JP3808091B2 - クラッチ機構体及び自動車 - Google Patents

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Description

【技術分野】
本発明は、自動二輪車や自動四輪車等の自動車に適用されるクラッチ機構体に関するものである。
【背景技術】
【0001】
クラッチ機構は、回転駆動力入力系(以下、「入力系」と称する。)を介して入力される回転駆動力を回転駆動力出力系(以下、「出力系」と称する。)に伝達すると共にその伝達の解除を行う。このクラッチ機構は、入力系に連結された摩擦板と、出力系に連結され摩擦板と圧着するクラッチプレートとを有する。すなわち、入力系と出力系の連結および解除は、摩擦板とクラッチプレートとの圧着および解除によって行われる。
【0002】
以上の摩擦板とクラッチプレートとの圧着は、摩擦板をクラッチプレートに押圧することによって行われ、その摩擦板の押圧はクラッチ押圧機構部によって行われる。このクラッチ押圧機構部は、摩擦板を直接押圧するプレッシャープレートと、プレッシャープレートに押し付け力を与える弾性部材と、弾性部材のスプリング部に荷重を加えるリテーナとを有してなる。
【0003】
この弾性部材のスプリング荷重は、以下のように決定される。まず、自動車、例えば自動二輪車の最大トルク値から摩擦板とクラッチプレートとが滑りを起こさないために必要となる必要クラッチ荷重を求める。そして、プレッシャープレートが摩擦板を押圧する荷重が必要クラッチ荷重以上の値となるように弾性部材のスプリング荷重が決定される。
【0004】
以上のように弾性部材のスプリング荷重は最大トルク値を基準として決定され、エンジン回転数には関係なく一定に設定される。これにより、全ての回転数領域で摩擦板とクラッチプレートの滑りを防止することができる。
【0005】
しかし、その反面、最大トルク値を基準として弾性部材のスプリング荷重が決定されるため、エンジントルクの大きい自動車の場合には、必然的にスプリング荷重は大きくなる。
【0006】
ここで、特に自動二輪車の場合、クラッチ押圧機構部に備えられて摩擦板を直接押圧するプレッシャープレートはドライバーが操作するクラッチレバーによって操作される。すなわち、ドライバーがクラッチレバーを握ることによって、プレッシャープレートが弾性部材のスプリング荷重に抗して移動し、プレッシャープレートによる摩擦板に対する押圧が解除される。これによりクラッチプレートと摩擦板との圧着が解除されて、入力系を介して入力される回転駆動力の出力系への伝達の解除、すなわちいわゆる「クラッチの切断」が行われる。このように、ドライバーは、「クラッチの切断」を行うときには、弾性部材のスプリング荷重に打ち勝つ力でクラッチレバーを握り、クラッチ操作を行わなければならない。
【0007】
したがって、エンジントルクが大きい自動二輪車を運転する場合、ドライバーはクラッチレバーの手動操作に大きな力を必要とする傾向にあり、ドライバーにとっては大きな負担となる。
【0008】
実際、エンジントルクの大きい自動二輪車を長時間運転する場合や、ギアチェンジを繰り返さなければならない交通量の多い道路を運転する場合には、ドライバーの握力は低下し易くなる。このような場合に対応するためには、握力その他の体力が充実し、さらに円滑なギアチェンジが可能であるような高い運転技術が必要とされる。このような事情から、自動二輪車を楽しむことができる人は一部の人に限定されるということがあった。また、特に、女性の場合には、握力が弱いことが多いためクラッチレバー操作自体の困難性に起因して、楽しむことができる車種が限定されてしまうことがあった。
【0009】
そこで、クラッチレバーの操作に要する力を低減させる方法として、プレッシャープレートの移動幅を従来よりも短くする方法がある。しかし、この方法では、プレッシャープレートによる摩擦板に対する押圧を解除し、摩擦板とクラッチプレートとの圧着が確実に解除された状態を確保するための精度の実現が容易ではなかった。
【0010】
また、日本特開平8−61389号公報には、弾性部材であるダイヤフラムスプリングを有するクラッチ押圧組立体におけるクラッチペダルの荷重を軽減させる構造として、クラッチ連結時には、レバー機構によって押圧部材の押圧力が倍力され、より大きな押圧力がプレッシャープレートに作用し、レバー機構のレバー部材のレバー比を調整することによって、ダイヤフラムスプリングの押圧力を小さく設定し、クラッチペダルの踏力を低減させる構造が開示されている。
【0011】
しかし、このクラッチ押圧組立体では定荷重のダイヤフラムスプリングからなる弾性部材のみが用いられ、その定荷重のスプリング荷重を小さく設定すれば、プレッシャープレートが摩擦板を押圧する荷重はエンジンの全回転数域で減少する。従って、エンジン回転数が大きくなった場合等、エンジンの全回転数域で摩擦板とクラッチプレートとの圧着が確保されているということはできない。
【0012】
以上のように、クラッチレバーの操作に要する力を低減するという要請と、クラッチ押圧機構部が摩擦板を押圧する力を大きくするという要請とを同時に充足し、さらにはエンジンの全回転数域で摩擦板とクラッチプレートとの圧着を確保するということは必ずしも容易ではなかった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そこで、本発明は、クラッチ押圧機構部が摩擦板を押圧する力を維持しエンジンの全回転数域で摩擦板とクラッチプレートとの圧着を確保した上で、体力の如何に拘わらず多くの人が自動車の運転を楽しむことを可能とするクラッチ機構体及び自動車を提供することを目的とする。
【0014】
本発明に係るクラッチ機構体は、回転駆動力入力系に取り付けられた回転駆動力出力部と、回転駆動力出力系に取り付けられた回転駆動力入力部と、前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互を押圧して前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互を当接させる押圧機構部と、前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互を当接させる押圧力を解除する解除手段とを有するクラッチ機構体であって、前記押圧機構部は、前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互を当接させる押圧力を発生する弾性荷重手段及び遠心荷重手段と、前記回転駆動力出力部に対向して当接可能に配置された第一の押圧部材と、前記回転駆動力入力部に連結されたインナーハブに固定された第二の押圧部材とを有し前記弾性荷重手段は、環状部と当該環状部から内側方向に延び先端が自由端とされた複数のレバー部とを具備し、同心上に配置される前記第一の押圧部材と前記第二の押圧部材との間に圧縮して配置されるダイヤフラムスプリングであり、前記遠心荷重手段は、前記第二の押圧部材に環状位置に配列された複数の支持部と、前記支持部に支持されて揺動可能な揺動部材であって前記第一の押圧部材側の一端部に作用部が形成され反対側の端部に質量体が備え付けられた揺動部材を具備する遠心機構部とを有し、前記環状部の外周縁が前記第一の押圧部材の外周縁に設けられた突起部にて支持されると共に、前記複数のレバー部が前記第二の押圧部材に支持され、前記第二の押圧部材における前記各遠心機構部間の領域に形成されたボルト挿入穴を介して、前記第二の押圧部材が前記インナーハブにボルトによって固定され、前記揺動部材と前記ボルト挿入穴とのそれぞれは、前記ダイヤフラムスプリングの各レバー部間のスリット部に対応するように交互に等間隔に配置され、前記作用部が前記スリット部を挿通して前記第一の押圧部材を付勢可能にしてなることを特徴とする。
【0015】
係る構成を備えることで、弾性荷重手段によって発生される荷重値によって弾性荷重手段が第一の押圧部材を回転駆動力出力部側に付勢し、第二の押圧部材に備え付けられた遠心機構部の作用によって遠心荷重を発生させるようにすることができる。すなわち、第二の押圧部材が回転することによって、質量体に遠心力が働き、揺動部材が支持部にて揺動する。これによって、揺動部の一端に形成された作用部が第一の押圧部に当接して、遠心荷重手段によって発生される遠心荷重が第一の押圧部に加えられる。
また、回転駆動力出力部に対する押圧機構部の押圧力がそれほど必要のないエンジン回転数の低い状態では、その押圧力を低減させ、押圧力が必要になるエンジン回転数の高い状態では、回転駆動力入力部の回転数の上昇に伴って押圧力を補うことができる。
さらに、回転駆動力出力部に対する押圧機構部の押圧力を必要な時にだけ必要な押圧力となるように可変としたので、回転駆動力出力部に対する押圧機構部の押圧力を最大トルク発生時を基準として常に一定に設定した従来の自動二輪車と比較して、クラッチレバーを操作するのに必要な力を大幅に低減することが可能となる。
また、例えば、本発明に係るクラッチ機構体を自動二輪車に採用することによって、摩擦板に対するクラッチ押圧機構部の押圧力を確保した上で、体力の如何に拘わらず多くの人が自動二輪車の運転を楽しむことが可能となる。
【0016】
本発明に係るクラッチ機構体は、前記第一の押圧部材と前記ダイヤフラムスプリングとの間に遠心荷重伝達部材が配置され、前記作用部が前記遠心荷重伝達部材を介して前記第一の押圧部材を付勢可能にしてなることを特徴とする。
また、前記遠心荷重伝達部材は、環状部と当該環状部の外周縁から外側に向かって延びる複数のプレート部とを有し、前記プレート部が前記作用部に対応する位置に配置されることを特徴とする。
【0017】
係る構成を備えることで、遠心機構部の作用部がプレート部を介して第一の押圧部材を付勢することができる。したがって、作用部のみによって直接第一の押圧部材を付勢するよりも第一の押圧部材に当接する面積が大きくなり、遠心荷重手段が効率良く第一の押圧部材を付勢することが可能となる。
【0018】
本発明に係るクラッチ機構体は、前記第二の押圧部材における前記ダイヤフラムスプリングに対抗する側面には隆起部が環状に形成され、前記隆起部が前記レバー部の前記自由端近傍に当接することによって前記ダイヤフラムスプリングが圧縮して配置されることを特徴とする。
係る構成を備えることで、弾性荷重手段は第一の押圧部材の外周縁に設けられた突起部とダイヤフラムスプリングに形成された隆起部とによって固定され圧縮された状態となる。これによって、ダイヤフラムスプリングが第一の押圧部材を回転駆動力出力部側に付勢し、ダイヤフラムスプリングによって発生される荷重値が設定される。
【0019】
本発明に係るクラッチ機構体は、前記弾性荷重手段と前記遠心荷重手段によって発生される押圧荷重値が、前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互間が当接状態で保持されて回転駆動力が伝達されるために必要となる滑り限界値以上に維持され、前記弾性荷重手段によって発生される荷重値が、前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互間が当接状態で保持されて回転駆動力が伝達されるために必要となる最大滑り限界値未満に設定されてなることを特徴とする。
【0020】
本発明に係るクラッチ機構体は、前記弾性荷重手段によって発生される荷重値が、前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互間が当接状態で保持されて回転駆動力が伝達されるために必要となる押圧力の下限値であって、前記回転駆動力入力系から前記回転駆動力出力系に伝達される回転駆動力が最大時の前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互間の押圧力の下限値として規定される最大滑り限界値の70%以上90%以下に設定されてなる。
【0021】
本発明に係るクラッチ機構体は、前記回転駆動力入力系から前記回転駆動力出力系に伝達される回転駆動力が最大時におけるエンジン回転数の時の前記遠心荷重手段の遠心荷重値と前記弾性荷重手段の弾性荷重値との加算値をWとし、当該Wが下記の式Iを充足するように、前記遠心荷重手段の遠心荷重値が設定されることを特徴とする。
1.01≦W/最大滑り限界値≦1.10……(式I)
【0022】
係る構成にすることによって、弾性荷重手段によって発生される荷重値を最大滑り限界値未満に設定したので、ドライバーがクラッチレバーを操作するのに必要な力を低減させることができる。かつ弾性荷重手段と遠心荷重手段によって発生される荷重値を滑り限界値以上に設定したので、エンジン出力に関係なく回転駆動力出力部と回転駆動力入力部との圧着力を確保することができる。
ここで、滑り限界値とは、回転駆動力出力部と回転駆動力入力部相互間に滑りを生じさせないために必要となる前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互の押圧力の下限値である。具体的には、エンジンのトルク値を基準としてエンジンやクラッチ等の特性に基づいて算出される荷重である。
また、最大滑り限界値とは、回転駆動力入力系から回転駆動力出力系に伝達される回転駆動力が最大時における滑り限界値である。
【0023】
本発明に係るクラッチ機構体は、前記隆起部の内径は、前記弾性荷重手段によって発生される荷重値が前記最大滑り限界値未満となるように決定されてなることを特徴とする。
係る構成にすることによって、弾性荷重手段によって発生する荷重の低減は、隆起部の内径を小さくすることによって実現され、弾性荷重手段によって発生される荷重値を最大滑り限界値未満とすることができる。このように、極めて簡易な構造によって、ドライバーがクラッチレバーを操作するのに必要な力を低減できるクラッチ機構体を得ることができる。
【0024】
本発明に係る自動車は、本発明に係るクラッチ機構体を用いたことを特徴とする。
【0025】
以上の本発明は、回転駆動力出力部に対する押圧機構部の押圧力がそれほど必要のないエンジン回転数の低い状態では、その押圧力を低減させ、押圧力が必要になるエンジン回転数の高い状態にて、回転駆動力入力部の回転数の上昇に伴って押圧力が補われることを特徴とするものである。
【0026】
すなわち、本発明は、回転駆動力出力部に対する押圧機構部の押圧力を必要な時にだけ必要な押圧力となるように可変としたものである。これによって、回転駆動力出力部に対する押圧機構部の押圧力を最大トルク発生時を基準として常に一定に設定した従来の自動二輪車と比較して、クラッチレバーを操作するのに必要な力を大幅に低減することが可能となる。
【0027】
したがって、本発明に係るクラッチ機構体を自動二輪車に採用することによって、摩擦板に対するクラッチ押圧機構部の押圧力を確保した上で、体力の如何に拘わらず多くの人が自動二輪車の運転を楽しむことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
【0029】
図1(a)は、本発明の実施の形態1であるクラッチ機構体100の平面図であり、図1(b)は図1(a)のI(b)−I(b)断面図である。
【0030】
クラッチ機構体100は、入力系(図示せず)を介して入力される回転駆動力を出力系(図示せず)に伝達すると共にその伝達の解除を行う。ここで、入力系とは、エンジンおよびエンジンに駆動連結されてエンジンの回転駆動力をクラッチ機構体100に伝達する周知の一連の機構部分から構成される。また出力系とは、エンジンの駆動力をクラッチ機構体100を介して入力して駆動輪の駆動として出力する周知の一連の機構部分から構成される。
クラッチ機構体100は、入力系に連結された回転駆動力出力部としての複数の摩擦板1と、出力系に連結された回転駆動力入力部としての複数のクラッチプレート10と、摩擦板1とクラッチプレート10とを相互に当接させるクラッチ押圧機構部とを有する。
【0031】
このクラッチ押圧機構部は、リテーナ4、プレッシャープレート2、およびダイヤフラムスプリング3をアジャスタースクリュー6を軸として同軸上に配置してなる。すなわちクラッチ押圧機構部は摩擦板1に対向し摩擦板1を直接押圧する第一の押圧部材としてのプレッシャープレート2と、クラッチプレート10に連結されたインナーハブ5に固定された第二の押圧部材としてのリテーナ4とを有する。また、プレッシャープレート2とリテーナ4との間に圧縮して配置され、プレッシャープレート2を摩擦板1側に付勢する定荷重手段であるところの弾性荷重手段としてのダイヤフラムスプリング3を有する。
【0032】
摩擦板1に対向して配置されたプレッシャープレート2は解除手段としてのアジャスタースクリュー6に連結されている。このアジャスタースクリュー6は、ドライバーが手動にて操作するクラッチレバー(図示せず)によって駆動される。すなわちドライバーがクラッチレバーを操作することによって、アジャスタースクリュー6の軸と平行な方向(以下、「軸方向」と称する)にプレッシャープレート2は移動する。これによって、摩擦板1とクラッチプレート10相互を当接させる押圧力が解除される。
【0033】
図2(a)はプレッシャープレート2の平面図であり、図2(b)はプレッシャープレート2の背面図である。
プレッシャープレート2は、環状の部材であり、インナーハブ5に形成された円筒部(図示せず)が挿通する複数の穴部22と、中央に開口部23とを有する。このプレッシャープレート2のダイヤフラムスプリング3に対抗する側面には、外周縁に沿って環状突起部21が形成されている。また、摩擦板1に対抗する側面には、外周に摩擦板1を直接押圧する押圧部24と、摩擦板1の押圧時にインナーハブ5に形成された溝(図示せず)と嵌合する複数の突起部25とが形成されている。このプレッシャープレート2は開口部23を介してアジャスタースクリュー6に取り付けられる。
【0034】
図3はダイヤフラムスプリング3の平面図である。
ダイヤフラムスプリング3は、環状部31と環状部31の内周から円中心方向へ先細に延びスプリング機能を有する複数のレバー部32とを有する。レバー部32は円周方向に等間隔に設けられ、先端は自由端32aとなっている。また、レバー部32の先端自由端32aの内側方のダイヤフラムスプリング3中心部には開口部33が形成される。さらにレバー部32が円周方向に等間隔に設けられ結果、各レバー部32間にはレバー部32を介して等間隔にスリット部34が開口部33から外側に放射状に延びる態様で形成される。
【0035】
ダイヤフラムスプリング3の外周縁35は、プレッシャープレート2の環状突起部21に支持されている。
ダイヤフラムスプリング3は、図1(b)に示す断面図からわかるように、ダイヤフラムスプリング3の外周を円周とした場合の中心部を中心にプレッシャープレート2側に湾曲したお椀状の形状である。したがって、ダイヤフラムスプリング3に負荷がかかっていない状態では、ダイヤフラムスプリング3とプレッシャープレート2とはダイヤフラムスプリング3の外周縁35とプレッシャープレート2の支持部21のみが接触した状態となっている。
図4(a)はリテーナ4の平面図、図4(b)はリテーナ4の背面図、図4(c)はリテーナ4の側面図、図4(d)はリテーナ4においてL字型アームが揺動する状態を表す側面図である。
【0036】
リテーナ4は、環状部41を有する環状の部材であり、環状部41に環状に配列された複数の支持部48と、各支持部48に支持された遠心機構部49とを遠心荷重手段として有する。
リテーナ4のダイヤフラムスプリング3に対抗する側面42には複数の隆起部43が環状に配列する態様で形成される。このリテーナ4は、図1(b)に示すようにダイヤフラムスプリング3のレバー部32に隆起部43が当接するように配置される。
【0037】
遠心機構部49は、図4(d)に示すように支持部48にて支持されて揺動する揺動部材としてのL字型アーム44を有する。L字型アーム44は、プレッシャープレート2側の一端部に形成されてプレッシャープレート2に当接する作用部45を有する。また環状部41を介して作用部45と反対側の端部には円筒状のおもりである質量体46が備えられる。作用部45のプレッシャープレート2に当接する部分は平面状に形成されている。
【0038】
この遠心機構部49のL字型アーム44及び作用部45には例えばアルミ合金等の高剛性軽量材を適用するのが好ましい。一方質量体46には特には高い剛性は必要はなく、むしろ真鍮等の比重の大きな材料とするのが好ましい。
そのようにすることによって遠心機構部としての効率が向上し、エンジン回転数の増減に応じて的確に遠心力に起因する押圧荷重を発生させることができる。
以上の遠心機構部49は、環状部41の円周方向に等間隔に配置されて円周方向に均一な押圧荷重を発生させる。
なお、質量体46の形状および取り付け方は本実施の形態の態様に限定されるものではなく、質量体46が遠心力を受けL字型アーム44が揺動する構造であればよい。
【0039】
環状部41の各遠心機構部49間の領域には、ボルトが挿入されるボルト挿入穴47が形成されている。各ボルト挿入穴47は、インナーハブ5に備えられリテーナ4側に延びる複数の円筒部に対向するように配置され、リテーナ4はボルトによって各ボルト挿入穴47及び円筒部を介してインナーハブ5に固定される。
また、プレッシャープレート2はクラッチレバーの操作によって軸方向にスライド可能であるため、ダイヤフラムスプリング3は、プレッシャープレート2とリテーナ4との間にて圧縮および圧縮解除される構造となっている。
なお、プレッシャープレート2に形成された複数の突起部25は、プレッシャープレート2による摩擦板1の押圧時、つまり入力系の駆動力が出力系へ伝達されている状態では、出力系に連結されたインナーハブ5に形成された溝と嵌合する。つまり、プレッシャープレート2、ダイヤフラムスプリング3、およびリテーナ4は、出力系とともに一体となって回転し、出力系に対して相対回転不能となっている。
【0040】
遠心機構部49のL字型アーム44およびボルト挿入穴47はそれぞれダイヤフラムスプリング3のスリット部34に対応するように交互に等間隔に配置されている。したがって、L字型アーム44の作用部45は、ダイヤフラムスプリング3のスリット部34を挿通してプレッシャープレート2に当接可能な構造となっている。
【0041】
リテーナ4がボルトによってインナーハブ5の円筒部に固定されることによって、ダイヤフラムスプリング3はリテーナ4とプレッシャープレート2の間に圧縮して配置される。つまり、ダイヤフラムスプリング3のレバー部32は、弾性変形した状態となり、その様に弾性変形した状態でレバー部32がリテーナ4の隆起部43に支持される。その結果、ダイヤフラムスプリング3の外周縁35を支持する環状突起部21を介してプレッシャープレート2に弾性的な定荷重が加えられる。係る弾性的な定荷重によってプレッシャープレート2は摩擦板1に付勢する。したがって、この実施の形態では押圧機構部が回転駆動力出力部と回転駆動力入力部相互を当接させる押圧力を発生する定荷重手段はダイヤフラムスプリング3によって構成される。
【0042】
本発明のクラッチ機構体においては、プレッシャープレート2が摩擦板1を押圧する定荷重は最大滑り限界値すなわち、回転駆動力入力系から回転駆動力出力系に伝達される回転駆動力が最大時における滑り限界値の60%以上98%以下とするのが好ましい。さらには最大滑り限界値の65%以上95%以下とするのが好ましく、もっとも好ましくは70%以上90%以下とするのが良い。
【0043】
定荷重が最大滑り限界値の60%未満である場合には可変荷重によって最大滑り限界値以上の押圧荷重とするための依存範囲が過大となり可変荷重の設定が困難となる。また定荷重が最大滑り限界値の98%を超える場合にはクラッチレバー操作性の向上がほとんど見られない。
【0044】
定荷重が最大滑り限界値の65%未満である場合には可変荷重によって最大滑り限界値以上の押圧荷重とするための依存範囲が大きく可変荷重の設定が簡易ではない。また定荷重が最大滑り限界値の95%を超える場合にはクラッチレバー操作性の向上が認められるとしても不十分である。
【0045】
定荷重が最大滑り限界値の70%未満である場合には可変荷重によって最大滑り限界値以上の押圧荷重とするための依存範囲が小さくなく可変荷重の設定精度が厳しくなる。また定荷重が最大滑り限界値の90%を超える場合にはクラッチレバー操作性の向上が不十分ではないとしても充分に快適なクラッチレバー操作性を得ることができない。
また本発明のクラッチ機構体においては、プレッシャープレート2が摩擦板1を押圧する可変荷重は、次のように設定される。
【0046】
すなわち回転駆動力入力系から回転駆動力出力系に伝達される回転駆動力が最大時におけるエンジン回転数の時の可変荷重値と定荷重値との加算値をWとしてWが下式Iを充足するように、可変荷重は設定される。
1.01≦W/最大滑り限界値≦1.10……I
この場合に、W/最大滑り限界値が1.01未満になると、滑りを確実に防止するための安全率が必ずしも充分ではない。一方、W/最大滑り限界値が1.10を越える場合にはクラッチ操作の快適性が損なわれる。
【0047】
また本発明のクラッチ機構体においては、プレッシャープレート2が摩擦板1を押圧する可変荷重は、エンジン回転数が1000rpm〜5000rpmにおいて0.0045≦可変荷重/エンジン回転数(lb/rpm)≦0.025に設定される。
この場合に、可変荷重/エンジン回転数値が0.0045未満になると、滑りを確実に防止するための安全率が必ずしも充分ではない。一方、可変荷重/エンジン回転数値が0.025を越える場合にはクラッチ操作の快適性が損なわれる。
【0048】
(作用)
図1(b)および図5を参照して、実施の形態1におけるクラッチ機構体100の作用について説明する。
ドライバーがクラッチレバーを握るとクラッチレバーに連結されたアジャスタースクリュー6はリテーナ4側へ移動し、それによってプレッシャープレート2が摩擦板1から離れる方向へ移動する。これによって、プレッシャープレート2の摩擦板1に対する押圧力が解除されるため、摩擦板1とクラッチプレート10との圧着が解除され、「クラッチの切断」が行われる。
【0049】
この時、プレッシャープレート2は、ダイヤフラムスプリング3によって摩擦板1側に付勢されているため、プレッシャープレート2を摩擦板1から離れる方向に移動させるためには、ドライバーはダイヤフラムスプリング3のスプリング荷重に抗する力でクラッチレバーを握らなければならない。つまり、「クラッチの切断」を行うには、ドライバーは弾性荷重手段の弾性荷重に抗する力でクラッチレバーを握らなければならない。
【0050】
ここで、ダイヤフラムスプリング3は、図1(b)に示すようにプレッシャープレート2とリテーナ4との間に配置される。ダイヤフラムスプリング3は、ダイヤフラムスプリング3の一側であるプレッシャープレート2側では、ダイヤフラムスプリング3の外周縁35がプレッシャープレート2の外周縁に設けられた環状突起部21によって支持される。また、ダイヤフラムスプリング3は、他側であるリテーナ4側では、ダイヤフラムスプリング3のレバー部32がリテーナ4の隆起部43によって支持される。
【0051】
したがって、「クラッチの切断」を行うには、リテーナ4の隆起部43によるダイヤフラムスプリング3のレバー部32の押さえ位置を支点、ダイヤフラムスプリング3の外周縁35を力点として、湾曲しているダイヤフラムスプリング3を平板状にするようにレバー部32をさらに圧縮弾性変形させなければならない。
【0052】
このように、「クラッチの切断」を行うには、ダイヤフラムスプリング3のレバー部32の剛性に打ち勝つ力でプレッシャープレート2を移動させなければならない。つまり、ドライバーはダイヤフラムスプリング3のレバー部32を弾性変形させる力でクラッチレバーを握らなければならない。
【0053】
なお、これに対して、入力系を介して入力される回転駆動力の出力系への伝達、すなわちいわゆる「クラッチの接続」は、ドライバーが握ったクラッチレバーを開放することによって行われる。つまり、ドライバーがクラッチレバーを開放することによって、アジャスタースクリュー6からプレッシャープレート2への拘束が解除される。これによって、プレッシャープレート2とリテーナ4との間で圧縮弾性変形されていた弾性荷重手段がプレッシャープレート2を摩擦板1側へ付勢することによって「クラッチの接続」が行われる。
【0054】
ここで、リテーナ4の隆起部43によるダイヤフラムスプリング3の押さえ付け位置(支点)がレバー部32の根元に近い位置(剛性が高い位置)、つまり隆起部43の内径が大きい場合、支点とダイヤフラムスプリング3の外周縁35である力点との距離が短くなる。したがって、この場合ダイヤフラムスプリング3のレバー部32を弾性変形させるための必要荷重は大きくなり、「クラッチの切断」を行うにはドライバーはクラッチレバーをより強い力で握らなければならない。
【0055】
このことから、クラッチレバーを操作するのに必要な力を低減させるためには、ダイヤフラムスプリング3のレバー部32の弾性荷重を低減させることが必要となる。弾性荷重を低減させるには、支点と力点の距離を長くすることが有効であり、これはリテーナ4の隆起部43によるダイヤフラムスプリング3の押さえ付け位置をレバー部32の先端側に変更することによって可能となる。すなわち、リテーナ4の隆起部43の内径を小さくすることが有効となる。
【0056】
リテーナ4の隆起部43の内径が小さくなれば、プレッシャープレート2を移動させダイヤフラムスプリング3のレバー部32を弾性変形させるための必要荷重は低減され、ドライバーがクラッチレバーを握る力も低減される。
【0057】
このように、リテーナ4の隆起部43の内径を小さくすると、クラッチレバーを操作するのに必要な力を低減できるのに対して、摩擦板1とクラッチプレート10との圧着力は減少してしまう。これは、リテーナ4の隆起部43がダイヤフラムスプリング3のレバー部32の剛性が低い位置を押さえ付けることになり、ダイヤフラムスプリング3のプレッシャープレート2を摩擦板1側に付勢する力、つまり弾性荷重が減少するためである。
【0058】
そこで、弾性荷重が減少した分を補う構造として、図5に示すリテーナ4に取り付けられた遠心機構部49が機能する。
【0059】
図5は、図1(a)のV−V断面図であり、本発明の実施の形態1であるクラッチ機構体100においてプレッシャープレートに可変荷重が作用している状態を表す図である。
【0060】
上述したように、入力系を介して入力される回転駆動力が出力系へ伝達された場合、すなわち「クラッチの接続」状態では、出力系の回転とともにリテーナ4も回転する。
このように、リテーナ4が回転することによってL字型アーム44に取り付けられた質量体46には、リテーナ4の外側に向かう遠心力が作用する。この遠心力によって質量体46はリテーナ4の中心から離れる方向に移動し、L字型アーム44は支持部48を介して揺動する。そして、L字型アーム44の作用部45がダイヤフラムスプリング3のスリット部34を挿通してプレッシャープレート2に当接する。
したがって、出力系の回転数が上昇すれば、それに連結されたリテーナ4の回転数も上昇し、質量体46にはリテーナ4の外側に向かう遠心力が増大する。これにより、L字型アーム44の作用部45がプレッシャープレート2を付勢する力が増大する。このプレッシャープレート2を付勢する力が可変に設定される遠心荷重である。
【0061】
このように、出力系の回転数上昇に伴う質量体に加わる遠心力の増大を利用することによって、弾性荷重の低減を遠心力として補うことができ、摩擦板1とクラッチプレート10との滑りを防止する圧着力を確保することができる。
【0062】
以上のように、クラッチ機構体100によれば、ダイヤフラムスプリングの弾性荷重の低減は、リテーナの隆起部の内径を小さくすることによって実現される。このように、極めて簡易な構造によって、ドライバーがクラッチレバーを操作するのに必要な力を低減できるクラッチ機構体を得ることができる。さらに、弾性荷重の低減を遠心荷重によって補うことができるため、エンジン回転数が高い状態においても摩擦板1とクラッチプレート10との間の必要圧着力を確保することが可能となる。
【0063】
また、本発明に係るクラッチ機構体を採用した自動二輪車を運転する場合において、ギアチェンジを行う際の「クラッチの切断」後にドライバーがクラッチレバーを握って維持する力はさほど大きいものとはならない。これについて、図4のリテーナ4の側面図を参照して説明する。
【0064】
図4(d)は、「クラッチの接続」状態、つまりドライバーがクラッチレバーを握っていない時のリテーナ4の状態を表す側面図であり、図4(c)は、「クラッチの切断」状態、つまりドライバーがクラッチレバーを握っている時のリテーナ4の状態を表す側面図である。
【0065】
まず、「クラッチの接続」状態では、図4(d)に示すようにL字型アーム44の質量体46には、リテーナ4の回転によってリテーナ4の外側に向かう遠心力が作用しているため、作用部45はプレッシャープレート2に当接した状態となっている。
【0066】
次に、ドライバーがクラッチレバーを握った「クラッチの切断」状態、つまりプレッシャープレートがダイヤフラムスプリング側に移動し、ダイヤフラムスプリングがリテーナ4側に圧縮された状態では、リテーナ4に備え付けられたL字型アーム44はダイヤフラムスプリングから逆に押される状態となる。このとき、L字型アーム44は図4(c)に示すように、支持部48を介して質量体46がリテーナ4の中心に向かって移動するように揺動する。このように、「クラッチの切断」状態では、質量体46は図4(d)の「クラッチの接続」状態と比較して、リテーナ中心側に位置するため、質量体46に作用する遠心力は小さくなる。
【0067】
以上のように、本発明のクラッチ機構体においては、エンジン回転数がある一定の領域より高くなると、遠心荷重の増加によってクラッチレバー操作必要荷重は大きくなる。しかし、一旦クラッチレバーを握ってしまえば、遠心荷重が小さくなるように作用するため、クラッチレバーを握った後に維持する力はそれほど大きいものとはならない。
【0068】
また、自動二輪車が停止する過程では、出力系の回転数の低下に伴って、リテーナ4の回転数も低下し遠心荷重が低下する。そして、自動二輪車が完全に停止した状態では、遠心荷重は作用せず弾性荷重のみが作用した状態となる。
【0069】
したがって、次の発進までにクラッチレバーを握って維持する力は、従来と比較して格段に低減される。
【0070】
以上にて説明したように、本発明に係るクラッチ機構によれば、クラッチ押圧機構部が摩擦板を押圧する力を維持しつつ、つまり摩擦板とクラッチプレートとの圧着力を確保した上で、体力の如何に拘わらず多くの人が自動二輪車の運転を楽しむことが可能となる。
【0071】
(実施の形態2)
図6(a)は、本発明の実施の形態2であるクラッチ機構体200の断面図であり、図6(b)は、ベースプレート7の平面図である。
【0072】
実施の形態1の構造は、リテーナ4のL字型アーム44の作用部45が、プレッシャープレート2に対して直接当接して荷重を加えるものである。これに対して、クラッチ機構体200は、図6(a)に示すようにL字型アーム44の作用部45とプレッシャープレート2との間に図6(b)に示すような遠心荷重伝達部材としてのベースプレート7を装着させる構造のものである。その他の構造については実施の形態1と同様である。
【0073】
ベースプレート7は、環状部71とその環状部71の外周縁から外側に向かって延びるプレート部72とを有する。
【0074】
プレート部72はダイヤフラムスプリング3のスリット部34のうちL字型アーム44に対応するスリット部34に配置され、かつスリット部34とほぼ同じ形状である。
【0075】
このベースプレート7を設けることによって、L字型アーム44の作用部45がプレート部72を介してプレッシャープレート2を付勢することができる。これによって、プレッシャープレート2が遠心荷重を受ける面積は、L字型アーム44の作用部45のみでプレッシャープレート2を付勢するよりも大きくなる。
【0076】
したがって、L字型アーム44の揺動によって発生する遠心荷重が効率良くプレッシャープレート2に伝わることとなる。
【0077】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3であるクラッチ機構体300の断面図である。
上記で説明したように、実施の形態1におけるクラッチ機構体100および実施の形態2におけるクラッチ機構体200は、ともに弾性荷重手段としてダイヤフラムスプリングを使用する構造のものである。これに対して実施の形態3におけるクラッチ機構体300は、弾性荷重手段としてコイルスプリング8を使用するものである。その他の構成については、クラッチ機構体100と同様である。
【0078】
リテーナ4は、ボルト81によってインナーハブ5に固定されており、コイルスプリング8は、そのボルト81を囲むように配置されている。リテーナ4の固定によってコイルスプリング8は、リテーナ4から荷重を受けている。そして、コイルスプリング8は、スプリングカップ82を介してプレッシャープレート2に対して押し付け力を与えている。つまり、コイルスプリング8は、リテーナ4とプレッシャープレート2との間で圧縮して配置される。
クラッチ機構体300における弾性荷重手段によって発生する荷重値は、コイルスプリング8が、プレッシャープレート2を摩擦板1側に付勢することによって設定される。
したがって、この実施の形態では押圧機構部が回転駆動力出力部と回転駆動力入力部相互を当接させる押圧力を発生する定荷重手段はコイルスプリング8によって構成される。
【0079】
また、遠心荷重手段によって発生する荷重値は、出力系の回転によるリテーナ4の回転によって質量体46のリテーナ4の外側に向かう遠心力によって設定される。つまり、質量体46に作用する遠心力によってL字型アーム44の作用部45がプレッシャープレート2を付勢することによって設定される。
【0080】
上記で説明したように、実施の形態1および2におけるクラッチ機構体は、弾性荷重手段としてダイヤフラムスプリングを使用したものであり、実施の形態3におけるクラッチ機構体は弾性荷重手段としてコイルスプリングを使用したものである。ここで、図10の模式図を用いてダイヤフラムスプリングとコイルスプリングとの特性の違いについて説明する。図10に示す模式図の横軸はクラッチレバー移動量を示し、縦軸はクラッチレバー操作荷重を示す。
【0081】
コイルスプリングを使用する場合には、クラッチレバーの移動量すなわちドライバーがクラッチレバーを握る量に比例してコイルスプリングは圧縮される。したがって、図10に示すように、ドライバーがクラッチレバーを深く握るほどクラッチレバーを握る力、すなわち「クラッチレバー操作荷重」は増加し、クラッチレバーを限界まで握った状態でそれを維持するには大きな力を必要とする。
【0082】
これに対して、ダイヤフラムスプリングを使用する場合について説明する。クラッチレバーの握り始めの段階、すなわち湾曲したダイヤフラムスプリングが弾性変形している過程では、図10に示すようにドライバーがクラッチレバーを握る力はコイルスプリングを使用した場合とほぼ同じである。しかし、ドライバーが、クラッチレバーを限界まで握りダイヤフラムスプリングが平板状に弾性変形した状態では、クラッチレバーを握って維持するための力は、コイルスプリングを使用する場合と比較して格段に小さい。
このように、ダイヤフラムスプリングはコイルスプリングと比較して、クラッチレバーの操作性において優れた特性を有する。
【0083】
以下に、本発明実施の形態2のクラッチ機構体の実施例を従来のクラッチ機構体と比較して示す。なお、本実施例における自動二輪車は、ハーレーダビッドソン(登録商標)2004年式FLSTF/1455ccである。
(実施例)
本発明実施例のデータを表1に示す。
本実施例に係るクラッチ機構体は、出力系の回転数に関係なく一定の荷重でプレッシャープレートを摩擦板側に付勢する弾性荷重手段と、出力系の回転数上昇に伴って増加する荷重でプレッシャープレートを摩擦板側に付勢する遠心荷重手段とを有する。したがって、最大トルクが発生するエンジン回転数3000rpmにおいて、弾性荷重と遠心荷重との合計荷重が最大滑り限界値である246lb以上となるように、弾性荷重および遠心荷重をそれぞれ設定した。
【0084】
具体的には弾性荷重を220lbに設定した。この220lbという数値は最大滑り限界値である246lbの、89%の荷重である。そして、その設定した弾性荷重である220lbとなるように、リテーナに形成された環状の隆起部の内径(以下、「リテーナリング直径」と称する。)を75mmに決定した。
また本実施例のクラッチ機構体においては、プレッシャープレート2が摩擦板1を付勢する可変荷重である遠心荷重が1000rpmで4.8lb、2000rpmで19.2lb、3000rpmで43.2lb、4000rpmで76.7lb、5000rpmで119.9lbとした。
【0085】
これは最大滑り限界値が決定されるエンジン回転数が3000rpmであり、最大滑り限界値が246lbであることから、W/最大滑り限界値=(220+43.2)/246=1.070に設定したものである。
また同時にエンジン回転数が1000rpm〜5000rpmにおいて0.0048≦可変荷重/エンジン回転数(lb/rpm)≦0.024の設定とした。
以上の定荷重及び可変荷重の設定によって滑りを確実に防止するための安全率が得られかつ快適なクラッチ操作が達成できる。
クラッチ機構体はその揺動部材をアルミ合金とし、質量体を真鍮により製作した。
【0086】
【表1】
Figure 0003808091
【0087】
(比較例)
表2に従来のクラッチ機構体におけるデータを示す。また、表1に示すデータと表2に示すデータとを比較したグラフを図8に示す。
【0088】
ここに示す従来のクラッチ機構体は、プレッシャープレートと、ダイヤフラムスプリングと、リテーナとを備え、リテーナが遠心機構部を有さない構造のものである。したがって、従来のクラッチ機構体は、ダイヤフラムスプリングがエンジン回転数に関係なく一定の荷重でプレッシャープレートを押圧する弾性荷重のみを有するものである。
【0089】
比較例のクラッチ機構体のリテーナリング直径は95mmである。この点を前述の実施例のクラッチ機構体と比較すると、実施例のクラッチ機構体ではリテーナの隆起部によるダイヤフラムスプリングのレバー部押し付け位置が比較例のクラッチ機構体と比較して20mm内側に変更されていることが分かる。
また比較例のクラッチ機構体における弾性荷重はエンジンの回転数に関係なく300lbで一定である。このときのドライバーが実際にクラッチレバーを操作するのに必要な荷重(以下、「クラッチレバー操作必要荷重」と称する。)は、8.0kg一定である。
【0090】
弾性荷重が300lbに設定される根拠は、本自動二輪車は最大トルクが11.0kg−m/3000rpmであり、この値から摩擦板とプレッシャープレートとの間に滑りが起こらないための必要最低限の荷重、すなわち最大滑り限界値は246lbと算出される。この最大滑り限界値246lbに余裕をもたせ弾性荷重が300lbに設定される。
【0091】
このように比較例の自動二輪車におけるクラッチ機構体においては、最大トルク値から弾性荷重を決定し、エンジン回転数に関係なく一定に設定されていたため、最大トルクが発生していない領域、特にエンジン回転数の低い領域では、必要以上の弾性荷重であった。このような事情から、エンジントルクの大きい比較例の自動二輪車では、クラッチレバー操作必要荷重が大きくなっていた。
【0092】
【表2】
Figure 0003808091
【0093】
図9におけるレバー部32に示した実線部が本実施例におけるレバー部32の押し付け位置であり、点線部は比較例のレバー部の押し付け位置である。このように、レバー部32の押し付け位置を円内側に変更することによって、レバー部32はより弾性変形し易くなる。
【0094】
ここで、表1および図8から、実施例のクラッチ機構体では、定荷重と可変荷重との合計荷重は、
(i) エンジン回転数の全回転数域で滑り限界値を超えている。
(ii) 2000rpm以下では最大滑り限界値未満であり、最大トルクが発生する3000rpm以降にて遠心荷重の増加によって最大すべり限界値以上になっている。
【0095】
このように、本発明に係るクラッチ機構体は、エンジン回転数上昇に伴って増加する遠心荷重を発生される遠心機構部を有するため、弾性荷重と遠心荷重との合計荷重が最大トルク発生時のエンジン回転数にて最大滑り限界値に達するように可変とすることができる。これによって、弾性荷重を低減することが可能となるとともに、摩擦板とプレッシャープレートとの圧着力も両者に滑りが生じない荷重を確保することが可能となる。
【0096】
弾性荷重を最大滑り限界値未満に低減することによって、すなわちリテーナリング直径を従来と比較して小さくすることによって、表1からかわるように、クラッチレバー操作必要荷重はエンジン回転数4000rpmまでは従来のものと比較して低減されている。
【0097】
そして、図8からわかるように、エンジン回転数4000rpmを越えたところで本実施例における合計荷重と従来の弾性荷重とは一致し、5000rpmでは逆に本実施例における合計荷重が遠心荷重の増加によって、従来の弾性荷重を上回っている。そして、表1からわかるように、クラッチレバー操作必要荷重も従来の荷重よりも大きくなっている。
【0098】
しかし、本発明が主な対象とする自動二輪車は、エンジントルクが大きいものであり、そのような自動二輪車の場合、通常の走行時にはエンジン回転数は高くても3000rpm程度である。
【0099】
したがって、通常の走行時においては、本発明に係るクラッチ機構体を採用することによって、従来のものと比較してクラッチレバー操作必要荷重が低減できることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【00100】
以上のように、本発明は、自動二輪車、自動四輪車等の自動車のクラッチ機構体に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【00101】
【図1】(a)は、本発明の実施の形態1のクラッチ機構体100の平面図であり、(b)は、図1(a)のI(b)−I(b)断面図である。
【図2】(a)は、本発明に係るクラッチ機構体100におけるプレッシャープレートの平面図であり、(b)は、本発明に係るクラッチ機構体100におけるプレッシャープレートの背面図である。
【図3】 本発明に係るクラッチ機構体100におけるダイヤフラムスプリングの平面図である。
【図4】 (a)は、本発明に係るクラッチ機構体100におけるリテーナの平面図であり、(b)は、本発明に係るクラッチ機構体100におけるリテーナの背面図であり、(c)は、本発明に係るクラッチ機構体100におけるリテーナの側面図であり、(d)は、本発明に係るクラッチ機構体100におけるリテーナにおいてL字型アームが揺動する状態を表す側面図である。
【図5】 図1(a)のV−V断面図である。
【図6】 (a)は、本発明の実施の形態2のクラッチ機構体200の断面図であり、(b)は、本発明に係るクラッチ機構体200におけるベースプレートの平面図である。
【図7】 本発明の実施の形態3のクラッチ機構体300の断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態2のクラッチ機構体200におけるデータと従来のクラッチ機構体におけるデータとを比較したグラフ図である。
【図9】 ダイヤフラムスプリングのレバー部押さえ付け位置を表す図である。
【図10】ダイヤフラムスプリングとコイルスプリングの特性を表す模式図である。

Claims (9)

  1. 回転駆動力入力系に取り付けられた回転駆動力出力部と、回転駆動力出力系に取り付けられた回転駆動力入力部と、前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互を押圧して前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互を当接させる押圧機構部と、前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互を当接させる押圧力を解除する解除手段とを有するクラッチ機構体であって
    前記押圧機構部は、前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互を当接させる押圧力を発生する弾性荷重手段及び遠心荷重手段と、前記回転駆動力出力部に対向して当接可能に配置された第一の押圧部材と、前記回転駆動力入力部に連結されたインナーハブに固定された第二の押圧部材とを有し
    前記弾性荷重手段は、環状部と当該環状部から内側方向に延び先端が自由端とされた複数のレバー部とを具備し、同心上に配置される前記第一の押圧部材と前記第二の押圧部材との間に圧縮して配置されるダイヤフラムスプリングであり、
    前記遠心荷重手段は、前記第二の押圧部材に環状位置に配列された複数の支持部と、前記支持部に支持されて揺動可能な揺動部材であって前記第一の押圧部材側の一端部に作用部が形成され反対側の端部に質量体が備え付けられた揺動部材を具備する遠心機構部とを有し、
    前記環状部の外周縁が前記第一の押圧部材の外周縁に設けられた突起部にて支持されると共に、前記複数のレバー部が前記第二の押圧部材に支持され、
    前記第二の押圧部材における前記各遠心機構部間の領域に形成されたボルト挿入穴を介して、前記第二の押圧部材が前記インナーハブにボルトによって固定され、
    前記揺動部材と前記ボルト挿入穴とのそれぞれは、前記ダイヤフラムスプリングの各レバー部間のスリット部に対応するように交互に等間隔に配置され、前記作用部が前記スリット部を挿通して前記第一の押圧部材を付勢可能にしてなることを特徴とするクラッチ機構体。
  2. 前記第一の押圧部材と前記ダイヤフラムスプリングとの間に遠心荷重伝達部材が配置され、前記作用部が前記遠心荷重伝達部材を介して前記第一の押圧部材を付勢可能にしてなることを特徴とする請求項1に記載のクラッチ機構体。
  3. 前記遠心荷重伝達部材は環状部当該環状部の外周縁から外側に向かって延びる複数のプレート部とを有し、
    前記プレート部が前記作用部に対応する位置に配置されることを特徴とする請求項2に記載のクラッチ機構体。
  4. 前記第二の押圧部材における前記ダイヤフラムスプリングに対抗する側面には隆起部が環状に形成され、
    前記隆起部が前記レバー部の前記自由端近傍に当接することによって前記ダイヤフラムスプリングが圧縮して配置されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一に記載のクラッチ機構体。
  5. 前記弾性荷重手段と前記遠心荷重手段によって発生される押圧荷重値が前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互間が当接状態で保持されて回転駆動力が伝達されるために必要となる滑り限界値以上に維持され、
    前記弾性荷重手段によって発生される荷重値が前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互間が当接状態で保持されて回転駆動力が伝達されるために必要となる最大滑り限界値未満に設定されてなることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一に記載のクラッチ機構体。
  6. 前記弾性荷重手段によって発生される荷重値が、前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互間が当接状態で保持されて回転駆動力が伝達されるために必要となる押圧力の下限値であって、前記回転駆動力入力系から前記回転駆動力出力系に伝達される回転駆動力が最大時の前記回転駆動力出力部と前記回転駆動力入力部相互間の押圧力の下限値として規定される最大滑り限界値の70%以上90%以下に設定されてなることを特徴とする請求項5に記載のクラッチ機構体。
  7. 前記回転駆動力入力系から前記回転駆動力出力系に伝達される回転駆動力が最大時におけるエンジン回転数の時の前記遠心荷重手段の遠心荷重値と前記弾性荷重手段弾性荷重値との加算値をWとし、当該Wが下記の式Iを充足するように、前記遠心荷重手段の遠心荷重値が設定されることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のクラッチ機構体。
    1.01≦W/最大滑り限界値≦1.10……(式I)
  8. 前記第二の押圧部材における前記ダイヤフラムスプリングに対抗する側面には隆起部が環状に形成され、
    前記隆起部が前記レバー部の前記自由端近傍に当接することによって前記ダイヤフラムスプリングが圧縮して配置され、
    前記隆起部の内径は、前記ダイヤフラムスプリングによって発生される荷重値が前記最大滑り限界値未満となるように決定されてなることを特徴とする請求項5または請求項6に記載のクラッチ機構体。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のクラッチ機構体を用いたことを特徴とする自動車。
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