JP3630858B2 - ブロック共重合体 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なビニルアルコール系ブロック共重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリビニルアルコールは数少ない結晶性の水溶性高分子として優れた界面特性および強度特性を有する事から、紙加工、繊維加工およびエマルジョン用の安定剤に利用されているほか、ポリビニルアルコール系フィルムおよびポリビニルアルコール系繊維等の原料として重要な地位を占めている。一方で結晶性を制御したり、官能基を導入して特定の性能を向上させた高機能化の追求も行われており、いわゆる変性ポリビニルアルコールも種々開発されている。さらに、分子鎖の一次構造を制御したポリビニルアルコール系ブロック重合体が種々の方法で開発されている。
【0003】
ビニルアルコール系ポリマーを1成分とするブロック共重合体の合成法としては、末端にチオール基を有するポリ酢酸ビニルを連鎖移動剤として用いて、種々のモノマーをラジカル重合した後、けん化することにより合成する方法が知られている(特開昭59−18911号)。しかしながら、この方法は、他成分がラジカル重合性モノマーの重合体に限定され、また、トリブロック共重合体が得られにくいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来の方法では得ることのできなかったポリビニルアルコール成分およびフェノキシ成分からなるブロック共重合体、とりわけトリブロック共重合体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ポリビニルアルコール成分(A)および下記の化2で表されるポリマー成分(B)からなるブロック共重合体を見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
【化2】
Figure 0003630858
(但し、R 、R 、R およびR は水素原子、メチル基、臭素原子および塩素原子のいずれかであり、AはC(CH、CHおよびSOのいずれかである。)
【0007】
ポリビニルアルコール成分(A)は、実質的にビニルアルコール単位からなるか、もしくはビニルアルコール単位およびビニルエステル単位からなる。
ビニルエステル単位としては、蟻酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル等が挙げられる。
【0008】
ポリビニルアルコール成分(A)には、本発明の主旨を損なわない範囲で、上記以外のモノマー単位を含有することは差し支えない。このようなモノマー単位としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテンなどのオレフィン類;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、(無水)フタル酸、(無水)マレイン酸、(無水)イタコン酸などの不飽和酸類あるいはその塩あるいは炭素数1〜18のモノまたはジアルキルエステル類;アクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩などのアクリルアミド類;メタクリルアミド、炭素数1〜18のN−アルキルメタクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、2−メタクリルアミドプロパンスルホン酸あるいはその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンあるいはその酸塩あるいはその4級塩などのメタクリルアミド類;N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミドなどのN−ビニルアミド類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル類;炭素数1〜18のアルキルビニルエーテル、ヒドロキシアルキルビニルエーテル、アルコキアルキルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、臭化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;トリメトキシビニルシランなどのビニルシラン類、酢酸アリル、塩化アリル、アリルアルコール、ジメチルアリルアルコール等が挙げられる。
【0009】
ポリビニルアルコール成分(A)の重合度は特に制限はないが、数平均重合度で10〜20000が好ましく、20〜10000がより好ましく、20〜5000が特に好ましい。ポリビニルアルコール成分(A)のけん化度についても特に制限はないが、10〜100モル%が好ましく、30〜100モル%がより好ましく、50〜100モル%が特に好ましい。
【0010】
ポリマー成分(B)の数平均重合度(n)は特に制限はないが、1〜100が好ましく、1〜50がより好ましく、1〜30が特に好ましい。
【0011】
本発明のブロック共重合体の構造は、ポリビニルアルコール成分(A)および前記の化1で表されるポリマー成分(B)からなるA−B型のジブロック共重合体またはA−B−A型のトリブロック共重合体である。該ブロック共重合体を構成する各成分の比率は特に制限はないが、各成分の重量比率で、成分(A)/成分(B)=0.03〜650が好ましい。
【0012】
本発明のブロック共重合体の分子量は特に制限はないが、該ブロック重合体の4%のジメチルスルホキシド(DMSO)溶液の20℃の粘度(B型粘度計で測定)で表して、2〜10,000cpの範囲が好ましい。
【0013】
本発明のビニルアルコール系ブロック共重合体は、チオエステル基またはチオール基を有するビニルエステル系重合体に、化2で表されるポリマー成分(B)の両末端にエポキシ基を有する化合物を反応させた後に加水分解する方法、あるいは両反応を同時に行う方法により得られる。
【0014】
本発明のビニルアルコール系ブロック共重合体の製造は、チオール基またはチオエステル基とエポキシ基との反応を利用する。該反応は、無溶媒中もしくはチオール基またはチオエステル基を有するビニルエステル系重合体および化2で表されるポリマー成分(B)の末端にエポキシ基を有する化合物を、溶解または膨潤させる溶剤中で実施される。
このような溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール等のアルコール類、酢酸、酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類;n−ヘキサン等の炭化水素類が挙げられる。これらの溶剤は、単独もしくは混合して使用される。
反応条件は、エポキシ基の構造およびチオール基またはチオエステル基の構造により異なるが、通常、溶剤を使用する場合のポリマー濃度は5〜90重量%であり、チオール基またはチオエステル基の濃度/エポキシ基の濃度(モル比)=1.0〜5.0であり、反応温度0〜250℃であり、反応時間0.01〜20時間である。
エポキシ基とチオール基との反応における反応触媒としては、3級アミン(例えばトリエチルアミン、ピリジン等)、ホスフィン(例えばトリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン等)、水酸化ナトリウム、テトラエチルアンモニウムヒドロオキサイド、ナトリウムメチラート等の塩基性化合物が好ましい。エポキシ基とチオエステル基との反応における反応触媒としては、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド等の4級アンモニウム塩が好ましい。
また、チオールの酸化を防止するために、反応系を脱気あるいは窒素置換したり、酸化防止剤等を添加することもできる。
【0015】
チオール基またはチオエステル基とエポキシ基との反応に引き続く加水分解反応は、通常のポリビニルエステルのけん化に用いられる塩基性触媒または酸触媒を用いたけん化反応がそのまま適用できる。すなわち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート等の塩基性触媒やp−トルエンスルホン酸等の酸性触媒を用い、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等のアルコールやグリコールを溶媒に用いて反応が行われる。この場合、ビニルエステル系重合体や触媒の溶解性を向上するために、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、アセトン、酢酸メチル、水等の溶剤が適宜混合して使用される。加水分解反応の条件は、使用するビニルエステル系重合体の構造や目的とするポリビニルアルコールのけん化度によって適宜設定されるが、通常、触媒濃度/ビニルエステル単位濃度(モル比)=0.001〜1.2であり、反応温度20〜180℃であり、反応時間0.1〜20時間である。
【0016】
本発明のビニルアルコール系ブロック共重合体は、化2で表されるポリマー成分(B)の両末端にエポキシ基を有する化合物をメルカプト化したものを連鎖移動剤に用いてビニルエステルを重合した後、生成したポリマーを加水分解する方法によっても得ることができる。
【0017】
【実施例】
以下、合成例や実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例により何等制限されるものではない。なお、合成例や実施例中の「部」や「%」は、特に断わりのない限りそれぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
【0018】
(片末端にチオエステル基を有するビニルエステル系重合体)
合成例1
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管および温度計を備えた反応器に、酢酸ビニルモノマー440部とメタノール110部を仕込み、窒素ガスを15分バブリングして脱気した。別途、チオ酢酸0.25部をメタノール10部に溶解したチオールの初期添加液、チオ酢酸3.8部にメタノールを加えて全量を40部にしたチオールの連続添加液およびメタノール50部に2,2’− アゾビスイソブチロニトリル0.16部を溶解した開始剤溶液を調製し、窒素ガスをバブリングすることにより窒素置換した。
反応器の昇温を開始し、内温が60℃になった時点で、別途調製したチオ酢酸の初期添加液と開始剤溶液を、この順序で添加しすると共に、チオ酢酸の連続添加液の添加を開始した。チオ酢酸の連続添加は、重合の進行に伴う反応器内の固形分濃度の増加に合わせて、下記の表1の値を目標に実施した。なお、固形分濃度はサンプリングにより重量法でチェックした。
【0019】
【表1】
Figure 0003630858
【0020】
チオ酢酸を連続添加しながら、重合を4時間継続した後、冷却して重合を停止した。この時の固形分濃度は50.1%であった。次に、30℃の減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液(濃度53.2%)を得た。このメタノール溶液の一部をエーテル中に投入してポリマーを回収し、アセトン−エーテルで2回再沈精製した後、40℃で減圧乾燥した。この精製ポリマーについて、CDClを溶媒に用いてプロトンNMR(日本電子(株)製、型式:GSX−270)測定およびアセトン中の極限粘度測定(JIS)を実施したところ、数平均重合度212の片末端にアセチルチオ基を有するポリ酢酸ビニルであった。
【0021】
合成例2〜4
ビニルエステルモノマーの種類や量、メタノールの量、開始剤の種類や量、および未反応ビニルエステルモノマーの除去に一部n−ブタノールを使用することなどの条件を適宜変更し、合成例1に準じて、表2に示す片末端にチオエステル基を有するビニルエステル系重合体を得た。
【0022】
【表2】
Figure 0003630858
【0023】
実施例1
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管および温度計を備えた反応器に、合成例1で得られた片末端にチオエステル基を有する重合体のメタノール溶液(濃度44.5%)100部と、ポリマー成分(B)の両末端にエポキシ基を有する下記の化3で表される化合物(但し、R 、R 、R およびR =H,A=C(CH,n=2)(商品名:エピコート1001、油化シェルエポキシ(株)製)1.3部を酢酸メチル30部に溶解したものを混合し、15分窒素ガスをバブリングした後、水酸化ナトリウム0.1部をメタノール18部に溶解したものを仕込んだ。攪拌しながら40℃で1時間反応させた後、濃度10%の水酸化ナトリウムのメタノール溶液を20部添加し、けん化を行った。40℃で5時間放置した後、粉砕し、酢酸3部を加えて中和した後、ソックスレー抽出器を用いてTHFで48時間以上洗浄し、60℃で20時間以上乾燥して、ビニルアルコール系ブロック共重合体を得た。該重合体のIRおよびプロトンNMR(d−DMSO)を測定したところ、エポキシ基は完全に消失しており、フェノキシ基とアセチル基の比率より、A−B−A型のブロック共重合体の生成が確認された(ブロック効率=0.99)。ビニルエステル単位のけん化度は98.7モル%であった。
【0024】
【化3】
Figure 0003630858
【0025】
実施例2
窒素導入管を備えた溶融混練機に、合成例1で得られた片末端にチオエステル基を有する重合体の乾燥物100部とエピコート1001(油化シェルエポキシ(株)製)2.9部を投入して混合し、15分窒素ガスを導入した後、テトラブチルアンモニウムクロライド0.16部を仕込んだ。窒素を導入しながら、100℃で1時間混練し、反応物を得た。反応物をメタノール中に懸濁させ、40℃にて濃度10%の水酸化ナトリウムのメタノール溶液を20部添加し、けん化を行った。40℃で5時間放置した後、粉砕し、酢酸6部を加えて中和した後、ソックスレー抽出器を用いてTHFで48時間以上洗浄し、60℃で20時間以上乾燥して、ビニルアルコール系ブロック重合体を得た。該重合体のIRおよびプロトンNMR(d−DMSO)を測定したところ、エポキシ基は完全に消失しており、フェノキシ基とアセチル基の比率より、A−B−A型のブロック共重合体の生成が確認できた(ブロック効率=0.97)。ビニルエステル単位のけん化度は98.7モル%であった。
【0026】
実施例3〜8
ビニルエステル系重合体の種類、両末端エポキシ化合物の種類や量などを表3に示す条件に変更したこと以外は、実施例1に準じて反応を行い、表3に示すA−B−A型のビニルアルコール系ブロック共重合体を得た。
【0027】
【表3】
Figure 0003630858
【0028】
(表3の脚注)
MeOH:メタノール
MeOAc:酢酸メチル
THF:テトラヒドロフラン
NaOH:水酸化ナトリウム
TBAC:テトラブチルアンモニウムクロライド
TEA:トリエチルアミン
ブロック効率(モル比)=反応したフェノキシ/仕込みフェノキシ
エピコート:油化シェルエポキシ(株)社製、両末端エポキシ化合物
エピコート1001:化3で表される両末端にエポキシ基を有する化合物
(但し、R 、R 、R およびR =H,A=C(CH,n=2)
エピコート1004:化3で表される両末端にエポキシ基を有する化合物
(但し、R 、R 、R およびR =H,A=C(CH,n=4)
エピコート1007:化3で表される両末端にエポキシ基を有する化合物
(但し、R 、R 、R およびR =H,A=C(CH,n=9)
エピコート1009:化3で表される両末端にエポキシ基を有する化合物
(但し、R 、R 、R およびR =H,A=C(CH,n=12)
エピコート807:化3で表される両末端にエポキシ基を有する化合物
(但し、R 、R 、R およびR =H,A=CH,n=0)
【0029】
(両末端にメルカプト基を有する化合物)
合成例5
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管および温度計を備えた反応器に、エピコート1001(油化シェルエポキシ(株)製)300部と酢酸メチル540部を仕込み、窒素ガスを15分バブリングして脱気した。別途、チオ酢酸57部を酢酸メチル50部に溶解した液を添加した。酢酸メチル50部にトリエチルアミン3.8部を溶解した溶液を調製し添加後、窒素ガスをバブリングしながら50℃で2時間反応させた。得られた反応物中の未反応のチオ酢酸を蒸留により除去し、メタノール350部と酢酸メチル350部を加え均一溶液とした。15分窒素バブリングした後、撹拌しながら、濃度10%の水酸化ナトリウムのメタノール溶液12部を添加し、40℃でアルカリ処理を行った。10分後に水酸化ナトリウムと当量の酢酸を加え中和した。得られた化合物のプロトンNMR(d−CDC )を測定したところ、エポキシ基は完全に消失しており、両末端のメルカプト化が確認された(メルカプト化率=91.6%)。
【0030】
合成例6〜8
両末端エポキシ化合物の種類や量、チオエステル化合物の種類や量などを表4に示す条件に変更したこと以外は、合成例5と同様にして表4に示す両末端にメルカプト基を有する化合物を得た。
【0031】
【表4】
Figure 0003630858
【0032】
(表4の脚注)
MeOH:メタノール
MeOAc:酢酸メチル
THF:テトラヒドロフラン
NaOH:水酸化ナトリウム
TEA:トリエチルアミン
メルカプト化率(モル比)=反応後のメルカプト基量/反応前のエポキシ基量×100
エピコート:表の脚注参照
【0033】
実施例9
攪拌機、還流冷却管、窒素導入管および温度計を備えた反応器に、酢酸ビニルモノマー440部とメタノール110部を仕込み、窒素ガスを15分バブリングして脱気した。合成例5で得られた化合物(酢酸メチル/メタノール=1/1の20%溶液)5部の初期添加液、合成例5で得られた化合物の20%溶液(酢酸メチル/メタノール=1/1)120部の連続添加液およびメタノール10部に、2,2’− アゾビスイソブチロニトリル0.24部を溶解した開始剤溶液を調製し、窒素ガスをバブリングすることにより窒素置換した。
反応器の昇温を開始し、内温が60℃になった時点で、両末端にメルカプト基を有する化合物の初期添加液と開始剤溶液を、この順序で添加し、両末端にメルカプト基を有する化合物の連続添加液の添加を開始して、重合を続けた。両末端にメルカプト基を有する化合物の連続添加は、重合の進行に伴う反応器内の固形分濃度の増加にあわせて、下記の表5の値を目標に実施した。なお、固形分濃度はサンプリングにより重量法でチェックした。
【0034】
【表5】
Figure 0003630858
【0035】
両末端にメルカプト基を有する化合物を連続添加しながら、重合を4時間継続し、冷却して重合を停止した。この時の固形分濃度は46.5%であった。次に、30℃の減圧下でメタノールを時々添加しながら未反応の酢酸ビニルモノマーの除去を行い、ポリ酢酸ビニルのメタノール溶液(濃度52.3%)を得た。得られたポリマーのアセトン中の極限粘度測定(JIS)を実施したところ、数平均重合度120であった。このメタノール溶液100部に、40℃にて濃度10%の水酸化ナトリウムのメタノール溶液を20部添加し、けん化を行った。40℃で5時間放置した後、粉砕し、酢酸8部を加えて中和した後、ソックスレー抽出器を用いてTHFで48時間以上洗浄し、60℃で20時間以上乾燥して、ビニルアルコール系ブロック共重合体を得た。該重合体のプロトンNMR(d−DMSO)を測定したところ、フェノキシ基とアセチル基の比率より、A−B−A型のブロック共重合体の生成が確認された。ビニルエステル単位のけん化度は98.9モル%であった。
【0036】
実施例10〜12
ビニルエステルモノマーの種類や量、連鎖移動剤の種類や量、メタノールの量、開始剤の種類や量および未反応ビニルエステルモノマーの除去に一部n−ブタノールを使用したことなどを表6に示す条件に変更したこと以外は、実施例9に準じて反応を行い、表6に示すA−B−A型のビニルアルコール系ブロック共重合体を得た。
【0037】
【表6】
Figure 0003630858
【0038】
ブロック効率(モル比)=連鎖移動したフェノキシ/仕込みフェノキシ
【0039】
【発明の効果】
本発明のブロック共重合体は、疎水基表面への吸着性に優れたフェノキシ基を有していることから、カーボンブラック用分散剤、顔料用分散剤、感熱染料用分散剤、感熱顕色剤用分散剤、紫外線吸収剤として有用である。本発明のブロック共重合体は、単独で使用される他に、無変性ポリビニルアルコール、各種変性ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドおよびその誘導体、ポリアクリル酸、澱粉、水溶性セルロース、カゼイン、ゼラチン、各種ガム類などとと併用して使用される。

Claims (1)

  1. ポリビニルアルコール成分(A)および下記の化1で表されるポリマー成分(B)からなり、前記(A)成分と前記(B)成分とが互いの末端で結合してなるA−B型のジブロック共重合体またはA−B−A型のトリブロック共重合体
    Figure 0003630858
    (但し、R、R、RおよびRは水素原子、メチル基、臭素原子および塩素原子のいずれかであり、AはC(CH、CHおよびSOのいずれかであり、nは1以上の整数である。)
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