JPH1036441A - アミノ酸基を含有するビニルアルコール系重合体 - Google Patents
アミノ酸基を含有するビニルアルコール系重合体Info
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- JPH1036441A JPH1036441A JP18909396A JP18909396A JPH1036441A JP H1036441 A JPH1036441 A JP H1036441A JP 18909396 A JP18909396 A JP 18909396A JP 18909396 A JP18909396 A JP 18909396A JP H1036441 A JPH1036441 A JP H1036441A
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Abstract
30モル%含有するビニルアルコール系重合体。 【化1】 (ここで、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は水素原
子または置換基を有していてもよい炭素数8以下の炭化
水素基を表し、Aは窒素原子、酸素原子または硫黄原子
を含んでいてもよい2価の炭化水素基を表し、Sは硫黄
原子を表し、Xはアミノ酸基を含有する一価の基を表
す。) 【効果】 本発明によれば、機能性に優れたアミノ酸基
を含有するビニルアルコール系重合体が提供される。
Description
ルコール系重合体に関する。
の水溶性高分子として優れた界面特性および強度特性を
有する事から、紙加工、繊維加工およびエマルジョン用
の安定剤に利用されているほか、ポリビニルアルコール
系フィルムおよびポリビニルアルコール系繊維等の原料
として重要な地位を占めている。一方で結晶性を制御し
たり、官能基を導入して特定の性能を向上させた高機能
化の追求も行われており、いわゆる変性ポリビニルアル
コールも種々開発されている。
重合体は、その反応性やイオン的相互作用により特異な
物性を発現することが期待され、新規な変性ビニルアル
コール系重合体として有用である。
で、本発明は、アミノ酸基の機能を十分に発揮できる新
規な変性ビニルアルコール系重合体を提供することを目
的とする。
新規な変性ビニルアルコール系重合体について鋭意検討
した結果、下記の化3または化4で表される単位を0.
01〜30モル%含有するビニルアルコール系重合体を
見出し、本発明を完成するに至った。
R5 は水素原子または置換基を有していてもよい炭素数
8以下の炭化水素基を表し、Aは窒素原子、酸素原子ま
たは硫黄原子を含んでいてもよい2価の炭化水素基を表
し、Sは硫黄原子を表し、Xはアミノ酸基を含有する一
価の基を表す。)
体は、分子鎖中に化3または化4で表される単位を0.
01〜30モル%含有するビニルアルコール系重合体で
あり、該重合体中における化3または化4で表される単
位の分布には特に制限はない。該単位の含有量が0.0
1モル%未満になると、導入効果が十分に発現されず、
30モル%を越えるとビニルアルコール系重合体の保存
安定性(たとえばゲル化)に問題を生じる。化3または
化4で表される単位の含有量のさらに好ましい範囲は、
0.02〜20モル%であり、特に好ましい範囲は0.
05〜15モル%である。
R2 、R3 、R4 およびR5 は、水素原子または置換基
を有していてもよい炭素数8以下の炭化水素基であれば
特に制限はないが、R1 が水素原子であり、R2 が水素
原子またはメチル基であり、R3 、R4 およびR5 が水
素原子または炭素数8以下(好ましくは炭素数6以下)
の炭化水素が好んで使用される。なお、R3 とR4 (ま
たはR5 )がいっしょになって環を形成することも差し
支えない。
酸素原子または硫黄原子を含んでいてもよい2価の炭化
水素基であればその構造に特に制限はなく、たとえば、
−CH2 OCH2 −、−OCH2 −、−CONH−φ−
OCH2 −、−CONHCH2 −、−CONHCH2 O
CH2 −、−CONHCH2 OCH2 CH2 −、−CO
NHCH2 OCH2 CH2 CH2 −、−CONHCH2
OCH2 CH2 CH2CH2 −、−CONHCH2 −φ
(CH3 )2 −CH2 −等が例示される。(なお、φは
フェニレン基を意味する。)
アミノ酸基(塩、ベタインを含む)を含有する一価の基
であればその構造に特に制限はなく、たとえば−CH2
CH(NH2 )−COOH、−C(CH3 )2 CH(N
H2 )−COOH、−CH2CH(CONHCH2 CO
OH)−NHCOCH2 CH2 CH(NH2 )COO
H、−CH2 CH(NH(CH3 ))−COOH、−C
H2 CH(N(CH3 )2 )−COOHおよびこれらの
塩やベタイン等が例示される。
3または化4で表される単位を除くと、実質的にビニル
アルコール単位またはビニルアルコール単位とビニルエ
ステル単位からなる。ビニルエステル単位としては、蟻
酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン
酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、2−エチルヘキサ
ン酸ビニル等が挙げられる。
れら以外のモノマー単位を含有する事は差し支えない。
このような単位を例示するとエチレン、プロピレン、1
−ブテン、イソブテンなどのオレフィン類;アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、
(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸などの不飽和
酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまた
はジアルキルエステル類;アクリルアミド、炭素数1〜
18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチル
アクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン
酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルア
ミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩などのアクリ
ルアミド類;メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−
アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリ
ルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あ
るいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミ
ンあるいはその酸塩あるいはその4級塩などのメタクリ
ルアミド類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルム
アミド、N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニルアミ
ド類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシ
アン化ビニル類;炭素数1〜18のアルキルビニルエー
テル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキク
シアルキルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;塩
化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニ
リデン、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;トリメ
トキシビニルシランなどのビニルシラン類、酢酸アリ
ル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルア
ルコール等があげられる。
量には特に制限はないが、該重合体の4%のジメチルス
ルホキシド(DMSO)溶液の20℃の粘度(B型粘度
計で測定)で表して、2〜10,000cpの範囲が好
ましい。またビニルアルコール含量は10〜99.9モ
ル%、好ましくは50〜99.9モル%である。
とえば、ビニルエステルモノマーとエポキシ基を有する
ビニルモノマーとの共重合体に、アミノ酸基を含有する
チオールを反応させた後に加水分解する方法により得る
事ができる。
は、アリルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエ
ーテル、ブタジエンモノエポキサイド、1,2−エポキ
シ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−7−オクテン、
1,2−エポキシ−9−デセン、8−ヒドロキシ−6、
7−エポキシ−1−オクテン、8−アセトキシ−6、7
−エポキシ−1−オクテン、N−(2,3−エポキシ)
プロピルアクリルアミド、N−(2,3−エポキシ)プ
ロピルメタクリルアミド、4−アクリルアミドフェニル
グリシジルエーテル、3−アクリルアミドフェニルグリ
シジルエーテル、4−メタクリルアミドフェニルグリシ
ジルエーテル、3−メタクリルアミドフェニルグリシジ
ルエーテル、N−グリシドキシメチルアクリルアミド、
N−グリシドキシメチルメタクリルアミド、N−グリシ
ドキシエチルアクリルアミド、N−グリシドキシエチル
メタクリルアミド、N−グリシドキシプロピルアクリル
アミド、N−グリシドキシプロピルメタクリルアミド、
N−グリシドキシブチルアクリルアミド、N−グリシド
キシブチルメタクリルアミド、4−アクリルアミドメチ
ル−2,5−ジメチル−フェニルグリシジルエーテル、
4−メタクリルアミドメチル−2,5−ジメチル−フェ
ニルグリシジルエーテル、アクリルアミドプロピルジメ
チル(2,3−エポキシ)プロピルアンモニウムクロリ
ド、メタクリルアミドプロピルジメチル(2,3−エポ
キシ)プロピルアンモニウムクロリド、メタクリル酸グ
リシジル等が用いられる。
システイン、ペニシルアミン、グルタチオン、N−メチ
ルシステイン、N,N−ジメチルシステイン等が例示さ
れる。また、これらの酢酸エステルや安息香酸エステル
等のエステルも使用できる。
には、チオール基もしくはチオエステル基とエポキシ基
との反応を利用するが、該反応は、無溶媒、またはチオ
ール基もしくはチオエステル基を有する化合物ならびに
エポキシ基を有する化合物を溶解もしくは膨潤させる溶
剤中で実施される。このような溶剤としては、メタノー
ル、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチル
アルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族類、テトラヒドロフラン、ジオキサ
ン、ジエチルエーテル等のエーテル類やn−ヘキサン等
の炭化水素類が挙げられ、単独もしくは混合して使用さ
れる。反応条件は、エポキシ基の構造やチオールもしく
はチオエステルの構造により異なるが、通常、溶剤を使
用する場合のポリマー濃度5〜90%、チオール基もし
くはチオエステル基の濃度/エポキシ基濃度=1.0〜
5.0(モル比)で、反応温度0〜250℃、反応時間
0.01〜20時間である。ここで、チオールとの反応
では3級アミン(例えばトリエチルアミン、ピリジン
等)、ホスフィン(例えばトリブチルホスフィン、トリ
フェニルホスフィン等)、水酸化ナトリウム、テトラエ
チルアンモニウムヒドロオキサイド、ナトリウムメチラ
ート等の塩基性化合物が、チオエステルとの反応ではト
リブチルアンモニウムクロリド、トリブチルアンモニウ
ムブロミド等の4級アンモニウム塩がそれぞれ反応触媒
として有効である。また、チオールの酸化を防止するた
めに、反応系を脱気あるいは窒素置換したり、酸化防止
剤等を添加することもできる。
キシ基との反応に引き続く加水分解には、通常のポリビ
ニルエステルのけん化で用いられる塩基性触媒または酸
触媒を用いたけん化反応がそのまま適用できる。すなわ
ち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメ
チラート等の塩基性触媒やp−トルエンスルホン酸等の
酸性触媒を用い、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、エチレングリコール等のアルコールや
グリコールを溶媒として反応が行われる。この場合、ビ
ニルエステル系重合体や触媒の溶解性を向上するため
に、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホ
キシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トル
エン、アセトン、水等の溶剤が適宜混合して使用され
る。けん化反応の条件は、使用するビニルエステル系重
合体の構造や目的とするビニビニルアルコール系重合体
けん化度によって適宜調整されるが、通常、けん化は触
媒濃度/ビニルエステル単位濃度(モル比)=0.00
1〜1.2、反応温度:20〜180℃、反応時間:
0.1〜20時間の範囲で実施される。
る単位を含有するビニルアルコール系重合体は、繊維糊
剤、繊維処理剤、繊維加工剤、クリアーコーテイング、
クレーコーティング等の紙コーティング剤用バインダ
ー、感熱紙のオーバーコート用バインダー等の紙加工
剤、有機、無機顔料用の分散剤、エマルジョン用重合分
散安定剤、塩ビ用重合分散安定剤、セラミックス用バイ
ンダー、画像形成材料、感光性樹脂、ホルマール樹脂や
ブチラール樹脂等のポリビニルアセタール用原料、ゲル
用基材、フィルム、繊維等に、アミノ基の反応性を利用
して、単独あるいは無変性PVAや他の変性PVAとの
併用、でんぷん(およびその変性物)、セルロース誘導
体、ガム類、ゼラチン、カゼイン等の他種ポリマーとの
併用、可塑剤との併用、エポキシ化合物、ジアルデヒ
ド、イソシアネート等の架橋剤との併用で利用される。
具体的に説明するが、本発明は実施例により何等制限さ
れるものではない。なお、合成例や実施例中の「部」や
「%」は、特に断わりのない限りそれぞれ「重量部」お
よび「重量%」を表す。
合体の合成例) 合成例1 攪拌基、還流冷却管、窒素導入管および温度計を備えた
反応器に、酢酸ビニルモノマー405部、アリルグリシ
ジルエーテル11部およびメタノール30部を仕込み、
窒素ガスを15分バブリングして脱気した。別途、メタ
ノール15部に2,2'- アゾイソブチロニトリル4.5部
を溶解した開始剤溶液を調製し、窒素ガスのバブリング
により窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が6
0℃となったところで、別途調製した開始剤溶液を添加
し重合を開始した。60℃で4時間重合し冷却して重合
を停止した。この時の固形分濃度は54.8%であっ
た。続いて30℃、減圧下にメタノールを時々添加しな
がら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢
酸ビニル共重合体のメタノール溶液(濃度44.5%)
を得た。このメタノール溶液の一部をエーテル中に投入
してポリマーを回収し、アセトン−エーテルで2回再沈
精製した後、40℃で減圧乾燥した。この精製ポリマー
について、CDCl3 を溶媒にしてプロトンNMR(日
本電子製、GSX-270 )測定およびアセトン中の極限粘度
測定(JIS)を実施し粘度平均分子量を算出したとこ
ろ、アリルグリシジルエーテル単位(エポキシ基)を
2.1モル%含有する粘度平均分子量が80×103 の
ポリ酢酸ビニル共重合体であった。
ーの種類や量、メタノール量、開始剤の種類や量、およ
び未反応ビニルエステルモノマーの除去に一部n−ブタ
ノールを使用等、適宜変更)、表1に示すエポキシ基を
有するビニルエステル系重合体を得た。
反応器に、合成例1で得たエポキシ基を有する重合体の
メタノール溶液(濃度44.5%)100部を計り取り
15分窒素ガスをバブリングした後、システイン2.7
部と水酸化ナトリウム0.58部をメタノール44部と
蒸留水4部に溶解したものを仕込んだ。攪拌しながら5
0℃で2時間反応させた後、40℃に冷却してから10
%濃度の水酸化ナトリウムのメタノール溶液を40部添
加し、けん化を行った。40℃で5時間放置した後粉砕
し、酢酸8部を加えて中和してからソックスレー抽出器
を用いてメタノールで48時間以上洗浄し、60℃で2
0時間以上乾燥して、変性ビニルアルコール系重合体を
得た。該重合体のIRおよびプロトンNMR(d6−D
MSO)を測定したところ、エポキシ基は完全に消失し
ており、2.1モル%のシステイン残基の導入が確認で
き、ビニルアルコール含量は97.1モル%であった。
また、該ポリマーの4%DMSO溶液を調整し、20℃
で粘度を測定したところ65.4cpであった。
ニルアルコールを得た。合成条件と結果を表2に示す。
酸基を含有するビニルアルコール系重合体が提供され
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記の化1または化2で表される単位を
0.01〜30モル%含有するビニルアルコール系重合
体。 【化1】 【化2】 (ここで、R1 、R2 、R3 、R4 およびR5 は水素原
子または置換基を有していてもよい炭素数8以下の炭化
水素基を表し、Aは窒素原子、酸素原子または硫黄原子
を含んでいてもよい2価の炭化水素基を表し、Sは硫黄
原子を表し、Xはアミノ酸基を含有する一価の基を表
す。) - 【請求項2】 Xがα−アミノ酸基を含有する一価の基
である請求項1記載のポリビニルアルコール系重合体。
Priority Applications (1)
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JP18909396A JP3720467B2 (ja) | 1996-07-18 | 1996-07-18 | アミノ酸基を含有するビニルアルコール系重合体 |
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WO2006064940A1 (en) * | 2004-12-14 | 2006-06-22 | Nippon Shokubai Co., Ltd. | Amino group-containing water-soluble copolymer |
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1996
- 1996-07-18 JP JP18909396A patent/JP3720467B2/ja not_active Expired - Fee Related
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