JP2004502170A - O2を排出するためのPt/Au電極およびその製造方法 - Google Patents

O2を排出するためのPt/Au電極およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

使用する場合に他の酸素含有ガス成分の存在でO含有ガス混合物からOを電気化学的に排出できるPt/Au電極およびこのPt/Au電極を簡単に製造する方法を提供するために、電極の表面がアルカリ金属、アルカリ土類金属または希土類金属の少なくとも1種の化合物で含浸されている、Oを電気化学的に排出するためのPt/Au電極、およびPt/Au電極をアルカリ金属、アルカリ土類金属または希土類金属の少なくとも1種の化合物を含有する溶液と接触させ、過剰の溶剤を除去する、特にこのPt/Au電極を製造する方法が提案される。

Description

【0001】
技術の水準
本発明は、Oを電気化学的に排出するためのPt/Au電極およびこの電極を製造する方法に関する。
【0002】
Pt/Au電極は、例えば米国特許第5672811号明細書および欧州特許公開第0678740号明細書に記載される、排ガス中のNOを測定するセンサーに使用される。センサー内の第1の選択的ポンプセルは排ガスに含まれるOを排出するために用いられる。後方に接続される電位差滴定の測定セルで参照空気に対して所定の電圧が生じるようにポンプ流を調節する。Oは存在するNOを同時に減少せずにできるだけ定量的に排出すべきであり、これにより第2のポンプセルにより測定される本来の(NO)測定信号が劣化しない。選択率を保証するために、固定したAu含量を有するPt/Au電極を使用する。しかしPt電極へのAuの添加が電極の有毒化、すなわちAuのないPt電極の場合よりも少ないOポンプ流を生じることは事実である。センサーの運転のために、これは、第1のポンプセル内のOが場合によっては定量的に排出されず、従ってNO信号が本来のNO還元流および残りのO流から形成されることを意味する。
【0003】
発明およびその利点
本発明の課題は、Pt/Au電極を使用する場合に他の酸素含有ガス成分の存在でO含有ガス混合物からOを電気化学的に排出することができるPt/Au電極を提供し、かつこのPt/Au電極を簡単に製造する方法を提供することである。
【0004】
前記課題は、請求項1の特徴部分の特徴を有する冒頭に記載の形式のPt/Au電極および請求項10の特徴部分の特徴を有する冒頭に記載の形式の方法により解決される。
【0005】
簡単に実施すべき電極表面の含浸は二重の作用を有する。これはAu添加により引き起こされるOポンプ効率の低下を明らかに消失し、その際この作用は減少せず、この作用のためにAu添加が行われ、すなわちNOのような他の酸素含有ガス成分の存在でOの排出の選択率が保証される。
【0006】
表面が希土類金属(SE)の少なくとも1種の化合物で含浸される場合が有利であり、更に有利にはY、La、Pr、GdおよびDyの群からの少なくとも1種のSEの化合物で含浸され、特に有利には少なくともPrの化合物で含浸される。
【0007】
Pt/Au電極がサーメット電極である場合が有利であり、その際セラミック部分がZrOからなり、特にY−安定化ZrOからなる場合が更に有利である。
【0008】
有利なやり方で本発明のPt/Au電極はOを排出するポンプセルに組み込まれ、このポンプセルはO含有ガス混合物中のガス状酸化生成物を測定するセンサーに属する。
【0009】
溶液が大きさの程度に応じて化合物2.5質量%を含有する場合が有利である。
【0010】
有利なやり方で、本発明の方法を、Pt/Au電極が基板の自由に到達可能な表面に被覆されている場合は、基板をPt/Au電極とともに溶液に浸漬し、溶液から取り出し、乾燥するように実施し、またはPt/Au電極が前記センサーの一部である場合は、Pt/Au電極を真空で含浸させ、引き続き加熱下に乾燥する。
【0011】
本発明のPt/Au電極および本発明によるその製造方法の他の有利な構成は従属請求項に示される。
【0012】
図面
以下に本発明を図面に示された実施例により詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明を具体的に説明するための装置の横断面図を示し、
図2は本発明の含浸の際に使用されるSEイオンの種類に依存したOポンプ流のグラフを示し、
図3はNO二重室センサーの部分の横断面図を示し、その際本発明の電極を備えた第1ポンプセルが示され、
図4はPr化合物を含浸する場合の排ガス中のOの濃度に対してOポンプ流をプロットしたグラフを示す。
【0014】
以下に本発明を、まずSE化合物を含浸したPt/Au電極およびその製造方法を例として説明する。本発明がSE化合物により含浸されたPt/Au電極を使用して特に有利に使用することができ、この電極により特に具体的に説明することができるが、この例から請求項の枠内で様々な逸脱が可能であることは明らかである。
【0015】
図1に示される装置1は酸素イオン伝導性を有する、ZrOのようなきわめて気密な固体電解質材料からなる基板2aを有し、この基板の両側の表面に、固定されたAu含量を有する互いに向かい合ったPt電極3および4が被覆されている。有利にはサーメット電極、例えばセラミック成分としてY−安定化ZrOを有するサーメット電極である。両側の電極は電圧源5と電気的に接続されている。
【0016】
基板2aをO含有ガス混合物で洗浄し、図面に示されていない加熱手段を使用して大きさの程度に応じて最低600℃の温度に加熱し、電極に直流電圧を印加する(カソードとして電極3に)場合に、O 流(O ポンプ流)が電極3から電極4へ流れ、この流れを測定装置6で把握する。
【0017】
通常の含浸されていないPt/Au電極を使用する場合に、固定した電圧Uの場合に、Oポンプ流は、特に電極のAu含量に依存する(通常のAu含量は金属含量にもとづいて約0.5〜約5質量%である)。
【0018】
本発明により電極3および4が少なくとも1種のSE化合物で含浸されている場合に、Oポンプ流を減少するAuの影響をかなり減少できることが発明者により確認された。選択的に電極は、アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物または前記化合物の少なくとも2種の混合物で含浸されていてもよい。
【0019】
同様に装置1で得られる測定値にもとづく図2のグラフにおいて、Oポンプ流を、種々のSE化合物を用いる(Au1質量%を含有する)電極の本発明による含浸の前(斜線)および後(点状)に、Nおよび500ppmOを含有する測定ガスが通過する場合に固定されて印加される電圧に対してプロットする。このグラフはPr化合物が最もよい結果を達成することを示す。
【0020】
本発明の電極は有利なやり方で、例えば前記の欧州特許明細書および米国特許明細書から公知のNOを測定するセンサーに使用することができる。図3は公知センサー10の断面図を示すが、このセンサーは本発明の電極3および4が備えられている。センサー10は酸化物イオン伝導性を有するZrOのようなきわめて気密の固体電解質材料からなる複数の貼り合わせた層2a〜2cを有する。層2b内の空白は平坦な室7を形成し、この室は層2a内の拡散する目的のガス通過口8(例えば多孔質Al/ZrOからなる)を介して排ガスと接続している。室7は他の拡散する目的のガス透過口9を介して層2b内の空白から形成される他の室10と接続している。室7内に、層2aの表面に、本発明により含浸されるPt/Auサーメット電極3、有利にはセラミック成分としてY−安定化ZrOを有するPt/Auサーメット電極が存在し、これは図1に示される電極3に相当し、層2aの向かい合う表面に被覆され、本発明により含浸される相当する電極4に向かい合っており、この電極は図1の電極4に相当する。両方の電極は図1に示される装置に相当して、電圧源5と電気的に接続している。使用する場合にセンサーが配置されている管を通過して分析すべきガス混合物が流れる。ガス混合物の一部がガス透過口8を介して室7に導入し、電極3を通過して流れ、ガス通過口9を通過して室10に導入し、室10内でNOの還元が行われる。
【0021】
【外1】
Figure 2004502170
【0022】
図1に示されるような装置に属する本発明による電極を製造するために、通常の形式および方法で電極材料を印刷し、焼結した基板2aを、有利にはPr(NOのようなSEの塩の約0.1〜約5質量%の水性溶液に浸漬し、取り出した後に温和な加熱下で乾燥する。
【0023】
図3に断面図で示されるようなセンサーに組み込まれる本発明による電極を製造するために、技術水準により製造された公知のセンサーから出発する。このセンサーは有利には水性の、Pr(NOのようなSE塩の約2.5%溶液に浸漬し、引き続き真空で含浸させ、最後に溶液から取り出した後に温和な加熱下にセンサーの内部で水を蒸発する。選択的に、含浸のために、アルカリ金属の少なくとも1種の化合物の溶液、アルカリ土類金属の少なくとも1種の化合物の溶液またはアルカリ金属化合物、アルカリ土類金属化合物およびSE化合物の群からの少なくとも2種の化合物を含有する溶液を使用することができる。有利にはPr化合物の溶液を使用する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明を具体的に説明するための装置の横断面図である。
【図2】
本発明の含浸の際に使用されるSEイオンの種類に依存したOポンプ流のグラフである。
【図3】
NO二重室センサーの横断面図である。
【図4】
Pr化合物を含浸する場合の排ガス中のOの濃度に対してOポンプ流をプロットしたグラフである。
【符号の説明】
1 装置、 2a 基板、 2b、2c 層、 3,4 電極、 5 電圧源、 6 測定装置、 7 室、 8、9 ガス通過口、 10 センサー

Claims (15)

  1. を電気化学的に排出するためのPt/Au電極において、電極の表面がアルカリ金属、アルカリ土類金属または希土類金属(SE)の少なくとも1種の化合物で含浸されていることを特徴とするOを電気化学的に排出するためのPt/Au電極。
  2. 表面が希土類金属(SE)の化合物で含浸されている請求項1記載のPt/Au電極。
  3. SEがY、La、Pr、GdおよびDyの群から選択される請求項2記載のPt/Au電極。
  4. SEがPrである請求項3記載のPt/Au電極。
  5. 電極がPt/Au−サーメット電極である請求項1から4までのいずれか1項記載のPt/Au電極。
  6. セラミック部分が主にZrOからなる請求項5記載のPt/Au電極。
  7. セラミック部分が主にY−安定化ZrOからなる請求項6記載のPt/Au電極。
  8. 少なくともカソードとして用いられる電極が含浸されている請求項1から7までのいずれか1項記載のPt/Au電極。
  9. 電極がOを排出するポンプセルに組み込まれ、このポンプセルがO含有ガス混合物中の酸素含有ガス成分を測定するセンサーに属する請求項1から8までのいずれか1項記載のPt/Au電極。
  10. 特に請求項1から9までのいずれか1項記載のPt/Au電極を製造する方法において、電極を、アルカリ金属、アルカリ土類金属または希土類金属(SE)の少なくとも1種の化合物を含有する溶液と接触させ、過剰の溶剤を除去することを特徴とするPt/Au電極を製造する方法。
  11. SEがY、La、Pr、GdおよびDyの群から選択される請求項10記載の方法。
  12. SEとしてPrを選択する請求項11記載の方法。
  13. 溶液が大きさの程度に応じて化合物0.1〜5質量%を含有する請求項10から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. Pt/Au電極を基板の自由に到達可能な表面に被覆する場合に、基板を溶液に浸漬し、溶液から取り出し、乾燥する請求項10から13までのいずれか1項記載の方法。
  15. Pt/Au電極が前記センサーの一部である場合に、センサーを溶液に浸漬し、引き続き真空で含浸させ、最後に加熱下に乾燥する請求項10から13までのいずれか1項記載の方法。
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