JP2004517185A - イオン性液体を含有している新規ポリマー結合剤系 - Google Patents
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Abstract
本発明は、(メタ)アクリレートポリマーとイオン性液体とからなる物質混合物に関する。
Description
【0001】
本発明は、ポリマーとイオン性液体とからなる物質混合物に関する。
【0002】
多数のポリマー、例えば多様なポリアラミド、イオノマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル(エーテル)ケトンは、特定の方法を用いてのみかもしくは困難を伴ってのみ加工されることができる。一部は、ポリマー鎖の分解が生じずに、ポリマー材料自体を熱可塑的に加工することは全く不可能である。
【0003】
ポリマーの加工性は、しばしば、可塑剤の混合導入によってのみ可能となる。
【0004】
高温範囲については、多くの可塑剤が適していない。これは、例えば可塑剤の高すぎる揮発性、又はポリマーとの不相溶性のためである。
【0005】
特に、イオン性基を有するポリマーについては、伝導性に影響を及ぼさないか又は正の影響のみを及ぼし、しばしば適している非腐食性可塑剤が見出されることはできなかった。
【0006】
技術水準:
文献には、セルロースと、示数LiClO4/LiI・xH2OもしくはLiClO4/Mg(ClO4)2・xH2Oからなる塩水和物溶融物とからなる混合物が記載されており、その際、セルロースが膨潤されてか、もしくはまた溶解されても存在し、かつ再生されたセルロースは、前もって製造された溶液の組成に依存するその結晶−構造に基づいて調査される。(Fischer, S.他 ACS Symp. Ser. (1999) 737, 143)。
【0007】
室温で融解されたクロロアルミン酸塩でのポリマー抽出も、文献に記載されている(Wilkes, John S.他, Proc.−Electrochem.soc (2000), 99−41 (Molten Salts XII) 65 ; Proc.−Electrochem.Soc. (2000), 99−41(Molten Salts XII), 65)。
【0008】
これらの刊行物には、それゆえ、ポリマー(セルロース)及び無機塩もしくは無機−イオン性液体からなる混合物が記載されている。
【0009】
ゲル−電解質は、例えばFuller他(J.Electrochem. Soc. (1997), 144(4), L67及びJ.Electroanal.Chem. (1998) 459(1), 29)によれば、フッ素化コポリマー(ポリフッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピルコポリマー)と、トリフラート−もしくはテトラフルオロホウ酸塩−対イオンを有するイミダゾリウム誘導体を基礎とするイオン性液体とから製造されることができる。
【0010】
次の刊行物には、ポリマーとイオン性化合物(液体)とからなる混合物が記載されており、その際、ポリマーは、官能化されていないか、又はさらなる塩形成/イオン形成を許容しない基で官能化されている。これらのポリマーは、故に、外部電荷を有しない。
【0011】
JP 10265673には、例えばイオン性液体の存在でのヒドロキシエチルメタクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートの重合を用いて、イオン性液体を凝固させることによる、高分子固体電解質の製造が記載されている。こうして得られたフィルムは、イオン伝導性を示す。
【0012】
Noda他により、Electrochim. Acta (2000), 45(8−9), 1265には、特定のビニルモノマーが、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム テトラフルオロホウ酸塩もしくは1−ブチルピリジニウム テトラフルオロホウ酸塩からなる室温で液体の溶融塩中で重合されることができ、かつ透明で、高伝導性でかつ機械的に安定なポリマー電解質−フィルムをもたらすことが記載されている。
【0013】
JP 10265674には、ポリマー、例えばポリアクリロニトリル又はポリエチレンオキシドとイオン性液体とからなる複合材料が記載されている。イオン性液体は、Li塩(例えばLiBF4)又は環式アミジン又はピリジンのオニウム塩(例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウム テトラフルオロホウ酸塩)から構成されている。使用として、固体電解質、静電防止剤及び遮蔽材が記載されている。
【0014】
Fuller他(Molten Salt Forum (1998), 5−6 (Molten Salt Chemistry and Technology 5), 605)により、イオン性液体又は他のイミダゾリウム塩とポリマーとからなる混合物が報告されている。これらのブレンドは、高導電性ポリマー電解質としての蓄電池、燃料電池又は容量性ユニットにおける用途のための高い伝導性、熱的安定性等を示す。
【0015】
Humphrey他(Book of Abstracts, 215th ACS National Meeting, Dallas. March 29−April 2 (1998), CHED−332, ACS, Washington D.C.)により、塩化アルミニウムと有機塩化物−塩とからなる室温で液体の溶融塩でのポリマーの溶解及び抽出が記載されている。イオン性液体は、そのルイス−酸性度に関して調節可能であり、かつ超酸に塩化水素が添加されることにより調節される。
【0016】
Watanabe他(Solid State Ionics (1996), 86−88(Pt.1), 353)により、安息香酸トリメチルアンモニウム、酢酸リチウム及びリチウム−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドからなる100℃未満の温度で液体の塩混合物が、ポリアクリロニトリル及びポリビニルブチラールと相容性でフィルムの製造を可能にする混合物をもたらすことが記載されている。
【0017】
Ogata他により、ポリカチオン塩(例えばポリ(1−ブチル−4−ビニルピリジウム)−ブロミド、1,6−ヘキサンジクロリド−N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−プロピレンジアミンコポリマー)と、塩化アルミニウムを含有している溶融塩との混合物について報告されている(Synth. Met. (1995), 69(1−3), 521)。混合物は、粘弾性フィルムをもたらし、かつポリエチレンオキシドを基礎としているポリマー電解質系よりも、より高い及びより低い温度依存性の伝導性を示す。同じく、Rikukawa他により、塩化アルミニウムと1−ブチルピリジニウム塩とからなる塩を有するものが報告されている(Mater.Res.soc.Symp.Proc.(1993), 293(Solid State Ionics III), 135)。
【0018】
多くの用途のためには、ポリマーの高い伝導性を得ることが望ましい;これは前記の系を用いて不可能であるか又は十分に可能ではない。
【0019】
本発明の課題は、故に、良好な伝導性を良好な加工性及び製造可能性と同時に有し、イオン性液体との混合物のポリマー系を提供することであった。
【0020】
意外にも、イオン性のもしくは強く極性のモノマー構造を有するポリマーが、イオン性液体の添加により、例えばそれらの電気的性質及びそれらの加工性において改善されることができることが見出された。
【0021】
本発明の対象は、故に、スルホネート基、カルボキシレート基又は第四アミノ基により官能化された1つ又はそれ以上の(メタ)アクリレートポリマー及びイオン性液体を含有している物質混合物である。
【0022】
本発明による物質混合物は、1つ又はそれ以上のポリマーを、そのブレンド、コポリマー又は物理的混合物として含有していてよい。
【0023】
本発明の特別な一実施態様において、(メタ)アクリレートポリマーは、少なくとも1つの(メタ)アクリレートモノマーと少なくとも1つのオレフィン系不飽和モノマーとからなるコポリマーである。
【0024】
ここで、本発明の多様な変法が可能であり、その際、オレフィン系不飽和モノマーは、カルボキシル基、カルボキシレート基、第三アミノ基、第四アミノ基、スルホネート基及び/又はスルホン酸基により官能化されていてよい。
【0025】
イオン性液体(“ionic liquids”)は、低温で液体の塩であると理解される。これらは、非分子のイオン特性を有する溶剤の新規のクラスである。高融点で、高粘性でかつ極めて腐食性の媒体である古典的な溶融塩と対照的に、イオン性液体は、低温(<80℃)で既に液体であり、かつ相対的に低粘性である。[K.R. Seddon, J. Chem. Technol. Biotechnol. 1997, 68, 351−356; K.R.Seddon, Kinet. Catal. 1996, 37, 693−697]
WO 00/20115及びWO 00/16902から、触媒作用の分野におけるイオン性液体(IL)が、数年前から公知である。イオン性液体は、好ましくは室温を下回る温度ではじめて凝固する溶融塩である。このテーマへの一般的な概観は、例えばWelton(Chem. Rev. 1999, 99, 2071)により見出される。本質的には、これはイミダゾリウム塩又はピリジニウム塩である。
【0026】
本発明による物質混合物は、好ましくは、イオン性液体として、次の構造
【0027】
【化2】
【0028】
[式中、R、R′はH、同じか又は異なるアルキル基、オレフィン基又はアリール基を表すが、但しR及びR′は異なる意味を有する]で示されるイミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、アンモニウムイオン又はホスホニウムイオンの群から選択されたカチオン、及びBF4 −イオン、アルキル−ホウ酸イオン、BEt3Hexイオン[ここでEtはエチル基を表し、かつHexはヘキシル基を表す]、ハロゲノ−リン酸イオン、PF6 −イオン、硝酸イオン、スルホン酸イオン、アルキル−スルホン酸イオンもしくはアリール−スルホン酸イオン、硫酸水素イオン、クロロアルミン酸イオンの群からのアニオンを有する塩を含有している。
【0029】
80℃の溶融温度での溶融塩とイオン性液体との間の境界の線引きは、この温度未満での液体の塩の用途範囲の飛躍的な改善により正当化されうる:また、高温溶融塩が成果をあげて反応媒体として合成用途において使用されていた若干の例が公知となっている場合に[a) W.Sundermeyer, Angew. Chem. 1965, 77, 241−258; Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1965, 4, 222−329; b) W.Sundermeyer, Chemie in unserer Zeit 1967, 1, 150−157; c) S.V.Volkov, Chem. Soc. Rev. 1990, 19, 21−28.]、全くはじめて、80℃未満までの液体範囲が、イオン性液体による常用の有機溶剤の多様な置換を可能にする。
【0030】
若干の代表例が1929年以来、既に公知であるにもかかわらず、イオン性液体は、最近15年間、化学反応のための溶剤としてはじめて集中的に調査されている。それ以来刊行された刊行物は、イオン性液体による有機溶剤の交換が、合成用途及び触媒用途における注目すべき改善を、反応性及び選択率に関してもたらしうることを証明している[T.Welton, Chem. Rev. 1999, 99, 2071−2083]。そのための例は、フリーデル−クラフツ−アルキル化[K.R.Seddon, J. Chem. Technol. Biotechnol. 1997, 68, 351−356; K.R.Seddon, Kinet. Catal. 1996, 37, 693−697]及びフリーデル−クラフツ−アシル化[W. Sundermeyer, Angew. Chem. 1965, 77, 241−258; Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1965, 4, 222−329; W.Sundermeyer, Chemie in unserer Zeit 1967, 1, 150−157; S.V.Volkov, Chem. Soc. Rev. 1990, 19, 21−28.]、多様な水素化[T.Welton, Chem. Rev. 1999, 99, 2071−2083]、ヒドロホルミル化[H.Waffenschmidt, P.Wasserscheid, D.Vogt, W.Keim, J.Catal. 1999, 186, 481; H.Waffenschmidt, P.Wasserscheid, W.Keim, ドイツ連邦共和国特許出願19901524.4, 1999; V.R.Koch, L.L.Miller, R.A.Osteryoung, J. Am. Chem. Soc. 1976, 98, 5277−5284; A.A.K.Abdul−Sada, M.P.Atkins, B.Ellis, P.K.G.Hodgson, M.L.M.Morgan, K.R.Seddon (BP Chemicals), WO 95/21806, 1995 [Chem. Abstr. 1996, 124, P8381z]; F.G.Sherif L−J.Shyu, C.C.Greco, A.G.Talma, C.P.M. Lacroix (Akzo Nobel N.V.), WO 9803454 A1,1998 [Chem.Abstr.1998, 128, P140512e]]並びにHeck反応[C.J.Adams, M.J.Earle, G.Roberts, K.R.Seddon, Chem. Commun. 1998, 2097−2098]及びオリゴマー化反応及び重合反応[Ellis, W.Keim, P.Wasserscheid, Chem Comm. 1999, 337−338; Y.Chauvin, L.Mussmann, H.Olivier, Angew. Chem. 1995, 107, 2941−2943 ; Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1995, 34, 2698−2700 ; P.A.Z.Suarez, J.E.L.Dullius, S.Einloft, R.F.de Souza, J.Dupont, Inorg.Chim.Acta 1997, 255, 207−209 ; P.A.Z.Suarez, J.E.L.Dullius, S.Einloft, R.F.de Souza, J.Dupont, Polyhedron, 1996, 15, 1217−1219.]に対する公表された仕事であり、その中で、イオン性液体が成果をあげて、触媒としてか又は溶剤として反応に使用される。その際、多様なカチオン及びアニオンの選択により、使用されるイオン性液体の化学的及び物理的な性質は、それぞれの用途に最適化されることができる。この理由から、イオン性液体は、“デザイナー溶剤”とも呼ばれる。[G.W.Parshall, J. Am. Chem. Soc. 1972, 94, 8716−8719; b) N.Karodia, S.Guise, C.Newlands, J.−A.Andersen, Chem. Commun. 1998, 2341−2342; c) Y.Chauvin, H.Olivier, L.Mussmann, FR 95/14, 147, 1995 [Chem. Abstr. 1997, 127、P341298k]]。
【0031】
多数の有機生成物混合物と共に、イオン性液体は、2つの相を形成する。多相の反応操作は、これらの場合に、単純な生成物分離及び均一系触媒の再循環を可能にする。イオン性液体の実際には存在しない蒸気圧は、そのうえ、共沸混合物形成なしでの蒸留による生成物分離を可能にする。触媒は、その際、幾つかの場合に蒸留条件下でイオン性液体により安定化され、かつほぼ変わらない活性で別の触媒作用のために利用されることができる。[H.Waffenschmidt, P.Wasserscheid, D.Vogt, W.Keim, J. Catal. 1999, 186, 481; H.Waffenschmidt, P.Wasserscheid, W.Keim, DE 19 90 1524。
【0032】
本発明による物質混合物中で使用される(メタ)アクリレートポリマーは、多様な方法で前記の官能基を得ることができる。
【0033】
− (メタ)アクリレートモノマーの官能化、その際、重合のために、その都度1つ又はそれ以上の官能化されたモノマー及び官能化されていないモノマーが使用される。
【0034】
− コポリマーの場合のオレフィン系不飽和モノマーの官能化。
【0035】
(メタ)アクリレートポリマーが第三アミノ基により官能化されている場合には、所望の第四アミノ基は、これらのポリマーと、酸、好ましくは一官能性、二官能性、三官能性又は多官能性の有機カルボン酸との反応により得られることができる。
【0036】
(メタ)アクリレートポリマーがカルボキシル基により官能化されている場合には、所望のカルボキシレート基は、これらのポリマーと、アミノ、好ましくは一官能性、二官能性、三官能性又は多官能性の有機アミン化合物との反応により得られることができる。
【0037】
(メタ)アクリレートポリマーがスルホン酸基により官能化されている場合には、所望のスルホネート基は、これらのポリマーと、アミノ、好ましくは一官能性、二官能性、三官能性又は多官能性の有機アミン化合物との反応により得られることができる。
【0038】
本発明による物質混合物の製造:
本発明による物質混合物の製造は、当業者に公知の常法を用いて行われてよく;例として、ここでは次のことが言及されうる:
・ イオン性液体及びふさわしい温度での押出機又は撹拌コンテナを用いての混合による機械的ブレンド製造
・ 場合により高められた温度でのイオン性液体中への溶解
・ 非溶剤によるか又は温度の低下による共通溶液からの混合物−成分の沈殿
・ 共通溶液からの混合物−成分の塩析
・ まず最初に添加された溶剤の引き続く除去を伴う撹拌コンテナ中での混合。
【0039】
本発明の別の対象は、電気構造部材及び電子構造部材において、伝導性もしくは静電防止の結合剤又は接着剤として、ポリマーの押出加工又は射出成形加工のための、本発明による物質混合物の使用である。
【0040】
本発明による物質混合物は、これらの使用において、他のポリマーとの混合物でか又は唯一の物質として使用されてよい。
【0041】
本発明による物質混合物は、新規の伝導性加工もしくは静電防止加工された結合剤系もしくは接着剤系である。
【0042】
伝導性の結合剤系及び接着剤は、現代の状況によれば、特別な伝導性充てん剤の添加により製造される。成形材料、ラッカー、ゴム及び発泡材の帯電防止仕上げは、伝導性を改善する充てん剤又は繊維(カーボンブラック、グラファイト)又は低分子量の塩、例えばギ酸カリウムの添加により生じる。電気伝導性接着剤は、過去において、代替品としてかもしくははんだに対する補充において特に電子工学において紹介されている。ベースポリマーとして、主にエポキシド樹脂が使用され;そのうえ、シアンアクリレート−、シリコーン−及びポリイミドベースの接着剤系が公知である。伝導性を上昇させる添加剤として、小板もしくは薄片の形の金、銀、銅又はニッケルも、同じように例えば銀被覆されたガラス−ビーズも、公知である(EP 0 195 859)。
【0043】
それに加えて、技術水準に対して、電子的用途のために伝導性加工されたポリマー材料の場合に、材料が、ホットシール可能な静電防止加工されたフィルム(DE 42 19 410)用の添加剤としての真性導電性ポリマー材料(例えばBF4でドープされたポリ(エトキシチオフェン)の添加を経てか又は粒子又はブレンドの伝導性を上昇させる、吸収されたCu塩(JP 62129371)を有する伝導性アクリレート繊維を有する静電防止加工もしくは伝導性加工された繊維(アクリレートエステル−ポリマー−エマルジョンの添加と共に存在することが言及されうる。
【0044】
JP 46040419には、ヒドロキシ基、カルボキシ基、エポキシ基又はアミノ基を有しているエチレン−コポリマー、イソシアナート−誘導体及び10%までのアミン塩、例えばヘキサヒドロメチルアニリン−酢酸塩又は亜鉛−N−エチル−N−フェニルジチオカルバメートからなり、かつより僅かな老化及び接着された織物の洗濯後にもより良好な粘着作用を示すホットメルト接着剤組成物が記載されている。
【0045】
意外にも、(メタ)アクリレートコポリマーを基礎とするポリマー又はコポリマーの加工技術的な電気的及び熱的性質が、イオン性液体を添加しながら、幅広い範囲内で調節することが可能であることが見出された。
【0046】
・ 加工性
これらのポリマーの溶融物の流動性の増大は、イオン性液体の溶剤のような特性により与えられており、その際、特別な利点は、ブレンドの加工温度でもイオン性液体の不揮発性にある。それに関して、これまで使用された可塑剤もしくは加工助剤が既に高すぎる蒸気圧を有し、かつストリッピング(Ausgasungen)をまねく加工温度が使用されることができるか、又はポリマーは、可塑化作用により、より低い温度で加工されることができる。
【0047】
・ 電気的性質
これらのポリマー−可塑剤(ブレンド)系の電気的性質の適応は、イオン性液体を用いて、イオン性原子団の導入により幅広い範囲内で可能である。これを用いて、ポリマー材料の静電防止性又は一部は半導電性も、生じさせることができる。
【0048】
・ 流動性
可塑剤としてのイオン性液体の使用により、ポリマー材料の流動性は融解された状態で高められる。
【0049】
・ 接着挙動
極性表面又はイオン性液体により膨潤されるかもしくは溶解される表面へのポリマーとイオン性液体とからなる相応するブレンドの接着挙動は、イオン性原子団の存在により改善される。
【0050】
その不揮発性及びイオン性(測定不能な蒸気圧)及びその特別な溶解特性に基づき、イオン性液体は、可塑剤もしくは溶剤として、特に有機溶剤又は水性溶剤中に不溶性であるか又は不十分にのみ可溶性であるポリマー又は物質のために使用されうる。架橋したポリマー又は架橋性ポリマーが物質混合物中で使用される場合には、イオン性液体は同様にガラス温度を低下させる可塑剤として利用される。
【0051】
熱可塑性樹脂の射出成形加工の際に、特に、ポリマー材料の良好な加工性が問題である。これは、強く極性又はイオン性の官能基を有するポリマーの使用の際に、分子内及び分子間相互作用に基づき制限されうる。可塑剤としてのイオン性液体の使用により、ポリマーを形成した官能基の間の相互作用が低下し、ひいては改善された加工性が達成される。
【0052】
繊維に紡糸すべきポリマーの場合に、イオン性液体は、紡糸プロセスを可能にしうるかもしくは軽減しうる。イオン性液体の添加による溶融粘度の低下に基づき、紡糸プロセスのための加工窓が拡張されうる;同じことは、ホイル製造又は他の押出法に当てはまる。可塑化する加工助剤として含まれているイオン性液体は、これらが水又はポリマーと不相容性の他の溶剤と混和性である限り、加工後にもポリマーから再び抽出されることができ、それにより、ポリマーの構造及び性質が変化される。
【0053】
電子的構造部材における本発明による物質混合物の使用は、公知ではなく、かつこれらの系の変化しうる電気的及び熱的性質に基づき、特に有利である。
【0054】
本発明による物質混合物の好ましい実施態様において、物質混合物は、イオン性液体に加えて、
a)第三及び/又は第四アミノ基により官能化されている(メタ)アクリレートコポリマー30〜99質量%、及び
b)一官能性、二官能性、三官能性及び/又は多官能性の有機カルボン酸70〜1質量%又は
c)カルボキシレート及び/又はカルボキシル基により官能化されている(メタ)アクリレートポリマー30〜90質量%、及び
d)第三もしくは第四アミノ基を有する一官能性、二官能性、三官能性及び/又は多官能性の有機化合物70〜1質量%からなる。
【0055】
(メタ)アクリレートポリマーは、−既に説明されているように−1つ又はそれ以上の(メタ)アクリレート構成要素からなるポリマー又は1つもしくはそれ以上の官能化されたオレフィン系不飽和モノマーを有するこれらの構成要素からなるコポリマーであってよい。
【0056】
最適には、本発明による物質混合物は、ポリマーブレンドとして、成分a)及びb)もしくはc)及びd)に加えて、a)及びb)もしくはc)及びd)の総和に対して、可塑化させる作用物質もしくは溶融法及び流動法に影響を与える作用物質e) 40〜80質量%を含有していてよい。
【0057】
アミン官能化されたコポリマー(a):
アミノ基含有モノマーが使用される場合には、コポリマーのそのアミノ基含有モノマーの含分は、好ましくは30〜80質量%である。成分a)として、塩の形で、構造
CH2=CR−CO−A−Alk−N+R′3X−
[式中、Rは水素原子又は炭素原子1〜12個を有するアルキル基、好ましくはメチルを表し、Aは酸素原子又はイミノ基、好ましくは−NH−を表し、Alkは好ましくは炭素原子2〜8個を有する、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基を表し、R′は炭素原子22個までを有する同じか又は異なる有機基、特にアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、その際、多くとも基R′の2つが水素原子である]を有するアクリル酸及び/又はメタクリル酸のエステル及びアミドが好ましい。X−は、アニオン性有機基(R−COO−、R−SO3 −)、ハロゲン化物(F−、Br−、Cl−)又はSO3 2 −、SO4 2 −、CO3 2 −を表す酸アニオンである。
【0058】
第三アミノ基を有する成分a)又はd)に適しているアミノ基含有モノマーは次のものである:
ジメチルアミノエチル−アクリレート及び−メタクリレート、
ジエチルアミノエチル−アクリレート及び−メタクリレート、
ジブチルアミノエチル−アクリレート及び−メタクリレート、
モルホリノ−エチル−アクリレート及び−メタクリレート、
ピペリジノ−エチル−アクリレート及び−メタクリレート、
ジメチルアミノ−2−プロピル−アクリレート及び−メタクリレート、
ジメチルアミノ−ネオペンチル−アクリレート及び−メタクリレート、
ジメチルアミノエチル−アクリルアミド及び−メタクリルアミド、
ジエチルアミノエチル−アクリルアミド及び−メタクリルアミド、
ジブチルアミノエチル−アクリルアミド及び−メタクリルアミド、
モルホリノ−エチル−アクリルアミド及び−メタクリルアミド、
ピペリジノ−エチル−アクリルアミド及び−メタクリルアミド、
ジメチルアミノ−2−プロピル−アクリルアミド及び−メタクリルアミド、
ジメチルアミノ−ネオペンチル−アクリルアミド及び−メタクリルアミド。
【0059】
複数のアミノ基を有するモノマー、例えばポリエチレンイミンの誘導体、並びに1つ又はそれ以上の第四アンモニウム基を有するモノマーが適している。
【0060】
これには、例えば次のものが属する:
N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−アミノ酢酸−ベタイン、
N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイル−アミノプロピル)−アミノ酢酸−ベタイン、
アクリル−及びメタクリルオキシエチル−トリメチルアンモニウムクロリド、
アクリル−及びメタクリルオキシエチル−トリメチルアンモニウムメソスルフェート、
アクリル−及びメタクリルアミド−エチル−トリメチルアンモニウムクロリド。カルボン酸アニオンを有する第四アンモニウム化合物は、困難に入手可能であるので、最後に記載されたモノマーの使用の際に、高級カルボン酸アニオンの可塑化作用を利用することは難しい。
【0061】
アクリル酸及び/又はメタクリル酸のアルキルエステルの中では、アルキル基中に炭素原子4〜12個を有するもの、とりわけアクリル酸のエステルが好ましい。特にn−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート及びn−ドデシルアクリレートは好適である。アクリル酸及び/又はメタクリル酸の低級エステルは、通例、コモノマーとして高級エステルに加えて使用される。
【0062】
アミン基含有成分の含分の規定の際に、水中への所望の溶解度に注意すべきであり、他方では可塑化するアルキルアクリレート又は−メタクリレートの十分な含分の達成に努力すべきである。コポリマーの構造に使用されるモノマーが、混合比のない場合に、これらの双方の性質を同時に達成されうる場合に、可塑剤、すなわち成分c)の助けが借りられうる。アミン基含有モノマーの十分に高い含分により、例えば水を基礎とする結合剤系が製造されてよい。アミン基含有モノマーの含分が、より僅かに選択されている場合には、溶剤を基礎とした系が得られる。
【0063】
溶剤を基礎とした系のための溶剤として、次の種類:アルキルアルコール(例えばエタノール、イソプロパノール)、ケトン(例えばアセトン、MEK)又は他の除去しやすい溶剤からなる個々の物質又は混合物が当てはまる。なかに混じってか又は一部は、系中に残っている溶剤、例えばジオール(1,2−又は1,3−プロパンジオール、ブタンジオール)又は他の極性溶剤、例えばジグリメ(Diglyme)等が、使用されてもよい。
【0064】
それに加えて、別のコモノマーは、これらが例えば水溶性を許容できないようにして低下させないか又は硬さを許容できないで高める限り、コポリマーの構造に関与しうる。例は、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド、アクリル酸及び/又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル及びポリアルキレングリコールエステル、エチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びビニルピロリドンである。有用な結合剤系の製造のためには、これらのモノマーの併用は、通例不必要であり;その含分は、通常、20質量%未満である。
【0065】
コポリマーは、塩の形で、水溶液中での、中和されたアミノ−モノマーと他のモノマー成分とのラジカル共重合により製造されることができる。しかしながら、好ましくは、まず最初に中和されていないコポリマーは、アンモニウム塩の基を有するモノマーの代わりに、基礎としているモノマーが塩基の形で使用されることによって、製造されうる。これらのモノマー混合物のラジカル重合のためには、久しい以前から公知の多様な重合方法が提供され、例えば水中又は有機溶剤中での重合、バルク重合及び、コポリマーは塩基の形で水に微溶性であるので、水相中での乳化重合も、さらに“有機相”中での“逆パール重合”による。有機ポリマー溶液及び水性ポリマー分散液は、例えば噴霧乾燥により粉末生成物へと変換されうる。物質ポリマーは、押出機中で溶融され、かつ微細な顆粒に加工される。
【0066】
コポリマーの分子量は、結合剤の水溶液又は溶剤を基礎とした溶液の粘度に、液体成分に対する濃度に依存して影響を与える。好ましくは、100〜2.5百万の範囲内である。コポリマーの水溶液又は溶剤を基礎とした溶液の粘度は、10,000Pa・s以下、好ましくは10mPa・s〜1,000Pa・sであるべきであり、その際、溶液のポリマー含量は、好都合には20〜80質量%である。
【0067】
コポリマーの粘着性は、しかしながら、アルキルアクリレート又は−メタクリレートのその含量のみならず、アミノ基含有モノマーの種類にも基づいている。例えば、約10個の炭素原子の極限値までの長鎖アルキル基は、不飽和重合性基とアミノ基との間のリンカー(Bindeglied)としてコポリマーの柔らかさを促進する。この極限値を上回るアルキル基は、これらが結合しているポリマー鎖の移動度を減少させ、かつそれにより硬さが高まる。
【0068】
酸アニオンは、その塩としてコポリマーが存在する場合に、柔らかさに強い影響を及ぼす。鉱酸及び低級の有機のスルホン酸及びカルボン酸のアニオンが、むしろコポリマーの硬さを促進する一方で、高級カルボン酸のアニオンが可塑化作用を及ぼすことが確かめられた。これは、炭素原子少なくとも4個及び特に炭素原子8〜20個を有するカルボン酸が当てはまる。この群の好ましいカルボン酸は、カプリン酸、ラウリン酸及びミリスチン酸である。これらの高級カルボン酸を用いて、必要な水溶性が達成されない場合には、高級及び中級のカルボン酸もしくはジカルボン酸、例えばアジピン酸からなる混合物が使用されてよい。中級カルボン酸の含分は、例えばアニオン当量の30mol%までであってよい。
【0069】
酸官能化されたコポリマー(c):
アクリル酸及び/又はメタクリル酸の高級アルキルエステルが、これから製造されたコポリマーに柔らかさ及び粘着性を付与することは公知である。同時にこれらは、コポリマーを疎水性及び水不溶性にする。
【0070】
モノエチレン系不飽和で、ラジカル重合性カルボン酸の含分の確定の際に、故に、水中への所望の溶解度に注意すべきであり、他方では可塑化するアルキルアクリレート又は−メタクリレートの十分な含分の達成に努力すべきである。コポリマーの構造に使用されるモノマーが、混合比のない場合に、これらの双方の性質を同時に達成されうる場合に、可塑剤、すなわち成分e)の助けが借りられうる。ラジカル重合性カルボン酸の十分に高い含分により、例えば水を基礎とする結合剤系が製造されてよい。カルボン酸−含分がより僅かに選択されている場合には、溶剤を基礎とした系が得られる。
【0071】
これらの溶剤を基礎とした系のための溶剤として、次の種類:アルキルアルコール(例えばエタノール、イソプロパノール)、ケトン(例えばアセトン、MEK)又は他の除去しやすい溶剤からなる個々の物質又は混合物が当てはまる。なかに混じってか又は一部は、系中に残っている溶剤、例えばジオール(1,2−又は1,3−プロパンジオール、ブタンジオール)又は他の極性溶剤、例えばジグリメ(Diglyme)等が、使用されてもよい。
【0072】
モノエチレン系不飽和で、ラジカル重合性のモノカルボン酸又はジカルボン酸は、好ましくは、構造
R−CH=CR′−COOY
[式中、Rは水素原子又は炭素原子1〜12個を有するアルキル基を表し、かつR′は水素原子、メチル基又は基−CH2−COOHを表すか、又はRは基−COOHを表し、かつR′は水素原子を表す]を有する。これらのカルボン酸には、アクリル酸及びメタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸及びフマル酸が属する。モノエチレン系不飽和のモノカルボン酸又はジカルボン酸の含分は、好ましくは、混合ポリマーの30〜80質量%、特に50〜70質量%である。
【0073】
混合ポリマーの全てのカルボン酸単位が、塩の形で存在することが原則的に必要であるのではなくて、水溶性を保証する含分で十分である。このために必要な含分は、エステル含分の大きさ及び疎水性に依存する。多少の場合に、混合ポリマーを水溶性にするために、15質量%のカルボキシレート−単位の含量はもう十分である。通例、カルボキシレート−モノマー単位の含量は20〜50質量%である。
【0074】
ポリマーの水溶性は、カルボン酸−モノマー単位の含量に応じて20〜50mol%である、存在しているカルボキシル基の部分中和により達成されうる。実際の用途のためには、20〜100mol%、特に50〜100mol%の中和度が好ましい。中和度により、電気的性質は影響を受けうる。
【0075】
塩形成性カチオンYとして、H+に加えて、例えばアルカリ金属カチオン、特にナトリウム及びカリウムが挙げられうる。他の金属カチオンは、多価標により架橋する作用が望ましい(むしろ架橋剤として)ような点では、使用可能である。有機アンモニウムカチオンは、これらが乾燥の際にか又は貯蔵の際に相応するアミン蒸気の形で漏れない場合に適している。例えば第四アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム又は好ましくは難揮発性アミン、例えばジエタノールアミンもしくはトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジエタノールブチルアミン及びこれに類するものから誘導されるアンモニウムカチオンが有用である。
【0076】
アクリル酸及び/又はメタクリル酸のアルキルエステルの中では、アルキル基中に炭素原子1〜12個を有するもの、とりわけアクリル酸のエステルが好ましい。特にメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート及びn−ドデシルアクリレートが好適である。アクリル酸及び/又はメタクリル酸の低級エステルは、通例、コモノマーとしてのみ、高級エステルに加えて使用される。それに加えて、別のコモノマーは、これらが所望の水溶性を許容できないようにして低下させないか又は硬さを許容できないで高める限り、コポリマーの構造に関与しうる。例は、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド、アクリル酸及び/又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、ω−メトキシポリアルキレングリコールエステル及びポリアルキレングリコールエステル、エチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びビニルピロリドンである。結合剤の製造のためには、これらのモノマーの併用は、通例不必要であり;その含分は、通常、20質量%未満である。
【0077】
コポリマーは、塩の形で、水溶液中での中和されたカルボン酸と他のモノマー成分とのラジカル共重合により製造されることができる。しかしながら、好ましくは、まず最初に中和されていないコポリマーは、遊離のモノカルボン酸又はジカルボン酸が使用されることによって、製造されうる。これらのモノマー混合物のラジカル重合のためには、久しい以前から公知の多様な重合方法が提供され、例えば水又は有機溶剤中での重合、バルク重合及び、コポリマーは酸の形で水に微溶性であるので、また水相中での乳化重合。有機ポリマー溶液及び水性ポリマー分散液は、例えば噴霧乾燥により粉末生成物へと変換されうる。物質ポリマーは、押出機中で溶融され、かつ微細な顆粒に押し出される。
【0078】
塩形成性成分b)及びd):
一官能性、二官能性又は多官能性の化合物は、成分a)もしくはc)と交代して塩濃度の増大により、特定の電気的性質、例えば比抵抗の調節に及び架橋に、ひいては可塑剤成分e)と一緒にまた(ガラス点)−Tg調節にも利用される。
【0079】
一官能性化合物b)として、アミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)と一緒に、例えば短鎖カルボン酸、例えば酢酸、乳酸、プロピオン酸又はまた安息香酸が使用されてよい。
【0080】
成分a及びbの相互作用には、故に、次のことがあてはまる:
【0081】
【化3】
【0082】
[式中、R1、R2は例えばメチル又はエチルを表し、
R3は炭素原子1〜6個を有する、分枝鎖状又は非分枝鎖状のアルキル−、ヒドロキシアルキル−、脂環式のか又はヒドロキシ官能化された炭化水素鎖を表す] 一官能性化合物d)として、カルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーc)と一緒に、例えば短鎖アミン、例えばトリエタノールアミン、ジエタノール−n−ブチルアミン又はトリイソプロパノールアミンが使用されてよい。
【0083】
【化4】
【0084】
[式中、R4、R5、R6はH、炭素原子1〜6個を有する、分枝鎖状又は非分枝鎖状のアルキル−、ヒドロキシアルキル−、脂環式のか又はヒドロキシ官能化された炭化水素鎖を表す]。
【0085】
二官能性化合物b)として、アミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)の場合に、例えばコハク酸、プロパン二カルボン酸、アジピン酸、ドデカン二酸等が使用されてよい。
【0086】
【化5】
【0087】
[式中、R1、R2は例えばメチル又はエチルを表し、
R7は炭素原子1〜6個を有する、分枝鎖状又は非分枝鎖状のアルキル−、ヒドロキシアルキル−、脂環式のか又はヒドロキシ官能化された炭化水素鎖を表す] 二官能性化合物d)として、カルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーc)の場合に、短鎖の第三ジアミン、例えばN,N′−ジメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシイソプロピル)エチレンジアミンが使用されてよい。
【0088】
【化6】
【0089】
[式中、R8、R9、R10、R11、R12は互いに独立してH、炭素原子1〜6個を有する、分枝鎖状又は非分枝鎖状のアルキル−、ヒドロキシアルキル−、脂環式のか又はヒドロキシ官能化された炭化水素鎖を表す]。
【0090】
多官能性化合物b)として、アミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)の場合に、例えばポリ酸、例えばポリアクリル酸、EUDRAGIT(R)L又はポリスチレンスルホン酸、ポリアミド、ポリアクリルアミド及び相応するコポリマーが使用されてよい。
【0091】
多官能性化合物d)として、カルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーc)の場合に、例えばポリアミン(PEI)、ポリアミドもしくはポリエチレングリコール、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミド又はEUDRAGIT(R)Eが使用されてよい。
【0092】
好ましくは、成分b)又はd)のためには、プロピオン酸、安息香酸、トリエタノールアミン、コハク酸、アジピン酸、ドデカン二酸、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアミン(PEI)、ポリアミド又はポリアクリルアミド、クエン酸アルキルエステル、グリセリンエステル、フタル酸アルキルエステル、セバシン酸アルキルエステル、スクロースエステル、ソルビタンエステル、セバシン酸ジブチル及びポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、ポリ(メタ)アクリレート、エチルアクリレートとメチルメタクリレートとからなるコポリマー、メチルメタクリレートとブチル(メタ)アクリレート及び/又は2−エチルヘキシルメタクリレートとのコポリマー又はメチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマー、N,N−ジメチル−n−オクチルアミン、N,N−ジメチル−n−ステアリルアミン、1,4−ビス(ジメチルアミノ)−ブタン、アミノ末端化ポリエチレンオキシド、末端基−カルボキシル官能化されたPEO−系もしくはPEO−ジカルボン酸−オリゴマー及びポリエステルが使用される。
【0093】
成分e)
成分e)による可塑剤としてアミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)及びカルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーd)に適している物質は、次の群に分類されうる:
1.成分a)の官能基と反応することができる遊離官能基を有しない化合物:これらは、通例、100〜20000の分子量を有し、かつ分子中に1つ又はそれ以上の親水性基、例えばヒドロキシル基、エーテル基又はエステル基を有する。適している可塑剤の例は、クエン酸アルキルエステル、グリセリンエステル、フタル酸アルキルエステル、セバシン酸アルキルエステル、スクロースエステル、ソルビタンエステル、セバシン酸ジブチル及び4000〜20000ダルトンのポリエチレングリコールである。好ましい可塑剤は、例えばクエン酸トリエチル及びクエン酸アセチルトリエチルである。
【0094】
2.官能基を有しないか又は取るに足りない量に過ぎない官能基を有するポリ(メタ)アクリレート、DIN 53445によるその動的ガラス温度は、−70〜約80℃の範囲内である。そのようなポリマーの例は、エチルアクリレート及びメチルメタクリレートからなり、好ましくは30質量%を上回るエチルアクリレートを有するコポリマー、又はメチルメタクリレートとブチル(メタ)アクリレート及び/又は2−エチルヘキシルメタクリレートとのコポリマー又はメチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマーである。水溶性の発生のためには、別のモノマー、例えばヒドロキシアルキルエステル及びアクリル酸及び/又はメタクリル酸のポリアルキレングリコールエステル及びビニルピロリドンが重合導入されていてよい。
【0095】
3.成分a)の官能基と反応することができる遊離官能基を有しない化合物:これらは、通例、100〜20000g/molの分子量を有し、かつ分子中に1つ又はそれ以上の親油性基、例えばエステル基又はエーテル基を有する。適している可塑剤の例は、クエン酸アルキルエステル、グリセリンエステル、フタル酸アルキルエステル、セバシン酸アルキルエステル、スクロースエステル、ソルビタンエステル、セバシン酸ジブチル及び4000〜20000ダルトンのポリエチレングリコールである。好ましい可塑剤は、例えばクエン酸トリエチル及びクエン酸アセチルトリエチルである。
【0096】
4.官能基を有しないか又は取るに足りない量に過ぎない官能基を有するポリ(メタ)アクリレート、DIN 53445によるその動的ガラス温度は−70〜約80℃の範囲内である。そのようなポリマーの例は、エチルアクリレートとメチルメタクリレートからなり、好ましくは30質量%を上回るエチルアクリレートを有するコポリマー、又はメチルメタクリレートとブチル(メタ)アクリレート及び/又は2−エチルヘキシルメタクリレートとのコポリマー又はメチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマーである。
【0097】
5.アミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)の相補的な基と塩形成して反応しうる官能基に加えて、さらにそのうえ長鎖脂肪族構造単位を有し、かつ同時に導水性(wassergaengig)である、一官能性、二官能性又は多官能性の化合物。相応する塩形成性カルボン酸はDE 39 24 393に記載されている。
【0098】
6.アミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)の相補的な基と塩形成して反応しうる官能基に加えて、さらにそのうえ長鎖脂肪族構造単位を有し、親油性を有する、一官能性、二官能性又は多官能性の化合物。相応する塩形成性カルボン酸はDE 39 24 393に記載されている。
【0099】
7.カルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーc)の相補的な基と塩形成して反応しうる官能基に加えて、そのうえ長鎖脂肪族構造単位を有し、かつ同時に導水性である、一官能性、二官能性又は多官能性の化合物。塩形成性アミンは、DE 39 13 734に記載されており、さらに、最大2つの長鎖アルキル鎖(>C6)を有する第三アミンが使用されてよい:例えばN,N−ジヒドロキシエチル−n−オクチルアミン、N,N−ジヒドロキシエチル−n−ステアリルアミン、N,N′−ジヒドロキシエチル−n−ドデシルアミン。長鎖のテトラ−2−ヒドロキシエチル−又はテトラ−2−ヒドロキシプロピル−ジアミンは、同様に使用されてよい。短鎖の二官能性のテトラヒドロキシエチル−又はテトラ−2−ヒドロキシプロピル−ジアミンは、可塑化効果よりもむしろ硬化特性を有する。
【0100】
8.カルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーc)の相補的な基と塩形成して反応しうる官能基に加えて、そのうえ長鎖脂肪族構造単位を有し、かつ親油性を有する、一官能性、二官能性又は多官能性の化合物。塩形成性アミンはDE 39 13 734に記載されており、さらにアルキル鎖(>C6)を有する第三アミンが使用されてよい:例えばN,N−ジメチル−n−オクチルアミン、N,N−ジメチル−n−ステアリルアミン、N,N′−ジメチル−n−ドデシルアミン。長鎖のテトラメチル−、テトラエチル−又はテトラプロピル−ジアミンは、同様に使用されてよい。短鎖の二官能性のテトラメチル−ジアミン、例えば1,4−ビス(ジメチルアミノ)−ブタンは、可塑化効果よりもむしろ硬化特性を有する。
【0101】
9.水を基礎とする系のためには、アミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)の相補的な基と塩形成して反応する、水溶性の塩形成性可塑剤、例えば末端基−カルボキシル官能化されたポリエチレンオキシド−(PEO)−系もしくはPEO−ジカルボン酸−オリゴエステル及びポリエステルが使用可能である。
【0102】
10.水を基礎とする系のためには、カルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーc)の相補的な基と塩形成して反応する、水溶性の塩形成性可塑剤、例えばアミノ末端化ポリエチレンオキシド(例えばJeffamine (DuPont))が使用可能である。
【0103】
11.錯体から構成されている親水性系、例えば1つ又はそれ以上のジカルボン酸の過剰量及び1つ又はそれ以上の、場合によりヒドロキシ官能化された、第三モノアミンと長鎖の脂肪族又は脂環式の基とからなるか、又は1つ又はそれ以上のジカルボン酸の過剰量及び1つ又はそれ以上の、場合によりヒドロキシ官能化された、第三ジアミンと、アミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)の基のためのアルキレン基又はPEOからなる長いミディアムセグメントとからなる反応生成物。
【0104】
12.錯体から構成されている親水性系、例えば1つ又はそれ以上の、場合によりヒドロキシ官能化された、第三ジアミンの過剰量及び1つ又はそれ以上のモノカルボン酸と長鎖アルキル基とからなるか、又は1つ又はそれ以上の、場合によりヒドロキシ官能化された、第三ジアミンの過剰量及び1つ又はそれ以上のジカルボン酸と、カルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーc)のためのアルキレン基又はPEOからなる長いミディアムセグメントとからなる反応生成物。
【0105】
13.錯体から構成されている親油性系、例えば1つ又はそれ以上のジカルボン酸の過剰量及び1つ又はそれ以上の、場合によりヒドロキシ官能化された、第三モノアミンと長鎖の脂肪族又は脂環式の基とからなるか、又は1つ又はそれ以上のジカルボン酸の過剰量及び1つ又はそれ以上の第三ジアミンと、アミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)の基のためのアルキレン基からなる長いミディアムセグメントとからなる反応生成物。
【0106】
14.錯体から構成されている親油性系、例えば1つ又はそれ以上の第三ジアミンの過剰量及び1つ又はそれ以上のモノカルボン酸と長鎖アルキル基とからなるか、又は1つ又はそれ以上の第三ジアミンの過剰量及び1つ又はそれ以上のジカルボン酸と、カルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーc)のためのアルキレン基からなる長いミディアムセグメントとからなる反応生成物。
本発明は、ポリマーとイオン性液体とからなる物質混合物に関する。
【0002】
多数のポリマー、例えば多様なポリアラミド、イオノマー、ポリエステル、ポリアミド、ポリエーテル(エーテル)ケトンは、特定の方法を用いてのみかもしくは困難を伴ってのみ加工されることができる。一部は、ポリマー鎖の分解が生じずに、ポリマー材料自体を熱可塑的に加工することは全く不可能である。
【0003】
ポリマーの加工性は、しばしば、可塑剤の混合導入によってのみ可能となる。
【0004】
高温範囲については、多くの可塑剤が適していない。これは、例えば可塑剤の高すぎる揮発性、又はポリマーとの不相溶性のためである。
【0005】
特に、イオン性基を有するポリマーについては、伝導性に影響を及ぼさないか又は正の影響のみを及ぼし、しばしば適している非腐食性可塑剤が見出されることはできなかった。
【0006】
技術水準:
文献には、セルロースと、示数LiClO4/LiI・xH2OもしくはLiClO4/Mg(ClO4)2・xH2Oからなる塩水和物溶融物とからなる混合物が記載されており、その際、セルロースが膨潤されてか、もしくはまた溶解されても存在し、かつ再生されたセルロースは、前もって製造された溶液の組成に依存するその結晶−構造に基づいて調査される。(Fischer, S.他 ACS Symp. Ser. (1999) 737, 143)。
【0007】
室温で融解されたクロロアルミン酸塩でのポリマー抽出も、文献に記載されている(Wilkes, John S.他, Proc.−Electrochem.soc (2000), 99−41 (Molten Salts XII) 65 ; Proc.−Electrochem.Soc. (2000), 99−41(Molten Salts XII), 65)。
【0008】
これらの刊行物には、それゆえ、ポリマー(セルロース)及び無機塩もしくは無機−イオン性液体からなる混合物が記載されている。
【0009】
ゲル−電解質は、例えばFuller他(J.Electrochem. Soc. (1997), 144(4), L67及びJ.Electroanal.Chem. (1998) 459(1), 29)によれば、フッ素化コポリマー(ポリフッ化ビニリデンヘキサフルオロプロピルコポリマー)と、トリフラート−もしくはテトラフルオロホウ酸塩−対イオンを有するイミダゾリウム誘導体を基礎とするイオン性液体とから製造されることができる。
【0010】
次の刊行物には、ポリマーとイオン性化合物(液体)とからなる混合物が記載されており、その際、ポリマーは、官能化されていないか、又はさらなる塩形成/イオン形成を許容しない基で官能化されている。これらのポリマーは、故に、外部電荷を有しない。
【0011】
JP 10265673には、例えばイオン性液体の存在でのヒドロキシエチルメタクリレート及びエチレングリコールジメタクリレートの重合を用いて、イオン性液体を凝固させることによる、高分子固体電解質の製造が記載されている。こうして得られたフィルムは、イオン伝導性を示す。
【0012】
Noda他により、Electrochim. Acta (2000), 45(8−9), 1265には、特定のビニルモノマーが、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム テトラフルオロホウ酸塩もしくは1−ブチルピリジニウム テトラフルオロホウ酸塩からなる室温で液体の溶融塩中で重合されることができ、かつ透明で、高伝導性でかつ機械的に安定なポリマー電解質−フィルムをもたらすことが記載されている。
【0013】
JP 10265674には、ポリマー、例えばポリアクリロニトリル又はポリエチレンオキシドとイオン性液体とからなる複合材料が記載されている。イオン性液体は、Li塩(例えばLiBF4)又は環式アミジン又はピリジンのオニウム塩(例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウム テトラフルオロホウ酸塩)から構成されている。使用として、固体電解質、静電防止剤及び遮蔽材が記載されている。
【0014】
Fuller他(Molten Salt Forum (1998), 5−6 (Molten Salt Chemistry and Technology 5), 605)により、イオン性液体又は他のイミダゾリウム塩とポリマーとからなる混合物が報告されている。これらのブレンドは、高導電性ポリマー電解質としての蓄電池、燃料電池又は容量性ユニットにおける用途のための高い伝導性、熱的安定性等を示す。
【0015】
Humphrey他(Book of Abstracts, 215th ACS National Meeting, Dallas. March 29−April 2 (1998), CHED−332, ACS, Washington D.C.)により、塩化アルミニウムと有機塩化物−塩とからなる室温で液体の溶融塩でのポリマーの溶解及び抽出が記載されている。イオン性液体は、そのルイス−酸性度に関して調節可能であり、かつ超酸に塩化水素が添加されることにより調節される。
【0016】
Watanabe他(Solid State Ionics (1996), 86−88(Pt.1), 353)により、安息香酸トリメチルアンモニウム、酢酸リチウム及びリチウム−ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドからなる100℃未満の温度で液体の塩混合物が、ポリアクリロニトリル及びポリビニルブチラールと相容性でフィルムの製造を可能にする混合物をもたらすことが記載されている。
【0017】
Ogata他により、ポリカチオン塩(例えばポリ(1−ブチル−4−ビニルピリジウム)−ブロミド、1,6−ヘキサンジクロリド−N,N,N′,N′−テトラメチル−1,3−プロピレンジアミンコポリマー)と、塩化アルミニウムを含有している溶融塩との混合物について報告されている(Synth. Met. (1995), 69(1−3), 521)。混合物は、粘弾性フィルムをもたらし、かつポリエチレンオキシドを基礎としているポリマー電解質系よりも、より高い及びより低い温度依存性の伝導性を示す。同じく、Rikukawa他により、塩化アルミニウムと1−ブチルピリジニウム塩とからなる塩を有するものが報告されている(Mater.Res.soc.Symp.Proc.(1993), 293(Solid State Ionics III), 135)。
【0018】
多くの用途のためには、ポリマーの高い伝導性を得ることが望ましい;これは前記の系を用いて不可能であるか又は十分に可能ではない。
【0019】
本発明の課題は、故に、良好な伝導性を良好な加工性及び製造可能性と同時に有し、イオン性液体との混合物のポリマー系を提供することであった。
【0020】
意外にも、イオン性のもしくは強く極性のモノマー構造を有するポリマーが、イオン性液体の添加により、例えばそれらの電気的性質及びそれらの加工性において改善されることができることが見出された。
【0021】
本発明の対象は、故に、スルホネート基、カルボキシレート基又は第四アミノ基により官能化された1つ又はそれ以上の(メタ)アクリレートポリマー及びイオン性液体を含有している物質混合物である。
【0022】
本発明による物質混合物は、1つ又はそれ以上のポリマーを、そのブレンド、コポリマー又は物理的混合物として含有していてよい。
【0023】
本発明の特別な一実施態様において、(メタ)アクリレートポリマーは、少なくとも1つの(メタ)アクリレートモノマーと少なくとも1つのオレフィン系不飽和モノマーとからなるコポリマーである。
【0024】
ここで、本発明の多様な変法が可能であり、その際、オレフィン系不飽和モノマーは、カルボキシル基、カルボキシレート基、第三アミノ基、第四アミノ基、スルホネート基及び/又はスルホン酸基により官能化されていてよい。
【0025】
イオン性液体(“ionic liquids”)は、低温で液体の塩であると理解される。これらは、非分子のイオン特性を有する溶剤の新規のクラスである。高融点で、高粘性でかつ極めて腐食性の媒体である古典的な溶融塩と対照的に、イオン性液体は、低温(<80℃)で既に液体であり、かつ相対的に低粘性である。[K.R. Seddon, J. Chem. Technol. Biotechnol. 1997, 68, 351−356; K.R.Seddon, Kinet. Catal. 1996, 37, 693−697]
WO 00/20115及びWO 00/16902から、触媒作用の分野におけるイオン性液体(IL)が、数年前から公知である。イオン性液体は、好ましくは室温を下回る温度ではじめて凝固する溶融塩である。このテーマへの一般的な概観は、例えばWelton(Chem. Rev. 1999, 99, 2071)により見出される。本質的には、これはイミダゾリウム塩又はピリジニウム塩である。
【0026】
本発明による物質混合物は、好ましくは、イオン性液体として、次の構造
【0027】
【化2】
【0028】
[式中、R、R′はH、同じか又は異なるアルキル基、オレフィン基又はアリール基を表すが、但しR及びR′は異なる意味を有する]で示されるイミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、アンモニウムイオン又はホスホニウムイオンの群から選択されたカチオン、及びBF4 −イオン、アルキル−ホウ酸イオン、BEt3Hexイオン[ここでEtはエチル基を表し、かつHexはヘキシル基を表す]、ハロゲノ−リン酸イオン、PF6 −イオン、硝酸イオン、スルホン酸イオン、アルキル−スルホン酸イオンもしくはアリール−スルホン酸イオン、硫酸水素イオン、クロロアルミン酸イオンの群からのアニオンを有する塩を含有している。
【0029】
80℃の溶融温度での溶融塩とイオン性液体との間の境界の線引きは、この温度未満での液体の塩の用途範囲の飛躍的な改善により正当化されうる:また、高温溶融塩が成果をあげて反応媒体として合成用途において使用されていた若干の例が公知となっている場合に[a) W.Sundermeyer, Angew. Chem. 1965, 77, 241−258; Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1965, 4, 222−329; b) W.Sundermeyer, Chemie in unserer Zeit 1967, 1, 150−157; c) S.V.Volkov, Chem. Soc. Rev. 1990, 19, 21−28.]、全くはじめて、80℃未満までの液体範囲が、イオン性液体による常用の有機溶剤の多様な置換を可能にする。
【0030】
若干の代表例が1929年以来、既に公知であるにもかかわらず、イオン性液体は、最近15年間、化学反応のための溶剤としてはじめて集中的に調査されている。それ以来刊行された刊行物は、イオン性液体による有機溶剤の交換が、合成用途及び触媒用途における注目すべき改善を、反応性及び選択率に関してもたらしうることを証明している[T.Welton, Chem. Rev. 1999, 99, 2071−2083]。そのための例は、フリーデル−クラフツ−アルキル化[K.R.Seddon, J. Chem. Technol. Biotechnol. 1997, 68, 351−356; K.R.Seddon, Kinet. Catal. 1996, 37, 693−697]及びフリーデル−クラフツ−アシル化[W. Sundermeyer, Angew. Chem. 1965, 77, 241−258; Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1965, 4, 222−329; W.Sundermeyer, Chemie in unserer Zeit 1967, 1, 150−157; S.V.Volkov, Chem. Soc. Rev. 1990, 19, 21−28.]、多様な水素化[T.Welton, Chem. Rev. 1999, 99, 2071−2083]、ヒドロホルミル化[H.Waffenschmidt, P.Wasserscheid, D.Vogt, W.Keim, J.Catal. 1999, 186, 481; H.Waffenschmidt, P.Wasserscheid, W.Keim, ドイツ連邦共和国特許出願19901524.4, 1999; V.R.Koch, L.L.Miller, R.A.Osteryoung, J. Am. Chem. Soc. 1976, 98, 5277−5284; A.A.K.Abdul−Sada, M.P.Atkins, B.Ellis, P.K.G.Hodgson, M.L.M.Morgan, K.R.Seddon (BP Chemicals), WO 95/21806, 1995 [Chem. Abstr. 1996, 124, P8381z]; F.G.Sherif L−J.Shyu, C.C.Greco, A.G.Talma, C.P.M. Lacroix (Akzo Nobel N.V.), WO 9803454 A1,1998 [Chem.Abstr.1998, 128, P140512e]]並びにHeck反応[C.J.Adams, M.J.Earle, G.Roberts, K.R.Seddon, Chem. Commun. 1998, 2097−2098]及びオリゴマー化反応及び重合反応[Ellis, W.Keim, P.Wasserscheid, Chem Comm. 1999, 337−338; Y.Chauvin, L.Mussmann, H.Olivier, Angew. Chem. 1995, 107, 2941−2943 ; Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 1995, 34, 2698−2700 ; P.A.Z.Suarez, J.E.L.Dullius, S.Einloft, R.F.de Souza, J.Dupont, Inorg.Chim.Acta 1997, 255, 207−209 ; P.A.Z.Suarez, J.E.L.Dullius, S.Einloft, R.F.de Souza, J.Dupont, Polyhedron, 1996, 15, 1217−1219.]に対する公表された仕事であり、その中で、イオン性液体が成果をあげて、触媒としてか又は溶剤として反応に使用される。その際、多様なカチオン及びアニオンの選択により、使用されるイオン性液体の化学的及び物理的な性質は、それぞれの用途に最適化されることができる。この理由から、イオン性液体は、“デザイナー溶剤”とも呼ばれる。[G.W.Parshall, J. Am. Chem. Soc. 1972, 94, 8716−8719; b) N.Karodia, S.Guise, C.Newlands, J.−A.Andersen, Chem. Commun. 1998, 2341−2342; c) Y.Chauvin, H.Olivier, L.Mussmann, FR 95/14, 147, 1995 [Chem. Abstr. 1997, 127、P341298k]]。
【0031】
多数の有機生成物混合物と共に、イオン性液体は、2つの相を形成する。多相の反応操作は、これらの場合に、単純な生成物分離及び均一系触媒の再循環を可能にする。イオン性液体の実際には存在しない蒸気圧は、そのうえ、共沸混合物形成なしでの蒸留による生成物分離を可能にする。触媒は、その際、幾つかの場合に蒸留条件下でイオン性液体により安定化され、かつほぼ変わらない活性で別の触媒作用のために利用されることができる。[H.Waffenschmidt, P.Wasserscheid, D.Vogt, W.Keim, J. Catal. 1999, 186, 481; H.Waffenschmidt, P.Wasserscheid, W.Keim, DE 19 90 1524。
【0032】
本発明による物質混合物中で使用される(メタ)アクリレートポリマーは、多様な方法で前記の官能基を得ることができる。
【0033】
− (メタ)アクリレートモノマーの官能化、その際、重合のために、その都度1つ又はそれ以上の官能化されたモノマー及び官能化されていないモノマーが使用される。
【0034】
− コポリマーの場合のオレフィン系不飽和モノマーの官能化。
【0035】
(メタ)アクリレートポリマーが第三アミノ基により官能化されている場合には、所望の第四アミノ基は、これらのポリマーと、酸、好ましくは一官能性、二官能性、三官能性又は多官能性の有機カルボン酸との反応により得られることができる。
【0036】
(メタ)アクリレートポリマーがカルボキシル基により官能化されている場合には、所望のカルボキシレート基は、これらのポリマーと、アミノ、好ましくは一官能性、二官能性、三官能性又は多官能性の有機アミン化合物との反応により得られることができる。
【0037】
(メタ)アクリレートポリマーがスルホン酸基により官能化されている場合には、所望のスルホネート基は、これらのポリマーと、アミノ、好ましくは一官能性、二官能性、三官能性又は多官能性の有機アミン化合物との反応により得られることができる。
【0038】
本発明による物質混合物の製造:
本発明による物質混合物の製造は、当業者に公知の常法を用いて行われてよく;例として、ここでは次のことが言及されうる:
・ イオン性液体及びふさわしい温度での押出機又は撹拌コンテナを用いての混合による機械的ブレンド製造
・ 場合により高められた温度でのイオン性液体中への溶解
・ 非溶剤によるか又は温度の低下による共通溶液からの混合物−成分の沈殿
・ 共通溶液からの混合物−成分の塩析
・ まず最初に添加された溶剤の引き続く除去を伴う撹拌コンテナ中での混合。
【0039】
本発明の別の対象は、電気構造部材及び電子構造部材において、伝導性もしくは静電防止の結合剤又は接着剤として、ポリマーの押出加工又は射出成形加工のための、本発明による物質混合物の使用である。
【0040】
本発明による物質混合物は、これらの使用において、他のポリマーとの混合物でか又は唯一の物質として使用されてよい。
【0041】
本発明による物質混合物は、新規の伝導性加工もしくは静電防止加工された結合剤系もしくは接着剤系である。
【0042】
伝導性の結合剤系及び接着剤は、現代の状況によれば、特別な伝導性充てん剤の添加により製造される。成形材料、ラッカー、ゴム及び発泡材の帯電防止仕上げは、伝導性を改善する充てん剤又は繊維(カーボンブラック、グラファイト)又は低分子量の塩、例えばギ酸カリウムの添加により生じる。電気伝導性接着剤は、過去において、代替品としてかもしくははんだに対する補充において特に電子工学において紹介されている。ベースポリマーとして、主にエポキシド樹脂が使用され;そのうえ、シアンアクリレート−、シリコーン−及びポリイミドベースの接着剤系が公知である。伝導性を上昇させる添加剤として、小板もしくは薄片の形の金、銀、銅又はニッケルも、同じように例えば銀被覆されたガラス−ビーズも、公知である(EP 0 195 859)。
【0043】
それに加えて、技術水準に対して、電子的用途のために伝導性加工されたポリマー材料の場合に、材料が、ホットシール可能な静電防止加工されたフィルム(DE 42 19 410)用の添加剤としての真性導電性ポリマー材料(例えばBF4でドープされたポリ(エトキシチオフェン)の添加を経てか又は粒子又はブレンドの伝導性を上昇させる、吸収されたCu塩(JP 62129371)を有する伝導性アクリレート繊維を有する静電防止加工もしくは伝導性加工された繊維(アクリレートエステル−ポリマー−エマルジョンの添加と共に存在することが言及されうる。
【0044】
JP 46040419には、ヒドロキシ基、カルボキシ基、エポキシ基又はアミノ基を有しているエチレン−コポリマー、イソシアナート−誘導体及び10%までのアミン塩、例えばヘキサヒドロメチルアニリン−酢酸塩又は亜鉛−N−エチル−N−フェニルジチオカルバメートからなり、かつより僅かな老化及び接着された織物の洗濯後にもより良好な粘着作用を示すホットメルト接着剤組成物が記載されている。
【0045】
意外にも、(メタ)アクリレートコポリマーを基礎とするポリマー又はコポリマーの加工技術的な電気的及び熱的性質が、イオン性液体を添加しながら、幅広い範囲内で調節することが可能であることが見出された。
【0046】
・ 加工性
これらのポリマーの溶融物の流動性の増大は、イオン性液体の溶剤のような特性により与えられており、その際、特別な利点は、ブレンドの加工温度でもイオン性液体の不揮発性にある。それに関して、これまで使用された可塑剤もしくは加工助剤が既に高すぎる蒸気圧を有し、かつストリッピング(Ausgasungen)をまねく加工温度が使用されることができるか、又はポリマーは、可塑化作用により、より低い温度で加工されることができる。
【0047】
・ 電気的性質
これらのポリマー−可塑剤(ブレンド)系の電気的性質の適応は、イオン性液体を用いて、イオン性原子団の導入により幅広い範囲内で可能である。これを用いて、ポリマー材料の静電防止性又は一部は半導電性も、生じさせることができる。
【0048】
・ 流動性
可塑剤としてのイオン性液体の使用により、ポリマー材料の流動性は融解された状態で高められる。
【0049】
・ 接着挙動
極性表面又はイオン性液体により膨潤されるかもしくは溶解される表面へのポリマーとイオン性液体とからなる相応するブレンドの接着挙動は、イオン性原子団の存在により改善される。
【0050】
その不揮発性及びイオン性(測定不能な蒸気圧)及びその特別な溶解特性に基づき、イオン性液体は、可塑剤もしくは溶剤として、特に有機溶剤又は水性溶剤中に不溶性であるか又は不十分にのみ可溶性であるポリマー又は物質のために使用されうる。架橋したポリマー又は架橋性ポリマーが物質混合物中で使用される場合には、イオン性液体は同様にガラス温度を低下させる可塑剤として利用される。
【0051】
熱可塑性樹脂の射出成形加工の際に、特に、ポリマー材料の良好な加工性が問題である。これは、強く極性又はイオン性の官能基を有するポリマーの使用の際に、分子内及び分子間相互作用に基づき制限されうる。可塑剤としてのイオン性液体の使用により、ポリマーを形成した官能基の間の相互作用が低下し、ひいては改善された加工性が達成される。
【0052】
繊維に紡糸すべきポリマーの場合に、イオン性液体は、紡糸プロセスを可能にしうるかもしくは軽減しうる。イオン性液体の添加による溶融粘度の低下に基づき、紡糸プロセスのための加工窓が拡張されうる;同じことは、ホイル製造又は他の押出法に当てはまる。可塑化する加工助剤として含まれているイオン性液体は、これらが水又はポリマーと不相容性の他の溶剤と混和性である限り、加工後にもポリマーから再び抽出されることができ、それにより、ポリマーの構造及び性質が変化される。
【0053】
電子的構造部材における本発明による物質混合物の使用は、公知ではなく、かつこれらの系の変化しうる電気的及び熱的性質に基づき、特に有利である。
【0054】
本発明による物質混合物の好ましい実施態様において、物質混合物は、イオン性液体に加えて、
a)第三及び/又は第四アミノ基により官能化されている(メタ)アクリレートコポリマー30〜99質量%、及び
b)一官能性、二官能性、三官能性及び/又は多官能性の有機カルボン酸70〜1質量%又は
c)カルボキシレート及び/又はカルボキシル基により官能化されている(メタ)アクリレートポリマー30〜90質量%、及び
d)第三もしくは第四アミノ基を有する一官能性、二官能性、三官能性及び/又は多官能性の有機化合物70〜1質量%からなる。
【0055】
(メタ)アクリレートポリマーは、−既に説明されているように−1つ又はそれ以上の(メタ)アクリレート構成要素からなるポリマー又は1つもしくはそれ以上の官能化されたオレフィン系不飽和モノマーを有するこれらの構成要素からなるコポリマーであってよい。
【0056】
最適には、本発明による物質混合物は、ポリマーブレンドとして、成分a)及びb)もしくはc)及びd)に加えて、a)及びb)もしくはc)及びd)の総和に対して、可塑化させる作用物質もしくは溶融法及び流動法に影響を与える作用物質e) 40〜80質量%を含有していてよい。
【0057】
アミン官能化されたコポリマー(a):
アミノ基含有モノマーが使用される場合には、コポリマーのそのアミノ基含有モノマーの含分は、好ましくは30〜80質量%である。成分a)として、塩の形で、構造
CH2=CR−CO−A−Alk−N+R′3X−
[式中、Rは水素原子又は炭素原子1〜12個を有するアルキル基、好ましくはメチルを表し、Aは酸素原子又はイミノ基、好ましくは−NH−を表し、Alkは好ましくは炭素原子2〜8個を有する、直鎖状又は分枝鎖状のアルキレン基を表し、R′は炭素原子22個までを有する同じか又は異なる有機基、特にアルキル基、アリール基又はアラルキル基を表し、その際、多くとも基R′の2つが水素原子である]を有するアクリル酸及び/又はメタクリル酸のエステル及びアミドが好ましい。X−は、アニオン性有機基(R−COO−、R−SO3 −)、ハロゲン化物(F−、Br−、Cl−)又はSO3 2 −、SO4 2 −、CO3 2 −を表す酸アニオンである。
【0058】
第三アミノ基を有する成分a)又はd)に適しているアミノ基含有モノマーは次のものである:
ジメチルアミノエチル−アクリレート及び−メタクリレート、
ジエチルアミノエチル−アクリレート及び−メタクリレート、
ジブチルアミノエチル−アクリレート及び−メタクリレート、
モルホリノ−エチル−アクリレート及び−メタクリレート、
ピペリジノ−エチル−アクリレート及び−メタクリレート、
ジメチルアミノ−2−プロピル−アクリレート及び−メタクリレート、
ジメチルアミノ−ネオペンチル−アクリレート及び−メタクリレート、
ジメチルアミノエチル−アクリルアミド及び−メタクリルアミド、
ジエチルアミノエチル−アクリルアミド及び−メタクリルアミド、
ジブチルアミノエチル−アクリルアミド及び−メタクリルアミド、
モルホリノ−エチル−アクリルアミド及び−メタクリルアミド、
ピペリジノ−エチル−アクリルアミド及び−メタクリルアミド、
ジメチルアミノ−2−プロピル−アクリルアミド及び−メタクリルアミド、
ジメチルアミノ−ネオペンチル−アクリルアミド及び−メタクリルアミド。
【0059】
複数のアミノ基を有するモノマー、例えばポリエチレンイミンの誘導体、並びに1つ又はそれ以上の第四アンモニウム基を有するモノマーが適している。
【0060】
これには、例えば次のものが属する:
N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)−アミノ酢酸−ベタイン、
N,N−ジメチル−N−(2−メタクリロイル−アミノプロピル)−アミノ酢酸−ベタイン、
アクリル−及びメタクリルオキシエチル−トリメチルアンモニウムクロリド、
アクリル−及びメタクリルオキシエチル−トリメチルアンモニウムメソスルフェート、
アクリル−及びメタクリルアミド−エチル−トリメチルアンモニウムクロリド。カルボン酸アニオンを有する第四アンモニウム化合物は、困難に入手可能であるので、最後に記載されたモノマーの使用の際に、高級カルボン酸アニオンの可塑化作用を利用することは難しい。
【0061】
アクリル酸及び/又はメタクリル酸のアルキルエステルの中では、アルキル基中に炭素原子4〜12個を有するもの、とりわけアクリル酸のエステルが好ましい。特にn−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート及びn−ドデシルアクリレートは好適である。アクリル酸及び/又はメタクリル酸の低級エステルは、通例、コモノマーとして高級エステルに加えて使用される。
【0062】
アミン基含有成分の含分の規定の際に、水中への所望の溶解度に注意すべきであり、他方では可塑化するアルキルアクリレート又は−メタクリレートの十分な含分の達成に努力すべきである。コポリマーの構造に使用されるモノマーが、混合比のない場合に、これらの双方の性質を同時に達成されうる場合に、可塑剤、すなわち成分c)の助けが借りられうる。アミン基含有モノマーの十分に高い含分により、例えば水を基礎とする結合剤系が製造されてよい。アミン基含有モノマーの含分が、より僅かに選択されている場合には、溶剤を基礎とした系が得られる。
【0063】
溶剤を基礎とした系のための溶剤として、次の種類:アルキルアルコール(例えばエタノール、イソプロパノール)、ケトン(例えばアセトン、MEK)又は他の除去しやすい溶剤からなる個々の物質又は混合物が当てはまる。なかに混じってか又は一部は、系中に残っている溶剤、例えばジオール(1,2−又は1,3−プロパンジオール、ブタンジオール)又は他の極性溶剤、例えばジグリメ(Diglyme)等が、使用されてもよい。
【0064】
それに加えて、別のコモノマーは、これらが例えば水溶性を許容できないようにして低下させないか又は硬さを許容できないで高める限り、コポリマーの構造に関与しうる。例は、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド、アクリル酸及び/又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル及びポリアルキレングリコールエステル、エチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びビニルピロリドンである。有用な結合剤系の製造のためには、これらのモノマーの併用は、通例不必要であり;その含分は、通常、20質量%未満である。
【0065】
コポリマーは、塩の形で、水溶液中での、中和されたアミノ−モノマーと他のモノマー成分とのラジカル共重合により製造されることができる。しかしながら、好ましくは、まず最初に中和されていないコポリマーは、アンモニウム塩の基を有するモノマーの代わりに、基礎としているモノマーが塩基の形で使用されることによって、製造されうる。これらのモノマー混合物のラジカル重合のためには、久しい以前から公知の多様な重合方法が提供され、例えば水中又は有機溶剤中での重合、バルク重合及び、コポリマーは塩基の形で水に微溶性であるので、水相中での乳化重合も、さらに“有機相”中での“逆パール重合”による。有機ポリマー溶液及び水性ポリマー分散液は、例えば噴霧乾燥により粉末生成物へと変換されうる。物質ポリマーは、押出機中で溶融され、かつ微細な顆粒に加工される。
【0066】
コポリマーの分子量は、結合剤の水溶液又は溶剤を基礎とした溶液の粘度に、液体成分に対する濃度に依存して影響を与える。好ましくは、100〜2.5百万の範囲内である。コポリマーの水溶液又は溶剤を基礎とした溶液の粘度は、10,000Pa・s以下、好ましくは10mPa・s〜1,000Pa・sであるべきであり、その際、溶液のポリマー含量は、好都合には20〜80質量%である。
【0067】
コポリマーの粘着性は、しかしながら、アルキルアクリレート又は−メタクリレートのその含量のみならず、アミノ基含有モノマーの種類にも基づいている。例えば、約10個の炭素原子の極限値までの長鎖アルキル基は、不飽和重合性基とアミノ基との間のリンカー(Bindeglied)としてコポリマーの柔らかさを促進する。この極限値を上回るアルキル基は、これらが結合しているポリマー鎖の移動度を減少させ、かつそれにより硬さが高まる。
【0068】
酸アニオンは、その塩としてコポリマーが存在する場合に、柔らかさに強い影響を及ぼす。鉱酸及び低級の有機のスルホン酸及びカルボン酸のアニオンが、むしろコポリマーの硬さを促進する一方で、高級カルボン酸のアニオンが可塑化作用を及ぼすことが確かめられた。これは、炭素原子少なくとも4個及び特に炭素原子8〜20個を有するカルボン酸が当てはまる。この群の好ましいカルボン酸は、カプリン酸、ラウリン酸及びミリスチン酸である。これらの高級カルボン酸を用いて、必要な水溶性が達成されない場合には、高級及び中級のカルボン酸もしくはジカルボン酸、例えばアジピン酸からなる混合物が使用されてよい。中級カルボン酸の含分は、例えばアニオン当量の30mol%までであってよい。
【0069】
酸官能化されたコポリマー(c):
アクリル酸及び/又はメタクリル酸の高級アルキルエステルが、これから製造されたコポリマーに柔らかさ及び粘着性を付与することは公知である。同時にこれらは、コポリマーを疎水性及び水不溶性にする。
【0070】
モノエチレン系不飽和で、ラジカル重合性カルボン酸の含分の確定の際に、故に、水中への所望の溶解度に注意すべきであり、他方では可塑化するアルキルアクリレート又は−メタクリレートの十分な含分の達成に努力すべきである。コポリマーの構造に使用されるモノマーが、混合比のない場合に、これらの双方の性質を同時に達成されうる場合に、可塑剤、すなわち成分e)の助けが借りられうる。ラジカル重合性カルボン酸の十分に高い含分により、例えば水を基礎とする結合剤系が製造されてよい。カルボン酸−含分がより僅かに選択されている場合には、溶剤を基礎とした系が得られる。
【0071】
これらの溶剤を基礎とした系のための溶剤として、次の種類:アルキルアルコール(例えばエタノール、イソプロパノール)、ケトン(例えばアセトン、MEK)又は他の除去しやすい溶剤からなる個々の物質又は混合物が当てはまる。なかに混じってか又は一部は、系中に残っている溶剤、例えばジオール(1,2−又は1,3−プロパンジオール、ブタンジオール)又は他の極性溶剤、例えばジグリメ(Diglyme)等が、使用されてもよい。
【0072】
モノエチレン系不飽和で、ラジカル重合性のモノカルボン酸又はジカルボン酸は、好ましくは、構造
R−CH=CR′−COOY
[式中、Rは水素原子又は炭素原子1〜12個を有するアルキル基を表し、かつR′は水素原子、メチル基又は基−CH2−COOHを表すか、又はRは基−COOHを表し、かつR′は水素原子を表す]を有する。これらのカルボン酸には、アクリル酸及びメタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸及びフマル酸が属する。モノエチレン系不飽和のモノカルボン酸又はジカルボン酸の含分は、好ましくは、混合ポリマーの30〜80質量%、特に50〜70質量%である。
【0073】
混合ポリマーの全てのカルボン酸単位が、塩の形で存在することが原則的に必要であるのではなくて、水溶性を保証する含分で十分である。このために必要な含分は、エステル含分の大きさ及び疎水性に依存する。多少の場合に、混合ポリマーを水溶性にするために、15質量%のカルボキシレート−単位の含量はもう十分である。通例、カルボキシレート−モノマー単位の含量は20〜50質量%である。
【0074】
ポリマーの水溶性は、カルボン酸−モノマー単位の含量に応じて20〜50mol%である、存在しているカルボキシル基の部分中和により達成されうる。実際の用途のためには、20〜100mol%、特に50〜100mol%の中和度が好ましい。中和度により、電気的性質は影響を受けうる。
【0075】
塩形成性カチオンYとして、H+に加えて、例えばアルカリ金属カチオン、特にナトリウム及びカリウムが挙げられうる。他の金属カチオンは、多価標により架橋する作用が望ましい(むしろ架橋剤として)ような点では、使用可能である。有機アンモニウムカチオンは、これらが乾燥の際にか又は貯蔵の際に相応するアミン蒸気の形で漏れない場合に適している。例えば第四アンモニウムカチオン、例えばテトラメチルアンモニウム又は好ましくは難揮発性アミン、例えばジエタノールアミンもしくはトリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジエタノールブチルアミン及びこれに類するものから誘導されるアンモニウムカチオンが有用である。
【0076】
アクリル酸及び/又はメタクリル酸のアルキルエステルの中では、アルキル基中に炭素原子1〜12個を有するもの、とりわけアクリル酸のエステルが好ましい。特にメチルアクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n−デシルアクリレート及びn−ドデシルアクリレートが好適である。アクリル酸及び/又はメタクリル酸の低級エステルは、通例、コモノマーとしてのみ、高級エステルに加えて使用される。それに加えて、別のコモノマーは、これらが所望の水溶性を許容できないようにして低下させないか又は硬さを許容できないで高める限り、コポリマーの構造に関与しうる。例は、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミド、アクリル酸及び/又はメタクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、ω−メトキシポリアルキレングリコールエステル及びポリアルキレングリコールエステル、エチレン、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル及びビニルピロリドンである。結合剤の製造のためには、これらのモノマーの併用は、通例不必要であり;その含分は、通常、20質量%未満である。
【0077】
コポリマーは、塩の形で、水溶液中での中和されたカルボン酸と他のモノマー成分とのラジカル共重合により製造されることができる。しかしながら、好ましくは、まず最初に中和されていないコポリマーは、遊離のモノカルボン酸又はジカルボン酸が使用されることによって、製造されうる。これらのモノマー混合物のラジカル重合のためには、久しい以前から公知の多様な重合方法が提供され、例えば水又は有機溶剤中での重合、バルク重合及び、コポリマーは酸の形で水に微溶性であるので、また水相中での乳化重合。有機ポリマー溶液及び水性ポリマー分散液は、例えば噴霧乾燥により粉末生成物へと変換されうる。物質ポリマーは、押出機中で溶融され、かつ微細な顆粒に押し出される。
【0078】
塩形成性成分b)及びd):
一官能性、二官能性又は多官能性の化合物は、成分a)もしくはc)と交代して塩濃度の増大により、特定の電気的性質、例えば比抵抗の調節に及び架橋に、ひいては可塑剤成分e)と一緒にまた(ガラス点)−Tg調節にも利用される。
【0079】
一官能性化合物b)として、アミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)と一緒に、例えば短鎖カルボン酸、例えば酢酸、乳酸、プロピオン酸又はまた安息香酸が使用されてよい。
【0080】
成分a及びbの相互作用には、故に、次のことがあてはまる:
【0081】
【化3】
【0082】
[式中、R1、R2は例えばメチル又はエチルを表し、
R3は炭素原子1〜6個を有する、分枝鎖状又は非分枝鎖状のアルキル−、ヒドロキシアルキル−、脂環式のか又はヒドロキシ官能化された炭化水素鎖を表す] 一官能性化合物d)として、カルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーc)と一緒に、例えば短鎖アミン、例えばトリエタノールアミン、ジエタノール−n−ブチルアミン又はトリイソプロパノールアミンが使用されてよい。
【0083】
【化4】
【0084】
[式中、R4、R5、R6はH、炭素原子1〜6個を有する、分枝鎖状又は非分枝鎖状のアルキル−、ヒドロキシアルキル−、脂環式のか又はヒドロキシ官能化された炭化水素鎖を表す]。
【0085】
二官能性化合物b)として、アミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)の場合に、例えばコハク酸、プロパン二カルボン酸、アジピン酸、ドデカン二酸等が使用されてよい。
【0086】
【化5】
【0087】
[式中、R1、R2は例えばメチル又はエチルを表し、
R7は炭素原子1〜6個を有する、分枝鎖状又は非分枝鎖状のアルキル−、ヒドロキシアルキル−、脂環式のか又はヒドロキシ官能化された炭化水素鎖を表す] 二官能性化合物d)として、カルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーc)の場合に、短鎖の第三ジアミン、例えばN,N′−ジメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N,N′,N′−テトラキス(2−ヒドロキシイソプロピル)エチレンジアミンが使用されてよい。
【0088】
【化6】
【0089】
[式中、R8、R9、R10、R11、R12は互いに独立してH、炭素原子1〜6個を有する、分枝鎖状又は非分枝鎖状のアルキル−、ヒドロキシアルキル−、脂環式のか又はヒドロキシ官能化された炭化水素鎖を表す]。
【0090】
多官能性化合物b)として、アミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)の場合に、例えばポリ酸、例えばポリアクリル酸、EUDRAGIT(R)L又はポリスチレンスルホン酸、ポリアミド、ポリアクリルアミド及び相応するコポリマーが使用されてよい。
【0091】
多官能性化合物d)として、カルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーc)の場合に、例えばポリアミン(PEI)、ポリアミドもしくはポリエチレングリコール、ポリ(メタ)アクリレート、ポリアクリルアミド又はEUDRAGIT(R)Eが使用されてよい。
【0092】
好ましくは、成分b)又はd)のためには、プロピオン酸、安息香酸、トリエタノールアミン、コハク酸、アジピン酸、ドデカン二酸、ポリアクリル酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアミン(PEI)、ポリアミド又はポリアクリルアミド、クエン酸アルキルエステル、グリセリンエステル、フタル酸アルキルエステル、セバシン酸アルキルエステル、スクロースエステル、ソルビタンエステル、セバシン酸ジブチル及びポリエチレングリコール、クエン酸トリエチル、クエン酸アセチルトリエチル、ポリ(メタ)アクリレート、エチルアクリレートとメチルメタクリレートとからなるコポリマー、メチルメタクリレートとブチル(メタ)アクリレート及び/又は2−エチルヘキシルメタクリレートとのコポリマー又はメチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマー、N,N−ジメチル−n−オクチルアミン、N,N−ジメチル−n−ステアリルアミン、1,4−ビス(ジメチルアミノ)−ブタン、アミノ末端化ポリエチレンオキシド、末端基−カルボキシル官能化されたPEO−系もしくはPEO−ジカルボン酸−オリゴマー及びポリエステルが使用される。
【0093】
成分e)
成分e)による可塑剤としてアミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)及びカルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーd)に適している物質は、次の群に分類されうる:
1.成分a)の官能基と反応することができる遊離官能基を有しない化合物:これらは、通例、100〜20000の分子量を有し、かつ分子中に1つ又はそれ以上の親水性基、例えばヒドロキシル基、エーテル基又はエステル基を有する。適している可塑剤の例は、クエン酸アルキルエステル、グリセリンエステル、フタル酸アルキルエステル、セバシン酸アルキルエステル、スクロースエステル、ソルビタンエステル、セバシン酸ジブチル及び4000〜20000ダルトンのポリエチレングリコールである。好ましい可塑剤は、例えばクエン酸トリエチル及びクエン酸アセチルトリエチルである。
【0094】
2.官能基を有しないか又は取るに足りない量に過ぎない官能基を有するポリ(メタ)アクリレート、DIN 53445によるその動的ガラス温度は、−70〜約80℃の範囲内である。そのようなポリマーの例は、エチルアクリレート及びメチルメタクリレートからなり、好ましくは30質量%を上回るエチルアクリレートを有するコポリマー、又はメチルメタクリレートとブチル(メタ)アクリレート及び/又は2−エチルヘキシルメタクリレートとのコポリマー又はメチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマーである。水溶性の発生のためには、別のモノマー、例えばヒドロキシアルキルエステル及びアクリル酸及び/又はメタクリル酸のポリアルキレングリコールエステル及びビニルピロリドンが重合導入されていてよい。
【0095】
3.成分a)の官能基と反応することができる遊離官能基を有しない化合物:これらは、通例、100〜20000g/molの分子量を有し、かつ分子中に1つ又はそれ以上の親油性基、例えばエステル基又はエーテル基を有する。適している可塑剤の例は、クエン酸アルキルエステル、グリセリンエステル、フタル酸アルキルエステル、セバシン酸アルキルエステル、スクロースエステル、ソルビタンエステル、セバシン酸ジブチル及び4000〜20000ダルトンのポリエチレングリコールである。好ましい可塑剤は、例えばクエン酸トリエチル及びクエン酸アセチルトリエチルである。
【0096】
4.官能基を有しないか又は取るに足りない量に過ぎない官能基を有するポリ(メタ)アクリレート、DIN 53445によるその動的ガラス温度は−70〜約80℃の範囲内である。そのようなポリマーの例は、エチルアクリレートとメチルメタクリレートからなり、好ましくは30質量%を上回るエチルアクリレートを有するコポリマー、又はメチルメタクリレートとブチル(メタ)アクリレート及び/又は2−エチルヘキシルメタクリレートとのコポリマー又はメチルアクリレート及びメチルメタクリレートのコポリマーである。
【0097】
5.アミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)の相補的な基と塩形成して反応しうる官能基に加えて、さらにそのうえ長鎖脂肪族構造単位を有し、かつ同時に導水性(wassergaengig)である、一官能性、二官能性又は多官能性の化合物。相応する塩形成性カルボン酸はDE 39 24 393に記載されている。
【0098】
6.アミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)の相補的な基と塩形成して反応しうる官能基に加えて、さらにそのうえ長鎖脂肪族構造単位を有し、親油性を有する、一官能性、二官能性又は多官能性の化合物。相応する塩形成性カルボン酸はDE 39 24 393に記載されている。
【0099】
7.カルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーc)の相補的な基と塩形成して反応しうる官能基に加えて、そのうえ長鎖脂肪族構造単位を有し、かつ同時に導水性である、一官能性、二官能性又は多官能性の化合物。塩形成性アミンは、DE 39 13 734に記載されており、さらに、最大2つの長鎖アルキル鎖(>C6)を有する第三アミンが使用されてよい:例えばN,N−ジヒドロキシエチル−n−オクチルアミン、N,N−ジヒドロキシエチル−n−ステアリルアミン、N,N′−ジヒドロキシエチル−n−ドデシルアミン。長鎖のテトラ−2−ヒドロキシエチル−又はテトラ−2−ヒドロキシプロピル−ジアミンは、同様に使用されてよい。短鎖の二官能性のテトラヒドロキシエチル−又はテトラ−2−ヒドロキシプロピル−ジアミンは、可塑化効果よりもむしろ硬化特性を有する。
【0100】
8.カルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーc)の相補的な基と塩形成して反応しうる官能基に加えて、そのうえ長鎖脂肪族構造単位を有し、かつ親油性を有する、一官能性、二官能性又は多官能性の化合物。塩形成性アミンはDE 39 13 734に記載されており、さらにアルキル鎖(>C6)を有する第三アミンが使用されてよい:例えばN,N−ジメチル−n−オクチルアミン、N,N−ジメチル−n−ステアリルアミン、N,N′−ジメチル−n−ドデシルアミン。長鎖のテトラメチル−、テトラエチル−又はテトラプロピル−ジアミンは、同様に使用されてよい。短鎖の二官能性のテトラメチル−ジアミン、例えば1,4−ビス(ジメチルアミノ)−ブタンは、可塑化効果よりもむしろ硬化特性を有する。
【0101】
9.水を基礎とする系のためには、アミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)の相補的な基と塩形成して反応する、水溶性の塩形成性可塑剤、例えば末端基−カルボキシル官能化されたポリエチレンオキシド−(PEO)−系もしくはPEO−ジカルボン酸−オリゴエステル及びポリエステルが使用可能である。
【0102】
10.水を基礎とする系のためには、カルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーc)の相補的な基と塩形成して反応する、水溶性の塩形成性可塑剤、例えばアミノ末端化ポリエチレンオキシド(例えばJeffamine (DuPont))が使用可能である。
【0103】
11.錯体から構成されている親水性系、例えば1つ又はそれ以上のジカルボン酸の過剰量及び1つ又はそれ以上の、場合によりヒドロキシ官能化された、第三モノアミンと長鎖の脂肪族又は脂環式の基とからなるか、又は1つ又はそれ以上のジカルボン酸の過剰量及び1つ又はそれ以上の、場合によりヒドロキシ官能化された、第三ジアミンと、アミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)の基のためのアルキレン基又はPEOからなる長いミディアムセグメントとからなる反応生成物。
【0104】
12.錯体から構成されている親水性系、例えば1つ又はそれ以上の、場合によりヒドロキシ官能化された、第三ジアミンの過剰量及び1つ又はそれ以上のモノカルボン酸と長鎖アルキル基とからなるか、又は1つ又はそれ以上の、場合によりヒドロキシ官能化された、第三ジアミンの過剰量及び1つ又はそれ以上のジカルボン酸と、カルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーc)のためのアルキレン基又はPEOからなる長いミディアムセグメントとからなる反応生成物。
【0105】
13.錯体から構成されている親油性系、例えば1つ又はそれ以上のジカルボン酸の過剰量及び1つ又はそれ以上の、場合によりヒドロキシ官能化された、第三モノアミンと長鎖の脂肪族又は脂環式の基とからなるか、又は1つ又はそれ以上のジカルボン酸の過剰量及び1つ又はそれ以上の第三ジアミンと、アミノ官能化された(メタ)アクリレートコポリマーa)の基のためのアルキレン基からなる長いミディアムセグメントとからなる反応生成物。
【0106】
14.錯体から構成されている親油性系、例えば1つ又はそれ以上の第三ジアミンの過剰量及び1つ又はそれ以上のモノカルボン酸と長鎖アルキル基とからなるか、又は1つ又はそれ以上の第三ジアミンの過剰量及び1つ又はそれ以上のジカルボン酸と、カルボキシル基官能化された(メタ)アクリレートコポリマーc)のためのアルキレン基からなる長いミディアムセグメントとからなる反応生成物。
Claims (15)
- スルホネート基、カルボキシレート基又は第四アミノ基により官能化された1つ又はそれ以上の(メタ)アクリレートポリマー及びイオン性液体を含有している物質混合物。
- イオン性液体として、次の構造
- (メタ)アクリレートポリマーが、少なくとも1つの(メタ)アクリレートモノマー及び少なくとも1つのオレフィン系不飽和モノマーからなるコポリマーである、請求項1又は2記載の物質混合物。
- 第四アミノ基により官能化された(メタ)アクリレートポリマーが、第三アミノ基により官能化された(メタ)アクリレートポリマーと酸との反応により得られたものである、請求項1から3までのいずれか1項記載の物質混合物。
- オレフィン系不飽和モノマーが、第三アミノ基により官能化されている、請求項2から4までのいずれか1項記載の物質混合物。
- 第四アミノ基により官能化された(メタ)アクリレートポリマーが、第三アミノ基により官能化された(メタ)アクリレートポリマーと一官能性、二官能性、三官能性もしくは多官能性の有機カルボン酸との反応により得られたものである、請求項4又は5記載の物質混合物。
- カルボキシレート基により官能化された(メタ)アクリレートポリマーが、カルボキシル基により官能化された(メタ)アクリレートポリマーとアミノとの反応により得られたものである、請求項1から3までのいずれか1項記載の物質混合物。
- オレフィン系不飽和モノマーが、カルボキシレート基により官能化されている、請求項7記載の物質混合物。
- カルボニレート基により官能化された(メタ)アクリレートポリマーが、カルボキシル基により官能化された(メタ)アクリレートポリマーと一官能性、二官能性、三官能性もしくは多官能性の有機アミン化合物との反応により得られたものである、請求項7又は8記載の物質混合物。
- スルホネート基により官能化された(メタ)アクリレートポリマーが、スルホン酸基により官能化された(メタ)アクリレートポリマーとアミノとの反応により得られたものである、請求項7から9までのいずれか1項記載の物質混合物。
- オレフィン系不飽和モノマーが、スルホン酸基により官能化されている、請求項10記載の物質混合物。
- スルホネート基により官能化された(メタ)アクリレートポリマーが、スルホン酸基により官能化された(メタ)アクリレートポリマーと一官能性、二官能性、三官能性もしくは多官能性の有機アミン化合物との反応により得られたものである、請求項10又は11記載の物質混合物。
- 電気構造部材及び電子構造部材における、請求項1から12までのいずれか1項記載の物質混合物の使用。
- ポリマーの押出加工のための、請求項1から12までのいずれか1項記載の物質混合物の使用。
- ポリマーの射出成形加工における、請求項1から12までのいずれか1項記載の物質混合物の使用。
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