吐出させるマルチノズルタイ
プのヘッドにあっては、気泡やゴミ等の有無により噴射
特性がばらつき、印字される文字や画像が乱れて画像品
質が低下するなどの問題が生じる。
【0004】そこで、従来の例えば特開昭51−882
24号公報に記載されているインクジェット記録装置に
おいては、図7に示すように、インク供給路101中に
インクに含まれる異物等を除去するためのフィルタ装置
102を配置すると共に、そのフィルタ装置102の上
流側にインク中の空気を捕集する空気捕集器103を設
け、この空気捕集器103で捕集した空気は空気抜き装
置104から排出できるようにしている。
【0005】また、特開昭62−257857号公報に
記載されているインクジェット記録装置においては、図
9及び図10に示すように、インク供給路中に設けたフ
ィルタ112を有するフィルタ室111の入口孔113
を出口孔114よりも高い位置に形成することにより、
インク初期充填時に気泡が発生しないようにし、出口孔
114からヘッドに気泡が流入しないようにしている。
【0006】さらに、従来のインクジェット記録装置に
おいては、インクカートリッジを接続する場合に、図1
1に示すような連結管121をインクカートリッジに差
込むことによってインクを供給するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の図8に示すインクジェット記録装置にあって
は、インクカートリッジ交換等によって混入する気泡が
フィルタ装置のフィルタに付着したような場合には、気
泡をフィルタから剥離して空気捕集器にて捕集すること
が困難であり、すべての気泡を捕集することは不可能で
ある。
【0008】また、図9及び図10に示すインクジェッ
ト記録装置にあっても、気泡がフィルタ室のフィルタに
付着したような場合或いは図11に示すように気泡Bが
フィルタ室111の内壁面に付着したような場合には、
気泡を除去することが困難である。
【0009】さらに、図11に示す連結管を用いてイン
クカートリッジを接続するインクジェット記録装置にあ
っては、インクカートリッジ交換時の衝撃によって、同
図に示すように連結管121内にインク122と共に気
泡Bが混入することが多く、この気泡がヘッドに流入し
てしまう。
【0010】特に、最近のインクジェットヘッドは、多
ノズル化と、高周波駆動化によってインク流量が増大し
ていると共に、高解像度化によってノズル径が小さくな
り、フィルタの開口径も小さくなっている。そのため、
フィルタ室の内壁面やフィルタ自体に付着している気泡
によって、フィルタの有効面積が小さくなると共に、イ
ンク流量の確保ができなくなり、ヘッドへのインクの円
滑な供給が妨げられてヘッドの噴射特性が変化し、印字
不良等の発生原因となっている。
【0011】このように、従来のインクジェット記録装
置にあっては、インク中への気泡の混入防止や混入した
気泡の除去を充分に行うことができず、画像品質が低下
するという課題がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、請求項1のインクジェット記録装置は、入口孔と出
口孔とを有し、これらの入口孔と出口孔との間にフィル
タを設けたフィルタ室をインク供給路中に設けたインク
ジェット記録装置において、前記フィルタ室の出口孔側
のフィルタと対向する面に渦巻状の溝又は突起を設け
た。
【0013】請求項2のインクジェット記録装置は、上
記請求項1のインクジェット記録装置において、前記フ
ィルタ室の入口孔側のフィルタと対向する面に、前記出
口孔側と逆方向の渦巻状の溝又は突起を設けた。
【0014】請求項3のインクジェット記録装置は、一
方にヘッドに連結する出口孔を、他方にフィルタを設け
たフィルタ室を有し、前記フィルタの面に交換可能なイ
ンクカートリッジを接続するインクジェット記録装置に
おいて、前記フィルタ室の出口孔側のフィルタと対向す
る面に渦巻状の溝又は突起を設けた。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。図1は本発明の第1実施例を
示すインクジェット記録装置のフィルタ装置の断面図、
図2は図1の側断面図である。
【0016】このインクジェット記録装置はインク供給
路中にフィルタ装置1を設けている。このフィルタ装置
1は、内部にフィルタ室2を形成して、このフィルタ室
2にインク中の異物等を除去するフィルタ3を設け、こ
のフィルタ3の上流側にはフィルタ室2内にインクを流
入するための入口孔4を形成し、フィルタ3の下流側に
はインクをインクジェットヘッド側へ流出させるための
出口孔5を形成している。
【0017】そして、このフィルタ室2の出口孔5側の
フィルタ3と対向する面2aには渦巻状の溝6,6を設
けている。この渦巻き状の溝6,6は、フィルタ室2内
のインクが出口孔5から流出するときに、インクに対し
てフィルタ室3外周面から出口孔5に向かって左回転方
向(右回転方向でもよい。)の渦巻き状の流れを発生さ
せる方向に形成している。なお、渦巻き状の溝6に代え
て渦巻き状の突起を設けることもできる。
【0018】このように構成したので、インク充填や目
詰り防止のために吸引ポンプ等を駆動したときに、フィ
ルタ室2の渦巻き状の溝6,6の部分の流量が他の部分
の流量より多くなり、その流れによってフィルタ室2全
体に図2に矢印で示すように左回転の渦巻き状の流れが
発生し、この渦巻き状の流れによってフィルタ室2の内
壁面に付着する気泡やフィルタ3自体に付着している気
泡を剥離して出口孔5から排出することができる。な
お、出口孔5から流出した気泡は、例えばインクジェッ
トヘッドに設けられる気泡排出用のダミーノズルから排
出される。
【0019】つまり、図3に示すようにフィルタ室2の
面2aに渦巻き状の溝6を設けていない場合には、イン
クは矢印で示すように出口孔5に向かう流れが大きくな
り、フィルタ3の周縁部やフィルタ室2の内壁面には流
れが殆ど生じないために、フィルタ3の周縁部に付着す
る気泡がそのまま残留して、フィルタ3の有効面積が小
さくなると共に、流れの小さいフィルタ2の内壁面に付
着した気泡Bがそのまま残留し、さらにフィルタ3の有
効面積を小さくすることになる。
【0020】これに対して、本実施例のようにフィルタ
室内に渦巻き状の流れを発生させることによって、フィ
ルタ室2全体にインクの大きな流れを生じさせることが
できて、フィルタ3の周縁部に付着している気泡やフィ
ルタ室2の内壁面に付着している気泡を剥離することが
でき、フィルタ3全面を有効に使用することができるよ
うになる。
【0021】したがって、多ノズル化、高周波駆動化、
高解像度化によってインク流量が増大し、フィルタの開
口径が小さくなっている場合であっても、フィルタやフ
ィルタ室全体を有効に使用することができて、充分なイ
ンク流量を確保することができるようになり、ヘッドへ
のインクの円滑な供給を行うことでき、ヘッドの噴射特
性の安定化を図れ、画像品質が向上する。
【0022】次に、図4は本発明の第1実施例を示すイ
ンクジェット記録装置のフィルタ装置の要部断面図、図
5は図2の側断面図である。このインクジェット記録装
置のフィルタ装置11は、上記第1実施例のフィルタ装
置1において、フィルタ室2の入口孔4側のフィルタ3
と対向する面2bには渦巻き状の溝7,7を形成して、
各渦巻き状の溝7,7に入口孔4から分岐した2つの流
路孔4a,4bをそれぞれ連通させている。
【0023】この渦巻き状の溝7,7は出口側の渦巻き
状の溝6,6とは逆方向の渦巻き状に形成することで、
インクに対して渦巻き状の溝6,6による回転方向と同
じ回転方向の流れを発生させる。なお、渦巻き状の溝7
に代えて渦巻き状の突起を設けることもできる。
【0024】このように構成したので、インク充填や目
詰り防止のために吸引ポンプ等を駆動したとき、入口孔
4から流路孔4a,4bを介してインクがフィルタ室2
内に流入する際に渦巻き状の溝7,7によって左方向の
渦巻き状の流れが発生し、出口孔5側の渦巻き状の溝
6,6による左方向の渦巻き状の流れと相まって、フィ
ルタ室3全体に渦巻き状の流れが発生するので、この渦
巻き状の流れによってフィルタ3自体に付着する気泡や
フィルタ室2の内壁面に付着する気泡が剥がされ、残留
気泡を一層低減することができる。また、脱気インクを
用いることにより、気泡のインクへの溶解性が高くなっ
て残留気泡をなくすることができる。
【0025】次に、図6は本発明の第3実施例を示すイ
ンクジェット記録装置のインクカートリッジとの連結部
を示す要部説明図、図7は図6のフィルタ装置の断面図
である。このインクジェット記録装置は、インクジェッ
トヘッド21の全面にノズルを形成したノズル部22を
有し、インクジェットヘッド21に連結した連結供給路
23の先端部にフィルタ装置24を取り付けている。そ
して、このインクジェットヘッド21は、フィルタ装置
24を介してインクカートリッジ25のインク吸収体2
6に吸収されているインクの供給を受ける。なお、イン
クカートリッジ25の上部には大気開放孔27を形成し
ている。
【0026】ここで、フィルタ装置23は、図7に示す
ようにフィルタ室2の前面にインクカートリッジ25に
接続するフィルタ3を設けると共に、フィルタ室2から
インクジェットヘッド21に連結供給路23を介して連
結する出口孔5を形成すると共に、出口孔5側のフィル
タ3と対向する面に渦巻状の溝6(又は突起でもよ
い。)を設けている。
【0027】このように構成したので、インクカートリ
ッジ25を装着したとき内部のインク吸収体27とフィ
ルタ装置24のフィルタ3とが密着して、インク吸収体
27に吸収されているインクがフィルタ3を通過してフ
ィルタ室2から出口孔5を介してインクジェットヘッド
21に供給される。
【0028】このとき、インクカートリッジ交換時の衝
撃等があっても、フィルタ3とノズル部22のノズルの
毛細管力によって、インクがノズルやフィルタ3から外
部に流れ出ることが防止され、気泡の混入を防止するこ
とができる。また、渦巻状の溝6による渦巻き状の流れ
を発生させることでフィルタ3やフィルタ室2内壁面に
付着した気泡を除去することができることは、上記第
1、第2実施例と動揺である。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1のインク
ジェット記録装置によれば、フィルタ室の出口孔側のフ
ィルタと対向する面に渦巻状の溝又は突起を設けたの
で、フィルタ室内に渦巻き状の流れを発生させてフィル
タ室やフィルタに付着した気泡を取り除くことができ、
フィルタ面積を大きくすることなくインク流量を充分確
保できると共に、残留気泡を低減することができて、画
像品質を向上することができる。
【0030】請求項2のインクジェット記録装置によれ
ば、上記請求項1のインクジェット記録装置において、
フィルタ室の入口孔側のフィルタと対向する面に、出口
孔側と逆方向の渦巻状の溝又は突起を設けたので、イン
クに対してフィルタ室への流入側から渦巻き状の流れを
発生させることができ、一層残留気泡を低減することが
できて、画像品質を向上することができる。
【0031】請求項3のインクジェット記録装置によれ
ば、一方にヘッドに連結する出口孔を、他方にフィルタ
を設けたフィルタ室を有し、フィルタ面で交換可能なイ
ンクカートリッジと接続するインクジェット記録装置に
おいて、出口孔側のフィルタと対向する面に渦巻状の溝
又は突起を設けたので、インクカートリッジ交換時の気
泡混入を防止することができ、さらに安定してインク供
給が可能になり、気泡排出動作によるインクの無駄遣い
を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すインクジェット記録
装置のフィルタ装置の要部断面図
【図2】図1の側断面図
【図3】第1実施例の作用説明に供する渦巻き状溝がな
いフィルタ装置の断面図
【図4】本発明の第2実施例を示すインクジェット記録
装置のフィルタ装置の要部断面図
【図5】図4の側断面図
【図6】本発明の第3実施例を示すインクジェット記録
装置のインクカートリッジとの連結部を示す要部説明図
【図7】図6のフィルタ装置の断面図
【図8】従来のインクジェット記録装置の一例を示す説
明図
【図9】従来のインクジェット記録装置のフィルタ装置
の一例を示す断面図
【図10】図9の側断面図
【図11】従来のインクジェット記録装置のインクカー
トリッジとの連結部を示す断面図
【符号の説明】
1,11,24…フィルタ装置、2…フィルタ室、3…
フィルタ、4…入口孔、5…出口孔、6,7…渦巻き状
の溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/175

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入口孔と出口孔とを有し、これらの入口
    孔と出口孔との間にフィルタを設けたフィルタ室をイン
    ク供給路中に設けたインクジェット記録装置において、
    前記フィルタ室の出口孔側のフィルタと対向する面に渦
    巻状の溝又は突起を設けたことを特徴とするインクジェ
    ット記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のインクジェット記録装
    置において、前記フィルタ室の入口孔側のフィルタと対
    向する面に、前記出口孔側と逆方向の渦巻状の溝又は突
    起を設けたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 一方にヘッドに連結する出口孔を、他方
    にフィルタを設けたフィルタ室を有し、前記フィルタの
    面に交換可能なインクカートリッジを接続するインクジ
    ェット記録装置において、前記フィルタ室の出口孔側の
    フィルタと対向する面に渦巻状の溝又は突起を設けたこ
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
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JP5005630B2 (ja) * 2008-07-22 2012-08-22 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録装置
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