JP2005009675A - クラッチディスク押圧組立体 - Google Patents
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Abstract
【課題】クラッチディスクとプレッシャーとの圧着力を維持した上で、体力の如何に拘わらず多くの人が自動二輪車の運転を楽しむことを可能とするクラッチディスク押圧組立体を提供する。
【解決手段】クラッチディスクを押圧することによってクラッチディスクにエンジンからの動力を伝達し、または押圧を解除することによってエンジンからの動力を切断するクラッチディスク押圧組立体であって、クラッチディスクと圧着するプレッシャープレートと、プレッシャープレートに押し付け力を与えるダイヤフラムスプリングと、ダイヤフラムスプリングに所定の荷重を加えるリテーナとを備える。クラッチディスクとプレッシャープレートとはダイヤフラム荷重と遠心荷重とによって圧着し、ダイヤフラム荷重が最大トルク値から算出されるクラッチディスクとプレッシャープレートとの滑り限界値未満となるように設定される。
【選択図】図1
【解決手段】クラッチディスクを押圧することによってクラッチディスクにエンジンからの動力を伝達し、または押圧を解除することによってエンジンからの動力を切断するクラッチディスク押圧組立体であって、クラッチディスクと圧着するプレッシャープレートと、プレッシャープレートに押し付け力を与えるダイヤフラムスプリングと、ダイヤフラムスプリングに所定の荷重を加えるリテーナとを備える。クラッチディスクとプレッシャープレートとはダイヤフラム荷重と遠心荷重とによって圧着し、ダイヤフラム荷重が最大トルク値から算出されるクラッチディスクとプレッシャープレートとの滑り限界値未満となるように設定される。
【選択図】図1
Description
本発明は、自動二輪車のクラッチディスク押圧組立体に関するものである。
クラッチディスクを押圧することによってクラッチディスクにエンジンからの動力を伝達し、または押圧を解除することによってエンジンからの動力を切断する自動二輪車に用いられるクラッチディスク押圧組立体として、クラッチディスクと圧着するプレッシャープレートと、プレッシャープレートに押し付け力を与えるダイヤフラムスプリングと、ダイヤフラムスプリングのスプリングに荷重を加えるリテーナとを備えるものがある。
ドライバーが操作するクラッチレバーはプレッシャープレートにつながっており、ドライバーがクラッチレバーを握ることによって、プレッシャープレートがダイヤフラムスプリングのスプリング荷重に抗して移動し、クラッチの切断が行われる。このように、ドライバーは、クラッチを切断するときには、ダイヤフラムスプリングのスプリング荷重に打ち勝つ力でクラッチレバーを握らなければならない。
ドライバーが操作するクラッチレバーはプレッシャープレートにつながっており、ドライバーがクラッチレバーを握ることによって、プレッシャープレートがダイヤフラムスプリングのスプリング荷重に抗して移動し、クラッチの切断が行われる。このように、ドライバーは、クラッチを切断するときには、ダイヤフラムスプリングのスプリング荷重に打ち勝つ力でクラッチレバーを握らなければならない。
このダイヤフラムスプリングのスプリング荷重は、自動二輪車の最大トルク値からクラッチディスクとプレッシャープレートとが滑りを起こさないための必要クラッチディスク荷重を求め、クラッチディスクとプレッシャープレートとの荷重が必要クラッチディスク荷重以上の値となるように決定される。
最大トルク値を基準としてダイヤフラムスプリングのスプリング荷重を決定し、そのスプリング荷重はエンジン回転数に関係なく一定に設定されるため、全ての回転数領域でクラッチディスクの滑りを防止することができる。
最大トルク値を基準としてダイヤフラムスプリングのスプリング荷重を決定し、そのスプリング荷重はエンジン回転数に関係なく一定に設定されるため、全ての回転数領域でクラッチディスクの滑りを防止することができる。
このように、ダイヤフラムスプリングのスプリング荷重は、自動二輪車の最大トルク値から決定されるため、エンジントルクの大きい自動二輪車の場合には、必然的にスプリング荷重は大きくなる。
したがって、エンジントルクが大きい自動二輪車を運転する場合、ドライバーはクラッチレバーの手動操作に大きな力を必要とする傾向にあり、ドライバーにとっては大きな負担となる。
したがって、エンジントルクが大きい自動二輪車を運転する場合、ドライバーはクラッチレバーの手動操作に大きな力を必要とする傾向にあり、ドライバーにとっては大きな負担となる。
実際、エンジントルクの大きい自動二輪車を長時間運転する場合や、ギアチェンジを繰り返さなければならない交通量の多い道路を運転する場合には、ドライバーの握力は低下し易くなる。このような場合に対応するためには、握力その他の体力が充実し、さらに円滑なギアチェンジが可能であるような高い運転技術が必要とされる。このような事情から、自動二輪車を楽しむことができる人は一部の人に限定されるということがあった。また、特に、女性の場合には、握力が弱いことが多いためクラッチレバー操作自体の困難性に起因して、楽しむことができる車種が限定されてしまうことがあった。
そこで、クラッチレバーの操作に要する力を低減させる方法として、プレッシャープレートの移動幅を従来よりも短くする方法がある。しかし、この方法では、プレッシャープレートとクラッチディスクとの完全な切断を確保するための精度出しに大変な労力を要していた。
また、特許文献1には、ダイヤフラムスプリングを有するクラッチ押圧組立体におけるクラッチペダルの荷重を軽減させる構造として、レバー部材のレバー比を調整することによって、ダイアフラムスプリングの押圧力を小さく設定し、クラッチペダルの踏力を低減させる構造が開示されている。
しかし、ダイヤフラムスプリングのスプリング荷重を小さく設定すれば、クラッチディスクとプレッシャープレートとの圧着力が減少するため、エンジントルクが大きい自動二輪車の場合や、エンジンが高回転数になった場合には、クラッチディスクとプレッシャープレートとの滑りの原因になる。
しかし、ダイヤフラムスプリングのスプリング荷重を小さく設定すれば、クラッチディスクとプレッシャープレートとの圧着力が減少するため、エンジントルクが大きい自動二輪車の場合や、エンジンが高回転数になった場合には、クラッチディスクとプレッシャープレートとの滑りの原因になる。
以上のように、クラッチレバーの操作に要する力を低減するという要請と、クラッチディスクとプレッシャープレートとの圧着力を大きくするという要請とを同時に充足するということは困難であった。
そこで、本発明は、クラッチディスクとプレッシャープレートとの圧着力を維持した上で、体力の如何に拘わらず多くの人が自動二輪車の運転を楽しむことを可能とするクラッチディスク押圧組立体を提供することを目的とする。
本願発明に係るクラッチディスク押圧組立体は、クラッチディスクを押圧することによってクラッチディスクにエンジンからの動力を伝達しまたは押圧を解除することによってエンジンからの動力を切断するクラッチディスク押圧組立体であって、前記クラッチディスクと圧着するプレッシャープレートと、前記プレッシャープレートに押し付け力を与えるダイヤフラムスプリングと、前記ダイヤフラムスプリングに所定の荷重を加えるリテーナとを備え、前記ダイヤフラムスプリングは前記プレッシャープレートと前記リテーナとの間に弾性的に支持されるとともに前記プレッシャープレートの移動によって弾性変形し、前記リテーナは環状部と、当該環状部の一方の面に環状に形成された隆起部と、当該環状部を貫通し当該環状部の支持部にて揺動自在に取り付けられた複数のV字型フィンガーとを有し、前記隆起部が前記ダイヤフラムスプリングを押圧する押圧力と前記ダイヤフラムスプリングが前記プレッシャープレートを押圧する押圧力とが重畳されて生じるダイヤフラム荷重と、前記V字型フィンガーがエンジン回転数の上昇に伴って増加する荷重で前記プレッシャープレートを押圧する遠心荷重とによって前記クラッチディスクに対する前記プレッシャープレートの圧着力を設定することを特徴とする。
また、本願発明に係るクラッチディスク押圧組立体は、前記ダイヤフラムスプリングは環状部と、当該環状部の内周から円中心方向へ先細に延びる複数のレバー部と、中心部の開口部から放射状に延びる複数のスリット部とを有し、前記V字型フィンガーは前記支持部を介する両側の一側に設けられた作用部と、他側に備え付けられた質量体とを有し、前記ダイヤフラム荷重は前記隆起部が前記ダイヤフラムスプリングのレバー部を押圧し前記レバー部がプレッシャープレートを押圧することによって発生し、前記遠心荷重はエンジン回転数の上昇に伴って前記質量体に作用する遠心力によって前記V字型フィンガーの前記作用部が前記スリット部を挿通して前記プレッシャープレートを押圧することによって発生することを特徴とする。
本発明によれば、クラッチディスク押圧組立体がダイヤフラム荷重とともにエンジンの回転数上昇に伴って増加する遠心荷重も備えるため、その分ダイヤフラム荷重を抑えることができ、それによって、ドライバーがクラッチレバーを操作するのに必要な力を低減させることができる。
本発明によれば、クラッチディスク押圧組立体がダイヤフラム荷重とともにエンジンの回転数上昇に伴って増加する遠心荷重も備えるため、その分ダイヤフラム荷重を抑えることができ、それによって、ドライバーがクラッチレバーを操作するのに必要な力を低減させることができる。
また、本願発明に係るクラッチディスク押圧組立体は、リング状の板部とそのリング状の板部の外周部分から外側に向かって延びるプレート部を備えるベースプレートを有し、前記ベースプレートは前記プレート部が前記ダイヤフラムスプリングのスリット部に対応するように配置され、前記遠心荷重は前記V字型フィンガーの前記作用部が前記プレート部を介して前記プレッシャープレートを押圧することによって発生することを特徴とする。
本発明によれば、V字型フィンガーの作用部のみでプレッシャープレートを圧着するよりもプレッシャープレートに当接する面積が大きくなり、効率良くプレッシャープレートを圧着することが可能となる。
本発明によれば、V字型フィンガーの作用部のみでプレッシャープレートを圧着するよりもプレッシャープレートに当接する面積が大きくなり、効率良くプレッシャープレートを圧着することが可能となる。
また、本願発明に係るクラッチディスク押圧組立体は、前記ダイヤフラム荷重が最大トルク値から算出されるクラッチディスクとプレッシャープレートとの滑り限界値未満であることを特徴とする。
ここでダイヤフラム荷重とは、リテーナがダイヤフラムスプリングを押圧し、それによってダイヤフラムスプリングがプレッシャープレートを押圧する荷重である。なお、ダイヤフラム荷重は、エンジン回転数に関係なく一定の荷重である。
また、滑り限界値とは、クラッチディスクとプレッシャープレートとの間に滑りが起こらないための必要最低限の荷重である。具体的には、最大トルク値を基準としてエンジンやトランスミッション等の特性に基づいて算出される荷重である。
本発明によれば、ダイヤフラム荷重をすべり限界値未満としたので、ダイヤフラムスプリングのスプリング荷重を低減して、ドライバーがクラッチレバーを操作するのに必要な力を低減させることができる。
ここでダイヤフラム荷重とは、リテーナがダイヤフラムスプリングを押圧し、それによってダイヤフラムスプリングがプレッシャープレートを押圧する荷重である。なお、ダイヤフラム荷重は、エンジン回転数に関係なく一定の荷重である。
また、滑り限界値とは、クラッチディスクとプレッシャープレートとの間に滑りが起こらないための必要最低限の荷重である。具体的には、最大トルク値を基準としてエンジンやトランスミッション等の特性に基づいて算出される荷重である。
本発明によれば、ダイヤフラム荷重をすべり限界値未満としたので、ダイヤフラムスプリングのスプリング荷重を低減して、ドライバーがクラッチレバーを操作するのに必要な力を低減させることができる。
また、本願発明に係るクラッチディスク押圧組立体は、ダイヤフラム荷重が最大トルク値から算出されるクラッチディスクとプレッシャープレートとの滑り限界値未満となるように前記リテーナの隆起部の内径が決定されてなることを特徴とする。
本発明によれば、ダイヤフラムスプリングのスプリング荷重の低減は、リテーナの隆起部の内径を小さくすることによって実現される。このように、極めて簡易な構造によって、ドライバーがクラッチレバーを操作するのに必要な力を低減できるクラッチディスク押圧組立体を得ることができる。
本発明によれば、ダイヤフラムスプリングのスプリング荷重の低減は、リテーナの隆起部の内径を小さくすることによって実現される。このように、極めて簡易な構造によって、ドライバーがクラッチレバーを操作するのに必要な力を低減できるクラッチディスク押圧組立体を得ることができる。
また、本願発明に係るクラッチディスク押圧組立体は、前記ダイヤフラム荷重と前記遠心荷重との合計荷重が最大トルク発生時のエンジン回転数にて滑り限界値以上となるようにエンジン回転数に対して可変に設定されてなることを特徴とする。
本発明によれば、クラッチディスクとプレッシャープレートとの圧着力がそれほど必要のない低回転数領域では、ダイヤフラム荷重を抑えることによってドライバーがクラッチレバーを操作するのに必要な力を低減させることができる。それに加えて、回転数が上昇して最大トルク発生時には遠心荷重の増大によってクラッチディスクとプレッシャープレートとの圧着力を確保しクラッチディスクの滑りを防止することができる。
本発明によれば、クラッチディスクとプレッシャープレートとの圧着力がそれほど必要のない低回転数領域では、ダイヤフラム荷重を抑えることによってドライバーがクラッチレバーを操作するのに必要な力を低減させることができる。それに加えて、回転数が上昇して最大トルク発生時には遠心荷重の増大によってクラッチディスクとプレッシャープレートとの圧着力を確保しクラッチディスクの滑りを防止することができる。
以上のように、本願発明は、ダイヤフラム荷重を滑り限界値よりも低く設定することを特徴とするものである。また、エンジン回転数が上昇し最大トルク発生時に、クラッチディスクとプレッシャープレートとの間の荷重が、滑り限界値以上となるようにダイヤフラム荷重を低く設定した分を遠心荷重で補うことを特徴とするものである。これによって、ドライバーがクラッチレバーを操作するのに必要な力を低減することができ、かつ最大トルク発生時にもクラッチディスクとプレッシャープレートとの間の荷重を確保することができる。
すなわち、本願発明は、低速運転時におけるクラッチディスクとプレッシャープレートとの間の荷重がそれほど必要がない状態では、両者の圧着力を低減させ、両者の圧着力が必要になるエンジンの高回転数時には、エンジンの回転数の上昇に伴ってその圧着力が補われることを特徴とするものである。
このように、本願発明は、クラッチディスクとプレッシャープレートとの間の荷重を必要な時にだけ必要な圧着力となるように可変としたものである。これによって、両者の荷重を最大トルク発生時を基準として常に一定に設定した従来の自動二輪車と比較して、クラッチレバーを操作するのに必要な力を大幅に低減することが可能となる。
このように、本願発明は、クラッチディスクとプレッシャープレートとの間の荷重を必要な時にだけ必要な圧着力となるように可変としたものである。これによって、両者の荷重を最大トルク発生時を基準として常に一定に設定した従来の自動二輪車と比較して、クラッチレバーを操作するのに必要な力を大幅に低減することが可能となる。
本願発明に係るクラッチディスク押圧組立体を自動二輪車に採用することによって、クラッチディスクとプレッシャープレートとの圧着力を維持した上で、体力の如何に拘わらず多くの人が自動二輪車の運転を楽しむことが可能となる。
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明の実施の形態1であるクラッチディスク押圧組立体100の平面図であり、図1(b)は図1(a)のa−a’断面図である。
図1(a)は、本発明の実施の形態1であるクラッチディスク押圧組立体100の平面図であり、図1(b)は図1(a)のa−a’断面図である。
クラッチディスク押圧組立体100は、クラッチディスク1を押圧することによってクラッチディスク1にエンジン(図示せず)の動力を伝達し、または押圧を解除することによってエンジンの動力を切断するものである。このクラッチディスク押圧組立体100は、クラッチディスク1と圧着するプレッシャープレート2と、プレッシャープレート2に押し付け力を与えるダイヤフラムスプリング3と、ダイヤフラムスプリング3に所定の荷重を加えるリテーナ4とを備える。また、クラッチディスク押圧組立体100は、リテーナ4が固定されるインナーハブ5と、プレッシャープレート2に作用してプレッシャープレート2を移動させるアジャスタスクリュー6とを備える。なお、アジャスタースクリュー6はドライバーが手動にて操作するクラッチレバー(図示せず)につながっている。
図2はプレッシャープレート2の平面図である。
プレッシャープレート2は、環状の部材であり、外周に添って形成された環状突起部21と、インナーハブ5に形成された円筒部(図示せず)が挿通する複数の穴部22とを有する。
プレッシャープレート2は、環状の部材であり、外周に添って形成された環状突起部21と、インナーハブ5に形成された円筒部(図示せず)が挿通する複数の穴部22とを有する。
プレッシャープレート2は、クラッチディスク1とダイヤフラムスプリング3の間に配置され、プレッシャープレート2の中央の開口部23はアジャスタースクリュー6に連結されている。プレッシャープレート2は、アジャスタースクリュー6の作用によって、すなわちドライバーがクラッチレバーを操作することによって、アジャスタースクリュー6の軸と平行な方向(以下、「軸方向」と称する)に移動する。
図3はダイヤフラムスプリング3の平面図である。
ダイヤフラムスプリング3は、環状部31と環状部31の内周から円中心方向へ先細に延びスプリング機能を有する複数のレバー部32とを有し、レバー部32は円周方向に等間隔に設けられている。このように、ダイヤフラムスプリング3は、中心部に開口部33と、開口部33から放射状に延び、等間隔に形成されたスリット部34とを有する。
ダイヤフラムスプリング3は、環状部31と環状部31の内周から円中心方向へ先細に延びスプリング機能を有する複数のレバー部32とを有し、レバー部32は円周方向に等間隔に設けられている。このように、ダイヤフラムスプリング3は、中心部に開口部33と、開口部33から放射状に延び、等間隔に形成されたスリット部34とを有する。
ダイヤフラムスプリング3は、プレッシャープレート2のクラッチディスク1と圧着する面の逆側に配置され、ダイヤフラムスプリング3の外周端35は、プレッシャープレート2の外周の環状突起部21に支持されている。
ダイヤフラムスプリング3は、ダイヤフラムスプリング3の外周を円周とした場合の中心部を中心にプレッシャープレート2側に湾曲したお椀状の形状である。したがって、ダイヤフラムスプリング3に負荷がかかっていない状態では、ダイヤフラムスプリング3とプレッシャープレート2とはダイヤフラムスプリング3の外周端35のみが接触した状態となっている。
図4(a)はリテーナ4の平面図、図4(b)はリテーナ4の背面図、図4(c)はリテーナ4の側面図、図4(d)はリテーナ4においてV字型フィンガーが揺動する状態を表す側面図である。
リテーナ4は、環状部41と、環状部41の一方の面42に環状に形成された複数の隆起部43と、環状部41を貫通する複数のV字型フィンガー44とを有する。V字型フィンガー44は、図4(d)に示すように環状部41に設けられた支持部48にて揺動自在に取り付けられている。
リテーナ4は、ダイヤフラムスプリング3のレバー部32に隆起部43が当接するように配置される。
リテーナ4は、ダイヤフラムスプリング3のレバー部32に隆起部43が当接するように配置される。
V字型フィンガー44の支持部48を介する両側の一側であるダイヤフラムスプリング3側には、プレッシャープレート2に当接する部分が平面状である作用部45が設けられている。また、他側には円筒状のおもりである質量体46が備え付けられている。なお、質量体46の形状および取り付け方は本実施の形態の態様に限定されるものではなく、質量体46が遠心力を受けV字型フィンガー44が揺動する構造であればよい。
V字型フィンガー44は円周方向に等間隔に配置され、環状部41の各V字型フィンガー44の間隔領域には、ボルトが挿入されるボルト挿入穴47が形成されている。各ボルト挿入穴47は、エンジンの動力によって回転するインナーハブ5に備えられリテーナ側に延びる複数の円筒部に対向するように配置され、リテーナ4はボルトによってその円筒部に固定される。
なお、プレッシャープレート2とダイヤフラムスプリング3とはボルトに固定されず、円筒部に添ってスライドする構造となっている。
なお、プレッシャープレート2とダイヤフラムスプリング3とはボルトに固定されず、円筒部に添ってスライドする構造となっている。
V字型フィンガー44およびボルト挿入穴47はそれぞれダイヤフラムスプリング3のスリット部34に対応するように交互に等間隔に配置されている。したがって、V字型フィンガー44の作用部45は、ダイヤフラムスプリング3のスリット部34を挿通してプレッシャープレート2に当接可能な構造となっている。
リテーナ4がボルトによってインナーハブ5の円筒部に固定されることによって、リテーナ4の隆起部43がダイヤフラムスプリング3のレバー部32に所定の荷重を与える。そして、その荷重によってダイヤフラムスプリング3のレバー部32はプレッシャープレート2に押し付け力を与える。この押し付け力がダイヤフラム荷重である。
したがって、エンジンの回転によってインナーハブ5とそれに固定されているリテーナ4が回転し、リテーナ4が及ぼす荷重によってダイヤフラムスプリング3とプレッシャープレート2も一体になって回転する。
なお、リテーナ4、プレッシャープレート2、ダイヤフラムスプリング3はアジャスタースクリュー6を軸として同軸上に配置されている。
なお、リテーナ4、プレッシャープレート2、ダイヤフラムスプリング3はアジャスタースクリュー6を軸として同軸上に配置されている。
(作用)
図1(b)および図5を参照して、実施の形態1におけるクラッチディスク押圧組立体100の作用について説明する。
図1(b)および図5を参照して、実施の形態1におけるクラッチディスク押圧組立体100の作用について説明する。
アジャスタースクリュー6は、クラッチレバーに連結されており、ドライバーがクラッチレバーを握ると、アジャスタースクリュー6がクラッチディスク1側に移動する。そして、アジャスタースクリュー6の作用でプレッシャープレート2がクラッチディスク1から離れる方向へ移動しクラッチが切断される。
この時、プレッシャープレート2を移動させるためには、ダイヤフラムスプリング3のレバー部32のスプリング荷重に抗する力でドライバーはクラッチレバーを握らなければならない。
この時、プレッシャープレート2を移動させるためには、ダイヤフラムスプリング3のレバー部32のスプリング荷重に抗する力でドライバーはクラッチレバーを握らなければならない。
ここで、ダイヤフラムスプリング3は、図1(b)に示すようにプレッシャープレート2とリテーナ4との間に配置される。ダイヤフラムスプリング3は、ダイヤフラムスプリング3の一側であるプレッシャープレート2側では、ダイヤフラムスプリング3の外周端35がプレッシャープレート2の外周の環状突起部21によって支持される。また、ダイヤフラムスプリング3は、他側であるリテーナ4側では、ダイヤフラムスプリング3のレバー部32がリテーナ4の隆起部43によって支持される。
クラッチを切断させるには、プレッシャープレート2をダイヤフラムスプリング3側(クラッチディスクと離れる方向)に移動させ、ダイヤフラムスプリング3を圧縮させなければならない。つまり、リテーナ4の隆起部43によるダイヤフラムスプリング3のレバー部32の押さえ位置を支点、ダイヤフラムスプリング3の外周端35を力点として、湾曲しているダイヤフラムスプリング3を平板状にするようにレバー部32を弾性変形させなければならない。
このように、クラッチを切断させるには、ダイヤフラムスプリング3のレバー部32の剛性に打ち勝つ力でプレッシャープレート2を移動させなければならない。つまり、ドライバーはダイヤフラムスプリング3のレバー部32を弾性変形させる力でクラッチレバーを握らなければならない。
ここで、リテーナ4の隆起部43によるダイヤフラムスプリング3の押さえ付け位置(支点)がレバー部32の根元に近い位置(剛性が高い位置)、つまり隆起部43の内径が大きい場合、支点とダイヤフラムスプリング3の外周端35である力点との距離が短くなる。したがって、この場合ダイヤフラムスプリング3のレバー部32を弾性変形させるための必要荷重は大きくなり、ドライバーはクラッチレバーをより強い力で握らなければならない。
このことから、クラッチレバーを操作するのに必要な力を低減させるためには、ダイヤフラムスプリング3のレバー部32のスプリング荷重を低減させることが必要となる。スプリング荷重を低減させる方法としては、リテーナ4の隆起部43によるダイヤフラムスプリング3の押さえ付け位置をレバー部32の先端側に変更することが有効となる。すなわち、リテーナ4の隆起部43の内径を小さくすることが有効となる。
リテーナ4の隆起部43の内径が小さくなれば、ダイヤフラムスプリング3のレバー部32を弾性変形させるための必要荷重は低減され、ドライバーがクラッチレバーを握る力も低減される。
このように、リテーナ4の隆起部43の内径を小さくすると、クラッチレバーを操作するのに必要な力を低減できるのに対して、クラッチディスク1とプレッシャープレート2との圧着力は減少してしまう。これは、リテーナ4の隆起部43がダイヤフラムスプリング3のレバー部32の剛性が低い位置を押さえ付けることになり、レバー部32がプレッシャープレート2を押さえ付けるダイヤフラム荷重が減少するためである。
そこで、ダイヤフラム荷重が減少した分を補う構造として、図5に示すリテーナ4に取り付けられたV字型フィンガー44が機能する。
図5は、図1(a)のb−b’断面図であり、本発明の実施の形態1であるクラッチディスク押圧組立体100においてプレッシャープレートに遠心荷重が作用している状態を表す図である。
図5は、図1(a)のb−b’断面図であり、本発明の実施の形態1であるクラッチディスク押圧組立体100においてプレッシャープレートに遠心荷重が作用している状態を表す図である。
エンジンが回転すれば、エンジンの動力によって回転するインナーハブ5に固定されたリテーナ4も一緒に回転する。これによって、V字型フィンガー44に取り付けられた質量体46には、リテーナ4の外側に向かう遠心力が作用する。この遠心力によって質量体46はリテーナ4の中心から離れる方向に移動し、V字型フィンガー44は支持部48を介して揺動する。そして、V字型フィンガー44の作用部45がダイヤフラムスプリング3のスリット部34を挿通してプレッシャープレート2に圧着する。このように、エンジンの回転数上昇に伴って、質量体46のリテーナ4の外側に向かう遠心力が増大するので、V字型フィンガー44の作用部45がプレッシャープレート2を押圧する力が増大する。このプレッシャープレート2を押圧する力が遠心荷重である。
したがって、エンジンの回転数上昇に伴う質量体に加わる遠心力の増大を利用することによって、ダイヤフラム荷重の低減を遠心力として補うことができ、クラッチディスクとプレッシャープレートとの滑りを防止する圧着力を確保することができる。
以上のように、実施の形態1であるクラッチディスク押圧組立体100によれば、クラッチレバーを操作するのに必要な力を低減しつつ、かつエンジンの高回転数時においてもクラッチディスクとプレッシャープレートとの間の必要圧着力を確保することが可能となる。
上記で説明したように実施の形態1におけるクラッチディスク押圧組立体100はダイヤフラムスプリング3を備える構造のものであるのに対し、ダイヤフラムスプリングに替わる部材としてコイルスプリングを備える構造のものもある。そこで、図9の模式図を用いてダイヤフラムスプリングとコイルスプリングとの特性の違いについて説明する。図9に示す模式図の横軸はクラッチレバー移動量を示し、縦軸はクラッチレバー操作荷重を示す。
コイルスプリングを使用する場合には、クラッチレバーの移動量すなわちクラッチレバーを握る量に比例してコイルスプリングは圧縮される。したがって、図9に示すように、クラッチレバーを深く握るほどドライバーのクラッチレバーを握る力は増加し、クラッチレバーを限界まで握った状態でそれを維持するには大きな力を必要とする。
これに対して、本実施の形態1のようにダイヤフラムスプリングを使用する場合について説明する。クラッチレバーの握り始めの段階、すなわち湾曲したダイヤフラムスプリングが弾性変形している過程では、図9に示すようにドライバーがクラッチレバーを握る力はコイルスプリングを使用した場合とほぼ同じである。しかし、クラッチレバーを限界まで握りダイヤフラムスプリングが平板状に弾性変形した状態では、クラッチレバーを握って維持するための力は、コイルスプリングを使用する場合と比較して格段に小さい。
このように、ダイヤフラムスプリングはコイルスプリングと比較して、クラッチレバーの操作性において優れた特性を有する。
このように、ダイヤフラムスプリングはコイルスプリングと比較して、クラッチレバーの操作性において優れた特性を有する。
(実施の形態2)
図6(a)は、本発明の実施の形態2であるクラッチディスク押圧組立体200の断面図であり、図6(b)は、ベースプレート7の平面図である。
図6(a)は、本発明の実施の形態2であるクラッチディスク押圧組立体200の断面図であり、図6(b)は、ベースプレート7の平面図である。
実施の形態1の構造は、リテーナ4のV字型フィンガー44の作用部45が、プレッシャープレート2を直接圧着するものである。これに対して、クラッチディスク押圧組立体200は、図6(a)に示すようにV字型フィンガー44の作用部45とプレッシャープレート2との間に図6(b)に示すようなベースプレート7を装着させる構造のものである。その他の構造については実施の形態1と同様である。
ベースプレート7は、リング状の板部71とそのリング状の板部71の外周部分から外側に向かって延びるプレート部72とを有する。
プレート部72はダイヤフラムスプリング3のスリット部34のうちV字型フィンガー44に対応するスリット部34に配置され、かつスリット部34とほぼ同じ形状である。
プレート部72はダイヤフラムスプリング3のスリット部34のうちV字型フィンガー44に対応するスリット部34に配置され、かつスリット部34とほぼ同じ形状である。
このベースプレート7を設けることによって、V字型フィンガー44の作用部45がプレート部72を介してプレッシャープレート2を押圧することができる。これによって、プレッシャープレート2が遠心荷重を受ける面積は、V字型フィンガー44の作用部45のみでプレッシャープレート2を押圧するよりも大きくなる。
したがって、V字型フィンガー44による遠心荷重が効率良くプレッシャープレート2に伝わることとなる。
したがって、V字型フィンガー44による遠心荷重が効率良くプレッシャープレート2に伝わることとなる。
以下に、本発明の実施の形態2を採用したクラッチディスク押圧組立体の実施例を従来のクラッチディスク押圧組立体と比較して示す。なお、本実施例における自動二輪車は、ハーレーダビッドソン(登録商標)2004年式FLSTF/1455ccである。
表1に従来のクラッチディスク押圧組立体を使用した場合の各データを示す。
従来のクラッチディスク押圧組立体とは、プレッシャープレートと、ダイヤフラムスプリングと、リテーナとを備え、リテーナがV字型フィンガーを有さない構造のものである。したがって、従来のクラッチディスク押圧組立体は、ダイヤフラムスプリングがエンジン回転数に関係なく一定の荷重でプレッシャープレートを押圧するダイヤフラム荷重のみを有するものである。
従来のクラッチディスク押圧組立体とは、プレッシャープレートと、ダイヤフラムスプリングと、リテーナとを備え、リテーナがV字型フィンガーを有さない構造のものである。したがって、従来のクラッチディスク押圧組立体は、ダイヤフラムスプリングがエンジン回転数に関係なく一定の荷重でプレッシャープレートを押圧するダイヤフラム荷重のみを有するものである。
従来のリテーナに形成された環状の隆起部の内径(以下、「リテーナリング直径」と称する。)は、95mmでありダイヤフラム荷重はエンジンの回転数に関係なく300lbで一定である。このときのドライバーが実際にクラッチレバーを操作するのに必要な荷重(以下、「クラッチレバー操作必要荷重」と称する。)は、8.0kg一定である。
ダイヤフラム荷重を300lbに設定した根拠は、本自動二輪車は最大トルクが11.0kg−m/3000rpmであり、この値からクラッチディスクとプレッシャープレートとの間に滑りが起こらないための必要最低限の荷重、すなわち滑り限界値が246lb/3000rpmと算出され、この滑り限界値246lbに余裕をもたせダイヤフラム荷重を300lbに設定した。
このように従来の自動二輪車におけるクラッチディスク押圧組立体においては、最大トルク値からダイヤフラム荷重を決定し、エンジンの回転数に関係なくその決定したダイヤフラム荷重一定に設定されるため、最大トルクが発生していない領域、特にエンジンの低回転数域では、必要以上のダイヤフラム荷重であると言える。このような事情から、エンジントルクの大きい従来の自動二輪車では、クラッチレバー操作必要荷重が大きくなっていた。
次に、本発明の実施の形態2のクラッチディスク押圧組立体を使用した場合のデータを表2に、また、本データと上記従来のクラッチディスク押圧組立体を使用した場合のデータとを比較したグラフを図7に示す。
本実施例に係るクラッチディスク押圧組立体は、回転数に関係なく一定の荷重でプレッシャープレートを押圧するダイヤフラム荷重とエンジン回転数の上昇に伴って増加しプレッシャープレートを押圧する遠心荷重とを有する。したがって、最大トルクが発生するエンジン回転数3000rpmにおいて、ダイヤフラム荷重と遠心荷重との合計荷重が滑り限界値である246lb以上となるように、ダイヤフラム荷重および遠心荷重をそれぞれ設定した。そして、その設定したダイヤフラム荷重である220lbとなるように、リテーナリング直径を75mmに決定した。つまり、リテーナの隆起部によるダイヤフラムスプリングのレバー部押し付け位置を従来と比較して20mm内側に変更した。
図8に示す実線部が本実施例におけるレバー部32の押し付け位置であり、点線部は従来のレバー部の押し付け位置である。このように、レバー部32の押し付け位置を円内側に変更することによって、レバー部32はより弾性変形し易くなる。
ここで、表2および図7から、エンジン回転数2000rpm以下では、ダイヤフラム荷重は滑り限界値以下であり、最大トルクが発生する3000rpm以降にてダイヤフラム荷重がすべり限界値以上になっていることがわかる。
このように、本願発明に係るクラッチディスク押圧組立体は、エンジン回転数上昇に伴って増加する遠心荷重を有するため、合計荷重が最大トルク発生時のエンジン回転数にて滑り限界値に達するように可変とすることができる。これによって、ダイヤフラム荷重を低減することが可能となるとともに、クラッチディスクとプレッシャープレートとの圧着力も両者に滑りが生じない荷重を確保することが可能となる。
ダイヤフラム荷重を滑り限界値未満に低減することによって、すなわちリテーナリング直径を従来と比較して小さくすることによって、表2からかわるように、クラッチレバー操作必要荷重はエンジン回転数4000rpmまでは従来のものと比較して低減されている。
そして、図7からわかるように、エンジン回転数4000rpmを越えたところで本実施例における合計荷重と従来のダイヤフラム荷重とは一致し、5000rpmでは逆に本実施例における合計荷重が遠心荷重の増加によって、従来のダイヤフラム荷重を上回っている。そして、表2からわかるように、クラッチレバー操作必要荷重も従来の荷重よりも大きくなっている。
しかし、本願発明が主な対象とする自動二輪車は、エンジントルクが大きいものであり、そのような自動二輪車の場合、通常の走行時にはエンジン回転数は高くても3000rpm程度である。
したがって、通常の走行時においては、本願発明に係るクラッチディスク押圧組立体を採用することによって、従来のものと比較してクラッチレバー操作必要荷重が低減できることは明らかである。
したがって、通常の走行時においては、本願発明に係るクラッチディスク押圧組立体を採用することによって、従来のものと比較してクラッチレバー操作必要荷重が低減できることは明らかである。
また、本願発明に係るクラッチディスク押圧組立体においては、その構造からクラッチ切断後にドライバーがクラッチレバーを握って維持する力はさほど大きいものとはならない。これについて、図4のリテーナ4の側面図を参照して説明する。
図4(d)は、クラッチが接続されている時、つまりドライバーがクラッチレバーを握っていない時のリテーナ4の状態を表す側面図であり、図4(c)は、クラッチが切断されている時、つまりドライバーがクラッチレバーを握っている時のリテーナ4の状態を表す側面図である。
まず、クラッチが接続されている時には、図4(d)に示すようにV字型フィンガー44の質量体46には、リテーナ4の回転によってリテーナ4の外側に向かう遠心力が作用しているため、作用部45はプレッシャープレート2に当接した状態となっている。
次に、クラッチレバーを握りクラッチが切断された状態、つまりプレッシャープレートがダイヤフラムスプリング側に移動し、ダイヤフラムスプリングがリテーナ4側に圧縮された状態では、リテーナ4に備え付けられたV字型フィンガー44はダイヤフラムスプリングから逆に押される状態となる。このとき、V字型フィンガー44は図4(c)に示すように、支持部48を介して質量体46がリテーナ4の中心に向かって移動するように揺動する。このように、クラッチ切断時は、質量体46は図4(d)のクラッチ接続時の状態と比較して、リテーナ中心側に位置するため、質量体46に作用する遠心力は小さくなる。
以上のように、本発明のクラッチディスク押圧組立体を使用した場合、エンジン回転数がある一定の領域より高くなると、遠心荷重の増加によってクラッチレバー操作必要荷重は大きくなる。しかし、一旦クラッチレバーを握ってしまえば、遠心荷重が小さくなるように作用するため、クラッチレバーを握った後に維持する力はそれほど大きいものとはならない。
以上にて説明したように、本願発明に係るクラッチディスク押圧組立体を自動二輪車に採用することによって、クラッチディスクとプレッシャープレートとの圧着力を維持した上で、体力の如何に拘わらず多くの人が自動二輪車の運転を楽しむことが可能となる。
以上のように、自動二輪車のクラッチディスク押圧組立体に本願発明を適用することができる。
1…クラッチディスク、
2…プレッシャープレート、
3…ダイヤフラムスプリング、
4…リテーナ、
5…インナーハブ、
6…アジャスタースクリュー、
7…ベースプレート、
21…環状突起部、
31…環状部、
32…レバー部、
34…スリット部、
35…外周端
41…環状部、
43…隆起部、
44…V字フィンガー、
45…作用部、
46…質量体、
47…ボルト挿入穴、
48…支持部、
100,200…クラッチディスク組立体、
2…プレッシャープレート、
3…ダイヤフラムスプリング、
4…リテーナ、
5…インナーハブ、
6…アジャスタースクリュー、
7…ベースプレート、
21…環状突起部、
31…環状部、
32…レバー部、
34…スリット部、
35…外周端
41…環状部、
43…隆起部、
44…V字フィンガー、
45…作用部、
46…質量体、
47…ボルト挿入穴、
48…支持部、
100,200…クラッチディスク組立体、
Claims (6)
- クラッチディスクを押圧することによってクラッチディスクにエンジンからの動力を伝達しまたは押圧を解除することによってエンジンからの動力を切断するクラッチディスク押圧組立体であって、
前記クラッチディスクと圧着するプレッシャープレートと、前記プレッシャープレートに押し付け力を与えるダイヤフラムスプリングと、前記ダイヤフラムスプリングに所定の荷重を加えるリテーナとを備え、
前記ダイヤフラムスプリングは前記プレッシャープレートと前記リテーナとの間に弾性的に支持されるとともに前記プレッシャープレートの移動によって弾性変形し、
前記リテーナは環状部と、当該環状部の一方の面に環状に形成された隆起部と、当該環状部を貫通し当該環状部の支持部にて揺動自在に取り付けられた複数のV字型フィンガーとを有し、
前記隆起部が前記ダイヤフラムスプリングを押圧する押圧力と前記ダイヤフラムスプリングが前記プレッシャープレートを押圧する押圧力とが重畳されて生じるダイヤフラム荷重と、
前記V字型フィンガーがエンジン回転数の上昇に伴って増加する荷重で前記プレッシャープレートを押圧する遠心荷重とによって前記クラッチディスクに対する前記プレッシャープレートの圧着力を設定することを特徴とするクラッチディスク押圧組立体。 - 前記ダイヤフラムスプリングは環状部と、当該環状部の内周から円中心方向へ先細に延びる複数のレバー部と、中心部の開口部から放射状に延びる複数のスリット部とを有し、
前記V字型フィンガーは前記支持部を介する両側の一側に設けられた作用部と、他側に備え付けられた質量体とを有し、
前記ダイヤフラム荷重は前記隆起部が前記ダイヤフラムスプリングのレバー部を押圧し前記レバー部がプレッシャープレートを押圧することによって発生し、
前記遠心荷重はエンジン回転数の上昇に伴って前記質量体に作用する遠心力によって前記V字型フィンガーの前記作用部が前記スリット部を挿通して前記プレッシャープレートを押圧することによって発生することを特徴とする請求項1に記載のクラッチディスク押圧組立体。 - リング状の板部とそのリング状の板部の外周部分から外側に向かって延びるプレート部を備えるベースプレートを有し、
前記ベースプレートは前記プレート部が前記ダイヤフラムスプリングのスリット部に対応するように配置され、
前記遠心荷重は前記V字型フィンガーの前記作用部が前記プレート部を介して前記プレッシャープレートを押圧することによって発生することを特徴とする請求項2に記載のクラッチディスク押圧組立体。 - 前記ダイヤフラム荷重が最大トルク値から算出されるクラッチディスクとプレッシャープレートとの滑り限界値未満であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のクラッチディスク押圧組立体。
- 前記ダイヤフラム荷重が最大トルク値から算出されるクラッチディスクとプレッシャープレートとの滑り限界値未満となるように前記隆起部の内径が決定されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のクラッチディスク押圧組立体。
- 前記ダイヤフラム荷重と前記遠心荷重との合計荷重が最大トルク発生時のエンジン回転数にて滑り限界値以上となるようにエンジン回転数に対して可変に設定されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のクラッチディスク押圧組立体。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070807 |