JP3066130B2 - 成形物、フィルムおよび繊維 - Google Patents

成形物、フィルムおよび繊維

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和俊 寺田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形物、特にフィルム、
繊維に関する。さらに詳しくは、親水性に富む成形物、
フィルム、繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】従来よりポリビニルアルコールは親水性
で、強靭であることから、成形物、フィルム、繊維とし
て広く用いられてきた。しかしながら、目的によっては
単独では親水性が不足であり、これを改善する目的でカ
ルボキシル基、カチオン性基、スルホン酸基等のイオン
性基を導入して親水性を改良する試みがなされてきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】これらの方法では親水
性を大幅に増すことは可能であるが、イオン性基の導入
によって成形物の強度が低下するのが通例であり、また
成形時の熱安定性が悪化してしまうという欠点を有して
いた。したがって、ポリビニルアルコールのもつ強靭さ
と成形時の熱安定性を損なうことなく、親水性を改善す
ることが本発明の目的である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
を解決すべく鋭意検討した結果、分子内に下記の化2で
示される官能基を0.1〜20モル%含有する変性ポリ
ビニルアルコール(以下、アミド基含有重合体と略記す
る)からなる成形物を用いた場合、強靭さと成形時の熱
安定性を保ちながら、親水性の増した成形物が得られる
ことを見いだし、本発明を完成させるに至った。
【化2】 (ここでR1はHまたは炭素数1〜3のアルキル基を表
し、R2はHまたは炭素数1〜5のアルキル基を表
す。)
【0005】以下に本発明についてさらに詳しく説明す
る。本発明においては、成形物とはフィルム、シートお
よび繊維のほか、板状成形物、円筒状成形物および容器
等の一般的な成形物を全て含むものである。本発明にお
いて用いられるアミド基含有重合体は親水性に富み、か
つ強靭さと熱安定性を兼ね備えているので、親水性が要
求される全ての成形物に広く用いることが可能である。
本発明において用いられるアミド基含有重合体におい
て、上記の化2におけるR1は水素または炭素数1〜3
のアルキル基であるが、通常水素またはメチル基が用い
られ、親水性の付与の点からは水素が最も好ましい。ま
た上記の化2におけるR2は水素または炭素数1〜5の
アルキル基であるが、親水性の付与の点からは水素また
はメチル基が好ましい。
【0006】本発明において用いられるアミド基含有重
合体を製造する方法としては特に制限はないが、下記の
化3で示される単量体とビニルエステルとをラジカル共
重合して変性ポリビニルエステルを得、その重合体をけ
ん化して変性ポリビニルアルコールを得る方法が好適で
ある。
【化3】 (ここでR1はHまたは炭素数1〜3のアルキル基を表
し、R2はHまたは炭素数1〜5のアルキル基を表
す。)
【0007】アミド基含有重合体の重合度としては特に
制限はないが、重合度が低すぎると得られた成形物の強
度が小さくなり、また逆に重合度が高すぎると成形時に
粘度が高くなりすぎるので、重合度は通常100〜20
000、好ましくは200〜10000、より好ましく
は300〜500がよい。性ポリビニルアルコールの
けん化度には特に制限はなく、目的に応じて適宜けん化
度を選べば良い。例えば、成形物に水溶性または水分散
性を付与したいような場合には、けん化度は通常50モ
ル%以上であることが必要である。アミド基含有重合体
が少量の他の構造単位を含むことは、本発明の主旨を妨
げない範囲において、なんら問題ない。そのような構造
単位としては、カルボキシル基およびその塩、スルホン
酸基およびその塩、アミノ基およびアンモニウム塩、ア
ルキル基、アルキルエーテル基、シリル基等がげられ
る。
【0008】本発明の成形物を製造する方法として、従
来公知の成形法が好適に使用できる。例えば、溶剤に溶
かしてドラムやベルト上にキャストしてフィルムとした
り、あるいは溶液を乾式、湿式、乾湿式等の方法で紡糸
して繊維としたり、溶融成形で繊維、フィルム、シー
ト、成形物とすることもできる。本発明で用いられるア
ミド基含有重合体は従来のポリビニルアルコールと比較
して溶融粘度が低いため、従来のポリビニルアルコール
では一般的には用いられない熱溶融成形に適しており、
溶剤を使用しないで成形することが可能である。本発明
においては、アミド基含有重合体を単独で用いて、成形
物としても良く、また必要に応じて、グリセリン、ジグ
リセリン、エチレングリコール、ジブチルフタレート、
ジオクチルフタレート等の可塑剤を併用してもよい。ま
た目的に応じて、顔料、滑剤、着色剤等を添加すること
もできる。また、必要に応じて他の高分子化合物とブレ
ンドして使用することも可能である。
【0009】
【実施例】以下、実施例により本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。なお、以下で「部」および「%」は
特に断らない限り、それぞれ「重量部」および「重量
%」を意味する。
【0010】実施例1 N−ビニルアセトアミドと酢酸ビニルとを共重合後、け
ん化して得たN−ビニルアセトアミド単位を5モル%含
有し、重合度1700、酢酸ビニル単位のけん化度9
9.2モル%のアミド基含有重合体の濃度15%の水溶
液を乾式紡糸後、延伸し、5デニールの糸を得た。この
ものを20℃の水中に浸漬したところ、8秒間で完全に
溶解した。 比較例1 重合度1700、けん化度88.5モル%のポリビニル
アルコールを用いて、実施例1と同様に試験したとこ
ろ、完全に溶解するのに29秒間を要した。
【0011】実施例2 N−ビニルアセトアミドと酢酸ビニルとを共重合後、け
ん化して得たN−ビニルアセトアミド単位を3モル%含
有し、重合度1000、酢酸ビニル単位のけん化度8
0.4モル%のアミド基含有重合体をTダイを使用して
溶融製膜し、厚み40μのフィルムを得た。このフィル
ムを20℃、65%RHで調湿後、オートグラフ
((株)島津製作所製)を用いて引張強度を測定したと
ころ、破断強度3.5kg/mm2、破断伸度320%
であった。また、このものを20℃の水中に浸漬したと
ころ、7秒間で完全に溶解した。 比較例2 重合度1000、けん化度80.5モル%のポリビニル
アルコールを用いて、実施例2と同様に試験したとこ
ろ、破断強度3.7kg/mm2、破断伸度260%
で、完全に溶解するのに43秒間を要した。 比較例3 イタコン酸と酢酸ビニルとを共重合後、けん化して得た
イタコン酸単位を3.8モル%含有する重合度100
0、けん化度82.5モル%のイタコン酸変性ポリビニ
ルアルコールを用いて実施例2と同様に試験しようとし
たところ、溶融製膜時に褐色に着色し、得られたフィル
ムはゲル状の粒子を多く含んでいた。また、破断強度は
1.3kg/mm2、破断伸度は105%であり、20
℃の水中に投じても10分間たっても溶解しなかった。
【0012】実施例3 N−ビニルアセトアミドと酢酸ビニルとを共重合後、け
ん化して得たN−ビニルアセトアミド単位を8モル%含
有し、重合度500、酢酸ビニル単位のけん化度80.
4モル%のアミド基含有重合体を射出成形し、8cm
角、厚さ3mmの板を得た。この板を20℃の撹拌して
いる水中に投じたところ、11分間で完全に溶解した。 比較例4 重合度500、けん化度80.5モル%のポリビニルア
ルコールを用いて、実施例3と同様に試験したところ、
完全に溶解するのに34分間を要した。
【0013】実施例4 N−ビニルアセトアミドと酢酸ビニルとを共重合後、け
ん化して得たN−ビニルアセトアミド単位を14モル%
含有し、重合度1100のアミド基含有重合体をプレス
成形し、8cm角、厚さ0.5mmのシートを得た。こ
の板を20℃、55%RHで1週間調湿後、水滴を落と
し接触角を測定したところ、接触角は65°であった。 比較例5 重合度1100のポリ酢酸ビニルを用いて、実施例4と
同様に試験したところ、接触角は90°であった。
【0014】
【発明の効果】本発明の成形物は、従来のポリビニルア
ルコール系重合体を用いた成形物と比較して、強靭さと
熱安定性を保ちながら親水性が増しており、親水性の要
求される成形物、とりわけ水溶性繊維、水溶性フィル
ム、水溶性成形物、水崩壊性成形物として好適であり、
工業的価値が極めて高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/12 C08F 216/06 C08F 218/04

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子内に下記の化1で示される官能基を
    0.1〜20モル%含有する変性ポリビニルアルコール
    からなる成形物。 【化1】 (ここで、R1はHまたは炭素数1〜3のアルキル基を
    表し、R2はHまたは炭素数1〜5のアルキル基を表
    す。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の変性ポリビニルアルコー
    ルからなるフィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の変性ポリビニルアルコー
    ルからなる繊維。
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