JP3874947B2 - 二酸化硫黄ガスセンサ - Google Patents
二酸化硫黄ガスセンサ Download PDFInfo
- Publication number
- JP3874947B2 JP3874947B2 JP31956198A JP31956198A JP3874947B2 JP 3874947 B2 JP3874947 B2 JP 3874947B2 JP 31956198 A JP31956198 A JP 31956198A JP 31956198 A JP31956198 A JP 31956198A JP 3874947 B2 JP3874947 B2 JP 3874947B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sulfur dioxide
- dioxide gas
- electrode
- gas
- measuring
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Images
Classifications
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N27/00—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
- G01N27/26—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
- G01N27/403—Cells and electrode assemblies
- G01N27/406—Cells and probes with solid electrolytes
- G01N27/407—Cells and probes with solid electrolytes for investigating or analysing gases
- G01N27/4073—Composition or fabrication of the solid electrolyte
- G01N27/4074—Composition or fabrication of the solid electrolyte for detection of gases other than oxygen
-
- G—PHYSICS
- G01—MEASURING; TESTING
- G01N—INVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
- G01N27/00—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
- G01N27/26—Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
- G01N27/403—Cells and electrode assemblies
- G01N27/406—Cells and probes with solid electrolytes
- G01N27/407—Cells and probes with solid electrolytes for investigating or analysing gases
- G01N27/4075—Composition or fabrication of the electrodes and coatings thereon, e.g. catalysts
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃焼機関等の排気ガスあるいは空気中の二酸化硫黄(SO2)ガスの濃度を測定するためのSO2ガスセンサに関するものであり、さらに詳しくは、並存する酸素(O2)のSO2ガス測定値への影響を小さくし、かつ600℃〜900℃という高温でも動作可能なSO2ガスセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
火力発電用ボイラやゴミ焼却施設において、環境保全の観点から排ガス中のNOXやSO2などの有害ガスの排出基準が定めており、排出基準が守られていることを証するために各施設はこれら有害ガスの排ガス中の濃度をモニターすることが義務づけられている。火力発電所やゴミ焼却施設では、大気汚染性のこれらガスのモニターには、非分散赤外線吸収式(NDIR式)の測定装置を用いている。しかし、この測定装置は排ガス中に直接挿入する方式ではないため、排ガスを吸収ポンプでサンプリングし、煙道(排ガス通路)から離れた場所で分析を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記のNDIR式の測定装置においてはサンプリング装置が高温にさらされるために、かなりの高頻度で保守点検することが必要であり、かつ、その保守点検をボイラや焼却施設の運転を停止することなく実施することは種々の制約から困難である。
また、装置それ自体も排ガス中のダスト分の除去や水分の除去のためのガス前処理部を必ず設けざるを得ないため、吸収ポンプの使用とあいまって必然的に装置が大型化し、また高価となるという欠点がある。
更に、万が一、燃焼設備の突発的な異常等により排ガス中のSO2などの有害ガスの濃度が危険水準近くになった場合でも、吸収ポンプを用いて吸収し、吸収した排ガス中の濃度を測定するという操作をとらざるを得ないため、応答時間の遅れを回避することは困難であり、異常等に対応するのにタイムラグが生ずるため、不測の事態を招きかねないというリスクがある。
加えて、同装置に使用するセンサに対してはCO2や排ガス中に不可避的に排出される炭化水素類などが干渉し、正確な測定を期し得ないという欠点がある。
【0004】
また、JIS B7981「排ガス中の二酸化硫黄自動計測器」に記載されているその他の測定方法としては、(1)溶液導電式、(2)紫外線吸収式、(3)定電位電解式があるが、上記の非分散赤外線吸収式と同様にサンプリングに関する問題点があり、また、それぞれの方式毎にそれぞれ特有の干渉ガスの影響がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、火力発電施設やゴミ焼却施設の排ガス中に含まれるSO2ガスの濃度を適正に測定するSO2ガスセンサおよびそのSO2ガスセンサを用いたSO2ガス濃度の測定装置を提供するものである。すなわち、本発明によれば、酸素イオン伝導性を有する固体電解質と、当該固体電解質の表面の少なくとも一部に電気的に接続される、SO2ガス測定用の検知極および基準極を有するSO2ガスセンサであって、当該検知極に金または金合金とガラス成分を併用することを特徴とするSO2ガスセンサおよび同ガスセンサを搭載したSO2ガス濃度測定装置、が提供される。
【0006】
また、本発明によれば、酸素イオン伝導性を有する固体電解質と、当該固体電解質の表面の少なくとも一部に電気的に接続される、SO2ガス測定用の検知極と基準極および酸素測定用の検知極、および/または基準極とを有するSO2ガスセンサであって、当該SO2ガス測定用の検知極に金または金合金とガラス成分を併用することを特徴とするSO2ガスセンサおよび同ガス濃度測定装置、が提供される。
【0007】
さらに、本発明によれば、酸素イオン伝導性を有する固体電解質と、当該固体電解質の表面の少なくとも一部に電気的に接続される、SO2ガス測定用の検知極、基準極、および酸素測定用の検知極、基準極と、測定雰囲気における酸素濃度制御用の酸素ポンプセルとを有するSO2ガスセンサであって、当該SO2ガス測定用の検知極に金または金合金とガラス成分を併用することを特徴とするSO2ガスセンサ、が提供される。なお、前記SO2ガスセンサに設置される酸素ポンプセルに用いられる電極としてはSO2ガスを酸化しない金属酸化物電極であることが好ましい。
【0008】
上述したSO2ガスセンサの検知極の表面にはガス拡散律速層を設けることが好ましい。また、センサの構造として、SO2ガス測定用の検知極と基準極の両方の電極が、該固体電解質の同一面上に配置された構造としてもよい。さらに、該SO2ガス測定用の検知極と基準極に加えて、SO2ガス測定用の参照極を設けた三電極構造としてもよい。
【0009】
本発明のSO2ガスセンサにおいては、SO2測定用の検知極と基準極間に一定電流を流し、このときの該検知極におけるSO2ガスの吸着/酸化による起電力変化を測定する方法が用いられ、これによってSO2の検出感度を向上させることが可能である。または、該検知極と該基準極間を一定の電圧に保持したときに、該検知極におけるSO2ガスの酸化反応による電流変化を測定することによっても、SO2の検出感度の向上が図られ、濃度測定を良好に行うことが可能である。
【0010】
さらに、SO2測定用電極に加えて、酸素測定用の電極を備えた本発明のSO2ガスセンサにおいては、SO2濃度と酸素濃度とを同時に測定するとともに、酸素濃度の測定結果によってSO2濃度の補正を行う測定方法が採用される。また、SO2測定用電極に酸素測定用の参照極を加えた電極構造の場合には、SO2ガス測定用の検知極および基準極間に一定の電流を流して参照極と検出極との間の電圧を測定することにより、あるいは検知極と参照極間を一定の電圧に保持して検知極と参照極間の電流を測定することにより、検知極でのSO2ガスの反応のみを分離してより高精度に測定することが可能である。したがって、本発明においては、SO2ガスセンサの構造に応じて、上述した測定方法を組み合わせて応用することによって測定精度を向上させることが可能である。
【0011】
上記のSO2ガスセンサの構成部材の一つである固体電解質は、酸化ジルコニウムと安定化剤とから構成されていることが好ましく、該安定化剤としては、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化スカンジウム、希土類金属酸化物が好適に用いられる。また、SO2ガス測定用の検知極以外の電極としては、多孔性白金、または多孔性白金と該固体電解質と同じ材料との混合物から構成されるサーメット電極を使用することが好ましい。さらに、該固体電解質の近傍に、あるいは同固体電解質と一体的に設けられた温度測定用素子とヒータにより、該固体電解質を600℃〜900℃の一定温度に加熱・保温することができる構造とした場合には、測定値の温度依存性の低減にも対処することが可能となる。
【0012】
SO2ガス測定用の検知極を固体電解質の上に形成するに際しては、固体電解質を予め化学エッチング等の処理に供することにより図13に模式的に示したようにその表面を粗面化し、同固体電解質と同検知極との密着性を高めると共に、同検知極と固体電解質とSO2ガスの三者の接触界面の面積を増大させることにより更にSO2ガスの検出感度を向上させることができる。
エッチングに代えて、例えば特定の平均粒径を有するAuまたはAu合金の微粒子からなる層を固体電解質上に配置し、その上に電極膜を配置することによっても、同一の効果が発揮される。
【0013】
本発明によれば、上記の酸素ガスセンサを特開平1−250753号公報に開示されている測定雰囲気に直接挿入する直入型や特開平3−277957号公報に開示されている測定雰囲気の近傍に配置させ、測定する気体の流速を利用して測定気体を装置内に取り入れて測定する直結型の燃焼排ガス中のガス成分濃度の測定装置用のセンサとして使用することにより、より正確な二酸化硫黄濃度の測定ができるので、排ガス中のより正確な二酸化硫黄の濃度管理が達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
上述の通り、本発明によれば、燃焼機関あるいは空気中の二酸化硫黄(SO2)ガスの濃度を測定する場合に、SO2ガス測定用の検知極に、従来から使用される白金よりも触媒性の低い金または金合金からなる金属材料とガラス成分とから形成した電極を用いることによって、酸素(O2)濃度のSO2ガス濃度測定値への影響を小さくすることができ、さらにセンサの作動温度を600℃〜900℃へ高温化できるという利点がある。
また、SO2ガス測定用の検知極および基準極間に一定の電流を流すか、または検知極と基準極間を一定の電圧に保持することにより、検知極内でSO2ガスの酸化反応を促進して、SO2ガスセンサのSO2ガスに対する感度を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0015】
図1は、本発明のSO2ガスセンサの基本構造を示す断面図である。固体電解質板1と、同固体電解質板1を挟み込む一対の電極である基準極2と検知極3とが該固体電解質板1のそれぞれの表面に形成される。このとき、基準極2は基準ガス側に、検知極3は測定ガス側に形成され、それぞれの電極にはリード線4、5が取り付けられる。また、固体電解質板1は基体6に嵌挿されて測定ガス領域と基準ガス領域との隔壁の役割をも果たしている。
【0016】
固体電解質板1としては、酸素イオン伝導性を有する材料であればよく、酸化ジルコニウム、酸化ビスマス、酸化セリウムが例としてあげられるが、本発明においては、高温安定性、化学的安定性に優れた安定化ジルコニアが好適に使用される。安定化ジルコニアとは、純粋な酸化ジルコニウムは約1000℃において、単斜晶と正方晶との間で体積変化を伴うマルテンサイト型相転移を起こし、この相転移のときにクラックの発生が生ずるので、これを防止するために、安定化剤と呼ばれる2価または3価の金属酸化物を固溶させて、酸化ジルコニウムの高温安定相である立方晶を全温度範囲で安定相とさせたものである。また、このような安定化剤の固溶は、酸素欠陥を生じさせ、イオン伝導度を向上させる役割をも果たす。本発明における安定化剤としては、酸化マグネシウム(MgO)、酸化カルシウム(CaO)、酸化イットリウム(Y2O3)、酸化セリウム(CeO2)、酸化スカンジウム(Sc2O3)および希土類酸化物が好適に用いられる。
【0017】
また、固体電解質板1の作製方法としては、公知の種々の方法、例えば、プレス成形法、鋳込み成形法、あるいは押出成形法やドクターブレード法により作製したグリーンシートを打ち抜き加工等することにより、所定形状の成形体を得ることができ、これを脱脂・焼成して作製される。さらに、必要に応じて、研削・研磨加工を行い、試料板が作製される。
【0018】
次に、基準極2は、固体電解質板1に電気的に接続するものであり、また、ガスを拡散/吸着する電極としての機能を必要とするために、多孔性であることが好ましい。この基準極2は基準ガス中のO2をイオン化する電気化学反応の場でもあることから、これに適する材料としては、O2を吸着し、イオン化する性質を有する白金(Pt)が好適に使用される。また、Ptを主成分としたパラジウム(Pd)やロジウム(Rd)等との合金、あるいは、PtおよびPt合金と固体電解質材料とのサーメット材料を使用してもよい。なお、基準極2の材料としてサーメットを使用する理由は、基準ガス中のO2をイオン化する電気化学反応は、ガス相と金属電極と固体電解質の三相界面で起こることから、この反応の場を多く提供することと、電極と固体電解質との密着性の向上および熱膨張係数の整合を図って、高温での使用における熱応力による電極の剥離等を防止することにある。
【0019】
基準極2の固体電解質板1への取り付けは、Ptを含むペーストあるいは、Ptと固体電解質とのサーメットよりなるペーストを固体電解質板1の表面にスクリーン印刷等の方法によって印刷し、ペーストが未乾燥の状態でPtメッシュを当てて乾燥して焼き付ける方法や、PtメッシュをPtを含むスラリーに含浸させたのち、スラリーが未乾燥の状態で固体電解質板1上に載置して焼き付ける等の方法が最も簡易で行い易い。あるいは、これらのペーストをスクリーン印刷した状態のままでも構わない。この焼き付けは、基準極2とは固体電解質板1の反対の面に形成される検知極3の焼き付けと同時に行ってもよいし、逐次、別々に行ってもよい。Ptリード線4の基準極への取付は、基準極がPtメッシュの場合には、予めスポット溶接、アーク溶接等を用いて、Ptリード線4とPtメッシュとを溶接しておく方法が、取り付け強度が高く、好ましい。また、スクリーン印刷のみの電極形成の場合には、焼き付けによりPtリード線4を取り付けることが可能である。その他の電極形成方法としては、Ptメッキ、塩化白金膜の焼付け等をあげることができる。
【0020】
一方、固体電解質板1の基準極2が取り付けられた反対の面には、検知極3が設置される。検知極3も基準極2と同様に、固体電解質板1に電気的に接続し、また、ガス相と金属電極と固体電解質の三者の接触界面において、固体電解質中を移動した酸素イオンと電極中の金属成分に吸着したSO2ガスとが酸化反応を起こしてSO3ガスを脱離する機能を必要とするために、多孔性であることが好ましい。また、これに適する材料としては、共存するO2によるSO2ガスの酸化を促進させない性質を有することが好ましい。即ち、下記化1式に示されるような吸着酸素(O(ad))とSO2ガスとの反応が起こらずに、下記化2式に示される基準極側から固体電解質を移動してきた酸素イオン(O2-)とSO2ガスとが反応してSO3と電子(e-)生成することが好ましく、この生成した電子が、SO2ガス測定に応用される。
【0021】
【化1】
SO2+O(ad)→SO3
【0022】
【化2】
SO2+O2-→SO3+2e-
【0023】
このことから、検知極用の金属としては本発明においては、Auに0.1〜10wt%の他の貴金属を加えたAu合金を用いるとより好ましい。Auに0.1〜10wt%、好ましくは0.1〜5wt%、より好ましくは、0.1〜1wt%の他の貴金属を加えることにより検知極の製造時の高温下でのAu粒子の凝集を抑制し、検知極の多孔質性の保持と検知極の表面積の拡大化が可能となり、結果としてSO2の検出感度をより向上させることができる。
なお、Auと合金化される金属としては、Rh、Pt、Pd、銀(Ag)等が例としてあげられる。このときの、Au含有率としては、90wt%以上、好ましくは95wt%以上、より好ましくは99wt%以上が好適であり、Auの含有率は合金の融点と焼付け温度あるいはセンサの使用温度により適宜選択し定めればよい。係る合金の調製方法としては、常法に従えばよい。
勿論、Au合金に固体電解質板と同じ材料を混合したサーメット電極も好適に用いられる。サーメット材料を使用する理由は基準極2の場合と同様である。
また、Au合金の微粒子を用いて、固体電解質の上に微粒子層を形成させ、その上に、電極膜を形成して検知極を形成する場合には、微粒子を分散させたペーストを固体電解質上に塗布し、これを焼成するか、微粒子層と電極膜を順次塗布して、両者を同時に焼成すればよい。
なお、Au合金の微粒子とは平均粒度が0.01〜10μmまで、好ましくは、0.01〜1μm、より好ましくは0.01〜0.1μmのものをいう。粒子の形状は、必ずしも球形でなくともよく、顆粒状のものや、ラグビーボール様のものでも良い。
【0024】
金または金合金と検知極製造時に併用するガラス成分としては、金または金合金の融点以下で溶融するものであれば、どんな種類のものでも使用可能であるが、ホウ酸鉛ガラスやホウケイ酸ガラスが好適に使用される。
金または金合金とガラス成分を検知極として併用することにより、検知極製造の際、ガス相と金属電極と固体電解質の三者の接触界面にガラス相が析出することによりこの三者の接触界面での可燃性ガス例えばCOガスなどの反応を更に抑制することができるので、可燃性ガスによる干渉影響を低減させることができる。
また、固体電解質よりなる基体と検知極との密着性も向上する。
【0025】
ガラス成分を添加する事による二酸化硫黄検出感度の向上について、Au電極のみを用いたものとの比較において試験をした。被測定ガスとして、二酸化硫黄をそれぞれ0、200、400、600、800および1000ppm含むものを用いて、二酸化硫黄の検出感度を試験し、その結果を図9に示した。この結果から明らかな通り、ガラス成分を用いることで二酸化硫黄の検出感度の向上が認められる。
また、本発明にかかる二酸化硫黄検知極に対する一酸化炭素ガスの影響について検査するために、本発明にかかる検知極と、ガラス成分を用いないAuのみからなる検知極とを用いて、被測定ガス中にCOガスを0、20、40、および80ppm含むものを用いて二酸化硫黄に対する影響を試験して、その結果を図10に示した。この結果から明らかな通り、一酸化炭素が被測定ガス中に80ppmも含まれていても、本発明にかかる検知極の場合には実質的に影響がないことが判明した。
【0026】
なお、ガラス成分を併用する場合の本発明にかかる二酸化硫黄検知極へのガラス成分の添加量は、金または金合金とガラス成分の総量(重量)の1〜10wt%となる範囲内で任意に選択すればよい。
検知極の形成は、金または金合金とガラス成分の混合粉末をペースト状にして固体電解質よりなる基体上に塗布したのち、これを焼成するか、またはこれらの粉末を適当な溶媒に分散させて得られた分散液を固体電解質よりなる基体上に塗布したのち、これを焼成すればよい。
なお、ガラス成分の添加量が1%未満では、固体電解質よりなる基体と検知極との密着性の向上も認められず、可燃性ガス、例えば、一酸化炭素ガスによる干渉影響を低減させる効果も充分でない。また10%を越えると応答遅れや二酸化硫黄ガスの検出感度特性の低下が認められる様になるので、好ましくない。
【0027】
ガラス成分中の酸化鉛の含有率(wt/wt%)によっても、二酸化硫黄ガス検出感度特性や応答特性に影響が見られる。ガラス成分中の酸化鉛の含有率(wt/wt%)は60(wt/wt)%以上、好ましくは60(wt/wt)%以上90(wt/wt)%以下である。60(wt/wt)%未満では、二酸化硫黄ガス検出感度特性には影響は認められないものの、応答遅れが認められるので好ましくない。また、90%を超えると二酸化硫黄ガス検出感度特性や応答特性の点では問題ないものの可燃性ガス、例えば、一酸化炭素ガスの検出感度がやや高くなるので二酸化硫黄ガスの検出感度の影響を及ぼすので好ましくない。
【0028】
検知極3へのリード線5の取り付けは、前述した基準極2の場合と同様にして、電極材としてのAuまたはAu合金を含むペーストあるいはAuと固体電解質とのサーメットよりなるペーストと、AuメッシュまたはAu合金メッシュ、そしてAuリード線5を用いて行うことができる。
【0029】
このようにして電極が取り付けられた固体電解質板1は基体6に嵌挿され、固体電解質板1が基準ガス雰囲気と測定ガス雰囲気とを隔てる隔壁の役割を果たす。固体電解質板1と基体5とのシールは、ガラス融着材等を用いることができる。また、基準ガスとしては、通常は空気が用いられる。このような隔壁型の構造とした場合には、基準ガスと測定ガスのそれぞれのSO2ガス分圧の違いによる起電力を測定することによって、測定ガス中のSO2ガス濃度を測定することが可能であり、このときには基準極2を検知極3と同じ材質で形成しても差し支えない。
【0030】
図2は、本発明の別の実施形態を示しており、有底円筒形とした固体電解質基体11の先端部の内側に基準極12を、その外側に検知極13を設け、各電極からPtリード線14、Auリード線15が引き出された構造を示している。有底円筒形の固体電解質基体11は鋳込み成形、押出成形、射出成形等による成形体を焼成することで容易に作製でき、各電極の取付も、図1の実施形態についての説明と同様に、電極材料を含むペースト等を電極取り付け位置に塗布し、電極材のメッシュを当てて焼き付けることで作製することが可能である。本実施形態も、測定ガスと基準ガスとを隔離する構造であるので、センサは濃淡電池を構成することから、基準極12を検知極13と同様に、AuまたはAu合金よりなる金属材料で構成することも可能である。
【0031】
一方、図3は本発明のさらに別の実施形態を示しており、固体電解質板21の同一表面上に、基準極22と検知極23とが取り付けられ、各電極にはPtリード線24およびAuリード線25が取り付けられている。この場合には基準ガスが必要ではなく、これらのセンサ素子全体が測定ガス雰囲気中に設置される。また、固体電解質板21の形状は板状に限定されず、円筒状、棒状等、特に制約があるものではない。
【0032】
本実施形態の場合には、基準極22と検知極23とは異なる材料で構成することが好ましい。なぜなら、SO2ガスの検知極23上での電極反応と基準極での電極反応の違いにより生ずる起電力を測定することによって、測定ガス中のSO2ガス濃度を測定することができるからである。
【0033】
図4は、SO2ガスとO2ガスが共存する場合において、SO2ガス濃度を測定する態様に関する本発明に係るSO2センサであって、例えば図2に示した実施形態の例に、O2測定用の電極を取り付け、SO2ガス濃度とO2濃度を同時に測定することにより、O2ガス濃度の測定結果を用いて、SO2ガス測定結果に含まれるO2の反応による影響を除外し、補正することによって、SO2ガス濃度単独の測定を可能とした実施形態である。本実施形態においては、SO2ガス測定用の基準極12および検知極13は、前述した図2に示した実施形態と同じものを使用することができる。そして、O2測定用の基準極26および検知極27は、基本的にO2センサであるから、従来のジルコニアO2センサの電極に使用されている多孔性Pt電極が好適に用いられる。また、O2測定用のこれら電極の取り付け方法およびリード線28の取り付け方法は、SO2ガス測定用電極の場合と同様に行うことができ、リード線28としては、Pt線が好適に使用される。なお、本実施の形態は、図1に示した平板状素子についても適用できることは容易に考えられる。また、SO2ガス測定用の基準極とO2測定用の基準極とを共用してもよい。
【0034】
さらに、図5は、2箇所の凹部を有するH型の固体電解質基体31を用いたセンサの実施形態を示している。一つの凹部は基準ガス雰囲気に接するもので、その凹部の底部に多孔性Ptからなる基準極32が設けられ、基準極32には、Ptリード線34が取り付けられている。一方の凹部は測定ガス雰囲気に接し、その凹部の底部にAuまたはAu合金とガラス成分よりなる検知極33が設けられ、検知極33には、Auリード線35が取り付けられている。さらに、その凹部の横壁部には、O2測定センサ41およびO2ポンプセル42が取り付けられ、ここで、O2測定センサ41の電極36およびO2ポンプセル42の電極37のそれぞれ一方は凹部の内側に形成され、それぞれもう一方の電極は凹部の外側に形成されて、これら全ての電極が測定ガス雰囲気と接している。ここで、O2ポンプセルの電極37としては、SO2ガスを酸化しない性質を有することが好ましく、ランタンマンガナイト(LaMnO3)等の導電性金属酸化物電極が好適に用いられる。
なお、各電極36および37に取り付けられるリード線38および39としては、ともに、Pt線が好適に使用されるが、電極37はセラミックス電極であることから、溶接によるリード線39の直接の取り付けは不可能であるため、電極表面をメタライズした後に、リード線39を焼き付ける方法が一般的に用いられる。
【0035】
このような構造とすることにより、O2測定センサによって常に測定ガス雰囲気中のO2濃度が一定となるように、ポテンシオスタット43を制御してO2ポンプセルを駆動させることができる。したがって、測定ガスのSO2ガス検知極でのO2濃度が常に一定に保たれるので、SO2ガス測定用の検知極33で生ずるO2の影響を容易に除外してSO2ガスの測定をすることが可能となり、さらに測定精度の向上が図られる。
【0036】
図6は、図2に示した実施の形態において、SO2検出用の検知極13の表面上に、ガス拡散律速層18を設けたものである。このガス拡散律速層18は、検知極13の表面へのSO2ガス以外の例えば、プロパン、ブタンなどの可燃性ガスを除去できるガス拡散律速層であって、このようなガス拡散律速層18を設置することによって本発明のセンサにおけるSO2ガスの選択性を向上させることができる。具体的には、ゼオライト膜等が用いられ、その成形方法としては、検知極13の表面にディッピング等の方法によって検知極13の材料に積層形成するか、あるいは、検知極13を固体電解質基体11に形成した後に、スクリーン印刷等の方法によって形成することが可能である。また、このようなガス拡散律速層18は、上述した全ての実施形態に適用できることは言うまでもない。
【0037】
さて、これまでに説明した、本発明のSO2ガスセンサにおけるSO2ガス濃度の測定方法については、まず、固体電解質板が隔壁となって基準ガス雰囲気と測定ガス雰囲気とを隔離する構造においては、濃淡電池が形成されることから、この濃淡電池の起電力からSO2ガス濃度を測定することが可能である。また、検知極と基準極を固体電解質に設けたもの全体を測定ガス雰囲気中に設置する場合には、SO2ガス測定用の検知極と基準極とに異なる材質を使用することで、各電極間に生じた起電力差を測定し、SO2濃度を知ることができる。
【0038】
このことに加え、本発明においては、上述した全ての実施形態において、SO2ガス測定用の検知極と基準極との間に一定の電流を流し、このときの検知極でのSO2ガスの吸着/酸化による起電力変化を測定することでSO2ガス濃度を測定することができる。この方法によれば、電極上でのSO2ガスの酸化反応が促進され、SO2ガスに対するセンサ感度を向上させることができる。また、SO2ガス測定用の検知極と基準極との間を一定の電圧に保持するに必要な、検知極と基準極との間の電流を測定することによっても、同様の効果を得ることができる。
【0039】
さらに、図7は図1に示した本発明のSO2ガスセンサにおける基本構造において、SO2ガス測定用の参照極7を設けた構造を示している。この参照極7は基準極2と同様に多孔質Ptから構成され、リード線8としてはPt線が使用される。本構造のSO2ガスセンサにおいては、基準極2および検知極3の間に一定の電流を流すときの、参照極7と検知極3との間の電圧を測定することにより、検知極3でのSO2ガスの反応のみを分離して測定することができるので、より高精度な測定が可能となる。図8は、図2に示した有底円筒形の固体電解質基体11を用いた実施形態にPtリード線17を取り付けた参照極16を設置した実施形態を示したものであるが、参照極16の機能は、図7に示した参照極7と同様である。
【0040】
図9は、本発明に係るセンサと対照としてガラス成分を使用しないでAuより電極を形成させたセンサを用いて、SO2ガス濃度の測定を行った結果を示す。本発明に係るセンサは明らかにSO2ガス検知感度が高く、SO2ガスセンサとして優れていることを示している。また、図10は、本発明に係るセンサと対照としてガラス成分を使用しないでAuより電極を形成させたセンサを用いて、測定気体中に含まれる可燃性ガスの一つであるCOガスのセンサに及ぼす影響を試験した結果を示す。本発明に係るセンサに対するCOガスの影響は80ppmの濃度においても実質的に認められなかった。
【0041】
図11は、ガラス成分をAu(またはAu合金)に対して3、6、12および25(wt/wt)%を添加したときのSO2ガス検知感度に及ぼす影響を示すグラフである。このグラフからはガラス成分が10(wt/wt)%を超えるとSO2ガス検知感度の低下が認められることが判る。図12は、ガラス成分中の酸化鉛の含有率を55、68、74および85(wt/wt)%としたときの応答特性に及ぼす影響を示すグラフである。このグラフからは、酸化鉛の含有量が60(wt/wt)%未満では、応答反応が低いことが判る。
【0042】
図13は、本発明におけるSO2検知極形成方法の一つの態様を示すものである。図14は、図1に示すSO2ガスセンサを搭載した直結型のSO2ガス測定装置の基本構造の概略図である。同装置はセンサ装置の取付部118を有するセンサケース110と、同センサケース110に着脱自在となるように取付けられたセンサカバー114と、同センサ箱内に収容された本発明に係るSO2ガスセンサ108、同センサ108固定用の固定台109と基準ガス供給管112と、センサ108の前面に設けられた多孔質セラミックスよりなるフィルター113と、二重構造を有する被測定気体採取管103とエゼクターガス供給管101より基本的には構成されている。
【0043】
被測定気体採取管103は二重構造とされており、外周側には被測定気体採取路115が形成され、内側には被測定気体排出路104が形成される。
エゼクターガス供給管101の一端にはエゼクター供給口107が設けられる。このエゼクターガス供給管101は、まず101aで示すように保温材102の中を通った後、露出状態で被測定気体採取管103の外周に螺旋状に巻き付けられた形状の露出したエゼクターガス供給管部101bへと至り、次いで直線状の露出したエゼクターガス供給管部101cへと連なり、更に再び101dで示すように保温材102の中を通って設けられ、被測定気体採取管103の内部に露出してエゼクター106へと連なる。
【0044】
エゼクター供給口107よりエゼクターガスを供給すると、このエゼクターガスは、保温材102内の埋め込み部分101a、露出部101b,101c、保温材102内の埋め込み部分101dを順次通過し、エゼクター106のエゼクター吹出口120より吹き出される。これにより、エゼクター106の周辺が負圧となって対流が起こる結果、装置の外部から被測定気体が採取口116より採取され、被測定気体採取路115内を矢印Aのように流れ、反転して被測定気体排出路104内を矢印Bのように流れ、再び装置の外部へと排出される。その間に被測定気体中のSO2ガスがセンサ108により測定される。
【0045】
【発明の効果】
上述した通り、本発明のSO2ガスセンサによれば、火力発電所やゴミ焼却施設などを含む各種燃焼機関からの排ガスや空気中のSO2ガスの濃度を測定する場合に、SO2ガス測定用の検知極に、従来から使用されるPtよりもSO2ガスに対して触媒性の低いAuまたはAu合金とガラス成分とを併用した電極を採用したことによって、SO2ガスの選択性を向上させることが可能となる。また、O2センサとの併用によって、SO2ガス測定値をO2測定値によって補正することで、SO2ガスの測定精度を向上させることができる。特に、O2ポンプをも併用することによって酸素ガスが共存するような排ガスにおいてもO2濃度のSO2ガス濃度測定値への影響を極めて小さくすることができるという利点を有する。これに加えて、本発明のSO2ガスセンサ全てにおいて、SO2ガス測定電極間に一定電流を流すか、または一定電圧に保持してSO2ガス検知極でのSO2ガスに対する感度を向上させることが可能となり、総じて、SO2ガスセンサの測定精度を著しく向上させることができる。また、固体電解質の検知極形成側の表面を化学エッチング等により粗面化するか、あるいは、金または金合金からなる微粒子の層を固体電解質と電極膜との間に設けることにより、ガス相と金属電極と固体電解質との三者の接触界面の面積を大きくして、SO2ガスの検出感度を向上させることができる。更に、センサは600℃−900℃といった高温で作動させることができるので、測定ガス中に含まれる他の干渉ガス成分による誤差を低減できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のSO2ガスセンサの基本構造を示す断面図である。
【図2】 本発明のSO2ガスセンサの一実施形態を示す断面図である。
【図3】 本発明のSO2ガスセンサの別の実施形態を示す断面図である。
【図4】 本発明のSO2ガスセンサにおいて、O2測定用電極を設けた実施形態を示す断面図である。
【図5】 本発明のSO2ガスセンサにおいて、O2ポンプを設けた実施形態を示す断面図である。
【図6】 本発明のSO2ガスセンサにおいて、ガス拡散律速層を設けた実施形態を示す断面図である。
【図7】 本発明のSO2ガスセンサにおいて、参照極を設けた実施形態を示す断面図である。
【図8】 本発明のSO2ガスセンサにおいて、参照極を設けた別の実施形態を示す断面図である。
【図9】 本発明のSO2ガス検知極によるSO2ガスの検知感度の向上を示すグラフである。
【図10】 本発明のSO2ガス検知極に対する被測定ガス中のCOガス濃度の影響を示すグラフである。
【図11】 Au(またはAu合金)に対するガラス成分の添加量のSO2ガス検知感度に及ぼす影響を示すグラフである。
【図12】 ガラス成分中の酸化鉛の含有率の応答特性に及ぼす影響を示すグラフである。
【図13】 本発明のSO2検知極形成方法のうちの、固体電解質のSO2ガス検知極と接する側の表面を粗面化したのち、SO2ガス検知極を形成したものの状態を模式的に示す断面図である。
【図14】 本発明のガスセンサを搭載したSO2ガス測定装置の断面図である。
【符号の説明】
1…固体電解質板、2…SO2ガス測定用基準極、3…SO2ガス測定用検知極、4…Ptリード線、5…Auリード線、6…基体、7…SO2ガス測定用参照極、8…Ptリード線、11…固体電解質基体、12…SO2ガス測定用基準極、13…SO2ガス測定用検知極、14…Ptリード線、15…Auリード線、16…SO2ガス測定用参照極、17…Ptリード線、18…ガス拡散律速層、21…固体電解質板、22…SO2ガス測定用基準極、23…SO2ガス測定用検知極、24…Ptリード線、25…Auリード線、26…O2測定用基準極、27…O2測定用検知極、28…Ptリード線、31…固体電解質基体、32…SO2ガス測定用基準極、33…SO2ガス測定用検知極、34…Ptリード線、35…Auリード線、36…O2測定用電極、37…O2ポンプセル電極、38…Ptリード線、39…Ptリード線、41…O2センサ、42…O2ポンプ、43…ポテンシオスタット、50…粗面化された固体電解質、101…エゼクターガス供給管、101a,101d…保温材に埋め込まれたエゼクターガス供給管部、101b,101c…露出したエゼクターガス供給管部、102…保温材、103…被測定気体採取管、104…被測定気体排出路、106…エゼクター、107…エゼクター供給口、108…センサ、109…センサ固定台、110…センサケース、111…基準ガス入口、112…基準ガス供給管、113…フィルター、114…センサカバー、115…被測定気体採取路、116…被測定気体採取口、118…センサ装置の取付部、120…エゼクター吹出口、A…排出された気体の流れの方向を示す矢印、B…排出される気体の流れ方向を示す矢印。
Claims (18)
- 酸素イオン伝導性を有する固体電解質と、当該固体電解質の表面の少なくとも一部に電気的に接続される、二酸化硫黄ガス測定用の検知極および基準極を有する二酸化硫黄ガスセンサであって、
当該検知極は、90重量%以上の金を含む合金と、金合金とガラス成分の総量に対して1〜10重量%のガラス成分とからなる電極であることを特徴とする二酸化硫黄ガスセンサ。 - 当該二酸化硫黄ガス測定用の検知極および基準極の両方の電極が、当該固体電解質の同一面上に配置されたことを特徴とする請求項1記載の二酸化硫黄ガスセンサ。
- 当該二酸化硫黄ガス測定用の検知極および基準極に加えて、二酸化硫黄ガス測定用の参照極を設けた三電極構造とすることを特徴とする請求項1または2に記載の二酸化硫黄ガスセンサ。
- 更に、二酸化硫黄測定用の検知極と基準極間に一定電流を流す手段と、電流を流したときの該検知極における二酸化硫黄ガスの吸着/酸化による起電力変化を測定する手段を備えた、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二酸化硫黄ガスセンサ。
- 更に、該二酸化硫黄ガス測定用の検知極および基準極間を一定の電圧に保持する手段と、同電圧に保持したときの当該検知極における二酸化硫黄ガスの酸化反応による電流値を測定する手段とを備えた、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二酸化硫黄ガスセンサ。
- 更に、該二酸化硫黄ガス測定用の検知極および基準極間を一定の電圧に保持する手段と、当該検知極における二酸化硫黄ガスの吸着/酸化による起電力変化を測定する手段を備えた、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二酸化硫黄ガスセンサ。
- 更に、該二酸化硫黄ガス測定用の検知極および基準極間に一定の電圧を保持する手段と、検知極および基準極間に一定の電圧を保持したときの当該検知極における二酸化硫黄ガスの酸化反応による電流の変化を測定する手段を備えた、請求項1〜3のいずれか一項に記載の二酸化硫黄ガスセンサ。
- 当該固体電解質が、酸化ジルコニウムと安定化剤とから構成されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の二酸化硫黄ガスセンサ。
- 当該固体電解質に含まれる当該安定化剤が、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化イットリウム、酸化セリウム、酸化スカンジウム、希土類金属酸化物のいずれか一つ、または複数の前記安定化剤を含む、請求項8記載の二酸化硫黄ガスセンサ。
- 当該固体電解質が600℃〜900℃で使用可能な材料から構成される物である請求項1〜9のいずれか一項に記載の二酸化硫黄ガスセンサ。
- 当該合金が、95重量%以上の金を含む合金であることを特徴とする二酸化硫黄ガスセンサ。
- 当該合金が、99重量%以上の金を含む合金であることを特徴とする二酸化硫黄ガスセンサ。
- 酸素イオン伝導性を有する固体電解質と、当該固体電解質の表面の少なくとも一部に電気的に接続される、二酸化硫黄ガス測定用の検知極および基準極と、酸素ガス測定用の検知極および/または基準極とを有する二酸化硫黄ガスセンサであって、
当該二酸化硫黄ガス測定用の検知極は、90重量%以上の金を含む合金と、金合金とガラス成分の総量に対して1〜10重量%のガラス成分とからなる電極であることを特徴とする二酸化硫黄ガスセンサ。 - 酸素イオン伝導性を有する固体電解質と、当該固体電解質の表面の少なくとも一部に電気的に接続される、二酸化硫黄ガス測定用の検知極および基準極と、酸素ガス測定用の検知極および/または基準極と、測定雰囲気内の酸素濃度を制御できる酸素ポンプとを有する二酸化硫黄ガスセンサであって、
当該二酸化硫黄ガス測定用の検知極は、90重量%以上の金を含む合金と、金合金とガラス成分の総量に対して1〜10重量%のガラス成分とからなる電極であることを特徴と する二酸化硫黄ガスセンサ。 - 当該酸素ポンプが、金属酸化物である請求項14に記載の二酸化硫黄ガスセンサ。
- 二酸化硫黄ガス測定用の検知極と基準極とが当該固体電解質の同一表面に配設されている、請求項14に記載の二酸化硫黄ガスセンサ。
- 当該二酸化硫黄ガス測定用の検知極および基準極に加えて、二酸化硫黄ガス測定用の参照極を設けた三電極構造とすることを特徴とする請求項14に記載の二酸化硫黄ガスセンサ。
- 二酸化硫黄ガス濃度と酸素濃度を同時に測定する手段と、測定された二酸化硫黄ガス濃度と酸素ガス濃度から二酸化硫黄ガス濃度を測定する手段とを備えた、請求項14に記載の二酸化硫黄ガスセンサ。
Priority Applications (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31956198A JP3874947B2 (ja) | 1997-12-01 | 1998-11-10 | 二酸化硫黄ガスセンサ |
US09/198,612 US6200445B1 (en) | 1997-12-01 | 1998-11-24 | Sulfur dioxide gas sensor |
EP98122740A EP0919808A1 (en) | 1997-12-01 | 1998-11-30 | Sulfur dioxide gas sensor |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33050397 | 1997-12-01 | ||
JP9-330503 | 1997-12-01 | ||
JP31956198A JP3874947B2 (ja) | 1997-12-01 | 1998-11-10 | 二酸化硫黄ガスセンサ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11223617A JPH11223617A (ja) | 1999-08-17 |
JP3874947B2 true JP3874947B2 (ja) | 2007-01-31 |
Family
ID=26569759
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31956198A Expired - Lifetime JP3874947B2 (ja) | 1997-12-01 | 1998-11-10 | 二酸化硫黄ガスセンサ |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US6200445B1 (ja) |
EP (1) | EP0919808A1 (ja) |
JP (1) | JP3874947B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105259156A (zh) * | 2015-11-27 | 2016-01-20 | 天津师范大学 | 一种硫的测定装置和方法 |
Families Citing this family (29)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3526000B2 (ja) * | 1998-02-25 | 2004-05-10 | 株式会社豊田中央研究所 | 窒素酸化物センサ |
DE19914628A1 (de) * | 1999-03-31 | 2000-11-16 | Heraeus Electro Nite Int | Poröse Elektrodenstruktur für einen Gassensor und Sensoranordnung |
KR20010049489A (ko) * | 1999-06-10 | 2001-06-15 | 오카무라 가네오 | 가연성 가스 농도측정장치 및 이것을 이용한 가연성 가스농도측정방법, 및 탄화수소가스 농도측정장치 및 이것을이용한 탄화수소가스 농도측정방법 |
DE19932048A1 (de) * | 1999-07-09 | 2001-01-11 | Bosch Gmbh Robert | Meßfühler zur Bestimmung einer Konzentration von Gaskomponenten in Gasgemischen |
DE10045939B4 (de) * | 2000-09-16 | 2016-05-04 | Caterpillar Inc. | Sensor zur Bestimmung der Konzentration von Schwefelverbindungen in einer Flüssigkeit |
JP3920551B2 (ja) * | 2000-09-29 | 2007-05-30 | 株式会社山武 | 接合方法 |
US6598596B2 (en) * | 2001-09-28 | 2003-07-29 | University Of Florida | Solid state potentiometric gaseous oxide sensor |
CA2429977A1 (en) * | 2002-05-27 | 2003-11-27 | Shinko Electric Industries Co., Ltd. | Sensor and device for detecting sulfur |
CN1688508A (zh) * | 2002-08-13 | 2005-10-26 | 英特凯特公司 | 处理烟道气减少NOx和CO排放 |
JP2006514278A (ja) * | 2003-02-03 | 2006-04-27 | インディアン インスティテュート オブ サイエンス | 気体流速測定のための方法、固体材料にかけて流れる気体流を用いるエネルギー変換のための方法及びこれらの方法のためのデバイス |
AU2003241509A1 (en) * | 2003-05-20 | 2005-01-21 | The University Of Akron | Solid state gas sensors based on tunnel junction geometry |
US7431825B2 (en) * | 2003-12-05 | 2008-10-07 | Intercat, Inc. | Gasoline sulfur reduction using hydrotalcite like compounds |
TWI342335B (en) * | 2004-06-02 | 2011-05-21 | Intercat Inc | Mixed metal oxide additives |
JP2006126056A (ja) * | 2004-10-29 | 2006-05-18 | Tdk Corp | 二酸化炭素センサ |
US7628907B2 (en) * | 2005-08-26 | 2009-12-08 | Honeywell International Inc. | Gas sensor |
WO2007121032A2 (en) * | 2006-03-23 | 2007-10-25 | The Research Foundation Of State University Of New York | Optical methods and systems for detecting a constituent in a gas containing oxygen in harsh environments |
JP4872840B2 (ja) * | 2007-07-11 | 2012-02-08 | トヨタ自動車株式会社 | 硫黄成分検出装置 |
JP4840274B2 (ja) * | 2007-07-11 | 2011-12-21 | トヨタ自動車株式会社 | 燃料やオイル中の硫黄濃度検出方法 |
JP2009058328A (ja) * | 2007-08-31 | 2009-03-19 | Ehime Univ | 揮発性有機物検出センサ |
DE102007048049A1 (de) * | 2007-10-05 | 2009-04-16 | Heraeus Sensor Technology Gmbh | Verwendung eines Ionenleiters für einen Gassensor |
US8742775B2 (en) * | 2009-07-17 | 2014-06-03 | Caterpillar Inc. | Zinc oxide sulfur sensor |
KR101131958B1 (ko) * | 2009-10-22 | 2012-03-29 | 주식회사 과학기술분석센타 | 가스 농도 측정방법 및 이에 사용되는 가스 농도 측정장치 |
CN101726526B (zh) * | 2009-11-20 | 2013-12-11 | 西安交通大学 | 一种固体电解质so2气体传感器及其制作方法 |
JP5482739B2 (ja) * | 2011-07-11 | 2014-05-07 | トヨタ自動車株式会社 | 硫黄濃度センサ |
JP5746233B2 (ja) * | 2013-01-15 | 2015-07-08 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | So2濃度検出装置 |
JP6034204B2 (ja) * | 2013-01-22 | 2016-11-30 | 株式会社日本自動車部品総合研究所 | 排気ガス成分検出装置 |
JP5883976B2 (ja) | 2014-07-29 | 2016-03-15 | 日本碍子株式会社 | ガスセンサの検知電極、導電性ペーストの製造方法、および、ガスセンサ |
JP6866736B2 (ja) * | 2017-04-05 | 2021-04-28 | 日本製鉄株式会社 | 二酸化硫黄ガスの計測方法及び計測装置 |
CN113219009B (zh) * | 2021-04-29 | 2023-04-07 | 西安交通大学苏州研究院 | 二氧化硫气敏材料、制备方法及二氧化硫气敏元件、制备方法 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US3914169A (en) * | 1974-11-25 | 1975-10-21 | Du Pont | Oxygen detector having a platinum electrode on a zirconia electrolyte |
JPS5562349A (en) * | 1978-11-02 | 1980-05-10 | Nissan Motor Co Ltd | Measuring method for air fuel ratio |
DE3017947A1 (de) * | 1980-05-10 | 1981-11-12 | Bosch Gmbh Robert | Elektrochemischer messfuehler fuer die bestimmung des sauerstoffgehaltes in gasen und verfahren zum herstellen von sensorelementen fuer derartige messfuehler |
JPS58109846A (ja) * | 1981-12-24 | 1983-06-30 | Toyota Motor Corp | 酸素検出用素子及びその製造方法 |
US4976991A (en) | 1987-11-23 | 1990-12-11 | Battelle-Institut E.V. | Method for making a sensor for monitoring hydrogen concentrations in gases |
US5766433A (en) * | 1996-02-22 | 1998-06-16 | Akebono Brake Industry Co., Ltd. | Solid electrolyte type gas sensor |
JP3631582B2 (ja) | 1996-03-28 | 2005-03-23 | 日本碍子株式会社 | ガスセンサ |
WO1997042495A1 (en) | 1996-05-07 | 1997-11-13 | Sri International | Solid state electrochemical cell for measuring components of a gas mixture, and related measurement method |
-
1998
- 1998-11-10 JP JP31956198A patent/JP3874947B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1998-11-24 US US09/198,612 patent/US6200445B1/en not_active Expired - Fee Related
- 1998-11-30 EP EP98122740A patent/EP0919808A1/en not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105259156A (zh) * | 2015-11-27 | 2016-01-20 | 天津师范大学 | 一种硫的测定装置和方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
EP0919808A1 (en) | 1999-06-02 |
JPH11223617A (ja) | 1999-08-17 |
US6200445B1 (en) | 2001-03-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3874947B2 (ja) | 二酸化硫黄ガスセンサ | |
EP0851226B1 (en) | Carbon monoxide gas sensor and measuring device using the same sensor | |
US6368479B1 (en) | Carbon monoxide sensor, method for making the same, and method of using the same | |
US7294252B2 (en) | NOx sensor and methods of using the same | |
US6344119B2 (en) | Gas sensor | |
US20070080074A1 (en) | Multicell ammonia sensor and method of use thereof | |
EP1167957A2 (en) | NOx sensor | |
JP2011513735A (ja) | アンぺロメトリック電気化学電池およびセンサ | |
US9823216B2 (en) | Sensor material and gas sensor element and gas sensor derived therefrom | |
RU2143679C1 (ru) | Способ измерения концентрации газа в газовой смеси, а также электрохимический чувствительный элемент для определения концентрации газа | |
JP4632506B2 (ja) | NOxガス検出装置 | |
JPH09274011A (ja) | 窒素酸化物検出装置 | |
WO2002055987A2 (en) | Gas sensor | |
JP5033017B2 (ja) | アンモニアガスセンサ | |
JP2001141696A (ja) | ガス検出装置 | |
JP4456839B2 (ja) | NOx検知用セル及びその製造方法並びに該セルを備えたNOx検出装置 | |
JP2017167136A (ja) | アンモニアセンサ用検出電極及びアンモニアセンサ | |
US8828206B2 (en) | Gas sensor element and gas sensor employing the gas sensor element | |
JP2011123004A (ja) | 貴金属触媒粉末及びそれを用いたガスセンサ素子、ガスセンサ | |
JP3686282B2 (ja) | 硫化物酸化触媒体及びその触媒体を用いた硫化物濃度測定装置 | |
JP3556790B2 (ja) | 排気ガスセンサ及び排気ガスセンサシステム | |
JP3943262B2 (ja) | NOxガス濃度測定装置及びNOxガス濃度測定方法 | |
JP3729999B2 (ja) | 酸素ガスセンサ | |
JP4908683B2 (ja) | 酸化窒素分析用装置および酸化窒素測定用センサ素子 | |
JP2935963B2 (ja) | NOx濃度検出装置およびこれに用いるNOxセンサ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20051012 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060420 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060509 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060530 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20061024 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20061025 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131102 Year of fee payment: 7 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |