JPH11209423A - エポキシ基含有ビニルアルコール系重合体 - Google Patents

エポキシ基含有ビニルアルコール系重合体

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JPH11209423A
JPH11209423A JP764398A JP764398A JPH11209423A JP H11209423 A JPH11209423 A JP H11209423A JP 764398 A JP764398 A JP 764398A JP 764398 A JP764398 A JP 764398A JP H11209423 A JPH11209423 A JP H11209423A
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JP
Japan
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group
vinyl
contg
epoxy
polymer
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JP764398A
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English (en)
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Seiji Tanimoto
征司 谷本
Masato Nakamae
昌人 仲前
Toshiaki Sato
寿昭 佐藤
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
    • C08F8/08Epoxidation

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  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 PVA本来の性質を保持しつつ、分子内に反
応性に富んだエポキシ基を含有するPVAを提供するこ
とにある。 【解決手段】 下記の化1で表される単位を0.01〜
30モル%含有するエポキシ基含有ビニルアルコール系
重合体。 【化1】 (ここで、R1,R2,R3,R4およびR5は水素原子ま
たは炭素数8以下の炭化水素基を表し、Aは2価の炭化
水素基を表し、Sは硫黄原子を表し、Xはエポキシ基を
含有する1価の基を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規なエポキシ基含
有ビニルアルコール系重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】ビニルアルコール系重合体(以下PVA
と略記する)は数少ない結晶性の水溶性高分子として優
れた界面特性および強度特性を有することから、紙加
工、繊維加工およびエマルジョン用の安定剤に利用され
ているほか、PVA系フィルムおよびPVA系繊維等の
原料として重要な地位を占めている。また、結晶性を制
御したり、官能基を導入して特定の性能を向上させた高
機能化の追求も行われており、いわゆる変性PVAも種
々開発されている。
【0003】分子内に反応性の官能基を導入したPVA
も種々開発が行われており、カルボン酸基含有PVA、
アセトアセチル基含有PVA等の報告がある。分子内に
エポキシ基を含有するPVAに関しては、有効なエポキ
シ基を含有するPVAは得られていないのが現状であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、PV
A本来の性質を保持しつつ、分子内に反応性に富んだエ
ポキシ基を含有するPVA、および該PVAの効率的な
製造方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を鑑み鋭意検討した結果、下記の化2で表される単位を
0.01〜30モル%含有するビニルアルコール系重合
体を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0006】
【化2】
【0007】(ここで、R1,R2,R3,R4およびR5
は水素原子または炭素数8以下の炭化水素基を表し、A
は2価の炭化水素基を表し、Sは硫黄原子を表し、Xは
エポキシ基を含有する1価の基を表す。)
【0008】
【発明の実施の形態】本発明のビニルアルコール系重合
体は、分子中に化2で表される単位を0.01〜30モ
ル%含有するビニルアルコール系重合体であり、該重合
体中における化2で表される単位の分布には特に制限は
ない。該単位の含有量が0.01モル%未満になると、
導入効果が十分に発現されず、30モル%を越えるとビ
ニルアルコール系重合体の保存安定性(たとえばゲル
化)に問題を生じる。該単位の含有量の更に好ましい範
囲は0.02〜20モル%であり、特に好ましい範囲は
0.05〜15モル%である。
【0009】化2で表される単位中のR1,R2,R3
4およびR5は水素原子または(置換基を有していても
よい)炭素数8以下の炭化水素基であれば特に制限はな
いが、R1が水素原子であり、R2が水素原子またはメチ
ル基であり、R3,R4およびR5が水素原子または炭素
数8以下(好ましくは炭素数6以下)の炭化水素基が好
んで使用される。なお、R3とR4(またはR5)が一緒
になって環を形成することも差し支えない。
【0010】化2で表される単位中のAは、2価の炭化
水素基または窒素原子、酸素原子、硫黄原子を少なくと
も1種含む2価の炭化水素基であればその構造に特に制
限はなく、例えば、−(CH2)n−(n=1〜10、
好適にはn=1〜8)、−CH2OCH2−、−OCH2
−、−CONH−ph−OCH2−、−CONHCH
2−、−CONHCH2OCH2−、−CONHCH2OC
2CH2−、−CONHCH2OCH2CH2CH2−、−
CONHCH2OCH2CH2CH2CH2−、−CONH
CH2−ph(CH32−CH2−等が例示される。(な
お、phはフェニル基を意味する。)
【0011】化2で表される単位中のXは、少なくとも
1個以上のエポキシ基を含有する一価の基であればその
構造に特に制限はないが、下記の化3で表されるものが
好ましい。
【0012】
【化3】
【0013】(但し、R6,R8,R9およびR10は水素
または(炭素数8以下の置換基を有してもよい)炭化水
素基を表し、R7は水素、メチル基、メトキシ基、ニト
ロ基およびヒドロキシ基の中から選ばれる置換基を表
し、R11,R12およびR13は水素または(酸素原子、窒
素原子、硫黄原子で中断されていても良い)炭素数8以
下の炭化水素基であり、R11,R12およびR13のうち少
なくとも1つはエポキシ基を有する。)なお、芳香環に
結合するアミノ基およびR7の結合位置は任意である。
【0014】本発明のビニルアルコール系重合体は、化
2で表される単位を除くと実質的にビニルアルコール単
位またはビニルアルコール単位とビニルエステル単位か
らなる。ビニルエステル単位としては、蟻酸ビニル、酢
酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ト
リフルオロ酢酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル等
が挙げられる。
【0015】また、本発明の主旨を損なわない範囲でこ
れら以外のモノマー単位を含有する事は差し支えない。
このような単位を例示するとエチレン、プロピレン、1
−ブテン、イソブテンなどのオレフィン類;アクリル
酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、
(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸などの不飽和
酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまた
はジアルキルエステル類;アクリルアミド、炭素数1〜
18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチル
アクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン
酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルア
ミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩などのアクリ
ルアミド類;メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−
アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリ
ルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あ
るいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミ
ンあるいはその酸塩あるいはその4級塩などのメタクリ
ルアミド類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルム
アミド、N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニルアミ
ド類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシ
アン化ビニル類;炭素数1〜18のアルキルビニルエー
テル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキク
シアルキルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;塩
化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニ
リデン、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;トリメ
トキシビニルシランなどのビニルシラン類、酢酸アリ
ル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルア
ルコール等が挙げられる。また、これら単量体単位の含
有量については、けん化度と同様に制限はなく、得られ
る重合体が水溶性あるいは水分散性であればよい。
【0016】本発明のPVAの分子量には特に制限はな
いが、該PVAの4%ジメチルスルホキシド(DMS
O)溶液の20℃での粘度(ブルックフィールド粘度計
で測定)で表して、3〜10,000mPa・Sの範囲
が好ましく、3〜5000mPa・Sの範囲がより好ま
しく、5〜1000mPa・Sがさらに好ましい。本発
明のPVAのけん化度は、水溶性もしくは水分散性であ
れば特に制限はないが、通常は65モル%以上、好まし
くは80モル%以上である。
【0017】本発明のPVAの製造方法としては、アミ
ノ基(好ましくは芳香族アミノ基)を含有するビニルア
ルコール系重合体と多価エポキシ化合物を反応させる方
法が好ましい。アミノ基を含有するビニルアルコール系
重合体は、ビニルエステルモノマーとエポキシ基を含有
するビニルモノマーとの共重合体に、アミノ基を含有す
るチオールもしくはチオエステルを反応させた後、加水
分解することにより得られる。
【0018】ビニルエステルモノマーとエポキシ基を含
有するビニルモノマーとの共重合の方法としては、塊状
重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法など公知
の方法が挙げられる。その中でも、無溶媒あるいはアル
コールなどの溶液中で重合する塊状重合法や溶液重合法
が通常採用され、高重合度のものを得る場合には、乳化
重合法が採用される。溶液重合時に溶媒として使用され
るアルコールとしては、メチルアルコール、エチルアル
コール、プロピルアルコールなどの低級アルコールが挙
げられる。共重合に使用される開始剤としては、α,
α’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビ
ス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、過酸化ベンゾ
イル、n−プロピルパーオキシカーボネートなどのアゾ
系開始剤または過酸化物系開始剤など公知の開始剤が挙
げられる。重合温度については特に制限はないが、−1
0℃〜150℃の範囲が適当である。
【0019】ビニルエステルモノマーとの共重合に用い
るエポキシ基を含有するビニルモノマーとしては、アリ
ルグリシジルエーテル、メタリルグリシジルエーテル、
ブタジエンモノエポキサイド、1,2−エポキシ−5−
ヘキセン、1,2−エポキシ−7−オクテン、1,2−
エポキシ−9−デセン、8−ヒドロキシ−6、7−エポ
キシ−1−オクテン、8−アセトキシ−6、7−エポキ
シ−1−オクテン、N−(2,3−エポキシ)プロピル
アクリルアミド、N−(2,3−エポキシ)プロピルメ
タクリルアミド、4−アクリルアミドフェニルグリシジ
ルエーテル、3−アクリルアミドフェニルグリシジルエ
ーテル、4−メタクリルアミドフェニルグリシジルエー
テル、3−メタクリルアミドフェニルグリシジルエーテ
ル、N−グリシドキシメチルアクリルアミド、N−グリ
シドキシメチルメタクリルアミド、N−グリシドキシエ
チルアクリルアミド、N−グリシドキシエチルメタクリ
ルアミド、N−グリシドキシプロピルアクリルアミド、
N−グリシドキシプロピルメタクリルアミド、N−グリ
シドキシブチルアクリルアミド、N−グリシドキシブチ
ルメタクリルアミド、4−アクリルアミドメチル−2,
5−ジメチル−フェニルグリシジルエーテル、4−メタ
クリルアミドメチル−2,5−ジメチル−フェニルグリ
シジルエーテル、アクリルアミドプロピルジメチル
(2,3−エポキシ)プロピルアンモニウムクロリド、
メタクリルアミドプロピルジメチル(2,3−エポキ
シ)プロピルアンモニウムクロリド、メタクリル酸グリ
シジル等が用いられる。
【0020】ビニルエステルモノマーとエポキシ基を含
有するビニルモノマーとの共重合体に、芳香族アミノ基
を含有するチオールもしくはチオエステルを反応させる
方法は、チオール基もしくはチオエステル基とエポキシ
基との反応を利用する。該反応は、無溶媒、またはチオ
ール基もしくはチオエステル基を含有する化合物ならび
にエポキシ基を含有する重合体を溶解もしくは膨潤させ
る溶剤中で実施される。このような溶剤としては、メタ
ノール、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブ
チルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族類、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン、ジエチルエーテル等のエーテル類やn−ヘキサ
ン等の炭化水素類が挙げらる。これらの溶剤は単独もし
くは混合して使用される。反応条件は、エポキシ基の構
造やチオールもしくはチオエステルの構造により異なる
が、通常、溶剤を使用する場合のポリマー濃度5〜90
%、チオール基もしくはチオエステル基の濃度/エポキ
シ基濃度=1.0〜5.0(モル比)、反応温度0〜2
50℃、反応時間0.01〜20時間である。ここで、
チオールとの反応では、3級アミン(例えばトリエチル
アミン、ピリジン等)、ホスフィン(例えばトリブチル
ホスフィン、トリフェニルホスフィン等)、水酸化ナト
リウム、テトラエチルアンモニウムヒドロオキサイド、
ナトリウムメチラート等の塩基性化合物や酢酸ナトリウ
ムや炭酸ナトリウムなどの弱塩基性化合物などが反応触
媒として有効である、また、チオエステルとの反応で
は、トリブチルアンモニウムクロリド、トリブチルアン
モニウムブロミド等の4級アンモニウム塩が反応触媒と
して有効である。また、チオールの酸化を防止するため
に、反応系を脱気あるいは窒素置換したり、酸化防止剤
等を添加することもできる。
【0021】ビニルエステルモノマーとエポキシ基を含
有するビニルモノマーとの共重合体に反応させる芳香族
アミノ基を含有するチオールとしては、2−アミノチオ
フェノール、3−アミノチオフェノール、4−アミノチ
オフェノール、2−(N−メチル)アミノチオフェノー
ル、3−(N−メチル)アミノチオフェノール、4−
(N−メチル)アミノチオフェノール、2−アミノ−3
−メトキシチオフェノール、2−アミノ−4−メトキシ
チオフェノール、4−アミノ−2−メトキシチオフェノ
ール、4−アミノ−3−メトキシチオフェノール、2−
アミノ−3−ヒドロキシチオフェノール、2−アミノ−
4−ヒドロキシチオフェノール、4−アミノ−2−ヒド
ロキシチオフェノール、4−アミノ−3−ヒドロキシチ
オフェノール、2−アミノ−3−ニトロオフェノール、
2−アミノ−4−ニトロチオフェノール、4−アミノ−
2−ニトロチオフェノール、4−アミノ−3−ニトロチ
オフェノール、2,3−ジアミノチオフェノール、2,
4−ジアミノチオフェノール、3,4−ジアミノチオフ
ェノール、2−アミノチオナフトール、等が挙げられ
る。また、これらの酢酸エステルや安息香酸エステル等
のエステルも使用できる。
【0022】チオール基もしくはチオエステル基とエポ
キシ基との反応に引き続く加水分解には、通常のポリビ
ニルエステルのけん化で用いられる塩基性触媒または酸
触媒を用いたけん化反応がそのまま適用できる。すなわ
ち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメ
チラート等の塩基性触媒やp−トルエンスルホン酸等の
酸性触媒を用い、メタノール、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール、エチレングリコール等のアルコールや
グリコールを溶媒として反応が行われる。この場合、ビ
ニルエステル系重合体や触媒の溶解性を向上するため
に、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホ
キシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トル
エン、アセトン、水等の溶剤が適宜混合して使用され
る。また、ヒドロキノンやp−メトキシフェノール等の
ラジカル重合禁止剤等を添加する場合もある。けん化反
応の条件は、使用するビニルエステル系重合体の構造や
目的とするビニビニルアルコール系重合体のけん化度に
よって適宜調整されるが、通常、けん化は触媒濃度/ビ
ニルエステル単位濃度(モル比)=0.001〜1.
2、反応温度20〜180℃、反応時間0.1〜20時
間の範囲で実施される。
【0023】芳香族アミノ基変性PVAと多価エポキシ
化合物との反応は、芳香族アミノ基とエポキシ基との反
応を利用するが、該反応は、無溶媒、またはアミノ基変
性PVAならびに多価エポキシ化合物を溶解もしくは膨
潤させる溶剤中で実施される。このような溶剤として
は、水、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセ
トアミドや、メタノール、エタノール、n−プロピルア
ルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類、テトラヒド
ロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル
類やn−ヘキサン等の炭化水素類が挙げられる。これら
の溶剤は単独もしくは混合して使用される。反応条件
は、芳香族アミノ基変性PVAやエポキシ基の構造によ
り異なるが、通常、溶剤を使用する場合のポリマー濃度
1〜90%、エポキシ基の濃度/アミノ基濃度=1.0
〜5.0(モル比)で、反応温度0〜250℃、反応時
間0.01〜40時間である。また、反応の際にp−メ
トキシフェノールやヒドロキノンなどのラジカル重合禁
止剤を添加して行う場合がある。ここで、アミノ基とエ
ポキシ基との反応では、3級アミン(例えばトリエチル
アミン、ピリジン等)、ホスフィン(例えばトリブチル
ホスフィン、トリフェニルホスフィン等)、水酸化ナト
リウム、テトラエチルアンモニウムヒドロオキサイド、
ナトリウムメチラート等の塩基性化合物、酢酸ナトリウ
ムや炭酸ナトリウムなどの弱塩基性化合物、四塩化チタ
ンやフッ化ホウ素類などのルイス酸、トリブチルアンモ
ニウムクロリド、トリブチルアンモニウムブロミド等の
4級アンモニウム塩などが反応触媒として有効である。
【0024】また、本発明のビニルアルコール系重合体
は単離可能であるが、多くの場合は、反応系中で合成し
たままの状態で用いると簡便でよい。すなわち水中で芳
香族アミノ基含有PVAと多価エポキシ化合物を反応さ
せ、本発明のビニルアルコール系重合体を合成した後、
そのままの状態でエマルジョン重合や耐水性組成物など
に使用することが可能である。
【0025】芳香族アミノ基変性PVAとの反応に用い
られる多価エポキシ化合物としては、ビスフェノールA
ジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジβメチルグ
リシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエー
テル、テトラヒドロキシフェニルメタンテトラグリシジ
ルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ブ
ロム化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、クロル
化ビスフェノールAジグリシジルエーテル、水素添加ビ
スフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノール
Aアルキレンオキサイド付加物のジグリシジルエーテ
ル、ノボラックグリシジルエーテル、ポリアルキレング
リコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシ
ジルエーテル、ペンタエリスリトールジグリシジルエー
テル、エポキシウレタン樹脂等のグリシジルエーテル
型;P−オキシ安息香酸グリシジルエーテル・エステル
等のグリシジルエーテル・エステル型;フタル酸ジグリ
シジルエステル、テトラハイドロフタル酸ジグリシジル
エステル、ヘキサハイドロフタル酸ジグリシジルエステ
ル、アクリル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸ジグ
リシジルエステル等のグリシジルエステル型;グリシジ
ルアニリン、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタ
ン、トリグリシジルイソシアヌレート、トリグリシジル
アミノフェノール等のグリシジルアミン型;エポキシ化
ポリブタジエン、エポキシ化大豆油等の線状脂肪族エポ
キシ樹脂;3,4エポキシ−6メチルシクロヘキシルメ
チル−3,4エポキシ−6メチルシクロヘキサンカルボ
キシレート、3,4エポキシシクロヘキシルメチル(3,
4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート、ビス
(3,4−エポキシ−6メチルシクロヘキシルメチル)
アジペート、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジ
シクロペンタジエンオキサイド、ビス(2,3−エポキ
シシクロペンチル)エーテル、リモネンジオキサイド等
の脂環族エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0026】本発明のエポキシ基含有ビニルアルコール
系重合体は、エポキシ基の反応性を利用して、接着剤、
塗料、繊維糊剤、繊維処理剤、繊維加工剤、紙コーティ
ング剤用バインダー、感熱紙のオーバーコート用バイン
ダー等の紙加工剤、有機、無機顔料用の分散剤、セラミ
ックス用バインダー、画像形成材料、ホルマール樹脂や
ブチラール樹脂等のポリビニルアセタール用原料、ゲル
用基材、フィルム等に好適に用いられる。使用に当たっ
ては、単独あるいは他の添加剤と併用される。他の添加
剤としては、無変性PVA、他の変性PVA、でんぷん
(およびその変性物)、セルロース誘導体、ガム類、ゼ
ラチン、カゼイン等の他種ポリマー、可塑剤などが挙げ
られる。
【0027】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
詳細に説明する。以下の実施例および比較例において
「部」および「%」は特に断りのない限り重量基準を意
味する。
【0028】(エポキシ基を含有するビニルエステル系
重合体の合成例) 合成例1 撹拌機、還流冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた反
応器に、酢酸ビニルモノマー405部、アリルグリシジ
ルエーテル11部およびメタノール30部を仕込み、窒
素ガスを15分バブリングして脱気した。別途、メタノ
ール15部に2,2-アゾビスイソブチロニトリル4.5部
を溶解した開始剤溶液を調製し、窒素ガスのバブリング
により窒素置換した。反応器の昇温を開始し、内温が6
0℃となったところで、別途調製した開始剤溶液を添加
し重合を開始した。60℃で4時間重合した後、冷却し
て重合を停止した。この時の固形分濃度は54.8%で
あった。続いて30℃、減圧下にメタノールを時々添加
しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポ
リ酢酸ビニル共重合体のメタノール溶液(濃度44.5
%)を得た。このメタノール溶液の一部をエーテル中に
投入してポリマーを回収し、アセトン-エーテルで2回
再沈精製した後、40℃で減圧乾燥した。この精製ポリ
マーについて、CDCl3を溶媒にしてプロトンNMR
(日本電子、GSX-270)測定およびアセトン中の
極限粘度測定(JIS)を実施し粘度平均分子量を算出
したところ、アリルグリシジルエーテル単位(エポキシ
基)を2.1モル%含有する粘度平均分子量が80×1
3の酢酸ビニル系共重合体であった。
【0029】合成例2〜4 合成例1と同様にして(ただし、ビニルエステルモノマ
ーの種類や量、メタノール量、開始剤の量等を適宜変
更)、表1に示すエポキシ基を含有する酢酸ビニル系共
重合体を得た。
【0030】
【表1】
【0031】(アミノ基を含有するビニルアルコール系
重合体の合成例) 合成例5 撹拌機、還流冷却管、窒素導入管及び温度計を備えた反
応器に、合成例1で得たエポキシ基を含有する重合体の
メタノール溶液(濃度44.5%)100部を計り取り
15分窒素ガスをバブリングした後、2−アミノチオフ
ェノール8.0部と水酸化ナトリウム0.03部をメタ
ノール48部に溶解したものを仕込んだ。撹拌しながら
50℃で2時間反応させた後、40℃に冷却してから濃
度10%の水酸化ナトリウムのメタノール溶液25部を
添加しけん化を行った。40℃で5時間放置した後粉砕
し、酢酸8部を加えて中和した。次いで、ソックスレー
抽出器を用いてメタノールで48時間以上洗浄し、60
℃で20時間以上乾燥して、アミノ基(アニリン基)含
有ビニルアルコール系重合体(重合体A)を得た。該重
合体は、2.1モル%のアニリン基が導入されており、
ビニルアルコール含量は98.2モル%、重合度100
0であった。
【0032】合成例6〜8 合成例5と同様にして、表2に示すアミノ基を含有する
ビニルアルコール系重合体を得た。
【0033】
【表2】
【0034】実施例1 撹拌機、還流冷却管および温度計を備えた反応器に、重
合体Aの10%水溶液100部を秤量し、50℃に調整
したのち、エチレングリコールジグリシジルエーテル
2.5部(日本油脂製:エピオールE−100)を加え
24時間反応させた。大量のメタノール溶液に、得られ
た反応溶液を加え、未反応のエチレングリコールジグリ
シジルエーテルを取り除いたのち、60℃で20時間以
上乾燥して重合体Iを得た。重合体IのIRおよびプロ
トンNMR(d6−DMSO)を測定したところ、2.
0モル%のエチレングリコールジグリシジルエーテル由
来のエポキシ基の導入が確認できた。また、該PVAの
4%DMSO溶液を調製し、20℃で粘度(ブルックフ
ィールド粘度計使用)を測定したところ68.1mPa
・Sであった。なお、該PVAを重合体Iとする。結果
を表3に示す。
【0035】実施例2〜4 実施例1で用いた重合体Aの代わりに、合成例2〜4で
合成した重合体B、CおよびDを用いる他は、実施例1
と同様に行い、表3に示す重合体II〜IVを得た。結果を
表3に示す。
【0036】実施例5 実施例1で用いたエチレングリコールジグリシジルエー
テルに代えて、グリセロールトリグリシジルエーテル
(長瀬産業製、デナコールEX−314)を用いる他は
実施例1と同様に行い重合体Vを得た。結果を表3に示
す。
【0037】実施例6 実施例1で用いたエチレングリコールジグリシジルエー
テルに代えて、ペンタエリスリトールポリグリシジルエ
ーテル(長瀬産業製、デナコールEX−411)を用い
る他は実施例1と同様に行い重合体VIを得た。結果を
表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】本発明のPVAは、反応性に富んだエポ
キシ基を含有することから、エマルジョン重合用乳化安
定剤用途、懸濁重合用分散安定剤用途、各種接着剤用途
などに非常に有用である。また、PVA本来の特徴も有
していることから、PVAの公知の用途、例えばフィル
ム、シート、パイプ、分離膜、繊維、繊維用糊剤、紙加
工剤、顔料分散剤、各種バインダー用途、モルタルやセ
メントの添加剤などにも好適に用いることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の化1で表される単位を0.01〜
    30モル%含有するエポキシ基含有ビニルアルコール系
    重合体。 【化1】 (ここで、R1,R2,R3,R4およびR5は水素原子ま
    たは炭素数8以下の炭化水素基を表し、Aは2価の炭化
    水素基を表し、Sは硫黄原子を表し、Xはエポキシ基を
    含有する1価の基を表す。)
  2. 【請求項2】 芳香族アミノ基を含有するビニルアルコ
    ール系重合体と多価エポキシ化合物を反応させることを
    特徴とする請求項1記載のエポキシ基含有ビニルアルコ
    ール系重合体の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006342269A (ja) * 2005-06-09 2006-12-21 Canon Inc 高分子化合物、ポリマー含有組成物、インク組成物、液体付与方法および液体付与装置
JP2014173046A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Kuraray Co Ltd 側鎖エポキシ基含有ビニルアルコール系重合体及びビニルアルコール系重合体組成物
JP6144437B1 (ja) * 2015-09-30 2017-06-07 積水化学工業株式会社 変性ポリビニルアセタール樹脂組成物

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JP2014173046A (ja) * 2013-03-12 2014-09-22 Kuraray Co Ltd 側鎖エポキシ基含有ビニルアルコール系重合体及びビニルアルコール系重合体組成物
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