JP2017209966A - インクジェットヘッド、合流部材及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド、合流部材及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インク供給管及びインク回収管の2ポートによりインクジェットヘッドを接続する一般的なプリンタに使用することができ、インクジェットヘッドにおける圧力室回りの残留気泡を効率的に除去できるインクジェットヘッド、合流部材及びインクジェット記録装置の提供。
【解決手段】インク供給管5a及びインク回収管5bが連通されたインク貯留室41を有し、このインク貯留室41に注入孔31aを介して連通した圧力室23には、圧力室23内のインクを排出させてインク回収管5bに合流させる排出路423が連通している。インク供給管5a内のインク圧力P0により、インク供給管5aからインク回収管5bを経て合流箱61(バッファ空間部6)に至る主流路F1と、注入孔31aから圧力室23及び排出路423を経て合流箱61(バッファ空間部6)に至る副流路F2との両方にインクを流す。
【選択図】図1

Description

本発明はインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関し、詳しくは、インク供給管及びインク回収管の2ポートによりインクジェットヘッドを接続する一般的なプリンタに使用することができ、インクジェットヘッドにおけるインクチャネル回りの残留気泡を効率的に除去できるインクジェットヘッド、合流部材及びインクジェット記録装置に関する。
一般的なプリンタ(インクジェット記録装置)においては、2ポートによりインクジェットヘッドを接続している。
インクを貯留するインク貯留室(共通インク室ともいう。)から複数のインクチャネルに対して共通に注入したインクを、再びインク貯留室に戻すインク循環機構を備えたインクジェットヘッドにおいては、プリンタに接続する2ポートは、インク貯留室にインクを供給するインク供給管と、インクチャネルを経たインクをインク貯留室から回収するインク回収管となっている(特許文献1)。
一方、インク循環機構を有さず、各インクチャネルに注入したインクをインク貯留室に戻すことをしないインクジェットヘッドにおいては、インク貯留室の天井面付近に残留した気泡を除去するための泡抜きポートを備えたものがある(特許文献2)。この場合には、プリンタに接続する2ポートは、インク貯留室にインクを供給するインク供給管と、インク貯留室内のインクを気泡とともに排出する泡抜きポートとなっている。
特表2015−509454号公報 特開2009−202490号公報
ところで、特許文献1に記載のインクジェットヘッドにおいては、インク供給管から混入しインク貯留室の天井面付近に残留した気泡が、インクチャネル内やノズルに侵入するおそれがある。このような気泡はノズルからのインク吐出に影響を与え、一時的にインクの吐出が不能となってしまう可能性がある。
特許文献2に記載のインクジェットヘッドにおいては、泡抜きポートによりインク貯留室の天井面付近に残留した気泡を除去してはいるが、インクチャネル内やノズル内に気泡が侵入してしまったときには、インク循環機構を有さないため、この気泡を除去することは困難である。
特許文献1に記載のようなインク循環機構を備えたインクジェットヘッドに泡抜きポートを設けることも提案されているが、インク供給管、インク回収管及び泡抜きポートの3ポートを有するインクジェットヘッドとなってしまう。3ポートを有するインクジェットヘッドでは、プリンタへの接続が一般的なプリンタよりも煩雑であり、また、各ポートの圧力制御が困難である。さらに、インクジェットヘッドの重量が増加するため、特にスキャン型プリンタにおいては、キャリッジ重量の増加によりプリント性能が低下してしまう。
そこで、本発明は、インク供給管及びインク回収管の2ポートによりインクジェットヘッドを接続する一般的なプリンタに使用することができ、インクジェットヘッドにおけるインクチャネル回りの残留気泡を効率的に除去できるインクジェットヘッド、合流部材及びインクジェット記録装置を提供することを課題とする。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
1.
インク貯留室と、
前記インク貯留室内にインクを供給する流路をなすインク供給管と、
前記インク貯留室内からインクを回収する主流路をなすインク回収管と、
前記インク貯留室に注入孔を介して連通し、該注入孔から前記インク貯留室内のインクが注入される少なくとも1つのインクチャネルと、
前記インクチャネルに連通し、該インクチャネルを外部に連通させる吐出ノズルと、
前記インクチャネル内のインクを前記吐出ノズルから外部に吐出させる圧電素子と、
前記インク貯留室内からインクを排出させ、前記インク回収管に合流させる副流路をなす排出路とを備え、
前記インク回収管及び前記排出路からインクが流入するバッファ空間部を有し、このバッファ空間部において前記インク回収管と前記排出路とが合流することを特徴とするインクジェットヘッド。
2.
前記バッファ空間部の容積は、前記副流路の容積の1倍以上であることを特徴とする前記1記載のインクジェットヘッド。
3.
前記バッファ空間部は、このバッファ空間部に流入したインクに含まれていた気泡が滞留する気室を有していることを特徴とする前記1又は2記載のインクジェットヘッド。
4.
前記バッファ空間部は、前記インク回収管及び前記排出路に対して着脱可能な合流部材の内部に形成されていることを特徴とする前記1〜3の何れかに記載のインクジェットヘッド。
5.
前記主流路の流路抵抗と、前記副流路の流路抵抗との相対関係を調整する圧力損失調整手段を備えていることを特徴とする前記1〜4の何れかに記載のインクジェットヘッド。
6.
前記圧力損失調整手段は、内部に前記バッファ空間部が形成され前記インク回収管及び前記排出路に対して着脱可能な合流部材に設けられていることを特徴とする前記5記載のインクジェットヘッド。
7.
インクジェットヘッドのインク貯留室内からインクを回収するインク回収管を流れる主流路と、前記インク貯留室内からインクを排出させる排出路を流れる副流路とからインクが流入するバッファ空間部を有し、このバッファ空間部において前記インク回収管と前記排出路とを合流させることを特徴とする合流部材。
8.
前記主流路の流路抵抗と、前記副流路の流路抵抗との相対関係を調整する圧力損失調整手段を備えていることを特徴とする前記7記載の合流部材。
9.
前記1〜6の何れかに記載のインクジェットヘッドと、
前記インクジェットヘッドに移送されるインクが貯蔵されるインクタンクと、
前記インクタンク内のインクを前記インクジェットヘッドに移送するインク移送部とを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
本発明によれば、インク供給管及びインク回収管の2ポートによりインクジェットヘッドを接続する一般的なプリンタに使用することができ、インクジェットヘッドにおけるインクチャネル回りの残留気泡を効率的に除去できるインクジェットヘッド、合流部材及びインクジェット記録装置を提供することができる。
本発明に係るインクジェット記録装置の一例を示す要部概略構成図 本発明に係るインクジェットヘッドにおけるインクの流路を示す流路図 図1に示すインクジェットヘッドのヘッドチップ部分を破断して示す拡大斜視図 図1に示すインクジェットヘッドの排出孔部分を破断して示す拡大斜視図 本発明に係るインクジェットヘッドにおける合流箱の一例を一部断面で示す斜視図 本発明に係るインクジェットヘッドにおけるバッファ空間部の他の一例を示す斜視図 本発明に係るインクジェットヘッドにおけるバッファ空間部のさらに他の一例を一部断面で示す斜視図 第1流出管を一部切欠した状態を示す流量調整部材の一例を示す斜視図 本発明に係るインクジェットヘッドの他の一例を一部断面で示す概略構成図 本発明に係るインクジェットヘッドのさらに他の一例を一部断面で示す概略構成図 本発明に係るインクジェットヘッドのさらに他の一例を一部断面で示す概略構成図 本発明に係るインクジェットヘッドのさらに他の一例を一部断面で示す概略構成図
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔インクジェット記録装置〕
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の一例を示す要部概略構成図であり、インクジェットヘッドを一部断面で示している。
インクジェット記録装置100は、図示しない搬送手段によって一定方向(副走査方向)に搬送される記録媒体上に、インクジェットヘッド1からインクを吐出して画像を記録する。いわゆるワンパス方式のインクジェット記録装置においては、インクジェットヘッド1は、固定して配置され、記録媒体が搬送される過程で、吐出ノズルから記録媒体に向けてインクを吐出する。また、いわゆるスキャン方式のインクジェット記録装置においては、インクジェットヘッド1は、図示しないキャリッジに搭載され、該キャリッジが副走査方向に直交する主走査方向に沿って移動する過程で、吐出ノズルから記録媒体に向けてインクを吐出する。本実施形態に示すインクジェット記録装置100では、水平方向に走査を行い、吐出ノズルからのインク吐出方向が鉛直方向下向きとなるようにインクジェットヘッド1が設置されている。
図1では、1つのインクジェットヘッド1のみを示しているが、一般にインクジェット記録装置100には、例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、K(ブラック)等の各色インク用の複数のインクジェットヘッド1が搭載される。本実施形態に示すインクジェット記録装置100においては、インクを貯蔵するインクタンク101とインクジェットヘッド1のインク貯留室41とが、インク移送管102及びインク返送管103によって連通している。
インク移送管102の途中には、インクジェット記録装置100の制御部104によって駆動制御される循環ポンプ105が設けられている。この循環ポンプ105が駆動することにより、インクタンク101内のインクが、インク移送管102を介してインクジェットヘッド1に移送される。また、循環ポンプ105が駆動することにより、インクジェットヘッド1内のインク(気泡等を含むインク)が、インク返送管103を介してインクタンク101に戻される。このインクジェット記録装置100において、インク移送管102、制御部104及び循環ポンプ105は、インクタンク101内のインクをインクジェットヘッド1に移送するインク移送部を構成している。
インクタンク101は、格別限定されないが、タンクの底面に到達しない仕切り板101aによって、インク移送室101bとインク返送室101cとに仕切ることが好ましい。この場合、インク移送室101b内にインク移送管102の一端部を配置し、また、インク返送室101c内にインク返送管103の一端部を配置する。仕切り板101aは、インク返送室101cに返送されてきたインク中の気泡が再度インク移送管102に流入しないように、インクを十分に脱気するために設けられる。気泡自体は浮力が高いので、気泡が仕切り板101aの下側を通過してインク移送室101bに流入することが制限される。このような態様は、インクを循環使用する場合に好ましい態様である。
〔インクジェットヘッド〕
次に、図1に示した本発明に係るインクジェットヘッド1の具体的構成について説明する。
本発明は、シアーモード(エッジ(エンド)シュータ、サイドシュータ)型、ベンドモード型、MEMS型、サーマル型など各種のインクジェットヘッドに適用することができ、すなわち、本発明に係るインクジェットヘッドは、これら各種のインクジェットヘッドとして構成することができる。
本実施形態に示すインクジェットヘッド1は、シアーモードヘッドとして構成されている。このインクジェットヘッド1は、インク吐出面1Sが鉛直方向下側に向くように設置されて使用される。なお、本明細書において、「上」及び「下」は、「鉛直方向上側」及び「鉛直方向下側」を意味し、図1の使用状態を示す側面図における上側及び下側に対応する。
インクジェットヘッド1は、インク貯留室41を構成するインクマニホールド4と、このインクマニホールド4に接着された配線基板3と、配線基板3を挟んでインクマニホールド4の反対側の面(下面)に接着されたヘッドチップ2とを有して構成されている。配線基板3は、例えばガラス基板である。ヘッドチップ2には、インクチャネルとなる複数の圧力室23が形成されている。ヘッドチップ2は、圧電素子を備えている。各圧力室23は、インク貯留室41に注入孔31aを介して連通し、圧電素子への電圧の印加によって容積変動を生ずる。また、ヘッドチップ2において、配線基板3の反対側の面(下面)には、各圧力室23に対応されたノズル22を有するノズルプレート21が接着されている。このノズルプレート21の下面部がインク吐出面1Sとなる。各ノズル22は、各圧力室23に連通しており、各圧力室23内のインクを外部(下方)に吐出させる。
インクマニホールド4は、合成樹脂等によって、下面に開口部4aを有する横長の箱型に形成されている。このインクマニホールド4には、下面の開口部4aを塞ぐように、配線基板3が接着されている。インクマニホールド4の内部空間は、インクタンク101から供給されるインクが貯留されるインク貯留室41となる。
図2は、このインクジェットヘッドにおけるインクの流路を示す流路図である。
インク貯留室41には、図1及び図2に示すように、このインク貯留室41内にインクを供給する流路をなすインク供給管5aが連設されている。このインク供給管5aは、圧力室23から遠い側(上側)において、インク貯留室41に連通されている。このインク供給管5aの上端側には、接続部7aが設けられている。この接続部7aは、インクジェット記録装置100側の接続部106aに着脱可能に接続される。インクジェット記録装置100側の接続部106aは、インク移送管102に連通している。これにより、インクジェットヘッド1は、インクジェット記録装置100からのインクの移送が可能となる。
また、インク貯留室41には、このインク貯留室41内からインクを回収する流路をなすインク回収管5bが連設されている。このインク回収管5bは、圧力室23から遠い側(上側)において、インク貯留室41に連通されている。このインク回収管5bの上端側には、接続部7bが設けられている。この接続部7bは、インクジェット記録装置100側の接続部106bに着脱可能に接続される。インクジェット記録装置100側の接続部106bは、インク返送管103に連通している。これにより、インクジェットヘッド1は、インクジェット記録装置100へのインクの返送が可能となる。
このインクジェットヘッド1において、インク供給管5aから、インク回収管5bの途中の後述するバッファ空間部6に至る流路が、主流路F1となる。
インク供給管5aとインク回収管5bとは、インク貯留室41の長手方向の両端部に離して配置することが好ましい。本実施形態におけるインク供給管5aは、インクマニホールド4の上面における図1中の左側の端部に配置され、また、インク回収管5bは、インクマニホールド4の上面における図1中の右側の端部に配置されている。これにより、インク供給管5aからインク貯留室41に供給されたインクを、インク回収管5bに向けて、インク貯留室41内の全体に亘って流すことができる。従って、インク貯留室41内にインクが滞留する部位が形成されにくく、インク中の気泡をより効率良く排除することができる。
インクマニホールド4内には、インク貯留室41に隣接して、インク排出室412が設けられている。このインク排出室412は、後述する排出路423の一部となる。このインク排出室412は、インク貯留室41に対しては、隔壁45によって分離されている。この隔壁45は、インクマニホールド4に一体的に形成することができる。
図3は、図1に示すインクジェットヘッドのヘッドチップ部分を破断して示す拡大斜視図である。
図4は、図1に示すインクジェットヘッドの排出孔部分を破断して示す拡大斜視図である。
インク貯留室41は、図3及び図4に示すように、各圧力室23に対応して配線基板3に形成された注入孔31aを介して、ヘッドチップ2の全ての圧力室23と連通している。インク貯留室41内のインクは、各注入孔31aを介して全ての圧力室23内に共通に注入される。圧力室23内に注入されたインクは、圧力室23により吐出圧力を付与され、圧力室23の下端部に連通するノズル22から外部(記録媒体側)に吐出される。
圧力室23内のインクに吐出圧力を付与するための具体的な手段は問わず、公知の手段を採用することができる。本実施形態では、隣り合う圧力室23,23は、圧電素子により形成された駆動壁24によって隔てられている。駆動壁24は、圧力室23内に臨む面に形成された図示しない駆動電極に、例えば制御部104から配線基板3に形成された図示しない配線を経て所定電圧の駆動電圧が印加されることによって、せん断変形する。圧力室23の両側の駆動壁24、24がせん断変形することにより、圧力室23内は膨張又は収縮する。これにより、圧力室23内のインクに圧力が付与され、ノズル22からインクが吐出される。
ヘッドチップ2に形成される圧力室23は、その数は特に問わない。本実施形態に示すヘッドチップ2は、複数の圧力室23が、ヘッドチップ2の長手方向である図3中X方向に沿う複数列に配列されている。
なお、この実施形態においては、各圧力室23,23の間にダミーチャネル25が設けられている。すなわち、駆動壁24,24は、一つの圧力室23あたり2枚が設けられており、各圧力室23それぞれの両壁部をなしている。一の圧力室23を構成する駆動壁24と、隣接する圧力室23を構成する駆動壁24との間には空隙があり、この空隙がダミーチャネル25である。したがって、各圧力室23は独立して駆動(膨張又は収縮)することができる。ダミーチャネル25を設けない場合、すなわち、隣接する圧力室23,23が1枚の駆動壁24を共用する場合には、各圧力室23が独立して駆動(膨張又は収縮)することはできないので、いわゆる3サイクル駆動を行う。
そして、各圧力室23は、図2に示すように、ヘッドチップ2に形成された排出チャネル424に連通されている。排出チャネル424は、インク排出室412の下方に位置して形成されている。すなわち、各圧力室23の下端側には、ノズル22の側方に位置して、個別連通路422が形成されている。この個別連通路422は、図3に示すように、ノズルプレート21の上面に各圧力室23に対応して形成された溝であり、上面側がヘッドチップ2によって閉蓋されることにより、流路を構成している。この個別連通路422は、共通排出溝421に連通している。この共通排出溝421は、ヘッドチップ2の下面(又はノズルプレート21の上面)に、圧力室23の配列方向(X方向)に形成された溝である。共通排出溝421は、ヘッドチップ2(又はノズルプレート21)に形成された溝がノズルプレート21(又はヘッドチップ2)によって閉蓋されることにより、各個別連通路422に連通した流路として構成されている。この共通排出溝421の端部は、図4に示すように、排出チャネル424に連通されている。なお、共通排出溝421は、圧力室23の列を挟んで、圧力室23の一列あたり2本を互いに平行に形成してもよい。
注入孔31aから圧力室23内に注入されたインクの一部は、図3に示すように、個別連通路422を経て、共通排出溝421に至る。そして、共通排出溝421に至ったインクは、図4に示すように、排出チャネル424を経て、配線基板3に形成された排出孔31bを通って、インク排出室412に至る。
なお、このインクジェットヘッド1においては、各圧力室23内から各個別連通路422及び共通排出溝421を経てインク排出室412に至る流路が形成されていることを考慮して、この条件においてノズル22からのメニスカスブレイクが生じないように、循環ポンプ105が与える圧力等の条件が決定される。
図1及び図2に示すように、インク排出室412には、このインク排出室412内からインクを排出する流路をなすインク排出管5cが連設されている。このインク排出管5cの上端側は、インク回収管5bに合流している。インク回収管5bとインク排出管5cとは、合流部材となる合流箱61に接続されることによって合流している。
図5は、本発明に係るインクジェットヘッドにおける合流箱の一例を一部断面で示す斜視図である。
合流箱61は、図5に示すように、合成樹脂材料や金属材料から一体的に構成されており、内部にバッファ空間部6が形成されている。合流箱61の外面には、バッファ空間部6に至る第1乃至第3の開口部48a,48b,48cが形成されている。第1の開口部48aからバッファ空間部6を経て第3の開口部48cに至る流路は、インク回収管5bの中途部に介在されている。実装状態としては、インク回収管5bを中途部において上流側及び下流側に分け、上流側を第1の開口部48aに接続させ、下流側を第3の開口部48cに接続させることになる。そして、第2の開口部48bには、インク排出管5cを接続させる。
このインクジェットヘッド1において、個別連通路422から、共通排出溝421、排出チャネル424、排出孔31b、インク排出室412及びインク排出管5cを経て、バッファ空間部6に至る流路が、排出路423となる。この排出路423は、各圧力室23内のインクを排出させ、バッファ空間部6においてインク回収管5bに合流させる流路である。そして、各注入孔31aから各圧力室23を経て、排出路423(個別連通路422からバッファ空間部6への入口)までが、副流路F2となる。
このように、本実施形態に示すインクジェットヘッド1は、インク回収管5b及びインク排出管5cが合流箱61によって合流されているため、インクジェット記録装置100側の配管等との接続部位は、インク供給管5a(接続部7a)及びインク回収管5b(接続部7b)の2箇所のみで済む。従って、インクジェット記録装置100側の配管等との接続部位の数は、一般的なインクジェットヘッドに対して増加せず、接続作業が煩雑化することはない。
また、本実施形態に示すインクジェットヘッド1は、インク供給管5a(接続部7a)及びインク回収管5b(接続部7b)の2箇所のみで、インクジェット記録装置100側の接続部106a、106bと接続される構造であるため、循環機構を備えた既設のインクジェット記録装置のインクジェットヘッドとの互換性を備えている。すなわち、一般に、インクマニホールド4内のインクを循環させる循環機構を有するインクジェット記録装置は、各インクジェットヘッドに対して、インクの供給部及び回収部の2箇所で配管接続する構造となっている。そのため、本実施形態のインクジェットヘッド1によれば、既設装置を設計変更する必要なく、接続部7a、7bの2箇所のみの接続によって交換及び設置が可能である。
ところで、排出路423は各圧力室23の全てを通過する流路として形成されているため、圧力室23の高密度化に伴い、排出路423全体の流路抵抗は大きくなっている。従って、インク排出管5cをインク回収管5bに合流させても、インク供給管5aからインク回収管5bを経る主流路F1の流量が多く、各注入孔31aから排出路423に至る副流路F2の流量が少ないために、これらが円滑に合流しないことが考えられる。このインクジェットヘッド1においては、主流路F1と副流路F2との合流(インク排出管5cとインク回収管5bとの合流)を、バッファ空間部6において行うことにより、これら主流路F1及び副流路F2の流量が異なっても、円滑に合流させることができる。
このバッファ空間部6の容積は、副流路F2の流路容積の1倍以上であることが好ましい。バッファ空間部6の容積が副流路F2の流路容積の1倍以上であることにより、主流路F1及び副流路F2を円滑に合流させることができる。また、バッファ空間部6の容積が副流路F2の流路容積の1倍以上であることにより、このインクジェットヘッド1への初期のインク導入時において、流路抵抗の低い主流路F1のみに先行してインクが流入してしまったとしても、バッファ空間部6にインクが満たされる間に副流路F2にもインクが流入されるので、主流路F1及び副流路F2を円滑に合流させてインク返送管103に向かわせることができる。
なお、バッファ空間部6は、インク回収管5c及び排出路423に対して着脱可能な合流箱61の内部に形成することに限定されず、インク回収管5c又は排出路423の一部として、これらインク回収管5c又は排出路423に一体的に構成してもよい。
上述のようなインクジェットヘッド1及びこれを備えたインクジェット記録装置100によれば、インク供給管5aからインクを供給するだけで、インク貯留室41内の残留気泡を主流路F1を経てインク回収管5bから排出させるのみならず、圧力室23回りの残留気泡をも、副流路F2を経てインク排出管5cから排出させることができる。よって、インクマニホールド4内の全体(インク貯留室41内及び圧力室23回り)の残留気泡を効率的に除去することができる。
また、このインクジェットヘッド1及びこれを備えたインクジェット記録装置100によれば、画像記録中にインクタンク101との間でインクを循環させた際に、圧力室23回りのインクをも、副流路F2を経て効率よく循環させることができる。このため、画像記録中にノズル22から引き込まれた気泡も迅速に排出させることができる。また、沈降し易い粒子や顔料等が含まれているインクを使用する場合には、画像記録中の各個別連通路422及び共通排出溝421における粒子や顔料等の沈降を効果的に抑制して、インクの濃度偏差を抑制することができる。
〔バッファ空間部の他の実施形態〕
図6(a)は、本発明に係るインクジェットヘッドにおけるバッファ空間部の他の一例を示す斜視図であり、図6(b)は、該バッファ空間部の他の一例を一部断面で示す斜視図である。
バッファ空間部6には、図1及び図6に示すように、気泡が滞留する気室62を設けてもよい。この気室62は、バッファ空間部6内の天井部の一部が上方に膨出されて形成された空間であり、下方に凹となされた空間である。この気室62は、下方がバッファ空間部6に連通しており、この連通部以外は閉蓋されている。この気室62内の天井部は、合流箱61の第3の開口部48cよりも高い位置とされている。
したがって、インク回収管5cを経て回収されたインク又は排出路423を経て排出されたインクに含まれていた気泡が気室62内に流入すると、この気泡は、第3の開口部48cを経て合流箱61から出ることなく、気室62内に滞留する。
このように気室62内に滞留した気泡は、バッファ空間部6内のインクと接しているため、ダンパーの機能を有する。つまり、気室62内の気泡により、インク回収管5c及び排出路423から流入するインクに圧力変動や振動があっても、この圧力変動や振動に阻害されることなく、これらインクが円滑に合流される。
図7は、本発明に係るインクジェットヘッドにおけるバッファ空間部のさらに他の一例を一部断面で示す斜視図である。
また、バッファ空間部6の気室62は、図7に示すように、合流箱61の第3の開口部48cに、合流箱61内に向けて(下方に向けて)円筒体63を連設することにより形成してもよい。この円筒体63の外周面と合流箱61の内壁との間の空間部が気室62となる。この気室62は、下方に凹となされた空間である。この気室62は、下方がバッファ空間部6に連通しており、この連通部以外は閉蓋されている。この気室62内の天井部は、円筒体63の下端部よりも高い位置とされている。
したがって、インク回収管5cを経て回収されたインク又は排出路423を経て排出されたインクに含まれていた気泡が気室62内に流入すると、この気泡は、円筒体63内及び第3の開口部48cを経て合流箱61から出ることなく、気室62内に滞留する。このように気室62内に滞留した空気は、バッファ空間部6内のインクと接し、バッファ空間部6内の圧力変動に応じて体積が変位する。気室62内の空気の体積変位により、バッファ空間部6内の圧力変動が抑えられ、ダンパーの機能が発揮される。
また、合流箱61は、少なくとも一部を可撓性材料により形成することにより、ダンパーの機能を持たせることができる。合流箱61の可撓性材料により形成された部分は、バッファ空間部6内のインクまたは気室62内の空気と接し、バッファ空間部6内の圧力変動に応じて変位し、バッファ空間部6の容積を変位させる。バッファ空間部6の容積の変位により、バッファ空間部6内の圧力変動が抑えられ、ダンパーの機能が発揮される。
合流箱61の少なくとも一部をなす可撓性材料としては、薄膜状の合成樹脂材料や、ゴム材料が挙げられる。なお、インクに接触することが好ましくない材料を用いる場合には、この材料を気室62の天井部分のみに用いるようにすれば、この材料がインクに接触することを少なくすることができる。
〔圧力損失調整手段〕
このインクジェットヘッド1には、主流路F1の流路抵抗と副流路F2の流路抵抗との相対関係を調整する圧力損失調整手段を設けてもよい。
この圧力損失調整手段は、主流路F1と副流路F2との流路抵抗の差に相当する圧力損失ΔPを、主流路F1に付与する。または、圧力損失調整手段は、副流路F2の流路抵抗を減らして、主流路F1の流路抵抗に相当するものにする。
副流路F2の流路抵抗は、全ての注入孔31a、全ての各圧力室23、全ての個別連通路422及び共通排出溝421を含む排出路423全体における流路径、流路長、屈曲部の数、流速などによって決まる流路抵抗である。これら個別連通路422及び共通排出溝421は、流路径が極めて細いうえに流路長が長いので、大きな流路抵抗を生じさせている。
このインクジェットヘッド1においては、圧力損失調整手段により、主流路F1の流路抵抗と、副流路F2の流路抵抗とを均衡させることにより、インク供給管5a内のインク圧力P0によって、容易に主流路F1及び副流路F2の両方に均等にインクを流すことができる。
圧力損失調整手段の一例を図8に示す。図8は、圧力損失調整手段の一例が設けられたインク回収管5bを一部破断した状態を示す斜視図である。
圧力損失調整手段としては、例えば、図8(a)に示すように、インク回収管5bの流路断面積を部分的に狭める流量調整部材9を用いることができる。この流量調整部材9は、インク回収管5b内に保持され、インク回収管5bの内径を部分的に狭くする部材である。この実施形態の流量調整部材9は、図8(a)に示すように、インク回収管5bの内壁に沿う円筒部95と、この円筒部95の一端部を閉蓋する円盤部96とを有して一体的に構成されている。円盤部96の中央部には、流路孔94が形成されている。この流量調整部材9が配置された部位におけるインク回収管5bの流路は、この流路孔94のみとなる。従って、流量調整部材9は、この流路孔94によってインク回収管5bの流路断面積を部分的に狭め、インク回収管5b内を流れるインクの圧力を損失させる。
流量調整部材9の材質は特に限定されないが、インクの非浸透性、インク回収管5bへの挿入し易さ及びインクに対する耐腐食性に優れるステンレス等の金属、セラミックス、合成樹脂が挙げられる。
なお、流量調整部材9の流路孔94の長さを短くすることにより、流路孔94内に気泡が入ったときの流路抵抗の変動を抑え、流速のばらつきを抑えることができる。図8(a)に示した流量調整部材9の流路孔94の長さは、例えば0.5mm程度である。流路孔94の長さを0.5mm程度にすることにより、気泡による流路抵抗の変動を抑えることができる。
図8(a)に示す流量調整部材9はあくまで一例であり、具体的な構造は図8(a)に示したものに何ら限定されない。流量調整部材9は、ダンパーの役割を持たせる場合や、大量の気泡が主流路F1を流れる可能性が少ない場合には、図8(b)に示すように、小径部91の両端側に、該小径部91よりも大径な大径部92、92を同軸状に一体に形成したものとしてもよい。
大径部92、92の外径は、その外周面がインク回収管5bの内周面に密接し得る大きさに形成されている。従って、流量調整部材9は、インク回収管5b内に挿入された後、大径部92、92がインク回収管5bの内周面に密接することによって、インク回収管5b内の所定位置に保持される。
インクが流入する側の大径部92の外周面の一部には、軸方向に沿って延びる溝部93が形成されている。この溝部93によって、インク回収管5bの内壁と小径部91との間には、インク中の気泡が流入し、この空気が閉じ込められる。この空気は、インク回収管5b内のインクと接しているため、ダンパーの役割を果たす。ダンパーの役割とは、キャリッジの振動をヘッド内部に伝播させないことである。なお、インクの脱気をしている場合には、インク回収管5bの内壁と小径部91との間の空気は減ってゆくが、この空気は、チューブのガス透過性により充填される。
流量調整部材9には、小径部91と大径部92、92に亘って縦貫する流路孔94が形成されている。大径部92、92はインク回収管5bの内周面に密接するため、この流量調整部材9が配置された部位におけるインク回収管5bの流路は、この流路孔94のみとなる。従って、流量調整部材9は、この流路孔94によってインク回収管5bの流路断面積を部分的に狭め、インク回収管5b内を流れるインクの圧力を損失させる。
なお、大径部92は、インクの流出側のみに設けてもよい。また、流量調整部材9にダンパーの役割を持たせる必要がない場合には、小径部91はなくてもよい。この流量調整部材9の流路孔94の長さは、例えば14mm程度である。
この流量調整部材9によって付与される圧力損失ΔPは、主流路F1と副流路F2との流路抵抗の差に相当する圧力損失ΔPであり、流路孔94の内径によって調整される。この圧力損失ΔPにより、主流路F1の流路抵抗と、副流路F2の流路抵抗とが均衡される。すなわち、インク供給管5a内のインク圧力P0は、主流路F1のバッファ空間部6の直前において圧力P1に減圧され、副流路F2のバッファ空間部6の直前における圧力P2にほぼ等しいものとなる。また、インク供給管5a内のインク圧力P0は、循環ポンプ105が与える圧力にほぼ等しい。副流路F2の圧力P2は、ノズル22からのメニスカスブレイクが生じないように、メニスカスブレイクが生じる圧力Pxより小さく設定される。
なお、以下の場合に限定されないことは言うまでもないが、例えば、P0=−2kPaとした場合に、P2=−12kPaとなるように合流後の減圧を実施し、P1=−12kPaとなるような圧力損失ΔP(流路構成によるが、例えば10kPa)を与えることにより、主流路F1及び副流路F2の両方に均等にインクを流しつつ循環をさせることができる。すなわち、〔P1=(P0−ΔP)=P2<Px〕となる。この結果、インク供給管5a内のインク圧力P0によって、主流路F1及び副流路F2の両方に均等にインクを流すことができる。また、圧力P2は、例えばノズルの吐出不良等が生じると変動する場合がある。したがって、主流路F1の流路抵抗と、副流路F2の流路抵抗とが均衡するとは、本願発明の効果を奏する範囲で圧力P1と圧力P2とがほぼ等しい(±10%)ことを示す。
なお、インク圧力P0は、インク供給管5aにT字分岐を設け、分岐させた先においてマノメータにより測定することができる。圧力P1は、インク回収管5b(流量調整部材9より下流、バッファ空間部6より上流)にT字分岐を設け、分岐させた先においてマノメータにより測定することができる。圧力P2は、インク排出管5c(バッファ空間部6より上流)にT字分岐を設け、分岐させた先においてマノメータにより測定することができる。
流量調整部材9の流路孔94の具体的な内径は、個別連通路422及び共通排出溝421などの圧力損失要素による圧力損失を考慮して、インク回収管5bの圧力損失が所望の圧力損失となるように適宜調整される。例えば、インク回収管5bから回収されるインク流量と、各個別連通路422及び共通排出溝421を経てインク排出管5cから排出されるインク流量とが均一になるように、流量調整部材9の流路孔94の内径を調整すれば、主流路F1及び副流路F2の両方に均等にインクを流すことができる。これにより、インク貯留室41内(主流路F1)と、各圧力室23内、個別連通路422及び共通排出溝421内(副流路F2)とに、迅速にインクを貯留させることができるため、特にインクの初期導入の際に好ましい態様である。
なお、流量調整部材9の流路孔94の内径を調整することにより、インク回収管5bから回収されるインク流量(主流路F1)と、各個別連通路422及び共通排出溝421を経てインク排出管5cから排出されるインク流量(副流路F2)とを異ならせることもできる。例えば、流量調整部材9の流路抵抗を高くして、インク回収管5bから回収されるインク流量(主流路F1)よりも、各個別連通路422及び共通排出溝421を経てインク排出管5cから排出されるインク流量(副流路F2)の方を多くする(副流路F2の流速を上げる)ことにより、圧力室23回りに付着した取り除きにくい気泡もより容易に除去することができる。また、逆に、流量調整部材9の流路抵抗を低くして、副流路F2よりも主流路F1の方の流量を多くする(主流路F1の流速を上げる)こともできる。この場合には、主流路F1内の特に天井面や角部に付着した気泡を容易に除去することができる。また、この場合には、インクマニホールド4内に圧力室22の上方に位置するダンパー部材(MF(Manifold)ダンパー部材)を設けた場合にも、このダンパー部材回りに残留し易い気泡を容易に除去することができる。
この流量調整部材9は、合流箱61内に設けてもよい。流量調整部材9を予め合流箱61内に保持させておけば、この合流箱61をインク回収管5bに介在接続させるだけで、インク回収管5bに所望の圧力損失を付与することができる。また、流量調整部材9を変更、交換したいときには、合流箱61ごと交換することができ、迅速、容易な交換を行うことができる。さらに、流量調整部材9の近傍に夾雑物が付着して汚損してしまった場合等にも、合流箱61を交換することにより、迅速、容易に清冽な状態とすることができる。
インク排出管5cには、図1及び図2に示すように、逆止弁8を設けてもよい。この逆止弁8は、インク排出室412からバッファ空間部6に向けたインクの流出を許容し、その反対方向のインクの流れを阻止するように機能する。例えば、インク中に含まれる夾雑物によって各個別連通路422及び共通排出溝421が目詰まりし、副流路F2の圧力P2が下がると、インク貯留室41内の主流路F1の圧力P1との間に圧力差が生じる。この場合に、インク回収管5bから回収されたインクが、バッファ空間部6を経てインク排出管5cに逆流する虞がある。インク排出管5cに逆止弁8を設けることにより、インクの逆流によって各個別連通路422及び共通排出溝421に気泡や夾雑物が戻ることを防止することができる。
なお、この逆止弁8も圧力損失要素の一つであるため、逆止弁のクラッキング圧力(開弁圧)は低いほうがよく、ノズル22からのメニスカスブレイクが生じる圧力Px(例えば5kPa程度)よりも低いことが必要である。また、ノズル22からのメニスカスブレイクを確実に防止するには、循環ポンプ105による加圧をせずに、インク返送管103に(インク回収管5bと排出路423とのバッファ空間部6よりも下流側に)吸引ポンプを設け、この吸引ポンプが生じさせる負圧のみによりインクを循環させるようにしてもよい。この場合にも、インクは、インク供給管100内のインク圧力によって主流路F1及び副流路F2の両方に循環しているといえる。
前述のように、インク供給管内のインク圧力をP0(図2参照)、主流路F1の圧力をP1、副流路F2の圧力をP2、副流路F2における圧力損失をΔP、ノズル22からのメニスカスブレイクが生じる圧力をPxとすると、〔P1=(P0−ΔP)=P2<Px〕である。ここで、排出チャネル424からインク排出室412に流入する流れF3の圧力をP3とすると、〔P3<P2=P1=(P0−ΔP)<Px〕となっている必要がある。流れF3の圧力P3が、副流路F2の圧力P2よりも大きいと、配線基板3に設けられた排出孔31bから圧力室23側にインクが逆流する虞があるからである。
なお、以上説明した実施形態のインクジェット記録装置100においては、インクジェットヘッド1とインクタンク101との間でインクを循環させているが、本発明はこれに限定されない。例えば、残留気泡をインクの初期導入時に除去するだけでよい場合には、図示しないが、インク回収管5b及びインク排出管5cから流出したインクを、インクタンク101に戻さずに、廃インクタンクに排出させるように構成してもよい。後述する他の実施形態のインクジェット記録装置100においても同様である。
〔気泡除去方法〕
次に、このように構成されたインクジェットヘッド1において、インクの初期導入時にインク貯留室41の残留気泡を除去する方法について、図1及び図2を用いて説明する。インクジェット記録装置100における気泡除去動作は、例えば制御部104に予め記憶された所定のプログラムに従って循環ポンプ105の駆動が制御されることによって行われる。
まず、制御部104は循環ポンプ105を駆動させ、インクタンク101内のインクをインク供給管5aからインクマニホールド4内のインク貯留室41に所定の圧力で流入させる。インク貯留室41に流入したインクは、インク貯留室41を通ってインク回収管5bに向けて主流路F1を流れる。
ここで、インク回収管5bから回収されるインクは、副流路F2の圧力損失分ΔPが考慮された流量調整部材9が設けられている場合には、流量調整部材9で一部が止められ、インクの圧力は一部損失する。この損失分の圧力ΔPは、流路孔94の内径が適切に調整されることにより、インクが副流路F2を通過し得る圧力である。従って、主流路F1を流れるインク流量と副流路F2を流れるインク流量とが均衡される。
これにより、インク貯留室41には、主流路F1を通ってそのままインク回収管5bから回収されるインクの流れと、各圧力室23に注入され、副流路F2を通ってインク排出管5cから排出されるインクの流れとが同時に形成される。
従って、インク貯留室41に供給されたインクは、インク回収管5bとインク排出管5cの両方から流出する。このとき、インク貯留室41内の残留気泡は、インクと共にインク回収管5bから回収され、各圧力室23回りの残留気泡は、インクと共にインク排出管5cから排出される。
そして、インク回収管5bから流出したインクとインク排出管5cから流出したインクとは、これらのインク流量が異なっても、バッファ空間部6に流入することにより、円滑に合流される。
制御部104は、循環ポンプ105の駆動を、予め設定された所定時間継続した後に停止させる。この他、例えばインク返送管103にインク中の気泡を検出するセンサーを設け、このセンサーが配管内を流れるインク中の気泡を検出しなくなった際に、循環ポンプ105の駆動を停止させるようにしてもよい。これにより、気泡除去動作は終了し、インク貯留室41及びインク排出室412はインクで満たされる。
このように、このインクジェットヘッド1は、インクをインク貯留室41に供給するだけで、主流路F1を通ってインク回収管5bからインクを回収するのみならず、副流路F2を通ってインク排出管5cからもインクを排出することができる。気泡除去のために開閉弁等を操作して主流路F1及び副流路F2に個別にインクを流す必要がないため、インクジェットヘッド1の構造を複雑にすることなく、インク貯留室41内及び各圧力室23回りの残留気泡を効率的に除去することができる。
また、インク貯留室41内及び各圧力室23回りの両方から気泡を含むインクを流出させることができるため、インク貯留室41内及び各圧力室23回りで個別に行う場合に比べて、気泡除去にかかる時間を短縮できると共に、気泡除去のためのインク消費量も抑えることができる。
以上の気泡除去動作は、インクの初期導入時に限らず、記録媒体上への画像記録時にも実施することができる。すなわち、画像記録時、循環ポンプ105を駆動させておくことにより、インク貯留室41内のインクのみならず、各圧力室23回りのインクも循環させることができる。これにより、インク循環によって、画像記録中でも気泡が除去されるのみならず、濃度偏差のない均質なインクを各圧力室23に供給することができる。このため、より高品質の画像を形成することができる。
〔圧力損失調整手段の他の実施形態〕
本発明において、インク回収管5bに設ける圧力損失調整手段は、以上説明した流量調整部材9に限定されない。例えば、図示しないが、インク回収管5bに流量調整弁を設け、インク回収管5bの流路断面積を部分的に狭めることによって圧力損失ΔPを付与するようにしてもよい。流量調整弁の開度を適宜調整することによって、インク回収管5bに適切な圧力損失ΔPを付与することができる。また、インク回収管5bに設ける圧力損失調整手段は、逆止弁であってもよい。さらに、インク回収管5bを可撓管によって形成した場合には、インク回収管5bの外側から挟着部材等を用いて流路断面積を部分的に狭めることによって圧力損失ΔPを付与するようにしてもよい。
さらに、圧力損失調整手段は、図1、図8に示した流量調整部材9のようにインク回収管5b(主流路F1)に設けられるものに限定されず、図9に示すように、インク排出管5c(副流路F2)に設けることもできる。図9は、本発明に係るインクジェット記録装置の他の一例を示す要部概略構成図であり、インクジェットヘッドを一部断面で示している。図1と同一符号の部位は同一構成の部位であるため、これらの説明は上記説明を援用し、ここでは省略する。
図9における圧力損失調整手段は、インク排出管5cに設けられた吸引ポンプ10によって構成されている。吸引ポンプ10は、制御部104の制御によって駆動され、インク排出管5c内のインクをバッファ空間部6側に強制的に吸引する。これにより、副流路F2の圧力損失が小さくなり、主流路F1の圧力損失が、副流路F2の圧力損失に対して相対的に大きくなったことになる。これにより、各個別連通路422及び共通排出溝421による圧力損失によってインクが流れにくい副流路F2のインクの流量を増大させる。このときの吸引ポンプ10の駆動量(吸引量)は、インク貯留室41に供給されたインクの一部が副流路F2にも流れるように、制御部104によって適切に調整される。このように吸引ポンプ10を設ける場合には、インク排出管5cには逆止弁8を設けることが好ましい。
このような吸引ポンプ10を設けたインクジェットヘッド1によれば、インクをインク貯留室41に供給するだけで、主流路F1を通ってインク回収管5bからインクを回収するのみならず、副流路F2を通ってインク排出管5cからもインクを排出することができるので、流量調整部材9を設けた場合と同様に、インク貯留室41内及び各圧力室23回りの残留気泡を効率的に除去することができる効果が得られる。また、流路の圧力調整を、合流後の循環ポンプを用いた減圧により行う場合には、副流路F2のノズル22からバッファ空間部6までの流路抵抗が大きいため、加圧による循環よりも大きい差圧で循環させることができる。例えば、式で表すと〔(P1+ΔP)=P0>Px, P1=P2〕となる。
また、吸引ポンプ10は、駆動量を制御することによってインク流量を適宜調整可能である。このため、吸引ポンプ10の駆動量の調整により、インク回収管5bから回収されるインク流量とインク排出管5cから排出されるインク流量とを均衡させるのみならず、インク回収管5bからの回収よりもインク排出管5cから排出されるインク流量を多くする等のように、インク回収管5bとインク排出管5cからそれぞれ流出するインク流量を異ならせることも容易に行うことができる。
さらに、吸引ポンプ10の駆動によって、各個別連通路422内及び共通排出溝421内には負圧が発生するため、インクの初期導入時にノズル22から無駄にインクが排出されることを抑制できる効果もある。
なお、このように吸引ポンプ10を設ける場合には、インク排出管5cの内径を、インク回収管5bの内径よりも細くすることも好ましい。インク排出管5cの内径を細くすると、吸引ポンプ10の駆動時に、各個別連通路422内及び共通排出溝421内の圧力変動を抑えることができ、インク流量の調整が容易となる。
〔フィルター〕
インクマニホールド4内には、図9に示すように、例えばメッシュ状の金属や樹脂の多孔質体等によって形成されたフィルター42を、インク貯留室41を上下に二分するように配置してもよい。これにより、インク貯留室41は、フィルター42を挟んで、各圧力室23から遠い部分と、各圧力室23に近い部分とに分けられる。このフィルター42は、インク供給管5aからインク貯留室41に供給されたインク中に含まれる気泡や夾雑物が、各圧力室23に侵入することを阻止する。
本発明において、このフィルター42は、インク貯留室41に供給されたインクが、各圧力室23に注入される際の圧力損失要素の一つである。なお、循環ポンプ105は、このフィルター42及び配管の長さや配管の曲り部の数等の圧力損失要素による圧力損失ΔPを上回る圧力P0を発生する。
〔インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置の他の実施形態(1)〕
図10は、本発明に係るインクジェットヘッドのさらに他の一例を一部断面で示す概略構成図である。図1及び図9と同一符号の部位は同一構成の部位であるため、これらの説明は上記説明を援用し、ここでは省略する。
本実施形態においては、図10に示すように、インク貯留室41内に、フィルター42が配置されている。このフィルター42は、上述したように、インク貯留室41を上下に二分するものである。このフィルター42により、インク貯留室41は、ヘッドチップ2から遠い側の上流側インク室411と、ヘッドチップ2に近い側の下流側インク室412とに分けられている。このフィルター42は、インク供給管5aからインク貯留室41内に供給されたインク中に含まれる気泡や夾雑物が、下流側インク室412に侵入することを阻止する。
このインクジェットヘッド1において、インク供給管5aから上流側インク室411を経て、インク回収管5bの途中のバッファ空間部6に至る流路が、主流路F1となる。
そして、下流側インク室412は、基板3に形成された注入孔31を介して、ヘッドチップ2に形成された全ての圧力室23と連通している。ヘッドチップ2には、複数の圧力室23が形成されている。注入孔31は、各圧力室23に対応して形成されている。下流側インク室412内のインクは、各注入孔31を介して、全ての圧力室23に共通に注入される。
下流側インク室412内には、内部に気体が封入されたダンパー部材43が配置されている。ダンパー部材43は、可撓膜によって形成されたダンパー面431を基板3に対面させて、基板3から所定の距離をおいて配置されている。ダンパー部材43は、インクの吐出時に各圧力室23から下流側インク室412に伝播する圧力波を吸収する。これにより、圧力室23内で発生した圧力波が、下流側インク室412を介して他の圧力室23に与える影響を低減させることができる。
そして、インクマニホールド4には、下流側インク室412内からインクを排出する流路をなすインク排出管5cが連設されている。このインク排出管5cの上端側は、インク回収管5bに合流している。インク回収管5bとインク排出管5cとは、合流箱61に接続されることによって合流している。合流箱61は、上述したように、内部にバッファ空間部6が形成されている。
合流箱61には、バッファ空間部6に至る第1乃至第3の開口部6a,6b,6cが形成されている。第1の開口部6aからバッファ空間部6を経て第3の開口部6cに至る流路は、インク回収管5bの中途部に介在される。実装状態としては、インク回収管5bを中途部において上流側及び下流側に分け、上流側を第1の開口部6aに接続させ、下流側を第3の開口部6cに接続させることになる。そして、第2の開口部6bには、インク排出管5cを接続させる。
このインクジェットヘッド1において、フィルター42を通り、下流側インク室412及びインク排出管5cを経て、バッファ空間部6に至る流路が、副流路F2となる。
インク排出管5cには、逆止弁8が配設されている。この逆止弁8は、下流側インク室412からバッファ空間部6に向けたインクの流出を許容し、その反対方向のインクの流れを阻止するように機能する。例えば、インク中に含まれる夾雑物によってフィルター42が目詰まりし、副流路F2の圧力P2が下がると、上流側インク室411内の主流路F1の圧力P1との間に圧力差が生じる。この場合に、インク回収管5bから回収されたインクが、バッファ空間部6を経てインク排出管5cに逆流するおそれがある。インク排出管5cに逆止弁8を設けることにより、インクの逆流によって下流側インク室412に気泡や夾雑物が入り込むことを防止することができる。
そして、インク回収管5bのバッファ空間部6の下流側には、第2の逆止弁8bを配設することが好ましい。この第2の逆止弁8bは、インク貯留室41からのインクの回収を許容し、その反対方向のインクの流れを阻止するように機能する。この第2の逆止弁8bを設けることにより、インクの逆流によって上流側インク室411及び下流側インク室412に気泡や夾雑物が入り込むことを防止することができる。
この第2の逆止弁8bは、バッファ空間部6よりも高い位置に配置することが好ましい。この条件が満たされている限り、このインクジェットヘッド1は、インクジェット記録装置において傾斜させて配置してもよい。第2の逆止弁8bがバッファ空間部6よりも高いことにより、インク貯留室41から回収したインク中の気泡が第2の逆止弁8b付近に溜まり、結合して大きくなった気泡が第2の逆止弁8bを通過するので、インク貯留室41に気泡が戻ることを確実に防止することができる。
また、第2の逆止弁8bは、その上端部がインクタンク101におけるインクの表面101sよりも低くなる位置に配置することが好ましい。この条件が満たされている限り、このインクジェットヘッド1は、インクジェット記録装置において傾斜させて配置してもよい。第2の逆止弁8bがインクの表面101sよりも低いことにより、インクジェットヘッド1内にインクを良好に循環させることができる。また、第2の逆止弁8bは、インクの循環を阻害することなく、インクジェットヘッド1内の内圧の上昇を抑え、ノズル22からインクがあふれるメニスカスブレイクを防止するように機能する。
また、第2の逆止弁8bは、インク貯留室41から回収されたインクが上方に向けて流れる位置に配置することが好ましい。この条件が満たされている限り、このインクジェットヘッド1は、インクジェット記録装置において傾斜させて配置してもよい。第2の逆止弁8bにおいてインクが上方に流れることにより、インクの流れが起きていないときには、第2の逆止弁8bは、重力によって閉鎖状態とされる。
なお、本実施形態において、循環ポンプ105は、フィルター42及び配管の長さや配管の曲り部の数等の圧力損失要素による圧力損失ΔPを上回る圧力P0を発生する。
〔インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置の他の実施形態(2)〕
図9に示すインクジェットヘッド1及びインクジェット記録装置100において、インク排出管5cに吸引ポンプ10を設けることに加えて、例えば、インク回収管5bに流量調整部材9を設け、気泡除去時にこれらを併用することも好ましい。インク回収管5bに設けた流量調整部材9によって圧力損失が付与されるため、それだけ吸引ポンプ10の駆動量を低減することができる。これにより、吸引ポンプ10は低容量のポンプで済み、イニシャルコスト及びランニングコストを低減できる。
このようにインク回収管5bの流量調整部材9とインク排出管5cの吸引ポンプ10とを併用する場合には、インク回収管5bに流量調整部材9を設けるのみの場合に比べ、インク回収管5bに付与する圧力損失ΔPを小さく設定することもできる。例えば、流量調整部材9は、吸引ポンプ10と併用しない場合に比べて、流路孔94の内径を大きくすることができる。このため、狭い流路孔94では流れにくい高粘度インクの使用も可能となり、使用可能なインクの種類を広げることができる。
〔インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置の他の実施形態(3)〕
インクマニホールド4内には、図11に示すように、排出路423を複数設けてもよい。図11は、本発明に係るインクジェット記録装置のさらに他の一例を示す要部概略構成図であり、インクジェットヘッドを一部断面で示している。図1と同一符号の部位は同一構成の部位であるため、これらの説明は上記説明を援用し、ここでは省略する。
すなわち、インクマニホールド4内のヘッドチップ2の長手方向一方側及び他方側に、それぞれ隔壁45,45を設け、インク貯留室41の両側に、2つのインク排出室412,412を設ける。そして、各インク排出室412,412を経由する一方及び他方の2つの排出路423,423を設けることができる。一方の排出路423は、前述した実施形態における排出路423と同一のものである。他方の排出路423も、前述した実施形態における排出路423と同様に構成することができる。
すなわち、一方のインク排出室412には、前述のように、このインク排出室412内からインクを排出する流路をなす一方のインク排出管5cを連設する。同様に、他方のインク排出室412にも、このインク排出室412内からインクを排出する流路をなす他方のインク排出管5cを連設する。そして、これらインク排出管5c,5cの上端側を、それぞれインク回収管5bに合流させる。
各インク排出管5c,5cとインク回収管5bとは、前述した実施形態と同様に合流箱61に接続することによって合流させることができる。
合流箱61の外面には、バッファ空間部6に至る第1乃至第4の開口部48a,48b,48c,48dが形成されている。第1の開口部48aからバッファ空間部6を経て第3の開口部48cに至る流路は、インク回収管5bの中途部に介在される。実装状態としては、インク回収管5bを中途部において上流側及び下流側に分け、上流側を第1の開口部48aに接続させ、下流側を第3の開口部48cに接続させることになる。そして、第2の開口部48bには、一方のインク排出管5cを接続させる。第4の開口部48dには、他方のインク排出管5cを接続させる。
この実施形態においては、排出路423,423は、各注入孔31aから各圧力室23を経て、ヘッドチップ2の長手方向一方側及び他方側に分かれて、両側の排出孔31b,31b及び両側の排出チャネル424,424を経てバッファ空間部6に至るインクの経路となる。すなわち、圧力室23内から共通排出溝421に至ったインクは、ヘッドチップ2の長手方向一方側及び他方側に分かれ、それぞれ排出チャネル424,424を経て排出孔31b,31bに至る。各排出孔31b,31bに至ったインクは、これら排出孔31b,31bを通って、一方及び他方のインク排出室412,412を経て、一方及び他方のインク排出管5c,5cに至る。
このように排出路423を複数設けた場合には、各圧力室23から排出孔31bに至る距離を短くすることができるので、排出路423全体の流路抵抗を低く抑えることができ、副流路F2の流路抵抗を低く抑えることができる。
〔インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置の他の実施形態(4)〕
前述の各実施形態においては、インク貯留室41及びインク排出室412は、それぞれインクマニホールド4内に構成され、隔壁45によって分離されている。この隔壁45は、図12に示すように、インク貯留室41からインク回収管5bに向かう主流路F1に沿って傾斜させてもよい。この場合には、インク排出室412においても、隔壁45は、副流路F2に沿って傾斜されたものとなる。
図12は、本発明に係るインクジェット記録装置のさらに他の一例を示す要部概略構成図であり、インクジェットヘッドを一部断面で示している。図1と同一符号の部位は同一構成の部位であるため、これらの説明は上記説明を援用し、ここでは省略する。
このように隔壁45を傾斜させることにより、各流路F1,F2の流れが円滑になり、インク貯留室41内及び各圧力室23回りの残留気泡を効率的に除去することができる。
さらに、インク貯留室41内及びインク排出室412内に気泡が残留し得るような段差部をなくし、各流路F1,F2に沿う滑らかな形状とすることにより、インク貯留室41内及びインク排出室412内に気泡が残留することを防止し、また、気泡が残留してもその除去を容易に行うことができる。
1:インクジェットヘッド
2:ヘッドチップ
21:ノズルプレート
22:ノズル
23:圧力室
3:配線基板
31a:注入孔
31b:排出孔
4:インクマニホールド
41:インク貯留室
412:インク排出室
421:共通排出溝
422:個別連通路
423:排出路
424:排出チャネル
42:フィルター
45:隔壁
5a:インク供給管
5b:インク回収管
5c:インク排出管
6:バッファ空間部
61:合流箱
62:気室
8:逆止弁
9:流量調整部材
10:吸引ポンプ(流量調整部材)
F1:主流路
F2:副流路
100:インクジェット記録装置
101:インクタンク
102:インク移送管
103:インク返送管
104:制御部
105:循環ポンプ

Claims (9)

  1. インク貯留室と、
    前記インク貯留室内にインクを供給する流路をなすインク供給管と、
    前記インク貯留室内からインクを回収する主流路をなすインク回収管と、
    前記インク貯留室に注入孔を介して連通し、該注入孔から前記インク貯留室内のインクが注入される少なくとも1つのインクチャネルと、
    前記インクチャネルに連通し、該インクチャネルを外部に連通させる吐出ノズルと、
    前記インクチャネル内のインクを前記吐出ノズルから外部に吐出させる圧電素子と、
    前記インク貯留室内からインクを排出させ、前記インク回収管に合流させる副流路をなす排出路とを備え、
    前記インク回収管及び前記排出路からインクが流入するバッファ空間部を有し、このバッファ空間部において前記インク回収管と前記排出路とが合流することを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 前記バッファ空間部の容積は、前記副流路の容積の1倍以上であることを特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 前記バッファ空間部は、このバッファ空間部に流入したインクに含まれていた気泡が滞留する気室を有していることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェットヘッド。
  4. 前記バッファ空間部は、前記インク回収管及び前記排出路に対して着脱可能な合流部材の内部に形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のインクジェットヘッド。
  5. 前記主流路の流路抵抗と、前記副流路の流路抵抗との相対関係を調整する圧力損失調整手段を備えていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のインクジェットヘッド。
  6. 前記圧力損失調整手段は、内部に前記バッファ空間部が形成され前記インク回収管及び前記排出路に対して着脱可能な合流部材に設けられていることを特徴とする請求項5記載のインクジェットヘッド。
  7. インクジェットヘッドのインク貯留室内からインクを回収するインク回収管を流れる主流路と、前記インク貯留室内からインクを排出させる排出路を流れる副流路とからインクが流入するバッファ空間部を有し、このバッファ空間部において前記インク回収管と前記排出路とを合流させることを特徴とする合流部材。
  8. 前記主流路の流路抵抗と、前記副流路の流路抵抗との相対関係を調整する圧力損失調整手段を備えていることを特徴とする請求項7記載の合流部材。
  9. 請求項1〜6の何れかに記載のインクジェットヘッドと、
    前記インクジェットヘッドに移送されるインクが貯蔵されるインクタンクと、
    前記インクタンク内のインクを前記インクジェットヘッドに移送するインク移送部とを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
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