JP3015149B2 - ポリビニルアルコール、ポリビニルエステルおよび感光性組成物 - Google Patents

ポリビニルアルコール、ポリビニルエステルおよび感光性組成物

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JP3015149B2
JP3015149B2 JP3169453A JP16945391A JP3015149B2 JP 3015149 B2 JP3015149 B2 JP 3015149B2 JP 3169453 A JP3169453 A JP 3169453A JP 16945391 A JP16945391 A JP 16945391A JP 3015149 B2 JP3015149 B2 JP 3015149B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は側鎖にアルキレンオキサ
イドが開環したことにより得られる重合単位からなる鎖
(以下、(ポリ)アルキレンオキサイドと略記する)を
有するポリビニルアルコール系重合体、側鎖に(ポリ)
アルキレンオキサイドを有するポリビニルエステル系重
合体および該ポリビニルアルコール系重合体を含有する
感光性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、(ポリ)アルキレンオキサイドを
ポリビニルアルコールの側鎖へ導入する試みは数多く提
案されている。例えば、ポリビニルアルコールの水酸基
とエポキシ化合物との反応による方法、ポリビニルアル
コールの水酸基と酸化アルキレンとの反応による方法、
酢酸ビニルとポリオキシエチレンアクリレート等とを共
重合した後ケン化する方法(特開昭59−155408
号)等が挙げられる。しかし、従来の方法は反応条件が
過激であることなどから、反応が均一に進まない場合が
ほとんどであり、その結果、得られたポリマーの構造お
よび組成が不均一であったり、側鎖のポリアルキレンオ
キサイドが切断されたり、ポリビニルアルコールが分解
する等の問題があり、工業的に有用な側鎖に(ポリ)ア
ルキレンオキサイドを有するポリビニルアルコールは見
出されていなかった。
【0003】側鎖に(ポリ)アルキレンオキサイドを有
するポリビニルエステル系重合体についても、酢酸ビニ
ルとポリオキシエチレンアクリレート等とを共重合する
方法(特開昭59−155408号)が提案されている
が、反応条件が過激であることなどから、得られたポリ
マーの構造および組成が不均一であることなどの問題が
あった。
【0004】ポリビニルアルコール系重合体、ラジカル
重合可能なエチレン性二重結合を有する不飽和化合物お
よび光重合開始剤からなる組成物は感光性組成物と呼ば
れ、印刷用凸版材料などの分野において広く利用されて
いる。感光性組成物は金属板やフィルム板の如き支持体
上にシート状に調整された後(これを感光性樹脂板とい
う)、露光および現像を経て樹脂凸版となるが、ポリビ
ニルアルコール系重合体を使用した感光性組成物は露光
後に未硬化部分を水で簡単に溶出でき、製版作業が容易
なことから、パターンプレート用材料などの印刷分野に
おいて賞用されている。しかし、従来のポリビニルアル
コール系重合体からなる感光性樹脂板は可撓性および耐
衝撃性に劣るために、特に温度や湿度の低い冬季におい
ては印刷時に樹脂凸版がかける等の現象を引き起こすと
いう問題があり、さらに近年の印刷技術を取りまく大き
な環境の変化から、ポリビニルアルコール系重合体から
なる感光性樹脂板においても印字品質の高級化が要求さ
れている。
【0005】ポリアルキレンオキサイドを有するポリビ
ニルアルコール系重合体を含有する感光性組成物として
は、ポリオキシエチレンビニルエーテル単位またはポリ
オキシエチレンアクリレート単位などの共重合単位を有
するポリビニルアルコール系重合体を含有する感光性組
成物(特開昭59−155408号)が知られており、
またポリビニルアルコールとポリアルキレンオキサイド
とのブロック共重合体を含有する感光性組成物(特開昭
62−121445号)が知られている。しかし、これ
らの感光性組成物は、硬化膜の耐水性が低いという問題
があり、紫外線等を照射後に未硬化部分を水洗する際に
硬化部分も除去されてしまうという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点のない側鎖に(ポリ)アルキレンオキサイドを有する
ポリビニルアルコール系重合体および側鎖に(ポリ)ア
ルキレンオキサイドを有するポリビニルエステル系重合
体を提供するものである。さらに本発明は可撓性および
耐衝撃性があり、特に低温低湿度下でも割れのでない充
分な柔軟性を有し、かつ硬化膜の耐水性が良好な感光性
樹脂板が得られる感光性組成物を提供しようとするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決すべく鋭意検討した結果、下記の化3または化4
で表される構造単位を含有するポリビニルアルコール系
重合体、下記の化3または化4で表される構造単位を含
有するポリビニルエステル系重合体および下記の化3ま
たは化4で表される構造単位を含有するポリビニルアル
コール系重合体からなる感光性組成物を見出し本発明を
完成させるに至った。
【0008】
【化3】
【化4】
【0009】本発明のポリビニルアルコール系重合体
は、上記の化3または化4で表される(ポリ)アルキレ
ンオキサイドを有する構造単位を0.1〜30モル%含
有し、ビニルエステルのけん化度50モル%以上および
重合度10以上のポリビニルアルコール系重合体であ
る。
【0010】化3または化4で表される(ポリ)アルキ
レンオキサイドを有する構造単位について以下に説明す
る。(X)はO側でR3と連結する(ポリ)エチレンオ
キサイドまたは(ポリ)プロピレンオキサイドであり、
両者の共重合体も用いられる。そのなかでもエチレンオ
キサイドに由来する(ポリ)アルキレンオキサイドが好
ましい。(ポリ)アルキレンオキサイドの重合度nは1
〜500であり、そのなかでも1〜400が好ましく、
1〜300がより好ましく、2〜200がより好まし
く、3〜100が最も好ましい。(ポリ)アルキレンオ
キサイドの重合度nが極端に小さい場合には、(ポリ)
アルキレンオキサイドを側鎖に有するポリビニルアルコ
ール系重合体としての特徴が充分に発現しない場合があ
る。また(ポリ)アルキレンオキサイドの重合度nが5
00を超える場合には、ポリビニルアルコール系重合体
が本来有している皮膜の強靭さ等の特徴が失われ、本発
明の特徴が充分に発現しなくなる。(ポリ)アルキレン
オキサイドの重合度nはプロトンNMRの測定により分
析をすることができる。R1は水素またはメチル基であ
る。R2は水素または炭素数1〜4のアルキル基であ
り、そのなかでも水素またはメチル基が好ましい。R3
は分岐を有していても良い炭素数1〜20のアルキレン
基であり、そのなかでも炭素数1〜5のアルキレン基が
好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基が最も好まし
い。R4は水素または炭素数1〜20のアルキル基であ
り、そのなかでも水素または炭素数1〜12のアルキル
基が好ましく、水素または炭素数1〜5のアルキル基が
より好ましく、水素またはメチル基が最も好ましい。R
5は炭素数1〜3のアルキレン基であり、そのなかでも
炭素数1のアルキレン基が好ましい。
【0011】本発明のポリビニルアルコール系重合体に
おける前記の化3または化4で表される(ポリ)アルキ
レンオキサイドを有する構造単位の含有量としては0.
1〜30モル%であり、好ましくは0.2〜30モル%
が好ましく、0.5〜30モル%がより好ましく、1〜
15モル%が最も好ましい。(ポリ)アルキレンオキサ
イドを有する構造単位の含有量が0.1モル%未満の場
合には、(ポリ)アルキレンオキサイドを側鎖に有する
ポリビニルアルコール系重合体としての特徴が充分に発
現しない。また上記構造単位の含有量が30モル%を超
える場合には、ポリビニルアルコール系重合体が本来有
している皮膜の強靭さ等の特徴が失われ、本発明の特徴
が充分に発現しなくなる。
【0012】本発明のポリビニルアルコール系重合体の
ビニルエステル部分のけん化度としては50モル%以上
であり、70モル%以上が好ましく、98モル%以上が
より好ましい。けん化度が高い方がポリビニルアルコー
ル系重合体の皮膜強度および水溶性の点から好ましい。
本発明のポリビニルアルコール系重合体において、けん
化されていないビニルエステル単位としてはギ酸ビニ
ル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニ
ル、バーサチック酸ビニル等からなるビニルエステル単
位が挙げられ、そのなかでも酢酸ビニル単位が工業的に
好ましい。本発明のポリビニルアルコール系重合体の重
合度は10以上であり、10〜30000が好ましく、
100〜4000がより好ましく、300〜3000が
最も好ましい。ここで重合度は、完全にけん化したポリ
ビニルアルコール系重合体の極限粘度([η],dl/
g単位)を水中、30℃で測定し、下記の数1で表され
る式を用いて算出したものである。
【数1】
【0013】本発明のポリビニルアルコール系重合体
は、本発明の効果を損なわない範囲内で種々の単量体単
位を含有することは何らさしつかえない。これらの単量
体単位としては、例えば、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビ
ニル等のビニルエステルのほか、エチレン、プロピレ
ン、イソブテン等のα−オレフィン、アクリル酸、メタ
クリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸、無水
マレイン酸等の不飽和酸類またはその塩あるいはそのア
ルキルエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアク
リルアミド、アルキルビニルエーテル、N−ビニル−2
−ピロリドン、ビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、バーサチック酸ビニル、アリルスルホン酸あるい
はその塩、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸ある
いはその塩、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモ
ニウムクロリド、メタクリルアミドプロピルトリメチル
アンモニウムクロリド等からなる単位が挙げられる。
【0014】次に、本発明のポリビニルエステル系重合
体について説明する。本発明のポリビニルエステル系重
合体は、前記の化3または化4で表される(ポリ)アル
キレンオキサイドを有する構造単位を0.1〜30モル
%含有し、ビニルエステルのけん化度50モル%未満お
よび重合度10以上のポリビニルエステル系重合体であ
る。化3または化4で表される構造単位およびその含有
量ならびに重合度は上記のポリビニルアルコール系重合
体の欄に記載したものと同一である。本発明のポリビニ
ルエステル系重合体のビニルエステル部分のけん化度は
50モル%未満であり、該重合体の用途により、適宜選
択される。例えば、該重合体の親水性が要求される場合
にはけん化度10モル%以上50モル%未満、好ましく
は20モル%以上50モル%未満のものが用いられ、該
重合体の疎水性が要求される場合には、けん化度0〜2
0モル%、好ましくは0〜10モル%のものが用いられ
る。本発明のポリビニルエステル系重合体におけるビニ
ルエステル単位としては前記のポリビニルアルコール系
重合体の欄に記載したビニルエステル単位が用いられ
る。
【0015】次に、側鎖に(ポリ)アルキレンオキサイ
ドを有するポリビニルアルコール系重合体の製造方法に
ついて説明する。本発明の(ポリ)アルキレンオキサイ
ドを有するポリビニルアルコール系重合体の製造方法と
しては特に制限はないが、(ポリ)アルキレンオキサイ
ドを分子内に有するエポキシ化合物のエポキシ環とアミ
ノ基変性ポリビニルアルコールのアミノ基とを反応させ
る方法が挙げられる。(ポリ)アルキレンオキサイドを
分子内に有するエポキシ化合物のなかでも、エポキシ環
を片末端に有するエポキシ化合物が好ましい。このよう
なエポキシ化合物としては、下記の化5で表されるエポ
キシ化合物が挙げられる。
【0016】
【化5】
【0017】上記の化5で表されるエポキシ化合物のな
かでも、ヒドロキシポリオキシエチレングリシジルエー
テル、メトキシポリオキシエチレングリシジルエーテ
ル、エトキシポリオキシエチレングリシジルエーテル、
ブトキシポリオキシエチレングリシジルエーテル、ドデ
シルオキシポリエチレングリシジルエーテル、ヒドロキ
シポリオキシプロピレングリシジルエーテル、メトキシ
ポリオキシプロピレングリシジルエーテル、エトキシポ
リオキシプロピレングリシジルエーテル、ブトキシポリ
オキシプロピレングリシジルエーテル、ドデシルオキシ
ポリオキシプロピレングリシジルエーテル、2−エポキ
シ−1−ヒドロキシポリオキシエチレンエタン、2−エ
ポキシ−1−メトキシポリオキシエチレンエタン、2−
エポキシ−1−ヒドロキシポリオキシプロピレンタエ
ン、2−エポキシ−1−メトキシポリオキシプロピレン
エタン、3−エポキシ−1−ヒドロキシポリオキシエチ
レンプロパン、3−エポキシ−1−メトキシポリオキシ
エチレンプロパン、3−エポキシ−1−ヒドロキシポリ
オキシプロピレンエタン、3−エポキシ−1−ヒドロキ
シポリオキシプロピレンエタンなどが(ポリ)オキシア
ルキレンをポリビニルアルコール系重合体へ導入する場
合の反応性の点から好ましい。
【0018】アミノ基変性ポリビニルアルコールとして
は、下記の化6または化7で表される1級アミノ基また
は2級アミノ基を有するポリビニルアルコールが挙げら
れる。
【化6】
【化7】 アミノ基の含有量としては0.1〜30モル%のものが
好ましく用いられる。アミノ基変性ポリビニルアルコー
ルのけん化度は50モル%以上であり、70モル%が好
ましく、98モル%以上が最も好ましい。アミノ基変性
ポリビニルアルコールの重合度は目的とする側鎖に(ポ
リ)アルキレンオキサイドを有するポリビニルアルコー
ル系重合体の用途により適宜選択される。アミノ基変性
ポリビニルアルコールの製造方法としては、工業化学雑
誌59巻、658頁(1956)、同60巻、353
頁、1188頁(1957)、特開昭56−11329
2号、特開昭62−74902号等に記載の方法や、1
級アミノ基または2級アミノ基を有するオレフィン性不
飽和単量体または加水分解等により1級アミノ基または
2級アミノ基を生成しうる置換基を有するオレフィン性
不飽和単量体と酢酸ビニルとを共重合させた後、けん化
する方法等が挙げられる。具体的にはビニルアセトアミ
ド、メチルビニルアセトアミドと酢酸ビニルとを共重合
させた後、けん化する方法、アリルアミンと酢酸ビニル
とを共重合させた後、けん化する方法が挙げられる。本
発明において用いるアミノ基変性ポリビニルアルコール
は、本発明の目的を損わない範囲においてアミノ基以外
の他の官能基を有していても差しつかえない。このよう
な官能基としては長鎖アルキル基、シラン基、スルホン
酸基、カルボキシル基、4級アンモニウム塩等が挙げら
れる。また反応は溶液均一下でもPVAが溶解しない固
液均一化で行っても良い。また必要によってはギ酸、酢
酸、塩酸などの酸やトリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、ピリジン、イミダゾール、2メチルイミダゾールな
どのアルカリなどの触媒を加えても何ら差しつかえな
い。
【0019】(ポリ)アルキレンオキサイドを分子内に
有するエポキシ化合物のエポキシ環とアミノ基変性ポリ
ビニルアルコールのアミノ基との反応は水、ジメチルス
ルホキシド、N−メチル−2−ピロリドンなどの溶媒中
で、行われる。上記の溶媒のなかでも水またはジメチル
スルホキシドが好ましい。エポキシ化合物に対するアミ
ノ基変性ポリビニルアルコールのアミノ基のモル比は
0.1〜100が好ましく、1〜50がより好ましい。
溶媒中のアミノ基変性ポリビニルアルコールの濃度は、
溶液均一化で反応させる場合には0.01〜50重量%
程度、好ましくは1〜30重量%に調節する。反応温度
は0〜300℃が好ましく、30〜200℃がより好ま
しい。反応時間は0.01〜200時間が好ましく、
0.5〜100時間がより好ましい。得られたポリビニ
ルアルコール系重合体は従来公知の方法により精製され
る。
【0020】次に、側鎖に(ポリ)アルキレンオキサイ
ドを有するポリビニルエステル系重合体の製造方法につ
いて説明する。本発明の(ポリ)アルキレンオキサイド
を有するポリビニルエステルの製造方法としては特に制
限はないが、上記の方法によって得られた側鎖に(ポ
リ)アルキレンオキサイドを有し、けん化度50モル%
以上のポリビニルアルコール系重合体を再エステル化す
ることにより得られる。再エステル化は、側鎖に(ポ
リ)アルキレンオキサイドを有し、けん化度50モル%
以上のポリビニルアルコール系重合体を無水酢酸、塩化
アセチルなどの有機酸と反応させることにより行う。こ
の際、ピリジン、トリエチルアミンなどの反応助剤を添
加しても良く、またポリビニルアルコール系重合体をジ
メチルスルホキシド、酢酸などの溶媒に溶解し、均一溶
液下で反応を行ってもよい。ポリビニルアルコール系重
合体と有機酸との仕込比については特に制限はないが、
ポリビニルアルコール系重合体1gに対して有機酸0.
1〜50g、好ましくは1〜30gの範囲から目的とす
るポリビニルエステル系重合体のけん化度に応じて適宜
選択する。反応温度は0〜300℃が好ましく、50〜
200℃がより好ましい。反応時間は0.01〜200
時間が好ましく、1.0〜100時間がより好ましい。
なお、上記の再エステル化を行うにあたっては窒素など
の不活性ガスでシールするのが好ましい。得られたポリ
ビニルエステル系重合体は従来公知の方法により精製さ
れる。
【0021】次に本発明の感光性組成物について説明す
る。本発明の感光性組成物は (a)前記の化3または化4で表される構造単位を含有
するポリビニルアルコール系重合体、(b)ラジカル重
合可能なエチレン性二重結合を有する不飽和化合物、お
よび(c)光重合開始剤からなることを特徴とする。
【0022】感光性組成物において用いられる(a)ポ
リビニルアルコール系重合体としては、前記の側鎖に
(ポリ)アリキレンオキサイドを有するポリビニルアル
コール系重合体の欄において記載したポリビニルアルコ
ール系重合体が用いられる。そのなかでも水溶性または
水分散性の組点から、ポリビニルアルコール系重合体の
けん化度は65モル%以上が好ましく、(ポリ)アルキ
レンオキサイドを有する構造単位における(ポリ)アル
キレンオキサイドの重合度nとしては、1〜500が好
ましく、1〜400がより好ましく、1〜300がより
好ましく、2〜200がより好ましく、3〜100が最
も好ましい。
【0023】本発明の感光性組成物において使用される
(b)ラジカル重合可能なエチレン性二重結合を有する
不飽和化合物(以下、重合性モノマーと略記することが
ある)としては、光重合開始剤によるラジカル重合が可
能なものであれば使用可能であるが、本発明の(a)ポ
リビニルアルコール系重合体や(c)光重合開始剤と相
溶性のよいものが好んで用いられる。重合性モノマーの
具体例としては、エチレングリコールアクリレート、エ
チレングリコールメタクリレート、エチレングリコール
ジメタクリレート、トリエチレングリコールメタクリレ
ート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリ
エチレングリコールメタクリレート、ポリエチレングリ
コールジメタクリレート、β−オシプロピルメタクリレ
ート、β−オキシエチルメタクリレート、およびN−β
−オキシエチルアクリルアミド、N−オキシメチルアク
リルアミド、N,N’−ビス(β−オキシエチル)アク
リルアミド、N−γ−オキシプロピルアクリルアミド、
N−p−オキシフェニルアクリルアミド、N−β−オキ
シエチル−N’−メチルアクリルアミド、およびこれら
に対応するメタクリルアミド誘導体、アクリルアミド、
メタクリルアミド、m−キシリレンビスアクリルアミ
ド、p−キシリレンビスメタクリルアミド、m−フェニ
レンビスアクリルアミド、エチレンジアミンビスアクリ
ルアミド、ヘキサメチレンジアミンビスメタクリルアミ
ド等が挙げられる。これらの重合性モノマーは単一もし
くは混合して使用される。
【0024】本発明の感光性組成物において使用される
(c)光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、
ベンゾイン、p,p’−ジメチルベンゾイン、ベンゾイ
ルメチルエーテル、ベンゾイルイソプロピルエーテル、
アシロインまたは核置換芳香族アシロインあるいはアシ
ロインアルキルエーテル、ジアセチル、ベンジル、ケト
アルドニル化合物、1,1’−アゾシクロヘキサンカル
ボニトリル、アゾニトリル、9,10−アントラキノ
ン、クロルアントラキノン、1,4−ナフトキノン、
9,10−フェナントレキノン等が挙げられる。
【0025】本発明の(a)前記の化3または化4で表
される構造単位を有するポリビニルアルコール系重合
体、(b)ラジカル重合可能なエチレン性二重結合を有
する不飽和化合物および(c)光重合開始剤からなる感
光性組成物は(a)成分100重量部あたり、(b)成
分30〜250重量部、(c)成分0.01〜15重量
部の範囲で使用されるのが好ましい。さらに(a)成
分、(b)成分および(c)成分以外の成分、たとえば
通常のポリビニルアルコール系重合体やポリアミド系重
合体等を本発明の主旨を損なわない範囲内で使用するの
は何らさしつかえない。 本発明の感光性組成物は、貯
蔵安定性を向上させる目的で公知の熱重合防止剤あるい
は貯蔵安定剤を含有してもよく、必要に応じて着色剤、
顔料、可塑剤等の他の添加物を含有してもよい。
【0026】本発明の感光性組成物の具体的な使用法の
1例としては、(a)本発明のポリビニルアルコール系
重合体に、(b)ラジカル重合可能なエチレン性二重結
合を有する不飽和化合物および(c)光重合開始剤を添
加し、水に溶解させた後、溶液をアルミ板などの基板上
に塗布して乾燥することにより感光性樹脂板を得る。得
られた感光性樹脂板に、水銀灯等を照射し硬化膜を得た
後、未硬化部を水洗することにより版材を得ることがで
きる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
なお、以下で「部」または「%」は特にことわりのない
限り、「重量部」または「重量%」をそれぞれ意味す
る。 実施例1 前記の化6で表される構造単位において、R1=H、R2
=CH3である構造単位を3モル%含有し、けん化度9
9.9モル%および重合度2000のアミノ基変性ポリ
ビニルアルコール(アミノ基を有する構造単位およびビ
ニルアルコール単位以外の単位はビニルアセテート単
位。以下の実施例2以下も同じ。)100gを水190
0gに添加し、90℃で加熱し、撹拌溶解した。アミノ
基変性ポリビニルアルコールが溶解後、メトキシポリオ
キシエチレングリシジルエーテル(エチレンオキサイド
の重合度n=25)457.5gを添加し、90℃で反
応を行った。反応開始6時間後に撹拌を停止し、反応液
を多量のアセトンに投入し、ポリマーを再沈させ十分に
洗浄、乾燥を行うことによりポリエチレンオキサイドを
有する構造単位を含有するポリビニルアルコール系重合
体(以下、重合体[A]と略記する)を得た。アミノ基
変性ポリビニルアルコールのD2O中で測定した1H−N
MRスペクトル(日本電子(株)製、型式GSX−27
0にて測定した。以下、同一の装置を用いた。)を図1
に示す。図1のスペクトル中、δ1.5〜1.8ppm
のピークはメチレン基を、δ2.5ppmのピークはN
−メチル基を、δ4.0ppmのピークはメチン基をそ
れぞれ示している。また、重合体[A]のD2O中で測
定した1H−NMRスペクトルを図2に示す。
【0028】図−2のスペクトル中、δ1.5〜1.8
ppmのピークはメチレン基を、δ2.73ppmおよ
び、2.92ppmのピークはN−メチル基を、δ3.
7ppmのピークはポリアルキレンオキサイド中のメチ
レン基を、δ=4.0ppmのピークはメチン基をそれ
ぞれ示している。δ=3.7ppmのピークよりポリア
ルキレンオキサイドが存在することが確認できた。図−
2よりアミノ基変性ポリビニルアルコールのアミノ基の
反応率は40%であり、ポリアルキレンオキサイドを有
する構造単位の含有量は1.2モル%であった。また重
合体[A]のけん化度は99.9モル%、重合度195
0であった。
【0029】実施例2 前記の化6で表される構造単位において、R1=H、R2
=CH3である構造単位を3モル%含有し、けん化度9
9.9モル%および重合度2000のアミノ基変性ポリ
ビニルアルコール100gを水1900gに添加し、9
0℃で加熱し、撹拌溶解した。アミノ基変性ポリビニル
アルコールが溶解後、メトキシポリオキシエチレングリ
シジルエーテル(エチレンオキサイドの重合度n=2
5)457.5gを添加し、90℃で反応を行った。反
応開始12時間後に撹拌を停止し、反応液を多量のアセ
トンに投入し、ポリマーを再沈させ十分に洗浄、乾燥を
行うことによりポリエチレンオキサイドを有する構造単
位を2.7モル%含有し、けん化度99.9モル%およ
び重合度1950のポリビニルアルコール系重合体を得
た。
【0030】比較例1 けん化度99.9モル%および重合度1750のポリビ
ニルアルコール100gを水1900gに添加し、90
℃で加熱し、撹拌溶解した。ポリビニルアルコールが溶
解後、メトキシポリオキシエチレングリシジルエーテル
(エチレンオキサイドの重合度n=25)457.5g
を添加し、90℃で反応を行った。反応開始6時間後、
撹拌を停止し、反応液を多量のアセトンに投入し、ポリ
マーを再沈させて十分に洗浄、乾燥を行うことにより、
ポリビニルアルコール系重合体(以下、重合体[B]と
略記する)を得た。重合体[B]のD2O中で測定した1
H−NMRスペクトルを図−3に示す。図−3のスペク
トル中、δ1.5〜1.8ppmにピークはメチレン基
を、δ4.0ppmのピークはメチン基をそれぞれ示
す。δ3.7ppmにピークが見られないことから重合
体[B]中にポリアルキレンオキサイドが含まれていな
いことが明らかである。
【0031】実施例3 前記の化6で表される構造単位において、R1=CH3
2=C25である構造単位を30モル%含有し、けん
化度96.0モル%および重合度1500のアミノ基変
性ポリビニルアルコール50gを水450gに添加し、
90℃で加熱し、撹拌溶解した。アミノ基変性ポリビニ
ルアルコールが溶解後、ドデシルオキシポリオキシエチ
レングリシジルエーテル(エチレンオキサイドの重合度
n=15)250gを添加し、90℃で反応を行った。
反応開始3時間後に撹拌を停止し、反応液を多量のアセ
トンに投入し、ポリマーを再沈させ十分に洗浄、乾燥を
行うことにより、ポリエチレンオキサイドを有する構造
単位を23モル%含有し、けん化度96.0モル%およ
び重合度1500のポリビニルアルコール系重合体を得
た。
【0032】実施例4 前記の化6で表される構造単位において、R1=H、R2
=CH3である構造単位を9.0モル%含有し、けん化
度53.0モル%および重合度4000のアミノ基変性
ポリビニルアルコール100gを水900gに添加し、
90℃で加熱し、撹拌溶解した。アミノ基変性ポリビニ
ルアルコールが溶解後、ヒドロキシポリオキシエチレン
グリシジルエーテル(エチレンオキサイドの重合度n=
5)22.0gを添加し、90℃で反応を行った。反応
開始9時間後に撹拌を停止し、反応液を多量のアセトン
に投入し、ポリマーを再沈させ十分に洗浄、乾燥するこ
とにより、ポリエチレンオキサイドを有する構造単位を
8.8モル%含有し、けん化度53.2モル%および重
合度3800のポリビニルアルコール系重合体を得た。
【0033】実施例5 前記の化6で表される構造単位においてR1=CH3、R
2=C37である構造単位を1.5モル%含有し、けん
化度64.2モル%および重合度20のアミノ基変性ポ
リビニルアルコール10gをジメチルスルホキシド99
0gに添加し、90℃で加熱し、撹拌溶解した。アミノ
基変性ポリビニルアルコールが溶解後、エトキシポリオ
キシプロピレングリシジルエーテル(プロピレンオキサ
イドの重合度n=300)50gを添加し、室温で反応
を行った。反応開始24時間後に撹拌を停止し、反応液
を多量のアセトンに投入し、ポリマーを再沈させ十分に
洗浄、乾燥することにより、ポリエチレンオキサイドを
有する構造単位を1.02モル%含有し、けん化度6
4.0モル%および重合度20のポリビニルアルコール
系重合体を得た。
【0034】実施例6 前記の化7で表される構造単位において、R1=H、R2
=H、R5=CH2である構造単位を2.8モル%含有
し、けん化度99.9モル%および重合度300のアミ
ノ基変性ポリビニルアルコール20gを水180gに添
加し、90℃で加熱し、撹拌溶解した。アミノ基変性ポ
リビニルアルコールが溶解後、メトキシポリオキシエチ
レングリシジルエーテル(エチレンオキサイドの重合度
n=25)20gを添加し、90℃で反応を行った。反
応開始6時間後に撹拌を停止し、反応液を多量のアセト
ンに投入し、ポリマーを再沈させ十分に洗浄、乾燥させ
ることにより、ポリエチレンオキサイドを有する構造単
位を2.76モル%含有し、けん化度99.9モル%お
よび重合度300のポリビニルアルコール系重合体を得
た。
【0035】実施例7 前記の化6で表される構造単位において、R1=H、R2
=CH3である構造単位を3.4モル%含有し、けん化
度99.9モル%および重合度1700のアミノ基変性
ポリビニルアルコール10gをメタノール10gに浸漬
し、メトキシポリオキシエチレングリシジルエーテル
(エチレンオキサイドの重合度n=25)50gを添加
し、50℃で反応を行った。反応開始24時間後に反応
液を多量のアセトンで洗浄、乾燥することにより、ポリ
エチレンオキサイドを有する構造単位を2.5モル%含
有し、けん化度99.9モル%および重合度1650の
ポリビニルアルコール系重合体を得た。
【0036】実施例8 前記の化6で表される構造単位において、R1=H、R2
=CH3である構造単位を3.0モル%含有し、けん化
度99.9モル%および重合度2000のアミノ基変性
ポリビニルアルコール10gを水990gに添加し、9
0℃で加熱し、撹拌溶解した。アミノ基変性ポリビニル
アルコールが溶解後、10−エポキシ−1−メトキシポ
リオキシエチレンデカン(エチレンオキサイドの重合度
n=75)100gを添加し、90℃で反応を行った。
反応開始6時間後に撹拌を停止し、反応液を多量のアセ
トンに投入し、ポリマーを再沈させ十分に洗浄、乾燥す
ることにより、ポリエチレンオキサイドを有する構造単
位を1.3モル%含有し、けん化度99.9モル%およ
び重合度1980のポリビニルアルコール系重合体を得
た。
【0037】実施例9 前記の化6で表される構造単位においてR1=H、R2
25である構造単位を4.5モル%含有し、けん化度
99.9モル%および重合度1000のアミノ基変性ポ
リビニルアルコール10gを水990gに添加し、90
℃で加熱し、撹拌溶解した。アミノ基変性ポリビニルア
ルコールが溶解後、15−エポキシ−1−ヒドロキシポ
リオキシエチレンペンタデカン(エチレンオキサイドの
重合度n=40)200gを添加し、90℃で反応を行
った。反応開始12時間後に撹拌を停止し、反応液を多
量のアセトンに投入し、ポリマーを再沈させ十分に洗
浄、乾燥することにより、ポリエチレンオキサイドを有
する構造単位を3.5モル%含有し、けん化度99.9
モル%および重合度970のポリビニルアルコール系重
合体を得た。
【0038】実施例10 実施例1で得られたポリビニルアルコール系重合体10
gを無水酢酸160gに浸漬し、ピリジン4gを添加し
た後、105℃で24時間撹拌した。得られた反応物を
蒸留水で十分に洗浄し、50℃の真空下で乾燥すること
により、ポリエチレンオキサイドを有する構造単位を
1.2モル%含有し、けん化度0モル%および重合度1
900のポリビニルエステル系重合体を得た。
【0039】実施例11 実施例6で得られたポリビニルアルコール系重合体5g
を無水酢酸40gに浸漬し、90℃で12時間撹拌し
た。得られた反応物を蒸留水で十分に洗浄し、50℃の
真空下で乾燥することにより、ポリエチレンオキサイド
を有する構造単位を2.5モル%含有し、けん化度30
モル%および重合度1650のポリビニルエステル系重
合体を得た。
【0040】実施例12 ポリビニルアルコール系重合体 100部 (実施例1の方法により得られた前記の化3(R1
H、R2=CH3、R3=CH2、R4=CH3、(X)は重
合度n=25のポリエチレンオキサイド)で表される構
造単位を1.2モル%含有し、けん化度88モル%およ
び重合度350のポリビニルアルコール系重合体) β−オキシエチルメタクリレート 90部 エチレングリコールジメタクリレート 10部 メチルヒドロキノン 0.05部 ベンゾインイソプロピルエーテル 3部 水 200部 上記の配合組成物をフラスコ中で90℃で加熱し、撹拌
溶解した。得られたポリビニルアルコール系重合体溶液
を脱泡後、アルミ板上に塗布し、80℃で30分間乾燥
することにより、厚さ0.5mmの感光性樹脂板を得
た。得られた感光性樹脂板について下記の評価を行っ
た。結果を表1に示す。樹脂板の透明性:目視観察によ
り判定した。感光性樹脂板にネガを密着させて320〜
400mμの波長を有する水銀灯で3分間照射した後、
未露光部を25℃の水で5分間水洗して網点再現性を観
察した。柔軟性:感光性樹脂板に320〜400mμの
波長を有する水銀灯を10分間照射することにより全面
露光した硬化膜を得た。得られた硬化膜5℃、30%R
Hの条件下で調湿した後、柔軟性を調べた。
【0041】実施例13 ポリビニルアルコール系重合体として、実施例1の方法
により得られた前記の化3(R1=CH3、R2=CH3
3=CH2、R4=H、(X)は重合度n=40のポリ
エチレンオキサイド)で表される構造単位を5.0モル
%含有し、けん化度99.9モル%および重合度100
0のポリビニルアルコール系重合体を用いた以外は実施
例12と同様にして得られた感光性樹脂板の評価を実施
例12と同様の方法により行った。結果を表1に示す。
【0042】実施例14 ポリビニルアルコール系重合体として、実施例6の方法
により得られた前記の化4(R1=H、R2=C25、R
3=CH2、R4=C25、R5=CH2、(X)は重合度
n=50のポリプロピレンオキサイド)で表される構造
単位を20モル%含有し、けん化度78.5モル%およ
び重合度2400のポリビニルアルコール系重合体を用
いた以外は実施例12と同様にして得られた感光性樹脂
板の評価を実施例12と同様の方法により行った。結果
を表1に示す。
【表1】
【0043】実施例15 ポリビニルアルコール系重合体として、実施例1の方法
により得られた前記の化3(R1=H、R2=CH3、R3
=CH2、R4=CH3、(X)は重合度n=40のポリ
エチレンオキサイド)で表される構造単位を1.0モル
%含有し、けん化度99.9モル%および重合度100
0のポリビニルアルコール系重合体を用いた以外は実施
例12と同様にして得られた感光性樹脂板の評価を実施
例12と同様の方法により行った。さらに以下の方法に
より耐水性テストも行った。耐水性テスト:柔軟性テス
トに供した硬化膜を90℃の熱水中に2時間浸漬し、熱
水に抽出されたポリビニルアルコール系重合体の重量を
調べた。結果を表2に示す。
【0044】実施例16 ポリビニルアルコール系重合体として、実施例6の方法
により得られた前記の化4(R1=H、R2=CH3、R3
=CH2、R4=CH3、R5=CH2、(X)は重合度n
=30のポリプロピレンオキサイド)で表される構造単
位を3モル%含有し、けん化度88.8モル%および重
合度500のポリビニルアルコール系重合体を用いた以
外は実施例15と同様にして得られた感光性樹脂板の評
価を実施例15と同様の方法により行った。結果を表2
に示す。
【0045】比較例2 ポリビニルアルコール系重合体として、けん化度88モ
ル%および重合度550の無変性ポリビニルアルコール
を用いた以外は実施例15と同様にして得られた感光性
樹脂板の評価を実施例15と同様の方法により行った。
結果を表2に示す。
【0046】比較例3 ポリビニルアルコール系重合体として、けん化度99.
9モル%および重合度1750の無変性ポリビニルアル
コールを用いた以外は実施例15と同様にして得られた
感光性樹脂の評価を実施例15と同様の方法により行っ
た。結果を表2に示す。
【0047】比較例4 ポリビニルアルコール系重合体として、分子内にポリオ
キシエチレンビニルエーテル(ポリオキシエチレンの重
合度n=9)単位を3.2モル%含有し、けん化度9
9.0モル%および重合度250のポリビニルアルコー
ル系重合体を用いた以外は実施例15と同様にして得ら
れた感光性樹脂板の評価を実施例15と同様の方法によ
り行った。結果を表2に示す。
【0048】比較例5 ポリビニルアルコール系重合体として、けん化度80モ
ル%および重合度250のポリビニルアルコール(A)
と共重合体(B)(メタクリル酸ポリエチレングリコー
ル−メタクリル酸共重合体;共重合組成比(モル%)=
90:10)とのブロック共重合体(共重合組成比(重
量%)(A):(B)=50:50)を用いた以外は実
施例15と同様にして得られた感光性樹脂板の評価を実
施例15と同様の方法により行った。結果を表2に示
す。
【表2】
【0049】
【発明の効果】本発明の側鎖にポリアルキレンオキサイ
ドを有するポリビニルアルコール系重合体は、ポリアル
キレンオキサイドが柔軟であることに由来するためか、
極めて可とう性に優れるとともに、ポリビニルアルコー
ルが本来有している親水性や強靭さも有する。本発明の
側鎖にポリアルキレンオキサイドを有するポリビニルア
ルコール系重合体は、これらの特徴を活かし、繊維、フ
ィルム、感光性樹脂、刷版材、糊剤、紙用コーティング
剤、接着剤、懸濁重合用分散安定剤、乳化重合用分散安
定剤、分散剤などの用途に極めて有用である。さらに、
本発明の側鎖にポリアルキレンオキサイドを有するポリ
ビニルアルコール系重合体の製造方法は比較的温和な条
件で実施可能であり、ポリビニルアルコール系重合体の
分解等の副反応が起きないという特徴を有し、柔軟性お
よび親水性を有する新規な重合体を提供できることか
ら、その工業的意義は大きい。
【0050】また本発明の側鎖にポリアルキレンオキサ
イドを有するポリビニルエステル系重合体は、ポリアル
キレンオキサイドが柔軟であることに由来するためか、
極めて可とう性に優れるとともに、ポリビニルエステル
が本来有している親油性や常温における寸法安定性も有
する。本発明の側鎖にポリアルキレンオキサイドを有す
るポリビニルエステル系重合体は、これらの特徴を活か
し、塗料、接着剤、分散剤、感光性樹脂、繊維処理剤、
紙用サイズ剤などの用途に極めて有用である。また側鎖
にポリアルキレンオキサイドを有さないポリビニルアル
コール系重合体およびポリビニルエステル系重合体が絶
乾時において非常に割れ易いのに比較して、本発明の側
鎖にポリアルキレンオキサイドを有するポリビニルアル
コール系重合体および側鎖にポリアルオレンオキサイド
を有するポリビニルエステル系重合体は、絶乾時におい
ても非常に割れにくいという特徴を有する。
【0051】また本発明の感光性組成物は可撓性および
耐衝撃性が良好であり増感性、耐水性に優れ、特に低温
低湿度下でも充分な柔軟性を有し、割れることがなく、
かつ高級な印字品質を与える感光性樹脂板が得られる。
さらに、本発明の感光性組成物を用いて作製した感光性
樹脂板は光増感性が高く、感光性樹脂板に紫外線を照射
して得られた硬化膜は、耐水性が著しく優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において用いたアミノ基変性ポリビニ
ルアルコールの1H−NMRスペクトルを示す。
【図2】実施例1により得られた重合体[A]の1H−
NMRスペクトルを示す。
【図3】比較例1により得られた重合体[B]の1H−
NMRスペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08F 218:04 226:02) (56)参考文献 特開 昭62−256801(JP,A) 特開 昭62−10104(JP,A) 特開 昭62−74902(JP,A) 特開 昭59−155408(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08F 8/00 - 8/50 C08F 216/06 C08G 81/02

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の化1で表される構造単位を0.1
    〜30モル%含有し、けん化度50モル%以上および重
    合度10以上のポリビニルアルコール系重合体。 【化1】
  2. 【請求項2】 下記の化2で表される構造単位を0.1
    〜30モル%含有し、けん化度50モル%以上および重
    合度10以上のポリビニルアルコール系重合体。 【化2】
  3. 【請求項3】 請求項1記載の化1で表される構造単位
    を0.1〜30モル%含有し、けん化度50モル%未満
    および重合度10以上のポリビニルエステル系重合体。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の化2で表される構造単位
    を0.1〜30モル%含有し、けん化度50モル%未満
    および重合度10以上のポリビニルエステル系重合体。
  5. 【請求項5】 (ポリ)アルキレンオキサイドを分子内
    に有するエポキシ化合物のエポキシ環とアミノ基変性ポ
    リビニルアルコールのアミノ基とを反応させることを特
    徴とする側鎖に(ポリ)アルキレンオキサイドを有する
    ポリビニルアルコール系重合体の製造方法。
  6. 【請求項6】 (a)請求項1記載の化1または請求項
    2記載の化2で表される構造単位を含有するポリビニル
    アルコール系重合体、(b)ラジカル重合可能なエチレ
    ン性二重結合を有する不飽和化合物、および(c)光重
    合開始剤からなる感光性組成物。
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