JP3903774B2 - 車両用摩擦クラッチ - Google Patents

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    • F16D13/58Details
    • F16D13/75Features relating to adjustment, e.g. slack adjusters
    • F16D13/757Features relating to adjustment, e.g. slack adjusters the adjusting device being located on or inside the clutch cover, e.g. acting on the diaphragm or on the pressure plate

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、摩擦プレートの摩耗量を補償する調整装置を備える車両用摩擦クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、特開平11−325114号公報や特開平6−42553号公報に記載されているような、車両用エンジン側と変速機構側とを断続し、エンジンからの動力を変速機構に伝えたり切ったりするための摩擦クラッチが知られている。このような車両用摩擦クラッチの基本構成としては、図4に示すように、エンジン側のクランクシャフト101に固定されたフライホイール102に対向して配される摩擦プレート103を有するクラッチディスク104が、図示しない変速機の入力軸に軸心方向に摺動自在に支持されている。このクラッチディスク104の摩擦プレート103は、ダイアフラムスプリング5の付勢力を受けるプレッシャプレート106によりフライホイール102に摩擦係合させられ、フライホイール102の回転トルクがクラッチディスク104を介して変速機の入力軸に伝達させられる。
【0003】
ダイアフラムスプリング105は、枢支点108によりカバー107に支持されている。ダイアフラムスプリング105の内周部が軸線方向(図4において左向方向)に押し込まれると、枢支点108を中心にダイアフラムスプリング105の周辺のばね部109が反転してプレッシャプレート106への付勢力を解除し、摩擦プレート103のフライホイール102への摩擦係合は解除される。即ち、クラッチ解放(遮断)状態となる。図4は、クラッチの接続状態を示している。
【0004】
摩擦プレート103の摩耗は、ダイアフラムスプリング105のプレッシャプレート106への押圧点の位置を軸線方向に変化させることになるので、この押圧点の位置を一定(不変)とさせるために調整装置110が用いられる。この調整装置110は、くさび部を有する一対のリング112、113と、これら一対のリング112、113を軸線方向に拡張させるように周方向に付勢する調整スプリング114より構成されている。
【0005】
外側(図4において右側)のリング112には、ダイアフラムスプリング105のプレッシャプレート106への押圧点115が配されており、摩擦プレート103の摩耗時に、調整スプリング114によりくさび部を周方向にずらし、リング112、113の軸線方向の高さを摩耗量分だけ増加させて押圧点115の位置を不変とさせている。
【0006】
これを達成するために、摩耗量の大小にかかわらず、プレッシャプレート106の軸方向の移動量を、一定とさせるための規制装置116が設けられている。この規制装置116は、プレッシャプレート106に結合されたピン117と、内周縁をピン117に係止されるとともに外周縁をカバー107に係止させられたロックプレート118と、カバー107とロックプレート118との間に配された圧縮ばね119と、ロックプレート118の軸線方向の動きを規制するストッパ120とを有し、ストッパ120とロックプレート118との間にすきまs101が形成されている。
【0007】
リング112の一部を半径方向に延出させられた延出部121とカバー107の開口との間にすきまs102が形成されている。クラッチの接続状態では、すきまs101とすきまs102とが同寸法となるように設定されている。
【0008】
ダイアフラムスプリング105の内周部がフライホイール102側に押圧されると、ダイアフラムスプリング105のプレッシャプレート106への押圧力は解放され、ロックプレート118、ピン117を介して圧縮ばね119の付勢力によりプレッシャプレート116はフライホイール102から離間する方向へ移動し、摩擦プレート103とフライホイール102とは非摩擦接触状態となる。このとき、ダイアフラムスプリング105とリング112とは接しており、通常は、リング112、113の軸線方向への拡がりはない。
【0009】
ダイアフラムスプリング105の内周部がフライホイール102側に押圧される力がなくなると、ダイアフラムスプリング105のばね部109が枢支点108を中心として反転し、リング112、113を介してプレッシャプレート106はフライホイール102側へ押されて摩擦プレート103はフライホイール102に摩擦係合させられる。摩擦プレート103が摩耗すると、その摩耗量相当プレッシャプレート106とピン117はフライホイール102へ近づけられる。
【0010】
摩耗が生じた後にクラッチが切られると、ダイアフラムスプリング105の内周部がフライホイール102側に押圧されてダイアフラムスプリング105の押圧力は解放され、圧縮ばね119の付勢力によりプレッシャプレート106はフライホイール102から離間する方向へ移動するが、すきまs102は摩耗量だけすきまs101より大きくなっているため、延出部121がカバー107に当接する前に、ロックプレート118がストッパ120に当接し、プレッシャプレート106の移動が止まる。このとき、延出部121とカバー107との間に摩耗量分のすきまが残っている。この状態で更にクラッチの解放方向にダイアフラムスプリング105が変位させられると、ダイアフラムスプリング105がリング112から離れ、リング112には軸線方向の拘束力がかからなくなる。従って、調整スプリング114の付勢力がリング112、113に有効に作用し、そのくさび部は周方向にずらされてリング112、113が軸線方向に拡大させられる。リング112の軸線方向の動きは、その延出部121がカバー107に当接した時点で止まる。その結果、プレッシャプレート106、リング112、113の合計の軸線方向寸法は、初期の寸法に対し摩耗量分だけ増加し、ダイアフラムスプリング105のプレッシャプレート106への押圧点の位置を一定とさせている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の車両用摩擦クラッチにおいては、クラッチ解放状態では、プレッシャプレート106はリング112、113を介してダイアフラムスプリング105またはカバー107に押し付けられているが、エンジン振動等によってプレッシャプレート106が大きく振動すると、リング112の押圧点115とダイアフラムスプリング105との間及び延出部121とカバー107との間にすきまが生じ、調整スプリング114の付勢力によりリング112、113のくさび部は周方向に互いに相対的にずらされて、リング112、113が軸線方向に拡大させられる場合があった。つまり、リング112、113の軸線方向の高さは必要以上に増加させられて押圧点115が外側(図4において右側)に移動させられる不具合、いわゆるオーバーアジャストとなる恐れがあった。
【0012】
それゆえ、本発明は、以上の事情を背景になされたものであり、摩擦プレートの摩耗量を補償する調整装置の不具合であるオーバーアジャストの発生を抑制することが可能な車両用摩擦クラッチを提供することを技術的課題とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、請求項1に記載のように、エンジン側のフライホイールに対向するとともに摩擦プレートを備えるクラッチディスクと、前記フライホイールに固定されたカバーと、前記カバーと前記摩擦プレートとの間を軸方向に移動可能に配設されるプレッシャプレートと、前記摩擦プレートを前記フライホイールに摩擦係合させるべく前記プレッシャプレートに押圧力を付与する押圧部材と、前記摩擦プレートの摩耗量を補償する調整装置とを備える車両用摩擦クラッチにおいて、前記調整装置は、一対の調整部材と、該一対の調整部材を前記クラッチディスクの回転軸方向に拡張させるように付勢する付勢部材とを有し、前記一対の調整部材の少なくとも一方の調整部材は、その外方に設けられた内壁に、前記カバーの回転時に径方向に押し付けられるとともに、前記一方の調整部材は、周方向に分離させる開口部が一箇所設けられていることを特徴とする車両用摩擦クラッチとした。
【0014】
本発明に係る車両用摩擦クラッチによれば、一対の調整部材の少なくとも一方の調整部材に開口部が設けられており、カバーの回転時に、遠心力によってプレッシャプレートに設けられた内壁に径方向に押し付けられるので、調整部材とプレッシャプレートの内壁との相対移動を妨げようとする摩擦力が発生する(尚、図4に示すような従来の車両用摩擦クラッチは一般的に、調整部材は、金属材よりなる周方向に連続した環状を呈しており、カバーの回転時に遠心力が作用してもプレッシャプレートに径方向に押し付けられないので、調整部材とプレッシャプレートとの相対移動を妨げる程の摩擦力は発生しない)。従って、本発明によれば、プレッシャプレートが振動することによって調整部材とダイアフラムスプリングとの間及び調整部材とカバーとの間にすきまが生じても、付勢手段の付勢力により調整部材が回転軸方向に拡張させられことを抑制することができる。つまり、調整装置の不具合であるオーバーアジャストの防止性能を向上することが可能となる。
【0015】
好ましくは、請求項2に記載のように、前記一方の調整部材は、その外方に設けられた前記内壁に、カバーの回転が停止している時にも、径方向に押し付けられることが望ましい。このように、一方の調整部材は、カバーの回転が停止している時にも、弱い力であるものの径方向に押し付けられるので、一方の調整部材が他方の調整部材に対して位置ずれを生じることを防止することができる。また、一方の調整部材は、常に内壁に当接することになるので、カバーの回転時には遠心力によって調整部材と内壁との間の摩擦力が効果的に発生し、カバー回転中における意図しない不適応、つまり、調整装置の不具合であるオーバーアジャストの防止性能を向上することが可能となる。
【0017】
より好ましくは、請求項に記載のように、調整装置は、カバーに対するすきまが摩擦プレートの摩耗量相当付加されるとともに、その摩擦プレートの摩耗量相当のすきまをクラッチ開放時かつカバーの回転が所定回転数未満の時に補償することが望ましい。このように、クラッチ開放時かつカバーの回転が停止しているときに、一対の調整部材の軸線方向の高さを摩耗量相当分増加させて摩擦プレートの摩耗量を補償させるので、クラッチ接続時に押圧部材が調整部材を押圧している点の軸線方向の位置を実質的に不変とすることができる。
【0018】
より好ましくは、請求項に記載のように、一対の調整部材は、付勢部材により互いに対して相対的にクラッチディスクの回転軸と同軸に回転可能に構成されているとともに、周方向にて複数形成されて周方向に傾けられた傾斜面により互いに回転軸方向に支持されていることが望ましい。これによれば、簡単な構造にもかかわらず、摩擦プレートの摩耗量を容易に補償させることができるとともに、押圧部材の押圧力をプレッシャプレートに確実に伝えることができる。
【0019】
より好ましくは、請求項に記載のように、調整装置は、押圧部材とプレッシャプレートとの間に配されるとともに、前記一方の調整部材の外方に設けられた前記内壁は、プレッシャプレートに配設されていることが望ましい。これによれば、調整装置による軸方向の調整を効果的に行うことができる。
【0020】
更に好ましくは、請求項に記載のように、プレッシャプレートの軸方向の移動量を規制する規制装置を備えることが望ましい。この規制装置を備えることにより、摩耗量の大小にかかわらず、プレッシャプレートの軸方向の移動量を一定とさせることができ、より効果的に調整装置による軸方向の調整を行うことができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る車両用摩擦クラッチの実施の形態を、図面を用いて説明する。
【0022】
図1は、本発明に係る車両用摩擦クラッチの一実施形態を示した断面図である。図1において、エンジン側のクランクシャフト1に固定されたフライホイール2に対向して配されるクラッチディスク4は、図示しない変速機側のシャフトに軸線方向に摺動自在に支持されるとともに、摩擦プレート3を有している。摩擦プレート3は、プレッシャプレート6によりフライホイール2に摩擦係合されており、フライホイール2の回転トルクをクラッチディスク4に伝達させている。図1は、クラッチの接続状態を示している。
【0023】
押圧部材であるダイアフラムスプリング5は、枢支点8によりカバー7に支持されている。プレッシャプレート6は、ダイアフラムスプリング5によりフライホイール2側(図1において左側)へ押し付けられる。ダイアフラムスプリング5の周辺のばね部9による押圧力は、調整装置10を介して、プレッシャプレート6に作用している。
【0024】
調整装置10は、一対の調整部材12、13と、これら一対の調整部材12、13を軸線方向に拡張させるように周方向に付勢する付勢部材である調整スプリング14より構成されている。調整部材12、13は、調整スプリング14により互いに対して相対的にクラッチディスク4の回転軸と同軸に回転可能に構成されているとともに、図3に示すように、調整部材12、13のそれぞれに周方向にて複数形成されて周方向に傾けられた傾斜面28、29により互いに回転軸方向に支持されている。傾斜面28、29によりくさび部11が形成されており、このくさび部11が調整スプリング14により周方向にずらされることによって、調整部材12、13は軸線方向に拡張させることができるようになっている。
【0025】
外側(図1において右側)の調整部材12は、周方向に連続したリング状を呈しており、その半径方向に延出させられた延出部21を有している。この延出部21とカバー7の開口との間には、すきまs2が形成されている。調整部材12の外側端部には、ダイアフラムスプリング5のプレッシャプレート6への押圧点15が配されている。
【0026】
内側(図1において左側)の調整部材13は、周方向に分離させる開口部27が設けられたC型リング状を呈している。組み付け前の調整部材13は、径が若干大きめ(開口部27がより開いた状態)で成形されており、それを押縮められて、調整部材13の径方向外側の外面が、プレッシャプレート6に設けられた内壁17に当接するように組み付けられている。即ち、調整部材12、13に軸方向の押圧力が付与されていないときに、調整スプリング14の付勢力による調整部材12、13の互いに相対的な回転が妨げられない程度の弱い力が、内壁17に付与されている。また、カバー7の回転時には、調整部材13は遠心力によって内壁17に径方向外側に押し付けられ、調整部材12、13に軸方向の押圧力が付与されていないときでも、調整スプリング14の付勢力による調整部材12、13の互いに相対的な回転を妨げることが可能な摩擦力が発生するようになっている。
【0027】
ダイアフラムスプリング5によるプレッシャプレート6への押圧力が解放されたときのプレッシャプレート6の外側(図1において右側)への戻りは、図2に示すが如く、カバー7とプレッシャプレート6との間にリベット22により保持された公知の(例えば特開平6−42553号公報に記載されているような)ストラップ23により行われる。
【0028】
調整スプリング14の付勢力による調整部材12、13が軸線方向に拡張させられる力は、ダイアフラムスプリング5の付勢力やストラップ23の付勢力よりも小さくなるよう、調整スプリング14の付勢力や傾斜面28、29の傾きが設定されている。つまり、調整部材12、13にダイアフラムスプリング5のプレッシャプレート6への押圧力が付与されているときは、調整部材12、13が軸線方向に拡張されないようになっている。また、ダイアフラムスプリング5の付勢力やストラップ23の付勢力によって、調整部材12、13が、(軸線方向に拡張させられるときに回転させられる方向と反対の方向に)回転させられることにより軸線方向に縮小させられることはないようになっている。
【0029】
カバー7とフライホイール2との間には、プレッシャプレート6の軸方向の動きを規制する規制装置16が設けられている。規制装置16は、規制ピン24とワンウェイ部材30を有している。
【0030】
規制ピン24は、図1に示すクラッチ接続状態で、一端がフライホイール2に接し、他端がカバー7に配されたストッパ38に対してすきまs1を残す形で、プレッシャプレート6に摺動自在に支持されており、ワンウェイ部材30によりその動きが規制されている。即ち、プレッシャプレート6のフライホイール2側への規制ピン24に対する動き(相対的には、規制ピン24の図1において右方への動き)をワンウェイ部材30が許容し、逆方向の動きを規制するワンウェイの動きをするようになっている。尚、クラッチの接続状態では、すきまs1とすきまs2とが同寸法となるように設定されている。
【0031】
ワンウェイ部材30は、プレッシャプレート6を貫通する規制ピン24の周囲であって、カバー7と対向するプレッシャプレート6の部分に設けられた凹部に、中空スリーブ31が配設されている。中空スリーブ31の内周面は円錐状、即ちテーパ状となっており、フライホイール2側で小径となっている。規制ピン24の外周面と中空スリーブ31の内周面とに接するように複数のボール32が配されている。ボール32は高硬度工具鋼よりなり、付勢装置33の付勢を受けて常時フライホイール2側へと強制させられている。
【0032】
中空スリーブ31の内周面には、ボール受け円弧状溝34がボール32の個数相当数設けられている。溝34は、中空スリーブ31の内周面の軸線方向に同じ深さで延在し、ボール32の動きを案内するようにボール32の径以上の径を持っている。
【0033】
規制ピン24の外周面には、ボール受け円弧状溝35がボール相当数設けられており、該溝35はボール32の径以上の径の円弧面となっている。この溝35は、規制ピン24の軸線方向に、プレッシャプレート6と規制ピン24との間の面の一部迄延在し、プレッシャプレート6の外部までは延在していない。これは、ほこり等の異物が溝35を介してボール32と規制ピン24との接触面に達しないようにするのに有効となっている。溝35は、ボール32の案内をするとともに、応力集中を避けるために用いられている。
【0034】
付勢装置33は、コイルスプリング36と座金37とからなる。座金37はボール32に接し、カバー7にその一端を当接させているコイルスプリング36の他端を受け、コイルスプリング36の付勢力をボール32に伝達し、ボール32を規制ピン24の外周面と中空スリーブ33の内周面との間に押し込んでいる。尚、カバー7に配されているストッパ38は、コイルスプリング36の受け部材にもなっている。
【0035】
このコイルスプリング36の付勢力と中空スリーブ31のテーパ状の内周面は、規制ピン24のフライホイール2側への動きに対しボール32と中空スリーブ31との接触部の摩擦力およびボール32と規制ピン24との接触部の摩擦力を増大させてその動きを規制するとともに、カバー7側への動きに対し該摩擦力を減少させてその動きを許容している。即ち、規制ピン24に対し、摩擦プレート3の摩耗量相当プレッシャプレート6をフライホイール2側へと移動させ、摩擦プレート3に摩耗が生じても、フライホイール2に対するプレッシャプレート6の軸線方向の動きの量を常に一定とさせている。これは、ボール32の規制ピン24の外周面への食い込み又は該外周面からの遊離方向への荷重の変化により得られる。
【0036】
上記のように構成された本発明に係る車両用摩擦クラッチの作用を説明する。調整部材13は開口部27が設けられているので、カバー7の回転時では、遠心力によって調整部材13が広げられるようにしてプレッシャプレート6の内壁17に径方向に押し付けられて、調整部材13と内壁17との相対移動を妨げようとする摩擦力が発生する。従って、クラッチ解放状態において、プレッシャプレート6が振動することによって調整部材12とダイアフラムスプリング5との間及び調整部材12とカバー7の開口との間にすきまが生じても、調整スプリング14の付勢力により調整部材12、13が回転軸方向に拡張させられことを抑制することができる。つまり、調整装置10の不具合であるオーバーアジャストの防止性能を向上することが可能となる。
【0037】
また、摩擦プレート3の摩擦によりプレッシャプレート6がフライホイール2側の該摩耗量相当だけ移動(この動きを規制ピン24とワンウェイ部材30が許容する)した後に、カバー7の回転が停止しているときにクラッチが切られると、ダイアフラムスプリング5の内周部がフライホイール2側に押圧されてダイアフラムスプリング5の押圧力は解放され、ストラップ23の付勢力によりプレッシャプレート6はフライホイール2から離間する方向へ移動するが、すきまs2は摩耗量相当だけすきまs1より大きくなっているため、延出部21がカバー7に当接する前に、規制ピン24がストッパ38に当接し、プレッシャプレート6の移動が止まる。このとき、延出部21とカバー7との間に摩耗量相当分のすきまが残っている。この状態で更にクラッチの解放方向にダイアフラムスプリング5が変位させられると、ダイアフラムスプリング5が調整部材12から離れ、調整部材12、13には軸線方向の拘束力がかからなくなる。従って、調整スプリング14の付勢力が調整部材12、13に有効に作用し、そのくさび部11は周方向にずらされて調整部材12、13が軸線方向に拡大させられる。調整部材12の軸線方向の動きは、その延出部21がカバー7に当接した時点で止まる。その結果、プレッシャプレート6、調整部材12、13の合計の軸線方向寸法は、初期の寸法に対し摩耗量相当分だけ増加し、ダイアフラムスプリング5のプレッシャプレート6への押圧点15の位置を一定に保つことができる。つまり、クラッチ接続時にダイアフラムスプリング5が調整部材12を押圧している押圧点15の軸線方向の位置を実質的に不変とすることができる。
【0038】
尚、上記した実施形態では、調整部材13は開口部27が設けられたC型リング状を呈した例を示したが、本発明の実施にあたっては、調整部材は、カバー回転時の遠心力によってプレッシャプレートに設けられた内壁に径方向に押し付けられることができれば、開口部に弾性材を配設して周方向に連続したリングであっても、上記した実施形態と同様の効果を得ることができる。また、外側の調整部材(図1に示した実施例においては右側の調整部材12)が、径方向に押し付けられてもよく、その際、内側の調整部材はプレッシャプレートに一体成形されていてもよい。更には、調整装置は、カバーとダイアフラムスプリングとの間に配されていてもよく、つまり、カバーの所定回転数以上の回転時に回転軸方向に拡張させられなければよい。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、摩擦プレートの摩耗量を補償する調整装置の不具合であるオーバーアジャストの発生を抑制することができる車両用摩擦クラッチを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る車両用摩擦クラッチの一実施形態を示した断面図である。
【図2】図1に示した本発明に係る実施形態における他の部分断面図である。
【図3】図1に示した本発明に係る実施形態における調整部材のくさび部を示す部分断面図である。
【図4】従来の車両用摩擦クラッチを示した断面図である。
【符号の説明】
2 フライホイール
3 摩擦プレート
4 クラッチディスク
5 ダイアフラムスプリング(押圧部材)
6 プレッシャプレート
7 カバー
10 調整装置
11 くさび部
12、13 調整部材
14 調整スプリング(付勢部材)
16 規制装置
17 内壁
23 ストラップ
24 規制ピン
27 開口部
28、29 傾斜面
30 ワンウェイ部材
s1、s2 すきま

Claims (6)

  1. エンジン側のフライホイールに対向するとともに摩擦プレートを備えるクラッチディスクと、
    前記フライホイールに固定されたカバーと、
    前記カバーと前記摩擦プレートとの間を軸方向に移動可能に配設されるプレッシャプレートと、
    前記摩擦プレートを前記フライホイールに摩擦係合させるべく前記プレッシャプレートに押圧力を付与する押圧部材と、
    前記摩擦プレートの摩耗量を補償する調整装置とを備える車両用摩擦クラッチにおいて、
    前記調整装置は、一対の調整部材と、該一対の調整部材を前記クラッチディスクの回転軸方向に拡張させるように付勢する付勢部材とを有し、前記一対の調整部材の少なくとも一方の調整部材は、その外方に設けられた内壁に、前記カバーの回転時に径方向に押し付けられるとともに、前記一方の調整部材は、周方向に分離させる開口部が一箇所設けられていることを特徴とする車両用摩擦クラッチ。
  2. 前記一方の調整部材は、その外方に設けられた前記内壁に、前記カバーの回転が停止している時にも押し付けられることを特徴とする請求項1に記載の車両用摩擦クラッチ。
  3. 前記調整装置は、前記カバーに対するすきまが前記摩擦プレートの摩耗量相当付加されるとともに、その摩擦プレートの摩耗量相当のすきまをクラッチ開放時かつ前記カバーの回転数が所定回転数未満の時に補償することを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の車両用摩擦クラッチ。
  4. 前記一対の調整部材は、前記付勢部材により互いに対して相対的に前記クラッチディスクの回転軸と同軸に回転可能に構成されているとともに、周方向にて複数形成されて周方向に傾けられた傾斜面により互いに前記回転軸方向に支持されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の車両用摩擦クラッチ。
  5. 前記調整装置は、前記押圧部材と前記プレッシャプレートとの間に配されるとともに、前記一方の調整部材の外方に設けられた前記内壁は、前記プレッシャプレートに配設されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の車両用摩擦クラッチ。
  6. 前記プレッシャプレートの軸方向の移動量を規制する規制装置を備えることを特徴とする請求項5に記載の車両用摩擦クラッチ。
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